作家でごはん!鍛練場
大丘 忍

不倫願望

 五年前、私は女子短大を卒業して中小企業の事務員として就職していた。私が所属している会社の総務課には私を含めて二人の女子職員がいる。私の仕事はコピーやお茶汲みなどの雑用が多かった。同僚の雅恵は来客の応接、電話の応対をはじめ上役の秘書的な仕事が多かった。スリムな体型に、人を外らさない愛嬌はこの仕事にうってつけだ。
 ダイエットに励んでいるが、すこし気が緩むとすぐに増える体重を私は持て余していた。もう少しスリムになって、私も雅恵と同じように受付事務をやってみたい。
 ある日、総務課長に呼ばれた。
「船井さん。この人、どうだね」
 見合い写真だった。
「遠縁なんだが、親から嫁探しを頼まれてね」
 どうして私に……。
 雅恵の方がスタイルは良いし美人なのに。
「雅恵さんにどうですか」
 課長は首を振った。
「あの人には良い人がいるらしいからね」
 雅恵が複数の男性と付き合っていることは知っている。ホテルから出るところを見たという噂があったが、本人は否定しなかった。雅恵の男関係を、私は不潔感として受け止めていた。雅恵が男子職員に話すときの媚態を見る度に背筋が寒くなるのを感じる。私には望んでも起こり得ぬ色恋沙汰、それを嫌悪感という箱に入れて封印したのはあの出来事からだった。
 小学生の時だった。忘れ物をとりに家に帰ったとき、玄関に男の靴があった。奥の部屋から母のすすり泣くようなうめき声が聞こえる。そっと覗くと、裸の母が見知らぬ男に組敷かれ、母の腕は男の背に回されていた。私は思わず顔を背けた。見てはならないものを見たと思った。背筋に鳥肌が走った。私は泣きながら学校へ引き返した。それからしばらくは母とは口を利かなかった。そして私は陰気な子供になっていった。
 中学、高校時代からボーイフレンドはいなかった。男生徒が側によると背筋が寒くなるような気がする。高校の頃は今よりもっと太っていた。男生徒達は、私を船井育子と呼ぶものはなく、デブコと呼んでからかった。
 友達付き合いはなく、恋愛小説の世界に閉じ込もることで心の隙間を埋めようとしていた。夢想の世界では、ヒロインは常に私であり、星の王子様のような素敵な男性が現われて私を幸せにしてくれる。
 女子短大に入ってやっとデブコの悪夢から解放された。私はダイエットに励み、体重を減らすことに成功したのだ。

 私は見合い写真を手に取って眺めた。眉の濃い痩せ型の男である。
「良い人ですね」
 お世辞で言うと、
「そうか。一度見合いをしてみないか」
 課長は上機嫌で言った。
 心臓の鼓動が激しくなったのがわかる。今はかなりスリムになっているが、ただのデブに過ぎなかった私が見合いなんてできるのだろうか。見合いをして断わられたときの惨めさを想像してみる。せめて、雅恵くらいでなくてももう少しスリムであったら。
 私はためらいながら雅恵に話してみた。
「中には太めの女が好きな男も居るよ」
 この言葉のなかに雅恵の優越感を感じとった。雅恵は私を憐れみの目で眺めているに違いない。
 私は見合いの話を雅恵に相談したことを悔いた。太めの女が好きな男とは痴漢ではないか。どうした訳か、満員電車でしばしば胸や尻に触られる。これが痴漢だと気づいたとき鳥肌が立ったが、声をたてる勇気もなく、ひたすら堪えていた。通勤には満員電車を避けるわけにはいかない。私は痴漢の標的にされることは覚悟しなければならなかった。
 見合いをするかどうかしばらく決心がつかなかった。毎日、浴室の鏡に裸身を映してみる。懸命のダイエットの効果でそれほどウエストは太めには見えない。しかし腰に目をやって私は落胆する。せめてもう二センチか三センチヒップが小さくなれば。
 結局、私は見合いをすることにした。恋愛ができない以上、結婚には見合いをするしかないだろう。
 相川俊夫は写真で見たより老けて見える。薄い唇が軽薄な感じを与えた。私の胸と腰を嘗めるように俊夫の視線が這った。この人も痴漢と同じではないかと思った。
「俊夫は君が気に入ったようだよ」
 課長は嬉しそうに言ったが、私の心は重かった。気に入ったのは私の尻だけではないのか。
 何度か会ううちに、俊夫との結婚話は既成事実のように進行していった。
 ある時、俊夫は車をホテルに乗り付けた。そこがラブホテルと知って私は激しく抵抗した。
「どうせ結婚するんだから良いではないか」
 俊夫は私をベッドに押し倒し、半ば暴力で私の足を押し開いた。俊夫に組敷かれて、あの時の母を思いだした。涙が溢れ、ひたすら早く終わることを願った。
 この結婚は断わるべきかも知れない。しかし遅かった。私は俊夫に傷ものにされたのだ。私が失ったのは処女だけではない。星の王子様の夢も失ったのだ。もはや、星の王子様に向ける顔がない。
 俊夫は有能な営業マンだった。同年輩の社員中では収入が多い。だから、よそ目にはこの結婚は決して失敗のようには見えないだろう。
 新婚旅行が終わって出勤したとき、船井育子から相川育子に変わった胸の名札を見て雅恵が頬をひきつらせて笑った。
「どう? 彼氏」
「どうって?」
「セックスは良いの?」
 雅恵の評価の基準はセックスの善し悪しらしい。俊夫のセックスが良いか悪いかは私には評価のしようがない。
セックスを重ねているうちに夫に対する愛情が芽生えてくるかも知れないという私の望みは幻想に過ぎなかった。俊夫は一方的に私の中に押し入ってくるだけだった。セックスに対する嫌悪感だけが私の体に残されていく。
 せめて子供でも生まれれば。
 でもこの望みも俊夫の、子供は当分要らないからな、という一言で打ち砕かれた。
 ではなぜセックスをする? 結婚とは、男と女が公然と性交をすることが許される立場になることである。そして子供を作ることも。しかし私の場合は、男の欲情を満足させるだけなのか。自分の体は、俊夫の性欲を処理する無料の娼婦に過ぎないのか。
 女性週刊誌にはセックス情報が溢れている。性の悦びがいかに深遠なものかが描かれていようとも、それは私には無縁のことだった。
 ある夜、私を抱いたあとで俊夫が呟いた。
「お前、不感症か?」
 快感を感じないのが不感症とすれば、私はまさしく不感症である。妻の義務として夫に体を開いているだけだ。
 雑誌によれば、子供を生んでから初めて快感を感じることがあるそうだ。俊夫が子供を嫌う理由がわからなかった。本気である証拠に、避妊にはずいぶん神経を使っている。
 俊夫はその行為で私が快感を感じないのが不満のようだ。
 では、私はどうしたら良いの?
 男に組敷かれた母のようにうめき声を上げたらいいのか。冗談じゃあない。あの時の母のように、身をよじらせてうめき声をあげる気にはならない。
 木偶の坊のような私に業を煮やしたのだろうか。俊夫はポルノビデオを借りてきた。
 全裸の男女が動物のように淫靡に絡み合っている。私は吐き気を覚えて目を背けた。
「四つん這いになれ」
 ビデオを見ながら俊夫の息が荒くなった。ビデオのように後ろから繋がろうとしているようだった。私の体に手をかけて裏返そうとする。私は悲鳴を上げながらその手を払いのけ、トイレに逃げ込んで鍵をかけた。
 俊夫の怒鳴り声がしばらく続き、ものを投げる音が間に混ざっていた。私は一晩中泣きながらトイレにうずくまっていた。
夫婦間の行為が必須のものであるならば、できれば快く応じてあげたいと思う。もし、女に快感があるのが本当なら、私もその快感を感じたいと思う。
 頭ではわかっていても体が拒否してしまうのだ。
 数日後、俊夫は私の表情を窺うように声をかけた。
「いま、良いかな」
 私の意向を聞いている。今までには無かったことだ。無理強いすると私がトイレに逃げ込むと思ったのかもしれない。俊夫の媚びたような眼差しを見ると、なぜか哀れな気がした。
「いいよ」
 体を開きながら、結婚とは一緒に食事し性交するだけの関係だろうかと考えた。

 偶然、町で雅恵に出会った。この時は既に雅恵は会社を辞めて結婚していた。聞くところによると、子供が出来たので会社を辞めたらしい。
「不倫したいとは思わない?」
 喫茶店に寄って席につくと雅恵は声を潜めた。
 雅恵は私の目をのぞき込んでいる。私の心の奥深くに忍び込もうとしているのだ。私が心の扉を閉ざそうとしたのは、雅恵に覗かれたくない負目を感じていたからだろうか。
「あなたはどうなの?」
 私の問いに、雅恵は厚化粧した目元をゆるませただけで答えなかった。
 不倫願望。ばれることも後腐れもなければ、一度は不倫をしてみたい。結婚した女性の半数以上に、そのような不倫願望があるという。
 夫との夢のない生活に飽き飽きしていた私には、不倫は大きな刺激であろう。不倫によって女の悦びを知ることができるかも知れない。
 雅恵の言葉に私が心を閉ざそうとしたのは、私の不倫願望を意識の表に引き出されることを恐れたからだろう。
 不倫、と私は口の中で呟いてみた。不倫をしたい相手がいるわけではない。もし、適当な相手がいれば、私は不倫をするだろうか。
「ばれないように、上手にすることね」
 そう、雅恵はきっと上手にやっているに違いない。家庭を壊すことなく、性の快楽だけを求める。雅恵ならやりかねない。
 喫茶店を出て雅恵と別れたあとも、不倫の二文字が私の脳裏に強くこびりついていた。私はその二文字を消し去ろうと、俊夫のことを考えた。考えれば考えるほどその文字は鮮やかに浮かび上がって来る。
 私は俊夫との性交を嫌っている。しかし性交そのものが嫌いなのではなく、母の血を受け継いでいるから、本来は淫乱な女かも知れない。子どものころ盗み見た母の痴態、無理矢理に俊夫に犯されたトラウマが性交を嫌悪させているに違いない。もし不倫によって淫乱の血が呼び覚まされたなら……。
 私との性交に興味を失ったのか、俊夫は私に触れようとしなくなった。外では適当に遊んでいるらしい。
 ある日、通勤の満員電車でお尻の辺りに微妙な感じがあった。濡れ落ち葉がお尻に張り付いているようで、そこから何となく心地よいリズムが広がってくる。濡れ落ち葉は徐々に場所を移動する。体同士を密着させた満員電車であるから、誰かの体の一部が接触しているのかもしれない。振り返ろうとしたが、首を回した範囲ではなにもわからなかった。
濡れ落ち葉は週に二回か三回感じる。それも満員電車に限られる。窮屈な状態であるが、僅かに体を動かすことが出来てもその感じは続いている。
いつしかその感触を楽しむようになっていた。電車が比較的空いているときには起こらないのでがっかりする。

「あんたはええお尻をしてるな」
 八の字に下がった眉を更に下げて田所裕也が笑った。
 私はこの男に連れられてラブホテルに入っていた。一生一度の冒険だと思った。
 お尻の濡れ落ち葉は、この男の仕業であることが分かったのは偶然のことだった。電車がホームをオーバーランして急停車したときに、濡れ落ち葉が急に固形物のようにお尻を圧迫した。素早く体の向きを変えて振り返ると、中年の貧相な男が眉を下げて照れたように笑った。はやり痴漢。停車した時に、男の手をつかんで下車した。
「やあ、すまん、すまん。あんまりええお尻やさいかいな」
 男は悪びれることもなく笑っている。その人のよさそうな顔を見ると、痴漢として突き出す気持ちが失せていた。
 私は男に興味を持った。あの濡れ落ち葉の触り方は、並の痴漢ではできない手練の技であろう。一体何者なのか。
「またゆっくり会いたいな。ここに電話してや」
 男はずうずうしく名刺を渡した。
 田所裕也。フリーライター。
私は思いきって田所に電話してみたのだ。
 ラブホテルには俊夫に連れ込まれたことがあるから、それほどの抵抗はなかった。
 私はこの男の痴漢ぶりに興味を抱いていた。
「仕事は何をしているの?」
「主に風俗関係の取材や。特にソープがおれの専門や」
「ソープと言うとあの……」
「そうや。男が性欲を発散させるところや」
「それなら田所さんはソープに入ったことがあるの?」
「ソープに客として入らな取材でけへんやろ」
 田所は得意げにソープ嬢の話をした。ソープの女は、いかにもあばずれのように思われているが、案外純情な女が多いそうだ。ソープ嬢の仕事は、男の性器を刺激して性的快感の極致を味あわせることだという。色々な種類の風俗店の中でも、ソープは必ず性器の結合を伴なうそうである。もちろん、これは非合法であるが、建前としては入浴であり、その浴室内で何をしようと、それはお客と合意の上での自由行動となされている。人気のあるソープ嬢は一日に何人もの男と性器結合を行なう。その度にオルガスムスを感じていては体が保たない。だから、感じているように見せる演技が必要である。演技することで客の興奮を高めようとするのである。
「しかし、おれはソープ嬢を本気でイカスのが得意なんや。これは高級なテクニックが要るんやで」
 ソープ嬢は性交技術のプロである。そのプロを満足させるには更にその上をいく技術が必要となる。
 私はこの男のテクニックを試してみたいと思った。不感症である私が果たしてオルガスムスを感じることが出来るのだろうか。
「どんな不感症の女でもイカせることができるの?」
「そりゃあ、できるやろ。まさか、あんたが不感症やないやろな」
 田所は不思議そうな顔をした。
「私は不感症と言われています」
「そらおかしい」
 田所は首を傾げた。
「あんたは、ええ感度をしてる筈や。尻を触った感じでわかる」
「でも、一度も良いと思ったことはないわ」
「そら、相手の男のやり方が悪いんや」
 私は俊夫しか知らないから、俊夫のやり方が悪いのかどうかは分からない。第一、セックスに上手下手があることも知らなかった。
「ほな、そろそろ始めようか」
「何を?」
「セックスやがな。それをしにここへ来たのに決まってるやろ」
 田所はズボンのベルトをゆるめ始めた。
「あんたもはよ脱ぎや」
 私は一瞬躊躇したが、この男とセックスをするためにここへ来たのは確かだ。いまさら恥ずかしがっても仕方が無い。それにこの男がどんなことをするのか興味がある。
 男の手がパンツにかかった。その手はじらすようにすこしずつパンツを引きおろしている。陰毛が露出した、
「ええ感じやんか」
 男は私をベッドに横たえて、その手が陰毛を軽くなでた。
「ほんならわしも脱ぐで」
 男は自分のパンツを脱ぎ捨てた。勃起が大砲のように上を向いた。
男は私のパンツを全部取り払った。
「両足を開いて」
男は私の膝に手をかけて股を開こうとした。本能的に私は股を閉じようとする。
「あかん、あかん。セックスに恥ずかしいことは何にもあらへん。大股を開くのが大事なんやで」
男は私の小陰唇に軽く触れながら言う。男の手は触れるか触れない程度に小陰唇を中心としてクリトリスの周りに蠢く。クリトリスに触れるとこそばゆい感じがした。
「こそばゆいのはまだここの性感が開発されていない証拠や。そのうちに気持ちよくなってくるで」
その通りだった。最初はこそばゆい感じが、全身を突き抜けるようないい感じに変わっていく。膣口から液があふれ出てきた。男はその液をクリトリスに塗りつけ、さらに舌を使ってクリトリスと小陰唇を軽く嘗め回す。
これまで感じたことのない快感が突き上げてきて、私は思わず男の勃起を握り締めた。「そうや。ええ調子やな」
男の愛撫はまだ続くが勃起を入れようとはしない。
「今日はこの辺でやめておこうか。続きはまた次や」
「なんで途中でやめるの?」
「続きをして欲しいと思わせる。これが業師のコツなんや。セックスは焦ったらあかん」
俊夫は愛撫もなしに勃起を強引に突っ込んだだけだが、この男のやり方は違う。こちらが本当のセックスということだろうか。
「続きは何時してくれるの?」
「あんたがして欲しいと思ったら何時でも電話してや。俺のほうは何時でもOKや」
快感と、何か物足りなさを股間に残したままその日は別れた。

 田所と知り合って一年が経ち、そして田所が大阪に去って一週間が過ぎていた。
夏が始まろうとしている頃だ。俊夫が浴室に入った。頃を見計らって私も裸になって浴室に入る。
「どうしたんだ」
 俊夫は驚いたように湯船から私を見た。私の裸身を見て俊夫の股間が膨張しはじめている。私は湯船の空いているところに身を沈めた。大量の湯があふれ出た。狭い湯船の中では俊夫と体が密着する。俊夫の股間に手を伸ばしてペニスを握った。これまで私は俊夫のペニスをしげしげと観察したことはなかった。田所のよりやや太くて長いかなと思った。田所に言わせれば、ペニスはあまり長大なのはよくないそうだ。日本人の平均的な大きさがよい。それは根本まで挿入でき、したがって女の一番敏感な核に密着することができるからだ。そのことは田所によって納得させられている。
俊夫の手が私の乳房を撫で、空いた手が股間に伸びてくる。
 私が湯船から出ると俊夫も続いて出てくる。私は腰を沈めて俊夫のペニスを口に含んだ。舌を使って亀頭の根本を刺激する。俊夫の息が荒くなり、大量の精液が放出された。
 私の突然の変身に俊夫は言葉を失ったようだった。
 一旦、萎えかけたペニスは、私の手で固さが蘇った。
私は浴室を出て、バスタオルで体を拭き、ベッドに直行する。それに誘導されるように俊夫も従う。私に覆いかぶさろうとした俊夫の体を反転させ、私が上になり、向きを変えて俊夫のペニスを口に含む。私の外陰部は必然的に俊夫の顔の前にある。
「究極の前戯はシックスナインや」
 と、何度も会っているあいだに田所から教えられたことである。案の定、俊夫の舌が私の陰核に這った。田所の時ほどではないが、快感が体を突き上げてくる。
 性器を結合すると、私はうめき声をあげていた。俊夫も堪らず射精した。
「おまえは……」
 不感症のはずだという言葉を俊夫は飲み込んだのだろう。
「不感症は治っているのよ」
「どうして急に」
 俊夫は驚いたように言った。
「さあ、どうしてでしょうね」
 私は皮肉な笑いを浮かべた。
「まさかお前は……」
「不倫してたとしたらどうする?」
「やっぱり不倫してたのか」
 私は俊夫から体を離して言った。
「不倫しました。おかげでセックス大好き女になりました。こんな私が許せないなら離婚してください」
 俊夫はしばらく私を睨んでいた。その視線が私から逸れて呟くように言った。
「いまでも不倫は続いているんか」
「最初の相手とは一週間前に別れました。相手が大阪に帰ったので」
「それならいまは他の相手としているんか」
「今は他のセックスフレンドとしていますよ」
「セックスフレンドは何人いるんだ?」
「さあ、沢山で数え切れないわ」
 俊夫は情けなそうな顔をした。
「セックスフレンドと縁を切れないのか」
「さあ、どうでしょう。私は別にその人達が好きな訳ではないし、その人も私が好きな訳ではないわ。ただ、私とセックスしたがっているだけですからね」
「好きでもないのに何故不倫をした?」
 私は俊夫を軽蔑するように笑みを浮かべた。
「あら、セックスの快感を得るためよ。貴方はなぜ不倫をしたの?」
 俊夫が会社の女子社員と不倫関係にあったことは知っている。だから一年もの間私に触れなくても文句を言わなかったのだ。
「お前のセックスがつまらんからだ」
 まるで私の責任のように言う。私が不感症だから不倫に走ったことは間違いない。
「不倫したおかげで私の不感症は治ったわ。今夜のように、貴方が私を満足させてくれたら不倫なんかする必要はなくなります」
「それは本当だろうな」
「本当です。でも私を満足させるにはテクニックが必要ですよ。あなたが駄目なら離婚するか、また不倫をしますからね」
「お前という奴は……」
 俊夫は真っ赤な顔をして呟いた。
 私は俊夫に微笑み返した。もうあなたの思うようにはさせないわ。私に必要なのは、満足させてくれる男だけ。
「ところで、私の味はどうだったの? 満足した?」

                   了

こうなると、完全な官能小説ですね。にやにやしながら書く小説です。したがって、にやにやしながら読んでいただけば結構です。既婚女性の半数以上は、ばれなければ不倫したいという願望を持っているそうですが如何でしょうか? 男性ならほとんどがそんな願望を持っているでしょう。

不倫願望

執筆の狙い

作者 大丘 忍
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こうなると、完全な官能小説ですね。にやにやしながら書く小説ですね。したがって、にやにやしながら読んでいただけば結構です。
調査によると、既婚女性の半数以上は、ばれなければ不倫したいという願望を持っているそうですが如何でしょうか?
男性ならほとんどがそんな願望を持っているでしょう。

コメント

秋田寒男
133.106.144.67

昔チャットしてました。そこで一人の人妻とチャットしてましたが、わたしのおっパイ柔らかいんだ、とか若いおちんちんが欲しいとか言ってましたね。仲良くなって写真交換しましたが唐橋ユミ似の可愛らしい人妻でした。私阿呆なのでエッチしたい願望が湧きましたが、旦那さんが可哀想だなと思って会いもしませんでした。あの時会っていればエッチできたでしょう。不倫はしない人も勿論いるでしょう。しかし女性はエッチ願望が年をとるほど湧くそうなので否定はしません。皆、うまい方法を使ってエッチしてますよね。

大丘忍さまはご高齢だと聞きますが、上手い方法を使ってエッチすればもっと長生きできて健康寿命も長くなるかと思います。ここでエッチな小説書くより良いかなぁと思う秋田寒男なのでした、、、

大丘 忍
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秋田寒男様

私の年齢になってもエッチしたい気持ちだけはありますが、肝心の一物が言うことを聞いてくれません。もちろん、相手もいませんが。
従って、想像で楽しむだけにしております。まあ、こんな小説を書くのもその楽しみの一つですね。

チエル
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エロかったです!

勉強になりました。
内容はもろ官能小説なのですが、うまいところ隠してましたね。だからこそ一度怖いクレーマーに訴えられて泣きそうになってみてほしいと思いました。

飼い猫ちゃりりん
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大丘 忍様

 短いから仕方ないですけど、主人公の変身がちょっと急すぎるような気がします。
 もっとネットリいった方がエロくないですか?
 なんか、これから盛り上がるところで終わりになっちゃった感じですね。

 大丘様は、ごちゃごちゃした不純物(哲学などの嘘っぱち学問)を交えず、自分の好きに書くから、作品に血が通うのでしょう。

 それにしても女性のメンバーからどんな非難がくるか楽しみですね。笑

大丘 忍
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チエル様 読んでいただき感想をありがとうございます。
セックスによる快感とは、男の場合は射精に伴う快感ですから、誰とやっても射精すれば基本的には同じことです。別に好きな相手でなくてもいいわけですね。だから、昔であれば遊郭、今なら風俗店が繁盛するのでしょう。
女性の場合は想像するしかありませんが、やはり性感帯の刺激の上手下手によるのではないかと考えます。したがって、その道の達者な男によって性感帯が開発されたということですね。

大丘 忍
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飼い猫ちゃりりん様
読んでいただき感想をありがとうございます。
セックスによる女の快感は想像するしかありませんが、男がテクニックを用いて上手に性感帯をを刺激することが必要ではないかと思います。それを考えずに、一方的に男が行為をすれば女は不快感だけが残るのではないかと。しかし、テクニックのある男に性感が開発されると、誰とやっても快感を得るようになるのではないか。
ということで、この女が色事師によって性感が開発されたというお話です。
なお、結婚している女性の半数以上は露見しなければ浮気をしてみたいそうですが、これは驚きですえね。しかし、本当なのでしょう。女性に聞きたいところです。

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