田毎の月様に贈るうた
ころん、と丸い石が地面に転がる。
ほんのり赤い、不思議な色。
赤、赤、赤。
思わす視線が惹きつけられて、ハッと息を呑んだ。
中に知らない誰かの姿が映っている。
ひとりは、京都の王様みたいな人。ジャニーズジュニアみたいに、整った顔。
もひとりは、頭に松を乗っけた人。
もひとりは、お月様みたいに頭の形が綺麗な人。
もひとりは、一人でしずかにそうめんを食べてる
うわあああああ
おつきさまが、皆に向かって咆哮
びっくりした京都の王様が
おい おい おい
頭に松を乗っけた人が、みるみるみるみる顔を赤くする
この この この この
そうめんは、寂しげに微笑んでる
たちまち四人は殴り合い
私は思う
みんな みんな 疲れちゃったんだね
貴方たちは、とっても素敵な人で、これまでたくさん険しい道のりを歩んできた
ふとふりかえり、石を拾った
なんでもできる ここなら 何にでもなれる
たしかに貴方たちは一人一人がパーソナリティを持っている
認められるべき、かけがえのない個性
人は私たちの鏡だから、吠えたら、もう一人の私が吠えかけてくるの
憎むより、愛して
零すより、掬い上げて
そうめんが叫んだ
やめよう!みんな!もうたくさんだ!
周りを見回せば、すでに多くが荒れている
囀っていた小鳥も、何もかも、消え失せた
京都の王様は涙を流した
痛い、もう、やめよう
頭に松を乗せた人は、にっこりと微笑んだ
俺、幸せになりたい
1人、おつきさまだけが立ち尽くす
ふと、そうめんがおつきさまにこう言った
もう戦争は終わりだ。いくら詭弁をうまく操れたって、何の意味もない。
せっかく同じ志を持つもの同士、仲良くしよう
しずくが、おつきさまを滑り落ちていった
ありがとう みんな もう吠えないよ
みんなは、俺を形作ってくれる鏡
みなで、一本のペンをとる
つきとそうめんと松と王で、これは、俺たちがつくる幸せの物語だ
執筆の狙い
みんなを幸せにするために。
掲示板での無意味なあらそいなんて、いらない。