生きてみよっかな、って思った。
上に行って下に行きまた上にのぼり
西に1週間 北に3週間
上に一年 下に3年と6ヶ月
そしてまた下へ
誰も知らない次元の誰も知らない星の
誰も知らない世界の誰も知らない土地の
誰も知らない谷のある一つの家
何もかもが見渡せる丘に建つ小さな家に私は住んでいる
私はなんでもできて何にもできない
それはあなたも同じ
人には無限の可能性が秘められている…
*・゜゜・*:.。..。.・*:.。. .。.:*・゜゜・*
私は本を閉じた。
おばあちゃんの子供の頃からあって、誕生日プレゼントで一昨日おばあちゃんから届いた本。
ファンタジーな本の内容だけど、勇気ももらえる。
だからこの本が好き。
でも。
「私には無理だ。何にもできない、無力な人間だから」
私は布の薄汚れた赤い表紙を閉じた。
そのまま壁にもたれると、窓から漏れる夕日の光が私の顔に当たる。
白い壁と私の顔がオレンジ色の光に照らされて、本の赤い表紙ももっと赤くなった。
小学六年生の私。
もうすぐ中学生になるというのに、最近、後ろ向きなことばかり考えてしまっている。
最近イライラして家族に暴力を振るってしまったり、暴言を吐いてしまったり。
その後で後悔して自分を憎む。
死にたい。
死にたいよ。
本当は死にたくないはずだけど、なぜかそう思ってしまう。
でも痛いのは嫌だから、人魚姫のように泡になって消えてしまいたい。
ずっとそう思ってる。
夕陽が沈んだ。どんどん空が暗くなっていく。
今日は友達と喧嘩をしてしまった。
あの子が悪い。死んでほしい。
『ううん、あの子は悪くないよ。私が先に言い出したんだもん』
そうか、私が悪いのか。なら私が死んだほうがいいってことだね。
なんでこんなふうに考えちゃうんだろう。
空が暗くなるにつれ、私の気持ちも沈んでいく。
死にたい。死にたい。死にたい。
死にたい。死にたい…。
一階で母が私の名を呼んだ。私に電話がかかってきたらしい。
私は(めんどくさいな…)と思いながら起き上がり、階段を降りた。
電話の相手は今日喧嘩したあの子だった。
あの子のことだから「謝って」とかだろう。
私は渋々電話に出た。
「もしもし…?」
あの子は言った。
『ごめんね』
あの子は予想とは全く違った事を言った。
思わず私は「え?」と言ってしまった。
『今日喧嘩したの、よく考えてみれば言い出したのあたしだし… “ウザい” とか、…言ってごめんね。あたしが悪かったよ。』
最後まで予想外だった。
あの子はちゃんと、考えてくれていた。
私は……______
「…うん、謝ってくれてありがとう。でも、私も…その、言いすぎたっていうか…」
『じゃあ、お互い様、って事でいいかな』
「うん、ありがとう」
『じゃあ、また明日ね』
私は最後に一言、「バイバイ」と言って、電話を切った。
私は明日も、あの子に会いたくなった。
あとちょっと、
あと少しだけでも
生きてみよっかな、って思った。
執筆の狙い
なぜこの小説を書いたのか、表現したいものは何か。
私は今中学一年生なんですが、私は本当に小学三、四年生の時、いじめられたりしたのが原因で病んでしまっていて、学校も不登校で母に暴力を振るって、毎回後悔をして布団の中で泣いていました。
毎日毎日死にたいと思いました。
それでも死ななかったのは、ちょっとしたきっかけ?だけでした。
学校を休んだ時、友達が書いて届けてくれた連絡帳に、
班の子や仲のいい子が “無理しなくていいよ!” とかを書き込んでくれていて、それが嬉しくて、ちょいちょいだけど、少しずつ学校に行けるようになっていきました。
つまりこの小説は、自分を重ねて書いたということです。
あとは、「死にたい」って思ってる人にちょっとでも勇気づけれたらなと思って書きました。
執筆上どのような挑戦があるのか。
私は昔から本を読むのも書くのも好きなので、読んでいる人にわかりやすい、その状況を字で簡単に理解できるようにと、少し細かく書きました。
それでもまだ中学一年生の表現力なので、アドバイスがあればコメントで書き込んでくれると嬉しいです。