作家でごはん!鍛練場
敷島梧桐

秘された水:Liqueur of the Year 2273

## 序文

 本稿は、二二七三年一〇月に開催されたウイスキー品評会「ユニバーサル・モルト・コンペティション」で最高金賞を受賞したボトル八本に対するテイスティングコメントと解説をまとめたものである。
 およそ一七年に一度、汎地球規模で開催される祭典・星還祭に合わせて開かれるこの秘密主義めいた品評会では、各国の蒸留家、ブレンダー、レストランやバーの関係者、そしてわたしのようなしがないウイスキーライターなどが招かれ、ブラインドテイスティングにより、その年もっとも優れたシングルモルトウイスキーを選定する。限られた人間だけに開かれた会合であるが、優れたウイスキーの英知は多くの人々と共有されるべきであるし、またわたし自身が優れたウイスキーを調達する資金を欲している[^1]こともあって、本稿を執筆するに至った。
 星還祭の最後の夜にこの序文を綴っている。もちろん、琥珀色の輝きを湛える香しい液体を啜りながら。本稿が読者諸氏のウイスキーライフの一助になれば幸いだ。

ウイスキーライター イアン・フォーサイス





## グレンローワン一二年
GLENROWAN 12 years old

色:ペールゴールド。
香り:フレッシュなレモングラスの香りが立ち上がり、華やかなゼラニウムとバニラ香がその後を追いかける。クルミ、カスタードプリン、ココナッツの波が押し寄せ、時間をおくと奥から若い洋梨のアロマがひそかに顔を出す。
味わい:舌の上にねっとりとした蜂蜜のようなテクスチャーが広がる。凝縮した大麦の甘みを感じる一方で、力強いオークの落ち着いた味わいがドライな印象を与える。香りの複雑さに対してシンプルな味わいだが、バランスが取れている。
余韻:ココナッツとほのかなアーモンド。しっとりとしたゼラニウムの香りが穏やかに消えていく。

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 グレンローワン蒸留所が東ハイランドのなかで近年もっとも成功を収めた蒸留所であることに異論を差し挟む者はいないだろう。水に恵まれた土地に最新式の蒸留設備を備え、年間約七〇〇万リットルのハイランドモルトを生産し、シングルモルトだけで年間一〇〇万ケース以上の売り上げを誇る。その約束された品質にブレンダーからの支持も篤く、いくつものブレンデッドウイスキーのキーモルトとして知られている。そして今世紀初頭に始まったアルコール飲料冬の時代を生き延びた数少ない蒸留所の一つでもある。
 このウイスキーについて記すなら、流浪のマスターブレンダーとして名高いオーウェン・ローウェンについて触れないわけにはいかない。ウイスキー愛好家たちの間でその名が広く知られるにも関わらず、彼の素性はほとんど明らかになっていない。謎に満ちた人物、あるいは謎に満ちた一族である。
 わたしの手元にある資料のうちローウェンの存在が確認できるもっとも古いものは、今からおよそ二〇〇年前に発行されたグレンローワン蒸留所のパンフレットであり、この中で同所の初代マスターブレンダーとして彼の名が記されている。当時創業を開始したばかりだった同所の前身がボトラーズブランド[^2]であったことから、元々ローウェンは瓶詰業者のブレンダーとして活動していたと推測されるものの、それを裏付けるような資料は残されていない。
 ローウェンがマスターブレンダーとして手がけた最初の蒸留所オフィシャルリリースボトルが、グレンローワン一二年だ。ファーストフィルバーボン樽とリフィルバーボン樽、そしてフレンチオーク樽で熟成された原酒を厳選してバッティングする彼のレシピは、今日に至るまで二〇〇年にわたり守られ続けている。それだけで伝説に値するウイスキーと言える。
 ところで、グレンローワン蒸留所の公式サイトには、創業当時から同所がリリースしたボトルに対する、スタッフによるテイスティングノートが継続的に公開されている。二世紀にわたり蓄積されたノートの地層を掘り進めると、ある面白いことが分かる。オーウェン・ローウェンの著名がついたテイスティングノートが、およそ一七年に一度の周期で二〇〇年間にわたり絶え間なく記され続けているのである。この期間、ローウェンはスコットランドのみならず、世界中の多くの蒸留所や瓶詰業者にブレンダーとして参画していた形跡が見られるが、彼自身に関する詳しい証言はほぼ残されておらず、一七年に一度という周期の意味するところに確証は得られていない。ローウェンは世襲制のブレンダーであるとも、ふさわしい能力を備えたブレンダーに継承される名跡であるとも、あるいは初期に地球を旅立ったアウターピープルであるとも言われているが、真実を知る者はいない。まるでウイスキー関係者の間で共有された都市伝説のような存在なのだ。
 もちろん今日のグレンローワン蒸留所のパンフレットの中にも、彼のクレジットが刻まれている。ちなみに、蒸留所名になっている「ローワン」とはゲール語でナナカマドを指し、スコットランドでは魔除けの木として知られている。そしてなにより、「ローウェン」という名の語源にもなっている。





## 倶多楽九年 ミッシング・カスクス
KUTTARA 9 years old Missing Casks

色:異常に薄いゴールド。
香り:フレッシュなアタック、タールとピート、潮のパンチ。巨大な磯の香りの奥底に、薄らと冷たい硫黄の流れが感じられる。硫黄香は不思議と嫌な感じがしない。
味わい:軽い酒質。海藻のような塩っぽさと、ラプサンスーチョンのようなピート香。極めてドライな口当たりだが、仄かに樽の甘みが顔をのぞかせ、飲み手を惑わせる。
余韻:胡椒と小さな塩の粒の余韻が長く続く。海辺で熱せられた夏の砂。

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 その年最大の勢力となる台風が北海道を襲った夜だった。どんな音をもかき消す風雨をさらに圧倒するほどの轟音が、倶多楽蒸留所の樽熟成庫から響いた。風による共振で大きく揺れた熟成庫の中で横積みにされていた五〇〇樽のラックが瓦解し、熟成途中の原酒を孕んだ樽が大扉を突き破って嵐の夜へ続々と繰り出していく音だった。多くの樽が、樽同士の衝突により破損し、内蔵していた原酒を流出させてしまった。またいくつかの樽は、カルデラ湖の激しい水面に落ち、強風にあおられながら肩を寄せ合い漂っていた。そしてごく一握りの樽が、粗い舗装の山道をうまい具合に走り抜け、おのおのの長く数奇な旅路へと就いたのだった。
 倶多楽九年ミッシング・カスクスは、魅力に溢れる一本だ。パワフルなピート香と、海水を舐めているかのような塩っぽさに加えて、ふつうウイスキー造りでは忌避される硫黄香の存在が、このボトルを特徴付けている。迷子のカスクという名は、このボトルが生まれるきっかけとなった出来事を示している。二五年前に日本を襲った台風一三号は各地に大きな爪痕を残したが、とりわけ南北海道に位置する倶多楽蒸留所に対して甚大な被害をもたらした。この年、貯蔵ラックの崩落による貯蔵樽の破損のために、倶多楽蒸留所は貯蔵原酒のおよそ五〇パーセントを失ったのである。破損を免れた樽の多くも、暴風雨のなか山中に散り散りとなった。河川の氾濫に巻き込まれて遠く離れた海岸へ運ばれる樽もあったという。しかし、これら迷子の樽こそが、その後倶多楽蒸留所が打ち出す新基軸のウイスキー熟成の礎となった。
 貯蔵樽のトレーサビリティは、ウイスキー造りにおける重要な要素の一つだ。どの木から作られた樽なのか、どこで原酒を詰められた樽なのか、どれくらい長く熟成に携わった樽なのか。それらの情報を保持するため、すべてのウイスキー熟成樽に記録チップを埋め込むことが法令化されており、誰でもその樽の経歴を追うことが出来る。あの台風の夜、山中に飛び出していった樽の多くは、樽自身に埋め込まれたGPS情報を追跡され、無事に回収された。しかし、人のアクセスが困難な場所に行き着いたいくつかの樽については回収が見送られた。たとえば、氾濫した川に流されて太平洋岸へたどり着き、干潮時のごく限られた時間にしかアクセスできない海没洞窟に入り込んだ樽。たとえば、倶多楽湖から斜面を下った谷底の爆裂火口群[^3]へたどり着き、硫黄立ちこめる洞窟に潜り込んだ樽。これら迷子の樽々は人々から忘れ去られ、おのおのの場所で密かに呼吸し、熟成していった。
 ウイスキー樽は、四季に応じて絶えず呼吸している。夏の暑さで膨張した原酒が、樽を陽圧化して外界へ呼気を蒸散させる。冬に寒さで収縮した原酒が、樽を陰圧化して外界の空気を吸い込む。樽が呼吸した空気によって、原酒の酸化反応が進む。こうしてウイスキー原酒は、自らが身を置く周辺環境の特性を身につけていくのである。
 台風の夜から八年後、レスキュー隊のような装備に身を包んだ蒸留所スタッフにより、迷子の樽は回収された。特殊な場所で長い期間の熟成を経た原酒。偶然によって生み出された「最初の迷子たち」がどのような味だったのか、われわれに確かめる術はない。ともあれ、その後倶多楽蒸留所は火口群や海岸付近に熟成庫を新設し、そこで熟成した原酒をバッティングしたシングルモルトウイスキーを、ミッシング・カスクスシリーズとして定期的にリリースするに至っている。
 迷子の樽は、今はもう孤独ではない。





## ポートエリオット クラシック
PORT ELIOT Classic

色:濡れた銅。
香り:シトラスやライムのフレッシュな柑橘香、鰹節のダシ感、存在感のあるスモーキーフレーバーが同居する。香り立ちは極めて柔らかく、格別に上品な印象を与える。
味わい:ピーティでクリア。口当たりは柔らかく、大麦に由来する焼きたてのワッフルと蜂蜜の風味が広がる。蒸し焼きにした若いリンゴの後から、土っぽい煙としっかりとしたボディが感じられる。奥に長芋のピクルス。
余韻:スパイシーでドライ。乾いた植物と磯の潮っぽい余韻は長く続き、何度も蘇ってくる。

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 失われた蒸留所に対するノスタルジーは、いつの時代も変わらない。ウイスキー造りの聖地と呼ばれたスコットランド西部諸島の中でも、ポートエリオット蒸留所は特別な存在だった。独特の軽やかなピート香と繊細な酒質が織りなす比類ない品質に世界中が魅了された。しかし、隆盛を誇った蒸留所も冬の時代を迎え、あっけなく閉ざされてしまった。蒸留所閉鎖から二九年が経ち、残された樽も底をつきつつある。沈黙した巨人がかつて残した足跡をたどるには、いまや安くない出費を覚悟しなければならない。
 ポートエリオットは、わたしにとって最も思い出深い蒸留所でもある。三四年前の夏の日、まだ小さくいたいけで臆病な生き物だったわたしは、家族に連れられてスコットランド西部の島に滞在していた。滞在先は親戚の家だったのだが、偶然にもその親戚というのが、蒸留所の経営者だったのである。蒸留所の名はポートエリオット。わたしのウイスキー愛好家としての運命は、このときに決定づけられたのだと思う。
 その夏、蒸留所のツアーガイドにくっついて歩く少年と少女の姿があった。少年というのはわたしのことで、少女の方は蒸留所を経営する一家の娘であり、わたしの従姉妹だった。彼女の名はエレナ。このとき彼女は一二歳、わたしは九歳だった。もちろんウイスキーが口にできるような年齢ではなかったし、仮に口にできたとしてもその味を楽しめたとも思えない。しかし、大人たちに交じって蒸留所の施設を巡って歩くことは、魔法使いたちの秘密を垣間見ているようで、ひどく興奮する体験だったことを今も鮮明に覚えている。
 その日は朝から小雨が降っていたと思う。わたしたちは蒸留棟と樽貯蔵棟の間の渡り廊下から分岐する白い通路の先、いつもは閉ざされていた白い扉が少しだけ開いているのをめざとく見つけたのだった。扉の前で忍び込もうか迷っている二人に、背後から声がかかった。
「ここはブレンダーのためのテイスティングルームだ」
 白い作業着に身を包んだ男がぶっきらぼうに立っていた。男の見た目は四〇代前半くらいで、薄い無精ヒゲと猫背が印象に残っている。男の作業着はずいぶんくたびれていて、ところどころ黄色く変色しているようだった。その男オーウェン・ローウェンがその年ゲストブレンダーとしてポートエリオット蒸留所に招かれていたことを、わたしは後年知ることになる。
「興味があるなら、入ってみるかい? ジュースは置いてないけどね」
 見知らぬ大人に声をかけられて硬直していたわたしたちに、ローウェンは抑揚なく言った。ブレンダーたちの聖域に部外者を招くにはいかにも軽い誘い文句だった。
 彼に導かれて進んだ白い扉の先に広がる光景は、まさに魔法使いたちによる秘密の儀式そのものだった。樽貯蔵庫から運ばれてきたいくつもの樽と、白いテーブルに並ぶテイスティンググラスの中で輝く樽出し原酒の琥珀色のグラデーション。ローウェンを含めた数名のブレンダーたちがテイスティングを繰り返しながら言葉を交わすのを、わたしたちは地に足が付かない高い椅子に座り、息を潜めつつ眺めていた。彼らの交わす呪文の言葉はいつも最小限にとどめられ、残る言葉はすべて彼らが口にする琥珀色の輝かしい液体に宛てられていたのだった。
 それから三四年間、わたしたちがローウェンと再会することは一度もなかったが、あの秘密のテイスティングルームでの思い出は、わたしたちの脳裏にしっかりと焼き付いている。あの夏の日から五年後、ポートエリオット蒸留所は閉鎖され、エレナたち一家はスコットランド本土に引っ越すことになった。重課税による実質的な禁酒法時代にもようやく終わりが見えつつある矢先のことだった。それからさらに二〇年たって再建の日を迎えるまで、モルトウイスキー界の巨人は沈黙を守った。
 ポートエリオットクラシックは、再建されたポートエリオット蒸留所がリリースした初のオフィシャルボトルだ。ヴィクトリア朝時代から使われているという蒸留設備を閉鎖前から受け継ぎ、巨人は見事な復活を果たした。一人のモルトファンとして、喜ばしいかぎりだ。
 再建の指揮を執った実業家エレナ・バーンズは、発売前のポートエリオットクラシックをわたしに送ってよこした。手に入れたウイスキーはその日のうちに飲むことを信条とするわたしには珍しいことだが、エレナが送ってきたボトルは未開封のまま、わたしの自室の棚で一番目立つ場所に飾られている。





## ベンオリンポス 22.4.0
BEN OLYMPUS 22.4.0

色:濃い金色で粘性があり、ほとんどマスタードソースのよう。
香り:たっぷりとしたシナモン香と、メロンやマンゴーなどトロピカルフルーツの香りが広がる。フレッシュな海風。砂糖漬けのチェリー。驚くほど濃密な甘い香り。
味わい:ライトで繊細、食欲をそそる。香りに違わずフルーツのようだが、奇妙なほど洗練されていない。沃土に育った麦芽の原初の喜びと誘惑に満ちている。
余韻:並外れて長い余韻。仄かな麝香がセクシーさを際立たせる。

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 二三世紀初頭に訪れた健康至上主義の時代は、ウイスキー愛好家たちにとっては受難の時代だった。アルコール飲料の摂取は人々の健康をおおむね害し社会に負担を強いるものとして忌避されるようになり、世界中の政府がそれまでの一〇倍〜一〇〇倍の酒税を課したことで、飲酒という行為は一部の裕福な好事家のみに許された特権となった。また、個人の飲酒量は法令により厳密に定められ、ウイスキーについては一日につきダブル一杯(六〇ミリリットル)までの摂取に限られた。自己増殖ナノマシンの普及によって人類種が後天的に強力なアルコール分解能力を獲得するまでのおよそ四〇年間で、世界中の蒸留所の実に九八パーセントが姿を消すことになった。かつて人類が直面した中でも最悪となる、アルコール飲料の冬の時代である。
 仮想現実における酒類生産および販売活動は、この実質的な禁酒法時代において急速に発達したと言われている。中でもベンオリンポスはその先駆けとなったばかりでなく、近年仮想現実に流通する中でもっとも高い評価を得ているウイスキーの一つだ。元は火星を舞台としたオープンワールド型アクションゲーム内に登場するアイテムの一つだった。オリンポス山の麓で蒸留されたというフレーバーテキストが付されたこのウイスキーは、使用することで三分間だけ銃火器のエイミングが安定する効果が与えられていたらしい。そんな単なる消費アイテムだったベンオリンポスに命を吹き込んだのが、当時ゲーム開発メンバーの一人であった、ミロク・マクローリンである。
 マクローリンが最初に取りかかったのは、ベンオリンポス蒸留所の建設だった。彼はウイスキー製造工程を忠実に再現するために、実在の蒸留所をモデルにあらゆる蒸留設備を実装すると、オリンポス山麓で農家を営むプレイヤーに大麦の栽培を委託し、近郊の地層から採掘した泥炭(ピート)とともに蒸留所へ運送させた。蒸留所にウェアハウスマン、マッシュマン、スチルマンなど各工程の責任者となるプレイヤーを雇用し、マクローリン自身はヘッド・ディスティラーに就任してウイスキー作りを開始した。
 蒸留過程における流体モデルと化学反応モデルの構築、仮想現実における嗅覚と味覚の模擬など、仮想ウイスキーの実装までには課題が山積していたが、彼らは狂信的な情熱をもってベンオリンポスの開発に邁進する。彼らは仮想現実でウイスキーを蒸留するために、ウイスキーという混合物が生成するメカニズムを数値的手法で記述し尽くした。彼らが構築した第一原理電子状態計算に基づく化学反応モデルと、ポットスチル内における二相流の流体モデルとのハイブリッドモデルは、計算物理学の分野においても大きな足跡となっている[^4]。また、仮想現実内における嗅覚と味覚をシミュレートするために、彼らは酒税に大枚をはたき、なけなしの六〇ミリリットルを毎日費やして、ウイスキーを飲む際の脳波を記録していった。フーリエ変換した脳波とウイスキーの化学組成との関係をモデル化することで、彼らはついに、ウイスキーの香りと味わいをデータ化するに至った。
 満を持してリリースされたベンオリンポスは、ウイスキー愛好家のみならず、世界中の酒飲みたちを熱狂させ、一種の社会現象を引き起こした。ベンオリンポス蒸留所は火星を舞台とするあらゆるオープンワールド型ゲームに実装され、そのウイスキーはゲーム業界の垣根を越えて、あらゆる仮想現実のなかに流通していったことは周知の事実だ。ここに紹介するベンオリンポス22.4.0は、その第二二世代モデルだ。バージョンアップを重ね、フルダイブ仮想現実環境における香り、味わい、余韻、陶酔感の表現に磨きをかけたベンオリンポスは、いまや現実にウイスキーを飲むことと遜色ない体験を提供するものとして、仮想ウイスキー界最高峰の評価を恣にしている。
 アルコール飲料の冬の時代が明けた今日、このウイスキーの唯一の難点は、飲むためにいちいち仮想現実に五感を接続しなければならないことだ。毎日仮想現実に入り浸っているゲーマーなら話は別だが、就寝前の一杯のためにわざわざ仮想現実に接続するのはいかにも面倒である。ウイスキー品評会の場でも、テイスティンググラスが並ぶテーブルの横に電脳チェアーが鎮座する光景はどこかおかしい。そもそも仮想ウイスキーのエントリー数が限られているため、ブラインドテイスティングの体を成していないとの批判もある。しかしながら、こうしたつまらない手続き上のハードルを乗り越えた先には、禁酒法時代を乗り越えた類い希なる情熱に裏付けられた美酒が待っているのである。





## 天塩一六年
TESHIO 16 years old

色:緑がかったゴールド。
香り:レモングラスと甘い樽香、そして奇妙なほど古めかしい日本家屋を思わせるピート香。あたかも茅葺き屋根の家屋の押し入れに詰め込まれた古い布団に挟まってウイスキーを嗅いだかのよう。
味わい:緑茶や中国茶。温かい樹液のようなほろ苦さ。次第にライムチョコレートのような甘みと酸味が立ち上がり、ハーブとコリアンダーが顔をのぞかせる。
余韻:盛夏の寺院。口の中で線香を焚いたかのような余韻が長く続く。麒麟の尾。

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「もう飲み尽くしちゃったんだよな」知人のウイスキー愛好家がそう言い残して天塩蒸留所を後にし、ワームホールゲート行きの便に乗り込んでから、今年で一七年が経つ。この一七年間で多くの素晴らしいウイスキーが瓶詰めされてきた。今年は、彼にとってよき収穫の季節になるだろうか。
 天塩は二つの事柄で有名な土地だ。一つは、ジャパニーズウイスキーの聖地と呼ばれる北海道の中でも最大規模を誇る蒸留所の名として。もう一つは、日本における宇宙工学の一大拠点であり、最新鋭のロケット打ち上げ施設を擁する町として。天塩から年に一度出る定期便で結ばれた木星軌道上に浮かぶ第二ワームホールゲートは、ウイスキー愛好家たちにとっての夢の場所——アンドロメダ銀河の伴銀河M32の中心に位置するブラックホール辺縁を周る惑星フェンリルまで続いている。
 フェンリルでは地球のおよそ十七分の一の速さで時間が進むと言われている。この惑星に入植して地球の時間の流れから脱した人々——俗にアウターピープルと呼ばれる彼らを、わたしはいつも吸血鬼に見立ててしまう。わたしたちが長い時間かけて熱心に熟成させたウイスキーを夜な夜な啜りにやってくる、夜行性の恐るべき人々[^5]。異なる時の流れを生きる種族に対する畏怖は断絶と黙殺をもたらすものとファンタジー小説でも昔から相場が決まっている。フェンリルとの通信手段が限られていることもあってか、地球における彼らの存在は、まことしやかに語られる都市伝説であるかのようだ。それでも、わたしのようにウイスキー業界に身を置いていると、身近な人間がある日突然アウターピープルとなって音信不通になることも少なからずあり、彼らが確かにこの宇宙の夜の狭間に隠れていることを実感する。
 ウイスキー業界におけるアウターピープルの存在は、地底を流れるマントルのうねりのようだ。彼らの熟成食品研究の蓄積と実践が、近年のウイスキー業界のトレンドを形成していると言っても過言ではない。彼らはウイスキーやワインに始まり、熟成チーズ、バルサミコ酢、味噌や緑茶など、長期熟成を経て品質を向上させられるあらゆる食品を地球に仕込んでは、一年後に収穫しに戻ってくる。彼らの惑星で一年待てば、地球では一七年間の熟成期間が経つのである。星還祭というのは要するに、アウターピープルにとって年に一度の収穫祭なのだ。祭の終わりに、彼らは軌道エレベーターで運ばれたおびただしい量のボトルを宇宙船に満載し、彼らの母星へと引き上げていく。
 ウイスキー愛好家たちの夢の話を続けよう。惑星フェンリルへの移住を勧めるパンフレットによれば、かの惑星には宇宙最大規模のウイスキーライブラリが存在すると言われている。アウターピープルたちが収集した古今東西さまざまな熟成を経たウイスキーが一堂に会し、遅々とした時の流れの中に保存されているという。保存されているボトルにはあらゆる情報が紐付けられている——ウイスキーの化学組成、蒸留レシピ、熟成樽の来歴、作り手の名簿から飲み手のテイスティングコメントまで、一つ残らず。こうした情報から各ボトルの香りと味わいがパラメトライズされ、純粋な情報として保管される様は、まさにライブラリと呼ばれるにふさわしいと言え、わたしの友人もまたこの驚異的な情報の海に魅入られた一人だった。
 さらに件のパンフレットには、かの惑星を育んだブラックホールに対する先進的な開発計画までもが描かれている。ブラックホールを覆う球殻構造体からエルゴ球領域へ定期的に射出される発電用シャトル。シャトルから事象の地平面へ向けて投射されるガベージは、ブラックホールストレージへインプットされるデータの表現となっている。そして遙かな未来へわたって輻射される粒子を一つ残らず捉え、ユニタリ変換の過程を追って情報を復元する全周囲観測施設は、史上最大規模のタイムカプセルとでも呼べるだろうか。
 あるいは、このあらゆる記録と記憶の集積地たる黒い穴の描像も、かの惑星の過酷な環境に立ち向かう開拓者をスカウトするためのプロパガンダにすぎないのかもしれない。それでも、ウイスキー愛好家の視点から見れば、歴史上のウイスキーに関する情報という情報を保持するブラックホールというヴィジョンは魅力的に映るものだ。しかしながら、このウイスキーを過度に情報化しようとする潮流を、わたしはやはり疑問に思ってしまう。わたしたちは、単にウイスキーという名の情報を飲んでいるにすぎないのだろうか?
 地球上のウイスキーを飲み尽くしたと言って天塩蒸留所で別れた友人は、たしかに失われたウイスキーや、まだ見ぬ未来のウイスキーにアクセスできる特権を得たと言えよう。しかし、彼は同時に一つの重要な体験を失ったのである。熟成するウイスキーと同じ時間の中で歳を重ね、ウイスキーとともに生きるという、至極あたりまえの体験を。





## グレンパンク ワイルドカード
GLEN PUNK Wildcard

色:多動症のカメレオン。
香り:倒壊した香水工場。
味わい:炎天下の車中に忘れられたドロップ缶。
余韻:半死半生の猫の温もり。

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 このウイスキーに味を与えているのは、それを飲む者の気分である。飲み手のバイオリズムやその日の天候を検知して日々新たに自分自身を造りかえる姿はさながら生きているウイスキーであり、その日の気分にもっとも合致する香りと味わいに変化するその性質は、ワイルドカードの名にふさわしい。あるいは、ウイスキーのソラリスとでも呼んでやれば喜びそうなものだ。
 このナノマシン入りウイスキーの発売当時、当然のように激しい賛否両論が巻き起こった。わたしが当時の関係者と話したかぎりでは、否の側の意見が九割を占めていたのだが、業界人というものの大半はおおむね保守的なものである(無論、わたしも含めて)。また、当時のスコッチウイスキーの定義の一つ「水および無味カラメル着色料を除く一切の物質が添加されていないこと」の条項に反していたことから、このウイスキーがスコッチウイスキーを名乗ることは法的に許されず、スピリッツとして販売されていた経緯がある。法改正により現在ではスコッチウイスキーを名乗ることが許されているものの、ナノマシン入りウイスキーに対しては未だに根強い反発がある。数年前、ある瓶詰業者がほとんど気づかれない程度の微妙な味わいの変化をもたらすようチューニングされたナノマシンを秘密裏に混入させ売り出したウイスキーが非難の的になり、全ボトルが回収された出来事も記憶に新しい。
 その日の気温や湿度、場所、食後か食前か、ストレートかロックかハイボールか、そして飲み手の好みにさえ応じて味を千変万化させるウイスキー。グラスに注ぐ度に変化する不確定の香りと味わい。このウイスキー一本さえあれば、どんなシチュエーションにも対応できるというわけだ。しかしこのウイスキーは同時に、わたしたちに大いなる疑問を投げかけてくる。すなわち、ウイスキーの楽しみとは一体なんなのか。季節や飲み方に応じてぴったりのウイスキーを見つけ出す喜び、それぞれのボトルと蒸留所の歴史に思いを馳せつつ味わう体験を、ワイルドカードに埋めさせるのはあまりにもったいないとは思わないだろうか。
 ブラインドテイスティングで行われるほとんどのコンペティションで最高金賞を総なめにしているこのウイスキーだが、この華々しい結果に対して、わたしを除いた真のウイスキー愛好家たちは、いまも沈黙を守り続けている。





## カリアック一六七年
CARRIACH 167 years old

色:薄い琥珀色。
香り:突出した香りはなく、複雑でメロウな印象を残す。シトラス、秋の果実、樽の甘い香り、若干のカラメル香。加水することでスイートな香りが開く。
味わい:口に含んだ瞬間大きく広がるスパイス感が特徴的。ライトボディ。ドライで適度な渋みがあり、塩辛さが後に続く。
余韻:スパイシーな余韻が長く続き、食欲をかき立てる。

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 ウイスキーの熟成は、単に樽の中に長い時間放置しておけばおいしくなるというわけではない。多くの原酒は一二年ほど樽貯蔵すると熟成が止まり、その後大きな品質の向上は見込めなくなることが知られている。それどころか、長すぎる熟成による樽成分の過剰な溶出のためにかえって味が落ち、飲むに堪えないウイスキーができあがる危険もある。そうした中、ほんの一握りの原酒だけが、樽との相性や化学反応の具合が奇跡的にうまくゆき、二〇年、三〇年といった長期熟成が可能となるのである。こうした熟成の進行を判定することは、ブレンダーが受け持つもっとも重要な任務の一つだ。
 そうすると、この一六七年熟成を謳うウイスキーは、いったいいかほどの奇跡によって成り立っているというのだろう。そもそも、一六七年も寝かせている間に、天使への分け前だけで樽の中が空っぽ[^6]になってしまいそうなものだが。
 カラクリはこうだ。惑星フェンリルにスコットランド領の飛び地があり、そこで蒸留・熟成されたウイスキーがカリアック一六七年である。現地時間で言えば一〇年熟成にあたるものだが、熟成期間はスコットランド時間で数える慣例となっているため、熟成年数表記が一六七年となっている。
 そもそもなぜ、地球からあらゆるウイスキーを輸入できるフェンリル人たちが、わざわざ遅々として熟成が進まない母星でウイスキー造りをしているのか、不可解に思う向きもあろう。正確なところは当人たちに聞いてみなければ分からないが、彼らの中にもウイスキーと共に歳を重ねたいと願う人々がいるだろうことは想像にかたくない。ウイスキーの分野において、パトスは概ねロゴスを覆すのである。





## アードロセス二五年
ARDROTHES 25 years old

色:濃い赤褐色。
香り:グラスからアロマが次から次へと押し寄せる。リッチなマジパン、続いてアーモンド、カスタードプリン、レーズンとほのかなラズベリー、そしてココナッツミルク。製菓工場で繰り広げられる神々の宴。
味わい:濃密なシェリー感。非常に厚いボディでオイリー。黒い果実の凝縮した甘みと、焦がしたオークの重厚さが口当たりから広がる。ウッディなスパイス、ナツメグ、ローストしたコーヒー豆、黒砂糖の風味が去来する。
余韻:撫でまわされるように纏わりつく陶酔感。濃く入れた紅茶のようなタンニンと炙ったシナモン。桃のコンポートの甘い香りが止めどなく続く。

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 ウイスキーは記憶の酒だ。アードロセス二五年を飲む者は、己の裡にいくつもの記憶をたぐり寄せる。
 グラスから立ち上るアロマとともに、少年のころ学校の社会授業で訪れた製菓工場の記憶が浮かび上がる。整然と稼働する巨大で繊細なオートメーションの数々。見学エリアを進むごとに移ろいゆくマジパン、アーモンド、カスタードクリーム、レーズン、ココナッツミルクの魅惑的なフレーバー。見学後に給されたお菓子を喜々としてついばむクラスメイトたち。帰途のバスで日常へもどることの漠然とした憂鬱。なにもかもがひどく懐かしい記憶で、しかし自分がかつて本当に製菓工場に見学に行ったかどうか、いつまでも確信が持てずにいる。
 ウイスキーによって呼び覚まされる記憶は様々で、中には飲み手が経験していない記憶までもが含まれている。ここにおいてウイスキーはある種の記憶装置であり、その香りと味わいによって構成された記憶という名の物語そのものであるとも言える。
 口に含んだ濃密なシェリー感に続いて、晩夏のアラスカをハイキングしながらクランベリー、ブラックベリー、ブルーベリーを採集した記憶が浮かび上がってくる。黒い果実の凝縮された甘みと酸味。めくるめくベリーの余韻を楽しみながら、ホワイトオークの原生林を遠目に眺めつつ歩を進めると、小高い丘の休息所にたどり着く。休息所のベンチで、濃く煮出したアッサム茶にシナモン、ナツメグ、ミルクを加えて沸かしたホットチャイの味が去来する。いや、あるいは、よく焙煎した豆でコーヒーを淹れて飲んだようにも思える。どちらが正しいか確証が持てずにいると、間もなくタッパーに詰めた桃のコンポートの甘い香りが蘇ってくる。プラスチック製のフォークで二人して桃をつついていた。あの日誰かと一緒にいたことは確かだが、その顔には靄がかかっており、それが誰だったかまでは一向に思い出せない。
 失われた記憶の集積地となったウイスキーは、しばしば飲み手に記憶をインプラントする。流浪のマスターブレンダーの記憶。失われた蒸留所を再建した幼なじみの記憶。まだ見ぬウイスキーを求めて地球を後にした友人たちの記憶。わたしは確かにかつて彼らに出会ったのだと確信しているが、同時に、それがウイスキーによってもたらされた記憶にすぎないと証明されることを恐れてもいる。
 アードロセス二五年の撫でまわすように纏わりつく陶酔感は、あらゆる記憶を呼び覚ます。呼び覚まされた記憶の中で、わたしたちは琥珀色の空気に取り巻かれ、懐かしく愛おしい思い出に耽る。このウイスキーは美しい日々を封じ込める魔法の液体であり、過去へとつながる鏡だ。そのねっとりとした液面をのぞき込んだときには、わたしたちはもう蜘蛛の巣のように錯綜する記憶の中に囚われているのである。





[^1]: 昨今のブームにより、ウイスキーの価格は年々高騰している。われわれは今まさにウイスキーバブルの時代に突入している!
[^2]: インディペンデントボトラーズ(独立瓶詰業者)は、蒸留所から原酒を購入して独自の熟成を行い、自社のラベルを貼って瓶詰めし、販売する。
[^3]: 活火山俱多楽の火山活動は登別温泉の源泉を形成し、谷底の火口群は地獄谷として観光客らに親しまれている。
[^4]: Miroku Maclaurin, et. al. (2234).
[^5]: この本を読んでくれているアウターピープルのみなさんは、どうか気を悪くしないで欲しい。それでも、わたしはウイスキーに関して嘘を書くことは出来ない。これがみなさんに対するわたしの偽らざる印象なのだ。
[^6]: 天使ほど強欲な存在をわたしは知らない!

秘された水:Liqueur of the Year 2273

執筆の狙い

作者 敷島梧桐
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キャッチーなSFを書きたかったのです。
さらなる断編のアイデアがあればご教示ください。

コメント

一陽来復
n219100086103.nct9.ne.jp

『なんでこれがSFなんだろ?』と、そこだけ画面一瞥して確認したんですが・・


「異星人とブラックホール、イベントホライズンをもってSF!」なんかな??
とて——も 無理がありまくる。(のじゃあありますまいか??)


「宇宙の果てに、常時終末を眺められるレストランがあって……そこで乾杯」的な、アダムス『銀河ヒッチハイク』的な状態にまで持っていったんなら、
『往年のSF調』である程度容認されるのかもだけど、

これは、画面一瞥した感じ「ウィスキーの蘊蓄終始」してて「その域を出れない」感じだもんで、

SFテイストが決定的に欠けている。(と思う)



《人間(キャラクター)が完全に不在》な世界だから、

村上春樹の『もし僕らの言葉がウィスキーであったなら』をさらっと一読して、あんな感じの「普通の蘊蓄話」に持ってく方が まだだいぶ自然???




短編SFで、宇宙で飲み物・・
だと、クラーク先生の清涼飲料水のが、洒落てて好き。

ハインライン『地球の緑の丘』主人公の名前はリースリング。 ←白ワインにするぶどう品種〜。
ヴァーリィ『ブルーシャンペン』も名作で、カバーイラストは「青いカクテル」っぽいのが描かれがちなんだけど、お酒の話ではまったくないのだ。

一陽来復
n219100086103.nct9.ne.jp

イベントホライズン(事象の地平)、年末にも若い女子? が「なんちゃって〜」な短編を1本ここに上げていたばっか! で、


そっちの作品でも一瞥して「取り入れ方に疑問があった」んで、

♪ ホワイトホール 白い明日が待ってるぜ〜♪
ってー『ポケモン』武蔵小次郎のキメ台詞を感想欄で呟いたもんだった。


あれからまだそう経ってないので、

なんですかね??

どっかのコンペの「お題」がそれ(事象の地平)だったんですかね???



いっとき、猫も杓子も『バタフライ効果』や『ラプラスの悪魔』だったことがあったんだけど、

イベントホライズンはイベントホライズンで、30〜40年前? に ちょっと流行った。

その時は、「イベントホライズンと言えばコレ!」な つきものの現象(学説?)とセットで描かれていたもので、

《事象の地平だけ単体で、ぽんと持ってこられると、どうも違和感がある》んですよね、個人的に。


今の若い人だと、《イベントホライズン単体で》が主流なんだろうか???



どうでもいい話だった。


レスはいらない。

青井水脈
om126254243012.33.openmobile.ne.jp

「秘された水:Liqueur of the Year 2273」読ませていただきました。
舞台は2273年。ライターであるイアン・フォーサイスが、品評会で最高金賞を受賞したウイスキー8本について解説文を書き下ろす、という形で。
新感覚というのか、中々面白かったです。文章も、引っかかるところがなくスラスラ読めました。

>ウイスキーは記憶の酒だ。

特にこちらの段落、ノスタルジックな終わり方で。五感のうち嗅覚が、最も記憶と結びつく、と聞いたことがあります。

>グレンパンク ワイルドカード
味わい:炎天下の車中に忘れられたドロップ缶。

こちらは味わいで味覚ですが、ドロッとした感覚がパッと浮かびました。

敷島梧桐
softbank126077082245.bbtec.net

>一陽来復さん

「異星人とブラックホール、イベントホライズンをもってSF!」というつもりはありません。これらはオマケというか、本作においてはあってもなくてもよい物と思われます。SF小説としての本作のポイントは、今日行われているウイスキー酒造とテイスティングという活動が23世紀においてどのような形になっているかを、今日の科学からの延長線上で書いている点にあるように思われました。

ブラックホールストレージについては、これを書いているときにちょうど以下のニュースが出ていたので、小ネタで拝借した物です。
https://www.riken.jp/press/2020/20200708_3/index.html

コメントありがとうございました!

敷島梧桐
softbank126077082245.bbtec.net

>青井水脈さん

>ウイスキーは記憶の酒だ。
最後の断章だったので、〆に良いかなと思いました。

>グレンパンク ワイルドカード
テイスティングノートは《やってる》感が出過ぎちゃってるかもと思いつつ、自分でも気に入っている箇所です。

コメントありがとうございました!

一陽来復
n219100086103.nct9.ne.jp

↑ レスもらってますかねー??

それさえも「読まない」で、追加で打って(コメして)申し訳ないのですが・・


ここのサイト「ラノベ(or現代小説?)で書いてて、書き切れず……? なんとなく安易にSF成分添加して、そこに逃げちゃった原稿」が圧倒的大多数で、、、

そういうの(作者都合、なんとなくSF〜)上げてくる人は 【SFを読んで来ていない人】で、SFを愛してなくて「ただ便利な手段として利用してるだけ」なのが、

原稿から見え見えすぎて、【それが一番のネック】だと思ってる。。


《はじめからSFとして敢然と書き、揺るぎなく書き切る》ことが肝要で、
しかし、理系卒で得意分野でもない限り、それがまず難しい(ハードル高い)。


↑ って ぶつくさ言ってるのは、

私自身が過去に「がんばってSFに寄せたもの」を投稿して、
日本SF大賞受賞作家先生(で、幻想小説で有名な人)から

「これはSFにしないで、幻想小説で書き切った方が面白かったと思う」と断言されたから。



『いいこと思いついた〜!』と、思いつきに飛びついて、「なんとなくSFに振って、作者仕事した気になる」ことは、よくある。

「ある」し「可能」なんだけど、それはその小説のベストじゃない「妥協の産物」であるから、
《最初から精緻に作り上げたSF小説》とは勝負にならない。



「サイト内の読み物」としてだったら、「蘊蓄系・なんちゃってSF〜」でも全然OKだろうし、
言うだけ野暮で、

他の人から「とても面白かったです〜」「力作ですね。文章達者で、読み応えあります」「また読ませてください」の好評が続くのかもだけど・・




この内容ならたぶん、なんちゃってSFにまぶして誤魔化すんじゃなしに、
【現代小説として真面目に書き切る】方が、
はるかに潔くよくていい!!

と、個人的には思うんです。


読んでないから、憶測ですけどね。



SFで行くんなら、もっとガチで行く、
そっち(理系文学)に振り切って書く。

そういう「気概」とか「勇気」が・・


これ、「読めばちゃんとある」んだったら、読まんで文句言ってごめん。

敷島梧桐
softbank126077082245.bbtec.net

>一陽来復さん

私見では、本作は
「ラノベ(or現代小説?)で書いてて、書き切れず……? なんとなく安易にSF成分添加して、そこに逃げちゃった原稿」
には当たらないと考えています。

コメントありがとうございました!

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