作家でごはん!鍛練場
ぷーでる

あなたって非常識ね!

「もう、あなた態度が悪すぎよ!年上に対して言葉遣いがなっていないね!本当にあなたって非常識ね!」
20代上半の白い防護服の作業服を着た女性が機嫌悪そうに、私にグチグチと怒った。

ここは、ある工場の作業場だ。派遣業で突如ここへ異動したのだ。慣れない仕事なのでモタモタしていて案の定怒られた。
本当は、正社員で働いていたのだが、わけあって今は、こういう仕事をしている。
同じく同僚の子の中には、面接では正社員として入ったのに、いつの間にか派遣社員になっていたとか。

「おかしいよね、何でこうなるのかな?」
岸野茉奈は、高校卒業後、東北からはるばるやって来たのにとんだ仕打ちだ。
給料も面接の時に聞いた金額もかなり減額されていた。
 
「遅い遅い!」坂田恵理子が相変わらず、キレている。
「……」遅いのは事実なので、黙って作業をする。
でも、言っている事に間違いがある。しかし、メンドイのでそれも黙っておいた。

休憩時間になった―

休憩室で「もう、坂田さん、若いのになんでそんなにオバサン口調なの~?」と
同僚の小茂田よしおが、コーヒー片手に苦笑いした。

「……」恵理子は、ムッとした顔をした。
「お~コワイコワイ!」よしおが、そろそろとその場を離れた。
再び、仕事が始まり私のドンクサイノロノロ作業が始まり、恵理子の不機嫌も再開されるのだ。

お昼の時間になった―

食堂で食事するのだが何故か、ご機嫌斜めな恵理子も一緒にいる。私の事、嫌いなはずなのに……
もっと、マシな人と食事をすればいいのにと内心思う。

そして、もう一人が中国人のリンさん。その横が韓国人のソヨンさんである。なんなんだ、このグループは?
何故か絶対、私以外のグループには行かないのだ。
この二人、私以外の日本人が苦手なのか?

「夏だね~」とリンさん。
「スイカの時期だよね」と私。

「何で日本人は、スイカの種出して食べるの?オイシイのに」と、リンさん。
「え?」私は、唖然とする。

「あ、これ韓国の文字だ。なんて書いてあるの~?」
ニコニコ顔でリンさんが、ソヨンのマグカップに書かれたハングル文字に指さした。

「……」ソヨンは、無言で弁当を食べていた。機嫌悪そうな顔。何を考えているのか分からない。
突然、私の顔を視て「フン、綺麗な顔ね!」とソヨンがぶっきらぼうに言った。そして、また無言で弁当をモグモグ。
意味不明~

恵理子は、食事中、相変わらず無言だった。
弁当を食べ終わり、次の仕事の準備に取り掛かる。

恵理子と私が二人きりになり「私さ、お父さんとお母さんいないんだ」と話し始める。
「中学を出て、すぐに仕事に就いたの」
「ふーん、偉いねぇ」

「ここの仕事が終わったら、次は飲み屋で働くの」
「それは、忙しいね」

仕事が再開される―

恵理子は、相変わらず怒鳴っていた。
私は、もう、あ~そうですか~という感じでスルーしていた。

しかし、他の女の子はもう泣き出している。
ガングロの女の子ですら、泣かされているのだ。
その子は、次の日から来なくなった。

そろそろ終業時間近くになった。

その1時間前になり、上司がやって来て
「今日、あと2時間残業していってほしい。強制ではないがお願いしたい」
私は、残業を引き受ける事にした、ペットのプードルのごはん代が必要だからだ。
茉奈とソヨンと、よしおも引き受けた。

リンさんも引き受けると答えると―
「リンさんも帰りなさいよ!子供がいるんでしょ!!」
恵理子が、突然怒った。

「え?」私は、困惑した。
「私は定時で帰るの!!」
恵理子がケンカ腰で答える。

「定時で帰らないと、お店で仕事できないじゃない!!」
「いや、それは、分かりますけど何でリンさんも巻き込むんですか?」
私は、ただ、唖然とする。
「ささ、早く帰らないと!」
恵理子は、さっそうと帰り支度をして、その場を後にした。

それから、数週間後、仕事の内容が変わった。
今までは、印刷物の作業だったが、今度は携帯電話の
部品の組み立てになった。

恵理子は、誰よりも早くテキパキと作業を続ける。
流れ作業なので、前の人が一つ作業したら、その部品を後ろに回していくという感じだった。
私の前が恵理子である。

恵理子が作業を終えて、部品を私の前に運んできた。
部品をよくみたら、何だかおかしい。
私は恵理子が、仕上げた部品を持って前に行く。

「10個中、8個が逆さまに部品が付いていました」と言って恵理子の前に置くと……
「……」恵理子は、急に顔が曇った。そして、あのいつもの勢いが消え失せたのである。

その後、何度やってもこのパターンが続いた。
スピードはあるのに、何故か部品は逆さに仕上げてくるのだ。しかも大量に。

休憩時間―

「ぷーでるさんは、若く見えて、いいよね、それに比べ坂田さんの方が年下なのに何で、あんなにオバサンっぽいんだろう?」
よしおが苦笑いする。

「え?」恵理子が唖然とする。
「知らなかったの?坂田さんは、22歳だけど、ぷーでるさんは25歳ですよ」よしおが答える。
「……」恵理子は、黙ってしまった。

その日のお昼は、恵理子は来なかった。
誰のそばにも、行かなかった。

次の日、恵理子は会社に来なかった。
聞けば辞めたそうだ。
それなのにロッカーに、恵理子の私物は残されたままだった。
何日しても、取りに戻ってきもしなかった。

あなたって非常識ね!

執筆の狙い

作者 ぷーでる
45.92.32.7

私の仕事の体験を元ネタにした、創作です。登場人物のモデルの何人かは実は同じ会社にいません。創作上、色々な会社にいた人を寄せ集めて登場させています。リアルそのものだと、面白みに欠けると思うので。

コメント

古代ローマ
p1435003-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

恵理子はどうなってしまったのでしょうか?
気になりました。

上松煌
111.85.0.110.ap.yournet.ne.jp

ぷーでるさん、こんにちは
 拝見しました。
一見して、面白なそうなタイトルで読者を引き付け、会話文から展開していく手法はよいと思います。
でも、ちょっと待って。

 派遣社員として働く25歳の「岸野茉奈」という東北出身の女子が主人公で、彼女の目線で物語が進行するということでいいですか?
質問調になったのは、ぶつ切りエピソードの処理が悪く、お話の進行と発展に主眼が行き過ぎていて、処理が追いついていないからです。
肝心の、主人公がどんな人物なのかという部分も最低限の記述しかなく、仲間たちや生産ラインの状態も、読者の想像に任せマス程度にしか描かれていないので、感情移入の仕様がない。
素材はいいのに生かしきれていない。
非常に散漫で、表面を軽くなぞっただけなっているのです。
つまり、短く、内容も難しいことは何も言っていないにもかかわらず、わかりにくい話になっている。
これではいけません。

 また、表記の間違いもあり、「防護服」と書いてしまうと読者のアタマには即、コロナか原発が浮かんでしまう。
「すげぇトコで働いてんなぁ」となってしまう。
でも、ここはフツーの生産ラインですよね。
形状を説明したいなら「白い防護服のような」作業服としたほうが納得しやすいです。
それに「20代上半」という日本語はありません。
「20代前半」「後半」と書くべきです。

 さらに途中から複数の登場人物の名前がいきなり出てきますが、最初の、「もう、あなた態度が悪すぎよ!」以下うんぬんは準主役の「坂田恵理子」ですよね。
だったら、冒頭から彼女の名前をだしたほうがわかりやすいし、自然です。
中盤で彼女は唐突に「私さ、お父さんとお母さんいないんだ」と主人公に打ち明けますが、そうした心理になる前ふりをしておくべきです。
ささやかでもいいから、いろいろな心情の交換があって、恵理子は主人公にある種の親近感を持ち、思わず個人的なことを漏らしたとしたほうがドラマです。

 ちょっとびっくりしたのは生産ラインでいくつもの不良品をだし、それがたいした問題にもされず、お話が進行したこと。
おれは工場のことは全く知らないのですが、会社に損害を与える行為で、現場責任者かだれかに相談しなくていいのですか?
是正しなくていいのですか?
驚きました。

 >>休憩時間―
「ぷーでるさんは、若く見えて、いいよね~」<<

 ぷーでるさん?
「岸野茉奈」ではないのですか?
愛称なら、「ぷーでるはわたしのあだ名だ」とかの説明がないと、誰か新しい人物登場のように感じられてしまいます。

 長くなりましたが、書きたいことが明確に絞れておらず、ただ、エピソードを散漫に積み上げた印象があり、あまり良い出来ではないように感じました。
しばらく文章は書かずに、書きたいことがマグマのように競り上がって、書かなければ発狂しそうになって初めてPCに向かってはいかがでしょう?
おれは下手くそですが、文章を書いて人様に読んでいただく人間の最低限の誠意として、そうしています。

ぷーでる
45.92.32.7

古代ローマさん、コメントをありがとうございます。

恵理子はどうなってしまったのでしょうか?
気になりました。

<< 早くに親を亡くし、中学卒業後、すぐに仕事をして自立した日々を送る、生活力に溢れた人だったので
   今は居酒屋で仕事を頑張っているのではないでしょうか?
   
   恵理子に、工場の仕事は合っていなかったようですね。
   お店の仕事をよくする人には、工場の仕事が合わなくて失敗する人は多い様な事は聞きます。
   工場は、誰でも出来る様な仕事ではありません。
  
   逆に、私に飲食業をやれと言われても出来ないでしょう。
   あっちは接客業ですものね。
   手早さと対人関係を誰とでも上手くやれないとダメだし。
   特に居酒屋は、気の強い客もいますので、恵理子位の気の強さがないと大変かもしれません。

   恵理子の様な人は、むしろ逆境に強い人が多い様な気がします。
   こういう人は、結婚も早いし、子供も早く生みます。そして安定した生活を送る様です。  

ぷーでる
45.92.32.7

上松さん、コメントをありがとうございます。
そうですね、これは乱雑すぎる文章でした。(-_-;)
ご指摘ありがとうございます。

派遣社員として働く25歳の「岸野茉奈」という東北出身の女子が主人公で、彼女の目線で物語が進行するということでいいですか?

<< いえ、違います。完全に文章の進行ミスです。ぷーでるが主人公で、その視線進行のつもりでした。ちなみにぷーでるは、岸野茉奈ではありません。別人です。岸野茉奈は18歳です。ぷーでるが25歳。説明不足でした。
最初にぷーでるの名前を持ってくるべきでした。

仲間たちや生産ラインの状態も、読者の想像に任せマス程度にしか描かれていないので、感情移入の仕様がない。
素材はいいのに生かしきれていない。

<< そうですね、もう少し情景描写すべきでした。工場の中を知らない人が読んだら、まるでちんぷんかんぷんですものね。

また、表記の間違いもあり、「防護服」と書いてしまうと読者のアタマには即、コロナか原発が浮かんでしまう。
「すげぇトコで働いてんなぁ」となってしまう。
でも、ここはフツーの生産ラインですよね。
形状を説明したいなら「白い防護服のような」作業服としたほうが納得しやすいです。

<< すみません、誤解を与える表現でした。

ちょっとびっくりしたのは生産ラインでいくつもの不良品をだし、それがたいした問題にもされず、お話が進行したこと。
おれは工場のことは全く知らないのですが、会社に損害を与える行為で、現場責任者かだれかに相談しなくていいのですか?
是正しなくていいのですか?

<< 派遣業が出来る前は、不良を出した場合は現場責任者に伝えるのが義務でした。
   しかし、派遣業が開始された時から多くの工場のルールが変わり、この仕事に関わった者の責任扱いです。
   
   少な目なら、目をつぶってもらえますが、あまりに大量であれば不良品を作った作業者に
   被害金を会社に支払う形になります。それか、解雇されます。
   それでも、派遣社員を使うのは人件費が安いからでしょう。   

偏差値45
KD106154138172.au-net.ne.jp

内容的には面白い。
けれど、短い小説の割に登場人物が多いので、統合した方がいいかな。

気になった点。
>「ぷーでるさんは、若く見えて、いいよね、

ここで主人公の名前が登場する。遅い。
ハンドルネームとしては良いかもしれないけれど、
現実的ではないので、違和感はありますね。

夜の雨
ai201126.d.west.v6connect.net

「あなたって非常識ね!」読みました。

話は面白いのですが、状況がわかりにくいですね。

導入部、主人公の「私」視点の「ぷーでる」さんから書かれているのに、行間をあけて次は、「岸野茉奈」に視点がおかれている。

ところが、また行間があくと、今度は。
>「遅い遅い!」坂田恵理子が相変わらず、キレている。<
という具合に、「坂田恵理子」のことが書かれている。
「遅い」と言われているのは、おそらく主人公の「ぷーでる」さんだと思うが。
ーーーーーーーーーーー
>休憩時間になった―

>休憩室で「もう、坂田さん、若いのになんでそんなにオバサン口調なの~?」と
同僚の小茂田よしおが、コーヒー片手に苦笑いした。<

>「……」恵理子は、ムッとした顔をした。<
「お~コワイコワイ!」よしおが、そろそろとその場を離れた。
>再び、仕事が始まり私のドンクサイノロノロ作業が始まり、恵理子の不機嫌も再開されるのだ。<

引き続いて、坂田恵理子に同僚の小茂田よしおが絡んで、恵理子がキレて、再び、仕事が始まり「私」(ぷーでる)の作業がはじまり、という具合に、話がトビトビになっています。
つまり、各エピソードのパートが短くて、散漫になって、内容がわかりにくいです。

この、わかりにくい状況がラストまで続いているという展開です。
しかし作者さんに先天的な才能があるのか、これだけわかりにくい書き方をしていても、御作が面白いのは伝わりました。
ラストまで読みました。
「えっ? えっ?!」 こんな書き方なのに、どこが面白いのかと不思議に感じながら観察してみると、キャラクターの設定が良いのですよね。
それぞれのキャラに漫画的な個性があります。
状況のわかりにくさを超えたところにある面白いキャラクターの設定が勝っていました。

ここまで書けば、あとは作者のぷーでるさんが、何をなすべきかは、楽勝ですよね。
作者さんの頭の中では多彩なキャラクターが出番を待っているようです。
構成や設定などもよさそうです。
問題は「わかりやすく、読み手に伝える”状況の書き方”が、いまいち」。
こんなところでしょうかね。
各パートのエピソードを伝わるように、しっかりと書けばよくなると思います。

お疲れ様です。

ぷーでる
45.92.32.11

偏差値45さんコメントをありがとうございます。

内容的には面白い。
<< そう言って頂けてありがたいです。

けれど、短い小説の割に登場人物が多いので、統合した方がいいかな。
<< そうですね、確かに多過ぎました。

ここで主人公の名前が登場する。遅い。
ハンドルネームとしては良いかもしれないけれど、
現実的ではないので、違和感はありますね。

<< 前に持ってくるべきでした。名前ももう少し考えるべきだったかな。

ぷーでる
45.92.32.11

夜の雨さんコメントをありがとうございます。
自分でも、書いていて何か違和感を感じていたのですが、何故なのか分かりませんでした。
でも、夜の雨さんのコメントで何が不自然さを出していたのか分かった様な気がします。
細かい解説、ありがとうございました。

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