作家でごはん!鍛練場
トナカイ

思わせぶりでも支えです!

第一話   一目惚れなんてしない                        「うぅぅ!痛いってー」  私は吉木マナ、中学校1年生でバスケをやっている。今日の試合で怪我をしてしまった。1週間後の手術が決まり、とりあえず入院することになったのだがトイレに行くだけでも一苦労だ。(あぁ、なんで私が怪我なんて…)すっごいイライラして少し母にあたってしまったが本当にそれどころじゃないんだ。明日からリハビリをすることになっている。正直、こんな痛いのにリハビリなんてできるかよって思ってるけどこれを頑張らないと手術後の治りにも影響するらしい。
翌朝、10時にリハビリ室に看護師と向かった。「担当の理学療法士が来ますのでお待ちください」と言われ待っているとサラッサラの髪をセンターで分けたイケメンが来た。「えっ?」
もう、一目惚れだった。  その日は簡単な運動をして松葉杖の練習をして終わった。病室で思わずため息が出る。彼の名前は鈴木太一。(指輪は付けて無かったから結婚はしてないかな)もちろん私は好きになる気なんてなかった。というか我慢しないとって思ってた。この時はまだ…。
第二話    運命かな?                            「手術の痛みはどう?病院のご飯とか美味しく無いでしょww」そんな話をして今日もリハビリが終わった。部屋に戻って勉強する。すると向かい側のベッドのおばあさんが話しかけてきた。「お姉ちゃんの先生、私と同じだわ」「そうなんですね」私は結構お年寄りの人と話すのが好きなのでしばらく話しているとおばあさんのリハビリのために鈴木先生が部屋に来た。私の方を見て「おっ、勉強か?偉いじゃん」と言ってドリルを見に来る。分からないところを聞かれたので「これ、全く分かんないです」と答えたら先生は問題を考え始めた。「これ俺も分かんないww 」と言ってメモ帳に書き始めた。「ちょっと他の先生にも聞いてみるね」そう言っておばあさんを連れて出ていった。分からないから無理じゃなくてわざわざ聞いてくれるんだ…。理学療法士ってこういうものかなぁ。 30分後、先生とおばあさんが帰って来た。これ分かったよ!って言って私のベッドに座り教えてくれる。(あっ目の下ほくろあるんだ、可愛い。しかも良い匂いする、香水かな)思わずボーっとして説明をよく聞いていなかったが「分かった?」と聞かれたので頷いた。先生はニコっと笑い、良かったと言う。そして明日のリハビリの時間を教えると帰ろうとしたが振り向いてもう一度笑い戻って来た。「ぬいぐるみじゃん、可愛いね」と言って私のリスのぬいぐるみを撫でて微笑む。じゃーねと言って出ていった。(なに、今の笑い方。カッコいい…)そして先生が撫でた部分を私も撫でてみる。あぁイケメンって何してもかっこいい。でも、こうやって好きになるのってよくある事らしいからダメダメ!考えないようにしよう!そう決意した。 翌日、リハビリで「そういえば吉木さんって誕生日いつ?」と聞かれ7月7日だと答えると「マジか、俺も一緒」と言われた。なんか変な展開になってきたけど昨日、何があってもこの気持ちは我慢すると決めたのだ。こんな事で運命かも、だなんて思っちゃいけない。病室に戻りスマホで『同じ誕生日 運命』と検索する。いや、いつの間にかしていた。検索結果がでた瞬間で本人が入ってきたので慌ててしまいスマホを落とす。先生が拾ってくれて、何やってた?と聞かれ、えっ?あっキングシックスの曲聴いてました。と言うと「おっ、好きなの?俺も」と言われてついつい先生の聞き上手さに甘えて熱弁してしまった。まだ虜って曲、有名じゃないけど良い曲だから聴いてみてください!と最後にお願いをして… おばあさんがくれた飴を舐めながら今日の事を少し反省する。誕生日が一緒ってだけで意識しちゃうし、聴いてくださいだなんて迷惑かもしれないし… 勉強も全く手につかない。 
第三話    最高の甘い瞬間                           翌日、先生が部屋に来て「あの曲ハマったよ!なんか吉木さんって気が合うね」と言った。(気が合うって言ったよね!えっもう好きー!)赤くなりやすい私の顔が火照る。「ん?顔赤いよ、耳まで赤いよ」そう言って先生に顔を覗きこまれて我にかえる。近いって!先生!心の中で叫びながら熱くなってる耳を引っ張った。後で来るから待っててと言うと先生は急いで他の部屋に向かった。すると少しにやけているおばあさんと目が合った。「鈴木先生、お姉ちゃんと話してるとき楽しそうね。私にはあんな顔見せないのよ、素直なんだから」と、少しふざけた様に話す。それを聞いて、また心臓がバクバクした。もうちょっとで来るかなとドキドキしながら待っていたが先生が来たのは18時だった。ごめんね、混んでてさ。と謝られ、リハビリに向かう。いつもはたくさん人がいるが今日はもう誰も居なかった。教えてもらったストレッチを始めると先生が私の手に自分の手を重ねてきた。(待ってよ、聞いてないよ、心臓もたないよ!)少し微笑んで先生が話し始めた。「吉木さんと一緒に居ると患者さんといる感じしなくて素がでちゃうな」ふふっと私も笑ったけど内心、もう我慢できないって、よくある恋だとしても勝手に想ってたらいいんだって考えてしまった。次の日もその次の日も会うのが楽しみでたまんなかった。ちょっと浮かれていた。
第四話    不思議な気持ち                           ある日、LINEでバスケ部の苦手な友達と喧嘩してしまった。別にどうでもいいんだ、私にはイケメンがいるしって悩まないことにした。…その日のリハビリで彼女の話をされた。同棲しているらしい。いや、イケメンだしいない訳がないって分かってた…はずだった。マッサージの手を止めた先生が私の目をじっと見て「今日、元気ないね。何かあった?」と聞く。あぁ、バレたな。とりあえず、喧嘩したことでも話そう。そう思い先生に話すと、とっても優しく共感しながら聞いてくれた。話が終わると、「そうだ。先生のおしりの筋肉、触ってみる?」ん?なぜそうなるよ、イケメンさん。戸惑いながら触ってしまったがなんかイケメンの行動って読めないなって思った。その日の夜は眠れなかった。もう喧嘩のことも彼女がいたこともどうでもよかった。年上の男性のおしりなんて初めて触った。とにかく不思議な気持ちで、ドキドキして眠れなかったんだ。深夜に見回りに来た看護師と目が合ってしまった。わぁっ!っと声が出てしまう。ごめんね、大丈夫?と聞かれ、大丈夫です!と慌てて答える。おばあさんの好きな面白くて若い男の看護師さんだった。前に私がゲームでクリア出来なかったステージをやってもいい?と言ってすんなりクリアしていたから覚えている。確か名前は坂田さんだったな。 
第五話    真顔でいられなーい!                        そのままほとんど眠れずに朝になった。坂田さんが朝食を持って来て、はいマナちゃん。このまま口まで運んであげてもいいよ?アーンってやってさ。と言うので私が爆笑すると、おっそんなに面白かった?良かった。やっぱり俺みたいな人と結婚した方良いよ!と言って変なポーズを決める。私もおばあさんも大笑いして、おばあさんが「この子は鈴木先生が好きなんだからぁ」と言う。えっそんな事言ってないのにと言うと坂田さんがショックだなと笑いながら出て行った。「やっぱり分かりますか?」おばあさんに聞くと「当たってたわね?」と笑ってご飯を食べ始めた。その日はおばあさんが先にリハビリをして、私はその後だった。腹筋をするときに思いっきり頭を壁にぶつけてしまった。すると先生は笑って「意外とドジなの?」と聞く。確かに私は昔っからドジっ子だった。リアルに挨拶でランドセルの中身を落とすという漫画等でよくある失敗をしたり、スマホを手から何度も落とすので私のスマホはバッキバキに割れている。その日は好きな食べ物の話をした。何が好き?と聞かれてボーっとしていた私は、誰がですか?とめちゃくちゃバカな事を言ってしまった。えっ?吉木さん以外に今いないじゃん。と先生が笑う。そして「まだ、ちょっと元気ないね」と言われて、えっと…と答えに困っていると、今日はお外行こっか。と先生が言った。(お外って、『お』をわざわざ付けるとか。やっぱ可愛い!)また勝手にキュン死していると先生が外が寒いからと白衣を羽織る。…これが白衣マジックってやつだ!元からかっこいいけどさらに良いですよー♪心の中ではそう言いながらも真顔でいられるように我慢する。
第六話    本気の片想い                            外でのリハビリが終わって戻ろうとすると突然、肩を掴まれた。いやいや、ここは少女マンガの世界かよ!と心の中でツッコミをしないと本当に我慢できない。そのまま先生のクリッとしている可愛い目が私を見つめていた。「なんかさ、吉木さんって俺と同じにおいがする」と先生が言う。その夜も眠れなかった。もう、あの人はなんなんだ!今日ので分かった。思わせぶりなのだ。絶対に年の差的には私はアリだが、先生からするとナシだろう。私はちょうどあのくらいの男性が好きだから。そんな事を考えながらもちょっと楽しんでる自分がいる。 翌日は鈴木先生が休みだったので播磨先生という方が代わりに来た。その人も、たくさん話してくれたけど少し寂しかった。髪型は私の好きなツーブロックのショートで、もちろん優しい方だった。でも違うんだよなと思う。私には同い年の彼氏がいてアイツもかなりガンガンくる。キザすぎて周りに話すとひかれるぐらい。でも鈴木先生みたいに心臓がバックバクにはならない。やっぱり本気で好きになっちゃったなと気付いた。
第七話    イケメンの余裕?                          翌日、先生は髪を切っていた。「髪、切ったんですね!」と言うとちょっと切りすぎたかも…と言ったから、すかさず私は「そんな事ないです!可愛いです!」と言ってしまった。可愛いは変だったかな、本当に私からすると可愛いけど…と後悔していると先生はありがとって笑ってくれた。 1週間後に退院した。それからも週に3、4回リハビリには行く事になっている。学校も久しぶりに行った。私の苦手な友達…遠野優と目が合う。「ゆーちゃん、この前はごめん」と謝ったが、彼女は私を無視して行ってしまった。もうダメだな…。廊下に出ると私の彼氏がこっちに走って来て「マナ〜!会いたかったよぉ」と言って思いっきりハグしてきた。廊下でそーゆーことしないでよ、と注意するとちょっと拗ねてしまった。(私だって1人で悩みたいときがあるんですよーだ!)トイレ行って1人になろっと… とにかく1人になりたかったけど、あの人だけは例外だった。鈴木先生だけは…。逆に会いたいくらいに…。放課後、リハビリをしに行くと先生が来て「あれ?また何かあった?」と聞かれる。もーすごい!すごすぎますよ!勝手に感心してしまう。今日のことを相談すると、先生はえっ?彼氏いたの?と聞く。5年生から付き合っていると話すと、最近の小学生ってすご!と驚かれた。そして、話の途中で看護師の坂田さんと目が合った。手を振ってきたので私も手を振ると見ていた鈴木先生が、また手を重ねてきた。びっくりして目を向けたら、また微笑んで、ん?と聞いてきた。それはこっちのセリフだけど…これもイケメンならではの余裕かな?と思う。それからの毎日は何があっても悲しさなんて感じなかった。私はもう先生の事で頭がいっぱいで家や学校での悩みなんてどうでもよかった。テスト勉強でさえ、手につかなかった。
ある日、先生に入院してた時のおばあさん覚えてる?と聞かれた。あの子はホントに可愛いんだって話してたよ。先生に言われてあのおばあさん、私が先生の事好きとかバラしてないかな?と心配になる。そんな私をよそに、そういえば期末テストってどうだった?と先生が聞いた。2位でした、と答えると驚かれた。でも満足はしていないと話した。本当は1位になりたかったから…。私はドジだけど一応、頭は良い方だから。もちろん先生に片想いしたせいで、勉強出来なかったなんて言えないけど…。
第八話    分かってる                             7月8日、昨日は私と先生の誕生日だったけど私の誕生日覚えてるかな?期待しながらリハビリにいくと「昨日、誕生日だったよね。同じだから覚えてたよ。おめでとう」と言ってくれた。
(多分、彼女と幸せにあんなコトやこんなコトをしたのでしょうね…。あぁ、思春期だからこれぐらい考えちゃうよ?やっぱり嫌だな…。患者じゃなくてもっと違う関係で、もっと近い年で会えたら、せめて私が大人になってから会えたら良かったのに…)最近も年上男性の心理とか男がキュンとする言葉とかそういうことばっかり調べてる。検索履歴が先生の事でいっぱいなんだ。でも、鈴木先生。鈴木先生はこんな単純な中学生をちょっとドキドキさせて遊んでいるか、患者さんだから優しくしてるだけですか?それとも、この優しさは本心ですか?教えてほしい…!苦しいから。  その日、私は先生の夢を見た。どんな夢だったかは起きた時には覚えていなかったけど枕が涙で濡れていた…。学校でも授業なんて落ち着いてきけるはずが無くて、幼馴染の日菜にも心配されてしまった。マナ、どうかした?と聞かれる。私は鈴木先生の事を話した。
…あぁーもう!どうせ叶う訳が無いなんて分かってるよ、私だって!だから初めは我慢してたのに先生がかっこよくて、私のストレスとか全部取り除いてくれて、でもその隙間には先生が入ってきて! 帰り道、1人で思いっきり石を蹴ってやる。今日、日菜に先生の事を話したら「彼氏いるんだし、そうゆうのってダメなパターンだよぉ!…諦めなよ」と言われてしまったのだ。言われた時は涙を我慢したけど帰りで1人になった途端でてきてしまった。重い気持ちでドアを開ける。「ただいまぁ…」お母さんに声をかけて泣いてるのがバレないように部屋に駆け込む。しばらく、声を殺して泣いた。もう、どうすれば良いかわからなくて気持ちのやり場が無くって…。
第九話    大好きは止まらない                         ある日、先生が「彼氏と最近どうなの?」と聞いてきた。「……。」すると先生は言った。
「もう別れちゃいなよー」あぁ…。先生にそのつもりが無かったとしても、思わせぶりな事をまた言われた…。先生って最高ですよ。でも…ほら、また好きになるから。こんなに本気で想える人は初めてだから…。ある時は隣に座っていると「もっとこっち来て」と言って遠慮していると先生の方から体を密着させてきた、先生の体温が伝わってきた。ある時は次のメニューに困って先生の方を見たら他の患者さんの治療中だったのに、靴も履かずはだしで走って来てくれた。ある時は私がピアノがあって早く帰らないといけないとき車が来ないか心配してたら先生が見てるよ、と言ってずっと窓から見ていてくれた。全部が最高だったけど、その分つらかったんです…。今日だって。
先生は、ちょっと他の患者さんの治療してくるねと言って行ってしまった。女の子だった。嫉妬じゃないけど…いや、多分これは嫉妬だけど嫌だった。思わず耳をかたむける。「りおなちゃん、…」えっ?私は吉木さんって苗字にさん付けで呼ばれているのに何それ…?冷や汗がでる。「…さきちゃん待っててね」 まただ…!
その日、また苦しくて泣いてしまった。先生の心が読めない、まったく、全然わからない…。
私に言ってきた事だって他の人にも同じように言ってるのかな?やっぱり日菜に言われたように諦めた方が良いのかなぁ。でも信じてしまう。一番大好きなあの言葉を。今までで一番嬉しくって甘い瞬間を。『吉木さんと一緒に居ると患者さんといる感じしなくて素がでちゃうな』嘘でも信じてしまいたいから。もう、やめられないから。何があっても大好きは止まらないから。私はもう先生だけですよ。周りにバカにされたってどうでも良いですよ。

第十話    不思議な気持ち 再び                        腹筋するよと先生が言って私の足を先生の足が挟み込む。絶対こういう事考えちゃダメだけどなんか、この体勢エロイよな…。いや、本当に私がおかしいだけだろうけど。心の中でちょっと変な自分を叱りリハビリに集中する。腹筋が終わって体を起こすと鈴木先生の顔がすぐ近くにある。照れるわ、もー! しかも、足を固定されたままなので離れることも出来ずそのまま話していたけど、恋のドキドキと違う感情がでる。また、あの不思議な気持ちだ。…本当は何となく分かる。入院中に先生のおしりを触った時、他のメニューで馬乗りっぽい体勢で上から押さえられた時。こういう事を考えるべきではないけど先生にされると全部を変に考えてしまう。
別の日、完全に股に手を入れられた。これはさすがに考えちゃってもおかしくない訳で、家に帰ってから何度も思い出しては顔を思いっきりつねってやった。でも、この気持ちはどこか楽しくって不思議だった…。

第十一話    別れ                               リハビリっていつ終わっちゃうんだろう。最近よく考えてしまう。終われば会えなくなっちゃうのかなぁ…。彼氏には他に好きな人ができたと言って別れる事にした。鈴木先生とどうこうなれる訳じゃないし意味はないかもしれないけど、なんか中途半端でいるのが無理だった。
私の無謀すぎる恋のせいでアイツに迷惑かけたくなかったというのも理由だ。別れた日に髪も切った。ギリギリ結べるくらいでと美容師さんには言ったが結構不器用な私は短くなった髪が結べずにおろすしかなかった。でも先生は「髪、かなり切ったね、良いじゃん!」と言ってくれた。そして私は気になっていた事を聞いた。「リハビリっていつ終わっちゃうんですか」来年の春くらいかなぁと先生が答えた。(なんだ、まだ先じゃない。良かった。)少し安心した。そう思って先生の手をみたら指輪をしていた。あれ?前までしてなかったのに。もしかして結婚…した、かな?聞いてみる事にした。「あっ気付いた?結婚するんだよ」嬉しそうに先生が言う。 (ううん、別にいいんだよね。これで…。幸せになってほしいし私は思わせぶりな態度だけでいいから。でも先生と一緒に暮らすのって絶対楽しいだろうなぁ。)もちろん悲しさはあったけど先生に相手がいなくても私は相手にされてなかったはず。だからいいんだ。

第十二話    そばにいるだけで幸せだった
楽しい時間は早く過ぎる。
いつもそうだ。
春はすぐに来てしまった。先生も「長く通ってた患者さんの治療が終わる時って寂しいんだよね。」と言ってて私はそんな事言えなかったけど内心、寂しくてたまんなかった。
そして別れがきた。意外にあっさりいけた。良かった。涙出たらどうしよーって思ってたから。でも帰ってから一気に涙が溢れ出した宿題をするときもお風呂に入っているときも寝るときも、とにかく1人になる度に泣いた。次の日の朝、起きた瞬間から失望感みたいな重い苦しさが私を襲った。学校へ行くギリギリまで部屋で泣いて、いつもは気にしていなかった教師の怒鳴り声にビクビクして友達の視線も、また気にするようになって…。やっぱり心の支えだったんだなって。支えというより隙間を無くしてくれる存在だった。子供ができたと嬉しそうに写真を見せてくれた日はもう悲しさも無く、先生の笑顔を見れるだけで満足していた。思わせぶりなんだろうけど、全然良かった。そばにいてくれることが最高だった。もういないんだ…。毎日のように泣いて泣いて泣いた。大切なものは失った後に気付くとかよく言うけど、失う前から今回は気付いてた。失うのが怖いのはこの存在だなって。その重さがただ、想像以上で苦しかった。

第十三話    無駄じゃない                           1ヵ月後、大分気持ちも落ち着いてきた。出逢わなければよかったなんて思うことは一度も無かった。先生のおかげで私は成長できたから。あんなに好きなのに気持ちを伝えてはいけない片想い、それも今考えると楽しくて。それに怪我をして逆に幸せだったと思っている。あんなに一途になれる人は初めてだった。離れていても先生が幸せに、ただ生きていてくれたら今はもう十分、満足だ。まぁ、一年間くらい、一日中考えてた相手だったから、ふとした時に思い出して泣いてしまう日もある。ただ、今の私には夢ができた。難しいことは分かっているけど、その夢を叶えるために今は頑張ろうと思う。

第十四話    再会                               ー11年後ー
「うわー!本当に来ちゃったんだなー」私はあの時の病院を前にして思わず感心する。
今回は怪我をした訳ではない。私は夢を叶えたのだった。
整形外科医になるという夢を。
正式に言うとまだ研修医として来たのだが、あの時から一生懸命勉強して私は北大の医学部に入った。やっぱり先生は離れていても心の支えになっていた。だから、頑張れた。
(気持ちを伝えないと!)もちろんそれは、好きです!みたいな内容じゃない。さすがに既婚者にそんな事を言う勇気はない。ただ、あの頃の私にとって先生が心の支えになっていた事。私がこの夢を持てたのも先生のおかげだということ。その感謝。
私はあの頃のようにリハビリ室に入っていった…。

思わせぶりでも支えです!

執筆の狙い

作者 トナカイ
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これは実は友達の恋バナを元にしたもので大体、実話です。つまり私が日菜のモデルになっています。ちょっと先生の行動の順番を変えたり状況を書きやすいように変えていますが。あと第十四話の再会については想像で書いていますが本人(マナ)が医師になろうとしているところまでは実話になっています。この話が鈴木先生のモデルになった人にバレないかな、という不安もありましたが、勇気を出して書いてみました。カッコがついているところが考えていることです。
初めて書いた小説なので読みにくいとか面白くないとかあったらすいません(;´д`)

コメント

大丘 忍
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 まだ文章にぎこちなさがあると思いますが、楽しく読むことが出来ました。おそらく、怪我をしてリハビリをした経験を基にしたことだと思われますが、中学生の女の子の男性に対する思慕の念、ほほえましく読ませて頂きました。
 私が中学生の頃は戦争中でしたから、中学校は男女別学(男は中学校、女は高等女学校)で、思春期の恋愛は珍しく、登校の途中で女学生とすれ違う時に胸をときめかした程度のものでした。
 患者と医者との間のロマンスも時々ありますね。私は臨床暦60年の老医ですが、若い頃、この患者の女性は私に気があるんではないかと思ったことはあります。しかし、私にはちゃんとした恋人がおりましたのでなんとも無かったのですが。

トナカイ
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大丘 忍さん コメントありがとうございます。
やっぱりぎこちなさはありましたよね。でも読んでいただいて嬉しいです。
戦争が思春期の頃にあったんですね。しかし、そのすれ違うだけというのが逆にワクワクする感じもします。
やはり、医者は患者の好意に気付くものなんですね。叶えられない恋って余計に私はときめいてしまいます。

滝田洋一
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読ませて頂きました。
 怪我をして、一週間後に手術と書いていながら、改行も無しにもうリハビリの話になつています。この辺、少し考えて欲しいですね。

 中学生の女の子の素直な恋愛感情が出ていていいなと思いました。彼氏は居ても、心情的にはこっちが初恋みたいなもの。中学生の彼氏って、いわゆる、ボーイフレンドと言う感覚かな。

 もし、これが処女作なら、自分の体験では無く友達の体験を、一人称で書けると言うのは、物書きとしての素質を持っているんじゃないですかね。

 ただ、エピソードはもっと凝縮して山を作った方が良いのではと思います。逆に、最終章は、もう少し膨らませた方が良いかな? 友達の現在じやなくて、ここは作った方がいい。

 『時をかける少女』をちょっと思い出しました。

 一つ気になるのは『別の日、完全に股に手を入れられた』なんですけど、これってセクハラなんですか?

茅場義彦
133.106.162.90

面白そうだけどとにかく読みにくい
ギブアップ

トナカイ
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滝田洋一さん、コメントとアドバイスありがとうございます!
確かに見直す部分がたくさんありますね。考えて書けるようにしたいと思います。
あと、気になる部分についてですが、足を上に上げる運動のときに補助の様なかたちでいれてきたらしくセクハラではないと思います。しかし、この部分については本人もよく分からないという事で本当に意味が合って手を入れたかは、分かりません。すごく曖昧ですいません。

トナカイ
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茅場義彦さん、コメントありがとうございます。
やっぱり読みにくかったですよね。すいません。
もっと勉強しようと思います。

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