作家でごはん!鍛練場
古谷

宝地図

 ある大海賊は、宝の地図を託した。みんなは船を一斉に出して、その島を探した。
 何しろ、世界中が知っている大海賊であるから、見つけたら、「百億はゆうに越える」と言われていた。
 みんなが気にしていたことは、誰よりも先に島に着くことだった。一番乗りでないと、他の国に全て取られてしまう。

 島にいち早く着いたのはA国であった。船のみんなは歓喜し、喜びを分かち合った。
 そうして、指定の場所の穴を掘った。しばらくすると、カチーンと重い音が響いた。宝が見つかったのである。
 しかし、見つかったのは、ただの小さな箱だった。箱には手紙が入っている。

『宝なんてないよ。自分で稼ぎな』

 船員は皆怒り狂い、掘った穴に罵倒を浴びせた。
 島を去ったが、穴はそのままにしないで、元通りに埋めた。他の国にも同じ思いをさせたかったのだ。

 A国の次に着いたのは、B国である。B国も同じように、笑顔で穴を掘り、箱を見つけた。
 そして、怒り狂い、穴を埋めて、島を去る。
 B国からY国まで同じようにした。

 そして、最後に着いたのはZ国である。
 みんな穴を掘り、箱を見つけた。
 しかし、Z国は、紙を見ても怒らなかった。むしろ、「もっと穴を掘ろう!」となったのだ。

「えいさ、ヨイショ、こらせ、ヨイショ」

 日が暮れたとき、ガチーンと重圧な音が響いた。本当の財宝が見つかったのである。
「やった!本当に財宝はあった!」
 みんなは、金の宝の風呂に入り、笑顔で涙を流していた。

 ある一人の船員が小さな紙に気づいた。

『これ全部金メッキ塗ったアルミだから。
 ごめんね。
 自分で稼ぎな』

 船員はこの紙のことをみんなに知らせず、海にコソッと捨てるのであった。

 

宝地図

執筆の狙い

作者 古谷
124-159-50-124.ppp.bbiq.jp

約700字のショートショートです。皮肉な物語が書きたいと思ったので

コメント

柔らかい月
n219100087087.nct9.ne.jp

海賊が活躍していた時代に、アルミはまだない。

原料のボーキサイトをアルミナにして、そこから電気分解で精錬して得られる金属だから。
「隕鉄」みたいに純度高く宇宙から飛来するもんでもないし。

そんで、アルミは「軽金」。軽いんで、鍍金したとしても「軽さ」は誤魔化しようがない。

古谷
124-159-50-124.ppp.bbiq.jp

柔らかい月様
読んでいただきありがとうございます。
すいません、私の知識不足でした。教えていただきありがとうございました。

瀬尾辰治
sp49-96-15-113.mse.spmode.ne.jp

古谷さん、読みました。コメントも読みました。
これくらいの長さだと、読むのは簡単ですね。
現在でも海賊は存在しているらしいから、ストーリーに登場している現在の海賊が、金メッキ?のアルミの箱だと分かるのは、当たり前のことだと思います。
まあ、考え方はひとつじゃないってことですね。

ストーリーを面白くするなら、大昔の海賊に携帯電話を発見させるといいんでは? なぜか電話がつながり、メールもそのうち覚える。
ジュラルミンケースなら、呼び方は……。
携帯電話は、……。

架空のストーリーは現実離れしていて、書いて楽しいと思います。

瀬尾辰治
sp49-96-15-113.mse.spmode.ne.jp

ちょっと書き抜かりです。
はっきりこうですよ、と書くべきだと思います。読者の捉え方が複数になってしまうと変ですよ。

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

テクニカルサポート

3,000字以内