作家でごはん!鍛練場
のぶりん

青の時代

(一)
激しい雨が滝のように降り注ぎ、フロントガラスの上を幾筋もの小さな川となって流れ落ちていた。
 地面を叩く水煙がヘッドライトに映し出されるのが見える。住宅街の道は少しずつ狭くなり、暗さもさらに増してきた。
 賢治は道が分からなくなってきたので、後部座席の客に声をかけた。
客は酒に酔っているのか、車の揺れに合わせて気持ちよさそうに眠っている。
「お客さん、ここから、どう行けばいいんでしょうか。」
客は眠りを邪魔されたことに不快感で顔をしかめた。
「ううん・・・。もう、着いたんか。」
「いいえ、近くまで来てるんですが、この先の道が分からなくて。」
「あの信号を右に曲がって、そして、すぐに左、まっすぐ行って突き当りを右や。」
 激しい雨の音で客の声がかき消されそうになった。
 賢治は客の言う方向にゆっくりと車を進めた。
 ほんの少しだけ、雨が小降りになってきた。前方の見通しが良くなった。
「そこや、その角や。その家の前で止めてんか。」
客ははっきりした口調で叫んだ。
車は急停止して、立派な門構えの家の前に止まった。
夜中の一時を過ぎているというのに、玄関の明かりが点っている。
客は金を払うと、よろけた足取りで玄関の方に向かって行った。
賢治はルームランプの明かりを頼りに乗客カードに料金と方面を書き込んだ。
また、雨足が強くなった。時間も遅い。今日は終わりにしよう。
賢治はそう思い、会社に向けて車を発進させた。

(二)
 真一は眠れなかった。時計を見ながら、今日も家に帰りそびれたことを後悔した。
 こんな日がどれだけ続いたことだろうか。少しずつ、真一の身体に、この生活が当たり前のようになって染み込んできている。
 大きな柿の木が部屋の窓一杯に広がっている。真夜中になると、見知らぬ大男が手を拡げているように見える。不気味さを覚えた。
「眠られへんの・・・・・。」
 玲子は何回も寝返りをうつ真一を気遣った。
「うん、なんか、疲れているんやけど、頭だけ冴えてるんや。」
 真一は頭を抱えるようにして、玲子に言った。
「やっぱり、家に帰ったほうがええんちゃう。そう思うけどな。」
 心配そうに玲子が言った。
「そうやな、暫く帰ってへんし。そうしようかな。」
 真一は明りを落とした天井の照明を見つめながら言った。
「おばちゃんは・・・・。」
「さっき、電話があって出て行ったわ。」
「誰からや。」
「よう分からんけど、きっと、あの男の人とちゃうかな。」
 真一と玲子の間に暗欝な空気が流れた。
 真一が口を開いて尋ねた。
「あの男の人って、誰や。」
「この前、学校から帰ってきたら、家の近くの路上でよう見るタクシー停まってんね。その日はバイトやったから、着替えて、すぐ出なあかんのやったけど。気になって居間の方に行って、ちらっと見たら、お母ちゃんと一緒に寝転んで誰か男の人、テレビ見てんね。 後ろ姿見ただけやけど。」
 玲子は頭の後ろに両手を組んで話した。
「その男の人、玲子に挨拶せえへんかったんか。」
「お母ちゃんはお帰り、もう行くんかって聞いてくれたけど。その男の人、知らんふりして、黙ったままでテレビ見てんね。」
「なんや、けったいなおっさんやな。おばちゃんとどういう関係や。」
「分かれへん・・・・。」
玲子は黙ってしまった。真一はもうそれ以上聞く気がなくなった。
「帰るわ、おまえ、ひとりにして悪いけど。」
「この時間から帰るの。明日にしたらええやん。」
「思い立ったらなんとかや。」
 玲子は真一が家に帰ったらいいと思いながらも、自分から離れるようで寂しかった。
「明日、また、学校で会えるやんか。まあ、とにかく、帰るわ。おまえ、明日、学校に来るんやろな。」
 真一は帰り支度をしながら、玲子の方をちらっと見た。
 玲子はそんな真一をただ黙って眺めていた。
 真一は玲子の家を出て、澄み渡る冷たい夜風の中を自宅に向かって自転車を飛ばした。

(三)
 賢治は会社で日報と洗車を終えて家に帰った時には、もう、疲れは最高潮に達していた。
 真一の部屋を覗くと、久しぶりに帰っていた真一がベッドに潜り込んでいた。
 賢治は無性に腹が立った。叩き起こして今までどうしていたのか、問い詰めたい気持ちになった。はやる気持ちを抑えて、賢治も寝床に着いた。横の早苗は亭主のことも忘れてぐっすりと寝込んでいた。
 こんな家族のために身体を酷使して、不自由な身でタクシー会社に勤めていることが情けなかった。やがて、賢治も眠りに落ちて行った。
 翌日は非番だった。
 賢治は電話に向かって話している早苗の大きな声で起こされた。
 枕元の時計を見ると午後一時を少し過ぎたところだった。
「真一がお宅の家の方が良いと言ったんですか。真一の育て方が悪いって。あなた、なに様だと思ってるの。あなたには関係ないでしょう。とにかく、真一がお宅に行ったら追い返して頂戴。お願いします。」
 早苗は叩きつけるように受話器を置いた。
「なに、大きな声を出してるんや。なにかあったんか。」
 早苗は、まだ、興奮が冷めやらぬようだった。
「真一の同級生の女友達の藤本っていう子、知ってる。彼女の母親がうちの育て方が悪いと言うんよ。だから、家に帰ってけえへんって。」
 早苗は大阪生まれの大阪育ちだが、暫くの間、東京で働いていた。その後、また、大阪に戻ってきて知りあいを通じて賢治と見合いして結婚した。
「真一、今までどこに行ってたんや。その女友達の藤本っていう家か。しょうないな、あいつは。」
 賢治は義足をつけて洗面所に行った。
「あんた、私、あの藤本という母親にどう言われたと思う。」
「なんて、言われたんや。」
 賢治は歯を磨きながら、適当に相槌を打った。
「勉強、勉強って厳しく育て過ぎたのと違うかと言われたんよ。どう、思う。あの母親、自分の主人が入院しているんで、二人とも元気な私たちに焼き餅焼いているんや。きっとそう思うわ。」
「酷い母親やな。そんなことまで言うたんか。」
賢治は居間に移って新聞を拡げた。
早苗は賢治の後をついてきながら、話しの続きをした。
「今日の夕方、真一の担任の先生に呼ばれてるねん。」
「何の話や」
 賢治はテレビのスイッチを入れながら聞いた。
「きっと、真一の進路の話やと思うわ。」
「あいつ、勉強塾もやめたし、学校もサボってるし、家にも帰ってけえへんし、高校行けるんかいな。行く気あるんかいな。」
 賢治はテレビの画面を見ながら言った。
「とにかく、先生に相談してみるわ。」
 早苗は賢治の朝昼兼用の食事の用意をするために、台所に入った。
「ところで、藤本っていう真一の女友達やけど、どこに住んでるんやろ。」
「たしか、三丁目の団地やって聞いたけど。」
「真一がそう言うとったんか。」
「邪魔くさそうに話してたわ。」
 早苗は野菜を刻みながら、賢治に言った。
「何の病気なんやろ。」
「さあ、私にも分かれへんわ。けど、かなり長い間、入院してるみたいなんよ。」
 賢治はテレビを切って、また、新聞を読み始めた。
 早苗も炒めものをするために、フライパンに火をかけた。
「ところで、真一は藤本っていう彼女の家にずっとおったんかいな。」
「そうらしいわ。家で食事を作って貰ったり、外食に一緒に出かけたりして楽しかったて言ってたわ。」
「ふーん、一体、真一はどっちが自分の家やと思ってるんやろ。困った奴やな。今日は帰ってくるって言うてたか。」
「分かりません。糸の切れた凧みたいなものなんやから。」
 早苗は食卓に少しずつ料理を並べ始めた。賢治も食卓の方に移動してきた。
「今度、真一の顔を見たら、しっかりと言い聞かせとかなあかんな。」
「無理ちゃうの。こんな長い間、家を出て外泊するぐらいなんやから。」
 真一のことでは賢治も早苗も悩まされると思っていた。
 晩秋の長い日差しが食卓の二人に差し込み、沈痛な面持ちが漂うそれぞれの顔を照らし出していた。

(四)
 校庭は夕焼けに染められていた。グラウンドでは放課後の生徒たちが運動クラブで汗を流していた。一面では野球クラブの練習、そして、もう一面のコートではテニスクラブが練習していた。
 早苗は暫し立ち止まり、この光景を見ながら、中学時代のクラブ練習を想い出した。時間が来たので、急ぎ足で真一の担任の先生が待つ会議室に向かった。会議室はすぐに見つかった。ドアをノックした。部屋の中から、担任の山本先生らしき声が聞こえた。
「お待ちしておりました。さあ、どうぞ。」
 山本先生は早苗に椅子をすすめた。早苗は深々とお辞儀した。
「ご足労頂いて申し訳ございません。早速なんですが、真一君の高校進路のことなんですが、このままでは、はっきり言いまして公立のH校は難しいと思います。受験まであまり時間がありません。そこで、E工業高校であれば、何とか行けるのではないかと思っています。それも、確実とはいえませんが。本人がやる気を出して頑張ってもらうしかないのですが。」
 山本先生は下を向く度にずり落ちてくるメガネを指先で押し上げた。
「そうですか。このE工業高校は公立高校の中でも一番最下位のランクにあるようですが、   
もう少し、上のランクは可能でしょうか。例えば、C高校のような普通高校は駄目でしょうか。真一にはぜひとも普通高校から大学に進学して貰いたいと思っていますので。」
 早苗は縋るような気持ちで、山本先生を見つめた。
 山本先生は大きなため息をついた。
「かなり難しいと思います。工業高校からでも大学進学は可能です。本人のやる気さえああればのことですが。」
「分かりました。帰って主人とも相談してみます。それと、真一にも高校受験に対する気持ちも聞いてみます。」
 早苗と山本先生の間に重たい空気が流れた。
「そうしてください。私の方から真一君には進路のことを聞いていますが、彼はE工業高校に進学しても良いような口ぶりでした。」
「そうでしたか。」
 早苗は落胆の色を隠せなかった。
「ところで、お母さん、真一君と藤本君のことなんですが。何か、お家で変わったことはないでしょうか。」
「先生、そのことなんですが。実は、最近、真一は家に全く帰ってこないんです。ところが、昨日、久しぶりにひょっこり帰って来たのです。それも真夜中に。朝には学校に行く用意をしていましたが、小遣いが欲しいと言ってきたので仕方なく3000円を渡しました。」
「そうですか。でも、、学校にはちゃんと来ています。授業態度で何か問題になったこともありません。私の綬業の時にはよく居眠りをしますが、それ以上のことはありません。ただ、今の中学生は私たちの子供時代に比べて大人びいていますからね。いろいろなマスコミの影響も大きいのでしょう。特に、男女関係ではあまり恥じらいもなく平気のようです。実は真一君と藤本君は学校でも大変、仲が良いようなんです。でも、他の同級生もいろいろとカップルがいるようで、そんなに目立ちませんが。私が一番恐れているのは、男女の関係に深くのめり込むことなんです。勉強にも差支えるし、プラスになることがありません。また、男女関係の集団グループができて、非行に走ることも心配です。これだけは絶対に防止しないといけないと思っています。父兄のみなさんにもご協力を頂きたいと思っています。」
 早苗は山本先生の話を聞いて、さらに心配が増幅してきた。一体、真一は何を考えているのか。これから先のことをどうしたいのか。
「お母さん、どうしました。」
 山本先生は心配そうに尋ねた。
「いえ、少し、めまいがしてきたもので。もう、大丈夫です。」
「そうですか。まあ、真一君のことは気長に見てやることも大切かもしれません。私も彼の担任として良き理解者になるつもりです。」
 あたりはすっかり暗くなっていた。放課後の生徒たちも、クラブの練習を終えて家路に着き始めた。
「すみません。すっかり遅くなりました。」
「あっ、先生。もうひとつご相談したいことがあります。」
 山本先生は姿勢を正した。
「何でしょうか。」
「実は藤本さんのことなんですが。真一は彼女の家に入り浸りなんです。何回も注意しましたが、全く聞き入れる様子はありません。主人も私もほとほと困っています。彼女のお母さんも真一が家を空けることに対して、あまり理解を示してくれません。」
「そうですか。それはお困りですね。担任の立場から彼女のお母さんに、プライベートのこともあるので、慎重に話してみます。」
「まあ、とにかく、これからの受験のこともありますし。真一君には早く自分自身を取り戻して貰いたいと思っています。これからも、担任の立場で精一杯にサポートして行きます。」
「宜しくお願い致します。」
 早苗は会議室を出た。会議室と隣り合わせになっている職員室では何人かの先生が事務をとっていた。足早に校門に向かった。生徒のいなくなったグラウンドが夜の暗闇の中でひっそりと静けさを取り戻していた。

(五)
「真一、今日は家で勉強せなあかんよ。」
「ちょっと、用事があるね。」
 真一は自分の部屋でボストンバックに着替えを入れながら言った。
「おまえ、いい加減にせえよ。藤本っていう女の子の家に泊まり込んでいるようやけど。もうちょっと、考えなあかんで。高校受験も近いことやし。もう、勉強せえへんのやったら、家に帰ってくるな。」
「そんなこと、親父に言われる筋合いないわ。ほっといてくれ。」
「なんや、親に向かってその言い方は。もう一度、言ってみい。」
「ああ、なんぼでも言うたるわ。この家におったら、うっとしいわ。あいつの家の方がましや・・・・。」
 賢治は真一の胸ぐらを掴んで思い切り突き飛ばした。
「なんや、親父、やる気か。」
 真一はかまえた。賢治は情けなかった。真一との深い溝を感じた。
賢治は真一の頭を強く殴った。真一はよろめきながらも抵抗した。早苗が止めに入ったが、二人は取っ組み合いになり、賢治は真一を壁に強く押しつけた。真一は賢治をはねつけた。  
体力的には賢治と互角になっていた。その瞬間、真一のパンチが賢治の胸のあたりに鈍い音を立てて当たった。賢治は息苦しさでしゃがみこんだ。
「真一、ええ加減にしい。」
 早苗は泣きながら叫んだ。
「もう、こんな家、出たるわ。絶対に帰ってけえへん・・・。」
 真一は玄関のドアを乱暴に開けて出て行った。早苗は、ただ、呆然とそれを見送るしかなかった。賢治は苦しそうに呻きながらうずくまっていた。
 外は冷たい雨が降っていた。真一は後味の悪さを残しながら、玲子の家に向かって自転車を走らせた。

(六)
 真一は家に帰らなかった。玲子と一緒に学校を休むようになった。
 玲子の家では幸恵の居ることが少なくなった。きっと、浩三と会っているのだろうと想像できた。
 山本先生は心配して玲子の家を訪れた。二人は先生に学校へ行くことを約束したが、来なかった。高校受験までに出席日数が足りないと内申書に響くことになる。いや、卒業までもできなくなってしまう。でも、二人は学校に行かない日が続いた。
 賢治と早苗は真一のことが心配だったが、どうしようもなかった。山本先生とも相談したが、本人しだいなので時間をかけるしかなかった。
 何とか授業日数もギリギリ足りて、真一も玲子も山本先生の説得で高校受験をすることになった。結果は二人とも合格だったが、それぞれの高校のレベルは最低だったので満足できなかった。
 その年の地元の秋祭りの季節がやってきた。真一はだんじりを引く役に当たった。勉強も全くしないし、高校も休みがちだったが、地元の青年団のだんじりを引く練習だけは熱心にしていた。
 秋祭りの当日、賢治と早苗はだんじりを先頭で引く真一の姿を見ていた。
「ねえ、あんた、真一はあれでええのやろうか。」
 賢治は早苗の肩を抱きながら言った。
「あれでいいんや。あいつはやっと自分の生きがいを見つけたんや。俺はそう思う。」
 二人にも秋祭りの熱気が伝わってきた。

(七)
 真一は相変わらず、玲子の家にいた。
 ある日の夜中に幸恵が浩三を連れて帰ってきた。二人はかなり酔っていた。
「おまえが山崎ところの子倅か。お父ちゃん、元気か。おまえのお父ちゃん、足悪いけどよう働くな。けど、気にくわんところがあるんや・・・・・。
 この前、おまえのお父ちゃんの車に傷をつけたんと違うかって、わしに言いがかりをつけてきたんや。おまえのお父ちゃんのすぐ横にわしの車を置いとったもんやからな。どこにそんな証拠があるねって言い返してやったら、すごい剣幕で怒鳴りやがった。それで、取っ組み合いの喧嘩になりそうやったけど、会社の所長に仲裁に入られてな。大きな喧嘩にはなれへんかったけど。おまえとこの親父、足ちんばのくせに大人ししとったらええのにな。」
 浩三は酔いの勢いで言葉を続けた。
「今度、家に帰ったら言うとけ。いつでも、相手になったるさかいな。」
 真一はその言葉に逆上して、浩三に飛びかかった。浩三の力は強く、真一はねじ伏せられた。真一はなおも挑みかかった。幸恵と玲子が止めに入ったが、か細い女の手ではどうすることもできなかった。興奮した浩三が真一の顔面を殴打した。真一はよろけながら、顔を覆った。
 大人の浩三と高校生の真一とは体力には差がなかったが、浩三の迫力に圧されてしまった。
 真一は台所に駆け込み、包丁を持ってきた。気が狂ったように浩三の腹を突き刺した。そこらじゅうに鮮血が飛び散った。浩三は腹をおさえたまま、うずくまった。部屋の中は修羅場と化した。幸恵と玲子の甲高い悲鳴が聞こえた。
 真一はただ、呆然と包丁を握りしめて立ちすくんでいた。

(ハ)
 真一は鮮血を浴びたまま、自転車に飛び乗って無我夢中に自宅へと走らせた。家に飛び込んできた真一を見て、早苗は驚いた。
「どっ、どうしたん。な、何かあったんか。」
 真一は玄関にへたり込んだ。
「れ、玲子の家で・・・・・。」
 それだけをいうのが精一杯だった。
「ちょっ、ちょっと待っとき、今すぐ、お父ちゃんのお父ちゃんの携帯に電話入れるから。」
 早苗の携帯電話のプッシュボタンを押す指が小刻みに震えていた。
「どうしたんや。今、仕事中やで。」
「あんた、すぐに帰ってきて、真一が真一がおかしいんや。服に血を浴びてて何かあったようなんや。」
 早苗の震える声に、賢治は強く反応した。
「分かった、待っとけ。今からすぐに帰るから。」
 早苗は自分でどうして良いのか分からなかった。ただ、真一を居間のソファに座らせて、水を持ってきた。
「飲むか・・・・。どうしたんや。」
 早苗は恐る恐る聞いた。
「玲子の家で人を刺してきた。親父の会社の人や。玲子のおばちゃんと一緒に帰ってきたところで。親父のことで・・・・。」
 真一の目から涙が止めどなく流れていた。
「ええっ、本当か。それでどないしたんや。」
早苗の頭は真っ白になった。パニック状態でこれからどうしたらいいのか、分からなくなった。
 暫く経って賢治が帰ってきた。賢治は息を切らせながら、家に入ってくると、その雰囲気に驚いた。
「真一、ど、どないしたんや。」
 賢治の顔面は蒼白になった。
「親父の会社の浩三というおっちゃん、刺してしもた・・・・。」
 賢治はその男が分からなかった。
「親父の車の傷のことで、トラブルになった相手や。」
「横田のことか。」
「そうや、今さっき、玲子の家で刺してしもたんや。あいつ、親父の足の悪口を言うたんや。」
「そうか・・・・。」
 賢治はなぜか妙に落ち着いてきた。側で早苗が警察に電話しようか聞いた。
「真一、久しぶりに銭湯に行こうか。」
真一は怪訝な顔をした。
「セントウ・・・・・。」
「そうや、銭湯や。お父ちゃん、足が悪いからあまり外の風呂、入りに行ったことないね。真一を小さい時から連れて行ったこともなかったな。」
 早苗は泣いていた。父と息子の強い絆を感じた思いだった。
「仕事柄、タクシーでお客を乗せてまわってると、いろいろなところを見ることができるやろ。おまえ、T駅の近くに銭湯があるの知ってるか。そこに行ってみようや。」
ソファに座りこんでいた真一を、賢治は引っ張りあげた。
「銭湯か、そうやな。」
真一は落ち着きを取り戻した。
「おい、あそこの銭湯に行ってるから、警察に電話しといてくれ。必ず、風呂から出たら自首させるからと。警察にはそない言うといてくれ。」
 早苗は大きくうなづいた。
「それから、藤本の家の方にも連絡、頼むで。救急車は早々に呼んでくれていると思うが、今頃、あの母娘、気が動転して待っているやろうから、なあ、真一・・・。」
 賢治は真一とともに銭湯に行く用意をした。賢治のタクシーに乗って、二人は銭湯に向かった。
 番台では主人が真一を見て驚いた。二人はお金を払って脱衣場に向かった。真一は血みどろになったTシャツとズボンを脱いだ。賢治は左足の義足を外した。まわりの客が奇異な目で見ていた。二人は平然としていた。湯船につかった。
「ああ、気持ち良いな。外の風呂は大きいし、最高やな。」
 真一は涙を流していた。
「真一、背中、流したろか。」
 二人は湯船から出た。賢治は真一の後ろにまわり、石鹸で泡立てたタオルで真一の背中を流し始めた。
「おやじ、ありがとう。」
賢治は真一の背中を流しながら、子供の頃、交通事故で左足を失くした後に、初めて親父と一緒に銭湯に行ったことを思い出した。

(九)
 あの忌まわしい事故は賢治が五歳の時に起こった。その年の四月から幼稚園に通うことになっていたので、園の下見もして楽しみにしていた。二月の暖かい日であった。
 一般道に隣接した空き地は、もうすっかりと夕闇に染められていた。まだ、賢治は近所の子供たちと鬼ごっこ遊びに夢中になっていた。
「賢ちゃん、今度は鬼や・・・。」と、ガキ大将の敏夫が言った。
 賢治は一緒に遊んでいた子供たちの中で、一番、年少だった。だから、いつも鬼になることが多かった。電柱に向かって顔をあてて、大きな声で叫んだ。
「もう、いいかい。」(まあ、だだよ・・・・。)
「もう、いいかい。」(まあ、だだよ・・・・。)
 友達の声が遠くに聞こえてきた。
「もう、いいかい。」(もう、いいよ・・・・。)
 友達はもう、みんな思い思いのところに隠れてしまったようだ。
 賢治は空き地の奥の材木置場のところに入って行った。高く積み上げられた材木の後ろに、いくつもの大きな土管が転がっていた。その材木に足をかけた。もう、見つかるのは時間の問題だった。あるひとつの土管の中に、孝ちゃんが隠れていた。
「孝ちゃん、みーつけた・・・。」と賢治は得意満面の顔で言った。
孝太は渋々、土管の中から出てきた。みんな、隠れていたところからゾロゾロと出てきた。すぐに見つかってしまった孝ちゃんに、みんなは不満を持っているようだった。
孝ちゃんの鬼の番になった。
日はとっぷりと暮れ始めていた。
「もう、やめへんか。」と敏夫が言った。
「もう、一回だけ・・・。」
 賢治はみんなにねだるように言った。
「仕方ないな。じゃあ、もう、一回だけやで。」と敏夫が言った。
 みんなも頷いた。
「始めるで。」
 孝ちゃんが電柱に顔をあてた。
「もう、いいかい。」(まあ、だだよ・・・・。)
もう、みんな隠れる場所をしっかりと見つけているようだった。でも、賢治はなかなか隠れるところが見つからない。焦りが出てきた。
空き地を出ると、一般道が走っている。
賢治は、通り過ぎる車を確かめもせずに素早く横切ろうとした。
「キィ、キィー・・・・。」
 砂利を積んだ大型ダンプが、けたたましい音を立てて急ブレーキをかけた。
 賢治は大型ダンプの真下でぐったりとしていた。
 左足がタイヤに敷かれた。肉が裂けて骨が見えていた。周辺には多くの血が飛び散っていた。
 みんなも、急ブレーキの音を聞いてびっくりして集まってきた。
「賢ちゃん、大丈夫か・・・・・。」
 敏夫が叫んだ。
 運転手が慌ててダンプから降りてきた。そして、賢治をダンプの下から引きずり出した。
 賢治の身体を起こしたが、左足がブランブランしていた。
「おばちゃん、呼んでくるよ。」
 孝ちゃんが慌てて言った。
 すぐに、賢治の両親が現場に駆けつけた。辺りは騒然としていた。
 賢治は運転手の腕の中でぐったりしていた。
 運転手の側に駆け寄り、父親の隆夫は賢治を抱きかかえた。傍らで、母親の京子は泣き崩れている。
 やがて、救急車のサイレンの音が近づいてきた。

(十)
 初春の優しい日差しが病室の窓に差し込んでいる。
 賢治はやっと麻酔から目を覚ました。ベットの側には京子の憔悴しきった顔があった。もう、悲しみの中で涙も枯れ果てている。
「お母さん、痛いよ、痛いよ・・・・・。」
 賢治は顔を歪めながら泣いた。京子は賢治の身体をさすっている。
 もう、賢治の左足は膝から下がなかった。あの忌まわしい事故で切断したのだった。
「左足が何か変な感じだよ・・・・。」
 賢治は痛みの中で精一杯、自分の身体の変化を京子に訴えかけている。
 京子にはどうすることもできなかった。
「京子、先生が話あるんだって・・・・。」
 隆夫が息を弾ませて病室に駆け込んできた。
 京子は賢治を宥めながら、隆夫と一緒に詰め所に向かった。
 詰め所では看護婦たちが忙しそうに点滴を詰めていた。
 小林先生は奥の長テーブルに座ってカルテを書いていた。
 隆夫と京子に気付いたのか、小林先生は二人に向かって言った。
「どうぞ、入ってください。賢治君の様子はどうですか。」
 小林先生は隆夫と京子を交互に見ながら尋ねた。
「はい、かなり痛がっています。側にいると賢治が可哀そうで、可哀そうで・・・・。」
 京子はうなだれて言った。
「そうですか。麻酔から覚めたようですね。後で診に行きましょう。ところで、入院は長引くと思って覚悟してください。これからは義足をつけて歩く練習もしなければなりません。」
 隆夫と京子の二人には小林先生の話がズシンと重たく響いた。
「左足の手術の経過は順調なのでしょうか。」
 不安げに隆夫が聞いた。
「大丈夫です。一年もすれば、義足をつけられるぐらいに回復しますよ。只、賢治君の心の傷が心配です。積極的にリハビリに取り組んでくれればいいのですが。」
「先生、賢治はまだ、幼稚園ですよ。リハビリに耐えられるかどうか。左足のないことのショックは、あの子にとってはあまりにも大きすぎます。暫くはそっとして上げたいのです。」
隆夫は父親としての精一杯の気持ちを伝えた。隣で京子は肩をゆすりながら泣いていた。
「そうですね。賢治君の心の傷を癒すことが先なのかもしれませんね。でも、とにかく、賢治君が一日も早く、普通の子供と同じように歩けるように努力したいと思います。お父さんやお母さんにも、頑張って貰いたいと思っています。」
 小林先生は二人を勇気づけるように言った。
 病室に戻ると、賢治は看護婦さんから新しい点滴の用意をして貰っていた。
「早く良くなろうね。賢治君は男の子だから頑張れるよね。お姉ちゃんも一緒に頑張るからね。」
 隆夫は看護婦さんに向かって頭を下げた。
 京子が賢治のベットに近づいた。
「賢ちゃん、早く良くなってお家に帰ろうね。母さんはいつも賢ちゃんの側にいるからね。」
 京子は優しく賢治の頭をなぜた。隆夫もそんな二人を、ただ、黙って見ていた。
 やがて、鎮静薬が効いてきたのか、賢治は眠りに入って行った。

(十一)
 賢治が京子に言った。
「お母さん、僕の左足、おかしんだ・・・・・。」
「何がおかしいの・・・・・。」
 京子は精一杯に優しい顔を向けた。
「僕の左足の先、あまり感じないんだ。・・・・。ちゃんとあるんだよね。大丈夫だよね。」
 賢治は心配そうに言った。
 京子の涙が頬を伝わって、賢治のベッドの上にポトリと落ちた。
 もう、賢治には左足のことを話すべきなのだろうか。いずれ、分かってしまうことなのに。
京子はそう思うと涙がとめどなく流れ落ちるのだった。小林先生からこの事実を伝えて貰う時期が来たのではないか。京子はそう思い、自宅にいる隆夫に連絡を取って相談した。

(十二)
寂しい雨が、時折、病室の窓ガラスを強く叩いた。
賢治は寝苦しいのか、度々、寝返りを打っていた。
側で、京子はそんな賢治の顔を悲しげに見ていた。
「京子、賢治には左足のこと、やっぱり話そう。いずれ、わかってしまうことだし、早い方が良いやろ。」
 隆夫は京子に同意を求めるように言った。
 京子は涙で滲んだ目で、隆夫の方に向き直った。
「そうやね。賢治には辛いことやけど、しっかりと現実の中で生きて貰うしかないんやね。」
 隆夫は京子のその言葉にうなづいた。
 ふたりは病室を出て、看護婦詰め所に向かった。
「先生、賢治に左足のこと話して貰えませんか・・・・・。ふたりでそうしようと決めたんです。」
 隆夫は小林先生の目をじっと見ながら言った。
「そうですか、分かりました。早い方が良いでしょう。この後の回診の時に話しましょう。」
 ふたりは喉に痞えていたものが一気に降りたような気がした。
 暫く経って、小林先生が病室に入ってきた。
 先生は賢治の手を優しく握りながら語りかけるように言った。 
「調子はどうかな・・・。痛くない。実は賢治君にお話があるんだ。先生の話を聞いて貰えるかな・・・。」
「僕にお話しって・・・・。先生、何のお話・・・・。」
 賢治は真剣な顔になって言った。
 傍らで隆夫と京子が、小林先生と賢治の話をじっと聞いていた。
「賢治君の左足・・・。実は膝から下がなくなったんだ。少しずつ、感覚が戻ってきているようだから何となく分かるだろ。でも、人が作った左足を着けると、また、元のように歩けるようになるんだ。みんなと同じようにね。左足を曲げることもできるんだよ。だから、みんなと同じように歩けるように練習しようね。先生の言ってること分かってくれるかな・・・・。」
 賢治は、もう、目に涙を一杯溜めて小林先生の話を聞いていた。小さいながらも、精一杯泣くのを堪えているようだった。
「そうよ、先生の言うことしっかり聞いて、早くお家に帰れるようにしようね。そして、来年からは小学校に行こうね。」
 京子は涙まじりに賢治に話しかけた。
隆夫は賢治の頭をなぜながら、ずっと無言だった。
 隆夫は父親として、賢治にどういう言葉をかけたらいいのか分からなかった。
 病室の空気が重苦しく感じた。雨がさらに強く、病室の窓ガラスを叩いた。そして、いくつもの細い筋となって流れ落ちた。
「僕の左足、本当にないの・・・・・。先生、お母ちゃん、お父ちゃん、ほんと、本当に・・・・。」
 賢治は泣いた。やがて、落ち着きを取り戻してくると。
「僕、頑張るわ・・・・。頑張って早く友達と鬼ごっこしたいし。それから、小学校にも行きたいしな。お母ちゃん、僕、頑張ったら歩けるようになるよな。みんなと同じように歩けるように・・・・。」
 病室の窓の外では、あんなに強く降っていた雨も静かになった。
「そうだ。賢治君。頑張ろう。みんなで頑張ろう・・・・。」
 賢治は小さいながらも、先生の言葉を噛み締めるように聞いていた。
 隆夫と京子はほっとため息をついた。ふたりの胸にはこれからの不安と、そして、ちょっぴり安心とが交差するのだった。
「そうや、賢治、この病院の近くにも風呂屋があるんや。ふたりで家の近くの風呂屋によう行ったな。先生のお許しがもらえたら、行ってみよか。
「先生、あきませんか。」
「暫くは無理ですが、退院の直前ならいいですよ。」
「先生のお許しもでたことやし。人目なんか気にせんでもええ。広い風呂でお父ちゃんと一緒にゆっくり入ろ。気持ちいいで・・・・。」
 入院生活は長く続いた。やっと、退院の目処がついて、小林先生から銭湯に行く許可が貰えた。
 時間が早いのか、客も少なかった。隆夫は賢治をおぶって洗い場に向かった。
「賢治、背中、流したるわ。どうや、外の風呂屋は広いから気持ちがええやろ。」
 賢治の左足が痛々しかった。隆夫は賢治の小さな背中を流しながら、涙が流れ落ちるのを抑えることができなかった。

(十三)
 賢治の目から止めどなく涙が流れた。
「おやじ、こんどはおれが背中、流したるわ。」
 真一が言った。
 外ではパトカーのサイレンの音が響いていた。
 それはやがて近づいてきて、銭湯の前でとまった。
                                  (了)

青の時代

執筆の狙い

作者 のぶりん
101-141-43-78f1.osk3.eonet.ne.jp

小説として通用するのか。また、読後の感想について。
読者の方々から頂きたいと思いました。

コメント

偏差値45
KD106154139056.au-net.ne.jp

>小説として通用するのか。

小説というカタチにはなっていると思います。


>また、読後の感想について。
読者の方々から頂きたいと思いました。

親子の物語という感じでしょうか。
小説としての狙いの筋は見えるので良いとしても、
個人的には退屈であるし、ドラマの流れとしてもギクシャクしたものを
感じますね。その原因は真一の行動にあります。
普通の人では考えられない行為をしているので、
その原因が理路整然と伝わっていない。従って納得できないものになっていますね。
また賢一の行動にも納得できないものがあります。
それは風呂のシーンですね。義足の人はあぶないでしょう。
温泉に一週間に一回程行っている私としては、信じられないですね。

のぶりん
101-141-43-78f1.osk3.eonet.ne.jp

偏差値45 さま
評論を有難うございました。すごく参考になりました。
真一の逆上シーンですが、普通では考えられない。
それから、賢治との入浴シーン。
前者は人間、逆上すると常識では考えられない行動に出ることを描きたかったのです。
それが、次の展開にも繋げていければと考えました。
後者の事件を起した後の父息子の絆シーンは思い出の銭湯が一番合うと考えました。
義足を外しての入浴は自宅にお風呂があまりない時代、見られた風景で違和感がないと思いました。どちらにしても、小説の難しさを偏差値45さまからご教示頂けた思いです。
偏差値45とありましたので、この作品レベルが45かなと思った次第です。(笑)
また、何かお気づきの点がありましたら、ご指導の程を宜しくお願いいたします。

ブロンコ(ちゃいのひ
KD111239125003.au-net.ne.jp

ものすごく馬鹿みたいな言い方をしてしまうと、主人公が誰なのかわかりません。


そんな俯瞰の悪さが常につきまとっている気がする、ということなんですけどわかりづらいですかね。

そう感じさせられる理由は様々にある気がするのでいちいち説明するわけにもいかないんですけど、とりあえず端的に感じさせられるのは、あらゆる背景やエピソードの連動性という意味での精度がかなり低い気がするということなんだと思います。

たぶん伝わらないと思うのであまり指摘することはやめておくんですけど、例えば隆夫が賢治を連れて銭湯を訪ねた意思と、賢治が真一を銭湯に伴わせる意思を世代を超えた思いやりという循環の如く連動させて振舞われるのは、むしろ幼少期のエピソードを裏切るような誤解、あるいは創作に足る意図や想像や理解についてこそ誤解を感じさせられる気がするし、隆夫と京子に大切に育てられたはずの賢治が築いた家庭がかなり杜撰な印象であることは、早苗という粗雑な印象のキャラクターも含め背景らしく作用して共鳴するものがなさすぎる気がするし、その他諸々においてもそういった感覚的な設計の鈍さが世界そのものの印象を悉く不信らしく妨げている気がします。


わかりづらかったら申し訳ないんですけど、この感じだといちいちの理由を指摘するようなくだらない書き方教室的な指摘になりかねないので、そういう価値のないことに手間を割くよりは、書き手自ら客観的に読み返して、逐一の感情や作用のようなことをよく想像し直してみることが肝心のような気がします。
つまり、基礎的な読書の要領を感じさせられないということなんだと思います。

あくまでも個人的な感想には違いないので、ムカついたなら気にしなければいいだけのことのはずですし、そのへんの態度はお任せします。


書き方以前に、理由が機能させ辛い了見のままでは世界を担保できない、という基本的な観察の問題のような気がします。

のぶりん
101-141-43-78f1.osk3.eonet.ne.jp

ブロンコ さま
お読み頂いて有難うございます。
ご感想の内容について難しいところがありましたので、あらためて書かせてもらいます。
取り急ぎ、お礼のコメントを送らせて頂きます。
また、何か、お気づきの点がありましたら、ご批評のほどを宜しくお願いいたします。

ブロンコ(ちゃいのひ
softbank221022130005.bbtec.net

大丈夫ですよ、これってここ見てる人みんなで認識して共有することのはずだから、あたし側としてはもう目的として十分オッケーなんです。

書き手の言い分ももちろんあろうことですから、後ほどのことも拝見させていただくんですけど、あたしにムカつくとかそんな程度の魂胆に化かすんじゃなくて、他にも見てくれている人たちにも有意義なこと、作者としての参加意識を以て自作の目的を詳らかに表明して更なる感想を求められるようなより有効な活かし方として企んでみてください。


ここのサイト、機能が完全に馬鹿になってるので、やり方次第ではむしろ突き抜けられます。
サイコーかよと。


言ってる意味わかりますかね。
どいつもこいつも同じ精神構造で飽き飽きしてるんですよ実際。


つまり、活かすべき空席は有り余ってるってこと。
あなたの心掛け次第ってことなんです。


あなたはあなたの書いたせっかくの作品をとことんまで活かすべきなんです。
このサイトをちゃんと正しく有効に楽しむべきなんですよ、頑張ってみてください。



お行儀悪かったらぶっ叩いちゃうし、それもまた一つの活かし方ということで。

大丘 忍
ntoska374216.oska.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp

「青の時代」を読みました。文章は気取った修辞を使う事もなく平易で読みやすい、好感の持てる文章でした。
細かい章分けは、ストーリーの流れとして少し戸惑う感じがありました。章分けは作者の工夫もあるのでしょうが、それがかえってストーリーをわかりにくくすることがありますので、注意が必要ですね。
タイトルは「青の時代」ですが、このタイトルがちょっとわかりにくい感じがしました。   
私は小説には、一貫したストーリーとそれを集約したタイトルが大切だと考えております。
作者の意図は理解できますが、ストーリーの流れを工夫すればさらに優れた小説になると思います。頑張って下さい。

夜の雨
ai196130.d.west.v6connect.net

「青の時代」読みました。

>小説として通用するのか。また、読後の感想について。
読者の方々から頂きたいと思いました。<

もちろん小説として読ませていただいています。
なかなかドラマチックです。
「設定」が凝っていますね。
読み始めたときはまさか「真一」が中学生だとは思いませんでしたが。
また「賢治」も義足だとは思いませんでした。
読んでいくと、いろいろな設定がわかり、ラストには背景などもわかりましたが。

しかし、二人が最初に登場する場面で「賢治」にしても「真一」にしても基本的な状況は読み手に伝わるようにしたほうがよいですね。
御作は小説ですが、これが映画なら二人が登場した時点で、「賢治」の義足とか「真一」が中学生だとかはわかりますので。

御作は原稿用紙42枚でしたが、内容とエピソードの展開などは過不足なかったと思います。
ただ文体は御作にふさわしい書き方がほかにあるのではないかと思いましたが。
このあたりは作者さんが読んでいるプロの方の小説で今回の作品に近いような書き方をしている方の文体をしっかりと勉強するとよいのでは。
御作の文体が内容にマッチしているとは必ずしも思いませんでした、何やら違和感がありました。
文体がシナリオのようになっているところと、小説のようになっているところがあります。
状況がわかる、かなりわかりやすい書き方なのですが、これはシナリオに近い書き方をしているので、内容は伝わるのではないかと思いました。

こちらのサイトで、この手の文体でシナリオではなくて小説らしく書かれている作品なら、大丘さんの「息子の恋人」(2021-04-10 09:11)とか「拾った女」(2021-03-27 08:59)「二人の女」(2021-03-13 09:18)このあたりが参考になるのでは。読みやすく内容もよいです。

>なかなかドラマチックです。<
>「設定」が凝っていますね。<
上に書いたこれらが御作を面白くしているので、作者さんはエンターテインメント作品の書き手で創作力はかなりのものだと思いました。


それでは、頑張ってください。

浅野浩二
flh3-133-209-118-178.tky.mesh.ad.jp

のぶりん様
ストーリーは。
父親の賢二は、だらしない息子の真一を嫌っている。
しかし。
父親の賢二が、片足を切断される、という、つらい経験をしている。
父親の会社の同僚の浩三が、
>「おまえとこの親父、足ちんばのくせに大人ししとったらええのにな。」
と、父親の足がビッコなのを、けなされて、真一は怒り、浩三を刺す。
それによって、いつしか、父親と息子は和解していく。
というストーリーだと思います。
賢二、真一、ともに、自分の父親とともに、つらい境遇の時に、一緒に銭湯に入る、という同じ体験を父子がしている。
父親がビッコなのを、けなされただけで、人を刺すだろうか、とか、小説としての、ストーリーに、小説の流れと関係ないことが、書かれていて、少し、無理を感じました。
しかし、小説の文章が、ちゃんと続いているので、小説として、読むことが出来ました。
作者が言いたいことも、わかりますし、小説を書こうとしている努力も、つたわってきます。
ディテールでは。
>「京子はそう思うと涙がとめどなく流れ落ちるのだった。」
こういう、悲しさの感情表現を多用しすぎると、安っぽくなってしまう、と思います。
しかし、のぶりん様には、小説を書く能力があると思います。
し、この作品も、小説として読めました。

四月は君の嘘。
n219100087087.nct9.ne.jp

情報が「後出し・後出し」で、、、とにかく、ものすごい不親切。

あまりにも・あまりにも「後出しの連続、後出し三昧」すぎて、
設定が「取って付け・取って付け……に見えてしまう」(事実はそうじゃなくとも、受け取る側からすると、どうしょうもなくそうなってる)んで、
この書き方は「損」です。


冒頭、『本作の主人公はタクシー運転手な賢治であるらしい』と、読者が把握した直後に、
突然「真一のハナシ」になって(視点・語り手が交替して)しまう。
「女のところにいるその真一」が、「賢治の息子である」ことすらはっきり明記されてないまんま、だらーっと続いて、しかも短くぶつ切り!

読者がバカじゃないんで、『作者が書き忘れてるだけで、まあたぶん息子なんだろうな』と斟酌して進む。
そんな読者の常識的推量だと、『バカ息子・真一、成績不振から不登校気味になってる高校生か?』だったのに、
後出しで「まだ中学生!」。

読者の脳内イメージの【修正、修正、また修正】を作者は一方的に強いる。


そんな成績悪い、ほかのお宅に厄介になりまくりのバカ息子! の、アリエナイ所業に対して、
【バカ息子が迷惑かけまくってるお宅のお母さんを、さんざっぱら悪し様に言ってはばからない、主人公妻:早苗】って、、、

毒親だわ、バカ嫁だわ、人としてアリエナイ思考回路と行動。。

「この身勝手極まりない・他人に迷惑かけまくりで平気でいるバカ母にして、あのバカ息子あり」で……
しかもこの女、この有様で担任に「将来的には大学進学希望」とか、よう言うわ・よう言えるわ。。
『サイコパスなんじゃうか?!』と。

真一が彼女父を刺すに至ったのも、この女の「サイコパスな血の遺伝」かと思うと、
一種納得かもしんない???


しかし、、、
いくら何でもこの母親はおかしすぎる。
この短さの中で、「人として普通に生活できてるとも到底思えない、アンビリーバボーな言動」しか書かれていない有様。

小説をスムーズ進行させるためには、もっと【普通の母親】でいいのではないか??
こんな母親、滅多にいない「まずアリエナイ」から。。


父親の「義足」も、盛大に後出し。
場所が「だんじりやってる街である」ことも、後出し。

「父親の義足とだんじり」で、読者は『かつてだんじりで活躍した父親は、山車で事故に遭ったのか?』とかシミュレート(予想)しちゃうじゃん??
けど「だんじりは無関係」だった。

「後出し、後出し」で、父親が足を失った事情が、最後らへんで明かされて、
作者は『銭湯エピで、現在とリンクさせたつもり〜』満々なんだけど、

読者からしたら、『駆け足5行でぶっつり尻切れ?!』って。




これを「小説にしたい」んであれば、普通はさ、【賢治を主人公に据えて、しみじみ書く】ところでしょう。
当然そうなる。

しかし、本作は、
サイコパス早苗だのバカ息子真一視点を「ぶつ切りにして、そっけなく並べてる」状態な上に、
しまいに「親父の過去エピ」をどちゃーっとぶっかけてる。

受け取り手の目から見ると、これは
〔まだ熱いたこ焼きと、水っぽくなった赤身のまぐろ刺身と、乾いてかぴかぴになった弁当用スパゲッティーを、緑釉の大皿にぞんざいに並べ、
その上から、どどーーっと山芋をぶちまけ、おたふくソースをかけ回した状態〕
の、カオスな料理。


「たこ焼きとソースに整理する」と、真一が主人公。
賢治が主人公なら、「まぐろの山かけだけにする」のが得策。

茅場義彦
M106072175192.v4.enabler.ne.jp

最近のtbsの半沢直樹とかも後出し方式だったなあ。。ドラゴン桜も似た感じ

四月は君の嘘。
n219100087087.nct9.ne.jp

これ、【修正、再掲】ですよね??


「サイコパス早苗」と、「機能してない唐突なだんじり」と、「バカ息子刃傷沙汰な顛末」に、
はげしく見覚えがあるし、
「そう指摘した覚えも濃厚にある」から。。


「微修正、微修正」繰り返してると、
「物語の矛盾箇所」には自分では気づけなくなり、

修正・再掲するごとに、面妖さを増し・矛盾箇所が増えてゆく・・

って、「ここのサイトあるある」に嵌り込んでる状態に見える。



この原稿(の販)はもういじらず、

ワード画面を新しくして、
【またイチから、まっさらな画面に、同じ設定で打ち込んでみる】(説明部分は、前の版からコピペ移植も可)
れば、見違えるほどブラッシュアップされる・・かも。



40枚やそこいらなんであれば、1日あれば楽勝で出来るんで、
自分的に「リライトして短編公募に応募する」際は、そうしてます。

大丘 さま
101-141-43-78f1.osk3.eonet.ne.jp

お読み頂いて有難うございます。
ご教示の中で下記の内容が特に勉強になりました。
>一貫したストーリーとそれを集約したタイトルが大切だと考えております。
かなり昔に書いた物ですが、読み返してみて、そのご指摘を強く感じました。
章分けでは今と昔を行ったり来たりして、テレビなどの映像なら何となくストーリーが理解できるかもしれません。でも、書物になると、章分けが振れていると全体の流れが理解しにくく、それが作品(拙作)としてのあらすじ(ストーリー)も読み手の方に解ってもらえないところがあるようです。私としては今と昔を紡いでより中身の質を濃く高めていきたいと思ったのですが、テレビドラマの映像のようには表現できなかったようです。ご指摘を頂いて、これも筆力の未熟さを痛感致しました。
タイトルの青の時代は真一の生き方を父親の賢治が幼い頃に不幸な事故で足をなくしてしまったことと絡めて、真一の未熟さというものを青色(未熟さ)にたとえた設定で描きたかったのです。
今後ともご指導のほどを宜しくお願いいたします。

夜の雨 さま
101-141-43-78f1.osk3.eonet.ne.jp

拙い作品を深く読み込んで頂きまして有難うございます。
ご教示につきましてはすごく勉強になりました。
特に印象深いのか下記のところです。
>このあたりは作者さんが読んでいるプロの方の小説で今回の作品に近いような書き方をしてい>る方の文体をしっかりと勉強するとよいのでは。
>御作の文体が内容にマッチしているとは必ずしも思いませんでした、何やら違和感がありまし>た。
>文体がシナリオのようになっているところと、小説のようになっているところがあります。
それと、小説らしく書きたいのであれば、大丘さんの作品を参考にするべきでしょうというところです。また、二人が最初に登場する場面で「賢治」にしても「真一」にしても基本的な状況は読み手に伝わるようにしたほうが良いというところも・・・・。
夜の雨さまのご指摘通り、書物というものは出した時から読み手の方の物になる。
映画の映像のように、伝わらなければ意味がないですものね。
今後ともご指導のほどを宜しくお願いいたします。

夜の雨 さま
101-141-43-78f1.osk3.eonet.ne.jp

拙い作品を深く読み込んで頂きまして有難うございます。
ご教示につきましてはすごく勉強になりました。
特に印象深いのか下記のところです。
>このあたりは作者さんが読んでいるプロの方の小説で今回の作品に近いような書き方をしてい>る方の文体をしっかりと勉強するとよいのでは。
>御作の文体が内容にマッチしているとは必ずしも思いませんでした、何やら違和感がありまし>た。
>文体がシナリオのようになっているところと、小説のようになっているところがあります。
それと、小説らしく書きたいのであれば、大丘さんの作品を参考にするべきでしょうというところです。また、二人が最初に登場する場面で「賢治」にしても「真一」にしても基本的な状況は読み手に伝わるようにしたほうが良いというところも・・・・。
夜の雨さまのご指摘通り、書物というものは出した時から読み手の方の物になる。
映画の映像のように、伝わらなければ意味がないですものね。
今後ともご指導のほどを宜しくお願いいたします。

浅野浩二 さま
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浅野浩二 さま
今と昔、そして、余分な箇所などが入り混じった中身なのに、深く読み込んでストーリーまで要約して頂いて、本当に有難うございました。
下記のところが特に勉強になりました。
>父親がビッコなのを、けなされただけで、人を刺すだろうか、とか、小説としての、ストー
>リーに、小説の流れと関係ないことが、書かれていて、少し、無理を感じました。
>ディテールでは。「京子はそう思うと涙がとめどなく流れ落ちるのだった。」
>こういう、悲しさの感情表現を多用しすぎると、安っぽくなってしまう、と思います。
けなされただけではなく、取っ組み合いにあり、殴打されたことが未熟な真一の逆上に火がついて、相手を刺してしまったという設定にかなり無理があったのかもしれません。言い訳ではないのですが、そのシーンを先の展開につなげていきたいと考えてしまったからです。
良かれと思って書いた感傷的すぎる箇所が長く多すぎて、それが駄文となり、読み手の方に安っぽさとなって伝わってしまったことを、浅野様のご指摘で痛感致しました。
本当に勉強になりました。貴重なご教示を有難うございました。
今後ともご指導のほどを宜しくお願いいたします。

四月は君の嘘 さま
101-141-43-78f1.osk3.eonet.ne.jp

どうも、内容がご理解頂けにくかったようで、ご不快にさせてしまったことをお詫びいたします。後出しの書き物・・・。最初の出だしのところから、登場人物、主人公の設定が不十分で、自分の書きたいと欲求が色濃く出てしまったようです。

茅場義彦 さま
101-141-43-78f1.osk3.eonet.ne.jp

後出し方式の書き物になっている。
勉強になります・・・。

四月は君の嘘。
n219100087087.nct9.ne.jp

>どうも、内容がご理解頂けにくかったようで、

↑ 「斜め読みで把握できる、ごく浅い内容でしかなかった」ので、
「把握は簡単」なんですよ??

全体に渡って「作者不親切」で
「書けてない」「どうにもヘンテコ世界」で「つまらない」だけで。



それを『読者の理解力がないのだ』的に貶めレスを書いてくるのは、

「誰にも得がない」でしょう。


「もともとなかった伸び代」が、マイナスになるだけ。



伸び代のない書きもんは、とてもつまらない。

四月は君の嘘。
n219100087087.nct9.ne.jp

「つまらない」のは、ストーリー内容〜展開自体ではなくて、

作者の製作態度が『これをひどくつまらなくさせてる』んです。


・記載順序(読者への適切な情報提示と、そのタイミング)に気を配る。

・初心にかえって、登場人物が口に出す「台詞」の一言一言を、吟味して、磨く。

・章立てを整理する。



若い子の原稿の方が、そういうのを「頑張ろうとしている」形跡が見て取れる。

そのストーリーを『伝えたい、分かってもらいたい』という真摯な気持ちがあるから。

そういう基本姿勢が、「読者の目に見える伸び代」なんだと思う。



もうちょっと「書く時は謙虚」になってください。

アフリカ
flh3-122-133-67-213.osk.mesh.ad.jp

拝読しました

感想がどうして皆、好意的なのか。
読んでいて分かりました。

読後感はラストのシーンを思い浮かべる事が出来ていい感じでしめてますた。

でしょさんも出してるけどグダグダと欠点をあげるべきじゃないのかもですね。
多分作者は観るべきシーンをちゃんとみてる気がしました。
でも、それを書ききる技術はまだまだ足りない。

https://youtu.be/FlWq9JK82cw
とても素敵な映画です。
お金も時間もなくて、それでも創りかたった熱い感じです。ヒリヒリする感じ。
同じように少しだけ感じました。

沢山練習してくださいませ。

ありがとうございました。

のぶりん
101-141-43-78f1.osk3.eonet.ne.jp

アフリカ さま  
映画やテレビドラマでも再現できることを目指しました‼️ただ、筆力のなさで、十分に表現できなかった‼️まだまだ、未熟ですね☺️活字表現で情景が目に浮かぶ、登場人物の心理に共感できる。そんなレベルに少しでも近づけたかった‼️勉強になりました‼️有難うございました。

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