作家でごはん!鍛練場
ルイ・ミモカ

ピーチの惑星

 僕と瑛人を乗せた円盤は地球を飛び立ち、大気圏を抜け出た。
 窓から船外を眺めると、暗闇の中に青く美しく輝く地球が見えた。その姿はあまりにも美麗で、崇高だった。
「引き返すなら今のうちだ。まだ間に合う」
 と瑛人が言った。
「引き返すって、どういうこと?」
「脱出用ロケットが一人分だけ用意されている。現在の位置からなら、それに乗り込んで地球に戻ることは可能だ。だが、いったん太陽系外に出てしまえば、それはもう不可能になる」
「一人分? 君は意味のない提案をしているね。進むにしろ、戻るにしろ、僕たち二人はいつも一緒だ。一人用ロケットなんて、誰がそんな物に乗るものか」
「分かった」
 瑛人は僕の覚悟を知って、レバーを下げた。
 円盤はワープ空間の中を光速で突き抜けた。

 円盤がワープ・トンネルの出口に到達すると、目の前にピンク色の惑星が見えた。桃そっくりの形をしている。
「あれは?」
 僕が尋ねると、
「ピーチ星だよ」
 と瑛人が答えた。
 
 円盤がゆっくりと下降し、ピーチ星の陸地に着地した。
 僕は好奇心に急かされて、窓から外の様子を覗き込んた。見えたのは高度な文明が栄える大都会だった。地球よりもはるか先を行っている。空の彼方までそびえ立つような超高層ビルが林立し、そのビルの間を、空飛ぶ自動車の大群が目まぐるしく行き交っている。
 瑛人が壁のボタンを押すと、円盤のハッチが外側に開き、階段が地面に伸びた。僕と瑛人はその階段を降りて、ピーチ星の土を踏んだ。
 何か一本の柱のような、青白い光がこちらに近づいて来た。目を凝らしてよく見ると、それは光に包まれた宇宙人だった。その背の高い宇宙人は僕の前で立ち止まると、
「ようこそ、ピーチ星へ。私は宇宙観光担当大臣です」
 と透き通る上品な声で僕を歓迎した。大臣は、青白く輝く光の布をまとい、楕円形の顔で、キリンのように首が長く、腕と足がパイプのように細かった。肌はやや明るめの水色で、紺色の髪を後ろで団子のように大きくふくらませて束ね、表情は穏やかで、目は開いているのか閉じているのかよく分からなかったが、口元には穏やかな微笑が浮かんでいた。そのソフトな物腰から、一見女性のようにも見えたのだが、瑛人が以前、ピーチ星人には性別がないと言っていたのを思い出した。
「初めまして」
 と僕は極度の緊張の中で、出来るだけフレンドリーな笑顔を浮かべようと努力しながら一礼した。
 彼女の背後から、メタリックな光沢を浮かべる球形の乗り物がピコピコと愉快な音を立てながら僕たちに近づいて来た。それは僕のそばで停止し、正面の扉を上向きに開いた。内部には赤いビロードが敷かれた二人掛けのソファが用意されていた。僕と瑛人が機内に乗り込み、ソファに腰かけると、扉が静かに閉じられた。室内はオレンジ色の間接照明がロマンチックな雰囲気を演出している。
「目的地はザ・ロイヤル・ピーチ・ホテルでよろしいですね?」
 とスピーカーから聞こえて来る音声に、瑛人は慣れた感じで「うん」と返事をした。
「では、目的地まで、快適な旅をお楽しみください。出発します」というアナウンスがされ、機体がほんの少し振動したかと思うと、数秒後に「到着しました」というアナウンスが聞こえて来た。
 出発してから到着するまでがあっと言う間で、地球のデパートのエレベーターで言えば、1階から2階にたどり着くくらいの間隔しかなかった。
 僕たちは乗り物を降りて、ホテルの玄関口に向かって歩いた。
 僕は何気なく瑛人に、
「移動時間がほんの数秒しかなかったと思うんだけど、あれでどれくらいの距離を移動したんだろう?」
 と尋ねると、
「5キロメートルくらいじゃないかな」
 と答えた。
「えっ!」
 僕は思わず驚きの声を上げた。
 ほとんど瞬間移動に近いスピードではないか。
 僕はピーチ星のあまりに進んだ科学技術にただ驚嘆するばかりだった。

 ホテルの外観はどことなくシックな感じで、近未来的な建物が立ち並ぶ界隈の中でひときわ異彩を放っていた。築年数は古そうで、壁や柱には若干老朽化したような風合いさえあった。しかし、それがまた、建物全体に何とも言えない深みと奥行きを与えていて、その非日常感に僕は魅了された。
 日本にも戦前に建築されたような、古き良き時代を今に伝えるホテルがあると思うが、このホテル全体にもそんなアンティークな雰囲気が漂っていた。ロビーに置かれているテーブルやソファ、棚なども、貴族趣味のものばかりだった。何となくこういう場所で珈琲を飲んだら素敵だろうなと僕は思った。
 この星の技術を使えば、ロビーから客室まで一瞬で客を移動させることも可能だろうが、そのような先進的な移動装置が見当たらないばかりか、原始的なエレベーターすらなかった。フロントのホテルマンが言うには、このホテルはあえて長い廊下と段数の多い階段を自分の足で歩かせて、ゆったりとした時間をこの星の文明人たちに取り戻させることをコンセプトとしているのだそうだ。
 僕と瑛人は赤い絨毯が敷かれた長い廊下を自分たちのペースで歩いて進んだ。壁には、桃をテーマにした絵画が一定の間隔で並べられてあった。写実的な桃の絵もあれば、幻想的に描かれた桃の絵もあった。
 僕と瑛人は時々立ち止まりながら、その絵をじっくり鑑賞した。ふと、瑛人が真剣なまなざしで一つの作品をじっと凝視しているのに僕は気づいた。「モモ子」と題されたその絵の中で、一人の小さな少女が寂しそうに暗闇の中で膝を抱えて座っていた。瑛人は思いつめたようにその絵としばらく向かい合っていた。瑛人のそんな物憂げな横顔を見たのは初めてだった。そして、それもまた、瑛人の一面なのだと思った。それは僕にとって新しい発見だった。
 ただまっすぐに目的地に向かうだけでなく、こういう風に途中で道草する時間があることで、普段見落としがちな何かを見つけられるのかもしれない、と僕はその時しみじみ思った。
 僕と瑛人はキーに記されている番号の部屋を見つけ、ドアノブに鍵を差し込んで回し、中に入った。
 部屋の中央に大きなダブルベッドが用意されていた。
 僕と瑛人は二人でその上に横たわり、そして抱き合い、キスをした。
「新しい生活が、始まるんだね」
 と僕が言った。
「うん」
 瑛人は僕の手をそっと握りしめると、蜜のように甘く微笑んだ。
 初めての宇宙旅行でずいぶん張り詰めていたせいもあったのだろう、僕の心はとたんに安らぎに包まれ、すうっと深い眠りに落ちた。

 それから、10年ほどが過ぎた。
 僕はこの星で宇宙観光課の職員となり、ピーチ星と地球との交流のためのいろいろな準備にとりかかっている。
 今、僕が企画しているのは有志のピーチ星人たちでベートーベンの「歓喜の歌」を合唱するというものだ。
 この曲についてのデータは、ピーチ星の優れた情報収集能力によって、遠く離れた地球から発せられる電波を通じて入手することが出来た。
 歓喜の歌のデータを含んだ電波は、地球の様々な場所から大量に発せられているので、容易に収拾出来たそうだ。
 ピーチ星人は、そのようにして、地球上でやり取りされているあらゆるデータを簡単に入手することが出来るのだが、ただ現時点においては地球の文明がピーチ星人にとって非常に原始的であるがゆえに、特殊な分野の学問において以外は興味の対象外で、手に入れたいと思う情報がないだけなのだった。
 しかし、この歓喜の歌を知ったピーチ星人たちは、驚愕した。未開だと思っていた地球人の中にこれほどまでの名作を生み出すことの出来る偉大な音楽家がいたということが信じられなかったのだ。
 僕がベートーベンについて知っている限りで説明すると、ピーチ星の文化担当職員は、「我々はその人物についてもっと詳しく学ぶ必要がある」と興奮ぎみに目を輝かせていた。
 ベートーベンは時代をも国をもこえた大作曲家であることは僕も知っていたけれど、銀河をも超える存在だったなんて、すごいと思ったし、この合唱の企画に参加できることは僕にとってこの上ない名誉だった。
 僕とピーチ星人有志の方々は、この曲をドイツ語の歌詞で歌えるようになろうと、日々練習に取り組んでいる。この曲の歌詞の中にある、全ての人々が兄弟になるというフレーズにこめられた思いをピーチ星人と地球人が共有し、一緒に歌い、そして愛し合える未来を夢見ながら。
 僕はいつか、地球の音楽を愛するピーチ星人たちを伴って地球を訪れる日が来ると信じている。そして、みんなで心を一つにして歓喜の歌を歌うのだ。もしかしたら、僕はその日のために、この星を訪れたのかもしれない。ふと、そんな思いにとらわれる瞬間がある。
 僕たちが地球から旅だった時、瑛人は太陽系の外に出たらもう戻れないと言ったけど、それは燃料の問題があるからだった。あの時は、太陽系の外に出て、それから地球に戻ってしまうと、それからまたピーチ星に行くまでの燃料を確保出来なかったのだ。でも、ちゃんと往復分の燃料を積んで地球を目指すならば、何度でも往来出来るのだ。
 今、僕と瑛人は国家から与えられた質素なマンションのこじんまりとした部屋で共に生活している。
 掃除は僕の担当だけど、料理は彼の担当だ。そして、彼の作る料理はおいしい。
 彼が作る料理はいつだって、何から何まで桃を材料にしたものだけど、とてもおいしくて、僕のほっぺたは食べるごとに落ちてしまうから、いくつあっても足りない。ピーチ星に来てから、ほとんど桃しか食べていないような気がするけど、違和感のようなものは全く感じない。地球で桃だけ食べていたらどんな風になるのかは、試したことがないから分からないけど、少なくともピーチ星で暮らしている分には、桃だけ食べていれば健康を維持出来るみたいだ。実際、この10年間桃だけ食べて生きて来た僕は元気そのもので病気一つしたことがない。きっと、この星の桃には、生きて行く上で必要な栄養素が全て含まれているのだろう。それとも、瑛人が作ってくれる料理だから、舌がとろけるほどに極上の味わいで、かつ栄養満点なのかもしれない。瑛人、ありがとう。
「でも、僕にとって僕を生かす本当のエネルギー源は、瑛人、君の存在なんだよ」と僕は心の中で百万回も呟いたかもしれないけれど、それでもなお、彼への感謝の思いは泉のごとく尽きることがない。
 瑛人の献身のおかげだろうか、僕はこの星に来てから全く歳をとっていない。瑛人も同じだ。初めてあの砂浜でキスを交わした時のように、眩しい陽射しを受けて透き通る柔肌の君のまま。そして、そんな君に恋をした僕のまま。
 僕たちは、きっと永遠に17歳のままなのかもしれない。いつまでも若々しく、ピュアで、そして、美しくありたい。もちろん、瑛人のために。そして、彼と僕の間に流れる銀河がいつまでもその煌めきを失わないために。
 大丈夫。僕たちなら、きっと出来る。
 だって、大好きな瑛人がいつもこうして、そばにいるんだもの。

ピーチの惑星

執筆の狙い

作者 ルイ・ミモカ
i118-19-13-223.s42.a014.ap.plala.or.jp

前回投稿した「SF恋愛小説」の続きです。
今回は、前回よりもSF的な要素を多くしようと心がけながら、執筆しました。
現在、公募に挑戦してみたいと思っており、作品のテーマはSFにしたいと考えています。
SFというジャンルに関しては、最近興味を持ち始めたばかりで、自分の知識やセンスの点で全く自信がない状態です。
SFっぽさを感じられる小説が書けるように、頑張りたいと思います。

コメント

茅場義彦
M106072175192.v4.enabler.ne.jp

読みマスタ。。。。意外に普通ですね

どっちにも振り切れてないなあ

sfとしてはチープだし
ギャグとしてはおとなしい
恋愛ものとしても。適当だし
人間ドラマとしても。。。。。。だし

でもまあ。。自分も人のこと言えないけんどね

カモちゃんは 幸せであればいいってことよ


妄想書いてたたえあえて うすいネット友達でいたいなって思うわ

ブロンコが何言おうと

瑛人 香水歌いそう

茅場義彦
M106072175192.v4.enabler.ne.jp

21えもん の昭和なsf感でづな

同世代感あるわあ

茅場義彦
M106072175192.v4.enabler.ne.jp

文章は滅茶苦茶読みやすい
この文章でメタ苦茶くらいサイコ話書いてほしい。。

とか

ブラッドベリ
p2825027-ipngn22701marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp

読みやすい。カモさんが自分で楽しければそれで良いのではないでしょうか。

ルイ・ミモカ
i114-185-0-235.s42.a014.ap.plala.or.jp

>茅場義彦様、ありがとうございます。

>この文章でメタ苦茶くらいサイコ話書いてほしい。。

私もかつては、強烈なインパクトを与える文章を書こうと必死になっていた時期があったのですが、
最近は、当たり障りのない無難ものを書けるようになることも一つの鍛錬なのかもしれないと思いつつ、
どぎつさを薄めた文章を書くように意識したりしています。
というのは、強烈なインパクトのあるものを受け入れる人々もいる一方で、
当たり障りのない無難な内容の、うわべだけ綺麗なものに親しみを感じる人々もいるような気がしてきたからです。
うわべだけ綺麗だけど、あんま中身がないというか、人間の深い闇から目をそらしてるって感じの作品を観たりした時、私は、つまんないなーと思ってそういうものには興味がなかったのですが、それはそれでそういうのを楽しいと思う人が少なからずいるのであれば、そういう需要に応じたものを書けるようになりたいなと思いました。
それは、本当の私を偽ってうわべだけ迎合していることになると思うし、最近は、そういう私の作風が読者から失望されているような気もするのですが、これも一つの鍛錬だと思いながら、新しい作風に挑戦しています。
インパクトが強ければ確かに、人の心に訴えるものはありますが、「私、そういうのちょっと苦手」と感じる人も実はいるんだなっていうことにだんだん気づいて来たような気がするのです。
それで、どちら側の人間を向いて文章を書くべきか、というのは自分の選択なのだと思うのですが、
私の場合、どぎついもの、異質なものを描いてインパクトを強めることを追求して来た期間が長かったものですから、
ここに来て、うわべの綺麗さみたいなものも書けるように、方向転換しているところがあるのかもしれません。
そのどちらも書けるようになって来れば、幅が広がって来て、
必要に応じて、どぎつさとうわべの綺麗さのバランスをその時のテーマに合わせて調整できるようになるのではないかと思いながら、出来るだけどちらのパターンでも書けるようになれたらいいなと思っています。
サイコを描く場合でも、文章そのものがサイコになってしまうと、意味の通らないものになってしまう危険性もあると思うので、私がそういうのを書く場合は、ノーマルな読者と架空の世界のサイコとの橋渡しをする役割でありたいと思うので、文章そのものまでサイコの世界に飲み込まれないように、あくまでも、読み手には理解されやすい普通の淡々とした文章で書いて、その書き方でなおサイコの闇を表現できるような、そういう書き方をしたいと思っています。
あくまでも文章は理性的かつうわべがきれいなものでありながら、内容は極めてサイコチックなものという風にすると、かえってそのギャップが冷たい恐怖感を増す効果が得られるのかもしれないという気もしていて、そういう、うわべの綺麗さと中身の不気味さの相乗効果で話を盛り上げる文章を書けるようになりたいと思っています。
昔は、いろいろと精神的に疾風怒濤なところがあって、そういうサイコな話を書きたがっていたのですが、最近は、何か浄化されたものへの憧れが強く、サイコ的なものをテーマにしようという衝動があまりなくて、それは私が内面を直視しなくなったことを意味するのかもしれません。
それは、そういうものを求めている読者に対する裏切りになるのかもしれないのですが、ただ、何にしてもそうなのですが、何かが動き出す時というのは、端から端に行ったり来たりすることが多いのではないかなという気がするのです。
つまり、自分の中にある世界観が動き出そうとする時、それまで自分が立っていた思想の位置から反対側の位置へと大きく揺さぶられたりすることもあるのではないかと思うのです。そうすることで、反対側の位置に立って、それまで自分が立っていた位置を距離を置いて見渡せるようになるということもあるのではないかと思います。
ヘーゲルのテーゼとアンチテーゼはそのような対極にある思想が衝突した時に、次の新たなステージが開始されるということなのだと思います。

R
sp49-98-163-93.msd.spmode.ne.jp

最近、SF作家でとても有名らしいテッドチャンという人の短編を読んでいて、表層は科学的な面をもつけれど、SFの本質って昔から変わっていなくて(有名な本しか読んだことないけど)、やっぱり一種の哲学なんだなと感じました。たとえば、〈1=2を証明してしまい自ら数学という学問を滅ぼした天才数学者が自身のアイデンティティの喪失とどう向き合うか〉とか、設定からして面白い。もちろん、その設定を考えるのは大変なのだけど、別に知識があればいいというわけではない。なにか自分の抱いている疑問、人生で問題になっていることとか、なんでもいいと思うんですけど、それを問いをして面白い切り口で立てられたらいいのではないか…というようなことを考えています。
ミモカさんの今回の話に、そういうものがあったでしょうか。少なくとも私は、SF的な表層をどうにか紡いだ以上のことは感じられなかった。公募のこともありますでしょうから、ジャンルを先に選ぶのは致し方ないとは思います。私が訊きたいのは、なぜSFなのかという疑問です。

ルイ・ミモカ
i114-185-0-235.s42.a014.ap.plala.or.jp

>ブラッドベリ様ありがとうございます。

本来であれば、書き手である自分が楽しむよりも、読者を楽しませる内容のものを書かなければならないと自分では思っています。
でも、確かに、自分一人で楽しんでしまっているところはあるのかもしれません。
あるいは、うわべだけ綺麗なものを描いて、
「今、私はこんなに心が綺麗になったんだわ」と自分で満足しているところがあるのかもしれません。
本当は、もっと、どぎつい、刺激的なものを書いた方が、作品に読みごたえを与えられるかもしれないと思うのですが、
今の私は、薄くて刺激の弱いものを求めているのかもしれません。
世の中には、当たり障りのない、うわべだけの綺麗さに感動する人もいると思うのですが、
そういう人たちを喜ばせるような世界をも文章で描けるようになれたらいいなと、今、私は思っています。
でも、やっぱり、刺激を求めている人たちもいっぱいいるだろうから、
そういうものを求めている人がいることも忘れてはいけないんだと思います。
ただ、今の自分は心の清らかな人間になりたくて、
たとえば、修道院の生活みたいなものに憧れることもあります。
文章で、ただ倫理的に善いことばかり書いていたいような心持になることもあります。
しばらくの間は、そういう心境が続くのかもしれません。
でも、他人が作った作品については、刺激的なものを求めています。
その辺は、いろいろと複雑な要素がからんでいる精神状態にあるのかもしれません。

ルイ・ミモカ
i114-185-0-235.s42.a014.ap.plala.or.jp

>R様、感想ありがとうございます。

>私が訊きたいのは、なぜSFなのかという疑問です。

壮大なスケールに惹かれているのかもしれません。
でも、その根底にある哲学的なものも大事だと思います。
その哲学の部分については、今、自分は深いものを描けていないと思います。
どちらかというと、SFの世界で重要なテーマとなり得る科学力とか、人類が到達する高度な文明、
そういう圧倒的な何かに惹かれているところがあるのだと思います。
今回は、そういう風景を分かりやすく描いてみたい、という気持ちがまずあったと思います。
歴史を経ても変わらない人間の深奥にある普遍的な哲学というものは、
今回の作品で描き切れていなかったかもしれません。
自分がそれをSFという舞台で描くには、もっと勉強と鍛錬が必要だと感じています。

R
sp49-98-163-93.msd.spmode.ne.jp

すみません、上の方への返信を読んでいませんでした。いまはそういう段階なのですね。

ルイ・ミモカ
i114-185-0-235.s42.a014.ap.plala.or.jp

>R様

ありがとうございます。
自分を変えようとしている時ほど、作品を読んでくださった方の意見はとても参考になり、
そうか、今の自分は他の人からはそういう風に見えていたのか、という風に、自分を再度見つめなおすきっかけになります。

偏差値45
KD106154138093.au-net.ne.jp

カモワールド全開ですね。
自由奔放、傍若無人、唯我独尊、、、そんな感じでしょうか。

さて、感想です。
読みやすくて分かりやすい。
またストーリー性も確かにあります。
世界観も悪くはないです。
だが、しかし、、、、。

致命的につまらない。

先ずキャラクターが魅力的ではありません。
ストーリーが順風満帆過ぎる。
この作品において、何所に需要があるのか? 分からない。
とはいえ、習作なのだから別にかまわないのだけれども。

次回、面白い作品を期待しております。

ルイ・ミモカ
i114-185-0-235.s42.a014.ap.plala.or.jp

>偏差値45様感想ありがとうございます。

公募に向けて、そろそろ真剣に執筆に取り組もうと思っています。
今の時点でどれくらいのものが書けるのか、まだ自分でも分からないのですが、
偏差値45さんから指摘された点を参考にして、それを執筆に活かして行きたいと思います。
キャラクター、ストーリーに、もっと奥行きを持たせ、
出来るだけ話が面白くなるように書ければいいなと思っています。

椎名
KD027083171050.ppp-bb.dion.ne.jp

それなりに面白かったですが、逆に惹きつけられる要素もありませんでした。プロットをもう少し練った方がいいかなと思いました。

ルイ・ミモカ
i114-185-0-235.s42.a014.ap.plala.or.jp

>椎名様、感想ありがとうございます

それなりに面白かったということで、嬉しく思います。
惹きつける要素については、これからまたSFの知識などを身に着けて、
ストーリーに深みを与えて行ければと思います。
プロットについては、今回はそんなに意識していなくて、
思いついたままに書いて行った感があります。
でも、物語の内容が複雑になればなるほどプロットは大事だと思うので、
プロットは今後意識して行けるようになりたいと思います。

夜の雨
ai194019.d.west.v6connect.net

「ピーチの惑星」読みました。

前作の「SF恋愛小説」を読み、引き続いてこちらの作品を読んだということです。

SFよりもBL要素の多い作品になっています。
ということで「BL要素」を含んだSF作品を書きたいのだろうと思いました。
現状の御作は一人称で書かれていて、登場人物は「僕」と「瑛人」が中心で、ほかの人物は脇役でほとんど出演する機会がありません。
作品の流れからだと違和感なく読めました。
しかし一人称にしても「僕」には、名前を早い段階でつけて読み手にわかるようにしたほうがよいと思いますが。
もちろん名前をつけない「意味」があるのなら結構なのですが、その場合は伏線をちらつかせた方がよいですね。
御作の流れには違和感はありませんが、主人公の「僕」に名前がないのは違和感があります。

内容について。
導入部からBL要素が入っていて、そういった意味では読みにくさはありましたが、文章がなめらかで読みやすいのでそのあたりは特に問題はありませんでした。
すぐに場面が転換して、主人公の父親が部下を連れて「瑛人」を連行し、二人はわかればなれになりましたから。
それで「瑛人」がどこに監禁されたのかというと、主人公の自宅の地下ということでしたが、このあたりの設定がゆるいと思いましたが。
また執事の石黒も男に興味があるとは、かなり読み手を選ぶ作品だと思います。
逆にいうと、御作はBLが好きな読者には喜ばれる作品ではないかと。

「ピーチ星」に着いてからの設定も特に違和感はありませんが、それはSFの設定がうまくできているというのではなくて、「SFの設定部分が少ないBL要素中心の作品」という作りだからです。

御作の設定で面白い要素があるのは「ベートーベン」の「歓喜の歌」を主人公が「ピーチ星」と「地球」との文化交流にしょうと考えるところです。
これを設定の中心において、構成を考えればよいのではないかと思いましたが。

で、それをやるには「ピーチ星」と「地球」との異文化が、二つの星でどうなっているのかをエピソードで書く必要があると思います。
御作では主人公の「僕」からという「狭い視界」の中でしか物語が動いていません。
だから両方の世界の人類がどういった関係に置かれているのかが、読み手にはわからない。

物語を面白くするには、「対立」が必要です。

現状の御作では主人公の父親が対立しているだけにすぎません。
これでは、面白味がありません。
地球人が相手のピーチ星人をどう思っているのか?
ピーチ星人は地球人をどう思っているのか?
そこに対立を設定して構成的に面白い土台を作る。
ピーチ星人と地球人の対立、こういうのは、現在の地球での各国の対立を見れば一目瞭然です。
領土問題、人種問題、格差問題、そのほか、いろいろとあります。
また、お互いの関係において「利用すれば得をする」ということもあります。
例えば経済問題にからんだ貿易とか。
医学とか科学とかの総合利用、異星人同士の関係において、精神活動が有益に働くのかとか。
それらをSFとして、何を書けばよいのか。

そして、その対立を「文化交流で解決」する。
それが主人公の「僕」が行動する「ベートーベン」の「歓喜の歌」になると思います。

SF要素として考えることは、単純に異星人を出すだけではなくて、「SFでしか描けない世界を構築する」ことが必要だと思います。

上にいろいろと書かせていただきましたが、設定をあまり広げるとまとめるのが大変だしね。
そのあたりは一人称の設定だし、エピソードと説明をうまくからませてルイ・ミモカの世界を創ってください。


以上です。

ルイ・ミモカ
i114-185-0-235.s42.a014.ap.plala.or.jp

>夜の雨様、とても詳細な分析、ありがとうございます。

最近、BLが流行っていると思い、これからさらに流行るのではないかと予想して、
BL作家になりたいなと思っていたのですが、
私のBL小説を読んだ方の中にはBLそのものに抵抗感や疑問を感じる人もいて、
どうして男女の話じゃないのとか、これそのまま男女の話に置き換えられるよね、
みたいな感じのことを言われることもずありました。
それは、私が面白いBLを書く才能がないからかもしれないし、
あるいは妄想力が足りず、BL作品としても突き抜けているものを描けなかったからかもしれません。
それで、今後は、BL要素のないものを書いて行こうかなと考えている最中です。
かといって、男女の恋愛なら面白いものを書けるかと言ったら、
通りいっぺんのありきたりなものしか書けない状況なので、
そもそも人間というものを魅力的に描くところから勉強しなおさなければいけないなと痛感しております。

そういえば、自分の持ち味って何だろうなとふと最近考え直すこともあり、
もう一度原点に戻るべきなのではないかという気もしていて、
以前加茂の作品が面白いと言われていた頃にどういう書き方をしていたのかと考えたのですが、
その頃は、自分自身の孤独感、どうあがいても決して他者から理解されることのない圧倒的な疎外感のようなものを、
文学に救いを求めるような気持ちで正直に文章にしていたのかもしれません。
つまり、実存的な何かがその頃の自分の作品にはこめられていたのかもしれません。
逆に言えばその頃は周囲の世界というものが見えておらず、極めて自分本位な世界観にひたっていたと思うのですが、
周りが見えないなら見えないで、自分の内面に向かって徹底的に貫く頑固さのようなものがあり、それがある種の情熱、自分の持ち味になりえていたのかもしれません。
最近は、そういうものを一切排して、エンターテイメン的な要素を追求するようになったのですが、
私自身、そういう路線で書いていて充実感を得られているのかということは、再考するべき時に来ているのかもしれません。

夜の雨
ai194097.d.west.v6connect.net

再訪です。

>そういえば、自分の持ち味って何だろうなとふと最近考え直すこともあり、<

BL要素の多い作品にも関わらず、「SF恋愛小説」と続きの「ピーチの惑星」を読めたのは、文体が優れているからです。
読みやすいというレベルではなくて優れているレベルだと思いました。
読みやすい文体は相手に情報を端的に伝えることが出来る文体のことだと思います。
御作の場合はそれを越えたところにある「いごこちがよい」文体になっています。

タイトルの「ピーチの惑星」でいうところの「ピーチ」は「桃」なので丸くて、柔らかくて、甘くて瑞々しい、というイメージがあります。その「惑星」という話なので「癒し効果がある」。

>「ようこそ、ピーチ星へ。私は宇宙観光担当大臣です」
 と透き通る上品な声で僕を歓迎した。大臣は、青白く輝く光の布をまとい、楕円形の顔で、キリンのように首が長く、腕と足がパイプのように細かった。肌はやや明るめの水色で、紺色の髪を後ろで団子のように大きくふくらませて束ね、表情は穏やかで、目は開いているのか閉じているのかよく分からなかったが、口元には穏やかな微笑が浮かんでいた。<

この文章から何がイメージできるのかというと、映像的に面白そうなキャラクターです。ディズニー映画に出てきそうな個性かな。

ほかの文章を読んでも結構いごこちがよい。

そこにきてベートーベンの「歓喜の歌」を合唱という企画が出てきたりしますが、このあたりに芸術的な雰囲気があります。

現状の御作ではまだ出てきていませんが、カモさんの持ち味に「哲学」や「宗教」などもあります。

これらのことからイメージ出来るのは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」とかです。
御作の場合は現代的なカラーで物語が描かれていますので「銀河鉄道の夜」とは、もちろん違いますが。

「BL」については、私はまったく知りませんが、御作の内容からだと二つの惑星の異文化交流という意味愛にとらえましたので、これが映画やドラマになりテレビで茶の間に放送されても問題がないレベルだと思います。
わかりやすく言うとR18はテレビで茶の間に放送できませんが、今回の御作の内容だと問題はないと思います。過激な設定や部分がないので。

今回の「SF恋愛小説」と続きの「ピーチの惑星」は、文体が優れていたので、これだけの文章力があるのなら、ほかの作品も書けるだろうと思います。
ほかの作品と言ってもカモさんの持ち味のある作品です。
「哲学」や「宗教」「異文化交流」その底には人間ドラマがあると思うのですが、今回の作品は「筆致が優しいタッチで書かれている」ので、内容がわかりやすく、いごこちがよい。
これはカモさんが日ごろから、いろいろなことに興味を持ち勉強しているからだろうと思います。
三年ほど前にカモさんの作品を初めて読んだときと比べると雲泥の差というところでしょうか(笑)。

>カモさんの文学作品について<
>文学に救いを求めるような気持ちで正直に文章にしていたのかもしれません。<
あれは主人公の内面がよく描かれていました。
たしかにカモさんの持ち味であり深いところが感じられました。
勉強をしているといろいろな才能が開花するのではないかと思いますが。


ポジティブな気持ちとエネルギーが出てくる作品が書ける方になってきたのではありませんか。
読者層は10代ではないかと思います。
「硬派」な作品は向いていないと思いますが。


それでは、頑張ってください。

ルイ・ミモカ
i114-185-0-235.s42.a014.ap.plala.or.jp

>夜の雨様、再訪ありがとうございます。

>宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」

その作品に、私も興味を持ち、何度か読んでみたのですが、
表現が難解な感じがしてしまい、まだ最後まで読んだことがありません。
不思議に感じられる表現と出会った時、これはどういう意味なんだろう、と悩んでしまい、内容をちゃんと出来ないまま読み進めても、自分は本当に作品の内容を理解した上で楽しめる自信が得られず、いつも途中で挫折してしまいます。
やはり、これは人それぞれの感性の問題だから、ある文章を読んで、その意味がすうっと心に入って来る場合もあれば、どういう意味なのかよく分からないということも、あるかもしれません。
どちらかというと、どことなく不気味な感じが漂っているような印象を受けてしまい、幻想的ではあるのですが、怖い感じも受けてしまいます。
それは、分かりやすい怖さではなく、自分が理解出来ない怖さのような感じがして、読んだ後も何となくもやもやしたものが心に残ってしまいます。
これほどまでの名作について「この作品の面白さはどういうところにあるの?」と他人に聞くのも恥ずかしく、何度か自分で再度本をひもといたり、映像作品などにも目を通したりもしたのですが、どうも自分の感性に訴えかけるものがあまり感じられず、途中で他のことに目移りして最後まで読めないまま今日に至っています。
同じようなことは「吾輩は猫である」でも経験していて、私は「こころ」は面白く読めたのですが、「吾輩は猫である」はどういうわけかあまり楽しむこと出来なくて、これも途中で挫折してしまいました。たぶん、自分の持っている猫のイメージとあの作品の猫の言動が、どうも一致しないために、違和感を覚えてしまうからかもしれません。私の世界観からすると、猫はたぶんあんな風には考えていないんじゃないかという気がしてしまうのです。私が思うに、たぶん、猫という生き物はほとんど餌のことしか考えていなくて、あの小説の猫のような洞察力を持って人間を観察しているわけではないという気がして、それでどうもあの作品の世界に没頭できないのかもしれません。
だから、名作として人気のある作品でも、どうしてもその良さがまだよく分からない作品があったりして、それが自分にとっては劣等感になっているところがあります。他の人たちは理解出来ているのに、どうして自分には理解出来ないのだろうと。
でも、そういうことは珍しくなくて、たとえば私は春樹の作品は本当に大好きなのですが、人によっては違う感じ方をする人もいるかもしれないし、感じ方は本当に人それぞれなんだなと思います。
それは、音楽にしても料理にしても人それぞれ好き嫌いがあるのと同じで、
甘い物が好きな人もいれば辛い物が好きな人もいて、
その感覚は本人にしか分からないものなのだから、嗜好が他人と違っているとしてもあまり気にしなくてもいいのかなと最近は開き直っています。

夜の雨
ai199123.d.west.v6connect.net

有名な小説や作家などは、文芸評論家や小説家による「解説本」がよくあります。
それらを読むと内容を深めることが出来、理解できなかった部分もわかります。
宮沢賢治は超有名な小説家なので、かなりあるのではないでしょうか。

たとえば「清水正」でネット検索すれば大量にあります。
ウィキペディアによると清水正(文芸評論家)はドストエフスキーと宮沢賢治の著書をかなり出しています。
あとはネットで購入してもよいし図書館利用で読んでもよいと思いますが。

ルイ・ミモカ
i114-185-0-235.s42.a014.ap.plala.or.jp

>夜の雨様、ありがとうございます。

自分としてはあまり他人の意見に頼らず、なるべく自力で読解したいという気持ちがあったのですが、
何度読んでもどうしても理解できない部分がある場合は、そういう、解説本を参考にしてみるのもいいかもしれませんね。
以前、サリンジャーの「バナナフィッシュにうってつけの日」も、
最初読んだ時は、内容があまりよく理解できませんでしたが、
他の人の解説を読んでみて、そういう意味だったのかと納得できた経験があります。
銀河鉄道の夜は、いろんな人に愛されているから、きっと感動的なことが書かれていると思うので、
自分もその内容の素晴らしさが理解出来るようになれたらいいなと思います。

ルイ・ミモカ
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公募に応募することを予定している作品の方は、BL要素を含まないストーリーで、
科学技術やロボットなどを中心にしたテーマのものを書こうかなと考えております。

ルイ・ミモカ
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>夜の雨様へ。

>読みやすいというレベルではなくて優れているレベルだと思いました。
>内容がわかりやすく、いごこちがよい。

と、プラス志向になれるコメントをいただき、どうもありがとうございました。
それを励みに、自分の目標めざして、頑張りたいと思います。

銀河鉄道の夜
flh3-220-144-110-34.tky.mesh.ad.jp

銀河鉄道の夜。こんなのはどうでしょう?

電車の中で居眠りをしている人は、夢とうつつの間の状態であり、眉を八の字にして、苦しそうな顔して、コックリ、コックリしてる。女の人だった。OLらしいが、英会話のテキストを持っている。きっと、海外旅行へ行くためだろう。となりには、50才くらいの、会社の中堅、(か、重役かは知らない)の、おじさんが座っている。とてもやさしそうな感じ。また、おじさんは、この不安定な状態をほほえましく思っている様子。彼女は、きっと今年、短大を卒業して就職したばかりなのだろう。まだ学生気分が、抜けきらない。おじさんは、きっと、東京から大阪の支社へ単身赴任してきてまだ日が浅い。(ということにしてしまおう)でないと物語が面白くならない。とうとう、彼女は、おじさんに身をまかせてしまった形になった。彼女の筋緊張は完全になくなって、だらしなくなってしまった。口をだらしなく開け、諸臓器の括約筋はゆるんだ状態である。脚もちょっと開いている。(とてもエロティック)おじさんは、いやがるようでもなく、かといって少しも、いやらしい感じはない。(ゆえに、この不徳はゆるされるのダ。)おじさんには、東京の郊外に家もあり、妻子もいる。子供は娘が一人で、東京の短大に通っている。(ということにしないと話がおもしろくない。)だから彼女は、おじさんの一人娘と同じくらいの年令なのである。この電車は、次の駅(A駅)で降りる人が多い。彼女も、そこで降りる人かもしれない。それで、おじさんは、彼女を少しゆすった。
「もし、おじょうさん」
彼女は、よほど、深いねむりに入ってしまったらしく、数回ゆすった後に、やっと目をさまし、首をおこした。彼女はまだポカンとした表情で、半開きの口のまま、ねむそうな目をおじさんに向けた。おじさんが微笑して、
「だいじょうぶですか。次、A駅ですよ」
と言うと、彼女は、やっと現実に気づいて、真っ赤になった。おじさんのやさしそうな顔は、彼女をよけい苦しめた。彼女はうつむいて、
「あ、ありがとうございます」
と小声で言った。彼女は、ヒザをピッタリとじて、英会話のテキストをギュッと握った。彼女は、まるで裸を見られたかのように、真っ赤になっている。おじさんは、やさしさが人を苦しめると知っていて、彼女に、ごく自然な質問をした。
「英会話ですか?」
彼女は、再び顔を真っ赤にして、
「ええ」
と小声で答えた。
「海外旅行ですか?」
つい、おじさんの口からコトバが出てしまう。彼女はまた小声で
「ええ」
と答えた。
「ハワイでしょう」
「ええ」
この会話は、おじさんの自由意志、というより、ライプニッツの予定調和だった。
この時、彼女の心に微妙な変化が起こった。
きわめて、自然な、そして、不埒ないたずらである。
彼女は早鐘をうつ心とうらはらに、きわめて自然にみえるよう巧妙に、コックリ、コックリと、居眠りをする人を演じてみた。
そして、とうとう、おじさんの肩に頭をのせた。
おじさんは、少しもふるいはらおうとしない。安心感が彼女をますます、不埒な行為へいざなった。
彼女は頭の重さを少しずつ、おじさんの肩にのせて、さいごは全部のせてしまった。
そして、おじさんにべったりくっついた。
でもおじさんは、ふりはらおうとしない。
彼女は生まれてはじめての最高の心のなごみを感じた。
(こんな、やさしい、おじさんと、ずーとこーしていられたら・・・)
いくつかの駅を電車は通過した。
そのたびに人々のおりる足音がきこえた。
しかしその足音もだんだん少なくなっていった。
彼女は目をあけなかった。
でももう車内には二人のほか誰もいないことは、わかった。
電車はいつしか、地上の線路から浮上し、暗い夜空へ、さらにもっと遠くの銀河へと向かって行った。
そして、そのまま、二人をのせた電車は、星になった。
二人は現実世界では、行方不明ということになった。
だが、ゆくえは、ちゃんと誰の目にも、見えるところにある。
夏の夜に、よく晴れた夜空を注意してよく見て御覧なさい。
多くの星の中に小さな、やさしそうな光をはなってる星が、見えることでしょう。

ルイ・ミモカ
i114-185-0-235.s42.a014.ap.plala.or.jp

>銀河鉄道の夜様

読みやすい文章だと思いました。
内容は大人っぽい感じがしました。

宮沢賢治作の銀河鉄道の夜を、今度機会があったら読んでみたいと思います。

中野太郎
M014009196000.v4.enabler.ne.jp

よおごはんにビリギャル二号
聖書全部
日本文学村上春樹、太宰治、世界文学ドストエフスキー
全部(主な代表作を読んでる)
クーンツエンタメリスト全部
で何が売れる文学かわかる
あと推敲30回しなさい。
そうすれば公募一次予選には通過できる

中野太郎
M014009196000.v4.enabler.ne.jp

まずな
いわゆる紋切り調深みがないいわゆるエンタメを書きたい場合
クーンツエンタメリストの作品を七割は読む
世界文学日本文学でできれば作家の作品全部
例えばドストエフスキー全作品、大ざいおさむ全作品、村上春樹全作品

偏差値60くらいの教養が必要
おまえの教養は偏差値40レベルそれではダメだ。

ルイ・ミモカ
i114-185-0-235.s42.a014.ap.plala.or.jp

>中野太郎様、感想ありがとうございます。

いろいろな本を読んで、教養を深めて行きたいと思います。

ぷーでる
pl49097.ag2525.nttpc.ne.jp

うーん、これは、好みが別れるかな?
私は、ついていけない感じ。
読みやすかったとのコメントもあるので、悪いとも言えないのかも。

ルイ・ミモカ
i114-185-0-235.s42.a014.ap.plala.or.jp

>ぷーでる様、感想ありがとうございます。

出来るだけ多くの人に楽しんでもらえる作風で書ければいいなと思うのですが、
感じ方は人それぞれなんだろうなと思います。
自分で楽しんで書いて、その上で、その作風とフィーリングが合った人に楽しんでもらえればいいかなと思います。

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