作家でごはん!鍛練場
タリオ

星空デート(仮)

 都会は光が眩しくて、星が見えないの。

 正直そういうのは興味がないし、政令指定都市ではあるがこの街がそもそも都会なのかという疑問もあった。
 でも表情に出してはいけない。
 理央が唐突に口にしたこれはおそらく、たぶん、デートの誘いに違いないからだ。
「ふぅん?」
 期待にそわそわしているのを悟られないよう、そして拒絶の雰囲気を間違っても滲ませないよう、最大限注意して答えたつもりだった。しかし思いのほか気の抜けた声になって、俺は慌てて言葉を重ねる。
「星とか好きなんだ?」
「うーん、ふつうくらい」
 おそろしいほど意味も意思も感じられない、理央の返事。
 俺は今、試されているんだろうか。たぶん。きっと。
「じゃさ今度、星、見に行こうか」



 第一志望だった難関の男子校には落ちた。
 その時こそ落胆したものの、共学に入学したら、正解だったと知った。
 女子というものは、中学卒業から高校入学までのほんのわずかの間に、いったい何を経験するんだろう。笑いさざめきながら校内を闊歩する彼女達――女子高生達――は、もぞもぞ蠢くようだった女子中学生とは、別の生き物に見えた。地元の学校だから、土地柄のせいでもない。純粋に魔法のように、突如キラキラと輝きはじめる。
 なぜか話しやすいセイジにそう言ってみたところ、ものすごく嫌な顔をされた。
「シュンって見かけによらずジジくさいな」
 でも俺は、そんな輝かしい女子高生であるクラスメイトに、無節操に焦がれているわけではないしましてや劣情たけなわなんてことは、全然ない。
 目とか魂とかの保養には、ならないと言ったら嘘になるが。
「その発想まじで老害レベルだからやめたほうがいいぞ」
 しかし理央は、違う。
 校則通りに崩さず着ている制服に、髪はいつもこなれ感(というらしい)なくきっちりひとつに纏められている。輝いているのは眼鏡と、傷みのイの字もない黒髪のキューティクル、たぶん何も塗っていないのに誰よりも整った肌。それでいて、多くの女子高生のビフォアとも一線を画している。理央はきっと、生まれた時から棺桶に入る時まで、本物の輝きの常にピークなのだ。はっきりいって、有象無象のキラキラ女子とはものが違う。
「あー……そう。へえ。俺わかんねえわ。ま、シュンみたいなデキル系イケメンは俺と見てる世界が違うんだろ。とにかくがんばれや」
 そういうセイジは、顔面偏差値は平均点といったところだが、頭が良くて洒落ててダンスをやっているせいかモテないこともないらしく、また据え膳食わぬは云々が座右の銘でもあり、つまり童貞ではないそうだ。
 そして俺が童貞だとも思っていないようだ。
 どうでもいいけどさ。
 いいけど、デートに星を見るのは最高だとセイジに太鼓判を押してもらってちょっと安心したのも事実だったりする。

 何気ない風を装っては理央と会話の機会を作り、俺は星空旅行(仮)の計画を詰めていった。
 誘ってるぜーと周囲に思われるのが嫌で、事務的な連絡を速やかに済ませるような妙な会話ばかりだったが、俺は楽しかった。
 どうやら理央の頭には、外泊という概念はないようだ。セイジが推してきた、山奥のコテージで満点の星案は早々と却下。
 建物の少ない、人の少ない、日帰りできる距離。旅行というほどでもない、星空デート(仮)といったところか。
 いろんなウェブサイトであたりをつけ、グーグルアースで様子を窺い、考えすぎて最終的にはなげやりになり。
 最寄駅から私鉄で小一時間下った田舎にした。駅からの徒歩圏内に大きな河が流れているのが決め手になった。星を見るといったら、山でなければ河辺だろう。
 柔らかい草に並んで寝そべって、夜空を見上げながら語り合う。あるいは、星々に想いを馳せながら黙って時間を共有するのでもいい。
 そのあとはもちろん、なりゆきまかせだ。
 そんな夏の夜。
 完璧だ。



 計画に夢中だった時期がちょうど梅雨だったから、雨が降ったらどうしようと心配しすぎたが、幸い当日は晴天に恵まれた。
 むしろ良すぎた。そろそろ日が沈む時間なのに、真夏日の昼間の熱気はまだ堂々と居座っていて、背中を汗のしずくが滑り落ちていく。制汗剤は本当に効いているんだろうか。
 夏休みに入って、街の人々の平均年齢はぐっと下がっている。
 待ち合わせ場所にした駅の券売機横に佇んで人波を眺めていると、制服でなくとも、女子中学生と女子高生を正確に判断できている自信がやはりある。
 自分の眼に感心していると、ひときわキラキラした後ろ姿が目についた。
 派手なエメラルドグリーンのワンピースが、いやでも目に飛び込んでくる。洋服なのか下着なのかジャッジが難しい、肩が細い紐になっているキャミワンピというやつだろうか、生地は薄っぺらく、微風でも吹こうものならパンツ丸見えだろう丈。脚は確かに奇麗で見せびらかしたいのかもしれないが、いくらなんでも短かすぎる。事実、通りすがる男の三人に一人はいやらしい視線を投げていく。
 キラキラどころかギラついてる、あれはキャバ嬢の類。
 思った瞬間、該当者が振り返った。
 俺と視線がぶつかると目を細めて小首を傾げてから、てらてら光る唇で笑いかけてきた。
「シュンくん? おまたせー」
 眼鏡をしていないが、見たことのないメイクをしているが、それは理央だった。

 俺はまず、怒った。
 裏切られた。
 この異常な理央に向かって、いつもの理央を返せと怒鳴りたくなる。
 いや違う。学校での清楚な姿こそ見せかけに過ぎなかったのか。そうだよ、AVだって、清楚系女子が3Pで連続潮吹きとかおいおいどこが清楚やねんって突っ込みつつ清楚であるという前提があるからイケるんであって、いや違う。何を考えてるんだ俺は。じゃなくて、化けの皮の剥がれた理央がハイレベルなビッチ風だった悲報へのやりきれなさ、まやかしにすっかり騙されていた自分への怒り。
 怒りのあまり言葉を発することもできず、帰るという選択肢の存在すら忘れ、俺は黙ったままさっさと私鉄のホームに入る。
 背後から「え、ちょっと待ってー」と焦った声が追ってきたが、窺うにSuicaではなく切符を購入しているらしい。今時。
 振り向くと、理央は本当に古風な切符でようやく改札を抜けたところだった。その時ホームに電車が入ってきて、案の定、薄っぺらいスカートが捲れ上がった。俺は目を見開く。
 ブルマ的なものを履いてやがる。
 期待など。期待などしていなかった全然。
 ただ、困惑が頭をもたげた。ブルマ的なものは、今日の理央よりいつもの理央に、そぐうものだったから。
 電車に乗り込んで椅子に座ると、追いついた理央もおずおずと隣に腰を掛けた。
「あの……」
 気を遣っているような声色で話しかけてきた。
 答えずにいるとちょうど理央のスマホが鳴る。気まずさからだろう、理央はそのまま俯いてLINEだかに集中しはじめた。
 正面に座っている男も、席を求めて歩き過ぎて行く男も、みんな理央を見る。大きく開いた胸の谷間や、座っているとむちむちした肉感が際立つ太ももを、舐めるように見る。本当に脳内で舐め回しているのか舌を覗かせたやつもいた。
 やめろ。見るな。理央はおまえらの玩具じゃない。俺の理央を犯すな。
 俺が上着でも羽織っていれば、胸なり脚なり隠すために貸すことも出来たのに、この陽気が恨めしい。
 そう考えた時、もう俺の混乱は頂点に達した。
 俺の理央って? この異常な理央が? 清楚系AV女優もどきがか?
 いや、違うんだ。この理央はそう――異常なんだ。ふだん学校で見せていた姿が、正常な理央なんだ。じゃあなんで今日は異常なんだろう。きっと、俺とのデートだからと気合いを入れて……気合を入れすぎた。デートのために慣れない服装にチャレンジするなんてけなげじゃないか。デートのために新調したなら超けなげじゃないか。センスがなかったのは残念だけども。いやしかし、男と出掛けるからこの露出度というのは、つまりそういう思考回路なわけで。
 本当のところ、理央は清楚なのかあばずれなのか。
 分からない。
 ならどうする。
 どっちですかー? と本人に尋ねるのも間抜けすぎるし、真実あざとい女なら俺の様子からもろもろ察して、清楚が本物ですー! と答えるだろう。
 清楚ですと言われても信じられず今まで通り理央を想えない、エロですと言うならば俺は自分の過ちを認めて縁を切るまで。どちらにしても理央とうまくいかなくなる。それは避けたい。
 え、なんか袋小路に嵌ってる感。
 ならどうする。
 方向を変えよう。
 理央がどうかじゃない。俺がどうかだ。どういうタイプの理央であれ、求めてきた時に、俺がどう感じてどう反応するか。それがすべて。
 つまり、なりゆきまかせ。

 ふたりの間に会話はなく、理央はスマホをいじり続け俺はひとり悶々としたまま、小一時間が過ぎて電車は目的地に辿り着いた。



 そんな風だったから、下車する時まで気付かなかった。
 意外と人が多い……?
 帰路と思しき人々がぞろぞろとホームを歩き、改札を抜けていく。
 いぶかしみながら駅前に出て駅舎を振り返ると、ガラスと煉瓦を併用したこじゃれたデザイン。ロータリーには不動産やと居酒屋、学習塾にコンビニ、まさかのスタバがある。スタバの店内は、ぱっと見て諦めようと思う程度に混雑している。
 いわゆるただのちょっと小さめベッドタウン。風情のかけらも見当たらない。
 こんなはずではなかった。
 俺が調査から得たイメージは、無人駅とはいわないまでも利用者はほんの数人、駅前も閑散として、せいぜいの駐輪場のほかは野っぱら――というものだった。シアトル系など聞いていない。
(※ずっとあとで再調査したところ、ここ数年で一気に再開発されたとのこと。グーグルアースは古かった)
 そのうえここにきて、にわかに天気が怪しくなり始めた。陽は落ちて藍色から黒色に移りゆく空に、もくもくと雲が生まれている。
 なんかそういう感じかと察し始めていたから、河に到着した時も、愕然とはしなかった。
 やっぱりね、と思った。厄日とかなんかかな、と思った。
 並んで寝そべる柔らかい草なんぞありゃしない。かなり立派な堤防はコンクリートで覆われ、河川敷には、枯れたススキかなんかが生い茂っていて寝転んだらさぞ痛かろう。コンビニ弁当の容器や空き缶など、ロマンチックを削ぎ落とすアイテムもぬかりなく散乱している。
 俺は、なかば自棄になかば呆然と、コンクリートの階段をゆっくり降りていく。その中ほどになんとなく腰を下ろした。ひどく疲れていた。
 こんなはずではなかった。
 なにが星空デート(仮)だ。ちゃんちゃらおかしいってこういう時使うんだな。
 黙ってついてきていた理央も並んで座る。階段の横幅は狭く、ふたりが座ると身体が触れそうだ。
 ちらっと見るとブルマ的なものが覗いていた。さりげなくスカートの裾を引っ張って直していた理央は、俺の視線には気付いていないようだった。
 理央は、おもむろにバッグからマグボトルを取り出す。さらに、いくつか重なった紙コップ。
 紙コップにボトルの中身を注ぎ差し出してくる。オレンジジュースっぽい。断るのも億劫で、実際喉も乾いていたし、黙って受け取り飲んだ。
 甘い。
「……うま。これどこの?」
「おばあちゃんちの」
 メーカーを尋ねたつもりだったのに、予想外の答えがきた。
「愛媛のおばあちゃんち、みかん作ってて、ジュースの自家製のいつも送ってくれるから」
「そうなんだ」
 高校生の男女が、夜のはじまりに、堤防の階段に座っている。その場面の飲み物に、俺だったら何を選ぶだろう。アクエリとかそういう自販で買うやつか、ちょっと背伸びして缶ビールくらいあるかもしれない。しかし持参の紙コップで自家製みかんジュースというのは、なかなか思いつかない。
 なんだか可笑しくなってきて、俺は今日たぶん初めて笑った。
 隣で理央が、明らかにほっとした溜息をついた。自分のコップにもみかんジュースを注ぎ、ちびちびと啜りはじめる。
「なんか、やっぱり私とふたりじゃあんまり話弾まないよね。ごめんね、私不機嫌じゃないのに不機嫌なのってよく言われるし、あんまり会話のキャッチボールみたいなの苦手で」
「うーん……なんかそういう問題でもないんだけどさ」
 話し方はやっぱり教室にいる理央と同じで、見た目とのギャップがあり、俺はまた混乱を始める。
 やはり直接訊くべきなんだろうか。どっちが本当の理央なのか。
「あっ」
「えっなに」
「星、見に来たんだもんね! うっかり忘れてた」
 言いながら眼鏡を取り出していそいそと掛け、理央は空を見上げる。やたらメイクが濃いけれど、眼鏡をかけるとふだんの顔にずいぶん近くなった。
 理央はきょろきょろと空を見廻している。
「…………」
「さっきから曇ってきてたけど、気付いてなかったの」
「うん……。星見えないね。今日、残念だね、いろいろ」
 理央が眼鏡を外そうとするのを、思わず手首を掴んで止めてしまった。
「外さないで。……っていうか、えっとコンタクトなのかと思ったけど見えてないんだ?」
「コンタクト持ってないもん」
「じゃあいいじゃん、眼鏡してれば」
「……だって、ださいかなって思って」
「別にいいよ。あとついでに言うと、今まつげがずれた」
 暗がりにも、理央の顔がぱっと赤くなるのが分かった。鏡を取り出し小さい声で「いて」と言いながら、ずれてしまったつけまつげを外している。
 そして、指でつまんだそれをちょっとの間しげしげと眺めてから、大きく振りかぶって河の方向に投げた。黒々としたつけまつげは闇に紛れて、どこに飛んでいったのかは分からなかった。
「もう。なんでみんなこんなの普通につけてられるんだろ。すごい邪魔だし剥がす時痛いし、ぜんぜんわかんない」
「俺もぜんぜんわかんない」
「あのね……あのね、シュンくんだから訊くけど。私ってこういうの似合わないかな」
「男だからそういうのよくわかんないよ。でも正直、理央はまつげつける必要ない……と思うけどな」
「まつげだけじゃなくて。お化粧して、こういう、ワンピースとか」
「いやだから、男的には謎な世界だし」
 理央はしばらく考えを巡らす表情をしてから、うんうんと頷いた。
「なるほどー。悟った。似合うんだったら、似合うよって言うの、たぶん。だから似合ってないってことだよね。あ、別に怒ってるとか似合うって言えって言ってるんじゃないよ。ただなるほどーって感じがする。愛菜ちゃんの時そうだったもん」
「愛菜って、橋本愛菜のことか」
 クラスでもひときわキラキラしてる女子だ。自称据え膳派のセイジがあのヤリマンはちょっと無理と言っていて、意外に感じたことがある。
「入学してわりとすぐの頃にね、クラスの何人かで出掛けたの」
「へえ。知らなかった」
「なんかシュンくんって寡黙なイメージあって、はじめはそういう誘いとかあんまりしにくかったんじゃないかな。池袋のプラネタリウムに行ったんだけど、愛菜ちゃん、すごい可愛いワンピース着てて、お化粧もちゃんとしてて髪もくるくるふわふわしてた。それでセイジくん似合うねー、って言ってて」
「セイジ? あいつそういうのわりとポンポン口から出るタイプだしな」
「でもね、いちお私も、オシャレしていったつもりだったんだ。でもメイクもしてなくてスニーカーとかだったし、愛菜ちゃんに比べたら全然みたいな感じだったんだと思う。セイジくんになんも言われなかったよ。それでね、その日みんなが気付いたらセイジくんと愛菜ちゃんはぐれてて、あとで愛菜ちゃんに聞いたらそういうんだったって」
「そういう?」
「えっとだから、ふたりで……そういうとこ行ってたって。んー、愛菜ちゃんそういうの進んでるから。結局一回だけで付き合ったりとかはしてないって言ってたけど、そういうとこもなんか愛菜ちゃんぽいよね。私、なんだろ、羨ましいってわけじゃないけど、でもなんだか悔しいみたいのもあるのかなあ。我ながら醜いなあ。あっ、絶対セイジくんに言わないでね。絶対」
 話が思わぬほうに展開して、俺はついていけなくなっていた。
 みんなで出掛けたのは分かった。愛菜がめかしてこんでたのも、セイジと愛菜が一発だけやったらしいのも分かった。
 で、だから? えっと?
「つまり……そういう派手な服装でデート行ったら、即ヤレるもんだと思ったわけ?」
 結局それかよ?
 俺は男としてずれてるのかもしれない。でも、そのへんの女子とは違うと思って慕っていた理央が、ヤル気満々で来たのだとしたら、全然嬉しくない。どんなにつべこべ屁理屈をこねてもそれじゃあヤリマンと変わらない。
 俺はだって、一緒に星を見ようって誘ったんだ。
 駅で理央を見た時と同様の怒りが、ふつふつと込み上げてきた。
 それを理央が無邪気に笑って――斬る。
「えー? 何言ってるの、違うよー、だって三人で出掛けるはずだったのにそんなこと考えてないもん。私ただ、なんていうのかな、セイジくんに似合うよって言ってもらいたくてがんばっちゃったんだと思う。それだけ。ふふ、変なのー、ねえほんとセイジくんに言わないでね?」

 バラバラと、驟雨。



 突然降り出した雨に、俺達はとりあえず遠くに見える鉄橋を目指して走り、橋の下に転がりこんだ。
 理央はタオルで髪を拭いているが、ほとんど無駄な行為に見える。気遣う余裕が、俺にはない。俺の反応がおかしいことに理央も薄々勘付いているが、どうしたものか分からないようだ。
 俺は、足を投げ出して座り込んだ。コンクリートの柱に背を預け、無意識のうちに空を仰ぐ姿勢になっていた。そのまま動きたくなかった。
 デートですら、なかった。
 俺はなにをやっているんだろう。
 あいつはなにを考えているんだろう。
 確かに、変に照れてしまい、事細かには理央と話さなかった。はじめは希望や都合を聞いたりもしたが、最終的な段階では、日付と時間と目的地を伝えるくらいで済ませてしまった。
 セイジには、今回の件をちょいちょい相談していたが。
「さっき、電車乗る時、LINE来たけど……セイジくんおなか壊しちゃって、今日来れないって。シュンくんには送ってなかったんだ」
 それ以前に、セイジが来ることになっていたなんて、全然聞いていないのだ。
 なんなんだろう。
 理央は、俺とだけではなくセイジも一緒に星を見るのだと思って来た。
 セイジに褒められたくて無理なオシャレをしてきた。
 あんなに甘いみかんジュースだって、セイジに飲ませたかったんだろう。
 セイジが何を考えているのか分からないが、お膳立てしたのはあいつだ。
 この茶番を。
 電車が鉄橋に差し掛かった。轟音が降ってきて、数秒間、そして去る。

「ふざけんな!!!」

 噴き出した俺の怒りに、理央がびくっと身体を震わせタオルを取り落した。
「えっ……ごめん……どうしたの」
「どいつもこいつも俺を虚仮にしやがって。ふざけんなってんだよまじで。そうやって……そうやって、俺を馬鹿にして……して、楽しいのかよ。馬鹿にすんな。よ。ほんと……」
 俺は膝を寄せて顔をうずめる。涙を見られるのは恥ずかしかった。
「……ふざけやがって……」
「えっと……あの、私にLINEしたらシュンくんにも伝わるからって思ってきっと私だけに送ったんだよ。仲間はずれとかじゃなくて」
「うるさい」
「シュンくん。なんでそんなに怒るの」
「怒るだろふつう! セイジが来るとか知らねえよ! 俺はデートだと思ってたのに! それが……それを……」
 自分でも面白くなるくらい、涙がとめどなく溢れてくる。積もり積もった苛立ちが涙になって押し寄せてきて、そして、理央がセイジを好きだったという新事実が決定打になって決壊した。止められない。こんなに泣くのは小学校低学年の時以来かもしれない。
 新事実だなー。はは。笑けてくる。
 顔を隠しても、嗚咽が漏れる。理央は黙って、今は俺の肩をさすっている。どんな顔してるいるんだろう。呆れてるのか、嘲笑ってるのか。
 いや、違う。
 理央がそんな顔をしているはずがない。
「理央さあ……セイジのこと好きだった? 前から?」
「うん。そうだよ」
「俺、全然知らなかったんだけど」
「誰にも言ってないもん。セイジくんに私とか、釣り合わないもん」
「でもセイジとヤリたい?」
「……ばか。女子にそういうこと言わないの」
「でもだからそういう服とか着てきたんだろ? そんでさ、愛菜みたく一発ヤッて満足みたいな、そういうので良かったわけ? そういうのをばかって言うんじゃね?」
 理央の手がペシッと肩を叩く。
「そーいう言い方ってシュンくんらしくないと思うよー。今はすごい泣いてるから仕方ない、ゆるしてあげる。でも二度と言わないでね」
 少しピリっとした声色に、俺はごめんと謝った。
 声が小さすぎて理央の耳に届いたか分からないが、肩に置かれた手はまた優しくさすり始めた。
「なんかね、私は愛菜ちゃんみたいにはやっぱりなれないんだと思う……分かってるの。だってほんと、そんななんかそういうの、考えられないもん。セイジくんとなんかそういうのって、ないなー。世界が違う感じがするの。だからほんと、その服似合ってるねとかそんな子供っぽいレベルなのね。だから、私けっこう変な格好してきたかもだけど、そこは誤解しないで欲しいな」
「わかった。しない」
「そういう子も、いるけど。でも全員じゃないでしょう。シュンくんだって、別に私がミニスカート履いてるからって即どうこう……って考えるわけじゃないんだし」
 答えずにいた。
「あー。でも……あのね」
 肩から理央の手が離れ、沈黙が降りた。
 また、頭上を電車が通り過ぎていく。
 静寂が戻って、沈黙が続き、俺はおそるおそる顔を上げた。
 理央が俺の隣で、俺と同じ姿勢で、膝に顔をうずめ肩を震わせていた。
「高校生になるとそういうもんなんだねみたいに、思ってた、けど。思うようにしてたけど。愛菜ちゃんとセイジくんのこと、私やっぱりすごい……すごいショックだったんだ。だけど、へーそうなんだーみたいにみんなで話してる時は、そういう風にしてたけど。でもほんとはすごく悲しくって。やっぱり泣いちゃうなあ。泣いちゃうよね。セイジくんに言わないでね」
 俺は理央の肩に手を置く。
 さっきやってもらったみたいに、さすってみる。
 でも、理央の肩に俺の手は大きすぎて。
 肩に腕を回して強く引き寄せた。
 そのまましばらく、ふたりで泣いていた。

 雨が止む。
 帰ろうかとなった時には、雲間に星が見え隠れするくらいだった。駅に向かって歩く間に、みるみる雲が流れていって、満天とはいかないながらじゅうぶんきれいな星空になった。俺たちは手をつないで歩いた。
「地元より、たくさん見えてる?」
「どうかなあ。街灯あるし、山の中みたいに真っ暗ってわけじゃないから……でも、きれいだよ。晴れてよかったね」
 確かに雨が洗ったばかりの夜空を舞台に、星はいつもより輝いているように、見えると言われれば見える気もする。
「ねえ、見て。あれがベガね」
 指した指を左に下ろして
「あれがデネブで」
 右へ行って
「アルタイル。夏の大三角」
「うん。分かる」
 星座に疎い俺でもはっきり分かるほど、みっつの星は強く瞬いている。
「あのね、みんなでプラネタリウムに行ったって言ったじゃない。その時にね、セイジくんが、都会は光が眩しくて星が見えないんだ、って言ってて」
 それは、俺が理央をデートに誘おうと決意したきっかけの言葉だ。セイジ発だったとは、なかなかに忌々しい。
「へーそうですか」
「でも、地球からは見えにくい星でも、その星の近くからだったらピカピカ見えるんじゃない? って答えたら、セイジくんすごいびっくりした顔してたな。変かなー。愛菜ちゃんにはめっちゃ笑われたし」
「……変じゃない、と思う。直感的に」
 理央はなぜか、手を握る力をキュっと強めてにっこり笑う。
 雨でアイシャドウやアイラインが流れて大変なことになっていた。それは初めて見る理央の顔であり、いつもの理央の顔でもあった。
 メイクが落ちているのを電車に乗る前に指摘しなかったことは、あとで怒られるかもしれないが、でももうちょっとの間見ていたかった。



「シュンも理央も、ほんとガキなのな」
 夏休みが明けて学期が始まり、会うなりの第一声が「ヤッったか?」だったセイジを俺が殴り、セイジが殴り返してきて、五分程度の殴り合いの後、医務室を経て反省のため閉じ込められた指導室でふたりきりになると、セイジがそう言った。
「ガキでも猿よりかマシだろ」
「猿って俺のことかい」
「おまえとか愛菜とかのことな」
 あー、と頬の絆創膏をさすりながらセイジが呻く。
「橋本愛菜が俺とヤッったって大嘘ついてるらしいな。まじありえねえんだけど。勘弁してくれよ」
 意外な発言に、俺はまじまじとセイジを見返した。向かい合って、同時に頷く。女ってわからんなの意。
 俺には、セイジのことも実際はよくわからんが。
 愛菜の話が捏造であることを理央に伝えるべきかどうか、俺は良く考えなくてはいけない。
「ガキっていうのはさ、だからヤルのヤラないのってそれに足元を掬われてることなの。そんなとこでうろついてるから童貞なんだよ。見るとこ見てないし全然解ってない。俺はまあそのへん気分なんで。そこ恋愛とはまた違うって理解してるんで」
 童貞ばれていたのか。
「どうだか。でもじゃあ少なくとも理央はガキじゃない。もちろん猿でもない。理央は自分の気持ちを、ちゃんと解ってる」
「ほぅ? いちおう突っ込んだ話はしたみたいだな。突っ込んだってそっちの意味じゃないぞ」
「うるせえよ」
「いいと思うぜー。がんばれや」
「うるせえって。ていうかセイジ、なんであの日一緒に行くなんて嘘を理央に言ったんだよ。だから話がすげえややこしくなったんじゃないか」
「わたくしはキューピッドになろうと思いました。」
「はああ?」
「いやあ真面目に、おまえらお似合いだと思うぞ? 俺のつけいる隙なんか全然見えないね。だから本気で突っ込め! おらおら!」
 ふざけて煽るセイジの相手を続けるのが馬鹿馬鹿しくなって、会話終了の意志を込めつつ、俺は席を立ち窓を開け放った。
 気温はまだ夏と変わらない。それなのに風に秋の気配を感じてしまうのは、気のせいだろうか。
 理央とは、夏休みの間は他愛ないLINEのやり取りをしたくらいで、あれ以来顔を合わせていない。でも、どんな顔をすればと悩んだのは一週間程度でわりとすぐに吹っ切れていたから、大丈夫だと思う。そして、俺は理央を諦めるとか嫌いになるとか、そういう気持ちにはまったくなれない。ましてやセイジに譲るなど。だから気が済むまで、失恋状態のまま好きでいるほかない。
 ここからは見えない星も近くからなら見えると、理央は言った。言葉の雰囲気しか、理解していない。それでも俺は、それに寄り添いたいし、きちんと解りたいとも思う。
 だけど同時に――
 光が届いてしまわないよう息をひそめてそっと輝いている星や、あの場所に届かないと知りながら輝き続ける星も、それでも空に必ず在り続けるのだということも信じている。





 
 

星空デート(仮)

執筆の狙い

作者 タリオ
119-175-253-201.rev.home.ne.jp

対象読者のイメージは、高校生である主人公よりも少し上の20代~30代くらいです。こんな時代もあったなー、みたいな読み方が出来るでしょうか。もちろん、主人公と同年代の方やもっと上の方も、どんなふうに感じたか教えていただけると大変うれしく思います。
そしてなにより、楽しく読める作品だったかどうか、気になります。

差別と感じられる表現もあると思いますが、必要と判断したものであり、私自身が差別をする意志はありません。ご容赦ください。

よろしくお願いします。

コメント

四月は君の嘘
n219100087087.nct9.ne.jp

理央とセイジが好きだわ。

主人公:シュンは、序盤で思ってたキャラと違って、予想より「お子様」だった。
「理央がセイジを好きだったのだ」と知った後の言動が、、
ホントに理央を好きだったのであったら、もうちょっと頑張って・虚勢張って欲しかった。
高校生、見栄坊でやせ我慢で、不器用が空回りするお年頃なんで。


シュンが幼稚だったおかげで、「いいとこは全部セイジが持ってった」話。

(序盤はシュン応援してたのに、、、途中からやんなって、うんざりしはじめて、物語完走する頃には、好感度だだ下がって、最後は「好かん」に傾いて終わった)


「都会は星が見えない」発言から、デート先を考えてた序盤から、
『まずプラネタリウムを候補から外してるのはなんでだろう?』と首かしげてたんだけど、
「プラネタリウムは主人公抜きで鑑賞済み」と後出しで出て来きた〜。。


「政令指定都市」で、「Suicaで電車乗って星を見にゆく」って、さいたま市??
千葉や横浜だったら海に行きそうだし。。



『どこで、どんな星を眺めるのか』を、読者は見届けたいと思って読んでるんだけど、
出てきたのが「夏の大三角形を構成する恒星の名前だけ」で、、、
必要最低限。

「星」について、作者はもうちょい調べ・シミュレートして書いた方がいいと思った。



>「でも、地球からは見えにくい星でも、その星の近くからだったらピカピカ見えるんじゃない? って答えたら、セイジくんすごいびっくりした顔してたな。変かなー。愛菜ちゃんにはめっちゃ笑われたし」


>光が届いてしまわないよう息をひそめてそっと輝いている星や、あの場所に届かないと知りながら輝き続ける星も、それでも空に必ず在り続けるのだということも信じている。


↑ 「肝心な筈」の ここいらの「星の話」が、、
どうも「妙」で、おさまりが悪い。すっと入ってこない、引っかかる。違和感があって、腑に落ちない。

言わんとしていることはほぼそのままであっても、
言葉(表現)を厳選し、しっかり煮詰めれば、おさまりは良くなる・・でしょう。

偏差値45
KD106154138122.au-net.ne.jp

>対象読者のイメージは、高校生である主人公よりも少し上の20代~30代くらいです。こんな時代もあったなー、みたいな読み方が出来るでしょうか。

それは人によるかな。
読者が20代~30代であっても、
>AVだって、清楚系女子が3Pで連続潮吹きとかおいおいどこが清楚やねんって突っ込みつつ清楚であるという前提があるからイケるんであって、
主人公が高校生であるので、この類の表現はしない方が良いと考えます。

>もちろん、主人公と同年代の方やもっと上の方も、どんなふうに感じたか教えていただけると大変うれしく思います。
そしてなにより、楽しく読める作品だったかどうか、気になります。

同年代ではないですが、正直に言えば「つまらない」

>星空デート
そもそもこんなデートは今時の高校生はするのだろうか。
しかも、雨が止んだ後で直ぐに星は見えないものです。都合が良過ぎる。

>夏休みが明けて学期が始まり、会うなりの第一声が「ヤッったか?」だったセイジを俺が殴り、セイジが殴り返してきて、五分程度の殴り合いの後、

五分程度の殴り合い。これは嘘臭いですね。時間が長過ぎる。
たとえ高校生であっても理性はありますから、些細なことで他人は殴らないですよ。

大丘 忍
p139045-ipngn200403osakachuo.osaka.ocn.ne.jp

 20~30代どころか、80台後半ですから、今の若者の感じ方はわかりませんが、読んでいて面白いと思いました。文章もあまり難しいことをひけらかす事無く読みやすい。最後まで続けて読んだと言うことは、それだけ面白かったことに証拠です。
 高校生の思春期時代、異性に対する思いは色々、又時代によって違うでしょう。この小説の上手下手は他の読者の判断に任せるとして、私には面白くて一気に読み終わったということをお伝えします。

タリオ
119-175-253-201.rev.home.ne.jp

四月は君の嘘様



 ご指摘いただいき、自分の頭から欠落していたなと知る点がありました。
 
 特に気になったことがふたつあります。

 ひとつは、シュンについてです。
 シュンは、比較的落ち着いていて一見大人びているけれど実は幼稚な部分が残っており、その「実は」が好感になればというのが、実際考えていたところです。
 幼稚なキャラクターが嫌いというのは、もちろんあります。しかし、「応援していたのに」というがっかりを伴うのは、作品にとってマイナスになるかもしれません。
 たとえば、どうせ中身は子供なんだろうと早い段階で察せられるような形で、初めから主人公に好感を抱けずに読むとしたら。その場合は落差は解消できるけれど、これもやはりどうかなと思います。それはそれで面白さのひとつではありえるかもしれませんが、今回書こうとしたものは違うし。
 好き嫌いだから仕方ないと割り切っていい部分なのか、そうではないのか。実はこんなところもありますというのを、もっと滑らかなり上手なやり方で表現出来たら、より多くの方に好意的に読んでいただけるのか、それは可能であるのか必要なことなのか。
 考えたいと思います。

 ふたつめは、「どこで、どんな星を眺めるのか」という読者の期待について。
 どうなっていくんだ? と楽しんでいただけたらとは考えていましたが、その期待が最終的に「どこでどんな」という形だろうということには、繋がっていませんでした。
 大三角の件は、削ろうかと検討した部分です。少し浮いてるかなと感じたので。結局せっかくだから残すことにしましたが、削っていたらこの日星を眺めた記憶はゼロになってしまっていたのですね。そのくらい「どこでどんな」という意識はありませんでした。
 シュンはがんばって計画していたのだから、会話のネタにと星座の勉強をしているのはありそうだし、面白いなと思います。

 最後に、肝心な筈の部分について。
 腑に落ちにくいことは、自覚しています。わりと昔にこれは悪癖ではなく個性なのだと開き直りました。私自身が読む時も、なんかちょっと引っ掛かるというのは好きで、逆にあんまりクリアすぎて興醒めということも少なくありません。
 しかし、どこまでも限りなく開き直り切ってしまうつもりでもなく、どの程度のモヤモヤならアリでどこからナシか、あんばいを探りたいです。
 また、モヤりつつもまあ面白かったからいいや、となるものを書きたい気持ちが最近は強くあり、その練習もしたく。
 今回でしたら、純粋なジュブナイルやライト文芸であればおそらくナシで、もう少し一般寄りのつもりでしたので、どうかな……? などと私は考えつつ、みなさんに伺いたいと思いました。
 この点については、どうにも意固地のようになってしまいます。申し訳ありません。

 ありがとうございました。

タリオ
119-175-253-201.rev.home.ne.jp

偏差値45様



 登場人物達が、偏差値45様の持つ高校生像と一致しないため作品に入り込めず、つまらなかったということなのかと思いました。
 別々の問題ではなく、一致しない「から」入り込めない「から」つまらない、という関連が肝なのかないう気がします。
 きちんと文章にまとめてお答えすることはまだ出来ず、申し訳ありません。

 またその、像の不一致というのも、ご自身(または周囲)のリアルなもの、フィクションとしての高校生、おそらくどちらとも重ならないのだろうと察しました。

 もしかすると、現代の10代を書きながらもっと上の世代に共感を求めるというのは、考えていたよりずっとハードルが高かったのかもしれません。

 ありがとうございました。

タリオ
119-175-253-201.rev.home.ne.jp

大丘 忍様



 各々勝手なペースで変わりゆくものと、不変とも思えるものと、現実は混在しています。
 どのように切り取りどのように一つの世界にまとめあげるかも、小説を読み書きすることの難しさ&楽しさかな、などと考えました。

 面白いとのお言葉、嬉しい限りです。

 ありがとうございました。

浅野浩二
sp49-106-207-233.msf.spmode.ne.jp

タリオ様。
僕には、とうてい、こういう文章は書けません。
1回のデートを、こう長く書き続けられるのは、すごいと思います。
ラストの
>ここからは見えない星も近くからなら見えると、理央は言った。言葉の雰囲気しか、理解していない。それでも俺は、それに寄り添いたいし、きちんと解りたいとも思う。
 だけど同時に――
 光が届いてしまわないよう息をひそめてそっと輝いている星や、あの場所に届かないと知りながら輝き続ける星も、それでも空に必ず在り続けるのだということも信じている。
このラストのセリフにとても含蓄を感じました。

タリオ
119-175-253-201.rev.home.ne.jp

浅野浩二様

 特に前半は、私にとって無理のない文体で書き進めました。肯定的に受け取って下さったのであれば、それが理由かなと思います。
 ラストについては、いろいろ考えている最中ではあります。ご意見、参考にします。

 ありがとうございました。

中野
ec2-54-199-29-178.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com

文章はこれはまだプロットレベルですね
ここから文章推敲を三十回くらいしてください。驚くほど見違えますよ
題材は良かったですが文章がまずくて
台無しにしてました
文章さえよくすれば良くなると思います。

素人がやりがちな改行だとか一切やめて
文章読本を熟読して
良き文章を考えましょう

私にも感想返しください

椎名
KD027083171050.ppp-bb.dion.ne.jp

それなりにおもしろさを感じないこともないですが、完成度は低いかなと思いました。ライトノベルならいろいろ設定も必要かと思いますし、描写もあった方がいいと思います。

タリオ
119-175-253-201.rev.home.ne.jp

中野様



 文章が巧くなりたい、自在に言葉を操りたいという想いは強くありますので、引き続き勉強を重ねていこうと思います。


 ありがとうございました。

タリオ
119-175-253-201.rev.home.ne.jp

椎名様




 作り込まれたものの面白さは格別だと、私も思います。
 今回の筋立てで、たとえば単純にあと10枚増やしたらだらけるとは思いますが、現状では不足を感じるという状態ですね。
 おもしろさが皆無ではないというご意見に、希望を繋ぎます。

 ありがとうございました。

たまゆら
p1817002-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

読ませて頂きました。
伏線もしっかり張られているし、オトシどころも見事でした。とても良い作品だと思います。
 
でも失敗作かな。
問題は余韻だと思いました。
 
せっかく読み手をオトしたのだから、オトした場面をクライマックスにしてラストをまとめればいいのに、その後もだらだらと書き続けています。
たぶん文章の傾向から作者の悪癖なのかもしれませんね。実際読み終えると余韻は消えていました。
 
>「えー? 何言ってるの、違うよー、だって三人で出掛けるはずだったのにそんなこと考えてないもん。私ただ、なんていうのかな、セイジくんに似合うよって言ってもらいたくてがんばっちゃったんだと思う。それだけ。ふふ、変なのー、ねえほんとセイジくんに言わないでね?」
 バラバラと、驟雨。
・ここがクライマックスだと思うんです。この後は読まなくても想像できるし余韻を薄めるだけかな。原稿用紙1~2枚でさらにオトしてラストにしてくれればパーフェクトのような気が。
 
>答えずにいるとちょうど理央のスマホが鳴る。気まずさからだろう、理央はそのまま俯いてLINEだかに集中しはじめた。
・この伏線。理央の表情の変化と主人公の推測と打ち消しが自分的にはほしかったです。読み手を誘導するために。ただし気づかれたらだめだし、加減はかなり難しいと思います。
でもそれが書く楽しみになれば、タリオさんは手のとどかない所へ行くような気もします。
 
頑張ってください。とてもよい作品を読ませて頂きました。

タリオ
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たまゆら様

 

 クライマックス以降について、なかなか難しいな、シュンが号泣するのは必要だし……と考えていてふと気付いたのですが、確かに私は、号泣のほうがクライマックスと捉えていたようです。いまさら&他人事のような言い方になってしまいなんとも気まずいのですが。
 なんだろう、「実はこういうことでした。」ということ、「と、知って主人公は爆発しました。」ということ、その二点の……距離というか関係なんだろうか。読者にとっての。今はじめて考えているのでうまくまとまりませんが、そのへんで私は取り違えをしているのかもしれません。
 オトした場面をクライマックスにしたら良かったのに、というのはそういうことなんだろうと思います。

 シュンと理央は結論うまくいくだろうと感じていて、その方向性を示したいのもあって、帰り道は場面として削り難い。
 ちなみに終盤の男子二人の場面は、実際エゴが半分でした。私がセイジを放置できず、殴り合いくらいさせてあげようみたいな気持ちがありました。展開的にまあおまけ程度に取ってもらえるかなと考えていましたが、余韻消去に一役かっていたのではだめですね。

 そんなこんなな全てを含めて原稿用紙1~2枚ということだと、クリア出来る気がしない厳しい課題です。少なくとも今の私には……ですが。

 悪癖というご指摘、書くものに限らず、まわりくどさをおもしろさと無節操に思い込む傾向とか、しょっちゅう思考が堂々巡りに巡るとか、そういうところかなーと思いました。

 ありがとうございました。

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