作家でごはん!鍛練場
jam

妄想禁止

 がに股で歩くことを意識的に嫌っている。そんな迫田の足は若干X脚風情で、フラットソールのスニーカーは若干内減りに摩耗している。定番のスニーカーを色違いで三足買い揃える癖がある。執着したくないだけで、執念深いつもりはない。つい癖のように羽織ってしまうグレーのパーカーと女もののスキニーパンツ。男ものは股上が深すぎる上に、フィット感も曖昧でシルエットが気にくわない。身長は特徴に捉えられるほど高くも低くもなくただ痩せぎすの貧相でしかないのだが、迫田はそんな自身の安上がりのような性質をそれほど悪いものとも思っていない。少し伸びたすぎた髪は気になるが、もう少しだけ伸ばしてもいいような気もしている。
 パタパタと歩く。駅へと向かう街道に出ると、ようやく人心地つく。雑多な景色に紛れ込む安堵。釣られるように弛緩する歩調を、迫田はマニュアルの如く実感する。静かに頬を撫でる住宅地の温い夜風から逃れ、まばらに行き交う車の排気ガスを深呼吸した途端、軽い眩暈がして立ち止まる。街道沿いには二軒のコンビニエンスストアと牛丼屋、ラーメン店、ハンバーガーショップが三区画内にひしめき、どの店を選んでも移動に要する時間は十分以内には収まる。とはいえ取り立てて急ぐ理由も見当たらないことに、迫田はむしろ戸惑うのだ。止まない深夜の徘徊という習性を何よりも鈍らに弱らせるのは選択肢の枯渇で、とっくに飽きている。選択の自由という日々の枯渇に、迫田はすっかり弱り果てていた。
 パンツの尻ポケットに忍ばせた、表皮がカラカラに干からびた二つ折りのサイフを徐に取り出して、中身を検める。千円札が二枚、五百円玉一枚、百円玉三枚、飛んで十八円。弱り果てた上にも脆弱すぎる武装にため息が漏れる。三日前に受けた面接の結果の知らせが未だにないことは気掛かりではあったが、正直なところ迫田はむしろ知りたくないのかもしれない、と自らの本性を疑っている。採用の知らせが来たところで、素直には喜べそうにない気がしている。そんなはずはないことにこそ、迫田はすっかり気分を弱らせている。
 片側二車線の往来の向こう側、窓ガラスの輪郭がくっきりと冷たく煌めいている。LED照明が当たり前になったことで、迫田はコンビニエンスストアという場所に対して失望を深めつつある。蛍光灯の明かりにはつれなくも温情があった。歓迎と警戒の隙間を曖昧に照らす蛍光灯の明かりは緩く、迫田の深夜の徘徊はそれに図々しく甘えることが常だった。スマートフォンが当たり前になり、窓際の雑誌スペースが徐々に縮小される傾向にあることも、迫田の失望に追い打ちを掛けている。LED照明の冷たい光は隙間に居直る歓迎しない客をくっきりと冷酷に照らして排除する。雑誌そのものまでが価値を失いつつある世相は、深夜の徘徊者として居た堪れないのだ。タダ読みも、万引きすらもとっくに過去の悪事で、滞在すらも許さない冷酷な明るさに失望する。殺虫灯だ、と迫田はいつか因縁の如くひらめいたらしい。自ら飛び込んで明らかにされるつもりはない。本能がさせるままに焼け死ぬ覚悟など、迫田には微塵もない。
 迫田はコンビニエンスストアの向かい側の歩道を通り過ぎた。ざまあみろ、と呟くまでもない怠惰な鬱憤がスニーカーのソールを鳴らして、我に返る。意外にも几帳面なところがある迫田は、スニーカーの底を擦ることを忌み嫌っているのだ。無駄にソールを減らしてしまうことが惜しい。そのために意識的に膝を上げて歩く。若干、子どもっぽく見えかねないことを承知の上でパタパタと歩く。意識的に足を運びながら、擦ってしまったことをじくじくと後悔している。些細な習慣には抜け目ないつもりでいるらしい。
 正面から細く直線的な光が小刻みに揺れながら近づいてくる。それが迫りくる自転車のものであることは明らかだったが、迫田は咄嗟に、進路を譲らない意思は不可避だと判断した。ここは歩道だ、と強く開き直る。もし衝突など何らかの傷害に及ぶ事態が起きたとき、圧倒的に不利を被るのは歩道を走る自転車の側であるはずなのは、迫田の知識や想像においてのみ明らかな事実であり、すでにその真意は金の算段にかまけた姑息な妄想でしかなかった。
 自転車は迫田の目前にも至らない十メートルほど手前の歩道の切れ目から車道に逃れ、ガードレールを挟んだ迫田の真横、路側帯を逆走する体裁で通り過ぎた。瀟洒なロードバイクだった。迫田はロードバイクの主が採った選択肢が屈辱的に気に食わなかった。軽快にロードバイクを操る主が妙齢の女であったことが、さらに迫田を陰湿に逆上させた。路側帯を逆走する非常識を疎まれるより、深夜に徘徊する不審者を当然として遠ざけた賢明さに逆恨みの如く逆上する。あの細く直線的な光ごときに見透かされた、正体をまんまと見透かされた気がしていることに、迫田は怯んだ。怯んでしまう事実に自滅の如く消沈する。
 ロードバイクを振り返ることはしなかった。足取りはすっかり重い。腹が空いていることを、むしろ救いのように言い訳に化かしたくなっていた。腹が空いているばかりに、立ち姿も、歩き姿もあの細く直線的な光ごときにあってこそ不審この上なく照らされたものなのだと迫田はひらめく。意気揚々と、牛皿でビールを煽る意志で歩むべきだった。深夜にもかかわらず、空腹に安眠を妨げられる胃腸偏重な男として振舞うべきだった。屈強な消化器官を持て余す爆食風情を気取るべきだった。深夜を深夜とは認めない過活動性をむんむんと発散させながら闊歩するべきだった。いや、闊歩している。もはやただの誤解にすぎない、という解釈に開き直るように辿り着いた迫田は、今さっき通り過ぎたばかりのロードバイクに憶えた残り香すらも心地良く忘れつつあった。足取りは深夜の歩道に似つかわしくなく旺盛な意志を帯び始める。
 ラーメン店はすでに閉店していた。活況とは言い難い商売ぶりが迫田にはむしろ敷居が低く日頃から懇意にしていたが、営業時間などはまるきり心得えない不用心を悔いた。とはいえ思惑が外れたつもりはない。そもそも迫田の口は牛皿か、ねぎチャーシューの間で揺れていただけで、選択肢は残されている。しかも視線の先には深夜の華の如く赤と黄色の看板がおっとりと灯っている。活発な彩を帯びる日中のそれよりも、手招きながら人の気配を過分には予感させない深夜のそれの方が迫田は好ましかった。
 タイで宇宙人が目撃されたらしい。ロシアでは古代兵士のクローンによる軍隊を作る計画が進んでいるらしい。トカラ列島の群発地震を引き金に、日本は滅亡するらしい。掌のまことしやかな情報を横目に、お替りした牛皿をつつきながら迫田は堪らず大あくびをする。合間にちびちびと摘まむお新香の清々しさがもはや驚異的で、お替りをしたもののすっかり嫌気が差している。見た目に違わず、迫田は食が細いのだ。残りの牛皿を敵にビールを追加するか思案しあぐねながら、いよいよ堪らず見やる。カウンターには迫田一人きり、フロアに季節外れのフィールドコートを着込んだ若くも年寄りでもない薄汚れた男が一人、角席で壁にもたれながらビールを煽っている。迫田と同じく、牛皿とお新香を摘まんでいる。迫田との違いは大盛であることと紅しょうがで、男は皿の肉を半分に寄せて、開いたスペースに紅しょうがを山盛りにして米のように食らっている。摘まんだ肉を、紅しょうがの山を叩いてから口に放り込む。まるで動物園のカバかワニのように、顎を上げてまさに放り込むように食らう。それを二回繰り返してから、タレが染みた紅しょうがを米のように食らう。迫田は男の奇妙なルーチンを3セット、無遠慮に眺め続けた。
「ああっ、何だ兄ちゃん。何か文句でもあんのかっ」
 恫喝さながらの威勢を余して、男は背後の壁に後頭部を打ち付ける。格好が付かない気がしたのか、何日もシャンプーをしていないらしくべたついて見える髪をわしわしとかき上げながら「おうっ」とさらに怒声を強める。聞きつけた若い女の店員が、キッチンとカウンターの仕切りの間でもじもじと状況に戸惑っている。すぐさまキッチンの奥からも男の店員が覗き込み、迫田と男を交互に見やる。迫田は店員たちの気配にはあえて付き合わず、男の不潔な佇まいという圧倒的不利を平然と見越した風情でため息をついて見せる。
「美味いっすか、その食い方」
 いちいち巻き舌を強調する男の口調に、迫田はむしろ安堵を憶えていた。男の言には巻き舌になる要素がまったく含まれていないことに気付くと、ほとんど愉快なくらいだった。
「おう? 美味いよ。これが最高なんだよ、ぴりっとしてなあ、そんで……」
 男は打って変わってきょとんとした調子で愚にもつかないような講釈を垂れ始める。やはり、の如く逐一腑に落ちるのだ。とはいえ迫田はこの男のような調子をどこかで見たことがあるような気もしているのだが、あまり深く心当たりを探る気にはなれなかった。
「真似していっすか」
 そんなぶっ壊れた食い方があるか、と隠す気もない毒を浮かべる迫田に対して、男はまったくの上機嫌で「いいよ、あんちゃんもやんな」とふんぞり返ってまたしても壁に後頭部を打ち付ける。喧嘩っ早く、情に脆い小チンピラ。散々殴られても懲りないただの強がりでお人好しの成れの果てだと、迫田は想像通りらしい成り行きに見切りを付けると、途端に男への興味を放りだした。そんなことより、事なきを得たことに安堵した若い女の店員から向けられた視線の交換に、迫田は少なからず気分を躍らせていた。すぐさまキッチンに引っ込んだきり男の店員と興奮気味に話し込む姿には気を削がれたものの、所詮満更でもない余韻を憶えつつ迫田は牛丼屋を後にした。
 まだ千八百円ほどの余力が残されているとはいえ、迫田は次に向かう先を少しも捗々しくない心持ちで決めあぐねていた。この区画の先に立つコンビニエンスストアをきりに、立ち寄れる場所は覚束なくなる。件のコンビニエンスストアと駐車場を共用するビルが半年前に廃墟と化してからというもの、迫田の深夜の徘徊はすっかり決め手を欠いてしまったのだ。
 距離にして約三百メートル、徒歩でわずか十分ほどの道のりを通い詰めた外泊地は、迫田が暮らす1DKのアパートと比べても馬鹿馬鹿しくなるほど狭小な空間だった。曖昧に充実したドリンクやフードはただの壁紙のようなもので、充実したメディアも、いやらしい女にこと欠かないお節介さも形骸化したただの憂鬱の元で、ねぎを洗うようなシャワーだけが唯一の正体だった。残酷なほど人付き合いの悪い人種ばかりで埋め尽くされた蜂の巣のような薄暗い空間は、迫田にとって正気が吼える桃源郷だった。そんな滅裂とした行脚さえ手放せば、ワンランク上のロフト付きの部屋に暮らせなくもなさそうなことは、迫田にはむしろ幻滅する話でしかなかった。可乃子がいなければ、迫田は自分で慰めることも叶わないほどに追いつめられていたのだ。
 迫田はかつての桃源郷を懐かしがるつもりもなく見上げる。薄消しの看板にはかつての屋号が夜目にも明らかなほど透けている。相変わらずだ、と思う。ふらふらと深夜の徘徊を気取るくせは未だに治らない。正気を貪る場所だけが忽然と姿を消してしまっただけで、取り残されたのではなく何も変わらないだけなのだと、迫田は廃墟と化したビルをうっとりと見上げる。
 空きっ腹に瓶ビール、所詮温い夜風と眠気と徒歩の疲れで酔いが回っていたが、迫田は諦めきれずコンビニエンスストアで缶ビール二本と売れ残りも甚だしいチキンを買った。むしろ今さらこんな深夜にホットスナック類が売れ残っていただけでもまだマシだと、迫田は気分をほくほくと躍らせる。さっそく廃墟ビルの軒先に陣取り、缶ビールのプルトップを抉る。煽りながら見上げるのは夜空ではなくエントランスの煤けた天井で、つまり迫田は廃墟に向かい、街道に背を向けて陣取っている。胡坐をかいて、極彩色の少年少女たちが落書きした壁の文字に目を凝らしながらさっそくチキンにかぶりつく。背筋を伸ばすと、噴き出すげっぷと同時に“切腹”の文字が勝手に脳裏に浮かぶ。乾杯、などと言ったことが果たしてこれまでの人生のうちに一度でもあったことか、迫田は考えることをすぐにやめた。チキンの半身を惜しげもなく一気に食いちぎる。明らかに酔っている。ちびちびと惜しみながら味わいたいはずが、それでは気が済まなかった。歯茎がぎちぎちと野蛮な音を立てて軋む。舌先で唇にこびりついた脂をぐるりと舐る。
「それ、好きっすね」と可乃子は言った。迫田は辛うじて照れ笑いを浮かべるのに精一杯で、何も言えなかった。次の機会には「まただ」と悪戯な笑みを浮かべ、迫田は「そっす」と顎をしゃくって、情けなく視線を彷徨わせるだけでやはり精一杯だった。決まってチキンを持ち込むことは迫田のせめてもの意思表示のつもりだったが、じきに気にも留められなくなった。それでも迫田はチキンを手に、日毎に嫌悪に尖る可乃子の視線や仕草を採取することに執着し続けた。首から下げたスタッフパスにアクリルマーカーで彩られた“可乃子”というけばけばしい幾何学模様を読み解いた瞬間に、その獲得と共に迫田は起動してしまったのだ。
「可乃子ぉ」
 チキンは三口で消滅した。惜しむように唇を舐り、忘れ難くビールを喉に流し込む。500mlの缶ビールは五回煽って飲み切ったきり、胃の中のチキンの脂を洗うのに忙しいのかゲップも出ない。迫田は残りの一缶にさっそく手を付けた。
 向かい合うこのガラス扉を開けた左側、奥まった作りのカウンターに、可乃子は週に三日現れた。四日現れることもあったかもしれない。曜日が決まっていないことが当時の迫田には一番面倒な問題だった。最初がいつだってピークだった。受付を済ませるわずかの時間に焼き付ける。日毎に微妙に違うメイクの調子や髪色、ユニフォームのポロシャツの胸に浮かぶ下着のレースの柄、すげない口ぶり、すっかり警戒し切った視線の動きまで、迫田はつぶさに採取した。蜂の巣のような個室に籠ったら最後、程なく劣化し始める、都合美化して歪曲される可乃子の記憶をつなぎ止め補正して蹂躙する作業に没頭した。いやらしい動画も、浮世離れした妄想も必要としない屈折した正気の作業だった。記憶ばかりでは足りない補正の手段としてドリンクバーがあり、トイレがあり、シャワーもあり、お節介なメディアの数々はただのノイズで、共用スペースは迫田にとって諸刃の剣だった。可乃子を採取する迫田の視線は、迫田自身ですら手に負えない執念を帯びすぎていた。要注意人物としてマークされるまで、それほど時間は掛からなかった。しかし警戒され、監視され、すげなく扱われるほどに迫田はむしろ執着した。より忠実に、詳細に、嫌悪に満ちた可乃子を都合美化したがる記憶を補正再現することだけに執着する迫田にとって、排除と侮蔑にまみれた歓待は昇華するディティールという悦びでしかなかった。桃源郷が廃墟と化したのは、迫田が入店禁止を言い渡されてから二週間後のことだった。
「可乃子ぉお」
 二本目の缶ビールを煽りながら、迫田は女もののスキニーパンツをぎつぎつと煩わしく持て余しながら脱ぎ捨てていた。張り付くような履き心地から解放された勢いに任せて、少しヨレ気味のボクサーパンツをも脱ぎ捨てる。
「可乃子おぉっ」
 迫田は泣いていた。垂れ落ちそうになる鼻水を思い切り吸い上げながら、加減もなくどしりと音を立てて再びエントランスのコンクリートに胡坐をかく。小砂利が尻の薄い皮膚に何十と突き刺さる。やや大きめの砂利が尾骶骨の脇を打つ。
「いてえぇっ」
 迫田は激昂し全身を、尻の筋肉を震源に奮わせながらしかし、胡坐をかくことは諦めない。腿の裏までじゃりじゃりとした感触が侵略して、迫田は半裸を晒すことに程なく慣れ始める。Tシャツの脇に流れるような汗が湧く。滲む間もなく垂れ落ちて、脇から腰、腰から股間に流れ陰毛を濡らした。
 爆音が響く。
 懐かしい、と迫田の意識は即座に転生する。かつてこの駐車場は極彩色の少年少女のたまり場だった。華と嬌声と暴虐に満ちていた。可乃子はそのすべてに同調しながら、まったく馴染むつもりはないらしくいつもカラカラと笑っていた。
「おっさん、何やってんの」
 けたたましい音なのか、禍々しい光なのか、迫りくる傲慢な装飾の気配に惑わされるつもりはない。ただ迫田は、ガタガタと震えていた。Tシャツにグレーのパーカーを羽織り、脛毛の目立つ太腿が剥き出しになっている。その正気の理由を必死で考えている。ガラス扉の向こうに可乃子はいない。頭から湯気が出るほど正気が加速した瞬間、悲鳴が上がった。
「半裸じゃんっ」
 食虫植物みたいな質感の若い女が千切れた嬌声を上げる。瞬間、迫田は股間の重みがみるみる縮み上がり、茂みの一本一本が干乾びながら屹立する感覚に驚愕する。
「オナニーかっ、おっさんこんなとこでオナニーかよ、まじかっ」
 禍々しい光が群がる人影に遮られる間際、右の脇腹が爆発した。迫田は胡坐の状態から横っ飛びに弾け、左の頬骨がゴツっと鳴って熱を帯びる。爆音をかき消す嬌声が迫田を更なる正気で濡らす。尻の割れ目で風を感じる。右脇腹、しこたま打ち付けた右膝、左の頬の痛みを、無防備な下半身という恐怖が駆逐して全身を覆う。それを見透かしたカメレオンのような少年に股間をもろに蹴り上げられ、迫田はエントランスを転げて悶絶する。すぐさま背中に突き刺さるような衝撃が走る。女の足だ、と迫田は自らの冷静な観察に驚愕する。正気。女の小さな足で無遠慮に踏みつけられた。まったく痛くない、などと額に青筋を浮かべながら欲をかいたようなことを思った途端またしても、今度はおそらくつま先で股間を蹴り上げられ、堪らず飲み干したばかりのビールを噴いた。
「うお牛丼だっ、こいつの晩飯牛丼だっ」
 すっかり馬鹿にし切った爆笑が巻き起こる。牛丼じゃなくて牛皿だ、と迫田は苦悶の淵で声にもならないことを思いながら、野太い嬌声にきんきんといやらしく混じるか細い女の声を数えている。迫田は牛丼屋の若い女の店員を思い出していた。どうせ帰ってセックスするんだろ、と今頃になって漏れ出した正気に煽られ屁を漏らす。屁は嬌声に呆気なくかき消され、正面から腹を蹴り上げられる。さらにもう一度蹴り込まれ、迫田は大の字にのびてエントランスの天井を見上げた。かつて要注意人物の入店を照らしたはずのダウンライトは、クモの巣だらけのつれない顔つきで迫田を見下ろしていた。
「か、可乃子ぉおお」
 迫田は大の字に伸びたままビールっぽい何かを噴き上げる。極彩色の少年少女たちは笑いとも悲鳴ともつかない声を上げて飛び退いた。迫田は感じていた。一物を、屹立する陰毛に埋もれて見る影もない迫田の怯え切った一物を遠巻きに物色する、極彩色の少年少女たちの正気の視線を滅多打ちにされた股間に感じていた。
「終わったんじゃね」
「こども、作れなくなったんじゃね」
 こんな状況にあって、男よりも女の方が平然とおしゃべりなことに迫田は満足の如く痺れた。有難いと思った。懐くように、引っ込んだ二つの球が体外へずるりと垂れ落ちる感触に安堵する。
一体何に懐きたがるものなのか、迫田には未だにわからない。
「やらせて」
 たったの一言に、喉が鳴った。吐瀉物が喉の奥に滞留して発声を阻害している。迫田は渾身の力でゲップを引き出し、間髪入れずに滞留していたものをぶっと音を立てて噴き出す。数滴が舞い戻り、迫田の右の目を汚した。
「やらせて、お願い。いるでしょ、女の子。いるんでしょ、そこの」
 コンビニエンスストアで週刊誌のグラビアを呆然と眺めながら過ごした夜を迫田は思い出していた。見つめる自分以外に、これほど柔らかそうな生き物が存在することが迫田には謎でしかなかった。
「おまえらの、……おまえらのせいなんだからさ、可乃子いなくなっちまって」
 少年少女は平然とスマートフォンを構え、じりじりと立ち上がる迫田の様子を動画に収める。ライブで配信しているのかもしれない。しかし迫田はそんなことははっきりとどうでもよかった。あのロードバイク。あのロードバイクの女は、可乃子だったかもしれない。逆上する感覚が懐かしかった。避けられてこそ起動する迫田の正気は、衝突することなど端から望んではいなかったのかもしれない。あまりにも瞬間に過ぎてしまったことが、惜しかっただけなのかもしれなかった。 
「可乃子いないと、おれダメなの。ダメなんだよっ、出ないんだよっ」
 迫田は少年少女たちの元へじりじりと、ゾンビさながらに歩き出す。スマートフォンの砲列も、じりじりと後退して一定の距離を保ったまま表情は変わらない。むしろ事態に集中し始めたのか徐々に嬌声は止み、起動する迫田の正気のライブ配信はその演出のすべてを一身に引き受けつつある。もう少しだ、と迫田は思う。
「やらせて、お願い。そこのほら、可愛いきみ」
 砲列の陰影から一閃、飛び蹴りを喰らった迫田は再びエントランスまで吹き飛び、段差に後頭部を強かに打ち付ける。ごっ、と砂利を砕くような音が耳ではなく、目の奥の辺りで響いた。
 フィールドコートを貸してくれ。迫田はみるみるうちに青褪め、全身が泡立つような曖昧さで徐々に感覚を失い、震えだす。喉の奥からこみ上げるものがある。けれどその感触はさっきまでとは違う、出処も違うらしい複雑な予感を伴っている。紅しょうかだ、と迫田は咄嗟に思い付き、笑いが込み上げたがピクリとも笑えない。あの男はただの内装の壁だったが、自分は剥き出しのコンクリートであることが所詮気掛かりだった。懲りず山盛りの紅しょうがを想像するとますます寒気が増してくる。若い女の店員と交わした視線が、可乃子のすげない視線が迫田にはもう思い出せなかった。可乃子のおかげで鍛えたはずの補正機能をどんなに働かせても、冷えた正気の視線は思い出せない。あの男と、自分は一体何が違うつもりでいたのか、迫田はこれまで出会ったことのない自らの正気の気配に身震いする。身震いしたはずだと、泡立つ感覚を未練がましく探る。
 迫田はもう立ち上がれない。辛うじて動く目玉で少年少女たちを精一杯見下ろす。相変わらず向けられたスマートフォンの砲列の陰影に紛れて、迫田の一物が破裂しそうな勢いで屹立している。

 了


 

妄想禁止

執筆の狙い

作者 jam
pw126035020187.25.panda-world.ne.jp

原案はなく、結果として書き上がったものです。
下劣な表現を含みますので、ご留意下さい。

コメント

偏差値45
KD106154139165.au-net.ne.jp

半分ほどで挫折ですね。
たぶん、作家さん自身は楽しく書いていたと想像は出来ますが、
個人的には、まったく面白くないですね。
ユニークなキャラクターを演出するよりも、
ユニークなストーリーをしっかり作った方が良いかもしれません。

jam
pw126035020187.25.panda-world.ne.jp

偏差値45さん

ご感想を頂きありがとうございました。
ユニークなキャラクターという目論見はなかったので、意外な評価を頂いた感触でおります。失礼でしたらすみません。
序盤からテンポを意識していた程度で、面白さという意味では確かに物足りないものになってしまったと思います。
ユニークなストーリーという点では最後までお読み頂けなかった時点で失敗ですが、むしろアブノーマルな展開ではあると思いますので、また改めてご興味を向けて頂けました際にはご観察頂けたら嬉しいです。

つんつん
flh2-133-200-2-161.tky.mesh.ad.jp

こんにちは。最後まで読みました。紅しょうがのくだりが印象的でした。

jam
pw126035020187.25.panda-world.ne.jp

つんつんさん、こんにちは。
最後までお読み頂けたとのことでとても嬉しく思います。ありがとうございました。
わざわざすき家のサイトで確認しながら書きましたが、紅しょうがのことはよくわからないので不安でした(笑

後家殺しの仏壇返し十八番勝負
pw126158040170.33.panda-world.ne.jp

拝読いたしました。

とても読み応えのある作品で、勉強させていただきました。

一点だけ、気になりましたので、よろしければお教えいただきたいのですが

単車の爆音が聞こえたあと、すぐさま主人公は意識を転生した、とありますが

過去を思い出しただけでなく、それ以降のエピソードは、脳内での出来事なのでしょうか?

タイトルはつまり、それを指しているのですか?

屹立するイチモツ越しの少年少女たちの手にするスマホの砲列という、ラストカットはよかったですねw

ありがとうございました。

ブロンコ(punk
KD111239123128.au-net.ne.jp

四畳半パンク。
あ、違った、1DKパンクですね。


銀杏の峯田さん主演のショートムービー観てるみたいでした迫田って主人公の名前もいい感じで食ってるし。
あたしは読み終えながら勝手に、ぶっ壊れた“BABY BABY”が聴こえる気分でした、まじでかっけえー。


感激に出会うと感想書くにもなんだか恥ずかしい気障が紛れます勘弁してください。



読むだけならいくらでも文句なんかつけられるもんですけど、何だかそんな必要はなさそうですよね。
これを本当に


>原案はなく、結果として書き上がった


ってことなら、あとはもう突き詰めるばっかなんじゃないですかね、“小説”っていう見立て方なんてとっくに理解しているはずだし、構造とか伏線を走らせて効果に落とすことがほぼ感覚作業で構築できる視座でちゃんと書いてることがわかります。


欲を掻くなら何が足りないのかもきっとわかってるんだろうし、でもその要不要を疑えるだけの贅沢を悩む力すらも何だか感じさせられるから余計なこと言うのやめときます。




面白かったです、まじで。



ありがとうございました。

u
opt-220-208-25-236.client.pikara.ne.jp

偏差値氏みたいに途中までってのが多いかもネwww
あたしも止めようと思ったの

私見です
いきり立った(チョット表現おかしいか? まあええかっこしいー的な)言葉、文章、暗喩、比喩―――なんだかナー!みたいなwwww
読んでて作者男前かいwww絶世の美人かいwwww?ミタイナ こっぱずかしくなるwww
あと漢字も、もっと開けばそんな感じがなくなるのにと、おもたwwww

本作は最後まで読まなきゃ面白さはわからないのじゃないかないか道頓堀www
あたし小説はジュンブンもツウゾクショウセツも面白いかどうかでしか評価しない

本作は前半に伏線(らしきもの)も見受けられるし最後まで読めば納得なのですが
でもでもなんだかくさいわwww

茅場義彦
M106072175192.v4.enabler.ne.jp

ド素人の小説でかつ読みにくいのはやめちゃう。これもそう

でも分かってくれる人もいるかも

jam
pw126035020187.25.panda-world.ne.jp

後家殺しの仏壇返し十八番勝負さん、ご感想を頂きありがとうございました。

ご共感頂けたようで嬉しいです。
さすがのご指摘です。転生は下卑た引用でした。迫田が可乃子と過ごしたつもりでいる景色にトリップしたような安易な意味合いで用いました。急いでいたので見抜かれたようで恥ずかしいです。
妄想禁止は迫田自身による囚われのような禁忌で、不安症のような渇望を背負わせたいテーマのつもりでした。
勉強などと、とんでもございません。

jam
pw126035020187.25.panda-world.ne.jp

ブロンコさん、ありがとうございました。
感無量です。
メッセージに感化され、何か賛同を示せればと思い慌てて書き上げたものではありましたが、甲斐がありました。
件の感想での採点もありがとうございました。
ご姿勢に賛同致します。ありがとうございました。

jam
pw126035020187.25.panda-world.ne.jp

uさん、ありがとうございました。

楽しみや期待されるものはさまざまなことだと思いますので、ご感想の趣旨におきましては私にはわかりづらく申し訳ないのですが、不快に思われたことは受け止めておりますのでどうかご容赦頂きたいと思います。
差し出がましいことではありますが、小説サイトにおいて「w」といった表記に依存する様はなによりもuさんご自身の発言についてその価値を疑わしくさせるものではないかと、差し出された立場として受けた印象をお伝えさせてください。
大変申し訳ございません。
ありがとうございました。

jam
pw126035020187.25.panda-world.ne.jp

茅場義彦さん、ご感想ではないかもしれませんが、お手数を割いて頂きありがとうございました。
読みにくいということも感想として十分なものとして受け止めさせて頂きたいです。
その上でわざわざ書き込みをして頂けたことをせめてもの成果と受け止めさせて頂ければ幸いです。

R
sp1-75-4-78.msc.spmode.ne.jp

端的に言って仰々しい文章だなと感じます。それは比喩がいちいちうるさいというか、費やされた文字数に比しての効果という意味で、空回りしているのだと思います(ふつうのことを迂遠する表現が散見されるのと、語り手が語る対象を総じて迫田側に引き寄せる力が強いため近眼的な印象が否めない)。さらに登場人物がみんな定型的で、それは単調な台詞にも表れています(特に後半などは台詞の必要性さえ感じられない)。
いろいろ言ってしまいましたが、近眼的というのが御作を退屈な世界にさせてしまっているひとつの共通要因なのだと思います。迫田の外側の世界をもっと実感させてほしいとは思いますが、それが良い解決策になるのか私にはわかりません。申し訳ないです。

四月は君の嘘
n219100087087.nct9.ne.jp

タイトルが内容に合ってない、タイトルでだいぶ損してる、タイトルでかなり読者失ってる……
と思った。


ちょっと前、鍛錬場に『エルミタージュ』ってタイトルの、軽く少女監禁めいた話があった。
これもそういう感じの、
退廃的で耽美調のタイトル付けたら、嵌るのではないだろうか??


と、
>桃源郷が廃墟と化したのは、迫田が入店禁止を言い渡されてから二週間後のことだった。
って下りで、そう思った。
(私ならここいらのイメージで、『エルミタージュ』的な方向のタイトルつけるから)


内容は好きじゃない。
食欲がとにかくきったなそうに執拗に書かれてて、全編にわたってきったない。

それを「生々しい」と行為的に解釈する向きもありましょうが、
私的には「きったない中・どん底の中にこそ、はっとするほど綺麗なもの・瞬間があって欲しい」から。
泥の中から蓮の花が咲くように。

jam
pw126157009254.30.panda-world.ne.jp

Rさん、ご感想を頂きありがとうございました。
頂いたお言葉について恥ずかしながら自作を読み返してみました。作者本人としましては「比喩がうるさい」と言ったご指摘には今ひとつ実感を思いつけず頭の痛いところです。ときに、比喩と暗躍、という区別についてなのですが、私はRさんの直近の作は読了してますが、話題の多い方と言えばお分かり頂けるかと期待するところで、あの方の言われることにほぼ同感しか思いつけずにいます。
大変申し訳ございません。私としましてはすべてとは言いませんが、れっきとした課題として迫田という誤解のためにしつらえた暗喩こそは自覚的なもので、お伝えできなかった正気という比喩こそを嗜められてこその不足と考える上におきましてはRさんによる読み解きやご感想はRさんの作として観察されるものとよく似て、Rさんの作品に寄せられた感想とまったく違わない趣旨のズレのようなことを思わされます。
登場人物が定型的であることは登場人物の造形ではなく、迫田が見る正気以外としてむしろ定型的であるべきで、迫田の外側を読み手に詳らかにすることは正気を言い訳の如く求める迫田を筋から肯定することになり、結びの異常な展開に向かわせる目的を作者としては見失うしかなくなることのような気がしてしまいます。
口答えのように思われましたら大変申し訳ございません。文章そのものとしてよりも、表現が迫田になるようなことを目指した結果であり、それをお伝え出来なかったことをご感想として、課題として受け止めさせて頂きたいと思います。
Rさんが自作でお考えになられたつもりのことと、私がこの度目指したつもりのことは、比喩と暗喩というときに混同されがちなまったく逆の視点にストレスを生みかねない種類の相性の悪さのような気がするということです。
至ってシンプルな表現に努めたつもりでした。大変申し訳ございません。

jam
pw126157009254.30.panda-world.ne.jp

四月は君の嘘さん、ありがとうございました。
作者としましては頂いたご指摘をむしろやろうとしてやったことなので、お応えするとすれば作そのものを無きものにすることより他にない気がします。
ネットカフェとも暴走族とも表現を避けたことは私もかなり憑依的にすぎる実感がありましたが、正気ではないと思っているばかりの迫田のためにゴリ押しを決め込んでしまいました。ユートピアではなく桃源郷であったことを察して手加減頂けましたら慰められますところです。大変申し訳ございません。
生々しさを求めたつもりはありませんが、おっしゃられている意図とはまた別の意図としての「蓮の花」が、私としては破裂しそうなほどの勢いで屹立する一物というかたちで咲かせたつもりでした。汚いものとしての意図をむしろ離れたく書いたつもりでしたが、お伝え出来なかった未熟さを恥じます。ご不快を思い付かせてしまい大変申し訳ございませんでした。

jam
softbank221022130005.bbtec.net

四月は君の嘘さん、申し訳ございません。
タイトルにつきましてお答えしておりませんでした。
妄想と名付けたのは迫田の日常のことで、個室で没頭することでようやく正気に触れられるつもりでいるらしい迫田という怠けたありさまの皮肉ったつもりで付けました。答えとしては存在させませんでした。
本文に存在する言葉に寄るばかりでもないつもりでタイトル付けをすることは珍しくないつもりでおりました。
連投になり申し訳ございません。

四月は君の嘘
n219100087087.nct9.ne.jp

↑ 何を言わんとしているのか(何を言われているのか)・・どうも理解できないんです。


基本的に、主さんの文章(言葉)は、はっきりしない。
なんか「全部グレー」で「のらりくらりと誤魔化されてる感じ」が強い。
終始そういう感じで「糊塗」されている。
だから読んでて「ストレートに伝わらない、受け止められない、理解に苦しむ」し、
【信用できない】。

↑ 失礼な言い方ですけど、個人的な感想で正直なところ。


『この状態を信用できる人のみが読めばいい』と作者は思うのだろうし、
事実「間口が狭く、速攻閉じる人も多いだろう、そういう《読者選ぶ》世界」なんだけど、

書いて・手放した時点で、作者は読者を選べない。
どの人も皆、読者から選ばれることになる。

だから、『書かれたもの(原稿)単体での訴求力』が肝心。

これはそこを度外視してて「作者の自意識のカタマリ」なんで、
そこが最大の敗因なんじゃないかなー??




レスは要らないです。

四月は君の嘘
n219100087087.nct9.ne.jp

(めざましじゃんけん……1日3勝して、月曜でもう60点に〜)


「ながら」で打ってたんで、私の言いようも「伝わりにくい」かもしれない。


>妄想と名付けたのは迫田の日常のことで、個室で没頭することでようやく正気に触れられるつもりでいるらしい迫田という怠けたありさまの皮肉ったつもりで付けました。答えとしては存在させませんでした。
本文に存在する言葉に寄るばかりでもないつもりでタイトル付けをすることは珍しくないつもりでおりました。

↑ レス内容、日本語としては把握できても、
意味がわからない。

「わからよう、気づきにくいよう、そう意図して迂遠にして……《逆の意味、含み》を持たせる」ミスティフィカシオン(まやかし)な文章、
という感じが強くて、、、

眉唾な感じがして、どうもダメなんだ。。



本文内容、基本的に「嫌いな作風」なんだけど、
個人的には
《こういう作風・こういう世界を、文句ない「文学」へと昇華しえていた作家を知っていて、その人のを読んで来ていた》だけに、
主さんの書きようが、受け入れられない。

ちょっとその人:中島らも の「どうしょうもないダメ野郎を描き切った短編」を、読んでみたらいい・・と思うんです。


中島らもは・・
ざらっと乾いた端正な文章で、こうした「ねっとり汚い世界」をストレートに活写する。
読者をするっとその世界に引き込んで、離さない。
誤魔化さない、肩透かししない、裏切らない。
必ず「読者の予想を超えた顛末にたどり着く」。


『白いメリーさん』だかに収録されていた、「夜走る」だったかなー?
シンナーでべろんべろんになってる男らの醜悪さを扱った短編とか 一読してみると、
その「文章の質の良さ」が分かると思う。

jam
pw126157009254.30.panda-world.ne.jp

四月は君の嘘さん。
そもそも伝わりにくいもの以下をここまで否定させるほど書き損じる人間のましてや言い訳が伝わるはずもないですね。申し訳ございませんでした。
「汚らしい」「信用ならない」「自意識のカタマリ」「中嶋らもさんがいるから無価値」とまで唾棄されるほど立派なつもりは毛頭ございませんでしたが、不愉快なものをお見せしてしまったことをどうぞご勘弁下さい。十分に心を痛め、自身の創作を芯から疑う気持ちにさせられました。
場の性質上創作の意図や作品へのおもねりを開示することもまた目的の一部として許容されて然るべきとは思いますが、それも程度によることも理解したいと思います。そういった意味において、四月は君の嘘さんがよく言われる「レスは要りません」という切り捨て方についてもまた、場の目的に対して「信用」なる指摘としての態度となり得るものなのか、私がその指摘に対していささかでも不信を思いつくこともまたご勘弁頂き、せっかくの機会とは言え不毛ではありますが何者でもない立場同士として徒にいがみ合うことはせず、次の創作に向かうべきかと懲りて戒め退散致します。
未熟な書き散らしと曖昧な言質でご不快な気分にさせてしまいまことに申し訳ございませんでした。

四月は君の嘘
n219100087087.nct9.ne.jp

↑ すいません、前述しているように「さらなるレスは要らん」のです。

これ以上揉めて「お互いに不機嫌になる」のを止めるためにも、

上のレスは「読まない」です。

流して、先へ行ってくださいませ。。



『じゃあ、そもそもレスにまたコメントつけるなよ!』とお思いでしょうが、、

それも前述しているように、『朝、めざましテレビをだらだら流してて、ぼぼっと書いてしまった』んです。

ブロンコ(くそpunk
KD111239130254.au-net.ne.jp

うわあ、これはもうはっきりと最低ですね見損ないますわ


あたしが馬鹿ぶっ叩くのと同じとは思われたくないレベルで卑怯すぎて呆れる
馬鹿と熱心の見境もなく言いたい放題はあたしま身に覚えないし、最近こそけっこう気を付けてるからはっきりとjamさんが気の毒だと言ってしまおう

あたしに好意的な人だから味方するのだろう言いたければ思いたければ勝手にしたらいいですよどいつもこいつも

“文を見て人を見ず”っていう愚かしさにおいてあたしは常にここの目的に対して人を見分けるているつもりだからまったく問題なし、四月さんん言質はまったくの卑怯でしかないですねまったく残念なことです


あたしがベタ褒めしたことは大層見苦しかろうですし、それを真に受けて満更でもなさそうに見えなくも感じなくもない書き手に不快も思いつきたかろうですし、そんなくそくだらない感情ゴミ吐きはさておき、


>本文内容、基本的に「嫌いな作風」なんだけど、
個人的には
《こういう作風・こういう世界を、文句ない「文学」へと昇華しえていた作家を知っていて、その人のを読んで来ていた》だけに、
主さんの書きようが、受け入れられない。


などということを先人を引き合いに出して否定の根拠にするなんて、この世界に挑む人全員に対してまったく失礼だしリスペクトがなさすぎるしこういった場所のそもそもの意義を真っ向から否定する参加意識ゼロのただのいちゃもんとしか思えない


一通目のレスははっきりと感想ではなく、


>書いて・手放した時点で、作者は読者を選べない。


という体裁を笠に着た身勝手な想像による作者という人格と創意を決めつける甚だしく失礼な批判文書でしかないし、


>これはそこを度外視してて「作者の自意識のカタマリ」なんで、
そこが最大の敗因なんじゃないかなー??


などと外堀から腐すだけの嫌味ではなく、感想者こそ己の表現力に根差した指摘をもってその意図を伝える心構えを怠ってはいけないはずだし、本当に腹が立つ



さらに言うにも憚らず朝見た占いのついでだの、レスは要らないだの、要らないと言ったものに寄こすものは読まないけどこっちが言いたいことは言うとか、何でそこまで臆病を決め込みながら言いたいことだけは言いたがるのか


この頃ずっと気になってたんですけど、四月さんは近頃いよいよ感想なんて書いてないです
はっきりと、その触発される動機が醜い書き手にとってのハナシをしてあげてないしこれからの小説を過去の編集経験で唾棄することしか出来ないなんて、パソコンもろくに扱えないくせに威張っているだけの使えないクソ上司みたいでまったく許容できない
ちゃんと相手こそを見定めて承認を以て批判できなくて、一体何のつもりなんですか
また苦許容できない


腹が立つでしょうが、それは四月さん自身が主観のみで熱心なだけの書き手を罵倒して卑怯な排除をまったく譲ろうとしなかった態度と何も変わらないことで、尚且つあたしはその根拠を今惜しげもなく晒して笑われ者になるわけです


承認したい人のためなら、恥かくことくらいなんでもないです絶対守ってやる



>自意識のカタマリ


って何ですか
勝手に名付けて嫌うだけではなく、その根拠を示さなければ“書く”という手間と覚悟を負った書き手という立場に対して、文句をつけるだけの読み手として全然フェアじゃないどころか卑怯まじでかなしい






jamさん、ごめんなさい。
間違ってたらごめんだし、言いたくなかったのならもっとごめん。



jamさんは、女の人でしょ。
あなたには、ちん子なんて生えてない。

あたしは勝手にそう感じていたんですけど、間違ってますか。



そんなことと“自意識“とは別問題だと批判言されてもあたしは気にしないしむしろ失礼なハナシだとしか思わないです。

それどころか、その憚れない客観性をあたしはとてつもなく評価したいし、その勇気こそを羨望を込めて買いたいです。


間違ってたらめっちゃ恥ずかしい。
バラしちゃったならごめん。

絶対に応えてくれなくていいから、でもここでの全部のことを信じないでね。


せめてはあなたがあたしにくれたものと、あたしのありがとうだけは信じて帰って下さい。
まじでありがとう、急いでくれたってまじで嬉しかった。




めっちゃ面白かったから気にすんな。


















もう最低


まじでムカついたから

ブロンコ(くそpunk
KD111239130254.au-net.ne.jp

ムカつきすぎて誤字ってばっかですがもういいや想像して読め

四月は君の嘘
n219100087087.nct9.ne.jp

そうだよ、最低だよー。

さんざ言われ放題に言われてるんで、もう慣れたわ。





私的には「好かん話で、好かん作風」なんです。

黙ってりゃ平和だったんだろうけど、

好かんものは好かんの。



一文一文が「長め」で、途中で意味が変わっても区切ることなく、続けて書いてる。

『文を二分割してくれたら、読みやすいのになぁー』ってのの連鎖。

でも「そういう書き方の人」なんで、そこまでは指摘しなかった。





そんで、

一番言いたかったことは、

【こういう作風&作品世界だと、中島らもの文章は 参考になると思うよ??】ってことだけで、

あとは全部「言わなきゃよかった余計ごと」だから。。

(でもこの作者さんからしたら、中島らもより「柴田よしき」の方が参考になるのかもしれない??)



中島らもにしても、柴田よしきにしても、

主人公はとことん地べた這いつくばって、「これでもか! ときったない・読み苦しい?描写続き」だったりもするじゃん。


けど、でも、「ざらっと乾いた文章の質」と「すぱっと書ききる小気味良さ」のおかげで、
どんだけでろでろした世界を見せつけられたとしても、

涼風が吹き込む瞬間があるってか、
読後感がいいの。



この小説で、私が「見たい」「必要不可欠」と感じたのは、
【可乃子】だ。

可乃子のことは「短い説明」のみで済ませてるから、
読者(私)には【可乃子の姿が見えない】し、

迫田の【可乃子への必死さ、執着、依存】が、
まだ「書き足りてない」ように思った。

四月は君の嘘
n219100087087.nct9.ne.jp

そんで、この作者のレス読みたくなくて、いまだに読んでないのは、

【今日が歯医者だったから】もある。


歯医者に行く前の時間調整で、上のコメント打ってて、いまは歯医者終了後。
なんか頭の回りがよろしくない。



下手に「浅薄に」口出ししないで、黙ってスルーしとりゃよかったんだろうけど・・


全文見ても、このタイトルが意味わからんかった&受け入れがたかったのと、

ストーリーはもう、なんか【いかにもここのサイトすぎるエロときたなさ】(ごめん、言い方悪くて、ほんとごめん…)で、
【天ヶ瀬や しまるこ(だっけ?)との違いが てんで分からなかった】んですよ。

これ、男の人が書いた作品じゃないんですか???



まあ、「ワタシがヤキが回りまくって、てんで読めなくなったってだけ」なんだろう。

四月は君の嘘
n219100087087.nct9.ne.jp

タイトルは・・

一読後に『廃園』とかも考えたんだけど、
『園じゃねぇしなー……』と。。

そんで、
「あっという間に廃墟になった、可乃子がいた店舗の名称」が、本文中に書かれてあれば
それをタイトルにしてもいいかなー…… って思ってた。

『パラダイスクリーク』とか『ブルーヘヴン』とか『ベルキャッスル』とか、そういう路線。



以上です。



クソリプですまん。

jam
pw126157009254.30.panda-world.ne.jp

仕事終わりに確認してみたら、ちん子生えてませんでした。すみませんでした。

「ちん子」って名付け方から好きです。
面倒なことにならないで下さい。読んで頂けて嬉しかったので、もう気にしていません。
こちらこそありがとうございました。

ブロンコ(自演襲名
softbank221022130005.bbtec.net

ちん子 yeahhhhhh!

よい体験だったっつことで。

駒鳥
UQ036011228206.au-net.ne.jp

難しいことはよくわからないんですけど、おもしろかったです。牛丼のコワイ人のとこととか好きかも。

アフリカ
sp49-104-20-142.msf.spmode.ne.jp

拝読しました

読みにくいってのは不利ですよね。漢字も開け開けと言われたって、その文字の雰囲気が好きだから。
でも、やっぱり不利なのはそうだと思う。

物語って最後まで読んでビリビリヒリヒリするのは当たり前だから辿り着かせることに意識を向けるのは必要かもです。

描写がどうのとかじゃなくて、作者が見ている世界はとても素敵だし。
例えば、彼女の下着に着いてる細やかな装飾を褒めてあげられたら良いんだけど、僕なんかはそれをむしりとることしか頭になくなるからダメなんだな〰️と思う。

読みにくいけど、むひふふってなりました。

ありがとうございました

青井水脈
om126167065211.29.openmobile.ne.jp

読ませていただきました。が、途中で挫折して結末まで流し読みしたので、それはすみませんね。わりと好評みたいで良かったじゃないですか、次回作にも期待します。
三者三様、十人十色とはよく言ったものですが、読み手によって書かれる感想が異なる事実こそが面白いと思いますね。uさんにまで、気恥ずかしさが伝播してしまった感じも。


>何を言わんとしているのか(何を言われているのか)・・どうも理解できないんです。

四月は君の嘘さんは煙に巻かれましたね。他の方も、ブロンコさんと四月さんはたまに鋭く本質を突いていると仰られましたし、そこまでヤキが回っているとも思えません。

四月は君の嘘
n219100087087.nct9.ne.jp

感想の「書きよう」が悪くって、いまさら言っても もう絶対伝わらないかもだけど、

これ、「起承転……結の手前」までは、『こういう話だ』と受け入れて読んでいたんです。
一気に反駁に傾いたのは、ラスト近辺での迫田の言葉(と思考)。



>「やらせて」
>「やらせて、お願い。いるでしょ、女の子。いるんでしょ、そこの」
>「おまえらの、……おまえらのせいなんだからさ、可乃子いなくなっちまって」
>「可乃子いないと、おれダメなの。ダメなんだよっ、出ないんだよっ」
 
>可乃子のすげない視線が迫田にはもう思い出せなかった。可乃子のおかげで鍛えたはずの補正機能をどんなに働かせても、冷えた正気の視線は思い出せない。あの男と、自分は一体何が違うつもりでいたのか、迫田はこれまで出会ったことのない自らの正気の気配に身震いする。



↑ 作者がこう書いてんだから、「これが迫田の言葉であり想い」なんだろうけど・・
そこまで付き合ってきた私の中の「読者脳内迫田」のそれとは「乖離」していて、
その乖離を埋めらんなくて、

納得いかなかった。受け入れ難かった。



私の脳内に事前展開(読みながら予測)していた『妄想のラスト』があって、
漫画とかドラマだと「そっち」を採用して終わるパターンが多いだろうと思った。



その妄想の、超ベタな、ありがちラスト——


廃墟で若者にボコボコにされ、惨めさの底をついた迫田。
そこに至って、ようやく迫田は「求めていた可乃子」(幻影)とあいまみえるのだ。
ありったけ美化された、幻影の、理想の、「自分だけの可乃子」に、迫田は恍惚となる。
それ以外はどうでもいい。それ以外は目に入らない。

迫田の恍惚を理解できず、若者らは畏怖を覚えるが、
迫田にとってそんなことはもうどうでもいいのだ。



↑ ハッピーエンド好きの甘ちゃんが今作のケースで予想・妄想すると、そういう「ある意味シアワセな壊れっぷり」に至ってしまう。

最後まで「現実感」と「頭の隅に冷静さ」を残してる本作の方が、シビアだし現実的なのかもしれない。
けど、「迫田に感情移入して読んでしまうワタシのような読者」には、
『どうせならとことん壊れてしまえ!』(いっそせいせいする)って 気持ちが、どうしてもある。




けど・でも、そのベタで甘ったるい、絵空事で「お小説」、ある種お約束な結末は、
【作者さんのラストではない】のもよく分かってた(分かってる)んです。

jam
pw126157006093.30.panda-world.ne.jp

駒鳥さん、読んで下さってありがとうございました。
むずかしいことを書いたつもりはありませんでしたが、何かと評判がよくないものにおもしろかったとおっしゃって頂きありがたく思いました。

jam
pw126157006093.30.panda-world.ne.jp

アフリカさん、ご感想を頂きありがとうございます。
漢字はあまり気にしていませんでしたが、「舐る」「滞留」といったあたりの表現は自分でも不自然に感じました。意識的に硬めなり、無骨なものを意図的に書こうとした意識はあったかもしれません。
読みにくさということについては、自覚しかねるところが私のダメさなのだと理解して配慮に織り交ぜていきたいと思います。

jam
pw126157006093.30.panda-world.ne.jp

青井水脈さん、ご感想ではないかもしれないですが、わざわざ書き込み頂きありがとうございました。

中野
ec2-54-199-29-178.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com

まず文章はブレットイーストンエリスを目指して三十回推敲しましょう

読書が足りません
ブレットイーストンエリス
ランボー
などもっと読書しましょう

私にも感想返しください

jam
pw126193059184.28.panda-world.ne.jp

中野さん、ありがとうございました。
興味が向いたら読んでみたいと思います。
未熟な感想も憚られるので遠慮させて頂きます。申し訳ございません。

風呂糸
pdcd36a98.tubecm00.ap.so-net.ne.jp

読ませていただきました。
作者さんが書きたかったこと(テーマ的な)がちゃんと書けている気がして好感が持てました。
書けていると断定できないのは、現状の文章の書き方だと、ちゃんと読み取れたか自信がないからです。

本作は三人称で書かれていますが、「迫田」を「俺」に置き換えたら一人称でも違和感がない、所謂なんちゃって三人称ですよね。
書かれているのは迫田に見える範囲のみで、地の文も迫田の主観を作者が代弁する形を取っていて、三人称なのに一人称のルールに沿って書かれているんですね。でも三人称の体を取っているので、一人称と比べて主人公の心情描写が控えめで、一人称の利点が活かされていません。
では三人称の利点が活かされているかというと、これは全くです。
三人称の利点は主人公を外側から描けることです。主人公を遠くからでも、近くからでも、背後からでも、頭上からでも、その場に主人公がいれば、どの位置から主人公を描いてもOKです。
だから後半で迫田が少年たちにボコボコにされるシーンなど、一人称では書けない迫田の顔面描写も書き放題だし、ゾンビのように少年たちに向かっていく迫田の後ろ姿や、それを見る少年たちの表情も存分に書けるわけです。
でも本作だと迫田の目に見える情景しか書かれていないように思えます。

作者さんは迫田の心情に焦点を当てたかったんでしょうか。それとも迫田の姿そのものに焦点を当てたかったんでしょうか。
前者なら一人称、後者なら三人称で、それぞれの利点を活かして書けば、作者さんが書きたいイメージにより近づけるんじゃないかと思いました。

これは私がそう感じたに過ぎないので、こういう読み方もあるんだなぁくらいに取ってもらえれば幸いです。
失礼しました。

jam
pw126166124137.31.panda-world.ne.jp

風呂糸さん、ありがとうございました。遅くなってしまい申し訳ございませんでした。

迫田を第三視点から適時描写したい意識がそもそもなかったと思います。その上で一人称で書くつもりもなかったと言ってしまうと矛盾があるでしょうか、結果的にこうなってしまったとしか言いようがありません。
ご指摘を受けて、一人称に置き換えることを想像してみたのですが、難しくて今のところ思いつける感覚に至りません。お言葉を返す意味ではなく、感覚的にそぐわないばかりにわからないというあくまで自分自身の未熟さに対してのことです。悪く感じられたなら申し訳ございません。
傷だらけの迫田を場面として描写する意図はそもそもなかったと思います。自分なりに思う基礎的な形を書き急いだ結果だと思っています。
丁寧に読んで頂いてありがとうございました。参考に致します。

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