作家でごはん!鍛練場
アリアドネの糸

レッツ、パッションフルーツ、パーリィ!

 パッションフルーツが今年のモテアイテムらしいぜ。そんな噂が流れたのはちょうど春頃のことで、梅雨が明けてからは、ぼくの周りはどいつもこいつもレッツパーリィってな感じで、学期末試験対策を脇において、一堂に会したのだった。大学のすぐそばの住宅街にある小さな個人経営のバーを貸し切り、成人の大きな身体を寄せ合ってパッションフルーツをむしゃむしゃと男たちが貪っている。そんな絵面。で、そのパッションパーリィなのだけれど、それがまったく酷い有様で、「Sweet Lemon's Life」と書かれたくそダサTシャツのひょろがり君と「極、素人侍」と書かれたこれまたくそださタンクトップの日焼けマックロクロロンな常夏君と、その他数名の、めんどくさいから紹介は割愛するけれど、要するに愛すべきモブ男集が、狭い場所にぎゅうぎゅうに集まって、パッションフルーツの果汁とむさくるしい汗とを撒き散らしながら、女はいねーが、だなんて、どこのなまはげ? って感じで、くだを巻きつつ、ひしめくようにおしくら饅頭をしている。ざっと言えば、そんな地獄絵図が展開されていた。
 そんなにモテたいもんかねって、ぼくはやや醒めた目で阿鼻叫喚人外魔境を眺めていたのだけれども、そんなぼくの視線に気づいたのか、委員長君が近寄り話しかけてきた。委員長君というのはもちろんあだ名だ。経済学部でも成績優秀で講義ではいつも一番前に陣取り、教授先生の言葉を一言一句たりとも聞き逃すまいという潜水艦のソナーオペレーターばりの真剣さでいつも励んでいた。真面目でつまんない奴っていう人も周りにはいたけど、というかそのつまんない奴というコメントを残したのが他でもないひょろがり君なんだけど、委員長君が4ヶ月かけて作り上げた珠玉の作品であるところの授業ノートを何の惜しげもなく、周囲の人間に提供するという聖人ぷりを見せた結果、ひょろがり君は完全に篭絡されてしまった。ひょろがり無事留年を免れるという救済を経て、すっかり浄化されたひょろがり君いわく、「あいつは俺達の、いや、世界の委員長だ」なんて言い出す始末。「世界の委員長って何だよ?」とぼくが聞くと、「ほらあれだよ、UFOとか国際的な機関とかあるだろ、色々」と彼は答えた。ひょろがり君の返事を聞いて、ぼくは頭痛がした。UFOはアレな、未確認飛行物体のことな、WTOとかそういうのが言いたかったんだろうけど、こいつ本当にぼくと同じ経済学部の大学生なのかと心配になる。おっさんたちが最近の大学生の学力は云々とか言い出しはじめそうだ。だからぼくはためしに、「ねえ、分数の計算できる」と尋ねてみた。すると彼は「なんだよいきなり、2で割る分数は得意だ」と返してきた。頭痛が余計にひどくなった。九九における7の段じゃあるまいし得意な分数ってなんだよ。それに得意な分数があるならあるで7で割る分数とかそのあたりにして欲しかったよ。それともアレか。1は3でいつか割り切れるとかそんな深遠なことを言っているのか。バカと天才は紙一重っていうしなあ。まあ、こいつはバカに属する部類だとは思うけれど。

「君も来たのかい」と委員長君が言った。「うん」とぼくは返した。それよりぼくは委員長君がこの会に参加していることに驚いていた。彼は女になんか興味ない、学問こそ我が恋人ってな感じのストイックさをもった奴だと思っていたのだ。
「彼女ほしいの?」
「欲しいか欲しくないかでいえば……欲しい」
 なんだろう、この妙なもやもやするがっかり感は、理知的で尊敬していた親戚のおじさんが高級マッサージチェアーをまんまと買わされた時みたいな失望感。彼に人並みの欲望があったってことが残念なんじゃなくて、パッションフルーツパーティなんていう怪しげな会、かつ、男特有の内輪ノリの匂いしかしない会合に、のこのこと現われたのが学年イチ聡明な彼であったことが悲しいというか、そんな感じ。ぼくが言うのもアレだけど、彼はぼくらの代表選手なわけで、20年後ぐらいに彼は大学の先生か会社の社長か何かにきっとなっていて、「友達にすごい人がいるんだよ」って誇らしげに会社の同僚に吹聴する未来を想像していたのだけれども。うーんこの男、ろくでもない女に溺れて破滅する未来のフラグも立ってきたぞ、とぼくはひそかに思ったのだった。
「君こそ何でここに?」と彼は聞き返してきた。
「まあ、付きあいでなんとなく」とぼくは返した。もちろん建前である。建前に決まっている。嘘であり嘘に決まっている。ぼくの脳内は夢の島のようにスケベで埋め立てられている。一番好きな記号はHだし、一番好きな英単語はCombineだし、座右の銘は「やがて一つになる」だし、国語辞書の中の卑猥な言葉は網羅的にマーカーを引いてある周到ぷりだ。なんなら意味が循環するその卑猥言語チェーンすら把握済みである。ぼくはプラトニックにストイックに女の子が好きなのである。だけど、ぼくのそんな本性は誰にも見せたことがない。自分が変態だってことは分かっているし、同時に、ぼくが女の子を好きだという気持ちは、だからこそ純粋なものだということも分かっている。ピュアで変態というハイブリッドなのである。

「そうか」と彼はため息まじりに言った。それからラム酒ベースのカクテルで喉を鳴らしてから、こう続けた。
「僕も分かっていたんだ。企画からして敗戦の未来しかないってことぐらい。だけどね、出会いってのは僕みたいな地味キャラでお洒落センスミジンコレベルの陰の者の前にはそうそう訪れない。そう、僕は僕こそは授業を一番前で受けるだけのオートマトンなんだ。マトンか、そうだね、僕は羊だ、春の羊肉祭りだ。柵の中でただ待っているだけのゴートなんだ。この会は僕だけのGoToキャンペーンなんだ」
 相当酔っ払っているのか、委員長君はなんだか訳の分からないことを言い出したけど、それだけにその言葉はぼくに刺さった。普段大人しい彼の中に潜んでいる鋭いナイフのような、けれどもまっすぐな煩悩にぼくは打ちのめされた。モテないという純然たる事実が、てきめんに醸され、豊かな芳香を伴った直後にいきなり牙を剥く予想外であった。そして、ぼくも彼と同じカクテルを飲んだ。「ヘイ!マスター。彼と同じものをお願い」と言った後で、とことこと棚の方に向かいお酒を取り出し手酌した。実のところこのバーは、常夏君の知り合いのツテで、「閉店時間帯のみ場所使用・セルフサービス・お酒実費」という条件で格安で借りただけの場所であった。学生にはいつもお金がないのである。けれどもそんなことはどうでもいいんだ。ぼくたちは酔っていたし、酔いたかった。それにぼくたちは同胞だ。経済学徒であり、愛の使途であり、なにより同じ大学のトモダチなんだ。このカクテル、おいしい! 「もう一杯飲もうぜ、委員長」

 盛り上がっているぼくたちのところに「おれもまぜろよ」って入ってきたのは常夏君だった。彼はこの会の企画者だった。彼はイラストレータを目指している妹に頼みこんで、スタンプを作成し、同学部の女性陣に周知したのだった。その時、妹は雪女のような軽蔑した目をしていたらしいけど、シスコン気味な彼は「あいつ、好きな奴でもできたのかな。元気がなかったが……」などと頓珍漢なことを言っていた。スタンプの絵柄は、パッションフルーツに手足を生やした、おたまじゃくしとかえるの中間みたいな、ちょっと気持ちのわるいキャラクターだった。そのキャラクターが焦点の定まらない目と不自然にはりついた笑顔で「パッションしたくない、したいよね、だったら Come here!」と言っていた。キャッチーなコピーということだった。「ちゃんとこの店のURLもみんなに送っておいたぜ」と彼は言った。クソダサタンクトップ着ているくせに、クソダサコピーセンスの癖に、案外マメというかかなりちゃんとしている。なんやかんやで行動的なところがぼくたちのリーダーなんだよな、とちょっと感心する。

「なあ、他の子達いつ来るの?」とひょろがり君が言った。
常夏君の顔色がすこし悲しげになった。それからこほんと咳をひとつして、人差し指をぴんと立てひょろがり君の方に向けて、「それな」と彼は言った。
真っ白な歯が見えた。歯並びもいい。デンタルケアはばっちりのようだった。そんな常夏君の顔はめいっぱいスマイルしていたけれど、全く笑っていないことが、ぼくたちには分かった。
もうかれこれ二時間経っているが、ぼくたち以外誰も現われていない。
「結局、こうなるんのかよ」とひょろがり君が言った。
「まだ見ぬ彼女と一緒に大学通いたい」と泥酔直前の委員長君が言った。
「それな」と常夏君が言った。

「ああ、もう、俺ウィスキーにスイッチするわ」と言った。
「おい、ウイスキーは高いからこっちの焼酎にしとこうぜ」と常夏君が言った。そうして、みんなで焼酎を適当なジュースで割って飲んだ。
「大体よお、カクテルってしゃらくさいんだよなー」とひょろがり君。
「そんなだからもてないんだよ、おまえは」とぼくは言った。
「パッションフルーツで造った原酒なんて中々ないからな、やむなしだな」と朗らかに笑っているのは常夏君。
 そんな感じで、まったりとした時間が続く中、爆弾を投げ込んだのが委員長君だった。
「ねえ、みんなってどんな娘がタイプなん?」
 その一言を契機にみんなに火がついた。それぞれの女性の好みが、欲望に忠実で、けれども、ピュアに違っていたのが面白かった。
「ギャルっぽいのは駄目だろう。やっぱり」
「でもよう、そういう娘が弁当とか作ってきてくれたら、ぐっとこね。しかも巨乳だったらどうよ」
「ぐっとくるな」
「清楚系はどうなん?」
「いいけどあまり大人しいとデートしてもつまんねえかも」
「むしろ大人しいほうが、気疲れなくてよくね」
などなど。
 以外だったのは委員長君の好みで、少しぽっちゃり目の見た目で大人しめの娘がいいらしい。委員長君の性格っておとなしいから引っ張ってくれる女性がいいと思うけど、とぼくが言うと、「そういう人だと甘えちゃって自分が駄目になるから」と答えた。場がちょっとだけシリアスムードになったけど笑う奴はいなかった。委員長のそういう真面目なところ格好良いなってぼくは素直に思ったのだった。
 それから話は猥談へとなだれ込む。定番の巨乳・貧乳論争やら、最近見たエッチな動画の話、それから、同学年の女のスケベ指数ランキングなるしょうもないことまで。ぼくには慣れないことだったけども、居心地はそんなに悪くはなかった。思えば彼らとこんな風にあけすけにしゃべるのは始めてな気がする。女がこない。それがどうした。おれ達はおれ達で親交を深めればいいじゃないか。こうやっておれ達で向き合って、武勲はゼロだけれども昔の武将みたく(知らんけど)囲んで酒を飲み交わして、笑いあえば、泣きあえばいいじゃないか。バカヤローとぼくは叫んだ、カバヤローと常夏君が叫んだ。委員長君は酔いつぶれていた。ひょろがり君は二本目の一升瓶に手を伸ばしていた。その時、バーの入り口の扉の開く音がした。

「やっほー、グーテンモルゲン。って、もう夜なんだけどね。まだやっている? うわっ、酒くさ、あとマジでパッションフルーツなんだ」
 笑いながら中に入ってきたのは朝子だった。腰まで届く長い髪を切ってショートボブにイメチェンした朝子は以前よりもうんと大人びていてどきりとした。ナチュラルメイク風の化粧も、服装もとてもよく似合っているし、なにより、扉を閉めるときの所作がとても素敵だった。

「あ、夕子も来てたんだ。グーテンモルゲン」と朝子は小さく手を振って言った。

「グーテンモルゲン」
とぼくは小さな声で答えた。なんで、ドイツ語なんだよ、もう。って思いながら。

レッツ、パッションフルーツ、パーリィ!

執筆の狙い

作者 アリアドネの糸
dhcp.nipne.ro

エンタメ小説です。

気になることは

- 読んでいて疲れないでしょうか?
もうちょっと、いやかなり、するすると読めるようにするべきなのかどうなのか。前回、一人称語りがうるさすぎるという指摘をもらいましたが、今作において直接的には改善できていません(このうるさい語りが個人的に結構好きで、うるささという弱点とどう融和改善させようか悩み中)。前々作と違って、キャラと視点が増えたので語りが閉じなくなった分、そのうるささも多少は改善されたのではと思うのですが……いや、よくわかんないな。

- キャラ立ちはどうだったでしょうか?
いつも一人か二人の作品ばっかり書いていて閉じ気味なので、キャラを増やしてみました。
この短さに5人出てきますが。キャラはちゃんと立っていたでしょうか?

- 仕掛けにどの段階でどの程度気がつかれたでしょうか? 
仕掛け的なことをやってみたんですけど、これってどうなんでしょうか? 
不自然ではなかったでしょうか?

よろしくお願いします。

コメント

(久)
240.133.31.150.dy.iij4u.or.jp

はじめまして。

- 読んでいて疲れないでしょうか?

一段目で少し疲れて、二段落目で少し乗って、委員長が出てこられた所からすいすいと読めました。

- キャラ立ちはどうだったでしょうか?

良かったです。
服装での紹介が功を奏していたように思えます。
委員長が格好良かったです!

- 仕掛けにどの段階でどの程度気がつかれたでしょうか? 

何が仕掛けか自信が有りませんが、変態のくだりで何となく……。

後、数か所、気になった点を書かせて頂きます。

>九九における7の段じゃあるまいし

何故、7の段なのですか? ラッキー7?
7の段って難しくないですか?

>ゴート

ゴートってヤギじゃなかったっけ?
シープ?

>「ああ、もう、俺ウィスキーにスイッチするわ」と言った。

どなたの台詞でしょうか……?
僕? 委員長? ですか。

そういえば、僕さんの台詞に一人称は出てきませんでしたっけ? 読み直せず申し訳ありません。

>「グーテンモルゲン」

朝だけに(笑)

……そんな感じです。
楽しませて下さり、ありがとうございました!

(久)
240.133.31.150.dy.iij4u.or.jp

追記です。

>「パッションしたくない、したいよね、だったら Come here!」

「パッションしたくない? したいよね。だったら Come here!」

なんて。細かいですが(苦笑)

常夏さんの妹さん、ナイスキャラですね!
なぜか、委員長の妹さんと読んでいました……。Why?
委員長がされそうな行動だからかなぁ? キャラ問題でしょうか。

以上です。
お邪魔致しましたm(_ _)m

青井水脈
om126208170063.22.openmobile.ne.jp

読ませて頂いたので、早速感想を。

・一気に読んで、疲れよりワクワクした感を得ました。疲れたとしても、心地よい疲労感。最初はうわ、イヤな絵面(笑)なんて思って。大学生だし、なんか勢いが凄いなと(笑)

・それぞれのキャラクターは、ステレオタイプというのかな?キャラ立ちより、彼らが集まってケミストリー(化学反応)が起きることが、興味深いです。

・仕掛け的なこと……?

>「あ、夕子も来てたんだ。グーテンモルゲン」と朝子は小さく手を振って言った。

「グーテンモルゲン」
とぼくは小さな声で答えた。なんで、ドイツ語なんだよ、もう。って思いながら。

"夕子"も来てたんだ。グーデンモルゲン→「グーデンモルゲン」と"ぼく"は小さな声で答えた。

"ぼく"が"夕子"……。ここでしょうかね、説明不足ですが、あれ?と思った箇所です。
最後ですが、唐突にドイツ語が出るのも、さすがアリアドネさん(笑)このままの作風で突っ走って下さい(お世辞でも何でもなく、そのままのアリアドネさんが魅力的なので)

もんじゃ
KD111239165047.au-net.ne.jp

 アリアドネの糸さま

 拝読しました。

 仕掛けについて。朝なほうが名前を口にするまでは気づきませんでしたが、気づいた途端に、

>ぼくはプラトニックにストイックに女の子が好きなのである。だけど、ぼくのそんな本性は誰にも見せたことがない。自分が変態だってことは分かっているし、同時に、ぼくが女の子を好きだという気持ちは、だからこそ純粋なものだということも分かっている。ピュアで変態というハイブリッドなのである。

 ってあたりで引っ掛かってた結ぼれがするりとほどけて気持ちよかったです。ぼくが僕と区別されるところのぼくだったことにも納得がいきました。

 視点、とは何かについて、を、表した作品であるなと感じました。
 一人称の視点は自分以外の外と自分自身の内を眺められるけど自分の外は眺められないってこと。そこに鏡でも置かれてなけりゃその瞬間の自分のルックスやら表情やらは語り得ないのでありました。一人称視点とは何か、ということがよくわかっている作品であるなと感じました。

 さて。

 主観的な感想。

 面白かったです。

 アリアドネの糸さんの過去作たち比(これまでのマックスを十にしたときの面白指数)で七くらいかな。八かもしれない。ちなみに前回のやつは三くらいに感じました。自社比的なものさしじゃなくて通常のものさしではかったら「かなり面白い」くらいに感じました、個人的な主観であります。

 続いて、客観的なつもりの指摘。

 よかったとこ三つ。

一、文章のリズム……ポップ。名人芸の域かと。読みやすく適切で引っ掛かるとこも皆無かと。一ヶ所、始→初にすべき誤字があったかな。

二、比喩……気がきいてるし、おしゃれ。卓越してる。角度がしっかり相似。手垢がついてない。比喩とは何か、を、一人称視点とは何か、と同じように熟知していている。自由自在レベルかと。

三、レトリック……言葉のチョイスが古くなく、韻を踏んでみたり、掛け詞的になっていたり、言葉の魔術師感半端ないかと。

 村上春樹氏どっかで曰く、僕の新作は、まあ期待を裏切らない程度には面白いだろって信頼して買ってもらえてるんだろうって思う、これっていわば読者との間での信用取引が成立してるってこと。みたいに記憶してるんだけど、アリアドネの糸さんの新作を楽しみにしてる、って意味で、この読者もアリアドネの糸さんに信頼を寄せている、といえると思います。

 よくないかな、と思ったとこ三つ。

一、キャラ……狙いにもあったキャラ立ちですけど、ぼく、はまあしかたないとして、ひょろがりくんも常夏くんも立ってはいなかったような。見た目を記号に扱うのはこの作品の味噌だからしかたないんだけど、でも委員長はちゃんと書けてたから、委員長と同じ程度にひょろがりくんや常夏くんを一ラインか二ライン程度のテキストで立たせる、温もりを与えることはできたんじゃないかと。言葉に頼り過ぎると文脈から温度が奪われ過ぎて冷たくなっちゃう。そのひんやりした感じがキレというか爽やかさに繋がってもいるから両刃之剣なわけだけど。ともあれ、べたべたと書かないでよいから一、二ラインでシャープに端的に、外見のみならず内面がほのみえるテキストがあってもよかった。が、しかし、ぼくに見えてる周りの人物の「外見」を書くってしこみのある作品だから、わざとなのかもしれないですね。委員長には寄せてる気持ちがあるので特別に人となりが語れちゃってる、って描いてるのかな。だとしたらひょろがりと常夏がモブライクなのは必然かもしれず欠点にはあたらないかと。欠点どころか狙いどおりなのかも?

二、ストーリー……アリアドネの糸さん作品を少なくはなく拝読してきて感じるのだけど、ストーリーらしいストーリーはないなと。でも、今回のを含めて、そういう作品なのだから欠点にはあたらないかもしれない。

三、構成……起承転結の転がない、だとかなんとかそういうことを指摘するつもりはさらさらないのだけれど、全編ぼくの語りですしね、でも語りにも緩急や転回地点のしこみがあればより物語ちっくにはなるかと。そういう話じゃない、ともいえるから、うん、まあこれも欠点じゃないけど。

 って感じで、ポジと同じ数のネガを挙げようとしてみたんだけど、そういう傾向にこそあれ、作品のあり方が、キャラやストーリーや構成を要求してないんだから厳密には作品の欠点にあたらないと思う。でも作品がキャラやストーリーや構成を要求してない、ってそこんとこが、キャラやストーリーや構成を要求する種類の作品を書いてないってあたりが、もしかするとアリアドネの糸さんの偏りなのかもしれない、だなんて分析めいたことしてみたり。

 名前を出さないと番地を特定できないから、えいやって失礼しちゃうけど、現在二面の古ノ蓮さんの休日って作品読まれました? もんじゃの感じるとこによると、文章のはねかたがややアリアドネの糸さんっぽくて、それでいてキャラや構成やストーリーの要求される類いの話だったりするから参考になるかも、かも、かも、くらいに思いました。

 ついでに雑談。平井堅の「知らないんでしょ?」みたいな雰囲気ちょい醸してるかもとかもんじゃが勝手に感じちゃってるところのくだんの女子、気になりますなあ、もう一つ今度はフィクショナルなの上げてくれそうで、ひじょーに楽しみにしてたりします。アリアドネの糸さんも楽しみでしょ?

 読ませてくださりありがとうございました。

 って締めて投稿しようとしたら、早っ、もう三つもコメントついてるじゃないですか、でも読まずにこれを投稿しますね!

アリアドネの糸
dhcp.nipne.ro

(久)さま

はじめまして。感想ありがとうございます。

>一段目で少し疲れて、二段落目で少し乗って、委員長が出てこられた所
これは大変参考になります。
序盤はずっと一人称視点でのうるさい語りなので読んでいて疲れるのかどうかが気になっていましたが、どうも、語りがうるさくても中身に動きが出てくると読んでいて気にならなくなるかも、と思いました。話がススムという感覚があるからなのでしょうか? とか思いました。

>服装での紹介が功を奏していたように思えます。
>委員長が格好良かったです!
服装での紹介に注目していただいたのは意外でした。デフォルメされてはいるけれど映像が浮かぶと、文字でのチカチカする感じが軽減されるのかもしれない。
委員長の格好良さに注目していただけるとは、お目が高いです。

>何が仕掛けか自信が有りませんが、変態のくだりで何となく……。
なるほど。伏線の時点でバレバレでしたか。

>何故、7の段なのですか? ラッキー7?
>7の段って難しくないですか?
ここは作中でのもっていきかたがよくなかったです。九九で印象的な段て7の段ぐらいしかなくて、ご存知の通り最初の関門です。ひょろがり君の得意な分数を九九で喩えるならば、おっしゃるようにイージーな2の段をあげるべきなんですけれど、読み手にとっては九九の七の段が印象的だろうと思って、そっちの方がイメージ湧きやすいかなって思って取り上げましたが、文脈がねじれてしまいました。ご指摘にしたがって訂正します。

>ゴートってヤギじゃなかったっけ?
はい。ゴートはヤギです。 オートマトン→羊肉→山羊(ゴート)→GoTo(ゴートゥ)のような言葉遊びでした。酔っていてわけわかんない連想をしている様子を書いたのですけど、どうせ書くなら面白くしようと思って。

>>「ああ、もう、俺ウィスキーにスイッチするわ」と言った。
ここは脱字でした。ひょろがり君の言葉です。

>僕さんの台詞に一人称は出てきませんでしたっけ?
主人公の台詞の中に、一人称はでてきてません。委員長君との会話では中世的な台詞まわしを、ひょろがり君とはそれなりに気心が知れた許容される乱暴さに収まるような台詞を選びました。「僕」を会話の中で使っているのは委員長君です。

>「パッションしたくない、したいよね、だったら Come here!」
ここはですね。とん、とん、とーんってな音の弾む感じで、読点にしたんですけど、その発想はメタいというかこの作品を読んでいる側の感触であって、実際のコピーは
>「パッションしたくない? したいよね。だったら Come here!」
となるべきだと思います。余計なこだわりでした。

>常夏さんの妹さん、ナイスキャラですね!
意外な感想その2です。この感想はアリアドネにとっての発見です。直接このうるさい一人称で語られるよりも、語りの中の伝聞の中にみられるチラ見せがぐらいが、想像の余地もあって、塩梅としても案外いいのかもしれないですね。

いくつか想像だにしなかった発見があり、大変有益な感想でした。
それでは、グーテンモルゲン!
ありがとうございました!

アリアドネの糸
dhcp.nipne.ro

青井水脈 様


>疲れよりワクワクした感を得ました。疲れたとしても、心地よい疲労感。最初はうわ、
>イヤな絵面(笑)なんて思って。大学生だし、なんか勢いが凄いなと。
 とりあえず集まって騒ごうぜ、みたいな勢いは重視しました。20歳特有のアクティブ感とかワクワク感が伝わってよかったです。

>それぞれのキャラクターは、ステレオタイプというのかな?キャラ立ちより、彼らが集まって
>ケミストリー
 キャラ付けもちょっと記号的というフィクショナル過ぎたかもしれません。デフォルメが効きすぎている、とも。このへんの選択は結構難しいです。ちゃんと人間味あるように書くのか、ちょっと漫画っぽくというかカラーとして書くのかという選択。ある程度記号化しないと初見で伝わりにくいのですけど、伝わりやすい反面ステレオタイプに陥るわけで。この短さだからこそ機能している、ギリギリのところかもしれないです。

>"ぼく"が"夕子"……。ここでしょうかね、説明不足ですが、あれ?と思った箇所です。
 はい。その部分です。

>唐突にドイツ語が出るのも、さすがアリアドネさん(笑)このままの作風
 ドイツ語を取り上げた理由は特にないですが、なんかこう、ありませんか、覚えたての言葉のマイトレンドみたいなやつ。多分、朝子は第二外国語がドイツ語(作品の舞台は3年生なので再履修)だったのでしょう。

 また、作風というのはアリアドネは全く意識してなかったりします。書く内容に合わせて選んでいる、というより、書く内容に書くべきモードを選ばされているという感覚です。最近はfloating popが照らすものに興味があるため、そちらに偏りがちではありますが。

 励みになる感想ありがとうございました!

夜の雨
ai197156.d.west.v6connect.net

「レッツ、パッションフルーツ、パーリィ!」読みました。

ラストまで読んで、主人公の「ぼく」は「夕子」だったのか、と思いました。
つまり「仕掛けにどの段階でどの程度気がつかれたでしょうか?」は、ラストで気が付いた次第です。

御作はこういった仕掛けをしないでも充分に面白くできています。
どこにでもいる普通の大学生の青春を ドスン! と感じました。
こういった知り合いのbarを借り切ってアルコールを飲みながら普通に会話している俗っぽさが何とも言えない味があります。bar でなくて、仲間内のマンションの一室でもよいのですが。
設定としてはbarで正解ですが。
これが、木造のアパートとなると昭和の青春時代に突入です。
まあ、どちらにしろ、御作の味付けは青春時代の風味なのでしょうね。

キャラクターとか話の内容とかも私には違和感はありませんでした。

今回の集まって話す内容は「彼女がほしい」ということだったのですが、「ホラー話」とか「仲間内の情報」「就職」とか、そのほか、もろもろ、いろいろな内容でも面白いのではないかと思いますが、「彼女がほしい」が、一番現実的で受けますよね。

御作のエピソードを広げてbarでの仲間内の会話だけではなくて、外に広げれば、青春ドラマになりそうです。

また、続きを読ませてください、楽しかった。

飼い猫ちゃりりん
106171070138.wi-fi.kddi.com

アリアドネの糸様
 好きか嫌いか?ってことなら、飼い猫としては「嫌い」となってしまいます。
 猫は群れることが苦手なのです。猫は仲間ではなく友を愛する動物だからです。
 作品に関係ないこと言ってごめんなさい。
 
 今回もアリアドネ節炸裂と言った感じですね。飼い猫は前からこの「アリアドネ節」の使い方について思うことがありました。炸裂させるより、内包させる方が良いと。具体的には文章は静寂を堪える絵画のように、「  」の中でアリアドネ節炸裂させる。つまり静と動、絵画と音楽のメリハリをつけた方がより良いと思います。

 主観オンリーのコメントですみません。
 芸術の目的とは、究極的な客観性を体現するためと思いますゆえ。
 

夜の雨
ai211059.d.west.v6connect.net

再訪です。

>「やっほー、グーテンモルゲン。って、もう夜なんだけどね。まだやっている? うわっ、酒くさ、あとマジでパッションフルーツなんだ」
 笑いながら中に入ってきたのは朝子だった。腰まで届く長い髪を切ってショートボブにイメチェンした朝子は以前よりもうんと大人びていてどきりとした。ナチュラルメイク風の化粧も、服装もとてもよく似合っているし、なにより、扉を閉めるときの所作がとても素敵だった。<

これだと朝子もレズで男っぽい(タチ)ということになりますね。
ということは、夕子はネコになります。
朝子の場合はかなりわかりやすい性格に見受けられるので、barに集まった男連中からすると恋愛対象外ということになりますが、なかには朝子のような男っぽい女が好きな男子がいてもおかしくない。

また夕子はネコで受け入れる立場なので、男連中からすると朝子よりも女性らしく見えるのではないかと。
ということは、恋愛対象になっているかもしれません。まあ、普通の女性よりも距離があります。

朝子がbarにやってきたところの入り方のエピソードを見ると、すでに集まっている男連中は朝子をレズのタチだということを知っているのかもしれません。

そして夕子が朝子の相手だとも知っている可能性が高い。

このあたりから御作を膨らまして青春(ある意味、性春)ドラマにすると、かなり面白くなるのではないですかね。
キャラクターと背景をしっかりと書きこむ(設定)と、それだけで面白いと思いますが。
御作はそこにきて、「言葉選びがうまい」です。
具体的な性表現(18禁)をしないでも、作者さんの実力なら題材は伝わると思います。


ちなみに、朝子と夕子の性癖がbarに集まっている男連中にわかっているとするならば、今回の御作は、「書き替える必要が出てくる」と、思いますが。
御作は夕子の立場(一人称)から周囲にいる男たちのやりとりを描いていますが、夕子も敏感に彼らの視線を感じ取るはずですが、それが御作にはなかったように思います。

どうしてそうなっているのかというと、夕子が女性ということを隠して、作品に「オチ」をつけるというテクニックを意識して御作を書きあげたからだろうと思います。

今回の御作はそれでよいかもしれませんが、もし、御作を膨らまして「青春物語」にするのなら、上に書いたような問題を整理して、女性の性とは何か、男の性とは何か、このあたりを掘り下げて、「彼女が欲しい」「彼が欲しい」「同性でも愛すべき相手が欲しい」というような内容を書くのもよいのではないかと思いました。


以上です。

u
opt-220-208-25-236.client.pikara.ne.jp

読みました
こうやって感想の項目作者さんからrequestされるとあたしみたいなヘタレはかきやすい

- 読んでいて疲れないでしょうか? 
あたしは過去何作を含め作者さん(言葉遊び)のプロだなーなんて思っていますwww 古今東西ありのボキャの豊富さ
リズム感の良さなんか勉強になります
本作はそこが上手く消化されていたというか
前作(あたし前半部分しか読んでないのですが)遊びが勝ちすぎかもwww

- キャラ立ちはどうだったでしょうか?
冒頭多人数登場でアホなあたしは少し混乱したのですが、読み進めるにそれぞれのキャラ濃淡アリですがたってんじゃないですか

- 仕掛けにどの段階でどの程度気がつかれたでしょうか? 
>「あ、夕子も来てたんだ。グーテンモルゲン」と朝子は小さく手を振って言った。
ここまで全く分かりませーんwwwそれにしてもグーテンモルゲンわろたwww

-仕掛け的なことをやってみたんですけど、これってどうなんでしょうか? 
不自然ではなかったでしょうか?
不自然とは思わないけど下手wwww
このお話に必要かどうか? マアこの落ちなきゃなかなか飲み会終わらなそうだしwww

読み返したのですが、この手法使うなら冒頭からの本文中にミスリードみたいなあれっと読み手が思うような引っ掛かりが欲しいねwww
たとえば主人公の台詞
>「君も来たのかい」と委員長君が言った。「うん」とぼくは返した。
>「君こそ何でここに?」と彼は聞き返してきた。「まあ、付きあいでなんとなく」とぼくは返した
>「そんなだからもてないんだよ、おまえは」とぼくは言った。
>「もう一杯飲もうぜ、委員長」
「ぼく」はそのままでいいんだけど 
なんか工夫次第で落ちが生きてくる描きかたがあったかもミールてかこういう小細工いるんかな?

おもろかった

アリアドネの糸
dhcp.nipne.ro

もんじゃ様

 主観と客観の両面から仔細な感想と指摘ありがとうございます。

 当社比的面白指数での点数もありがとうございます。今作が7で前作が3とのこと。自分自身から離れて、初見のいち読者になりきって前作を俯瞰してみると、前作はただの言葉遊びでちょっと意味がわかんないです、って感じなのかもしれない。一方で、今作は言葉遊びが入ってはいるものフレームを用意しているのでそれなりにお話として落ち着くってことなのかもしんないと想像します。もう一つは、今作は象徴表現を出来るだけ排して書いたのもよかったのかもしれないです。

 ストーリのなさは、ストーリ構成力が単純に乏しいのと、その乏しさを補うためには時間と気力が必要ですが、どちらも現状ないというネガティブな理由と、鍛錬したいところを毎回一つか二つに絞って書いているというポジティブな理由(語りの複雑さの上にストーリーの構成まで入ってくると書く上でも読む上でもポイントを絞るのが難しくなるため)からなのですが、でも、確かに、ストーリーのないお話が好きなのは間違いなくて、無為がムイして突き刺さる日常話って結構好きかも。とはいえ、あと2,3個ほど試した後になりますが、ちょっと長いのを書いてみるよい時期なのかもしれないと思い始めています。

 二面の古ノ蓮さんの作品は読んでないので呼んで見ます。それから一面のくだんの方は今だからこそ書ける適切に尖った作品を書いてくれそうで楽しみではあります。

もんじゃさまの感想欄の返信に対する返信になっちゃいますが。この作品で一人称を「ぼく」にしたのは叙述トリックもどきの仕掛けのためなんですけど、「僕」よりも「ボク」の方が中性で、「ボク」だと象徴的になっちゃうんで、「ぼく」に落ち着いた経緯でしたが、これを書いたときに、どなたかがボクっ娘小説書いていたなって既視感があったんですよね。なるほど、「んアおっ」でしたか。

 グーテンモルゲン、は言われてみれば、ちょっと違う位相にあるものを象徴しちゃっているかも。朝子が来たところで小説を終えるってのは最初の方から考えていて、オチて収まる中にもfloatingした言葉を入れたくて、流れで思いついたのがグーテンモルゲンでした。グーテンモルゲンって言葉が、朝子と夕子の名前を決めたので、その3つの言葉はつながっているから、象徴表現を排してとかいたけれど、不可避に象徴しちゃっているかもしれない。でも、これぐらいの塩梅は象徴をほどくって意味でもアリな気はしています。

 ちなみに、「連れてって」の旅路の話、旅が終わるときに妻から夫にかけるべき言葉は「おかえり」じゃなくて「おはよう」かもしれないな、なんて思ってます。たとえそれがオレンジの空への回帰の旅であっても、いくつも摩擦と傷をこさえての帰還だろうから同じところに同じように戻ってこれるわけじゃない。長い夜のあと、白んだ空とともに迎えてあげるなら「おはよう」こそが最高の親愛を示す言葉なんじゃと思ったりしました。

 いつもながらりんりん鳴る感想、ありがとうございました!

アリアドネの糸
dhcp.nipne.ro

夜の雨様

 執筆を始めた当初は仕掛けのことは考えておらず、主人公は男の子でした。書いているうちに仕掛けがないとお話として物足りないなあと思ったという経緯で、このような形になりました。この題材で大事なのは勢いだと思ったので、リズムには気をつかいましたけど、うまくいっていたようで、うれしいです。

 設定の不自然さは見透かされているなと思いました。夕子が男の子に混ざっていること、それから朝子が単身で現われたこと。夕子は全然色気がない女の子(女の子スキーなので男の子に振りまく愛嬌ゼロです)の設定なのですが、この一人称が見るべきものを考えたけっか、そこに触れませんでした。また、朝子の登場については実はグループの女の子も連れてきているのですけど(朝子はそのグループの中心で女の子達にとって魅力のある人の設定)、そのグループの女の子を描写しちゃうと、夕子と朝子の二人だけの視線の交差にフォーカスできなくなっちゃうのとオチとしての切れ味がぼやけちゃうというのがあって、迷った結果、書かないことにしました。
 といったふうに、夕子の一人称視点ですからこれでいいんです、なんて言い逃れを書いてもいいのですけど、ご指摘くださった、当たり前に感得される不自然さこそ軽視してはいけないところだと思います。ですので、
> 今回の御作は、「書き替える必要が出てくる」と、思いますが。
というご提案には完全に同意いたします。

>御作を膨らまして青春(ある意味、性春)ドラマにすると、かなり面白くなるのではないで
>すかね。
人物紹介で終わって、お話としてドラマがないという指摘も核心をついているなと思います。

 状況的に不自然に感じられる夕子と朝子の立ち位置、それから、全体ドラマのなさ、は拙作の課題の核心部分だと思いますので、参考にさせていただきます。

 作者の甘えが入った部分を看過せず、また、丁寧な提案とともにご指摘くださりありがとうございました!

アリアドネの糸
dhcp.nipne.ro

飼い猫ちゃりりん様

感想くださりありがとうございます。

>文章は静寂を堪える絵画のように、「  」の中でアリアドネ節炸裂させる。つまり静と動、
>絵画と音楽のメリハリをつけた方がより良いと思います。
はご指摘の核心部分だと思うのですが、ごめんなさい、正しく理解できていないかも。
地の文を(拙作のような煩くて軽い感じで書くのではなく)もっと静謐さを湛えるように線として書いて、会話文の中でうるさく軽妙にハネた感じにすれば、メリハリが生まれるよというご指摘なのでしょうか? アリアドネ節が何であるのかも実は自分ではわかってないため、言葉遊びっぽい要素を含んだうるさい語りを指していると仮定して書いてますが、合ってますか?
それともそういうことを言っているのではない?
一つわかったこととして、メリハリというご指摘。メリ、もしくは、ハリしかないというのはアリアドネの作品の弱点かもしれないなとは思いました。

すみません、ちゃんとあまり読解できてないかも、です。

>芸術の目的とは、究極的な客観性を体現するため
究極的な客観性ってどういう類のものでしょうか?
この世にあるのは、主観と、通念で繋がれいい塩梅に耕された主観の群体としての客観ぐらいしか思い浮かばないのですが、それらを振り切った先にあるニュートラルのことを仰っているのだと想像します。ですが、それがどういうものか検討もつかず、なのです。

ありがとうございました!

アリアドネの糸
dhcp.nipne.ro

飼い猫ちゃりりん様

さすがに極論すぎました。

>主観と、通念で繋がれいい塩梅に耕された主観の群体としての客観ぐらいしか思い浮かばない
あるルールに則った合理性の上に導かれる流れと帰結としての客観ってのもありますね。というかこっちが普通の意味での客観ですね。ひねくれて考えすぎてました。

ならば、
>究極的な客観性
主観的で情緒的である芸術も突き詰めれば合理性が見えてくるってことなのかしら?

飼い猫ちゃりりん
123-1-124-154.stb1.commufa.jp

アリアドネの糸様
 メリハリについては好みの問題です。
 例えば、デスメタルは、嫌いな人にはただの騒音ですが、好むファンも多い。ただデスメタルでも良い曲は「静」を効果的に使っていると感じます
 
 究極の客観性とは、以前お話しした芸術の法則性のことです。
 私は芸術には法則性があると感じます。ただそれを証明することはできません。

5150
5.102.2.242

あくまで5150の独り言をそっと置いていこうかと思います。

鍛錬場に投稿する目的は人によりさまざまかと思います。アリアドネの糸さんも、一人称に関する模索や実験が続いていると、見受けています。特に言葉遊び的なものと、一人称による声の響かせ方あたりがメインかと思いますし、そのあたりがまた作品の個性として際立っているのかなとも思っています。

なればこそ、あくまで一つの提案としてですが、これまで通り一人称で書きつつも、アリアドネの糸さんの得意とするところの言葉遊び、これを一度意識下で封じ込めて書いてみるというのはどうかな、と。書くなということではなく、意識を反対側に寄せ、ストーリーと呼ぶものに乗っける形で書く。別にドラマチックなものというわけじゃなくて、ごく普通の、小さな何かが起きて、そのせいでまた状況が少し変わる、それを普通に追いかけてゆく、という程度の。御作をもう少し外側に引っ張っり出すくらいのストーリー。起承転結とかじゃなくて、動かす程度のもの。あるいは、文を濃縮させたものではなく、逆に薄める方向へ導く。

これまでは檻の中に動物を入れているみたいな作風でしたが、普通に開かれた状況で、どこへ行くのかを追って行く、みたいな意味でのストーリーを書かれてみてはどうかな、なんて思う次第です。今までの枚数よりやや長くなってしまうでしょうが。

で、これまでの作品と反対側に意識を持っていきながら、そこから自然発生的に出てくる、いわゆるアリアドネの糸さん印的なものがどれだけでてくるのか、作品に反映されるのかが、非常に興味ありますし、読んでみたいです。

自然に出てくる言葉遊び、という意味です。あるいは閉鎖状況で響きまくるノイズは、屋外だと弱まるのか、同じなのか。従来のような金太郎飴的なものか、別のものが出てくるのか、言葉遊びの濃度はどれくらいになっているのか。ノイズはノイズたりえるのか。

失礼しました。

5150
5.102.2.242

あ、もんじゃさんの返信欄で言及されてましたね。

アリアドネの糸
dhcp.nipne.ro

uさま


 感想くださりありがとうございます。uさまの感想からは本当に小説が好きなんだって伝わってきます。逆に、小説になっていないものについては、まっすぐに感想を書いてくれるので、とても参考になります。小説らしさの指標になるというかなんというか。

>前作(あたし前半部分しか読んでないのですが)遊びが勝ちすぎかもwww
 前作はやりすぎたかもしんない。でも作者的に好きなんだけどね。中空をまう色とりどりのバルーン達みたいな言葉遊び。そのままの形で書く気はないですけど、あれらを元にちょっと書いてみたい気がしないでもない(まだ、諦めてませんよ!)

>冒頭多人数登場でアホなあたしは少し混乱したのですが、読み進めるにそれぞれのキャラ濃淡アリ
矢継ぎ早に新キャラ登場なので、ちょっと密度が高いかなとも思ったのですが、ぎりぎり合格だったということでよかったです。

>不自然とは思わないけど下手wwww
これはマア自覚ありです。今作は一人称だから自分が見えないってだけですもんね。仰るように、叙述トリックなら、ミスリーディングとかミスディレクションさせるような導線を結構巧妙に張り巡らせてますもんね。

>たとえば主人公の台詞
>なんか工夫次第で落ちが生きてくる描きかた
確かに台詞に芸がなさすぎるかも。

 元々は仕掛けなんか考えずに書きはじめたもので、だから仕掛けこそが作者都合の遊び心なんて、作品にとって不可欠かっていうとそうでもないと思われルル。 

 ありがとうございました!

アリアドネの糸
dhcp.nipne.ro

飼い猫ちゃりりん様

メリハリは好みの問題とのことですが、そうはいっても今作を含めて「静」の要素が少ないものばかり書いていると思いますので、次かその次ぐらいには、もうちょっと静かなものを書いてみようと思います。

正直、芸術の法則性なるものは、アリアドネは実感できてませんが、飼い猫ちゃりりん様の描く「美」には、共通するフォーマットというか文法みたいなものがあるような気がしないでもなく。それが仰っている法則性なのかどうかはわかりませんが……。

再訪ありがとうございました!

飼い猫ちゃりりん
106171084146.wi-fi.kddi.com

アリアドネの糸様
 猫には猫の感性があり、それに基づき勝手なことを言っているだけです。あまり気にしないで、アリアドネの糸様のスタイルを貫くことも大切だと思います。
 現状において客観的指摘と言えるのは誤字脱字の指摘くらいだと思います。
 猫が芸術の法則を把握することは不可能です。だから猫主観に基づきコメントするしかないのです。
 ありがとうございました。

アリアドネの糸
dhcp.nipne.ro

5150様

 もう少し枠組みを広げたお話を書いてみてはという提案ですね。それも内在するうるささは一度忘れてみたものを。内在的に饒舌である語りをここのところ書いてきて、読み手にとっての心理的な障壁の高さがなんとなくわかってきたように思います。檻の中にいても生々しく人間的であるものはそれなりに受け皿があるし、逆に、人間的でないバルーンのような語り念仏のような語りは移入するのがふつうに難しいというのを学びました。

 語りのうるささや冗長さを押さえた「静」のもの、語りよりも出来事に重きを置いたもの、それから内在するあれこれをうんとズームアウトした植えて裏側から眺めたものを実験として書こうかなとぼんやり思っています。ぼんやり思っているので、とりあえず言葉を置いたものの何を書きたいのかははっきりしてません。とにかく、一度、この檻の中の獣とは少し離れたものを書こうと思っています。

>閉鎖状況で響きまくるノイズは、屋外だと弱まるのか、同じなのか。従来のような金太郎飴的
>なものか、別のものが出てくるのか、言葉遊びの濃度はどれくらいになっているのか。
>ノイズはノイズたりえるのか。
確かに、意識からあえて外すことで、見えてくるものがありそうですね。個性とは固有の表現ではなくて、何を書いても出てくる自分らしさのことなのだなんて、どこかの偉い人が言っていた気がしますが、いずれにせよ、一度少し引いたところから照らす価値は大いにありそうです。

 たいへん建設的な提案、ありがとうございました!

アリアドネの糸
dhcp.nipne.ro

飼い猫ちゃりりん様

お気遣いありがとうございます。
いまは、自身のスタイルを追求するよりもいろいろ試したい時期なので、まあ、いろいろやって見ます。というか、あんまりスタイルを決める気がないというだけなんですけれどね。

再訪、ありがとうございました。

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