作家でごはん!鍛練場

舟を漕ぐ

 秋の低い陽が、薄い雲の切れ間ごとに波をうって、教室へと流れこんでくる。閉め切られた窓で外の音は全く聞こえないけれど、きっと風が吹いているから、枯葉が舞って、窓の画角に映っては消えていく。
 そういった教室の窓から見える秋の情緒の中で、僕らは教科書を開いて、先生の言葉に耳を傾けている。昨日も僕らはそうしていたし、きっと明日も同じようにするのだろうと、先生の言葉が僕の鼓膜を通り抜けながら、ふと思う。
 チョークが黒板に当たるたびに、カツカツと打ち鳴って、白粉が舞っていく。耳を澄ませてみれば、閉め切ってしまった窓の外とはずいぶんと違って、椅子を引く音や、紙を捲る音、隣の席の子の衣擦れまでハッキリと聞こえ始める。僕はそんな喧騒の中で小さく欠伸をすると、体温が(もしかしたら僕を取り巻く教室の温度が)ほんの少し、上がった気がした。
 自然と瞼が下がって、フワフワと虚ろになっていく。ただ、それでも、意識の底はハッキリとしていて、辺りの物音に聞き耳を立てながら、沈んだ意識を引き上げては、ゆっくりと目を開ける。そしてまた錨を下すみたいに、暫く目を瞑るといったことを繰り返した。
 目を瞑っている間は、視覚が遮断されるからかはわからないけれど、いつもより少しだけ辺りの物音がクリアに聞こえてくる。紙を捲る音は、教室の彼方此方から聞こえてくるし、衣擦れの音は、なんだか僕らの着ている制服の皴一つ一つまで想像させる。
 ただ、暫くそんなことを繰り返していると、コンコンと、聞きなれない新しい音が聞こえてくる。チョークが黒板と打ち鳴る音とは違って、なんだか少し湿って重い。
 その音は夜中の秒針みたいに、一度意識してしまうと、よりその勢いを増しているように思えたし、何より不規則的に止まるチョークの音と違って、ある一定の間隔をおいて、ひたすらに繰り返されているようだった。
 僕はまたゆっくりと意識を引き上げ、目を開けて、その音の方へチラッと視線を向けてみる。
 コンコンと、小さな黒い棒のようなものが窓を外から叩いている。いまいち暈けた視界でよく見えなかったけれど、暗闇というより、明るさに目が慣れるみたいに、たいした時間をかけずにしっかりと輪郭が掴め始める。
 それはキツネの手だった。よく見てみれば、その手の向こうに、キツネの耳やら突き出された口やらが、窓枠からヒョコヒョコ見え隠れしている。
 キツネは変わらずコンコンと窓を叩いている。それは猫が光を掴もうと壁に向かって手を伸ばしているのと違って、なんというか、窓の内側にいる生物に向かって何かしらの反応を求めているように見えた。鍵のかかったトイレのドアノックしているような情けなさと、申し訳なさと、それでいて叩かずにはいられないような、そんな焦りのようなものを感じとれるノックだったから。
 教室を見回してみて、僕以外にもこの状況に気が付いている人間が他にいないか確認してみる。
 皆はいつも通りキチンと座っていて、先生の言葉に耳を傾けている。教科書やノートに目を落として、書いたり捲ったり。そのたびに、やっぱり紙を捲る音や、腕を動かすたびに厚いブレザーの袖の衣擦れが、動きにあった大きさで聞こえてくる。窓へ視線を送る生徒は誰もいない。
 僕はまた視線を窓に戻してみると、やっぱり変わらずキツネは小さな黒い手で窓を叩いてる。
 窓際に身を寄せて、窓枠にそっと手をかけてみる。さっきの休み時間に換気でもしたのか知らないけれど、カギはあいていて、カラッと小さな音を立てて、ほんの少し窓が開く。隙間から入ってきた風に煽られて、薄いカーテンが小さく揺れはしたけれど、枯葉が舞っているにしては、風は思ったより吹いていなかった。
 そんな窓の開かれた隙間をボウっと見つめていると、キツネも気が付いたようで、その隙間に小さな黒い手をねじ入れて、なんだか猫みたいにスルっと僕らの教室に(僕が招き入れたようなものだけれど)侵入してきた。
 キツネは壁に設置された蒸気暖房に前足を置いて、教室をキョロキョロと見回していると、そのうち自然に、僕と目が合った。
「ねえ、ちょっと頼みごとがあるんだけれど」
 キツネがそう言った。
 一応、教室をもう一度見回してみる。相変わらず皆は教科書を捲ったり、ノートを書いたり。先生はさっきからわざと気が付かないフリでもしているみたいに、黒板と真剣に睨めっこしているし、風で小さく揺れるカーテンを煩わしそうに手で払う前の席の子も、結局、僕らの方を向くことはなかった。
「ちょっと頼んでいいかな」キツネはまた言った。
 若干抵抗はあったけれど、僕はただ「何を?」と、返事というよりその場にボソッと吐き捨てた。
「舟を漕いでほしいんだ。私の代わりに」
 僕は首を傾げて、キツネの鼻先をジッと見つめた。そして体をすっかりキツネの方に向きなおってしまって、声の大きさもたいして抑えずに聞き返した。
「舟?」
 まわりの人たちは、やっぱり僕とキツネなんか気にしない。
「とりあえずさ、ちょっとこっちに来てくれないかな」
 キツネはそう言うと、身を翻して、また窓の隙間をスルっと抜けて、外へ出て行った。
 僕はそんなキツネの背中を見送って、暫くボウっと窓の隙間を眺めていた。なんだかそのまま何事もなかったかのように、また窓の画角に枯葉でも映ると思ったから。ただ、やっぱりキツネは確かにそこにいて、耳やら口やらがヒョコヒョコ見え隠れしたと思うと、今度は顔だけ窓から教室に出して「ねえ、早く来てくれよ」と言った。
 少し迷って、先生の方を見てみる。やっぱり先生は黒板に夢中で、僕らのことなんか気にしていない。僕は思い切って、それでいて当たり前のことみたいに、自然に立ち上がって窓を開けて、窓枠に足をかけて教室から抜け出した。
 僕らの教室は一階だったから、そのまま落下していくなんてことはなかったけれど、足元をよく見てベランダに着地した後、辺りを改めて見回して、僕は呆然としてしまった。
 僕らの校庭はどこかに消えてしまって、そこにはただひたすらに海原が広がっていたから。
 ただ不思議と、恐怖だとか、疑問みたいなものはどこにもなくて、ベン・スティラーが演じるウォルター・ミティが幻想の中でオフィスから飛び出したときはこんな気持ちだったんだろうかなんて、そんな暢気な空虚にいた。
「ねえ、こっちだよ。早く来てくれよ」
 海を見て呆ける僕に向かってキツネは言った。
 キツネは隣の教室のベランダ辺りに舟を泊めていたようで、揺れる木製の舟に前足を乗せて、僕をジッと見つめていた。
「私の代わりにこいつを漕いでほしいんだ」
「舟なんて漕いだことないよ」僕は言った。
「大丈夫、何ならただ櫂を握っていてくれるだけでもいいんだ。私の手は、ホラ、何か掴むってことには向いていないから」
 キツネは僕に向かって片方の前足を突き出してそう言った。
 僕は息を深く吐いて、キツネのもとに寄っていくと、キツネはなんだかとても嬉しそうに、犬みたいに口を開けて舌をチロチロと出した。
「ありがとう、本当助かるよ」キツネは言った。
 僕が舟に乗り込むと、キツネも飛び乗って、僕らは向かい合うように腰かけた。そして僕が櫂を握ると、錨も何もない船が、そっとベランダのコンクリートから離れて、海原へ流れ始める。
「ねえ、漕ぐって言ってもさ、どこに向けて漕げばいいのさ」僕は聞いた。
「ここからずっと真っすぐに漕いでいくとね、また別の学校があるんだよ」キツネは言った。
「ここからその学校なんて見えないけど。ねえ、遭難なんてのは嫌だよ」
「水平線に隠れて見えないだけさ。すぐ見えてくるから大丈夫。大丈夫だからその櫂を離しちゃダメだよ」
 僕は改めて櫂を握りしめて、ゆっくりと前後にその櫂を押したり引いたり、ユラユラと揺らしてみる。辺りは見渡す限りの海原で、目印みたいなものは何もなかったから、一色の画面を拡大してスクロールするみたいに、僕らがどれだけの速度で、というよりは、どれだけの距離を進んでいるのかもあやふやになってしまう。ただ、ふと思い出して、さっきまでいた校舎を振り返ってみると、確かに流れた時間や、腕を動かしたぶん僕らは進んでいるようで、しっかりとその実像が萎んでいく。
 キツネに向きなおって、また櫂をゆっくりと動かす。目印がなくなると、やっぱり舟がどれだけ進んでいるのかなんてサッパリとわからなくなる。ただその感覚にも次第に慣れていって、僕らは暫く互いに黙って、見つめあいながらユラユラと揺れていた。
「いいもんだろ?」
 ふと、キツネが言った。
「何が?」
「舟を漕いでみるのがさ」
 僕はそう言われて、さっきまで自分のいた教室を思い出した。
「二次関数やら古典文法に比べたらね」僕は言った。
 キツネはまた口を開けて、その舌をチロチロと出して笑った。
「君は学校が嫌いなんだろう?」キツネが言った。
「どうして?」
「だって窓ばっか見てたじゃないか」おかげで私に気が付いてくれたわけだけど、とキツネは少し間を空けて付け足した。
 僕は何で窓なんか見ていたんだろうか? 少し考えてみる。
「別に、嫌いだからってわけじゃないよ」
 僕は言った。また少し考える。腕は動かしながら。
「ただ、少し退屈だったんだ。別に嫌いとかそういうんじゃなくて、なんていうかな、あぁ明日も僕はこうやって授業を受けるんだろうなって、思えば昨日も同じことしていたなって。そうやって考えていくとね、明後日も明々後日もって考えになる。それできっと明々後日の僕がこう思うんだよ。なんだか今まで同じこと繰り返してるって。そりゃ土日だとかそういうのはあるけどさ、けどそれも結局同じことで、輪っかをただグルグル回って、なんにも進んでいないように思っちゃうんだ。ハムスターみたいに」
「それと窓がどう関係あるのさ?」キツネは首を傾げた。
 僕らはお互い首を少し傾けて、ウンウンと考えて、ユラユラと舟の上で揺れている。
「窓はね、いつも見える景色が違うんだ。光の具合とか、空気の濃さがね。そして隣の窓とはまた別の画角になる。窓が同じ景色を映す日はないし、同じ景色を映す窓はないんだ。だからそういう、考えても仕方ないことを考えちゃったときは窓を見る。僕がただ同じだと思っている毎日でも、そういった、何だろう、僕の干渉できない大枠みたいなのは確かに変わっているんじゃないかって思えてくる」それから、またあの教室の窓を思い出して「それはそれで悲しいけどね」と僕は付け足した。
「ふうん」
 キツネはなんだか納得できていないような低い声で唸った。
「こうやって舟を漕ぐのは初めてだけれど」僕は言った。「もしこの行為が日常になっちゃったら、きっと僕はまたそういうことを考えちゃうんじゃないかな」
「今度は窓もない」キツネは言った。
「そしたら海の底でも覗いてみるさ」
 僕は舟を漕ぎながら、海面を覗き込むフリをした。
「なんだかどん詰まりって感じだ」キツネは言った。「なにしたって退屈になっちゃうんだから」
「そうかな」と僕は言った。けれど実際、キツネの言う通りかもしれない。
 僕と教室に残った他の生徒と、果たしてどちらが幸せなんだろうか? 彼ら彼女らは、本当は僕とキツネに気が付いていたのかもしれない。気が付いていたうえで、教科書に目を落とし続けていたのかもしれない。
 夢を夢とわかってしまうような、そんな明晰夢の中でも、彼らはきっと自然と目が覚めるまで、その夢の中で役割を続けていくのだろうと、ふと思う。
 僕はゆっくり舟を漕いで、教科書に目を落とす自分を想像してみる。窓の外にいるキツネには当然気が付かない。たとえ気が付いていたって、そういった物事を、そういう物事として自然に受け入れていく。僕が窓の外の出来事を僕の干渉できない大枠と言ってしまったように。
 そこには僕と彼らがどっちが幸せなんて考えはどこにもなくて、ただ自分が何をしているのかだけが残るんだろうか? けれどまあ、そういう生き方もある。
「結局、意識と認識の違いなんだよ。どれだけ気にしたってしょうがないこともある」キツネが言った。
 ハッと気が付いて、顔を上げると、僕らはキツネの言う目的の校舎に近づいていた。校舎の壁面は(だからここまで気が付かなかったのかもしれないけれど)薄い青に染められていて、遠くから見たら空と海に紛れてしまうような色をしている。
 舟はゆっくりと、なんだか吸い込まれるみたいに、校舎のベランダのコンクリートの前まで近づいて、自然と停まった。
「ねえ」とキツネは言った。「君がよければだけど、一緒にここで降りてさ、また暫くして海に出よう。今度は君も誰かに漕いでもらってさ。きっと君も退屈なんてしないよ」
 キツネは舟からコンクリートのベランダに飛び乗る。その背中を眺めていると、なぜだか櫂を握る掌にじんわりと汗が広がっていく感覚がする。
「いや、僕は帰るよ」僕はキツネに向かって言った。ちゃんと聞こえるように少し大きな声で。
「君の誘いはとても魅力的だけど、何だろう、もしここで降りたら、退屈から逃げるためだけに生きていくようになっちゃうと思うんだ」
「それって悪いことなのかな」キツネがこっちを向いて言った。
 僕らはまた互いに首を傾げながら、暫く黙って考える。
「わからないけど」と僕は言った。「退屈を退屈だと思えなくなる生き方もあると思うんだ。それこそ意識と認識の違いみたいに」
 キツネはもう何も言わなかった。
 僕らはまた互いに黙って見つめ合っていると、舟はなんだか突然、自分が動けることを思い出したみたいに、自然とベランダからまた海原へ流され始めた。
 キツネはそんな舟と、それに乗った僕を見ると、背を向けて、教室の窓を上手に開けて、その青い校舎の教室へと入っていった。
 それを見届けて、また櫂に力を入れて、僕は僕のいた校舎へ向かってゆっくりと揺れながら舟を漕ぐ。
 舟を漕ぎながら、また目を瞑って耳を澄ませる。そうして意識を僕のいた教室へ向けてみれば、またあの紙の捲れる音や、制服の衣擦れが、夜の秒針みたいに聞こえ始める。

舟を漕ぐ

執筆の狙い

作者
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舟を漕ぎながら舟を漕ぐ夢をみたらみたいな、くだらない思い付きです。
文章も構成もなにもかも稚拙ですが、よければ感想お願いします。

コメント

青木 航
sp49-98-147-199.msd.spmode.ne.jp

藤様。拝読させて頂きました。

> 秋の低い陽が、薄い雲の切れ間ごとに波をうって、教室へと流れこんでくる。


*これほど意味不明なことばにお目に掛かることは滅多に無いですね。

 季節は秋。太陽の高度は低い。
>薄い雲の切れ間ごとに波をうって ?

 光は直進する。薄い雲で屈折するの?
いや、『切れ間ごとに』だから、違う。何で光が波をうつのかさっぱり分かりません。
 まあ、『夢だから』と言ってしまえばそれまでですけどね。

そして、
>教室へと流こんで来る
 『流こんで来る』
 霧や雲ではなくて、光。違和感が有ります。『流れこんでくる』はゆっくりとした動きを連想させる言葉ですね。

>閉め切られた窓で外の音は全く聞こえないけれど

 北海道で、二重、三重になっている防音サッシの窓なんでしょうかね。"全く"がそう思わせてしまいます。

 そんな風に拘って行ったらきりが無いような文章だと思いました。

 このサイトでは、私は、どちらかと言えば異端者なので、暴言お許し頂きたいのですが、この辺が、私が所謂『純文学』を胡散臭いと感じ、抵抗を感じる部分なんですね。

>大衆小説に対して「娯楽性」よりも「芸術性」に重きを置いている小説を総称する。

そして、解説は、
>日本文学における用語
と続きます。
 
 そうです。日本人が好んで設定しているジャンルなんですね。そして、このサイトには、純文指向の強い方が特に多いように思います。

 感心がストーリーには無く、表現の技工に有るのが特徴と言えます。
 シンプルな文章は敬遠され、心象風景をいかに芸術的に表現するかに専ら感心が寄せられます。必然的に、形容詞、比喩に溢れた文章構成になって行きます。

『芸術』というのは多分に主観的なもので、実体が何処に有るのか無いのか不明な場合が多いと私は思っています。

 そんな風に考える異端児の寝言はさて置き、これ、夢ですよね。

 夢は非連続的で、突然の場面転換が起こるのが普通です。継続したひとつのストーリーになっているところに違和感を感じ、作り物感が有ります。

 チョークの音がきつねのノックに聞こえると言うのは大いにあり得ることと思います。
 現実に聞こえている音が夢の中に入り込んで来て、別の音として聞こえるというのは、日常的に起こり得ることと思います。

>紙を捲る音 >衣擦れの音 >ベン・スティラーが演じるウォルター・ミティ(2013年の作品ですね)

など主人公が高校生にしては不自然な表現が目に付きます。船の漕ぎ方もオールでは無く、鬼平犯科帳に出て来る和船のようです。

>舟を漕ぎながら舟を漕ぐ夢をみたらみたいな、くだらない思い付きです。
文章も構成もなにもかも稚拙ですが、

 礼儀としてへりくだっているだけで、作者には、特に描写に於いてかなりの自信が有るように見受けられます。そうでなければ、こんな凝った文章は書かないでしょう。

『舟を漕ぐ』は居眠りの表現ということなんですね。
 異端児のひとつの見方です。不本意な見方とお感じでしょうが、お許し下さい。

貔貅がくる
n219100087087.nct9.ne.jp

>枯葉が舞って、窓の画角に映っては消えていく。

すぐ下に上がってる作品の人も、序盤で「(窓の)画角」って言い方をしてて……
その人のは「>小さな入道雲を画角の縁に残して伸び切ったひよりは……」。
連続して見ることになっただけに、気になった。
(「画角」の意味を知らない訳ではないです)

前の人のもそうだったけど、本作も、作中「窓の画角」を【中盤でもう1度リフレインさせていた】し。。
単語のチョイスばかりか、「その単語の取り入れ方と、書き方」まで同様なんで、、、


そんな「局所的に酷似した2作」が、ぴったり「続き」でくっついて上がって来る「確率」って・・。




>チョークが黒板に当たるたびに、カツカツと打ち鳴って、白粉が舞っていく。

「打ち鳴って」は変かなー??
あと「枯葉が舞う」が複数回出て来るんで、どこかの「舞う」は諦めた方が、文章としてはいい。




序盤の教室の情景の描写が、ぎくしゃくしてて、日本語の流れがスムーズじゃないから、入りにくい。
そして【肝心なこと】が書かれてないから、教室風景が読み手の頭の中に鮮明に立ち上がって来ない。


冒頭、教室の授業風景に始まり、その場面のヴィジュアルや空気感が最高なのは、長野まゆみの『夏帽子』でしょう。
この手の作風(ふわっとした幻想譚)で書くんであれば、一読しておいて損はないです。

『夏帽子』冒頭は、ごく簡単に言うと、
〔教室で授業している教師が、白墨で「麦秋」と板書する。それをノートに書き取って、ふと窓に目を転ずると、夏帽子の人が校庭を横切ってやってくるのが見える。きっとあの人が新しい理科の先生だーーと、生徒たちは一斉に窓の外を見やる。〕
って感じだったと思った。

貔貅がくる
n219100087087.nct9.ne.jp

要約だと、『それの何が巧いのだ??』かもしれない。

しかし実際に読んでみると「破格に日本語巧い」のです。


いま・この時……の季節。授業中の教室内の空気と臨場感。そこにいる生徒達の年齢。

すべてが「麦秋」という、たった一言にものの見事に収斂されている。

完璧な導入部。

hir
f62-pc77.cty-net.ne.jp

 人魚と遭遇するでも、海賊に襲われるでもなく、自問自答な内容は、どうにも説教くさい。
 海を渡るために必要なのは、覚悟じゃなくて確信なんだ。と言いたいのでしょうか。
 

叶こうえ
pw126236112238.12.panda-world.ne.jp

無駄な言葉が多い印象です。
ご自分で「それ」「そんな」など、なくても意味が通じる言葉の数を数えてみましたか?
冒頭の幻想的な描写は私は好きです。
波打つのは、寝入り端、主人公が瞼を閉じたり開いたりしているのかな、と想像しました。
描写に凝りすぎな感もあるので、もう少し簡素な部分も欲しいですね。

softbank126099241182.bbtec.net

青木航さん感想ありがとうございます。
描写については、他の感想でも指摘されているように、芸術性云々以前の問題で、単純に下手な文章を書いてしまったと猛省しています。
また、夢というものの捉え方として、非現実的現象を自然に受け入れて処理していくこととして書きましたが、青木さんのいう「夢は非連続的で、突然の場面転換が起こるのが普通」というご指摘はもっともで、作劇上都合のいい行動をする登場人物に対して不信感を抱くのは当然かもしれません。こういった夢を一つのテーマとして書いたはずの小説で、そのテーマである夢の扱いをぞんざいにしてしまったのは、作品構造としても致命的な欠陥でした。
感想、ご指摘ありがとうございました。

softbank126099241182.bbtec.net

貔貅がくるさん感想ありがとうございます。
「画角」という表現については、前の人の作品を私はまだ拝読していないので、本当に偶然ということになります。
拙作の文章、描写については、推敲以前に、単純に下手な文章を書いてしまったと猛省しています。『夏帽子』は読んだことがないので、参考にして情景描写や、スムーズな文章について理解を深めたいと思います。
感想、ご指摘ありがとうございました。

softbank126099241182.bbtec.net

hirさん感想ありがとうございます。
確かに、なんのドラマもなく、ただ舟で揺れているだけなのは退屈だったかもしれません。
海を渡ることはそんなに重要ではなくて、その行為そのものをごく自然に受け入れている主人公を問題にして書いたつもりでした。ただ、描写不足というか説明不足というか、そういった自問自答に説教くささを感じるというご指摘は、私の文章力と、構成力の不足を痛感しました。
感想、ご指摘ありがとうございました。

softbank126099241182.bbtec.net

叶こうえさん感想ありがとうございます。
元の文章が下手なのもありますが、推敲不足でした。
ただ、そういった不出来な拙作に、一部分にでも好意的な感想を持っていただけたのは大変嬉しく思います。
今後は作品全体の描写のバランスに気を付けて、推敲を重ねていきたいと思います。
感想、ご指摘ありがとうございました。

アン・カルネ
219-100-28-90.osa.wi-gate.net

藤さんは星の王子様とか好きなのかしら。いえ、キツネが出てきたのでなんとなくそう思っただけですが。
キツネ、可愛いですね。そしてなんとなくだけど分からないではないかな、という世界観はあったような気がするかな。
本当は普通でいられることは紛れもなく幸運なことなんですけどね。でも若いうちは何も起きない日常は退屈で、だからここではないどこかへ、とふっと思う事があるよね。私も中学生の時は窓際の席で授業中、窓の外をよく眺めていたっけ。
教室は4階で、そこから見る景色の中にはプラタナスの木があって、ただそれだけのことなんだけど、気に入っていたのよね。そして漠然とその風景を眺めながらなぜか海賊コンラッドが私をここから連れ出しに来ないかな、なんて思っていたわ(笑)。当時はバレエの発表会の練習中で演目が『海賊』だったのよね(笑)。
さて。
主人公は居眠りとはいえ退屈な日常からちょっとだけ違う世界を垣間見る。
まあ「青い鳥」(教訓めいたことは脇へ置いて)的でも「銀河鉄道の夜」的でも方法としては手垢にまみれ何を今更感がありますが、描かれる世界が良いものであれば、王道は王道として良いものです。

くだらない思いつきと卑下せずにいつかとびっきりの思いつきに変えてみてくださいね。

softbank126099241182.bbtec.net

アン・カルネさん感想ありがとうございます。
星の王子さまは、とても好きな小説です。ただ、今回この小説を書くにあたって特に意識はしていませんでした。それでも「でも若いうちは何も起きない日常は退屈で、だからここではないどこかへ」と言われているように、年齢による世界の見方の変化をそれとなく書いてしまっていたので、意図せず影響を受けてしまっていることに気が付きました(キツネとかもろですね)。影響を受けているといっても、比べるのも烏滸がましいほどの出来になってしまったのは、恥ずかしい限りです。
世界観やその描写についてもう少し勉強して、自分の思いつきに自信を持てるよう励んでいきたいと思います。
感想、ご指摘ありがとうございました。

m
zaq7ac52689.zaq.ne.jp

冒頭の描写は好みに一票入れます。晴れた日の波打ち際を思い出して(このタイトルなので)すっと入った感じで。気になったのはその後で、手だけで判別できるとは、とか映画か舞台か知らんけどマウントかとかそもそもキツネでこうなの?とか。だったのですが入れ替わっちゃうとこで反転するのがすごく面白かったです。キツネと思ったらキツネで本当にキツネでは意味がなくなるし凡人の感性で見る夢でもないわけだ。読後に残るイメージが美しいです。

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