作家でごはん!鍛練場
茅場義彦

挿入

ロスジェネ大学性日記

「横川君って童貞なん」
「え!」
 寺下茜は白ワインの飲みすぎで鼻の上のソバカスが見えなくなるほど顔が赤い。
「男らしくないなあ、さっさと告白しい」
「何で君に言わな駄目なんや」動揺しすぎて方言が出ちまう。

なんとか東京の国立大学の学生として北陸の田舎から入学し、新歓コンパで僕は顔も身体も乳房もミニマム女子の寺下茜の右隣に座るという僥倖にあう。

「私人形劇サークルに入って、"3匹の童貞豚"っていうコメディやろうおもっとるんや」
「そんなんどの保育園でもアウトや」呆れて彼女の顔を見入る。
「子供には見せられんかなあ」
「あたり前やろ」
「人形劇は老人ホームでもやるみたいやから、そこで発表すればいいわ」
「お年寄りだって、"童貞豚"に戸惑うわ」

「人生経験豊富だから何でも受け入れてくれるってばよ」
「一年生が脚本書かせてもらえるの」気になって僕は聞いた。
「熱意さえあればいけるんやない」
 茜は中性的な瓜実顔を痙攣させてケタケタ笑っている。死ぬほどカワイイけど、ここまで赤裸々な喋りをするとは予想だにしなかった。さすが関西女子。

「横川君童貞感バリバリなんに、酒はちゃんと飲めるんやなあ」
そういって彼女はデカンタから酢のような匂いがする白ワインを僕のグラスに注いだ。確かにどんだけ飲んでも顔に出ない体質は親にちょっと感謝したい。

「なんで童貞呼ばわりするんだよ」
「だってこのクラスで現役なんて私と横川君と出川さんだけやろ」

そのクラスはほとんどが浪人生だった。団塊ジュニア世代でもっとも競争が激しく中堅大学に入るのにも浪人する時代だった。

「もしかして、現役組は童貞だって思っとるん」
「そうや。勉強し過ぎで相手見つける余裕ないからなあ」
「じゃあ、寺下さんも」
「……うちも処女や。横川君と同じやわ」
「ふーん」
「私と同じなんて名誉なことや」
うきゃきゃと小猿のように笑う。
「しかし、関西の人は開けっぴろげだなあ」
「だなあって、無理して東京弁使っとるね」
「東京だよ、ここわ」
「23区外なんて東京いえる? うちのアパートネギ畑の隣ねんよ」

子供の数が2百万を超える押しくら饅頭世代。受験戦争がキチガイじみていたため、ようやく有名どころの大学に入れて僕たちは心底ほっとしていた。バブルはとっくに崩壊して、山一証券の倒産や非正規採用が本格導入され、卒業する頃にはメチャクチャ悲しい就職難が待っているというのに。

「横川君も人形劇やらんか」
「え、何で僕が」
「パンキョウの時間、ノートに漫画かいとったやろ」
「落書きですわ」
「面白い絵やったわ。個性あったよ」
「漫研いきたいんだよ」
「話作れるんやったら、人形劇でいいっしょ」
 何でそうなるんだと納得出来なかったが、誘い手が余りにも好みの容姿と声質なんで僕は簡単に妥協する。
「じゃあ、一緒にサークル見学いこうっか?」
「行こう行こう」

喜ぶ彼女の笑顔が眩しくて、僕はこの娘に借金申し込まれたら50万円くらい無担保で貸せるな、と思った。もちろんそんな大金はないけど。

 同じ人形劇サークルに入ったのがきっかけで、僕は寺下茜と付き合うようになった。自分のアパートは4万円の風呂無しだったので、しょっちゅう彼女のネギ畑の隣にあるアパートに泊まった。

「お金の起源を子供に教える劇やりたいなあ」

寺下茜は中学生サイズの乳房を僕の痩せた胸の上に置いて微笑む。一回戦を終えて秋の夜長に僕らは互いの脆弱でつるりとした皮膚に口づけしあい、それに飽きると人形劇の話をした。

「相変わらず訳分からんこと言うな」
「貝殻とかを王様が持ってきてやなあ、明日からこれがお金だよって言っても誰もよう理解しんやろ」
「そうだろうね」
「それって文明の別れ目やん」
「貝殻マネーの導入が文明の分れ目って大袈裟やろ」
僕は律儀につっこみをいれる。関西女子と付き合うの紳士のマナーじゃ。

「それまでは米とか絹がお金のかわりやったんよ」
そう語る茜の目は狂信的な巫女のよう大きく見開かれる。何だか恐ろしくて彼女の癖っ毛を撫でてあげた。ドウドウ……
「子供たちが喜ぶテーマじゃないだろう」

茜は僕の忠告を無視して続ける。
「王様は貝殻マネーの有り難みを周知するのに一人の美しい盲の女奴隷を連れてくるんやわ」
「ほおほお」
色っぽい話は好きだ。僕は茜の甘海老の剥き身みたいな白い尻に手を伸ばす。
「おしり好きめ」茜は僕を睨んだ。
「出しっぱなしでいる奴が悪い」
「で、王様は貝殻百枚もってきたモンにこの女奴隷を好きにしていいぞっていいよるねん」
「それじゃあ発奮する男が出てくるよな」
「そうや。エロ見たくてパソコン普及したのと同じ原理やわ」

 茜は立ち上がって、両手を大袈裟に広げた。勿論18歳のおっぱいは丸見えだった。ああ小さいけど神々しい。
「さあ王よ、貝殻100枚集めましたぞ。我にその美しい女を下賜されよ」
「それでそれで」
「あとはソウニュウの日々やわ」
「So new」
茜は卑猥にも見える笑顔を浮かべる。こんな小さな身体にちゃんと赤ちゃんを産み育てる機能が備わってんだと、妙に感動する。人類が繁殖をやめないはずだ。

僕も立ち上がって、正面から茜の裸身を抱きしめた。そして、かがんでわりと大きめの右の乳房の先端に口づけした。
「貝殻持ってきたか、アホ」
茜と付き合って初めて女性にも性欲があることを知ったのはほんの一ヶ月前。
「出世払いでカンベン」
「キミ、出世するタイプやないやろ」

 右手の薬指を差し入れると茜のアソコは日本経済の失速を物ともせずにおおらかに潤っていた。僕は彼女の内奥に沈む。ああ、っと声をあげ茜がその脂肪の薄い裸身を硬直させる。
僕は彼女の鎖骨に舌を這わせながら、古代に貨幣の宣伝のために陵辱された貝殻奴隷たちが本当にいたんじゃないかと、思ったり思わなかったり。

挿入

執筆の狙い

作者 茅場義彦
M106072175192.v4.enabler.ne.jp

コンペに間に合わなかった。。。。。。。。。。。。

コメント

大丘 忍
ntoska314132.oska.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp

今の時代、いとも簡単に挿入できるんですね。私の頃は、初めて挿入するのに1年半かかりましたが。

茅場義彦
M106072175192.v4.enabler.ne.jp

大丘先生 まあ人によるかもでづねええ

アリアドネの糸
dhcp.nipne.ro

抜けの部分が魅力的な作品でした。
抜けというのはつまり、拍子抜けしたり、毒気が抜かれたり、要するに、いい具合に素敵頓珍漢な掛け合いがよかった。会話文は特に。
あと、地の文では
>僕はこの娘に借金申し込まれたら50万円くらい無担保で貸せるな
なんかよかったな。彼女に入れ込んでいる様が、妙に拍子抜けな現実的な打算で描けている。これってばコントラストで、「抜け」の表現なんです。
いいね。

ただ、地の文が下ネタだけで出来ているので、飽きてくる。下半身でものを考えるお年頃のリアルを描くのはスパイスとして悪くはないのですが、そればっかだと窮屈になる。単純になる。単調になる。と言う言葉で伝わりますでしょうか?

あと展開が急過ぎ、唐突過ぎで、ひとつの作品としてはまとまっていないけど、これを指摘するのは野暮ってものか。

過去に作品も読ませてもらいましたけれど、場面を作るのはお上手だと思う。けども、場面同士を繋げて、ひとつなぎに紡いでいくところは、ちょっとビミョい。なんとなく台本っぽいなって思う。紡いでいくところは役者の演技の見せ所かつ委ねるところなので、台本なら成り立つのにね。って思った。(実際の台本とは違うので例えです)

茅場義彦
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そうですね 地の文書くの苦手なんで まあ こうなってしまうのう

スマヌ これが玄界灘

ニャンコロ
110-132-110-247.rev.home.ne.jp

拝読しました。

三匹の童貞豚ってどんなお話になるのだろう?(笑)
老人ホームでもしウケなかったら、そのまま地獄を見そうな展開になりそうで、想像するとちょっと面白かったです。
(全然関係ないですが、So newって言葉このサイトでは流行っているのかな?)

二人の心が近づくエピソードがもっと読んでみたかったというのと、設定と展開とを密に絡ませるともっと面白くなりそうだなと思いました。
二人の関係が自然体で読んでいて身近に感じましたので、これは良かったところですね。

茅場義彦
M106072175192.v4.enabler.ne.jp

ニャンコロさん 3匹の童貞豚が受けた時点でこの作品のミッションコンプリートかと

青井水脈
om126194254147.10.openmobile.ne.jp

コンペはpinoさん優勝で終了してますね。アフリカさんにはここで断り入れて、今作に○を一つ。
王様と貝殻マネーの話が興味深く面白そうだったので。本当にスピンオフで読んでみたいくらい(笑)

茅場義彦
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貝殻マネーは書いてます 次回更科日記

ありがとうございます

macoリカ
p88094-obmd01.osaka.ocn.ne.jp

なんか魅力的な作品だなあ。飄々としていてスケベで丁寧でそこはかとなく悲しみみたいなのが漂っていて。思ったり思わなかったりというふわっとした終わり方が好き。

茅場義彦
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リカさん
本当ですかああ。。!びっくりだわ

あでゅー
KD106154127003.au-net.ne.jp

どうも。
地の文が、会話の邪魔をしていて、読みずらいと思ました。

茅場義彦
M106072175192.v4.enabler.ne.jp

アデューさん

そっか。。。無念

あんどこいぢ
61-21-69-203.rev.home.ne.jp

どうも済みません。

茅場様主催のコンペももう全 200 作品外になって随分経ちます。
確か参加者はコメントもつけて講評し合うという参加条件もあったと思うので、私は意外とそういうことには拘ってしまうほうで、それを実行できず、非常に残念です(とはいえ相当時間遅れでコメントしてしまったりなど、皆様にはかえってご迷惑をかけてしまったような感じで、本当にどうも済みません)。

今回のこの企画も「エロ」ということで当初から反応してしまっていて、「挿入」といえばたとえば、映画やドラマなんかの挿入歌だって挿入なので、実はエロに限った話ではないのですが、長年官能小説の投稿なども続けて来たので、どうしてもそういう反応になってしまいます。

その私の経験からすれば(なんの実績もないただの素人が単に長い時間を割いたというだけの経験なのですが)、難しいヒロインにチャレンジしているなと感じました。

文字だけで画を伝える場合、結局否定的なことは書かないほうがいいのかな? という感じがしています。
そうするとどんなに美乳だと書いても微乳は微乳で、読者はそれに引っぱられて微乳を超えて貧乳みたいなものをイメージしてしまうのかな? と、要するにそんな風に感じているのですが、まあ本当は、それを超える表現力が書く側にあればいいのだという話かもしれません。
(他にもたとえば、肉感的な厚めの唇、などというのを表現するような場合も、読者は鱈子唇のようなものをイメージしてしまうのかもしれないな、などと……)

この作品の場合ヒロインの性格とその肉体的特徴とがちゃんとマッチしていると感じました。

私もこんな風に書けたらいいなと感じました。

それでは、失礼します。

茅場義彦
M106072175192.v4.enabler.ne.jp

あんどさま

会話ばっかですかすか でづねえ

こんなんしか書けません

太郎仏
M014009196000.v4.enabler.ne.jp

感想返しということで描きます。実際の実体験を書いたと思いますが、
まず描写ですね、私ではなくプロの村上春樹先生とかに比べるとまだまだ下手です。
そこを及第させるべきでしょうね。
あとはネタかな。実体験だけだとひねりがないし、ネタとして捻る部分が必要だと思う。
例えば人間失格はまんま私小説だけじゃなく捻ってるわけです。

茅場義彦
133.106.154.223

妄想話をまんまと実体験だと思わせたなら性交もとい性向もとい清光。。。っrっと

太郎仏
M014009196000.v4.enabler.ne.jp

だから描写とネタをもっとしないと成功とはいえませんよ。
正直私が騙されただけです。

太郎仏
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正直下手なので見分けがつかなかったのが正直なところです。

茅場義彦
M106072175192.v4.enabler.ne.jp

お前に言われるか。。。

太郎仏
M014009196000.v4.enabler.ne.jp

だから、本気で書けば僕達のレベルなんてどっちもどっちだと思いますよ。
僕の今回の作品は確かに手を抜きすぎてたんですが、実際ワードじゃなく投稿欄に一発書きしたのです。
じゃなくて、そういう低いレベルじゃなくてプロのレベルに届くように鍛錬すればと言ってるんです。そういうレベルから見れば技巧的にはまだまだ全然ダメなのはわかるでしょう。

太郎仏
M014009196000.v4.enabler.ne.jp

まあカクヨムに人間合格って晒してるけど
実際、公募だったら僕もこのくらい作り込む訳です
でも一向に届かない。
そもそも公募の送り続けたりごはんに勝ち散らすのだけが鍛錬というのが間違えてる気がする訳です
そこら辺ですよね。
そこを考えるべきかと。

茅場義彦
M106072175192.v4.enabler.ne.jp

確かにお前がゴミ書き手なのはマルクス主義が旧時代の産物だってくらいに明白な歴史的事実

太郎仏
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だからマウント取るのに素人の作品で熱くなって俺が上だとかやってちゃダメな訳です。
目線を上げてプロのしかも評価されてる作品と自作を評価しないと。
だから俺はゴミなのは間違いないけど村上春樹やドストエフスキーやマルクスにだって
生産手段の社会化が完全競争市場ということはかけない訳です。
それは村上春樹にそう指摘すれば参りましたというと思うよ。もちろん仮装現実だけど。
だから敗北感を与えたのは悪かったけどこれに負けたんじゃなく村上春樹やマルクス以上の男に負けたと思いなさい。そうやってプロやプロ以上との作品と比べて自分を強くする必要がある。
僕は作品ではプロじゃないけどマルクスを超えた共産主義者ではあるからそれは指摘していいと思うけど。
だから僕の作品や正直こんなゴミより全然上だという人間合格に勝てる、お前はゴミだというなら一つ歴史的なレスをしてみなさい。
生産手段の社会化が完全競争市場でありうるという指摘より上のレスを。
正直マルクスはマルクス主義者ではないと言ったけど、
マルクスだって生産手段の社会化が完全競争市場とはかけないのです。
まあそのくらい言ってもいいと思うけどね。

太郎仏
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だからこういうこと21世紀キョウサンゲリオン
もゴミ
人間合格はプロの先生には褒められたけど
まあ文学賞には落ちました。だからゴミでいいけど。
でも生産生産手段の社会化が完全競争市場でありうるという指摘は
どんなスゴい共産主義者でもできてないんですよ。

太郎仏
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だから俺も描いてて正直マウント合戦になったけど
まだ公募で人間合格をさらせないひよっこだって思うよ。
正直素人マウント合戦するなら俺の方が全然上だよ。
ただそれでは公募は通らんってことを言ってるんだよ。

太郎仏
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だからはっきり言ってやろう
俺は素人レベルでもお前のレベルより数段上だ。
その俺でもプロのレベルには届かん。
だだし生産手段の社会化が完全競争市場って指摘はプロを超える。
その俺がお前はまだまだひよっこだって言ってるの。
部を弁えろよ

太郎仏
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第一下手なんだよ。正直読むきせん。
まず写経と読書を毎日一時間は続けること。
こんな悪文でろくに読んでもらえる訳ねーだろ。
俺だって読み飛ばしたわ。
何が会話文しか書けねーだ。読書と写経してれば書けるんだよ。
ごはんレベルでもお前なんて最下層だわ。
だから一橋の恋愛事情を書くなら一橋のある国立市とか
東大は無理だったとかからそれっぽく書くんだよ。
何が妄想話が本物だよ。
下手すぎて実話を小説以下の作文くらいにしか見えなかっただけだよ。
嘘癖ーんだよ。
顔洗って出直せ。
あのなこれくらいだったら正直ごはんでは一枚でいいんだよ。それ以上の鍛錬があったら長くするんだよ。
そのくらい弁えろよ。

太郎仏
M014009196000.v4.enabler.ne.jp

まずなお前の読書が足りてないから、長文や論理的コメントが出てこないんだよ。
その短文で吃ったようなコメントは読書不足と執筆量が足りないからだ。もっといろんな読書をして執筆しまくる。写経って言ってプロの作品を写すトレーニングも有効だ。
そうすりゃもっといろんなコメントが出てくるだろう。執筆で地の文も描けるようになるよ。
読書と執筆が足りてない。

しまるこ
om126166189197.28.openmobile.ne.jp

>喜ぶ彼女の笑顔が眩しくて、僕はこの娘に借金申し込まれたら50万円くらい無担保で貸せるな、と思った

>右手の薬指を差し入れると茜のアソコは日本経済の失速を物ともせずにおおらかに潤っていた。

この辺りはセンスがなければ出てこない言葉かと。地の文、悪いどころか、いいと思います。以前よりずっと上手くなっておられるんだなぁと思いました。

太郎仏
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おいおい傷の舐め合いは辞めよーぜ。
まあそれもいいけどよ

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