作家でごはん!鍛練場
莉都

湖と月の先

 逃げてばっかり、と呟いてすぐ、スマートフォンを枕に投げつけた。
 ボスンと、落ちた音を合図に、私は正座したままそこを見つめて、キリキリと声を上げて泣く。心が引き裂かれるって、これだ。あと何回経験すれば良いのだろう。
 私は母を求める子供のように泣きながら、そのまま上半身を倒し、枕に顔を当てた。枕に押し付けても、一人暮らしの家では自分の声が嫌というくらい響く。そして誰も拾ってはくれない。幸か不幸か、それを言い訳にして、私は大きな声で「啓介の馬鹿ー!」と泣き叫んだ。
 一緒になって枕に落ちているスマートフォンを持ち上げて、画面を見てもう一度、拒絶を知る。〝一人にさせてください〟と書かれた敬語に、距離を実感して更に泣く。

「蓮……」

 啓介とのLINEのトーク画面を消して、〝一ノ瀬蓮〟の文字を探す。
 ーー衝動だった。いつもそうだ。
 私はこういうとき、いつも〝蓮〟に逃げる。
 二十六歳。未婚の女。一人暮らし。相手にしてくれない彼氏。……充分すぎるくらい、孤独だった。
 時計を見ると、零時過ぎ。私の世界に、夜が降りる。
 私はその世界に鍵をかけて、自分で自分を閉じ込めるのだ。そうすることで、絶対的に安心できる空間を作る。
 その鍵とは、蓮のこと。
 私は、迷うことなく通話ボタンを押した。数回目のコールで、落ち着いた声が聞こえる。「どうしたの?」って。私の世界に、柔らかな光を落としてくれるような、そんな声色だ。

「啓介がぁ~、また、引きこもったーっ」

 母親にしがみ付くような声で私は泣きながら伝えた。スマートフォンを握る手に、力が入る。そして強く耳に当てる。蓮の声が、安心するから。
 彼は慣れたように、「またか……」と呟いた。私からいきなり電話が来ることで、きっといつものことと、予測出来ていたのだろう。
 その蓮の声を聞いているとき、私は無敵になれる。啓介が入り込む隙さえ与えない。

「大丈夫?」
「大丈夫じゃないよぉー」

 大丈夫? の声だけで泣ける。あまりにも優しくて。
 私はベッドの上で仰向けになり、布団を被った。ーー温かい。体も、耳の中も。心も。
 いつもごめんね、と少しだけ心を落ち着かせてさめざめ泣くと、「いや、大丈夫だよ」と蓮は微笑む。電話越しでも、柔らかな笑顔が浮かぶ。どうして私の彼氏は、蓮では無かったのだろう。

「辛かったね」
「うんっ……」
「よく頑張っているよ」
「う~~っ、うんっ、うんっ」

 蓮は、共感が上手い。私が今欲しい言葉を与えてくれる。
 共感と、アドバイスのバランスが上手いのだ。そして、その状況をよく見ている。今どうするべきかって、女同士の親友と、話しているみたいに。啓介とは、まるで違う。
 そんなことを考えたらまた激しい感情が突き上げてきて、私はみっともないほど大泣きする。うわーんって、子供でいられなかった大人みたいに。
 蓮はいつもそういうときも慌てないで、「大丈夫かー? 辛いよな。頑張ったよな」と落ち着くまで声を掛けてくれて、たまに微笑んでくれて、待っていてくれる。こんな優しさを知ってしまったら、私は蓮に逃げたくなる。だって、寂しさには勝てないから。

「なんかね、私がね、会いたいって言ったらね、」
「うん」
「返信来なくてね、」
「うん」
「それで何回か電話したらね、」
「……うん」
「『今は自分のことで精一杯。ごめんね。一人にさせてください』って! 酷くない!? 恋人なのになんであんな淡白なの!? 一週間に一回会うだけがそんなに負担なのかな!? これじゃあ付き合ってる意味ないよね!? 結婚とか最初はずっと言ってたくせに! 結婚どころか、会うことさえできないよぉー!」

 ほとんど息継ぎ無しで伝え切って、私はまた大泣きした。蓮は「大変だな……」と言葉を選ぶことに迷っている。
 それはそうだろう。この問題は、もう一年も抱えている。進展は無いどころか、悪化していく一方だ。波は激しく、山あり谷あり。たまに与えてくれる飴に心踊らされて、一気に落とされる谷に絶望するの繰り返しだ。

「それでもさ、莉緒は啓介さんのことが、好きなの?」
「分かんないもう……年齢もあるし焦るよ……」

 結論の出ない会話ほど、面倒なことはないだろう。こんな私に長年付き合ってくれるのは、蓮だけだ。私は一瞬だけ、意識を遠い過去へと置いた。



 私と蓮は、職場の同期だ。と言っても、私にとっては〝元職場〟だ。二年前まで勤めていた。
 私達は配属された部署が同じだった。同期だし、同じ部署だし、ランチタイムや飲み会は、必ずと言っていいほど同席した。
 同期は一年目のとき、研修や企画発表など、時間を共にすることが多い。同じ業務達成に向かって意見交換をすることがよくあった。
 その中心に立っていたのが蓮だ。頭の回転が早く、察しが良く、計画を立てることが上手く、何もかも断トツだったのが蓮。同期の皆が蓮に付いていった。そのためか、今年の新人は優秀だと、周りからは言われた。
 企画書を提出するためとか、残業後に交流会をするためとか、色々な理由が重なって、同期は全員LINEを登録し合い、グループを作った。土日以外はほぼ毎日、グループラインに誰かが会話を投げかけてきた。
 干渉されているようで、でも寂しくはない。幸い、私達は仲が良かった。運に恵まれて、争いを好まない性格同士が集まった。
 それでも、二年目になると、同期とよりも同じ部署の先輩や後輩との関わりのが多くなった。蓮以外は皆、部署が別々で、営業に回った同期はほとんどオフィスに戻ってこない。必然的に、私と蓮の二人だけの時間が増えた。ランチタイムも先輩を交えたり、蓮と二人きりだったり。
 そのとき、初めて彼氏の相談をした。今では元彼の、智樹君。最終的には浮気されて終わった。それまでの間、蓮は何度も私に手を差し伸べてくれた。
 多分、いや絶対に、あのとき蓮は私のことが好きだった。



 三年目の途中で、私はその仕事を辞めた。
 惜しまれながらだった。でも私は、やりたいことがあった。あのときの私は夢に向かいたくて、真っ直ぐだった。智樹君との別れを経験し、強くなれたと思った。
 退社の挨拶のとき、蓮が少しだけ、寂しそうに笑っていた。そのときから私は、心が蓮に向きかけていたのだ。今、思えば。



 新しい職場は、過酷だった。想像の範囲を超えていた。温かい職場しか知らなかった私は、打ちのめされた。
 年配の厳しい女性の先輩に、生意気な年下の先輩。いつも怒っている顧客に、頭を下げる日々。
 耳が痛かった。あちらこちらから聞こえてくる、尖った声と悪口。誰が味方で、誰が本当の敵なのか、分からなかった。女性ばかりの職場は、私には合わなかった。
 ーーそのときだった。久しぶりに蓮に連絡を取ったのは。〝久しぶり〟ってLINEを入れたら、十分も経たないうちに〝久しぶり〟と返信が来ていた。
 事情を話して、私達は仕事のあとに、居酒屋で数ヶ月ぶりの対面をした。
 その、会った瞬間。私は完璧に、恋に落ちた。
 しばらく仕事の愚痴を聞いてもらい、お酒が回った頃に、「彼女はいるの?」と聞いた。一緒に勤めていたときはいないと言っていた。
 同じ答えが返ってくることを願いながら待っていると、しばらくして「ついこの間、出来たんだ」と彼ははっきりと、正しく伝えた。
 私は、ああ、そうなんだと悟った。〝友達〟のままで居ないといけないんだ、って。
 私達は一瞬の隙間を埋めるように笑って、おめでとうとありがとうを繰り返した。
 その報告から少しして私は、半ばやけくそに合コンに参加し、啓介と出会った。自分の精神が整っていないと、それが整っていない者同士で引き寄せ合ってしまう。私と啓介は、まさにそういった関係だった。



「別れたほうが、良いと思う」

 蓮の言葉に、電話へと意識を戻す。その言葉を聞き、現実の重さを知って、私はまた泣く。「悪かった。莉緒を想ってのことなんだ」とフォローしてくれる蓮。「うん、分かってる、ごめんね」と私は心を落ち着ける。

「莉緒、ちゃんと伝えるけど、ずっとこのままだ。これでは、変わらないよ」
「うん……」
「苦しくないのか?」
「苦しいよ……」
「莉緒だって、幸せになれるんだよ」

 蓮と付き合えたなら私は幸せになれるよ、と堂々と伝えられたら良いのに。
 私は沈黙を続けた。言葉が出なかった。
 蓮の彼女は、私達より四歳も年上らしい。意外だった。しっかり者の蓮が、年上の彼女と付き合うことが。
 奪ってやりたいと思った。でも、駄目だった。蓮は優しいから。強く約束した人を、裏切ったりはしない。
 ただ、絶対に、蓮は私のことを好きだった。だから今だって、〝友達〟という枠を越えないことに気を配りながら、私に接してくれている。
 でも私達は〝友達〟だからこそ、簡単な約束しか出来なかった。理由をつけてLINEをするとか、相談をするとか、聞くとか。それくらい。
 会うのは躊躇われた。彼女に申し訳ないからと、いつか蓮から告げられたことがあった。……悔しかった。そのとき、写真を見せてと言った。勝てる場所があれば安心できるから。困った顔をした蓮は、仕方なく写真を見せてくれた。〝蓮の彼女〟は太陽のような明るさで笑っていて、大人らしく美しかった。
 私は、心が落ちてしまった。拾い上げる余裕もなく、「素敵だね」と伝えることで精一杯だった。察したように蓮はすぐ、スマートフォンを鞄に仕舞った。

「幸せになりたい……」
「なれるよ。莉緒なら、大丈夫」

 私は蓮の前で本心を言いながら、嘘もついている。嘘に嘘を重ねて、自分の現状から、変化から、逃げている。
 本当に幸せになりたいのならば、依存心と焦りと孤独感に打ち勝って、啓介と別れなくてはいけない。今の仕事だって、これだけ打ちのめされたのだから、変える選択肢もある。一人暮らしだから大変だなんて理由をつけて、自分の心を守らずに、逃げながら現状維持をしてきた。恋愛も、仕事も、ボロボロだ。
 そんな私を見放さず、見ていてくれる蓮のことだって、本当は、突き放さなくてはいけない。四歳年上の蓮の彼女は、結婚を望んでいると、前に蓮から聞いた。私から、聞き出した。家で一人お酒を飲みながら、電話越しに。

「分かんないよ。もう結婚もしたいし辛い」
「その男と結婚してさ、幸せになれると思う?」
「なれない」
「……分かっているじゃん」
「分かってるよ! でも簡単じゃないんだよ」

 蓮の優しさに甘えて、私は反抗する。馬鹿みたい、って思った。自分のことを。
 でももっと馬鹿みたいって思うのは、神様が私達を出会わせてしまったこと。
 運命とは、タイミングだ。タイミングさえ合えば上手くいくものも、合わなければ、もうそのままだ。私と蓮は、完全に手遅れだった。
 だから私達は、何処へも行けない。
 私は夜の湖で、貴方は夜を優しく照らす月のよう。私はいつまでも優しい月明かりと暗闇に、心を預けてしまっている。湖から這い出て、外の世界に飛び出す勇気が、まだ無い。
 そんなことを思ったら、また泣けてきた。声を出さずに涙を落としていると、耳の中に入ってくる優しい声。「莉緒。窓を見てごらん」って。ロマンチックなことを言う。

「なんで……?」
「俺がよくそうするから」
「そうなの?」
「そうだよ」

 そうだよ、の声さえどうしてこんなにも温かいのだろう。私はまた涙を一つ零して、カーテンを開けた。私の家は三階で、目の前が駐車場だから視界が広く、遠くの夜空まで見ることが出来る。

「月が、綺麗でしょう」

 蓮は少しも照れずにロマンチックなことを言う。そして、少しも照れずに人を褒めることもできるし、人に愛を伝えることもできる。

「たまにこうして、息抜きをしている。疲れたら空を見ると良いと、何処かで読んだことがあるんだ。今の現状と向き合うことに疲れたとき、その思考を横に置く。そして、空を見る。……分かるかな? 今日は空が澄んでいるから、星もよく見えるでしょう」

 ーー美しいと、思った。月が、星が、蓮が。私の世界が、今は。今だけは。
 私は深呼吸して、夜空を見続けた。スマートフォン越しに、蓮を感じながら。
 月明かりは優しくて蓮みたいで、煌めく星々は私が流した涙みたい、って思った。

「……綺麗だね」

 私はまた、涙が止まらなくなった。
 蓮の優しさに甘えたままでいたくて。
 どうして私じゃないのだろう。
 啓介も、智樹君も、蓮の彼女も、私から蓮を奪った。
 あのとき、こうしていれば。あのとき、こっちの選択をしていれば。あのとき、気付いていれば。……そういう後悔は、ずっと尽きない。

「少しは落ち着いた?」

 私は、時計を見た。もうすぐ夜の一時。私は覚悟を決めて、うん、と告げた。
 本当は、もっとこうしていたかった。けれども、明日は休みだから。きっと、このあと、蓮が彼女と電話することは知っている。蓮は言わないけれども、分かっている。

「また、話はいつでも聞くよ。明日はLINEくらいなら返せると思う」
「いいよ、明日は。お休みなんだから」

 蓮は少しだけ沈黙したあとに、悪いなぁ、と本当に申し訳なさそうに言った。
 良いんだよ、とか、勿論だよ、とか、そういう肯定的な言葉は、蓮の彼女が独り占めするのだろうなと悟る。

「今日は……今日もありがとう。いつもごめんね」
「いや、大丈夫だよ。今日は空を見て、少し忘れたほうがいい。自分のために」

 分かった、ありがとう、と伝えた私は、まだ寝ないであろう蓮に、「おやすみ」と伝えた。「うん、おやすみ」と伝えた蓮も、私がまだ寝られないであろうことなんて、分かり切っているだろう。
 通話を先に切るのは、いつも私だ。蓮は私が切るまで待っていてくれる。
 私は意を決して、通話を切った。その刹那、酷い寂寥感に襲われる。
 私は堪らず、ベランダへ出た。スマートフォンにイヤフォンを差し込んで。



 月は、変わらず優しかった。もう一度、蓮みたい、と思った。
 星々の輝きは涙粒。無限にある星は、無限に生まれる私の涙の数と同じかもしれないだなんて思ってみる。ロマンチックな蓮に、私も少しだけ、似てしまった。
 夜と朝の境目に居ると、決まって思うことがある。
 ーー夜は私だけが際立って、朝は私だけが消えてしまったようで。いつだって、孤独だって。
 でも、湖に浸っていると、優しい月明かりが照らしてくれるから、そこでだけ私は安心して呼吸が出来る。苦しくない。優しく受け止めてくれる人が居るから。
 ーーでも、必ず朝は来る。
 こういうとき、眠れないまま朝を迎えると、〝夜が抜けていく〟という感覚がする。蓮が彼方に消えていく気がするのだ。
 そして現れるのは、太陽。蓮の彼女を思い出して、あまりの眩しさに目を瞑りたくなる。蓮はいつもあの太陽に、照らされているんだ。
 彼女が、羨ましい。私にも、そういう光があったなら。
 それでも数年前の私は、割りかしそうであったかもしれない。だから現状が、あのときの選択が、悔しい。
 今の私は、暗闇の中の湖だ。蓮の、月明かりのような光に照らされていないと、上手く存在出来ない。私が私を、認められない。

「……でも、進まなきゃ」

 自分に言い聞かせるために、声に出した。
 本当は今にも壊れそうだし、壊れかけている。けれども、修正出来るのは結局、自分だけ。
 ーー蓮は、変わらないし。啓介も。多分、蓮の彼女も。
 楽園とは、何処にあるのだろうと思っていた。とういうよりも、それを蓮だと思ってきた。でも本当は、自分の足で前に進まなければ見つけられない。だって、私と蓮の間には、確かなものなど無いのだから。それが、現実なんだった。
 月を見た私は、刹那の恋だな、と思った。数年後、そう懐かしく想えることを願いながら。
 私は、耳に染み込んだ蓮の声の輪郭を、もう一度だけ心でなぞった。そして、イヤフォンを耳の奥に強く入れ込む。朝を迎えたら、私は一人で立って、戦わなくちゃいけないから。
 ーーだから夜よ、もう少しだけ明けないでいて。目を背けないように、また、頑張るから。
 あと数分で良い。私は優しい月明かりに、照らされていたい。

湖と月の先

執筆の狙い

作者 莉都
61-21-44-17.rev.home.ne.jp

一人の人間の人生の一部分であり分岐点を、リアルに表現したく執筆しました。
感情の動きや、繊細さ、どうした時間を流してきたのかが表せていたらと思います。
お読みくださり、ありがとうございます!

コメント

脱ぬるま湯
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初めまして。読ませていただきました。
最初は主人公と啓介と蓮の関係がよくわかりませんでした。ガタガタとスタートする故障した車のように感じました。

>一緒になって枕に落ちているスマートフォンを持ち上げて……
何回読んでも何と何が一緒って思います。

心情描写ばかりだと逆に共感させる力が減少すると思います。月とか湖とかいくら出されても、作者の「お気に入りの言葉」でしかない。読者はただ読み飛ばすだけ。具体的な描写の方が却って余韻が残りそうです。抽象は独りよがりになりやすいですから。

主人公が最後に気持ちを持ち直しますが、これも作者の「希望」であって、嘘っぽい。綺麗さは嘘っぽさの代表みたいに感じるのは、私が捻くれているからかも知れません。

そういうことを気付かせてくれる小説でした。



 

大丘 忍
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私はこの作のような、若い男女の恋愛感情を描いた作品が大好きです。それは私が同じ年頃、つまり若かった青春時代を思いださせてくれるからです。
蓮という絶対的な保護者たる男性と、新たな恋人の啓介とのはざまで悩む女性。その心情は分かりますね。結局は、本当に恋していたのは蓮であったということでしょうが、漣にはすでに年上の恋人がいる。
主人公の女性の行き先はまだ決まっておりませんが、この先どうなるんでしょうね。それは読者の想像に任せることでしょう。
次作を期待しております。

ニャンコロ
110-132-110-247.rev.home.ne.jp

拝読しました。

私はこういった恋愛をしたことがありませんが、読んでいて切なくなりました。
スマフォ越しという物理的な距離に加えて、心理的な距離でも近づきたいのに近づけないという状態は、良い意味でもどかしくありました。

物語がほとんど進展しない状況で心理描写が多かったので、同じ内容を別の言い方で何度も読まされている気になりました。このバランスはすこし整えてやるだけで、化ける気が致します。
それと、読んでいて蓮の人物像が見えてこなかったのが気になりました。伝わって来るのは、あくまでも主人公を通しての蓮の綺麗な部分ばかりでしたので。蓮の弱い部分や影のある部分を知れたら、ぐっと親近感が沸いたと思います。

色々と書きましたが、切なくて面白かったです。執筆ご苦労様でした。

hir
f91-pc64.cty-net.ne.jp

 リアルが面倒なことを実感します。
 幸せは地獄の底から拾い上げてくるものだと思っているので、
 月見て気持ちを切り替えるだけでは物足りない感じです。

莉都
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脱ぬるま湯さん

初めまして。ご感想、ご指摘ありがとうございます!

自分では気づけないアドバイスをたくさん頂きまして感謝しております。
心理描写が多いというのも、なるほど…、と思わされました!
月と湖という言葉のチョイスも、考えなくてはならないなと感じました。抽象は独りよがりというのも勉強になります。

最後の締め方についてもアドバイスありがとうございます。
確かに綺麗さにこだわって書いたので、綺麗すぎて嘘っぽい、もっと人間的な部分を出したほうがいいなと思いました。

こちらこそ、色々と気づかせてくださりありがとうございます!

莉都
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大丘 忍 さん

はじめまして。ご感想ありがとうございます!

若いとき特有の恋愛を書きたかったので、伝わりましたこととても嬉しく思います(><)!

登場人物それぞれの考察もしてくださり嬉しい限りです。
まさに、絶対的な味方であり保護者的存在である蓮に恋しており、依存してもいる、という部分を表現したかったのです…!

主人公の行く先は分からないままですが、蓮と啓介からの卒業・前に進むために…、という余韻を残して書きました。
色々と読み取ってくださり嬉しいです。

ご感想、ありがとうございます!

莉都
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ニャンコロさん

はじめまして。ご感想ありがとうございます!

読んでいて切なくなりましたとのこと、嬉しいお言葉をありがとうございます!
仰ってくださった通り、スマホ越しでしか蓮とは接触ができないというもどかしさを表現したかったので、読み取ってくださり嬉しいです。

心理描写の件は、ご指摘とても参考になりました。
心理描写が多いとくどくなってしまうということ、気づかせてくださりありがとうございます!
くどくならないように気をつけたいと思いました。

また、蓮の人物像に関しても綺麗な面以外も見せるということ、勉強になりました。
綺麗に書くことにこだわりすぎたので、人間臭さを出せたらと思いました!

たくさんのアドバイスと、面白かったというお言葉、本当にありがとうございます!

莉都
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hirさん

はじめまして。ご感想ありがとうございます!

リアルの面倒さ、伝わりましたようで嬉しいです!読み取ってくださりありがとうございます。

そしてアドバイスもありがとうございます。
幸せは地獄の底から拾い上げてくるもの、というお言葉に感動いたしました!
確かにそうですよね。もっと、もがいて前進して行く主人公を書けたらと思いました。

お読みくださり、ありがとうございます!

夜の雨
ai198108.d.west.v6connect.net

「湖と月の先」読みました。

御作は恋愛小説になっていますが、それは、「ここまでの話で」続きが書けますね。

原稿用紙22枚の作品で、短編小説としてラストまで書けていますが、長編小説の導入部(第一章)で、ここから話が「いろいろな方向に展開が可能」です。

一応現状の御作の感想を書くと、主人公である「莉緒」の心情がパーフェクトで伝わってきます。
「蓮」という彼のキャラクターも好感度が高い。
莉緒の心の揺れが蓮にうまく伝わっていて、本来ならこの二人は結ばれるはずですが、ちょっとしたタイミングのずれで二人は違う道を進んでしまった、という感じです。
文章も読みやすくイメージが頭に浮かびますので、気持ちよく読めました。

私が御作をどういった読み方をしているかというと、導入部を読み始めたとき、あらゆる可能性を頭の中で膨らましています。
たとえば、
●一人称なので、主人公は女のように見せかけているが、実は男で同性が好きだとか。
●実は、研究室で莉緒というアンドロイドが想像を膨らましていて、それを外から研究者たちがAIの心の動きを調べているとか。
―――――――――――――――――――――――――――――――
そうやって、イメージを膨らましながら読み進めると、気持ちよく莉緒の世界と蓮が結ばれるはずが、結ばれないで、進んでいく物語が展開されて「月」や「湖」そして「太陽」などに抽象化されて、人間の生きざまが描かれていく。
で、ラストまで読んだわけです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
上にも書きましたが、御作は長編の導入部、第一章ということで、ここから話を膨らまして展開が可能です。
というか、そうしなければならないような「作品ではないか」と思いましたが。

私が読んだところでは、御作はこの後ミステリーにもできるしヒューマンドラマも可能です。
作者さんの人柄というか、現状の御作の流れからすると「ヒューマンドラマ」と「恋愛」などのくくりがいいような気がします。

続きがどうなるかというと、「蓮」は年上の彼女と結婚することになり、莉緒に彼女を紹介します。
彼女は御作で書かれている通りに太陽を表現するような明るく美しい女性で莉緒は悔しいけれど、彼女のファンになってしまいます。
「蓮」も大好きだし、彼女もとてもステキ。
莉緒は二人の結婚を祝う気持ちになっていた。

ところが、その彼女が事故で亡くなってしまいます。または障害者になる。
●ほかには、「蓮」と「彼女」が、実は血のつながっている姉弟だったことが、判明する。

それで「蓮」が落ち込むが、莉緒が彼を励まし、新たなる展開が待ち受ける。
というような流れです。

こういった構成の作品はあると思いますが、それらと御作の違いは「御作は描き方が主人公に沿って優しく書かれていて、イメージが膨らましやすい」。
すなわち、「恋愛小説にしても個性がある」と思います。
このあたりが強みです。
作者の表現力が高い。ということです。

「蓮」と「彼女」が、実は血のつながっている姉弟だったことが、判明する。 ←、この設定が一番面白いかも。「蓮」も悩むし、彼女も相当ショックを受けるだろうし。その二人のあいだに莉緒がいて、ヒューマンドラマと恋愛ドラマが進展する。

基本的な流れはラストで「蓮」と「莉緒」が結ばれる方向にもっていくのか、それとも悲しい結末になるとか。

基本設定のほかに、「展開を面白くする設定をすれば」、他の似た作品ともストーリー的には違う物になると思います。

「展開を面白くする設定をすれば」 ← ミステリー、ホラー、ほか、いろいろなジャンルありで、作者さんの書き方次第で、話は広がると思いますが。

「湖と月の先」 ← ちなみにこのタイトルは、御作に合っていました。

まあ、なにわともあれ、良い小説を読ませていただきました。

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

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