作家でごはん!鍛練場
しまるこ

タマホームに内定した女の子が、タマホームの歌を歌ってしまって

アニメ作りました。

『タマホームに内定した女の子が、タマホームの歌を歌ってしまってとんでもないことになってしまった話』

https://youtu.be/BYk0gJzWj6I


以下、シナリオ抜粋

花ちゃん登場

男A「お通夜かよ」

男B「サゲマンのオーラでてんなぁ」

男C「誰にも頼まれてもないのに不幸をしょってるよ」

男B「大学が牢獄のようだ」

しまるこ「…………」

友人B「花ちゃーーーーん」

友人A「なにしてんの? これから授業?」

花「…………うん」

友人A「そっかぁー。大変だね」

花「…………」

偉いと思った。

よく話しかけるなと思った。

同じクラスメイトとはいえ律儀なもんだ。

俺はいつも、花ちゃんとすれ違うときは無視していた。

友人B「へー。科目は何?」

花「…………知的財産権法」

友人B「そっか」

友人A「…………」

友人C「…………」

花「…………」

友人B「じゃあがんばってね!」

花「…………うん」

ふ。

いわんこっちゃない。

こうなることは目に見えてたんだから、話しかける必要なんてなかったのに。

しかしたった今あれだけ悪口をいっておきながら、
よくこれだけお兄さん的な態度をとれるもんだ

友人C「はぁ〜ギブアップ」

友人A「21だぜ? よくあれでここまでこれたよな」

友人B「あれじゃあどこも内定もらえねーよ」

友人C「しっかしなんだあの愛想笑いは」

友人A「お産の顔じゃねーか」

しまるこ「…………」

花ちゃんの愛想笑いを目にすると、無理をさせてしまっているような、
いじめてしまっているような。

なんかこっちが悪いことをしているような気分になるから、
みんな関わろうとしなくなる。

俺は、ここまで引きつった顔をして笑う人間を初めて見た。



しまるこ「花ちゃんをサークルにいれる!?」

しまるこ「いったいどうして」

女A「このまま花ちゃんと話さないまま卒業しちゃったら悲しいよ」

女B「卒業まで残り半年だけど」

友人C「いまさらじゃね?」

友人B「ほっとけよ」

友人B「浮いている人間を必ずしも仲間にいれることが優しさとは限らねーって」

友達A「誘うだけ誘ってみれば?」

しまるこ「…………」

うちのクラスはものすごく仲がよかった。

クラスといっても、大学のクラスは中学や高校と違って、
クラスらしいクラスはない。

ほとんどが講堂での集団授業なのだが、
数少ないクラス授業を通じて仲良くなっていた。

4年になると授業はほとんどなくなり、みんなが集まることは少なくなったので、
定期的に集まれるようにとサークルを立ち上げた。

飲み会が基本だが、月に1回くらいのペースで、
体育館を借りてバスケやバレーをやったりしていた。
いわゆるオールラウンドサークルというやつだ。

SNSでもクラスの掲示板があり、就活の不安だったり、遊ぶ予定だったり、
いつも賑やかに会話が飛び交っていた。

といってもクラス全員がサークルに加入しているわけではない。

クラスは30人くらいいて、そのうちの20人くらいが加入していた。

残りの10人はなんとなくイケてないから、除け者にしていた。

選ばれた精鋭だけがサークルに加入することができた……、というわけではなく、

中学生が履くような白い運動靴を履いてきたり、BADBOYSの
でかいロゴが入った英字Tシャツを着ていたり、
あまりにもヤバい人種は除外していた。

うちの大学は、偏差値43くらいの凄まじい底辺校だったから、
上のような人種がゴロゴロいたのだ。

しかし、女の子でサークルに入ってないのは花ちゃんだけだった。

女C「やっぱり女子で孤立するのはきついと思う」

男A「しまるこは花ちゃんよりもっと孤立してたくせに、
今はサークルの会長だもんな」

しまるこ「だはははは!」

なんと俺はサークルの会長だった。

俺はこの信じられないクソ大学に、なんと一浪して入学したから、
みんなよりひとつ上ということも理由にあったのかもしれない。

俺はどうしてこんなクソ大学に入ってしまったのかと、鬱で鬱で……、
最初の半年間は誰とも話さなかった。

高卒の方がマシだ……。なんでわざわざ高い授業料払って、
バカ大学出身の肩書きを得ようとするのか。

他校の生徒から笑われている気がする。

今日もお父さんとお母さんは、
こんなダメな俺をダメな学校に通わせるために働いてくれている。

そう思うとやるせなくて、俺は仕送りの金で、浴びるほど酒を飲んだ。

ブルドーザーで登校して、校舎を破壊して回りたかった。

ある日、クラスの男に飲み会に誘われた。

孤立している俺に気を使いながら、丁寧に言葉を選んで誘ってくれた。

俺は4年間孤独でもいいと思っていたけど、なかなか丁寧に誘ってきたから、
一度くらい行ってやってもいいかと思って行ってやった。

なんでこいつらはバカ大学生のくせに、飲み会なんてやる気になるんだろう?

バカのくせに酒を飲んで恥ずかしくないのか? 水で十分だろ。
日大以上の大学じゃないと、酒なんて飲んじゃいけないと思っていた。

そう思ってたけど、行くだけ行ってやった。

男A「しまるこ君そこ座りなよ」

男B「しまるこ君は一浪してるんだよね?」

男C「君? さん? どっちがいいかな」

しまるこ「どっちでもいい」

男A「しまるこ君はお酒強い方?」

しまるこ「普通」

女A「今日はしまるこ君がきてくれたからみんなで乾杯しよう!」

男B「しまるこ君にカンパーーーーイ!」

みんな「「「「「「カンパイ!!!!」」」」」」

しまるこ「オッパイ!」



そのときのオッパイがウケたおかげで、
こうしてサークルの会長までのし上がった。

女A「花ちゃんの気持ちいちばんわかるの、しまるこ君じゃない?」

しまるこ「俺と花ちゃんは違うよ」

女A「男と女じゃまた違う?」

しまるこ「いやそういう話ではない」

しまるこ「花ちゃんはこのクラスでは咲かない花だと思う」

しまるこ「明らかに花ちゃんの生命は閉じてしまっている」

しまるこ「おとなしいとかおとなしくないというものは相対的なもので、
絶対的におとなしい人間なんていないんだよ」

しまるこ「花ちゃんも、一人で部屋で好きなことをしているときは、
俺たちには見せない顔をするはずだよ」

しまるこ「たったひとりの親友の前では、
春日みたいに『アパー』とかやってるかもしれない」

しまるこ「あのやばい愛想笑いは、
俺らと感性が違った分だけ外に表れている差分なんだよ」

女B「そんなふうに決めつける必要はないと思う」

女B「一緒にスポーツやったりしてたら、距離が縮まるかもしれないじゃん」

女C「そうだよ。初めから決めつけるのはよくないと思う」

しまるこ「普通に生きてたら、あんな愛想笑いになるはずがないんだよ」

しまるこ「表情は口よりずっと多弁だよ。あの愛想笑いがすべてを物語っている」

しまるこ「コミュニケーションに必要なのは生命だ。花ちゃんに花ちゃんらしい呼吸を与えられないのなら手を出すべきじゃない」

男B「男で孤立しているのはまだまともだったりするけど、
女で孤立してるのはマジでやべえ奴が多いよな」

女A「ねえやめようよ。そういうこというの」

女B「わたしもあんまりそういう考え好きじゃない」

男C「でもさー、こうやって裏でコソコソと、仲間に入れるか入れないとかやってる時点で、自己嫌悪にならね?」

女B「……」

友達A「花ちゃんを下に見てるかもね」

女C「花ちゃん聞いたらぜったい悲しむよね」

しまるこ「花の親はもっと悲しむだろうな」

しまるこ「空気を読んで謙虚になってるんじゃなくて
空気を読まないせいで謙虚になってるタイプなんだって」

男B「どういうことだよ」

男C「わけわかんねーこといってんじゃねーよ」

しまるこ「会長の俺が入会を認めねーっていってんだから却下だ却下!」

しまるこ「会長命令だ!」

男B「ルフィみたいにいうなよ」

男A「誰だよこいつ会長に推薦したやつ」

男C「こんなクソ大学に一浪して入ってるくせに頭いいぶってんじゃねーぞ」

女B「んーでも孤立はやっぱりつらいと思う」

しまるこ「おめーらオレンジデイズの見過ぎなんだよ」

女A「あたし……、このクラスが、困ってる人に手を差し伸べるのを
やめるような、そんなクラスにはしたくない」

友達C「……うん」

友達B「だな」

しまるこ「……」

全員を勧誘してない時点でその理屈は通らねーけどな。

男A「っていうかさ、別に誘うぐらいよくね?」

男C「うん。一回誘ってみて、嫌そうだったら引けばいいじゃん」

女C「そうだね」

女A「じゃあわたし誘ってみる!」

女B「機会っていうか、チャンスは必要だよね!」

しまるこ「…………」



女A「ナイスショット!」

女B「花ちゃーん慌てなくていいよー!」

男B「花ちゃんいいね〜!」

女C「花ちゃん上手〜」

花はしれっとサークルに加入していた。

花「…………」

なんだこれ。

しまるこ「接待か」

しまるこ「接待じゃねーか」

しまるこ「プライベートでも就活すんのかお前らは」

大学4年にもなって、こんな特別扱いされて恥ずかしくねーのかよ。

しまるこ「花も花だけど、お前らもお前らだ」

しまるこ「こんなのは、着ぐるみ剥がして寒風の前に立たしときゃぜんぶ片が付くだろ!」

しまるこ「そしたら元気になってアパーってやりだすだろ」

しまるこ「自分たちの偏差値が低いからって、
他人にまでゆとり教育してんじゃねーよ!」

しまるこ「英才教育をしろ! 英才教育をッ!」

友達A「でもさっき俺、花ちゃんから話しかけられたよ?」

友達C「マジで?」

友達A「『佐藤君って剣道やってたの? わたしもずっとやってたんだ』って」

友達B「へぇー。すごいね。成長じゃん。
ってか剣道やってたんだ。超意外」

しまるこ「剣道から何も学びとれてねーじゃねーか」

しまるこ「くだらねぇ愛想笑いするくらいだったら、ずっとお面かぶってろバカが!」

友達「はは! しまるこ、予想が外れて、花ちゃんが成長してるもんだから、納得いかねーんだろ」

しまるこ「いや……、俺は花ちゃんが一人でいたいもんだと思ったから、無理して誘う必要はないって言っただけで、本人が望むんであれば、その意思を尊重するつもりでいたよ」

友人C「よくいうぜ!」

男B「アハハハハ!

男A「アッハッハッハ!」

男C「強がりもここまでくると笑えるよな!」

しまるこ「クソッタレが!」

しまるこ「バスケボールパンクさせてやるッ!」



男C「おーーーーい! ニュースニュース!」

男C「花ちゃんタマホームの内定とったらしいぞ!」

みんな「え!?」

男B「マジかよ!? タマホームってあのタマホームか?」

男A「うっそマジで!?」

男A「すっげえ……うちの大学からよくいけたな」

しまるこ「……」



教室にいくと、花ちゃんが取り囲まれていた。

女A「花ちゃんすっごーーい!」

女B「成績よかったもんね! 花ちゃん!」

女B「だって司法書士の資格とったんでしょ?」

男B「司法書士!? すっげーーーー!」

男C「うちの大学で司法書士とったのなんて、今まで花ちゃんだけじゃない?」

男A「うちの大学じゃ警察官になるぐらいがいちばんの出世頭だもんね」

女A「じゃあタマホームじゃなくても司法書士にもなれるんだ」

男A「どっちにもしても安泰だ! すっげーーー!」

男B「俺なんて内定取り消しくらったばかりだよ」

男C「でもいいじゃん。和解金50万もらったんだから」

ちょうど当時は、就職氷河期の時代で、このようなケースは珍しくなかった。

女A「そんなもらえるんだーすご」

男B「いやいや、またはじめっから就活だぜ? ぜったいこっちの方がきつい」

しまるこ「それさー、内定取り消しを何度も繰り返せばめっちゃ儲かるじゃん」

男C「結婚詐欺師と同じ方法じゃねーか」

女C「花ちゃんって、でも本当にすごいよねぇ。剣道も全国大会常連だったんでしょ?」

男B「マジで!? そんなすごいレベルだったの!?」

花「あはは……」

男A「ほんとすげぇなぁ。花ちゃん」

女B「ねぇ〜、超うらやまし〜〜」

花「ハッピーホーム♪ ハッピーライフ♪ タマホーム♪」

男A「え……?」

男B「…………」

男C「…………」

しまるこ「…………」

女A「…………」

女B「…………」

女C「…………」

花「ハッピーホーム♪ ハッピーライフ♪ タマホーム♪」

女B「花ちゃん……?」

女C「あは……」

女C「花ちゃん、ご機嫌だぁ……」

男A「はは、ははは! 花ちゃん、歌とか歌うんだ!」

女A「花ちゃんはさぁ、不動産とか興味あったの?」

花「んーん。べつに」

花「ハッピーホーム♪ ハッピーライフ♪ タマホーム♪」

女B「…………」

女A「花ちゃん本当ご機嫌だねー」

女B「花ちゃんはさー、どうやって内定とったの?」

女A「うちらにもコツ教えてよー!」

花「やっぱ早めに行動することかな」

花「ハッピーホーム♪ ハッピーライフ♪ タマホーム♪」

女「花ちゃんもういいって、その歌」



女B「なにあの歌、ありえなくない?」

女A「すごい厚顔だったんだね」

男A「ぜんぶ納得がいったわ。過去にああいう失態を犯したから、あんな愛想笑いすることになったんだ」

女C「つーかあの性格なら、ぜったい司法書士に行った方がよくない?」

女C「なんでわざわざ不向きなところいくの? ぜったい誰も花ちゃんから家買わないでしょ」

女B「私もぜったいそう思う」

女C「普通に考えて初日でクビじゃない?」

女「誰があの子に言われて家買うの?」

女A「タマホームの人事って頭おかしいんだね」

女B「あたしもタマホーム受ければよかったーーー」

男C「お前らめちゃくちゃいうなぁ。この前は、卒業までの思い出作りがどうとか、いってたのに」

しまるこ「俺もまさかここまでの猛者とは思わなかった」

しまるこ「アパーどころの騒ぎじゃなかったか」

女A「なにあの歌」

しまるこ「完全に歌の選曲のせいだな」

男A「いや選曲はどうでもいいだろ」

しまるこ「選曲に決まってるだろ。あの歌が悪いんだって」

男B「悪いのは歌じゃなくて、歌った人間性にあるんだろ?」

しまるこ「ちげーよ歌のチョイスだよ」

女B「内定取れてない人の前で、よくあんな楽しそうに歌えるよね」

友達B「こっちはアンハッピーだからな」

男C「歌は歌詞が悪いの? メロディが悪いの?」

しまるこ「いやメロディでしょ」

女C「タマちゃんってああいう子だったんだね」

男C「花ちゃんな」

友達C「あの歌がずっと頭ん中で鳴り響いているから、自然に口から出た感じだったよね」

女A「でも普通歌う?」

女B「マジない」

女C「もうぜったいあの子とバスケやりたくない」

男B「じゃあ誘わないにすんの?」

女A「えー、花ちゃんくるならあたし行きたくない」

女C「あたしも」

こうして花ちゃんは二度とサークル活動に誘われることはなかった。

ある日、俺は学校で花ちゃんとすれ違った。

以前より、もっと孤独が板についているようだった。

俺は話しかけようと思ったけど、やめた。

彼女がそれを必要としていない顔をしていたからだ。

俺は、どんどん遠くなっていく花ちゃんの背中を見つめながら、歌った。

ハッピーホーム♪ ハッピーライフ♪ タマホーム♪








 



























































  

タマホームに内定した女の子が、タマホームの歌を歌ってしまって

執筆の狙い

作者 しまるこ
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本文だけ見てもよくわかんないかもしれないですが

コメント

(仮)
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キツイ……。
どーでもいいことですが、
ハッピーライフ♪ ハッピーホーム♪ タマホーム♪
じゃね?
後、最後の超空行はなんぞや?

しまるこ
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動画だと気づいて直したんですけどね。

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