作家でごはん!鍛練場
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ブランコ氏の憂鬱

 ブランコが十一歳のとき、ブランコはブランコから落ちて頭を打った。

 家の近くにある大きな公園で、一番にぎやかになる時間帯。広場ではブランコと同年代の子供たちが額に汗してサッカーボールを追いかけていた。そばの遊び場では小さい子供たちがすべり台などで遊んでいる。無邪気な声が響き渡る中、ブランコは遊び場の近くにいて、何をするでもなく、うろうろしていた。
 やがて子供たちは母親に連れられていき、遊び場は静かになった。ブランコは空いたブランコに乗った。太陽は西に傾いている。サッカーをしている姿はもうなかった。一人で乗るブランコは気持ちよかった。ずっと揺られていた。
 足をつんと伸ばして前に蹴った分だけ、より速く、高く、空を突き抜けてゆくように思えた。振り子の最大限になるよう、足をひたすら前に蹴ってゆく。そうしていれば、いつか縛られたチェーンから外れて、椅子に乗ったまま、空まで飛んでゆけそうな気がした。
 そんな思いは次の瞬間、吹っ飛んだ。
 掴んだ両手はしっかりと握っていたはずだった。そうしているつもりだった。つま先をそろえて空に向かってキックする。茜色の空が目に入った。そうして、後方に戻れば、地面の土が目に入る、はずだった。背中に痛みを覚えた。周囲が真っ暗になった。
 しばらくすると一人で起き上がった。どれくらい倒れていたかわからない。あたりは薄暗くなっていた。頭がズキンとして、後頭部に手をやると、ざらりとした手触りがあり、砂がついていた。血は出ていないし、痛くもなかった。
 一人の女の人が大丈夫、と声をかけてきた。ブランコは変な人ではないかと警戒した。
 ふいにある言葉を思い出す。
「最近はわけのわからない人が多いから、外で他人から声をかけられてついフラッと、ついていかないようにしてね」
  優しい母の顔が浮かんだ。
 母が以前よく言っていた言葉だった。けれど、母は病気でなくなり、もうこの世にはいない。ブランコは小さいときから、風邪のときや身体が不調のときなど、いつも母が近くにいなくてはダメだっだ。
 もう十一歳。当然ながら一人でいろんなことができるはずの年頃だった。登下校はいつも一人だった。というか、馬鹿を言い合いながらいっしょに帰れるような友達がいなかった。ゲームはいつも一人で遊び、友達と対戦して遊んだことすらなかった。
 ブランコは声をかけてきた女の人を見た。
 大丈夫です、とブランコは不愛想な顔で女の人に返答すると、そう、という短い答えだけが返ってきた。それから、女の人は背を向けて去っていった。
 入れ替わるように、聞き覚えのある声が背後でした。
「ブランコ、見つけたわよ。こんなところにいたのね。」
 その声は、ブランコがサヨコさんと呼ぶ人だった。
「一人で出かけるのはいいけど、行き先くらい教えといてよね。じゃないと、突然ヤスオさんから電話がかかってきて、ブランコはどこにいる、なんて聞かれたらマズイのよ。ヤスオさんにバレちやったら、わたし、何言われるかわからないんだからねぇ。可愛い一人息子なんだし。ねえー、ちょっと聞いているの。ねえってば」
 ブランコはサヨコの顔を見ることができず、下を向いていた。
 母親と違ってサヨコは優しくなかったし、言葉つかいもよくなかった。なによりサヨコはいつも真っ赤な口紅をつけていた。家の中でさえも。その眩しい赤色がどうしても好きではなかった。公園で見るどの女の人もあそこまで赤い口紅をつけている人はいなかった。
 背の低いブランコの視点は、サヨコの生足ばかりに向く。サヨコはいつも短いスカートを履いていて太ももの半分くらいは露出していた。ブランコの母親に比べてもサヨコは若く、父との年齢の差は二十歳ほどあった。
 サヨコが公園に姿を現して赤い口紅を見たとき、ブランコの後頭部でズキンという痛みが走った。ブランコから転んだ直後はなんともなかったというのに。痛みは数度にわたり襲ってきた。手で頭を抑えながら、サヨコに訴えた。
「さっきさ、ブランコから落ちたんだ。頭がすごく痛いんだよ。ズキズキする」
 サヨコは突然、プッーと吹き出した。
「ブランコがブランコから落ちた。サイコーね」
 サヨコはどれどれとブランコの後頭部を見ているときも、サヨコの膝小僧をじっと見入っていた。そこに本当に人面があるように見えた。
 それからサヨコに連れられて自宅に戻った。家に帰るといつも落ち着かなくなる。まだ越して半年にもならない一軒家だった。ブランコ一家は一等地にあった。ブランコが母親と住んでいたときは、二十五階の一番上のマンションだった。こんな高いところに住むのは忘れ物をしたときなどに一々戻るのがめんどくさいのを除いては、住み心地がよかった。少なくともサヨコのいる、この一軒家に比べる限りでは。
「マイスィートホームさ、ハハハ。最高に広いだろ。リビングで何だってできるんだぜ。ピンポンでも、カラオケでも。映画館にだってなるんだぜ。すげーだろ」
 ブランコの父はそんなふうにこの家のことを話す。やたらと気に入っているようだった。でも、父にとっては広い空間というものが、何かとてもなくいいものであったのに、ブランコにとっては、ただだだっ広いだけの、無意味な空間ばかりが広がる、空虚な場所に思えて仕方なかったのだ。
 だから、というか、毎日毎日、この家の無意味で何もない空間で過ごすことが、ブランコは嫌でしょうがなかった。そういう日頃の積もった鬱憤がつい出てしまい、ブランコは一人で公園に出かけて、ブランコから落ちてしまったのだった。
「まあ、しょうがないよな、一人でいて退屈だったんだろ、な。お手伝いさんといてもつまんないわな。お前も男なわけだし、外へも一人で出かけたくなるのも仕方ないというもんだ。でも、サヨコには行き先くらい教えておけよな」
 その日、夕食時の早めの時間帯に帰宅したブランコの父は、そういって笑うだけだった。サヨコが心配したように、父が怒ることはなかった。
 父があのようなわけのわからない笑顔になるときは、たいがいはリビングのテーブルに飲み干されたビールの缶が転がっているときだった。そういうときに何かを頼むと、すぐにウンと言ってくれるということを、ブランコはよく知っていた。
 でも、その夜は、テーブルにはビールの缶はなかった。ああ、それか、と思った。父が機嫌のいいのは、つい最近気に入って乗り回している新車のためなのだった、と。ブランコは父の仕事が何か知らなかったし、ときどき仕事も変わった。実業家と、サヨコは鼻高々に呼んでいた。
 それと同じように、父の乗る車もたびたび変わった。車に興味のないブランコは名前が覚えられなかった。たとえ新車であろうとすぐにタバコと香水の匂いが漂った。むせ返るような車内の空気が大嫌いだった。
 休日になると決まってどこかへ行こうと言い出す父だったが、たいがいは断った。父の車に乗りたくなかったからだった。
 ともかく、ブランコがブランコから転んだ日は、いくつかのことが起こった日でもあった。
 その夜、遅く。
 ブランコは目が覚めた。尿意を覚えたので、自分の部屋から長い廊下を歩いて、バスルームに向けて歩いていた。あくびを噛み殺しながら歩いていたら、父とサヨコの寝室が暗くなっていてホッとした。
 一度、夜半過ぎに同じシチュエーションで、ブランコは寝室のドアから漏れる光に足を止めたことがあった。まずベッドが揺れるような音を聞いた。まるでこの部屋にポルターガイストが出現したように。
 でも、揺れるベッドはポルターガイストではなかった。そこには見慣れていたはずのサヨコの両膝がしらが左右に裂けるくらいに、大きく広げられているおぞましい光景があった。そして、サヨコの広げられた足の間に挟まったものを見てしまった。
 小刻みに動くそれは影ができていて、学校でやった書道で書いたものを思い起こさせた。ミミズを二匹合わせたような形の影だった。父の背中がどすんとあり、二匹のミミズは一番下で揺れていた。父の尻だった。
 それから、夜トイレに起きる毎に、脳裏にはサヨコのぱっくり開いた膝がしらと、二匹のくっついたミミズの形をした尻を思い浮かべてしまうこととなった。
 しかし、その夜、ブランコは暗くなった寝室を通り過ぎた。バスルームのドアを開けた。灯りがついていた。つけっぱなしのことはよくある。家には二つトイレがついていた。その内の一つは、バスルームを入ってすぐのところにあり、もっと奥にはジャグジーがある浴室へと続いていた。
 内側にある、浴室の半透明のドアがほんの少しだけ開いていて、湯気が出ているのが見えた。ブランコは半分目を閉じたままで、白い湯気の向こう側を覗いてみた。サヨコの鼻歌が聞こえてきた。
 シャワーを浴びるサヨコの後ろ姿が見えた。ところどころに白い泡をつけて、サヨコの裸体はお湯で光っていた。
 ブランコは驚いて、すぐにその場を去ろうとした。しかし、どういうわけか、今ごろになって急にブランコから落ちて打ったときの、ズキンという感じを覚えた。
 サヨコの裸を覗きながら、パジャマをずりおろして小さなペニスを手でしごいていたことにさえ、自分では気がつかなかった。それから我に返り、ふと強烈な羞恥心に襲われた。勃ったままのペニスを露出させたまま、外へ出ようとして、ペニスをドアの端っこに当ててしまった。

 ブランコが三十歳のとき、父は他界した。
 長年の暴飲暴食、タバコ、アルコール、そういったものがどんどんとブランコの父を蝕んだのだった。膵臓癌が見つかったときにはすでに遅し。あまりにあっけなく逝った。
 ブランコは一人息子だったので、父からの相当な遺産を相続した。サヨコとは当然の成り行きというか、籍は入れていないものの、事実婚といううことで、かなりの争いに発展した。もちろんサヨコの他にも、親族らが出てくるのは、当然といえば当然かもしれない。
 そういった現実世界での現実的な問題に突っ込むことを何よりも嫌がるブランコは、とりあえずの法的な決着がついてすぐに、田舎の郊外に小さな家を買って、一人で住むことにした。株でもごっそりと大儲けをしたので、若くして隠居生活をすることに決めたのだった。
 庭があり、近くの海に釣りへと出かけた。フォードブロンコも買った。田舎の小さな家に住むのに飽きると、気晴らしにフォードブロンコで、この地域一番の街へと繰り出した。
 ブランコが何よりもしたかったことは、田舎で閉じこもった生活を送ることの他に、もっと大きな目的があった。それは小説を書くということだった。内気で夢見がちなブランコはよく、本を読んでいた。父が存命中のころ、家にはいない人であったが、一度十八歳くらいのときであったか、ブランコが自分の部屋の勉強机の上で突っ伏して寝ていたことがあった。そこには書きかけの小説がノートに、几帳面な字でびっしりと書き込まれてあった。
 父はブランコの部屋に入り、寝ているブランコの机からノートを取り上げて読んでいた。そこにブランコが目を覚まして顔を上げると、父の姿があり、小説が書かれてあるノートがどこにもなくて、一瞬焦った。それは父の手にあった。
「これお前が書いたのか? 小説なんぞ書いているのか?」
 父の顔をまともに見ることができなかったが、見られてしまっては仕方ない。そうやって聞こえないほどの小声で言った。
「父さん、僕は小説を書いてます。小説家になりたいんです」
 父はブランコの顔を見た。
「そんなもん、失敗するに決まっているだろ」
 父はいろんな商売をしてきて、自分のやりたいように生きた。息子であるブランコにはあれをやれ、これをしてみたらどうかと、まるでレストランのメニューであるかのようにころころと意見を変えた。しかし、幼少の頃から一貫して、ブランコのやりたいということを認めるような発言はしてこなかった。ブランコもそれはよく知っていた。
 ブランコは真面目な子供だった。小学校の先生は、ブランコははたから見るとひ弱に見えるけど、案外中身はしっかりしていて、芯は強いと称した。人の見られるところだけやっている姿を人に見せつける器用さはない。こつこつと地道にやることができた。
 だから、小説を書くのにも向いていた。あるとき、谷崎潤一郎の書く文章に感銘を受けて、せっせと写生に励み、作品とその批評をじっくりと何度も読み返した。自分の作品も書き、新人賞に応募した。小説講座にも通った。ブランコの書く小説はえてして古い、という評価を受けた。
 松浦寿輝という小説家の作品に出会い、のめり込んだ。これがブランコの作品を伸ばすきっかけとなった。これまでは谷崎潤一郎や大江健三郎といったいわば現代の古典ばかりだったが、松浦寿輝の作品に会って、影響された。幻想文学に影響された物語を書いた。津原泰三も好きだった。内田百間にもはまった。
 ブランコが三十三歳のときに、短編小説ではあったが優秀賞に選ばれた。自分の本にまですることはできなかったが、雑誌に掲載された自分の小説を見て、これまでの自分の人生で初めて、誰かに認めてもらえたという感触を抱いた。

 マイという女の子と会ったのは、地元の図書館でだった。ブランコはしょっちゅうこの図書館に足を運んで書物に囲まれていた。退職をして暇を持て余している人や、いかにも主婦というような人たちばかりだった。そんな中にあって、マイの格好はひときわ目立っていた。
 やけに長いまつ毛をしていた。細長い生足を惜しげもなく晒す。付け根ギリギリくらいまでしかないショートパンツを履いていた。上はタンクトップのようなものばかりだった。
 サヨコと同じだな、とブランコは思った。サヨコも家の中では、いつも軽装ばかりで、というか、ほとんど下着に近いような格好のときもあった。夏場は鬱陶しかった。出ている部分が少しくらい見えていようが気にせず、羞恥すら見せない。
 マイは図書館のイスに腰掛けながら、他人がいるのに、開いた股でだらしなく、本を読んでいるのだった。ジロジロ見る人はいない。むしろ、通りががる若い男たちはマイのことを気遣うように、わざと下を向いたりするくらいだった。
 マイと初めて口をきいた日、ブランコは谷崎潤一郎の『痴人の愛』の文庫本を手にとり、イスに腰かけていた。混んでいるわけでもないのに、すぐ隣のイスにマイが座った。
 ブランコはとてもじゃないが、『痴人の愛』の文を、もう何度も遡って繰り返し読まずにはいられなかった。気が散って頭に入らないのだった。
『痴人の愛』の内容は十分刺激的だったが、すぐとなりでむき出しの足を交差している姿の方へと磁石のように、意識を吸い取られてゆくのだった。
 マイの息遣いさえも近くに感じられる中で、重なり合う足の奥に潜んでいるものを想像した。
 マイの手にしているのは、ブランコが敬愛してやまない松浦寿輝の『幽』という本だった。それは文章の見本となるものであり、現代的な筆遣いで書かれてあるものだった。
 それがよりによって、どうしてこの小娘の手にあるのだろう、と不思議に思えた。恋愛の心理ものだったらまだわかるのに。
 一息つくためにブランコが自販機の前でコーヒーを飲んでいると、マイもやってきた。
「あの、あなた、さっき、松浦寿輝の本、持ってましたよね。好きなんですか?」と、ブランコが聞いた。
 マイは長い睫毛をぱちくりさせて、ハイと答えた。
 冴えない格好をしたブランコと、肌を露出させた服の若い女。繁華街ではなく、郊外の図書館だった。なので、パッと見たらさしずめ、教師と教え子といった感じくらいしか、この二人を結びつけるものはなさそうに思える組み合わせだった。
「あなたのような若い人がどうして、松浦寿輝なんかを?」
「わたし、小説書いているんです。純文学です」
 このときほど、天と地がひっくり返るような気分を味わったことはなかった。
「偶然ですね、僕も小説を書いてます。純文学です」
 ブランコは人一倍警戒心が強く、他人にはめったに自分のことを話さなかった。しかし、いったん、他人が自分の領域に入り込むと、むしろ饒舌になった。
「これです、わたしが書いたの。ひゃ、恥ずかしい。人様に見せるの、本当に恥ずかしいです」
 そういって、マイは惜しげもなく、プリントされた紙を差し出された。マイは恥ずかしそうに下を向いた。まるで意中の人に当てた恋文のようだった。
 パンツがちらりと見えるのも厭わないほどなのに、やはりマイにも羞恥心というものがあるんだなあ、とブランコは思った。
 そうやってさらに、そこに書かれた端正な日本語を見て、心底驚いた。とてもこの年齢とは思えないくらいにきちんとしていた。端的にいって、センスのよさが感じられた。字面もほどよくの軽さと品と自由さで埋められていた。これはすごい。
 それからブランコはマイと電話番号を交換し合った。ブランコはスマホを持っていなかったが、すぐに契約を済ませてスマホを手に入れ、電話帳にマイを登録した。
 マイと会うときは、だいたい午後で、喫茶店で会った。互いの原稿を持ち合い、好きな本の話をした。本の趣味はさほど合わなかったが、互いのオススメを紹介したりもした。
 自分とこんなにも年が離れている若い子と、たとえ本の話であるにしても、こうやって話していられるということが不思議でならなかった。
「また会って、いろいろ教えてね」と、無邪気な顔でマイはいった。
 ときたまではあるが、ブランコはマイと定期的に会うようになって、困ったことがあった。だいたい午前中に遅い朝食をとり、それから軽い読書をする。また、二、三時間くらいぶっつずけに書くことにしていた。読書をしたあとで刺激をえて、それから一気に集中して書くのが習慣だった。午後はだらだらと過ごす。夕方は見直しとかをする時間と決めていた。夜寝るのは早い。テレビは見なかったからだ。
 規則正しい生活が乱れた。透けた白のシャツから覗かせるブラジャーだとか、ヘソ出しルックもしたし、ノースリーブでいるときの脇とか、さまざまなマイの身体の詳細がブランコを悩ませた。
 困るのは小説を書くときだった。手が止まったときなどに、ブランコはマイのまだ幼さが残るが形のいい乳房を想像してしまうのだ。
 これまで一人暮らしをしてきても、性欲に悩まされることはなかった。適時に処理できていた。しかし、マイと会うようになると、暗くして寝ていてもマイの裸体を思い浮かべるし、起きていてもやはりマイの無邪気な顔と裏腹な、マイの女としての女を感じさせるありとあらゆるアングルのマイの身体を想像するようになっていた。
 特にマイの細長くてすっきりした足は魅力的だった。その足を思いっきり広げたい欲求に駆られることしばしばだった。どうしてかブランコは、マイの性的な夢想をしていると、どこからかサヨコの豊満な身体つきと重なっていた。
 サヨコの足が好きだったことを思い出す。幼いときに見たサヨコの淫らな裸身はくっきりとブランコの脳裏に焼きついて離れなかった。
 そうして性欲がどうしようもなく高ぶるときは、フォードブロンコに乗って、遠くの街にある繁華街へと向かい、妖しいネオンのある小汚いマンションへと入ってゆくのだった。
 これまでかろうじてあったはずの、日常に組み込まれた執筆スタイルは壊れていった。小説が書けなくなっていったのだ。経済的にも時間的にも余裕があるブランコは、これからの人生を小説に賭けようとしていた。有り余る時間さえたっぷりかければ、いつの日か夢は叶うだろうとずっと思っていた。
 やがてまったく書けない状態にまで陥っていた。

 自らに掲げていたのは大手の新人賞を受賞することだった。何作かは送ってもまるでダメだった。でも気にせずに、作品をコツコツと書く日々を送っていた。
 ときどき、ふとブランコは思いに耽る。ここまでやっても一向に成果が見えないのは、もしかしたら自分に何も経験がないからではないのか、と。経験が豊富だからといって、それを小説にすることは別物だと思っていた。でも、あまりにも社会経験が貧弱なのも大いに問題がある。
 ブランコは何一つ不自由なく育ち、それどころかあまりに豊かすぎる生活をしてきた。父が死んで、生活は正反対に思いっきり質素になったものの、金を使うことすらほとんどない。
 そんな生活をしていて、本当に小説を書くことに意味があるのだろうか。文だけはうまくなったように思う。理想とする谷崎潤一郎の文を、どうにかしてなんとかなるくらいにまでは極めたと思っている。でも、たとえ文が上手くなっても書くことが何もなかったのなら、それはいくら外国語が上手く喋れても、他人と話そうとはしない、あるいは会話にまるで内容がないことと同じなのではないか、と。
 父の顔がときに浮かんでくることがある。
「小説だって? そんなもん失敗するに決まっているだろ」
 商才だけは恵まれていた父の言葉だった。

 ブランコは初めてマイを自分の家に呼んだ。マイはブランコが連れてきた初めての客だった。リビングのソファに腰かけたマイは相変わらずのルックスで、ブランコを魅惑した。えっー。これ何とか、こんなもの興味あるんだとか、本棚の本をじっと覗いたりしている。
 マイが自分の部屋に一歩踏み入れたときから、すでに頭の中はマイを抱くことで精一杯だった。マイは十九歳だといった。風俗店でそれくらい若い女のサービスを受けたことは幾度かあったものの、自宅だとまるで興奮度が違う。ブランコの心臓はたえずドキドキしていて、下半身は疼いてばかりいた。
 マイは興味深そうに書棚を腰を屈めて、見入っている。お尻をツンと突き出した姿勢だった。マイの脚の線をじっくりと眺め、臀部の丸みに見入った。そのまま後ろから強引に征服してみたい気分に駆られた。
 まだ飲み物さえ出していない。それでも、ブランコは後ろからマイに抱きつきたい衝動に駆られて、マイがすぐ手の届く距離まで迫っていた。
「ちょっと待ってよ。早すぎるわ」と、マイはすぐさま探知レーダーでも張っていたように、ブランコから素早く離れた。
 それから、しばらくくつろぐとマイは自分でブランコの手をとり、握ってから、寝室はどこと聞いた。その前に洗面所借りるわね、といった。寝室に現れたマイは、ベッドのわきで立っているブランコの手をもう一度とって、今度は自分の胸にゆっくりと当てていった。
 それからはスローモーションのようだった。場面場面がゆっくりと流れ、細部が迫りくる。マイの手ほどきは慣れていて、むしろ年上のブランコの方がぎこちない仕草を見せていた。それからベッドに誘った。身体を倒して、ゆっくりと裸になっていった。

 しかし、どういうわけかいざというときに、ブランコは不能になってしまっていた。あれほど股間は熱く屹立していたのに、いざというときになると空気が風船から抜けたように、強度を失っていった。

 というわけで、ブランコはかわりにマイの腕の中で、肌の温かみに包まれながら、身を丸くした態勢でベッドで目を瞑っていた。胎児のように身体を丸く、小さくしていた。マイはブランコの頭を撫でる。髪の毛も優しく撫でる。
 そうしていると、かすかに記憶に残っている母のことを思い出し、やがて一滴の透明な液体がブランコの頬を流れた。

「気にしないで。男の人って、とってもデリケートなんだから」

 不能になったのがあまりにショックだったブランコは、フォードブロンコに乗って、今度はソープへと行った。近場にはないから、かなりの距離だったが、確かめるには手っ取り早かった。勃起の強度も問題はなく、時間的にも十分すぎるほどだったのでホッと胸を下ろして、繁華街の路地に紛れてぶらぶらと歩いた。
 そこは地域で一番の歓楽街だった。客引きの男たちや、アジア人の女性たちが怪しい日本語で声をかけてくる場所でもあった。
 真っ昼間だ。でも、たとえ昼間であっても、こういう場所を歩く若い女もちらほらいた。中にはたんに通り過ぎるだけの人もいようが、この場所に相応しいような雰囲気を纏っている女ばかりだった。
 その中に混じって、ブランコは見知った女の顔を人混みの中に見かけた。はて、誰だったかと思い出せなかった。どこかの風俗店での女だったのかもしれない。
 しかし、途中で、足を止めて、気がついた。
 あれは、マイだった。
 違う髪型にしていて、メイクも濃かったためか、すぐにはわからかったが、あれはたしかにマイだった。若くてジーンズをずり下げて歩く、いかにも頭の悪そうな若い男と腕を組んで組んで歩いていた。見た目からして馬鹿そうな男だった。
 ラブホ帰りだろうか、と思った。それから後を追いかけて確かめずにはいられなかったが、ちらりと見かけた二人の姿を見つけることはできなかった。
 スマホを取り出した。メッセージでも送ってみようかと思ったが、どんな文言にすればいいのかわからかったので、またポケットの中に戻した。
 
 家に帰る。頭の裏側が例によってズキズキした。
 机に向かうことすら億劫で、ひたすらソファに身を埋めていた。外ではじりじりと小雨が窓を叩いていた。曇る窓ガラス。冷蔵庫の中からビールの缶を取り出し、ピーナッツの袋を開けた。
 ここ最近はやたらとビールばかり飲んでいた。いや、飲まずにはいられなくなっていた。執筆していたころはほとんど手を出さなかった。ワードの書きかけのファイルを更新したのは、思い出せないくらい、だいぶ前の日付になっているはずだ。
 次の日も嫌な雨が降っていた。食品の買い出しに出かけた。使い古しの靴のためか、帰ってくるころには靴下がベッタリと濡れていた。湿気の嫌な臭いがプンとした。
 ブランコはシャワーを浴びた。石鹸をつける。身体のどこから洗ってゆくかは決まっている。特に足の指の間まで丁寧に洗わなくては済まなかったし、股間周辺も同じように丁寧にじっくりと手で汚れを落とすため、ゆっくりと時間をかけるのが常だった。
 洗っても洗っても、落としきれない何かが、いつも身体に染みついているような気がしてならなかった。痒みにも襲われた。頭を掻き、腕は血が出るほど擦った。擦るほどに痒みは増長していった。
 マイと連絡を交わして、ブランコの家にくる約束を取りつけた。午後の時間、遅れてもマイは何もラインには入れてこなかった。ブランコはイライラしながらも、辛抱強く待っていた。
 マイが来た。例によって、身体の半分しか服で隠されていない格好だった。今日ばかりはマイのルックスがどうしても下品に見えてしかたなかった。ただの売女にさえ見える。はみ出たおしりも、安っぽい香水の匂いも、服装までもが小汚い家出娘のように見えた。マイの汚れ切ったどす黒い穴が透けて見えるようで、そこに入れたことはまだなかったが、真っ暗な色をしていることくらいは、よくわかっていた。目の前にいるのが、ただのカス女にしか思えなかった。
 書く文章だけは、軽々しく自由で、優雅で品があるくせに、実際にこうして汚れた子猫のような姿態を見せられると、ひたすら嫌悪感がブランコを貫く。まるで『痴人の愛』に出てくるナオミのような女だと思った。
「今日はきっと大丈夫だからね」と、マイは微笑んだ。天使のような表情だった。そんな顔をしているはずなのに何の躊躇もなく、ブランコの股間に舌を伸ばしてきた。マイの舌の感触を味わいながら、繁華街で見かけた薄汚い小男の顔が浮かび、そいつの汚れ切ったペニスに舌を這わせて笑う、マイの姿を思い浮かべた。
小汚いビッチめが、臭いマンコの売女めが、とブランコは頭の中ではマイを侮辱しつつも、ベッドでは足を軽く広げてマイのフェラチオに身を委ねていた。

「どこが好きなのか教えてね。コミュニケーションだからね」

 しかし、マイの放ったその一言で、ブランコは何かがプツリと切れてしまった。それから急に萎える。
 次にマイの髪の毛を引っ張って、強引に顔を上げさせた。
「痛いわ! やだ、ちょっとどうしたのよ。今日のブランコちゃん、どこかおかしいわよ」

「うるせー、この馬鹿野郎が。下品女! ビッチ!」

 まるで自分の口だけが、別の器官のように自分の意思と離れたところで、ひたすらマイという若い子を相手に、あらゆるかぎりの罵声を浴びせた。小さいころから声が小さいと言われてきたが、このときだけは大声が出た。出まくっていた。
 馬鹿ばかりをやたら連発し、小学生程度の喧嘩と何ら変わらなかった。
 その剣幕する姿態は、酔っ払って帰宅して長い時間にも渡り、おそらくはビジネス上での敵に、ものすごい勢いで突っかかていったブランコの父の姿と重なっていた。
あるいは小さいとき、サヨコが父の股間に顔を埋めて、父はサヨコへの悪態をつきながら恍惚の表情を浮かべていたことを思い出した。

 ブランコはその後、警察からの呼び出しをくらった。
 ありのままを語り、聞かれたことにも正直にすべて答えた。マイが十九歳だと言ったので、それを信じた、と答えた。
 マイは十九歳ではなく、実際の年は十七歳だった。まだ高校生だった。当然ながら両親が警察に駆け込んだわけだったが、事態がこじれる方へはいかなかった。
 警察の調べに対して、マイは、ブランコがいい人であり、本番までは行かなかったと口にした。しかも、それはマイが合意の上でのことだったと、泣きながら、きっぱりと断言したのだった。問い詰める警察に対し、マイは、でもとてもいい人でした。優しいし、頭がよくて、いろんなことを教えてくれた。感謝してます、とまで言った。特に、ブランコは小説にかけての観察眼は鋭くて、ほんとうに尊敬してました、と。
 それでも、ブランコはあなたに暴力を振るったんですよ、と警官が聞いた。
 その日、自宅でブランコは何度か、素手でマイを殴っていた。擦り傷程度であったが、暴力には変わりなかった。
 いいんです、どうせ私は、はしたない女だし、ブランコちゃんの言ったことはすべて本当なので、と言って、マイはワーワーと泣き出した。
 マイの両親も、これ以上事を大きくすることを望まなかった。

 ブランコは警察に、マイさんに対して何か言葉はありますかと、最後に聞かれた。
 長々とした憂鬱を押しつけてすみませんでした、とだけブランコは言った。

 もろもろのことが収まりを見せて、ブランコは引っ越した。
 フォードブロンコも売った。駅近くの便利な地域にある小さなアパートに住むことにした。大きな家が嫌いだった。やっぱり、ブランコには大きな家は似合わなかった。ありすぎるスペースがあると、そこに余計なもので埋めつくさなくてはいけなくなるからだ。幼いときの、ブランコの母と住んでいたときの、自分の部屋くらいしかない小さなアパートだった。でも、住み心地はよかった。
 心を入れ替えたブランコだったが、でも小説は書けなくなっていた。そのかわり批評をした。文学は好きだったので、捨てることはできなかったからだ。

 それから、ある小説投稿サイトに顔をちょくちょく出すようになった。
 ブランコとしては誠心誠意に批評をした。書く言葉は悪かったが、相手のことを思って、返信を出した。特に、こいつは伸びるかもという相手には、手厳しい直接的な言葉を送りつけた。見込みがなさそうな相手には感想を出さなかった。
 なあなあばかりの空気では、出るものも出てこないさ、と心底思ってのことだった。
 相手の長所を見つけて引き延ばすというやり方が肌に合わない。叩いて叩いて、それで潰れるくらいなら、しょせんはそれまでのやつでしかない、という見地を決して崩そうとはしなかった。
 そういうやり方は今の時代には合わず、かなりの批判を浴びることもあった。ときおり、変な屁理屈ばかり書き連ねて、ブランコのまるでスパルタみたいな批評に、対抗するやつが現れた。でも、そういう奴はだいたい周囲の圧力に屈するか、自分の意見を貫くことが馬鹿らしく思えて、すぐに軽々しく態度を豹変させて迎合するようなやつばかりだった。
 そういう馬鹿が最近また一人現れた。その馬鹿はたびたび抗議する文を送ってきた。またどこかの馬鹿だ。見れば四文字だけの数字。しかも、その意味は、「重大犯罪を犯しそうな悪人」を指し、アメリカ警察が使う暗号として使われていることがわかった。
 ブランコはそいつの文を読んで思った。これほどの馬鹿は最近見たことがない、と。こいつは馬鹿は馬鹿でも、正真正銘の馬鹿だ。やつの書く文には、自己欺瞞と屁理屈のオンパレードにしか思えなかった。こじつけばかりで、意味などまったくないように思えた。
 そこに書いてあることが理解できなかったし、理解しようともしなかった。しょせんは頭の悪い雑魚が書いたものにすぎない。
 やつがどんな作品を書くのかと覗き込んだが、途中で放り出した。すべてにおいて平均的すぎて、こんなことを書くやつなど、腐るほどいる。センスのかけらさえない。消費される前にゴミになるしかないような作品。この程度の作品を出すようなやつに、わざわざ感想など送るまでもない。感想さえ送るに値しないやつでしかない。
 しばらくして同じやつが最新作を投稿した。試しに読んでみる。
 これもあまりに下らないものだった。
 一人の孤独な男の人生が書かれてあった。文学へのコンプレックスにまみれ、才能があったにも関わらず、自分を追い込まなかったばかりに芽が出なかった、どうしようもないクズ男の物語だった。読み終えると、怒りというよりも、虚脱感に襲われた。

 その作品はあまりに馬鹿馬鹿しいが、それよりももっと馬鹿馬鹿しいのはこんなくだらない物語を平気で書ける、この作者の頭の中身だった。
 こいつは自分から馬鹿だと批判を浴びるようなことを、自らわざわざ仕掛けている。怖い、自分が可愛い、傷つきたくないという感覚さえない、どうしようもなく鈍感なやつなのだろう。
 あるいは、嫌われる勇気、などというきれいごとを主張をする正真正銘の、自己愛にまみれたナルシシストなのだろうか? どこかに精神的な異常があるとしか思えない。

 普通、こういうサイトに投稿するやつは、外見だけはきれいに整えられた、見てくれのいい保守的なものを出す傾向にあるものだ。いい感想が欲しいばかりに、弱点だけは異様に整えて、とにかく外見をよくして人の目を引くものを出すのが、ここいる大半がしている方法だ。
 そして、自分の本音を作品の文では一切触れようとせず、裏で匿名で、おちゃらけて吐くものだと決まっている。こんなところに出す作品にリアルを込めるやつなど一人もいなかった。せいぜいがリアルっぽい嘘程度のレベルだ。
 これを書いた作者のように、ここまでの大馬鹿なやつは見たことがない。末恐ろしい。やはりコロナ禍で人の頭がいかれたに違いなかった。どうやってこんな馬鹿をさらして、これまで生きてこれたというのだろう。
 馬鹿を何乗しようとも、それでもまだ足りないほどの究極の馬鹿……。

 ブランコはこんなくだらないことを書く作者に対して、さんざんの悪態をついた。ブランコのアパートにはUFOキャッチャーでとったぬいぐるみがあった。くまのプーさんのぬいぐるみを相手に、馬鹿と三十回ほど罵声を浴びせると、気分が晴れた。
 そんなわけなので、住民からの苦情も受けた。黙っとれ、キチガイ。そんなときは、外へ出て、馬鹿な顔をしている人間に対して、馬鹿と独り言をつぶやいて、徘徊した。汚れた人混みが嫌になると、誰もいない公園で、一人寂しくブランコに乗った。
 夕暮れ時のブランコに乗って風に揺れた。幼少時とは違って体重がめっきり増えてしまった今では、もうあのときのように空へ向けて足を蹴る勇気などない。自分の体重でひっくり返ってしまう恐さがあるからだ。できるのは、ただ足をぶらぶらさせて、不平不満をぶちまけることだけ。
 でも、こういう誰もいないところだと、うちにわだかまっているものは、小さくなりを潜めてしまう。やがてブランコの小さな声は、いくぶんか冷たさの混じった風にかき消されて、夕暮れの中に消えていった。

 了
 

 
 
 

 
 
 


 

 


 
 

 
 

ブランコ氏の憂鬱

執筆の狙い

作者 5150
5.102.11.208

拙作については、完成して掲載したこの時点ですでに役割を終えて終わってしまったもの、と作者は勝手に判断しています。いろいろ考えた末にこうして作品を出すことにしましたが、今回は書かれた感想者に対しての作者からの通常の返答は原則としてしないことを決めました。なので、もし読んで感想を書いてくれた人がいたとしても、勝手ながらここで感謝の意を伝えるという形のみにさせていただきます。ご了承下さい。

また特にここで書く必要のないことではありますが、現在5150は他の作品への感想を出すことを自粛している最中です。当分は書くことのみに専念しようかと思っています。

「ブランコ氏の憂鬱」についてはフィクションであり、あくまで「作品」として仕上げました。「創作」であることは言うまでもないように思われますが、一応ここできちんと断っておきます。四十四枚。

次作についてはきっちり二週間後を予定しています。

コメント

夏の魔物
KD106180020138.au-net.ne.jp

なんという偶然!
私も今、ブランコ氏が特別出演する

なんてむなしいカタルシス
(副題:somebody to love)

という短編を書いている途中なのです!

一応5150様と一緒に氏を取り上げようとしているのではないということを強調するためにコメントを残しておきます。

確かにこの物語のように、きっと氏にもあの文を書くに至った原因があるのでしょう。

夏の魔物
KD106180020138.au-net.ne.jp

氏の名前のもじりも『ブランコ』と被っていて、驚きました!(あまりこれ以外のもじりが思い浮かばないのも事実ですが…)

夏の魔物
KD106180020138.au-net.ne.jp

何度もすみません。私の投稿は、ごはんの状況が落ち着いたころにする予定です。

茅場義彦
M106072175192.v4.enabler.ne.jp

ブロンコは初老の拗らした処女 文学に濡れすぎて、閉経したおばあさま

間違いない

もんじゃ
KD106154133074.au-net.ne.jp

 5150さま

 拝読しました。

 いやいやいやいや返事はしないと書かれていてもスルーしませんできませんな、こんなテキスト目の当たりにしちゃあ。

>ブランコが十一歳のとき、ブランコはブランコから落ちて頭を打った。

 ここでもう笑えて笑えて、

>フォードブロンコ

 で椅子から転げ落ちましたが、

 それはさておき、

 マイさんがどう思うかは知りませんが、

 いやあ、ぐんちゃんよかったねえ、としかいいようがない。こゆのがあうへーべんですよ、ぐんちゃん。昇華されてますねえ、あ、こゆのが昇華ね、昇華ちがいしてた……誰でしたっけ。

 5150さんがこれ書くなんて、なんだろ、愛かそれは愛なのか変態なのか、みんなおかしいのかなんなんだかわかりませんが、すごくマコトな、こんな小説を、もしも、もしもですよ、書かせたのがぐんちゃんならば、ぐんちゃんあんた報われたねい、なんかちくしょうめ。

 ともあれ、完成度云々はまあ例によってうっちゃって、これが面白いか面白くないかでいったら、面白い、安っぽくなく面白い、もったいないほど面白い、どうせぐんちゃんはまた喜び勇んでサディスティックにサティスファイなんだろけど、これ書かせたのがまじぐんちゃんの功績だったとしたらねえ、くぅ、しっとするー、とか書かれると5150さんはヤかもしんないけど、つか何考えてこれをっ! って皆目わかんないけど、剥けましたねえ、って感じました、くぅ。

 もういろいろ世の中のことわけわかんなくなるくらい面白い表現でありました、読ませていただきありがとうございました。

 ところで、感想書かないことにしてる、とか書かれてたけど、まあそう言わず、その気になったら感想ください、もんじゃのやつに、なぜならば5150さんのアンテナは常に信用できるからでありますよ。ともあれ! これ書かせたのがぐんちゃんだったとしたらちくしょうほんとなんてこったありかよそんなの、とか泣けて笑えましたよ、返信ないから独り言だけど、くぅ。

 またフランチェスカの続き読ませてくださいね、楽しみにしています。

5150
5.102.11.208

えーと、プチ返信です

というのも、そういやmay さんに対してのフォローが一言もない(汗)っていうわけなので。

mayさんがこれを読んで気を悪くされないわけがないはずなので、自己弁護のためにノホホンと顔を出したわけです。作中の「マイ」と「may」が違うと言い張ったところで虚しいので、では、なぜこんなふうにマイを書いたのか。

言うまでもなく、主人公はブランコなわけであり、彼を引き立たせる脇役として設定しました。はっきりいうと「グッドコミュニケーション」で作られたキャラがあって、それを読んだブロンコちゃんが独自に想像したmayさんの実生活での性格を、5150がブロンコちゃん目線で想像したのが「マイ」ということです。もちろん「グッドコミュニケーション」は作り物であり、mayさんの性格とは関係ないのは明らかですし。

話を面白くさせるために、マイを十七歳にしたわけで、ブランコの変態性を強調させるために、マイの身体の描写については思い切り誇張してあります。

ちなみに作中にちらりと出してアピールしましたが、ブランコとマイの関係は谷崎潤一郎の「痴人の愛」を下敷きにしたものでもあります。谷崎潤一郎の平易な文章で、自身の変態性をこれでもかと描いた傑作です。知名度がないのが悲しい。

気を悪くされたのなら申し訳ないです。


夏の魔さん

5150はただの無鉄砲者なので、ご自身の作品にはそっとオブラートに
包む方がよいかと。作品の成功をお祈りしています。

茅場義彦さん

5150は新参者だしワイドショーは見ないんで、女性だったんですね。ところどころで腑に落ちることがありました。情報ありがとうございます。

もんじゃさん

いつもエールを送ってくれて感謝します。一度言ったことは破る性格ですので、もしかしたらお邪魔するかもしれません

あと、僕のかわりに言ってくれませんかね、悪になるのも鍛錬がいるし、オーラが足りない。どうせやるんなら悪の華みたいな、かっこいい悪者になれよ、って。昇華してないんだよね。ポリシーがないし。

あっ。ほら、また余計なこと書いちゃった。

5150
5.102.11.208

間違えました、夏の魔物さんでした。スミマセン。

5150
5.102.11.208

もうみなさん、感想はこれ以上送らないで下さい!

5150
5.102.11.208

もう一度書きます。感想は送らないで下さい。自分の身は自分で守るのが一番かと思われます。

5150
5.102.11.208

皆さまへのお詫び

この度はゴジラを覚醒させた張本人として、まあゴジラに火をふかれて一番とばっちりをくっってしまった、幾人かの書き手さんには本当に申し訳ないことをしたと思っています。今回のことではたとえゴジラであっても、他人に言葉を向けるとはどういうことなのか、本当に勉強になりました。これもひとえに5150の未熟さゆえと反省しております。

なお、まだ返答待ちなのですが、削除依頼はすでに済んでおります。

夜の雨
ai197176.d.west.v6connect.net

「ブランコ氏の憂鬱」読了しました。
原稿用紙43枚。

●で、この作品「削除依頼」「運営」に出したのですか?

私が読んだところでは、「削除するような問題がある作品には、思えませんが」。
それに、感想欄も荒れていませんしね。

そらぁ、荒れないわ、内容ではどこにも問題はない、普通の小説だから。

あと、タイトルになっている方の名前がこちらのサイトを利用している方でいるらしいですが、名前が似ているというだけで、ほかの名前で作品を書いていると、まったく気づかない。

●だから、作者の5150さんが、勝手に騒いでいるだけ。
該当者と思われる方からもクレームはついていない。
そりゃあクレームはつかないわ、その方をけなしているわけでもない、内容でした。

まあ、クレームがつくとしたら、作品以外でいかにも「本人をまねています」、というところが、「うざい」というぐらいかな。


だいたい、執筆の狙いで、「今回は書かれた感想者に対しての作者からの通常の返答は原則としてしないことを決めました。なので、もし読んで感想を書いてくれた人がいたとしても、勝手ながらここで感謝の意を伝えるという形のみにさせていただきます。」
こういうことを書いて、「感想をいただいても、返信しません」。というような意味を書くから、御作を読まないで、タイトルになっている人物が屈辱を受けるような内容なのかと、勘違いしてしまう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

5150
2020-10-17 06:55
5.102.11.208
もうみなさん、感想はこれ以上送らないで下さい!

5150
2020-10-17 07:21
5.102.11.208
もう一度書きます。感想は送らないで下さい。自分の身は自分で守るのが一番かと思われます。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
感想欄に上のようなことを書くから、どんな大事になる内容で、感想を書くととんでもないことが起きると予感させているが、御作を読了してみると、「一般的な作品」で「鍛練場から削除するような内容が書かれていたとは、思えない」。

ということでした。

●普通に、安心して読める作品です。
感想欄とか伝言板では作者の5150さんの思い込みが激しい内容が書かれているために、「ブランコ氏の憂鬱」という作品は、勘違いされる。


作者の5150さんへ。
こちらの作品のどこが問題で削除依頼を出したのか、具体的に書いてください。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


以上です。

u
opt-183-176-87-74.client.pikara.ne.jp

5150さんへ
君のヘタレが
逆にでしょと取り巻きを増幅させるのでしょうね!(あっ!全然増幅していないかwwwwww)
まあドデモいいけど、これだけかけるのであれば夜雨さんの言うように毅然とした態度でUPwwww削除申請なんかすんな! 遊びで描いたわけじゃないでしょ?

あの方の悪口三昧、最近はかなりマイルドwwwwww大人になったのか、オトシを召されたのかwwwww
だから、いちいち気にすんなwww もんじゃもwww


以前は〈死ねー!〉って平気で言ってたんですwwwwwwwwww

5150
5.102.11.208

夜の雨さん

>>私が読んだところでは、「削除するような問題がある作品には、思えませんが」。
それに、感想欄も荒れていませんしね。

感想欄については、まあ、普通ならこんなところアホらしくて顔出さないと思いますし。感想欄では、餌を垂らしていますが、当然というか、引っかかってないですし。最近は他の方と群れて餌の取り合いばかりしていたようですが。


>>そらぁ、荒れないわ、内容ではどこにも問題はない、普通の小説だから。

恨みを晴らすためだけに43枚も費やすなんて、時間の無駄ですし。あくまで小説という形にこだわりました。そこだけが目的でした。


>>あと、タイトルになっている方の名前がこちらのサイトを利用している方でいるらしいですが、名前が似ているというだけで、ほかの名前で作品を書いていると、まったく気づかない。

ほんとはね、ブランコじゃなくて違う名前考えたんですけど、やっぱり冒頭の一文で始めたかったので、変えられなかったんですよね。

>>だから、作者の5150さんが、勝手に騒いでいるだけ。
該当者と思われる方からもクレームはついていない。
そりゃあクレームはつかないわ、その方をけなしているわけでもない、内容でした。

けなしてないですよねー、ぜんぜん。小説を書いているときは、むしろ可愛かったですもん。そこを聞けてメチャ嬉しかったです。今回は見事に場外で踊らされちゃいました。名指しにされたもんで。

>>まあ、クレームがつくとしたら、作品以外でいかにも「本人をまねています」、というところが、「うざい」というぐらいかな。

針が餌から見えすぎていたのかも。

>>だいたい、執筆の狙いで、「今回は書かれた感想者に対しての作者からの通常の返答は原則としてしないことを決めました。なので、もし読んで感想を書いてくれた人がいたとしても、勝手ながらここで感謝の意を伝えるという形のみにさせていただきます。」
こういうことを書いて、「感想をいただいても、返信しません」。というような意味を書くから、御作を読まないで、タイトルになっている人物が屈辱を受けるような内容なのかと、勘違いしてしまう。

そうげんさんへはまったく根に持っていませんが、おそらくその種の先入観があったようには思えるし、ああいう風に書くと、むしろそれが普通の反応なのでしょうねと、思ったりします。夜の雨さんもそうだったんでしょうし。というか、あれを書いたのは、まさかこれを読んで普通の小説に対する感想を書く人はさすがにいない、と思えたのでああしました。もっとしらばっくれしてた方がよほどよかったかな、と今頃になって思います。

>>感想欄に上のようなことを書くから、どんな大事になる内容で、感想を書くととんでもないことが起きると予感させているが、御作を読了してみると、「一般的な作品」で「鍛練場から削除するような内容が書かれていたとは、思えない」。

普通の内容に仕上げたと思えたからこそ、投稿したわけで、そこはもっと堂々としているべきだったかな、と思いましたね。


>>普通に、安心して読める作品です。
感想欄とか伝言板では作者の5150さんの思い込みが激しい内容が書かれているために、「ブランコ氏の憂鬱」という作品は、勘違いされる。

思い込みはパワーなり。いや、まあ、いくら伝言板でやり取りしても、無駄な時間を費やすばかりだったので、その思い込みを小説に変換することで、気持ちをニュートラルに戻したかったという動機がありました。人の恨みだけじゃ、小説の形にすることはどだい無理でしょう。

>>作者の5150さんへ。
こちらの作品のどこが問題で削除依頼を出したのか、具体的に書いてください。

書く理由がなかったんで、他人を侮辱する内容云々という曖昧な内容で書きました。これはむしろmay さん側への配慮が大きくて、そう決断しました。夜の雨さんの言うように、周囲からどうせ先入観で見られているにすぎない、という自覚を持っていたもので。まあ、これも思い込みなんでしょうが。

これを書いている段階では、運営側からの削除依頼に対しての連絡はまだ受け取っていません。

5150
5.102.11.208

uさんへ

そりゃあ、遊びどころか、本気も本気でブランコちゃんに惚れまくって、愛情かけて書きましたもん! キャラのブランコちゃん以外は目に入らなくなって、fall in love 状態でしたもん。

まあ、自分は自分新参者ですし、裏のワイドショーは嫌いなんで、女性だったことも知りませんでしたし。まあ、幻の魚はそのままにしたほうがいいわけで、餌ぶら下げで釣ろうとしたこと自体、間違いだったようなので。シーラカンスじゃないわけですし。深くに潜っているのがそのうち嫌になって、また姿表すんだろうと思いますが、そんときは姿だけ見て、拝んでみますね。

ありがとうございました。

5150
5.102.11.208

夜の雨さんへ

2020-10-16 23:27 に伝言板にて、一応クレーム(?)というか、世迷いごと、呪詛みたいのが出てますよ。

夜の雨
ai197097.d.west.v6connect.net

「呪詛みたいのが出てますよ。」 ←読みました。

「エロいクサいやつがない」と言っているので、御作を書いたわけですね。

言葉でイキたい、って ←御作だとギリギリセーフだと思いますが。まあ、あの方を喜ばすには、もう少し刺激が必要ではないかと思います。

●どちらにしろ、運営に削除依頼を出すような御作ではないと思いますが。


以上です、それでは、楽しい日常を過ごしてください。

ニャンコロ
KD111239152131.au-net.ne.jp

拝読しましたので感想を。
と、その前にお断りを入れさせてください。
感想欄をざっと読んでみたところ、キャラのモチーフとなる方がこのサイトに居られるようですが、私はその辺りの柵を把握しておりません。
掲示板を軽く斜め読みしましたが、何が発端でどちらがどうのこうのという話は分かりませんでしたし、正直あまり興味もありません。
純粋な完結作として御作を読ませていただきました。

冒頭の文章の掴みがすごく良かったと思います。
主人公であるブランコ氏がどういう人物なのかなんとなく伝わってきます。たぶんドジっ子で変わり者なんだろうなー、と。
また作品の雰囲気も冒頭から掴めたので、物語に入り込みやすく感じました。

作品全体に鬱々としたものが漂っていて、それは読んでいてストレスを感じましたが、主人公がマイに狼藉を働くシーンで上手いこと解放できたので良かったと思います。

気になったのは、カタルシスが開放できるまでの道のりが長く感じたことですね。
もっと小出しに陰鬱感を発散できるシーンがあれば、読み進める推進力になれた気が致します。

>それから、ある小説投稿サイトに顔をちょくちょく出すようになった。
ここから作品の雰囲気と方向性が変わった気がしました。
作者さん的には、ここから下を書きたいがための前半部分だったように感じましたが、果たしてここより上の前半部分は適切な前フリであったのか。紆余曲折からの結果、の結びつきが弱く感じました。

筆者の狙い欄に『完成して掲載したこの時点ですでに役割を終えて終わってしまった』とあるので、私の感想は野暮ったいものかと思います。なんならスルーしていただいても大丈夫です。

作中に小説家の名前が出ますが、たくさんの小説を読まれているんだなと感心しました。たんに私の見識が狭いだけとも言い換えられますが……。共通認識の取れる固有名詞は経済効率が高くて、上手いこと取り入れて使っているなと、こちらも感心しながら読みました。

執筆ご苦労様でした。

5150
151.68.30.30

ニャンコロさんへ

>>掲示板を軽く斜め読みしましたが、何が発端でどちらがどうのこうのという話は分かりませんでしたし、正直あまり興味もありません。
純粋な完結作として御作を読ませていただきました。

拙作は始めから他を拒む形で出しているので、純粋に、これを読んでくれたということに感謝します。背景については、世の中には知らない方がいいこともある、とだけ書いておきます。

>>冒頭の文章の掴みがすごく良かったと思います。
主人公であるブランコ氏がどういう人物なのかなんとなく伝わってきます。たぶんドジっ子で変わり者なんだろうなー、と。また作品の雰囲気も冒頭から掴めたので、物語に入り込みやすく感じました。

嬉しく思います。

>>作品全体に鬱々としたものが漂っていて、それは読んでいてストレスを感じましたが、主人公がマイに狼藉を働くシーンで上手いこと解放できたので良かったと思います。気になったのは、カタルシスが開放できるまでの道のりが長く感じたことですね。もっと小出しに陰鬱感を発散できるシーンがあれば、読み進める推進力になれた気が致します。

以前に何度か指摘されたことに、筋が一直線に進みすぎる、というのがありまして、おそらくニャンコロさんの言うように、ところどころ息抜きがあった方が、読む方としてはよかったのかもしれません。


>それから、ある小説投稿サイトに顔をちょくちょく出すようになった。
ここから作品の雰囲気と方向性が変わった気がしました。
作者さん的には、ここから下を書きたいがための前半部分だったように感じましたが、果たしてここより上の前半部分は適切な前フリであったのか。紆余曲折からの結果、の結びつきが弱く感じました。

正直に書くとその箇所は必要だと思ったから書いた程度であり、実際には、その前の部分の出来事まるごとを小説的な流れの中に落とす、ということが一番の目的でありました。あることをなぜしたのかというのを、前半にて伏線という形で伝えるために、前半部分はすべて費やしています。

>>筆者の狙い欄に『完成して掲載したこの時点ですでに役割を終えて終わってしまった』とあるので、私の感想は野暮ったいものかと思います。なんならスルーしていただいても大丈夫です。

感想を頂き、本当に嬉しく思います。

>>作中に小説家の名前が出ますが、たくさんの小説を読まれているんだなと感心しました。たんに私の見識が狭いだけとも言い換えられますが……。共通認識の取れる固有名詞は経済効率が高くて、上手いこと取り入れて使っているなと、こちらも感心しながら読みました。

いつも作中に、作家名とか作品名を具体的に出すときって、すごくドキドキするんですよね。ほんとに出しちゃって効果的なのかどうか、と。今回は具体名を出した方が、逆によくなると思っていたので、躊躇することなく出しちゃいました。

ありがとうございました。

x
p2039242-ipbf908sapodori.hokkaido.ocn.ne.jp

内田百間て誰ですか?
内田百閒?

5150
151.82.128.51

正しくは内田百閒ですね。変換で間違えてしまいました。

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

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