作家でごはん!鍛練場

シーサイドビューフォーユー

 唐突に日記を書き始めた理由は、はっきりと一つ。嵐田君とお別れしたからです。
 何というか、リセットしたかったのですね。気持ちを。そういうことって皆さんもよくお有りだと思うのですが。まぁ、というか妙に丁寧語で書いていますが、今のところ私はこの日記を誰にも読ませるつもりはありません。日記帳に気持ちを書き留めて、ただ、それだけのつもりです。SNSにアップするだなんて論外です。じゃ皆さんって誰だよって話ですよね。
 とにかく昨日、私と嵐田君の一年半が終わりました。一年半。どうなんでしょう。長くもないし短くもない。実に中途半端な数字だと、私は思います。え、理由は何って?
 理由はですねぇ、ってこれもまた誰からの質問なんだよって感じですよね。すみません。日記を書くなんて小学校の宿題以来なので進め方がよく分からないのです。
 私達の別れに明確な理由はありません。
 どちらかが浮気をしたわけでもないですし、決定的な喧嘩があったわけでもないです。何なのでしょうね。まぁ、その理由がはっきりと分かるのであれば別れたりしなかったのではないかなぁ、とも思いますが。
 早い話、結局は分かり合えなかったんだなぁ、と今はそれに尽きます。嵐田君にとっての直径が私にとっての半径だったような、そんな感じです。最初は同じ間隔で暮らせていたのですけどね。少しずつ何かが変わっていってしまったような。それは嵐田君も、おそらく私も。不思議ですよね。
 暗い話はやめましょう。
 とりあえず気持ちのリセットです。私の誕生日は八月だけど、一足先に誕生日を迎えるような、ハッピーバースデー的な、そんな気持ちです。では初日はこれくらいで。



 一人になった私はレンタルDVDを借りて観るくらいしかやることがありませんでした。あまりにも観過ぎて、もともと悪い目が更に悪くなったのか、眼鏡をかけても遠くのものが霞んで見えるようになってしまったくらいです。
 長い春を越えて私は大学三回生になったのですが、最近は大学にも行っていません。別に大学が嫌いなわけではありません。友達だってちゃんといますし。ただ、今はどうしても足が向かなかったのです。身体に力が入らなかったのです。
 そうこうしているうちに街はもうすぐGW。私は部屋で、ジメジメと一人でDVDを観ていました。
 幸か不幸か私の下宿の斜め前にレンタルDVD屋があります。徒歩三十秒というところでしょうか。私は二日に一回ここに通いました。
 私は二十一で、女子大生で、略せばJDというわけで、うら若き乙女ではあるのですが、どうにも怪獣が出てくる、あのいわゆる特撮映画というものが大好きでした。私は、間違いなくこの春、日本で一番特撮映画を観た女子大生だったと思います。

 その日も私は店に入り、最短距離で特撮コーナーへ向かいました。ゴジラだとかガメラだとか、キングコングだとか、お馴染みの怪獣達が私を待っていました。ガォーとその雄叫びが聞こえてきそうなパッケージの写真。右へ左へ、並んだDVDの帯の上に視線を泳がせます。
 それで私はそこから二本のDVDを選びました。一本は観たことがあるもので、もう一本は初めてのものでした。
 レジに向かう途中、新作のレンタルコーナーが目に入りました。並んでいたのは春休みに嵐田君と映画館で観た恋愛映画でした。
 私はそのパッケージを手に取りました。
 春の頃を思い出します。
 正直言ってお世辞にも面白い映画だったとは言えません。売り出し中の女優さんと売り出し中の俳優さんが出ていること以外には何のセールスポイントも無い映画。嵐田君は退屈になってしまったのか、途中から完全に眠っていました。私も退屈でした。それでも嵐田君があまりにもあっけなく眠ってしまったので、私だけでも起きていなければ! という謎の使命感で何とか最後まで起きていました。
「あんまりだったね」と微笑む起き抜けの嵐田君。私は「主演の女優さんはなかなか上手に泣いていましたよ」とよく分からない感想で返しました。嵐田君は少しうなずきコーラの続きを飲みました。
 あの映画がもうレンタルしているのか、と私は世間の回転の速さに驚きました。
 私が特撮映画を観ている間にも世間は忙しなく回っている。いつの間にか嵐田君と私の思い出は過去となり、レンタルDVD屋に並んでいるのです。そして今は新作ですが、それもすぐに旧作となるのでしょう。
 少しの寂しさを覚えました。や、訂正、かなり寂しかった。私はパッケージを元あった場所に戻してその場を去りました。
 会計を済ませて店を出ると空はおろしたての絵の具で塗ったようなブルーで、これは私の心のブルーとはまた違ったブルー。目をつむって深呼吸をしたところで後ろから誰かに声を掛けられました。レンタルビデオ屋の店員さんでした。
「借りたDVDをお忘れですよ」
 と、高校生くらいだと思われる青年。若く背の高い彼はDVDの入った黒の袋を私に差し出しました。
 私は「あぁ」なんてすっとぼけた声を出してしまいました。DVDを借りに行ってその借りたDVDをまるまる忘れてくるだなんて、我ながら馬鹿だなぁ、と思います。
「ありがとうございます」
「いえ、よく来られてますよね」
 そう言われて、私も彼の顔に見覚えがありました。「近いんで」と頭をかく。
「特撮映画、本当にお好きなんですね」
 彼は屈託なく笑って言いました。
 私は湯沸かし器のように、ポォー。


 ある夜、ベランダで煙草を吸っていると、桃子さんから電話がかかって来ました。
「聡子、ちゃんと生きてる?」
「一応生きています」
 そう言うと桃子さんは電話の向こう、うんうん、良かった良かった、と感慨深気に繰り返しました。桃子さんはゼミの一つ上の先輩です。来春からの就職先も決まり、近頃はのんびりとされているようで、その生活の端々をSNSでは拝見していましたが、声を聞くのは久しぶりでした。
「駅前で飲んでるの。出てきなよ」
 桃子さんの言葉はいつもどこか有無を言わせない迫力があります。怖い、とかそういうわけではないんですけどね。なぜか、桃子さんの言う通りにしなくちゃ! という気持ちになってしまうのです。それで私は反射的に「行きます」と答えていました。
 外に出るといつの間にか夕暮れ時は夜で、私は煙草に火をつけて駅へと続く大通りを歩きました。空気はひんやりと冷たく、メンソールの煙草がすーすーします。
 思った通り、桃子さんはいつもの店で、いつものメンバーと一緒でした。このいつものメンバーというのもゼミの先輩の方々で、私も顔馴染みです。皆、私の顔を見るなり「きゃー、聡子が生きてた」なんてきゃっきゃっと笑います。ええ、私はちゃんと生きています。
「少しは元気になった?」
 と、言われて、あぁ、やっぱり私、元気ないと思われてたんだなぁ、と思いました。嵐田君も同じゼミでしたので、先輩方も彼のことはよく知っています。そういえば嵐田君と別れてもう二週間が経ちます。
「まぁ、それなりに。最近は特撮映画ばかり観て過ごしています」
「ヤバいね、それ」
 先輩の一人がそう言って笑います。昨今の女子大生は特撮映画など観ないのです。
「上手くいってると思ってたんだけどねぇ」
 と、桃子さんは残念そうに言って煙草を灰皿に押しつけました。
 はい。私だって上手くいっているとばかり思っていました。
 でもそんなこと、今更取り出してこねくり回して、何になるというのでしょう。どう考察しようとも結果は既に出ていて、私達の恋は上手くいかなかったのですから。恋の司法解剖など、すべきではないと私は思います。
 しかし先輩方は違くて、いや、彼女らはただ単にゴシップネタが好きなだけかもしれませんが、その夜、私は嵐田君とのあれこれを隅から隅まで聞かれ、先輩方の様々な意見を聞かされました。
 分からない頭に分からないことは入りません。私は先輩方の意見をうんうんと聞いている顔をしていましたが、その実は右から左なのでした。悪気があるわけではありません。司法解剖には反対ですが、どうせ意見を聞くのであれば、私だってちゃんと考えたい。ちゃんと反省したり、経験値として何かを残したい。しかし、今は無理。底の抜けた水筒に水は溜められません。
 結局店を出る頃にはもう日付が変わるか変わらないかというくらいの時間で、先輩方は終電で帰るとのこと、ぶんぶんと手を振りJRの改札に消えて行きました。閉店したみどりの窓口の前で小さく手を振り返す私。先輩方がいなくなると急に現実に引き戻されたように夜で、帰ろう、と私は下宿へ向かって歩き出しました。

 駅からの帰り道、同じように家路を急ぐ人々は皆、死んだような目をしていました。見ず知らずの方に対して死んだような、なんて失礼ですが、まぁ皆疲れているのでしょう。私だって疲れた。
 下宿の斜め前、レンタルDVD屋の前でジャンプをしている人がいました。
 それは跳ねる、というより飛ぶ、という感じ。高く、飛ぶ、人影。わけが分かりませんでした。だって、普通に考えてこんな深夜にレンタルDVD屋の前で飛ぶ意味なんて無いじゃないですか。でもおそらく何か理由があって飛んでいるのでしょう、と思って近づくと解決、どうもジャンプしてバイクのキックペダルを踏んでいるようでした。上手くエンジンがかからないようです。
 それにしても綺麗なジャンプでした。すっと飛んで、ふっと落ちる感じ。私はついつい立ち止まりそのジャンプに見入ってしまいました。
「あ、特撮の人」
 そう言われて初めてその人がこの前の店員さんだということに気づきました。
「一応、聡子という名前があります」
「すみません。聡子さん。俺は、太郎です」
「太郎君」
 彼は少し笑ってうなずきました。
「エンジンがかからないんですか?」
「そうなんですよ。最近調子が悪くて」
 太郎君はもう一度飛び上がりキックペダルを踏みましたが、エンジンは空振りのような情け無い音を出すだけで、起動する気配がまったくありませんでした。
「まいったなぁ。もう一時間もこんな感じなんですよ」
「わぁ」
 私は一時間もエンジンがかからないバイクよりも一時間も飛び続けていた太郎君に驚きました。
「あの、よく知らないんですけどロードサービス的な人を呼んだ方がいいんじゃないですか?」
「やー、そんなん入ってないんですよね。まいったなぁ。明日も朝からバイトなのに」
 また飛んだ。あまり良くない状況なのですが、太郎君が言うと何故か緊迫感がありませんでした。
「はぁ、さすがに疲れた」
 よく見ると太郎君はびっしょりと汗をかいていました。
「朝からバイトって、何時からなんですか?」
「早番だから六時ですね。あ、ここのバイトじゃないですよ。別で、コンビニのバイトなんですけど」
「バイト、掛け持ちなんですね」
「ええ、まぁ」
 と、太郎君は再度飛びましたが、エンジンはやはり空振り。肩を落とす仕草をして私を見て笑いました。
「うち、すぐそこなんですけど、良かったら休んでいきますか?」
「え、いいんですか?」
 太郎君は驚いたように言いました。
「まぁ、一人暮らしなんで」
 そう言ってからそれが良いのか悪いのかよく分からないなぁ、と自分でも思いました。女の一人暮らしと男の一人暮らしではガラスのコップとプラスチックのコップくらいの差があります。同じコップでもガラスは、乱雑に扱うと危険です。すぐに割れてしまう代物です。
 まぁ、それはそうとして、私は困っている人はなるべく助けたいと思い毎日を生きています。その行動理念に従い、私は夕方までうだうだしていた部屋を片付けて太郎君を招き入れました。
「あの、とりあえずシャワー浴びます?」
 と、私は何の気なしに言ったのですが、これも取り方によっては桃色発言で、瞬時に顔が赤くなりました。照れ隠しで「汗だくですし」と付け加えましたが、太郎君は別に何も気にしない様子で「あ、いいっすか?」と軽いご様子でした。
 太郎君がシャワーを浴びている間、「何やってんだ私は」と自問自答をしながら部屋を落ち着かずウロウロしていました。やがてシャワーから出てきた太郎君は「ほんと、何かありがとうございます」と濡れた髪をくしゃくしゃと拭きながら言いました。
「いえ、これくらいのことなら」
「わ、窓から俺のバイト先が見える」
 窓から見える明かりが消えたレンタルDVD屋を見て太郎君は嬉しそうに笑いました。
「徒歩三十秒ですからね」
「そりゃ頻繁に通いますね」
 冷たい珈琲を二ついれました。
「明日は何時からバイトなんですか?」
「六時からです」
「早いですね」
 私は驚きました。
「まぁ早番ですからね」
「というか太郎君は今何歳なんですか?」
「十七です」
「じゃ高校生ですか?」
「高二です」
 太郎君は珈琲にたっぷりとミルクをいれて飲みました。
「聡子さんはいくつですか?」
「私は二十一ですよ」
「わっ、思ってたよりお姉さんだ」
 そう言われてもどうとればいいのか分からず、とりあえず私はうなずきました。
「若いのになんでそんなに働くんですか?」
「あぁ、うち、父ちゃんいなくて、がんで五年くらい前に亡くなったんですけどね、それで母ちゃんと弟、二つ下なんですけど、の三人暮らしなんですけど、年明けから母ちゃんが病気で倒れちゃって。それで今は俺が働かないとどうにもならないんですよねぇ」
 なかなかの苦労人のようだ。
 しかし太郎君の話し方はやはりどこか軽く、ヘヴィな状況がヘヴィな状況として伝わってこなかった。だから私は「はぁ」だなんてなんとも歯切れの悪いリアクションをした。
「聡子さんは大学生ですか?」
「そうですよ。三年」
「いいですねぇ。かっこいい。俺、密かに大学生というものに憧れてるんすよ」
「そんな、憧れるようなものでもないですよ。大学生なんて、何となく大学生になったようないい加減な人達ばかりなので」
「聡子さんもそうなんですか?」
「まぁ」
 そう言うと太郎君は少し残念そうな顔をして、バツが悪くなった私は視線を逸らして煙草に火をつけました。
 窓の外からは車の音も聞こえず、街が消滅してしまったかのように静かな夜。翌朝目が覚めると太郎君はもういませんでした。



 朝が弱い嵐田君を起こすのはいつも私の仕事でした。
 バイトやら試験やらで朝が早い時、嵐田君は決まって前夜に私に電話をかけてきて「明日は◯時に頼むよ」とモーニングコールを頼むのでした。私はホテルのフロントのように「かしこまりました」とこれを引き受け、翌朝、寸分違わぬ時間に嵐田君に電話を掛けるのでした。
「ありがとう」とまだ寝ぼけた嵐田君のかすれ声は可愛く、私は好きでした。
 思えばもう三週間も嵐田君にモーニングコールをかけていません。あぁ、というか、私達はもう別れたのですから、二度モーニングコールをかけることなんてないのでしょうね。多分。
 嵐田君、ちゃんと朝起きてるのかなぁ、なんて少し心配にもなります。完全に要らぬ心配ですよね。でも心配なものは心配なのですから。ほら、扉を閉めたって煙は漏れ出るでしょう。
 そして最近思うのが、そんな心配をしてフト我に帰った瞬間が一番、あぁもう嵐田君はいないんだなぁ、と実感する時なのです。
 普段の生活、例えば、ご飯を食べたり映画を観たりしている時などは嵐田君のことを思い出したりしないのですがね。つまりはまだ忘れていないということなのでしょうね、これは。
 何不自由なく自由に生きているフリをしていても、結局心は、犬小屋に繋がれた飼い犬のままなのでしょうね。気持ちの鎖はまだ切れていないのか。切れないのか、切りたくないのか。とりあえず今は、出来る限り動かしてみようかと思います。身体ではなく心を。



 あの夜以来、太郎君は三日に一回は私の家に来ました。
「聡子さん、これ知ってる?」
 と、自信満々に鞄から取り出したのはゴジラ対ビオランテ。季節はGWという巨大なトンネルを抜けた頃でした。
「知ってますよ」
「あっ、マジですかぁ」
 太郎君はそう言って後ろに倒れて笑いました。ゴジラ対ビオランテは数ある平成ゴジラシリーズの中でも名作と誉高い一作で、私のような特撮マニアが知らないはずがありません。
「まぁ、せっかくですし観ましょうよ」
 と言われ、私はスイッチを押しDVDプレーヤーのトレイを出してやる。
 太郎君は毎回特撮映画のDVDを持ってきました。それは一応少しは調べたのだろうなぁと思わせるラインナップで、それなりに有名で評価の高いものばかりでした。太郎君はおそらく、私が知らない特撮映画を持ってきて、あっと驚かせたいと思っているのでしょうが、もう何年もこの世界にどっぷり浸かっている私の壁はなかなかに高く、未だ私が知らない映画を持ってきたことはありません。
 映画を観ている時、太郎君は「聡子さん、これはこの後~になるでしょ」とか「いやいや、この人絶対~ですよ」とか、やたらと考察を口にして、先を知っている私としては非常にリアクションに困りました。
 特撮映画を一緒に観て、珈琲と、クッキーやらお菓子を少々つまんだりして時間を過ごし、ほどなくして太郎君は帰っていきます。
「また来ます」
 帰り際、太郎君は言いました。あまり意識していませんでしたが、思い返せばいつもまた来ますと言っている気がしました。
「おうち、やっぱり大変なんですか?」
「まぁ、母ちゃんは相変わらず調子良くないですね」
「そうですか。でもあんまり無理し過ぎると太郎君も倒れちゃいますよ」
 私がそう言うと、太郎君は少し笑って親指をグッと立てました。私も、グッとうなずきます。

 と、いうか、何なんでしょうこの関係は。

 何て思っていたら速攻で桃子さんにバレました。
「誰よ、あのバイクの男の子」
 駅前広場で二人、煙草を吸っている時でした。
「え、私バイクなんて乗りませんよ」
 別に誤魔化すようなやましい関係ではないのですが、私は視線を逸らして言いました。すると桃子さんの手がすっと伸びて、私のあごから頬をぶにゅっと握り潰し、私はむー、むー、と馬鹿面、たこちゅうになりました。
「何誤魔化そうとしてんのよ」
「ほんとに何も無いんですもん」
「よく言うわよ。部屋に上げたんでしょう。ついこの前嵐田と別れて傷心期間なのかと思ってたのに、意外と隅におけない」
「そんなんじゃないですよ。まぁ、部屋に上げたは上げましたけど、一緒に特撮映画を観ただけですよ」
「何意味分かんないこと言ってんのよ」
 意味が分からないと言われましても、それが私と太郎君の事実なのですが。とりあえず私は太郎君とのここまでの話を桃子さんに説明しました。
「えぇ、てか高校生なの」
 どうも桃子さんはそこに一番引っかかったようです。
「まぁ、そうですが。そこ、そんなに問題ですか?」
「あんたさぁ、一応もう成人してるんだから気をつけた方がいいよ。よく知らないけど、淫行罪とかで捕まったりしないでね」
「淫行って、だからそんなんじゃないですって」
 私は少し嫌な顔をしました。
 本当にそんなんじゃない。
 でもじゃあどんなんなんだよと言われるとそれはそれで困ってしまうのですが、つまりはそんな関係、としか言いようがない。
 でも、これは断じて恋ではない。
 私は何故かそこだけは譲れぬと、バスケットのディフェンスのように腰を低くした気持ちでそう思っていました。
 それはまだ嵐田君のことを忘れられていなかったからかもしれません。太郎君がどうのこうのというよりも、今は誰かを異性として意識すること自体に抵抗がありました。
 ただの友達。私はそう思いながら煙草をうまうまと吸うのでした。


 その数日後、買い物帰りの駅前通りで偶然太郎君とすれ違いました。
「聡子さん」
 太郎君の方が先に私に気づきました。
 その時、私は野菜やらチーズやらスプライトのペットボトルやらをぱんぱんに詰め込んだ重たいスーパーの買い物袋を下げていて、太郎君はというと、茶髪の小さな女の子を横に連れていました。
「偶然ですね」
 何故か私は緊張していました。
「買い物?」
「ええ。太郎君は?」
「いや別に、学校帰りにちょっとって感じ」
「あぁ、そうですか」
 隣の女の子と目が合いました。
 お互い何も言わず、ぺこりと軽く会釈を交わしましたが、私は、あぁ、この子何となく私のことを良く思っていないのだろうなぁ、と思いました。これは何の根拠もありませんが、おそらく当たっているという、いわゆる女のカンというやつです。
 気持ちは分からなくないですけどね。この子が太郎君の彼女なんだったら、街で偶然会った彼氏の見知らぬ女友達になんて良い印象を持つはずがありません。特にこの年頃の女の子ならなおさらです。
 ほんの少しだけ話して私はそそくさとその場を立ち去りました。部屋に戻り溜息をつく。やっと緊張が解けました。
 しかし気持ちは何となくもやもやしていて、その夜私は気持ちを日記に書き殴りました。



 と、いうか、彼女いたんですかって話ですよ。正直言って。
 いいんですか? 彼女いるのに他の女の部屋にほいほい上がっていいんですか?
 まったく、最近の子はこれだから、だなんて私もまだ二十一なのですが、若人なのですが、ジェネレーションギャップ? いや、ジェネレーションの問題だけなのかは分かりませんが、何というか文化の違いを感じました。ちょっと腹が立ちました。
 しかし勘違いするべからず。私は別にあの茶髪の彼女に嫉妬しているわけではありません。
 モラル。そう私はそのモラルの欠如に腹を立てているのです。断じて嫉妬だなんて小さな話ではありません。
 まぁ、でも少しがっかりはしました。正直ね。だって、太郎君はそんな子じゃないと思っていましたから。もっと可愛らしい子だと思っていました。
 飼い犬の手を噛まれるじゃないけど、何というか、コンビニを出た後にポイントカードを出し忘れていたことに気付くような、そんな感じ? ちょっと違うか? とにかくがっかり。ベランダの鉢植えに水をあげたそのあと、ものすごい雨が降りました。



「いや、別に彼女じゃないですよ」
 次に私の部屋に来た時、太郎君はあっさりとそう言いました。
「そうなんですか」
「普通の友達ですよ。別に普通の友達でも一緒に駅前をぶらぶらするくらいあるでしょ」
 そう言われて、まぁそれは確かにそうかもなと思いました。結局、恋愛経験の少ない私の邪推だったようで、少し恥ずかしくなりました。
「眠いなぁ」
 そんな私を尻目に太郎君は魔の抜けた調子で欠伸をして言いました。今朝も早番からの学校だったようです。
 ココアを淹れました。
 太郎君は珈琲よりココアの方が好きなことに最近気付きました。
 とりあえず、太郎君は私が思っていた通りの太郎君で安心しました。外はずっと、雨が降りそうで降らないグレーの曇り空でしたが、ささくれが取れた私の心は少し軽くなっていました。
「てか何、聡子さん、もしかしてちょっと嫉妬してたの?」
 太郎君がそんなことを言うので「そんなんじゃないです」と少し高い声が出る。
「あ、そう」
「私はただモラルの欠如を……」
 と、言いかけたところで止めました。
「何? モラル?」
「何でもないです」
 小さく咳払いをしました。まったく、私は何を動揺しているというのでしょう。本当に、好きとかそういうのではないのです。ただ、そう思われることがすごく恥ずかしかっただけなのです。
「やっぱ大学生は難しい言葉を使うなぁ」
 と、言って太郎君は笑いました。
 さぁ、さぁ、これでこの件は解決。
 そう思っていたのですが、そうでもなかった。
 非常に驚いたのですが、その数日後、例の茶髪の彼女が私のうちへ来ました。
「あなたは……」
 ドアを開けた私は面食らいました。
「私、松原茜と言います」
「茜さん」
 無意識のうちに彼女の名前を復唱していました。猫のような三白眼が私を睨みます。そんなに睨むなっての。私はあなたに睨まれるようなことをした覚えはありません。と、いうのは心の中で思っただけのことで声にはなりませんでした。
「あの、それで今日はどうされたんですか?」
「この前一度会いましたよね?」
「あぁ、はい。太郎君と一緒にいらっしゃいましたよね」
「私、太郎のクラスメイトなんです」
 そこで茜さんの声が一段階大きくなりました。私は少し怖くなってきました。
「もう太郎のことを誘惑するのはやめてもらえませんか」
「え?」
「私、知ってるんですからね。太郎がちょくちょくあなたの部屋に通ってること」
「ちょっと、ちょっと待ってくださいよ」
「聞いてるのかどうか知りませんけど、太郎は今家のこととか、いろいろ大変なんです。そんな時に変なちょっかいをかけないでください」
「ちょっと待って。ちょっかいだなんて、誤解ですよ」
「いい歳して馬鹿みたい!」
 吐き捨てるように言って、そのまま茜さんは階段を駆けて行ってしまいました。
 私は、茜さんが去った誰もいないマンションの廊下を見つめ、開いた口が塞がりませんでした。塞ごうという気力すら湧いてきませんでした。鏡を持っていなかったので確かめる術はなかったのですが、おそらく相当なアホ面だったと思います。
 誘惑? ちょっかい?
 私が太郎君に?
 いえいえ、そんなことはしていません。私は太郎君をどうこうしてやろうだなんてことは一切考えたことがありません。それがなぜそんな話になって、挙句怒鳴られているのでしょう。
 怖い。
 怒りより先に私はそう思いました。


 困ったことがあったら桃子さんに聞こう、というのが私の決め事。それで今、スターバックスの丸テーブルの向こう、怪訝そうな顔をした桃子さん。
「ヤバいよ、それ」
「やっぱりそうですか?」
「そりゃそうでしょ。全然面識も無いのにいきなり家まで来たんでしょ? だいたいなんで家知ってんの、って話よ」
「あ、確かに」
 私は拳をぽとんと掌に落としました。
「おそらく片想いね」
 桃子さんは探偵漫画のように顎に指をあてて言いました。
「高校生の真っ直ぐな片想いは怖いよ」
「ですか」
「だって、捨てるものも守るものもないじゃない」
 高校生にだっていろいろと生活や人間関係があるのではないかとも思いましたが、私は黙ってうなずきました。
「あんまり厄介なとこに首突っ込まない方がいいと思うけどなぁ」
 桃子さんが溜息混じりに言いました。
「厄介なんですかね」
「え、だってそんなややこしい女が付いてるんでしょ」
「でもそれはあの子の問題で、私と太郎君は別に何もなくて普通に友達なんですし、問題ないんじゃないですか」
「いや、まぁそれはそうかもしれないけどさぁ」
「あの子、別に結婚してるわけでもないですし、まして彼女なわけでもないのに」
「何ムキになってるのよ」
「ムキになんてなっていません」
 私はそう言って冷たいコーヒーを飲みました。
 はい、ムキになっていました。
 ここに来て初めてちょっと腹が立ちました。
 私はわけのわからない言い掛かりで友達を失うのは嫌です。それに桃子さんの「厄介なもの」という言い方も妙に引っ掛かりました。
「まぁ、くれぐれもトラブルにならないように」
 と、桃子さんは実に年長者らしいシンプルなアドバイスをくださいました。
 気候は少しずつ暖かくなりつつあり、夏へ向かって転がる。テラス席は笑い声の花であふれている。そんな午後でした。五月。



 嵐田君から電話がありました。
 驚きました。もう二度電話がかかってくることなんて無いと思っていたので。
 久しぶりの嵐田君はまず第一声、少し気まずそうな声で「元気だった?」と私に聞きました。
 以下、私達の久々の会話。
「特別、元気ではないですよ」
「あぁ、うん」
「嵐田君は元気でした?」
「まぁ、普通かな」
「そうですか」
「……久しぶりだね」
「そうですね。一月半ぶりですね」
 後から思えば正確な期間を言う必要などありませんでした。例えしっかり覚えていようとも。
「ゼミ、まだ来ないの? てかもしかして大学自体来てない?」
「ずっとお腹が痛いのです」
 小学生でももっとマシな嘘をつきます。
「やっぱ俺のせい?」
「違いますよ。もっと別の、ウイルス性のやつです。だからなかなか良くならないのです」
「そうかぁ。お大事にね」
「わざわざありがとうございます」
 それで終話。
 こうやって文字に起こすと本当に単調で短い会話ですね。最低限というか。
 さて、一つ失敗。
 文字に起こしたのはあくまで日記への記録のためであり、私は二人の会話を解いて考察するつもりなど露ほどありませんでした。でも日記帳に記すと言葉は残酷なくらいにその生の姿を現し、嵐田君の気持ち、私の気持ちを見せつけてきました。
 私は「元気だった?」なんて言葉を待っていたわけではありません。



 待っていた、という言葉が無意識のうちに自分から出てきて、私はハッとして日記帳を閉じました。
 辺りを見回すと開け放した窓から吹き込む夜風が優しくカーテンを揺らしていて、深夜。太郎君のバイト先も既に明かりを落としていました。いても立ってもいられず私は外に飛び出しました。
 踊るように深夜の街を駆けます。誰もいなくて、今、夜に夜を知っているのは私だけだと、そんな気持ちで道を行きました。
 嘘ではなく愛は確かにそこにありました。でもかすれた。それだけです。結局、それだけのことです。
 駅前通りを抜けてバスのロータリーに出ます。終バスはとっくに終わっていて、タクシーすら一台も停まっていませんでした。
 眼鏡越しに見る星の無い空に、中途半端に欠けた月だけがぽつんと浮かんでいます。見上げる私と見下ろす月。何故だか「月とスッポン」という言葉が頭に浮かび、実際に声に出して言ってみましたが、そこに何の意味もありませんでした。
 ベンチに腰掛けて煙草に火をつけると、驚くほどにぼろぼろと涙が溢れてきました。
 私はもっと早くこうして泣いておくべきだったのだと、この時気付きました。
 じゃあいっそ気が済むまで思い切り泣いてしまおう。そう心に決めた私は強かった。
 ずっと怖かったのです。こうして泣いてしまって、一切合切を過ぎたこととして諦めてしまうことが、怖かったのです。
 たたずむ月は空に浮かんだまま私をスッポンにして、惨めにして、だけども夜は静かに身体を抱きしめてくれました。


 数日後、久しぶりに足を運んだレンタルDVD屋で太郎君に会いました。
 太郎君は返却されたDVDをパッケージに戻しているところで、旧作コーナーの曲がり角で偶然鉢合わせました。
「何か、目赤くないですか?」
 開口一番、太郎君は言いました。泣き明かしたあとが数日経っても消えないのです。
「目薬をさし過ぎたんですよ」
「ダメですよ。そんなに目薬さしちゃ」
「気をつけます」
 そう言って私は少し恥ずかしくなりました。
「今日バイト終わった後、どこかに夕ご飯食べに行きませんか?」
「聡子さん、ごめん。俺、ちょっとしばらく忙しそうで。二週間後くらいには一旦落ち着くと思うんですけどね」
「そうですか。ではまたの機会で」
 初めて私から誘ったのにあっさりと断られてしまいました。
 仕方がないのでその日はDVDを借りて真っ直ぐ家に帰ることにしました。あまり一人でいたくなかったのですが。
 店を出たところで女の子とすれ違いました。一瞬茜さんに似ているなぁ、と思いましたが、振り返って本当に茜さんだったら嫌だったので気づかないフリをして帰りました。

 で、言っていた通り、太郎君が次にうちに来たのはバイト中に会った日からちょうど二週間後でした。
 まぁ、それ自体は良かったのですが、久しぶりに会ったというのにその日私達は些細なことで喧嘩をしてしまいました。いや、喧嘩というか、後になって冷静に思い返すと私が一方的に怒っていただけだったのですが。
 事の発端は何となくつけていたテレビの音楽番組です。
 この前までインディーズでガリガリと頑張っていた私のちょっと好きだったバンドがいつの間にか売れていたようで、平日のゴールデンタイムにやっているようなメジャーな歌番組に出ていました。ボーカルの彼、硬派な感じがカッコ良かったのに、司会のお笑い芸人に最近のあれこれを聞かれてヘラヘラと締まりなく笑っています。
「この人達、知ってます?」
 私は太郎君に聞きました。
「いや、知らないです」
「そうですか」
「好きなんですか? このバンド」
 太郎君は私の作ったきのこクリームのパスタを食べながら聞きました。
「まぁ、ちょっと」
 やがてトークコーナーが終わり歌に入ったのですが、こちらもすっかりメジャー向きになってしまっていて、私が好きだった頃の面影はありませんでした。
「変わっていくんですねぇ、何もかも」
「何言ってんの」
 太郎君は私の気も知らないで笑いました。
「売れてテレビに出るようになったら何もかも変わってしまったんですよ」
 と、私はテレビで歌う彼らを指差して言いました。
「私は昔の方が好きでした」
「そういうことってありますよね」
「変わっていくことは虚しいことです」
「でも、変わってしまったことを受け入れられないってことは結局それほど好きってわけじゃなかったんじゃないですか?」
「え?」
「いや、だって、本当に好きだったら変わっていく姿も好きになれるのかなって思って」
 太郎君に悪気はありませんでした。これはあくまでテレビで歌うバンドの話です。でも私は反射的に「あなたに何が分かるんですか」と冷たい声で太郎君を睨んでいました。
「どうしたんですか?」
「変わっていくことの悲しさなんて何も知らないくせに」
 私はなおも太郎君を睨みます。
「別に、怒らせる気はなかったんです」
 私が急に怒り出したので、太郎君は困った様子でした。多分、何をそんなに怒っているのか分からなかったと思います。
「帰ってください」
 私がそう言うと太郎君は一瞬何か言おうとしましたが、結局何も言わずに鞄を肩に掛けて部屋を出ていきました。
 太郎君のバイクの音が遠ざかって聞こえなくなると、私はベッドに倒れ込み目元を掌で覆いました。怒りの温帯低気圧はもう通り過ぎていて、残ったのは泥濘みのような後悔でした。まったく、私は何をやっているのでしょうか。
 人間はずっと真っ直ぐになんて歩けません。いつの間にかふらふらと蛇行して、隣り合って歩いていた二人も離れ離れになってしまいます。
 もちろんずっと一緒に歩いていける人だっています。ただ、嵐田君と私はそうじゃなかった。それだけのことです。それをいつまでくよくよしているのでしょう。あんなに泣いたというのに。



 赤と白が交互に配色された塔を、特急電車の窓からいくつか見ました。ああいう塔、たまに見かけるのですが、何と言うのでしょうか。電波塔でしょうか。ラジオ塔でしょうか。
 それはそうと向こう側に見える空が綺麗で、入道雲がふくよかで、私は、あぁ、夏が来る、それも飛び切り良い夏が、なんてことを思いながら特急電車に揺られていました。
 そう言えば何年か前に行った屋外の市民プールでもこれと同じような空を見ました。長く、長く、どこまでも続いていきそうな甘ったるい夏。大きな浮き輪で漂流したサングラスの午後。そんな淡い記憶がふっと蘇りました。
 しばらく経ちますが、太郎君はあの日以来私の部屋に来ません。レンタルDVD屋にも何度か行ってみたのですが、タイミングが合わないのかいつも太郎君はいませんでした。
 思えば私は太郎君の連絡先を知りませんでした。
 これは意外な落とし穴でした。あんなに頻繁に会って話をしていたのに、太郎君が持つ十一桁の番号を知らないだけで一切のコミュニケーションが取れないのです。何だ、そんなものだったのか、と思うところもありました。嵐田君のこともそうですが、人と人との繋がりというものは非常に脆く、儚い。気持ちの繋がりはまた別の話ですが。
 それはそうとして、確かに私が一方的に怒って訳の分からない感じになっていたのは事実ですが、一言くらい謝らせてくれたっていいじゃあないですか、と思います。
 太郎君、ごめんなさい。現状、直接お伝えする術が無いのでとりあえずここに記します。



 久しぶりに足を踏み入れたキャンパスは鬱陶しいくらいに賑わっており、あぁ、試験前だから普段は来ない人達も皆大学に来ているのか、と私は弱り顔で頭をかきましたが、何を隠そう私もそのような人達の一人でした。
 渋滞のコピー機、その横にある学生生協で珈琲を飲んでいると桃子さんがやってきました。
「やっと大学に来る気になった?」
「まぁ、もうすぐ試験ですからね」
 私は正直に言いました。
「あぁ、そんな時期よね」
「桃子さんはもう試験無いんですか?」
「一応四回だからね。聡子は?」
「三教科受けます」
「やけに少ないじゃない」
「レポートだけの教科もありましたからね。あと、出席日数的にアウトな教科もいくつか。それで差し引いたら三教科です。後期は頑張らなくてはです」
「ちょっと、しっかりしてよ。留年とかやめてよね」
「大丈夫ですよ。一、二回生の時はちゃんと単位を取ってましたから。それに夏休みが終わったらちゃんと大学に行くようにするので」
 あまり深く考えずに言ったのですが本心でした。何となく、夏休みが終わったら大学に戻ろうと思いました。
「試験、寝坊しないようにね」
 桃子さんは笑って言いました。私が二回生の時、一度だけ寝坊して試験を受け損なったことを未だに馬鹿にして言っているのです。あれは私の人生の中でもかなり上位に入る失敗でした。
「しませんよ」
 私は強く言い切りました。

 が、結局私は試験には行きませんでした。
 いや、行きませんでした、というより行けませんでした、が正しいです。私は試験に行きたかった。勉強だってちゃんとしていたし。
 未来は目の前に広がっている、何にだってなれる、というと聞こえはいいのですが、裏を返せばそれは、未来はどうなるか実のところ分からない、ということで、改めて人生というものは本当に何がどうなるか分からないなぁ、なんて思う私でした。


 机に向かい試験勉強をしていた夕方、不意に呼び鈴が鳴りました。
 最初は太郎君だと思いました。でも、太郎君だとしたらバイクの音が聞こえなかった、と気付いたのは既に半分ほどドアを開けた頃で、止まれず全開したそこには制服に身を包んだ茜さんが立っていました。
「お久しぶりです」
 と、いきなり自宅まで押し掛けられているにも関わらず私が丁寧に挨拶をしてしまったのは、明らかに怒っているであろう茜さんの纏うオーラに怖気付いたから。彼女はものすごい目で私を睨んでいました。もちろん私に睨まれるような心当たりはありません。
「あのう、どうされたんですか?」
 私はおどおどと聞きました。
「太郎、来てません?」
「いえ、来ていませんが」
「本当に?」
「……本当です、けど」
 私がそう言うと茜さんは怒り顔を崩さないまま溜息をつきました。
「太郎、もう三週間も学校に来てないんです」
「えっ、そうなんですか」
 驚きました。太郎君はどんなにバイトが忙しくても学校を休んだりはしないと自分でもよく言っていました。その太郎君が三週間も学校を休んでいるなんて、と思った時、三週間というと、ちょうど私と喧嘩をした頃なことに気付きました。
「何か心当たりがあるんですか?」
 茜さんは私の気付きを見逃しませんでした。
「心当たりなんてありませんけど、私も最後に会ったのが三週間前くらいなので」
「その時、太郎と何かあったんですか?」
 単純に喧嘩をしたと言ってしまえば良かったのに、私はなぜかそれをためらってしまいました。そしてそのためらいが茜さんにとっては確信になってしまったようです。
「何か知ってるんでしょう」
「いえ、本当に何も知りません」
「信じられない。部屋の中を見せて」
 と、茜さんは強引に私の部屋に入ろうとしました。これには私も驚いて、そして嫌で、茜さんの行く道を身体でがっと塞ぎました。
「本当に何も無いですから」
「だからそれが信じられないの」
 茜さんはなおもぐいぐい来るので、私もそれに抵抗して、いつしか私達は取っ組みみたいな形になりました。こういった喧嘩には無縁なひ弱な私ですが、茜さんの方もスポーツはやって来なかった人なのか力もそんなに強くなく、形勢は五分五分といったところでした。
「大学生だかなんだか知らないけど太郎のこと誘惑して。太郎に、太郎に何かあったら許さないんだから!」
「誘惑なんてしていないってこの前も言ったじゃないですか! 何かあったらって、何かって何なんですか」
 いつしか私の声も大きくなっていて、共用の廊下にわんわんと響きます。恋は盲目、盲目こそが恋、分かっています。私も女です。しかしその盲目による猛進が自分に向くと私も女の前に人間で、人並みに腹が立ちます。
「私がどんなに苦しんでいるかも知らないで!」
 茜さんがそんな意味不明のことを怒鳴った時、茜さんの持っていた鞄がくるりと回って私の頭にゴチンと当たりました。
「痛っ」
 と私は痛みで頭を押さえました。鞄が当たっただけにしては随分痛い。魔法瓶の水筒でも入っているのでしょうか。それで一時休戦。茜さんも当然自分の鞄の中身を知っているので、それが私の頭に当たった痛みを想像して怯んでいました。
「もう帰ってください」
 私は怒りに震えた声を絞り出しました。
「知らないわよ、馬鹿」
 茜さんはまたそんな意味不明なことを吐き捨てて行ってしまいました。私は更に腹が立ちました。馬鹿なんて言われる筋合いはありません。馬鹿と言う方が馬鹿なのです。幼児でも知っています。
「二度と来ないでください!」
 と、私は茜さんの背中に叫びました。そこまでは良かった。問題はその後で、部屋に勢いよく戻ろうとしたのですが、怒りと痛みで微妙に焦点のズレていた私は、思い切りドアの縁に顔面をぶつけてしまいました。ゴッっと生々しい音がして、驚くことに眼鏡が鼻のところで真っ二つに割れて床に落ちました。
 何とも言えない痛みで額に手を当てると、真っ赤な血がべっとりと付いていました。それは私の血、私の中から流れ出た血。それもけっこうしっかりと流血しているようで、指の隙間からポタポタと、鮮血が共用の廊下を染めます。
 ふっと立ちくらみがしました。いやいやいや、と体制を立て直そうとしましたが、身体に力が入りません。
 死ぬのでしょうか。頭にそんな考えが浮かびました。嫌です。しかしやはり身体に力は入らず、私はそのまま廊下に倒れてしまいました。



 今にして思えば、私があの時いたのは間違いなくあの世とこの世の狭間でした。まぁ、かなりこの世寄りではあったのでしょうけどね。
 そして誰かの背中。私を背負う誰かの背中。私はてっきり太郎君だと思っていました。不思議です。何の根拠もないのですけどね。それに太郎君とは三週間前に喧嘩別れしたきりだったのに。
 というかそこで思い浮かぶのが嵐田君でなかったのも不思議です。あんなに大切で、擦り切れるくらいに泣いたのはついこの前なのに。はは、おかしなものです。三流ドラマだったらここは間違いなく嵐田君だと思うのですがねぇ。私が脚本家ならそうすると思うのですが。人生は三流ドラマとはやはり違うのですね。現実は甘くない。これはスイートの意味での甘くないです。現実は、もっと何というかしょっぱいものです。だって私を背負ってくれたあの背中は太郎君でも嵐田君でもなく桃子さんだったのですから。
 喜劇であれば舞台上、皆で一緒にドテーと倒れるところです。でも、ありがとう。桃子さん!



「桃子さん、このリンゴを剥く時に皮をうさぎみたいにするのは癖なんですか?」
 病院のベッド、桃子さんが切ったリンゴを太陽の光にあてて私は言いました。
「だって、そっちの方が可愛いらしくていいじゃない」
「何か意外です。桃子さんはそういうの嫌いな人だと思ってました」
「そういうのってどういうのよ」
 そう言って桃子さんは怪訝な顔でリンゴを齧りました。
 私は頭を四針縫いました。
 何だかいろいろなことが重なってしまったのですが、縫ったのは茜さんの鞄が当たった傷で、ドアの縁に顔面をぶつけた方は眼鏡はダメになってしまったものの怪我自体は大したことはありませんでした。
 あの日、あの後、たまたま飲みに誘いに来てくれた桃子さんが廊下に倒れている私を見つけて、そのまま病院まで連れてきてくれました。それで思いの他傷が大きかったのですぐに縫うことになり、その後も脳波が大丈夫かとか、まぁ一応診ておきましょうか的な検査のために三日間入院することになったのです。
「それにしても、試験勉強がムダになってしまいましたねぇ」
 私はリンゴを頬張って言いました。
 タイミングが悪く入院期間と試験日程が被ってしまい試験に行けなかったのです。特別な理由ではあるので、大学と話をすればもしかしたら再試験を受けることができたのかもしれませんが、私はそこまでの気持ちは持ち合わせていませんでした。
「命があっただけありがたく思いなよ」
「命って、そんなオーバーな」
 私は笑いました。
「あのね、笑うけどね、頭から血を流して倒れてる聡子を見つけた時、私心臓が止まるかと思ったんだからね」
「サスペンスドラマみたいでした?」
「他人事みたいに言って」
「すみません。助かりました」
「だから高校生の真っ直ぐな片想いは怖いって言ったでしょう」
 そう言って桃子さんは溜息をつきました。
「ですね」
 茜さんは私がこんなことになったことはおそらく知らず、今日も太郎君のことだけを考えて生きているのでしょう。そう思うと何だかもう清々しくて、私は茜さんのことを憎んだり恨んだりすることができませんでした。
 彼女はまた私のところに来るのでしょうか? うーん、まぁ、恋が続くのならばまた来るでしょう。また真っ直ぐな目で私のことを睨みつけるのでしょう。でも何故だか私はもう二度と茜さんに会うことは無いのではないかと思っていました。


 退院の日はすぐにやってきて、私は事務的な手続きを幾つか済まし、呆気なく日常へ舞い戻りました。
 病院を出たのは午後二時頃で、スーパーで買い物をして帰りました。共用の廊下には私の血が付いたままで、恥ずかしくなってすぐにそれを拭きました。簡単な作り置きの料理を二、三品作って冷蔵庫に入れ、ベランダでタバコを吸って戻るとドッと疲れが出て、少し休憩のつもりでベッドに横になったのですが、そのまましっかりと眠ってしまいました。
 バイクの音で目が覚めました。
 ハッとしてベランダから下を見ると太郎君もこちらを見上げていました。辺りはもう真っ暗でした。
「久しぶりです」
 太郎君はそう言って少し笑いました。
「待ってたんですよ」
 反射的にそんな言葉が出て、あぁ、私は太郎君を待っていたのだな、と自分でもそれを確認しました。
「母親が亡くなったんです」
「えっ」
「肺が、ちょっともうダメになってしまっていたようで、最後は本当に苦しそうでした。ずっと溺れているような感覚だったようです。俺、溺れたことないからその感覚がよく分からないけど、とにかく苦しそうで」
「そうですか」
 もっと何か相応しい言葉があると思うのですが、それ以上の言葉が出てきませんでした。年長者として、恥ずかしい限りです。
「頭の怪我、どうしたんですか?」
 太郎君が私の頭の包帯を指差して言います。
「別に、ちょっと転んだだけですよ」
 嘘をつきました。
「そうですか」
「ねぇ、海を見に行きましょう」
「海?」
「海」
 何故海なのか、自分でもよく分かりませんでした。しかし私の気持ちは、海。とにかく海が見たかったのです。
「行きましょうか」
 太郎君はそう言って私を手招きしました。それで私は嬉しくなって階段を駆け降ります。
 太郎君からヘルメットを受け取って被ると、いつの間にか夜が夏っぽくなってきていることに気付きました。夏はもう隣の駅ほどまで来ているようです。でもバイクに乗って走り出すとそんな予感は一切合切流れて、風がとても良い感じで首元を抜けていきました。
 私は後部座席から太郎君の腰に手を回しました。スピードに乗って大きなカーブを曲がる時、何だか映画みたいで、少しだけ茜さんに対して優越感を覚えました。
 しばらく走って信号で停まった時、太郎君は小さく欠伸をしました。そういえば今、いったい何時なのでしょうか。見回したところ辺りには車も人も疎らで、どうも夜は深いご様子でした。
「大丈夫ですか?」
 私は太郎君の背中に顔を寄せて声を掛けました。
「大丈夫、大丈夫」
「今、何時なんですか?」
「深夜三時ですよ」
 太郎君はポケットから携帯を私に見せて言いました。画面には確かに深夜三時。私は驚きました。
「そんな時間なんですか」
「そうですよ。知らなかったんですか」
「夕方にうたた寝してしまってそれきりだったので」
「寝すぎでしょ」
 太郎君はそう言って笑いました。それで信号が変わります。
「でも、太郎君は何でまたこんな時間にうちまで来たんですか?」
 私は風に負けないように声を張りました。
「バイト終わりだったんですけど、まだ起きてるかなって思って」
「そうですか」
「部屋の電気が消えてたら帰るつもりだったんです」
「多分、消えてましたよね?」
「でも聡子さん、すぐ出てきたから」
「あぁ」
 その時、反対車線を大きなトラックがぶおんと通って、何となく二人黙ってしまいました。
 バイクはぐんぐん加速して夜の街を走ります。私は普段車にもバイクにも乗らないので道を知らず、ここがどこなのか分かりませんでした。
 途中、一度だけコンビニで停まりました。田舎の、真っ暗な道路脇にぽつんと忘れられたように建つコンビニで、私はお姉さんらしく太郎君に缶コーヒーを奢り、自分にも同じものを買いました。
「もうだいぶ来てますよ」
 太郎君は缶コーヒーを飲みながら言いました。
「あ、そうですか」
「もう一頑張りです」
 そう言って太郎君はバイクのエンジンをかけました。エンジンはぶるるんと気持ちの良い音をたてて動き出し、そう言えば初めてちゃんと話した夜は上手くエンジンがかからず太郎君は何度も何度もジャンプしていたなぁ、なんて、まだ数ヶ月前のことなのに妙に懐かしい気持ちになりました。
 そういえば、太郎君と出会ったのは嵐田君と別れた少し後でした。そう考えると嵐田君と別れたのももう随分前のように思えてきて、いつの間にか嵐田君との日々が自分の中で思い出になりつつあることに気づきました。少し寂しくもありましたが、まぁ、誰しもそういうものなのでしょう。さよならだけが人生だ、なんて、よく言ったものです。人は皆、どうしても変わっていく。それは悲しくもありますが、嬉しくもあるのではないかと、今初めてそんなことを思いました。だから、さよなら。さよなら嵐田君。

 太郎君の言う通り、やがて私達は海に辿り着きました。
 人工海浜で、不自然なくらいに綺麗な砂浜がぼうっと夜に浮かび、ずっと向こうの方まで続いていました。波音は穏やかで、さすがに水平線は暗くて見えませんでしたが、海は確かにそこにあって、私はそれだけで満足でした。
「さすがに眠い」
 と、海を見た太郎君の第一声はそれで、私はついつい笑ってしまいました。
「ありがとうございます」
「全然良いですよ。なんか、ほっとしますね。海見てると」
「そうですね」
 それでしばらく二人並んで海岸に腰を降ろして話しました。私はこの前の喧嘩ことを謝りたいと思っていました。しかし太郎君はそのことには一切触れず、何も気にしていない様子だったので、私はずっと謝るタイミングを伺っていました。そんな時、太郎君が不意に「聡子さんに会うの、もしかするとこれが最後になるかもしれません」と言いました。
「何故ですか?」
「母親が亡くなって、俺は長野に住んでいる叔父のところへ行くことになったんです。来週には向こうへ移る予定です」
「来週って、そんな急に」
「急といえば急なんですけど、まぁ仕方ないです。ここ二週間はずっとその準備をしていたんですよ。ドタバタした二週間でした。自分だけじゃなくて、弟のこともありましたし」
「弟さんも長野に行くんですか?」
「いえ、弟はこちらにいる親戚のところに残ります」
「じゃ、離れ離れになってしまうんですね」
「そうなんですよ。まだあんまり想像がつかないのですが」
 そう言って太郎君は苦笑いを浮かべました。それが可愛いくて、今の状況が可愛そうで、会えないと言われて悲しくて、私の感情はもやもやで、誤魔化すようにタバコに火をつけました。
「聡子さん、前から思ってたんですけど、タバコやめた方がいいですよ。身体に悪いって聞きます」
「あぁ、そうですよね」
 私は慌ててタバコを消し、それを見て太郎君は笑いました。
「何で笑うんですか」
「単純ですよね、聡子さんって」
「まぁ、そこが私の良いところなんです」
 私はそう言って口を尖らせました。歳上をからかうもんじゃありません。
「ようやく最近、もう母親はいないんだな、ということを実感してきたんです」
 太郎君が海辺に立って言います。私は頷きました。
「悲しいですか?」
「そりゃ、悲しいですよ」
「頑張りましょう」
 私は、そんなありきたりな言葉しか出ない人間です。でも続けました。
「私も頑張ります。だから太郎君も頑張って、そしていつか、二人でまた一緒に特撮映画を観ましょう。そんな日を『幸せ』と位置づけて、とにかく二人、必死で頑張りましょう」
 太郎君は小さく頷きました。



 しかし、私は思うのです。実は『幸せ』なんてものは目に見えて存在するものではなくて、もしかしたら自分は幸せになることができるかもしれない、と一瞬気持ちが浮かび上がったその瞬間こそが『幸せ』なのではないかと。
 だから私はあの日、あの時、太郎君に一緒に頑張りましょうと言った時、私は何だか『幸せ』でした。
 そして海をバックにした太郎君の背中、抱きしめたいと思ってしまったことをここに告白しておきます。



 眩いばかりの朝日が海辺をきらめかせるなか、太郎君のバイクはここにきてバテてしまったのか、エンジンがかかりません。私は数ヶ月ぶりに太郎君のジャンプを見ました。
「最近は調子良かったんですけどねぇ」
 太郎君は困ったように言いました。依然としてエンジンはかかりません。
「仕方ない。歩きますか」
「えっ、本気で言ってるんですか」
 太郎君は驚いて言いました。
「歩いても走っても同じように道はそこにあります」
「あっ、なんかそれかっこいい。誰の言葉ですか?」
「私です。私オリジナルです」
 そう言って誰にでも言えそうな言葉を誇る私でした。
「さ、行きましょう」
「はい」
 朝日に照らされ黒に灰に輝くアスファルトを踏みしめ、私達はゆっくりと歩き出しました。夏の朝。まだ全ては始まったばかりです。

シーサイドビューフォーユー

執筆の狙い

作者
pw126033198124.23.panda-world.ne.jp

高校生と大学生の恋愛ではない微妙な関係というアイデアから書きました。

コメント

shion
KD027083171050.ppp-bb.dion.ne.jp

恋愛小説として完成度の高いおもしろい作品だなと思いました。途中からのめり込んで読むことができました。

恵 幸人
3.207.49.163.rev.vmobile.jp

 嵐田君の影が薄いのでもう少し嵐田君のエピソードを加筆すると良いと思います。
 恋が始まりそうで始まらない、始まりかけたかと思ったら始まらずに終わってしまいそう、そんなもどかしさを愉しめる作品を完成させてください。
 太郎は自分の事情を茜には一切話してないのに、自分には話しに来た。つまり茜に対する恋愛感情はないけれど、自分にはある! 両想い、付き合える! と期待したのに太郎は遠くへ行っていしまう。遠距離を乗り越えられるほどの強い恋愛感情はない、この恋は無理かなと思う。
 だけど思いがけず、太郎は自分が思っている以上に強く自分を思ってくれていて……という展開もありだし、「引っ越ししなくて済むなら付き合いたかったけど、遠距離恋愛なんて無理だし、聡子さんを縛りたくないから、今はお互いに自由でいよう。だけど俺は東京の大学を受験するから。俺が東京に戻ってきたら、その時聡子さんがフリーだったら付き合ってほしい」とかいう展開でも。
 書かれていない今後の展開を読者がいろいろと想像してわくわくできるラストにすると良いと思います。
 今のままでは薄味過ぎて(感情移入しにくくて)読者がわくわくしにくいです。

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shion様

ありがとうございます。
嬉しいです。

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恵様

ご指摘ありがとうございます。
内容が薄いと言うのはよく指摘されます…
もう少し考えてみます。

茅場義彦
fs76eed78f.tkyc401.ap.nuro.jp

ブンショウ いいですね
何も起きないなあ

主人公がキャラうすいからですね


受け身なら受け身すぎて 笑えるほど受け身むたいな 味あってもいいかも


この技倆であと 笑いいれて 個性あるキャラ作れるといいでづね

特撮好きなら 特撮のサークルやってるとか 脚本書いてて 太郎に見られて パニクるとか キャラの肉付けしてくといいかも

あと冒頭な長いねえ

掴みのあるエピソード 太郎に出会うの冒頭にもってくれば

大丘 忍
p1793091-ipngn200202osakachuo.osaka.ocn.ne.jp

男女七歳にして席を同じうせず、と言う時代に育った私には、現在の中学生、高校生を中心とした男女の恋愛関係の小説は非常に興味があります。大人に成りきれて居ない男女の関係。読んでいても面白かったですね。これからもこんな小説を読みたいと思います。

三枝松平
ntngno151245.ngno.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp

羊 様

 読ませていただきました。
 というより「読まされてしまいました」
 終わってみれば何もない、あえて何もないということです。文章はじょうずですね。
 冒頭、半径と直径のくだりがありましたが、今どきの若い方たちは我々世代には想像もつかないくらい、場面(状況)によって、直径が扇型になったり、円が点になったり。
 なぜ?って聞くと「勝手じゃん」というくらい自由自在!
 驚きと、感心と、羨ましさが残りました。

 訳わからない感想と思われましたら無視してください。

u
opt-211-132-66-15.client.pikara.ne.jp

お久し節、鰹節、の羊さん、読みました

あいかわらず軽い薄い(笑
でも今まで読んできて、これが作者さんの持ち味なんだねキット

マア登場者全員ふぉんわか設定なんですが、主人公嵐田君と別れて、ひょんなきっかけで高校生の太郎君と付き合うわけなんだけど
このキッカケなんだかなー? リアリティ希薄
女一人の部屋へ誘わないでしょう普通
しかも太郎シャワー
ここらへんはめっちゃ作者都合
も少し練れよってww

でも、これが作者さんのワールドかも?
感想返しも相変わらず薄いし(笑
御健筆を

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茅場様

ご指摘ありがとうございます。

キャラに肉付け、確かにそうですね!

考えてみます。

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大丘様

ありがとうございます!
嬉しいです!

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三枝様

ご感想ありがとうございます!
またいずれ違うものもあげるので読んでください!

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u様

いつもありがとうございます。

他の方にも指摘を受けました。
もう少し練り込みは必要ですね。

精進します。

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