作家でごはん!鍛練場
水素カフェ

デストロイヤー久保田との再会

 電撃のようなショックが全身を走り抜け、良介の視線は強く前方に吸い寄せられた。
 人々が行き交う広いロビーに一人の女性が、女神石像のように身動き一つせず右手だけを持ち上げ、何もない宙空の一点を押すように指を伸ばしている。その指先に一羽のツグミが梢と見間違えたかのように止まった。慈しみに溢れた女性の瞳が、横分けのたっぷりしたまっすぐの黒髪の向こうで優しくツグミを見つめている。くっきり爽快なくらいアクセントのついた目鼻立ち。しなやかで引き締まった身体を包む品のいいグレーのスカートスーツと白いシャツは、見ているだけで清潔な香りがしそうだ。
 女性はガラスの扉へ近づきゆっくりと静かに押し開いた。その隙間からツグミは外へ飛び立っていく。
「あの、デストロイヤー久保田さんですよね。お久しぶりです」
「え?」彼女は振り返った。「デストロイヤー久保田? 私、そんな名前じゃありませんけど」
 不思議そうに小首を傾げる女性の前で、良介は思考が停止したように硬直し、唇だけを震わせた。女性はその様子に少し怪訝そうに眉を寄せると、さっと背を向けて良介を無視するように市民会館の外へ出て行った。その歩く先には黒塗りの高級車と、怪しげな黒スーツの男達。
「なに呆けた顔してんだよ、良介。成人式も終わったんだし、さっそく飲みに行こうぜ! もう二十歳なんだからさ」
 一緒に成人式に参加した友人に声を掛けられても、良介は彼女から視線を外せなかった。
「あの女の子がどうかしたのか? もしかして超美人だったとか?」
「あの人、屋内に迷い込んでいたツグミを助けてあげたんだよ。ほら、今あの梅の木に止まっているツグミ、信じられるか?」
「自分で飼ってた鳥じゃねえの? あ、ちなみに、あれ桜の木だぜ」
 良介は頭の中で重い金属がぐらぐらと揺れているような気がした。梅と桜の違いすらもわからない俺のような男に、七年ぶりの女の顔を見分けることなんてできるのだろうか——。
 
 十三歳のあの日、良介は「死に方」を求めていた。人気のない路上でクラスメイトが泣きながらヤンキーに財布を差し出している光景を見たとき、良介の頭の中でカチッと何かのスイッチの入る音が聞こえた気がした。
「人の金奪ってんじゃねえよ、クソ野郎! 俺が沖ノ鳥島まで吹っ飛ばしてやんよ!」
 良介は思いっきり助走をつけてヤンキーに跳び蹴りを食らわせた。だが体格差がありすぎて、少し驚かせる程度のことしかできなかった。ヤンキーは、振り返るとすぐに火薬のような顔つきを一気に爆発させて、反撃してきた。拳が良介の顔面に迫る。骨に響く重く鈍い音とともに鼻が砕けて、血潮が散った。
 これで死ねる——。
 良介はわざと受け身をとらなかった。ハレーションを起こしたフィルムのように、このまま真っ白な世界に全身が溶けていけばいいのにと願った。だが、彼の意識はどこにも溶けて消えていくことはなかった。誰かの温かい手が、彼の背中を力強く支えたから。
「お、お前は、デストロイヤー久保田……!」
 ヤンキーの引き攣った震える声が良介の耳に聞こえた。
 気がつくと、地面にへたり込んだ良介の眼前に、すらりと身の引き締まった少女の後ろ姿が聳えていた。少女は良介の動体視力ではとらえきれない速さで右足を跳ね上げ、ヤンキーの鳩尾に食い込ませる。
「ぐほあ!」
 体が前のめりにくの字に折れ曲がると、ヤンキーは白目を剥いたまま気絶し、糸の切れたマリオネットのように地面に崩れた。
 少女は学生服のスカートを翻しながらくるりと半回転すると、鷹のような迫力のある大きな瞳で、良介を見下ろした。「大丈夫か?」その声と顔はほとんど無表情に近いものだったが、差し出された手には実直な優しさが感じられた。
 助けてくれてありがとう、そんな言葉が尖った釣り針のように喉につっかえて、その激しい痛みに良介の顔が強く歪んだ。
「助けてくれなんて言ってねえだろ! 余計なことすんじゃねえよ!」
 唇の端から零れる血を拭って、良介は一人立ち上がり、少女に背を向け、よたよたと歩き出した。
 やがて後ろからエンジンの音がしたかと思うと、バイクに乗った少女が良介の行く先を塞いだ。その沈黙は、何の感情も読み取らせないくせに、良介を超然と無言の内に従わせる神秘的な力を持っていた。

 回転椅子が軋みながら回って、白衣を着た初老の医師が朗らかな笑顔を見せた。
「真山良介君、だね。大した怪我じゃないみたいだ。治るのにそれほど時間はかからないだろう。それよりも」
 誠実そうな温かい声の中に、緊張を潜ませる。
「どうして君は勝ち目のない、自分よりずっと体格の大きな高校生を相手に、無謀な戦いを挑んだんだい?」
 口を閉ざしたまま良介は俯き、自分の足先を見つめた。
 先生は重い溜息をつく。
「これは私の勝手な想像なんだが、君は自分の病気がもう治らないと、そう思い込んでいるんじゃないかね?」
 その言葉を聞いた瞬間、良介はすっかり医師に心を見抜かれていると悟り、観念したかのようにぽつぽつと語り出した。
「ウチは貧乏なんです。治療費を払い続ける余裕なんてない。それに弟と妹もいるんです。どうせ長生きもできない俺が、アイツらの養分吸い取ってるみたいなもんだ。でも家族には俺が自殺したとは思われたくなかった。良介兄ちゃんは、正義のために戦って死んだんだって。兄ちゃんの死は病気なんて何一つ関係なかったんだって。アイツらには俺の墓の前でさ……」
 それ以上は声にならなかった。良介は肩を小さく震わせ、声を殺し、むせび泣いた。
「先生、この男の子を救ってあげて下さい」
 良介のために診察室まで付き添った少女の透明無垢な声が響いた。
 医師は痛ましそうな顔で少女を見ながら、肩を落とす。
「でも、その莫大な治療費を誰が払うのかね?」
「治療費なら私が払います」
 少女は、平然とそう言った。
 良介は笑えないジョークだと顔を引き攣らせた。医師もまた驚いて眉を寄せた。だが、良介とは違い、すぐに力強く頷いた。
「デストロイヤー久保田、貴女が払うと言ったなら、きっと本当に払うのでしょうな。その言葉、信用しましょう」
 デストロイヤー久保田は、まるで怒ったようなその大きな迫力のある瞳で一心に医師を直視しながら頷いた。その横顔は、良介の胸の奥深いところに焼き付いた——。

 成人式が行われていた市民会館のロビーで友人と別れると、良介はツグミを救った女性の後を追った。辿り着いたのは、仏教系新興宗教の礼拝施設だった。そこはまだ建設中で、本来の釈迦の仏像とは似ても似つかない怪しげな巨大立像を中心とし、それを囲むように三層の回廊が築かれ、施設の周囲には待機中の重機や建築資材が置かれていた。
 下卑た顔つきの肥った中年の男が、取り巻きの五人の黒スーツの男達とともに三階回廊の一角を陣取っている。新聞で見たことのある顔だ。確か名は六道宝明(ろくどうほうめい)、宗教法人の名を借りて土地を転がし、脱税をしているという噂だ。六道達の前には良介の追ってきた女性の他に、もう一人目隠しをされた若い女性が連れて来られていた。
「くくく。姉妹が二十歳になったら、順番に一人ずつ私の奴隷にする。お前達の父親との約束ですよ」
 六道はだらしなく緩んだ表情を浮かべ、姉妹の肢体を舐め回すように眺めながら、鼻をぴくぴく動かし、札束が入っていると思われる茶封筒を床に投げた。
 人を人とも思わぬ行為。良介の中で、治療費は私が払います、と言った時のデストロイヤー久保田の毅然とした横顔と、床に無造作に投げ捨てられた札束が重なり合い、良介は弾かれたように物陰から飛び出した。
「なんだ、てめえは!」
 取り巻きの男達が六道を護るように立ち塞がる。
 大人になった良介の肉体は奇跡的に病を克服し、鍛え上げられた強健なものとなっていた。
「やっとわかったぜ。貴女は久保田さんの妹さんだったんですね。だから、面影が似ていて、俺は人違いをしてしまったんだ。そして、本物の久保田さんは、俺なんかの治療費のを支払うために、こんな男に……」
 良介は歯を食いしばり、涙を潤ませた。
「だから病院の先生は、俺に久保田さんのこと、何も教えてくれなかったんだ。この七年間!」
 良介は二人の女性を庇うように立ち、その眼を爛々と燃え立たせながらファイティングポーズをとった。
「これ以上この姉妹に手出しはさせない! てめえらみたいなクズは俺が南鳥島まで吹っ飛ばしてやる!」
 良介は一番近くにいた黒スーツの男に躊躇なく殴りかかった。
 ヒュッと空を切る鋭い音が二度響く。
 当たらない……!
 男は間一髪のところで良介の拳を体を斜めにかわす。どうやら格闘技の心得があるようだ。
「どこのどいつか知らねえが、味噌汁の具にしてやるぜ!」
 不敵な笑みを浮かべた男の右拳が、うなりを上げて良介の横面に激しくめり込んだ。鼻孔から血がしぶいて、顔が撥ね上がる。
「ぐは!」
 膝が勝手に折れ、良介は床に手をついた。意識が遠のき深い闇の淵へと墜ちていきそうだ。せっかく久保田さんを助けて、少しでも恩を返したいと思ったのに、俺はこの程度なのかよ! ちくしょう!
「何か勘違いをしているようだな、良介。あの金は、あの日、たまたま宝くじに当たって大金を持っていたから、お前のために使っただけだ」
「え?」
 気がつくと床にへたり込んだ良介の前に、ツグミを救った女性の美しい後ろ姿が見せつけるように聳えていた。
「それと、私はその女の妹ではない。こいつらをおびき出すために妹のフリをして成人式に参列していたまでだ」
「じゃ、じゃあ、貴女はいったい……」
「決まっているだろう? 私の名は、」
 鷹のような迫力のある大きな瞳が六道を捉える。
 
「デストロイヤー久保田だ!」
 
 次の瞬間、すらりとした足が振り上げられ、ゴングを鳴らすように手前の黒スーツ男の顎骨の破壊音が鳴った。さらにくるりと左足を軸に久保田のしなやかな身体が飛び上がったかと思うと、扇のように脚を開き二人目と三人目の男の横顔を殴打した。二人同時に白目を剥いて昏倒する。四人目の男は着地した久保田にすかさず襲いかかる。その背後では五人目が腰から日本刀を抜き放っていた。だが、流れる水のように久保田は迫りくる四人目の男の拳を受け流す。弧を描いて舞う美しい黒髪の陰から雷光のような拳の一撃。四人目の意識を奪い、すぐに反転。久保田は刀を振り上げた五人目の懐に怯むことなく踏み込む。振り下ろされる手前で柄を掴む手を受け止めた。何が起きたか敵が気づいた時には久保田の膝が敵の脇腹にめり込み、続いて首筋に手刀が打ち込まれていた。
 取り巻きを瞬く間に失った六道は、劇薬を飲み込んだような顔つきで身震いした。「お、お前が、あのデストロイヤー久保田だと!」
 久保田がさらに一歩近づくと、六道は直観的に抵抗を諦めて絶対服従を誓うかのごとく土下座の姿勢をとり、床に額をゴリゴリと擦りつけた。
「も、申し訳ありませんでした! 今日から心を入れ替えて真人間に生まれ変わります! つるつるの真人間に!」
「……お前の墓碑に、その言葉(セリフ)を刻んでやる」
 久保田の蹴りは咄嗟に身構えた六道の腕のガードも撥ね除けて顎を打ち、そのぶよぶよした口内からは血飛沫とともに金歯が弾け飛んだ。回廊に囲まれた巨大立像の掌の上に金歯が落ちる。六道は思わず手すりから身を乗り出して、呆然とその金歯を見つめた。そのまま彼の脳髄に叩き落とされた久保田の踵落としは、さながら罪人を処刑するギロチンだった。
 回廊から落下してきた六道の肥えた体重に巨大立像は耐えきれず、バランスを崩して倒れ出す。土台部分の生コンクリートに首だけ残してズボッと嵌まった六道の周囲には壁面にぶつかってかち割り氷のように砕けた像の破片が次々と落下してくる。「ひぃ!」恐怖のあまり六道は洟を垂らしながら白目を剥いて失神した。
「貴女は、またそうやって無関係の他人のために、性懲りもなく戦っているんですか」
 良介の目から熱い涙が溢れていた。
 良介の声には答えず、久保田は囚われていた女の目隠しを外してやるのだった。その姿は献身的な聖女のようで神々しい。
「貴女は、どうしてこんなことをするんですか。死に場所を求めていた俺なんかを……どうしてあの日、救ってくれたんですか」
 久保田は、ツグミを見つめるような優しい瞳で、良介を見下ろした。
「傷は大丈夫?」
「大丈夫じゃない!」
「どこが痛むの」
「体の傷なんてどうだっていい! 俺はずっと貴女に憧れていたんだ。恩義を返したかった! 感謝を伝えたかった! なのにずっと会えなくて、それがやっといま会えたってのに、俺は足を引っ張るだけで、情けない姿しか見せられなくて、弱っちくて、でも貴女はここにいて、本物なんだよな? デストロイヤー久保田! 本当にすごい戦いだった! なんなんだこの気持ちは! 俺、わけわかんないくらい胸が痛いんだよ! こっちの痛みをどうにかしてくれよ! うわあああ!」
 床を拳で叩く良介を、久保田はそっと抱き寄せてその頬にキスをした。固く閉じてきた蕾がそっと緩やかに花開くような女の香りがする。
「え?」
「良介。……ヤンキーに立ち向かうお前の姿を初めて見た時、他人のようには思えなかった。きっとそれは、私が戦う理由と一緒だから」
 良介は放心状態で頬に手を当てる。胸の鼓動は激しく高鳴り、耳の奥に自分の脈動が直接聴こえるほどだった。久保田は口をきゅっと結んでくりくりと大きな瞳を動かし、良介の瞳を上目遣いに覗き込んだ。
「やっぱりまだ痛いか? その程度の痛みなら、唾をつけておけばすぐに治ると思ったんだが」
 良介はその日、全ての痛みを霧散させ、彼に無尽蔵の力を与えてくれる不思議なものを眼前に発見した。それはデストロイヤー久保田が初めて彼に見せてくれた、いたずらな笑顔である。
(了)

デストロイヤー久保田との再会

執筆の狙い

作者 水素カフェ
108.21.232.153.ap.dti.ne.jp

前回『河童のコインランドリー』という作品を投稿した水素カフェと申します。
今回で二回目の投稿になります。

この作品は、小説塾の第二回課題作品として執筆したものです。

<課題内容>

・原稿用紙十五枚以内
・三人称で書く
・冒頭部分の段落に、次のような会話を入れること
「おお、山田、久しぶり」
「え?」彼女は振り返った。「私、山田じゃありませんけど」

この作品では、演出のために「山田」の部分を「デストロイヤー久保田」に変更しました。
これと同じ内容のものを先生に提出中です。
ジャンルは、格闘バトル+微量のラブコメ、です。

<梗概>
 成人式を迎えた主人公の良介は、一人の女性と再会する。その女性は良介が十三歳の時に危機から救ってくれた命の恩人だった。だが、本人であるという確証がないまま、その女性は去ってしまう。後を追う良介は、その女性が再び見ず知らずの他人を救う姿を目撃し、本人(デストロイヤー久保田)に違いないと確信する。

ご意見、ご感想を頂ければ幸いです。
宜しくお願いします。

コメント

叶こよ
58.227.248.4

デストロイヤー久保田が出てくるので、なんだかコメディかな?と思って読んでいたんですが、感動と恋の予感ありと短編の中にいろいろ入って面白かったです。
アクションシーンも軽快でよかったです。

叶こよ
58.227.248.4

知りたかった点があったので再びコメントを送ります。

デストロイヤーという名前ついているなら、この名前の由来?とか、このすごい名前がつくような強烈なシーンとかが欲しいなぁと思いました。(この名前がつくようなすごい見た目をしているとか)
私の中では「デストロイヤー久保田」という単語が、一つの謎で、印象が強くてこの理由を探していたんですがわからなかったので、あれ?と思いました。
デストロイヤー久保田がすごいんだと思うけど、医師もなぜこの人に一目置いてるんだろうっていうことも謎でした。この謎をわざと残しているのがポイントでしたか?
読み終わった後この名前の由来や一目置かれている理由を知りたかったので、コメントしました。

水素カフェ
108.21.232.153.ap.dti.ne.jp

 叶こよ様

 ご感想ありがとうございます。
 実はタイトルから先に決めて書き始めたのですが、当初はコメディー路線で行くつもりだったのです。ところが、課題の書かれた冊子の先生の文章を読むと、感動的な話を書くように、と指示があったことに後から気づきまして、これはおバカなコメディ路線ではお叱りを受けるかもしれないと、急遽感動系のエピソードを盛り込むことにしたのです。
 いわれてみると、そういう経緯もあってか、タイトルから期待させるものと内容が噛み合っていなかったかもしれないですね…。
 それでも面白かったとのコメントを頂けてほっとしました。アクションシーンも軽快だったとの感想を頂き嬉しく思います。
 コメントを下さり誠にありがとうございます。

水素カフェ
108.21.232.153.ap.dti.ne.jp

 叶こよ様

 二つ目のコメントへの返信になります。

 デストロイヤー久保田の名前の由来がわからなかったとのご指摘ですが、実にごもっともです。言われるまで失念していたのは私の手落ち以外のなにものでもありません。思い返すと情けない限りです。教えて頂き、ありがとうございます。

 原因を分析してみますと、普段ショートショートで書いているシリーズ物の作品で正体不明の紳士などを描いていますから、それと同じノリで書いてしまったということに尽きると思います。ところが今回の作品は、シリーズ物ではなく、単発の作品という態で発表しているのですから、一話の中で全て謎を残さずに完結させるべきでした。タイトルに対して読者様が当然抱くであろう疑問に答えていないのは大問題だったと只今猛反省しております。

 いちおう、裏設定はここに開示しておきます。
 デストロイヤー久保田は、正義のために戦う強い意志を持った人であり、法で裁けない人間の悪事を破壊するため、非合法な組織の援助を受けて活動しています。その活動は、犯罪者や警察、巷の医師などには噂として知られており、彼らは畏怖を込めて彼女を「デストロイヤー久保田」と呼ぶのです。また、彼女は作中で巨大立像を破壊していますが、このような形で、事件を起こす時は必ずド派手に何かを破壊して去っていく、というのもキャラ付けの一つになっています。

 …と、こういったことを本編内で明示するべきでしたね。説明不足で、本当に申し訳ありませんでした。次回作からは同じ過ちを繰り返さないように気をつけたいと思います。

叶こよ
58.227.248.4

水素カフェさん
丁寧な返信をありがとうございます。
私は専門家ではないので、感じたままコメントしました。私のコメントに対して、情けなく思う必要はないです。こんな意見もあるんだなぁくらいで止めておいてくださればと思います。
裏設定をどこかにいれて練り直してみたら、また違った深みのある文章になると思います。
私のコメントが水素カフェさんの作品づくりにお役にたてれば幸いです。

水素カフェ
108.21.232.153.ap.dti.ne.jp

 叶こよ様

 お気遣いありがとうございます。
 自戒の念を込めて、少し大げさに「猛反省」などと書いてしまったかもしれません。
 でも、大変参考になったのは事実です。
 今回はもともと小説塾の課題として書いた作品ですので、練り直すことはせずに、反省すべきことは反省しつつ、次回作に進みたいと思います。

夜の雨
i114-189-82-112.s42.a027.ap.plala.or.jp

水素カフェさん、作品読みました。

・原稿用紙十五枚以内
・三人称で書く
・冒頭部分の段落に、次のような会話を入れること
「おお、山田、久しぶり」
「え?」彼女は振り返った。「私、山田じゃありませんけど」
――――――――――――――――――――――――――――――――

上の会話は入っておりましたが、その後の流れを読んでも会話に意味がなかったですけれど。
つまり、「人違い」ではなくて、「本人でした」というような内容で「オチ」をつける狙いを「課題」にしているのですが、作者さんは、その「課題をこなしていない」ということです。

>ジャンルは、格闘バトル+微量のラブコメ、です。<
その通りになっていました。
ラブコメ部分は、面白く書かれていたと思います。
また「心の痛み」はうまく「恋煩い」に転化しました、これはうまかったです。
伏線も張られていた。
――――――――――――――――――――――――――――――
ほか。

課題をこなす「イメージトレーニング」をした方がよいですよ。

「おお、山田、久しぶり」
「え?」彼女は振り返った。「私、山田じゃありませんけど」

この場合は、主人公が相手に声をかけると、「相手が違うという」ので、「主人公の勘違い」ともう一つは「相手が嘘をついている」ということが考えられます。

「主人公の勘違い」よりも「相手が嘘をついている」という展開の方が、ドラマ的には面白いので、「どうして、相手が、嘘をつく必要があったのか」という「話(展開)を考える」。
「相手(山田)が、主人公が知っている山田だと都合が悪いから」ということになります。
そこで「主人公が知っている山田が、どういった人物だったのか」という設定をする必要が出てくる。
他人に迷惑(金を借りていたとか)をかけていた山田の場合だと、もちろん「山田ではない」という可能性が出てきます。本人だと認めれば金を返さなければならないので。
「相手に迷惑をかけていた」の部分にひねりをかければ、そのあとの展開は、いろいろと書けると思います。
できるだけ独創的なドラマを書けばよい。

「主人公の勘違い」の場合。
こちらは、主人公が山田に思い入れがあるので、よく勘違いをしているとか、いろいろと考えられると思います。
そこで山田にどういった思い入れがあるのか、ということを考えると、話は広がります。
または、主人公が記憶の病気を患っているとか。
「え?」彼女は振り返った。「私、山田じゃありませんけど」 ← できるだけ、この女性がそのあとの展開に絡んだほうがネタとしては、面白い。

発想を広げると、面白い話が書けるのではないでしょうか。
なので「イメージトレーニング」をしたらよいと思います。

お疲れさまでした。

水素カフェ
108.21.232.153.ap.dti.ne.jp

 夜の雨様

 コメントありがとうございます。
「課題をこなしていない」とのご指摘、確かにそう言われて仕方のない作品になっていると素直に感じました。
 形式的には、主人公はデストロイヤー久保田を、顔の似た姉妹だと勘違いしたり、またデストロイヤー久保田の側では、敵を欺くために正体を隠していたといったことが、端的に描かれたりしています。しかし、それはあくまで形式的なものに留まっているという印象が否めません。本作のメインとなる主人公の感情描写にその仕掛けが深く関与しているか、オチにしっかりと結びついているかと問われたら、ほとんどそういう印象を受けないものになってしまっている、と自分でも感じました。作品構想を思い浮かべる、イメージする、最初のその時点で、こういった問題を察知できるようにならないといけませんね。今回はとにかく作品を期限内に完成させることで頭がいっぱいで、正しい状況判断ができていなかった気がします。
 大切なことに気づかせて頂き、誠にありがとうございます。
 次からは、課題の真意をよく汲み取って、それにしっかりと応える作品をよくイメージしてから、書き始めたいと思います。

小石創樹
u159.d024008216.ctt.ne.jp

水素カフェさん、執筆お疲れ様でした。ご紹介にあずかり、率直な書評を述べさせていただきます。(SSGのページから飛んで来ましたので、本サイトに関する手続き等をしていないのですが、大丈夫でしょうか……?)

末文まで拝見した感想は、タイトルのイメージとも相まって、少年漫画的な格闘風&感動路線? &ラブコメ(っぽいもの)です。
狙いに記載の課題内容と、傾向が合致するかはともかく、この枚数でこれだけの要素を詰め込もうとすると、一つ一つの掘り下げが薄く、展開が早過ぎて読者が置き去りに。また最終的な感情の持って行きどころも難しいですね。短編を書かれるなら、文章量に見合ったテーマを選び、要点と結末、それぞれのシーンの配分を、構成に落とし込んでから執筆される事をおすすめいたします。また課題であるという事は、そこに書かせたいテーマ、学んでほしい意図があるはず。厳密な正解は一つでないにせよ、試験と同じく、問題文は隅々まで読み、その上で要求以上の水準に持っていけなければ、批評を受ける事も難しいでしょう。

内容について。
少年期の劇的な出会い(と本人は思っている)を引きずった語り手が、そのノリそのままに突っ走り、運命的に再開したヒロインにくっ付いて行って事件発生。ヒロインの力で解決。最終あり得ないラッキー展開とラブコメをねじ込んだ。
語り手を男性にした意味と役割が見えにくかったです。久保田さんと彼、主人公はどちらだったのでしょうか?この作品ですと、彼は単なる目撃者。ナレーター。噛ませ犬。格闘物を描くなら、本人の心身の成長が不可欠です。ただ描写をそれらしく並べても、感動は生まれません。格闘シーンに迫力はあるのですが、いちいち分析的で描写が大げさ。せっかくのテンポを、読んでいる間に殺してしまうのです。もう少し絞った表現で、作中の表現をお借りするなら、流れるように、スピード感と強さを見せつけていただきたい。特に魅力的な女性が戦うわけですから、泥臭さよりキレと美しさを。読みながらシーンが明確に頭に描ける程でなければ、途中で飽きて読み飛ばされます。ここに字数を割き過ぎて、他の部分が一層印象に残らない。結果、全体にぼんやりした話に感じてしまいました。

また、展開が正直ご都合主義。昔の縁というだけで、彼女が不特定多数の一人に過ぎない彼を、そこまで印象に残していた理由も弱い。(大変な知名度がある方なのですよね、デストロイヤー久保田さん。子供から大人まで、山の様な人間を救っているはずです。なぜ、あえて彼?)ラブコメとして読もうにも、語り手の片思いが暴走しているだけで、コメディ要素も特にないな、と。


……たくさん叩き過ぎて、お読みになるのも嫌になったろうと思います。ごめんなさい。
書いてもいないくせに、後から偉そうな事ばかり申しました。15枚の短編を書き上げた、その努力と熱意に敬意を表します。
読ませて下さってありがとうございます。

NORIHISA
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 水素カフェ様
執筆、お疲れ様でした。
拝読させていただきました。
 僕自身がここまで書けないのに感想なんてと萎縮しておりましたが、SSGでの御恩をお返しするにはコメント欄の枠の広いこちらで感想を述べさせていただくことが1番ではないかと思い、筆をとりました。
 あの水素カフェさんが、この課題に対して『デストロイヤー久保田との再会』とのタイトルで執筆。しかもその久保田は少女となるとその設定の素晴らしさに話しの展開を想像するだけでワクワクしました。
正直に申しますと、設定からの期待値がピークでした。勿体ない!というのが素直な感想です。
 ページ数に対して、設定を盛り込み過ぎたかもしれません。僕なら姉妹設定は省きます。格闘シーンは水素カフェさんのあの高い描写力が失われていました。漫画ならいいのですが、文章で細かな動作解説は読みづらかったです。僕なら久保田を美しい白鳥やコマに例えて、敵を蹴散らす描写を想像しました。創樹さんの言われるように格闘シーンに多くの枠を取られて、この素晴らしい設定を活かし切れてないように感じました。
 感動的な話しにするようにとの課題だと書かれていました。設定では、いい意味での期待の裏切りをされていますので、話しの展開は期待に応えるものであって良かったように思います。
 山田をデストロイヤー久保田にされている点でオリジナリティ抜群の設定でしたから、例えば心優しき覆面レスラーが引退後に正体を隠さなければいけなかった訳を解き明かすベタな展開でも良かったかもしれません。
 力のない一読者の僕がこのような偉そうな事を申してすみません。でも、だからこそ小説を提供すべき読者に近い者としての感想が伝えられるかなと思い、御恩返しのつもりで書きました。お許しください。

NORIHISA
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 水素カフェ様
執筆、お疲れ様でした。
拝読させていただきました。
 僕自身がここまで書けないのに感想なんてと萎縮しておりましたが、SSGでの御恩をお返しするにはコメント欄の枠の広いこちらで感想を述べさせていただくことが1番ではないかと思い、筆をとりました。
 あの水素カフェさんが、この課題に対して『デストロイヤー久保田との再会』とのタイトルで執筆。しかもその久保田は少女となるとその設定の素晴らしさに話しの展開を想像するだけでワクワクしました。
正直に申しますと、設定からの期待値がピークでした。勿体ない!というのが素直な感想です。
 ページ数に対して、設定を盛り込み過ぎたかもしれません。僕なら姉妹設定は省きます。格闘シーンは水素カフェさんのあの高い描写力が失われていました。漫画ならいいのですが、文章で細かな動作解説は読みづらかったです。僕なら久保田を美しい白鳥やコマに例えて、敵を蹴散らす描写を想像しました。創樹さんの言われるように格闘シーンに多くの枠を取られて、この素晴らしい設定を活かし切れてないように感じました。
 感動的な話しにするようにとの課題だと書かれていました。設定では、いい意味での期待の裏切りをされていますので、話しの展開は期待に応えるものであって良かったように思います。
 山田をデストロイヤー久保田にされている点でオリジナリティ抜群の設定でしたから、例えば心優しき覆面レスラーが引退後に正体を隠さなければいけなかった訳を解き明かすベタな展開でも良かったかもしれません。
 力のない一読者の僕がこのような偉そうな事を申してすみません。でも、だからこそ小説を提供すべき読者に近い者としての感想が伝えられるかなと思い、御恩返しのつもりで書きました。お許しください。

水素カフェ
108.21.232.153.ap.dti.ne.jp

>小石創樹

 貴重なご意見、誠にありがとうございます。
 襟を正して拝読させて頂きました。そして、返信がとても遅くなってしまい申し訳ありません。

>(SSGのページから飛んで来ましたので、本サイトに関する手続き等をしていないのですが、大丈夫でしょうか……?)
 
 こちらのサイトは会員登録が必要ないので大丈夫でございます。誰もで奇譚のない意見を書き込めるのがコンセプトとのことです。また、投稿する側もそのコンセプトを理解した上で、読者から厳しい意見を受けることを覚悟して投稿していますので、思う存分感じたことを書いて頂いてけっこうでございます。「鍛錬場」ですので。

>狙いに記載の課題内容と、傾向が合致するかはともかく、この枚数でこれだけの要素を詰め込もうとすると、一つ一つの掘り下げが薄く、展開が早過ぎて読者が置き去りに。

 そうですね。枚数感覚がまだつかめておらず、前作でも詰め込み過ぎだとの意見を頂きました。まだ経験不足だということだと思います。

>また課題であるという事は、そこに書かせたいテーマ、学んでほしい意図があるはず。厳密な正解は一つでないにせよ、試験と同じく、問題文は隅々まで読み、その上で要求以上の水準に持っていけなければ、批評を受ける事も難しいでしょう。

 他の方からも頂いた意見でして、ずしっと私の心腹に響くものがあります。
 第一回課題(前作)では、優等生になろうとして「文章が硬い」と先生に指摘されました。そこで、今回は少し肩の力を抜いて伸び伸びとやりたいことをやろうと思いました。むしろ言いつけを守らず自分が暴走したら先生からどんな反応が来るのか、早めにそれを確認しておきたいという狡い心理もあったと思います。(半端すぎて、きつく叱られることはありませんでしたが…)
 ちなみに今回の課題の先生の意図していたところは、二人の登場人物の思惑のすれ違いを描くことで、登場人物が違えばものの見方や考え方も異なることを作者がしっかり描けているか見たかったようです。これは私の想像の埒外でした。また、感じ方の異なる人間同士が互いを理解して距離を近づけようとする時に、感動的なドラマが生まれやすいことを先生としては感じてもらいたかったそうです。私はどちらもまったくできていませんでした。そういう意味では勿体ないことをしたかなという反省があります。
 ただ、逆にこの作品を書いたことで学べたこともあるので、一概にすべてが失敗だったとは言えないと思っています。私が指導を仰いでいる薄井ゆうじ先生は、こんな生徒でも落ち着いて嗜めて下さる、とてもいい先生だと私は感じています。

>彼は単なる目撃者。ナレーター。噛ませ犬。格闘物を描くなら、本人の心身の成長が不可欠です。

 今回は「心の成長を描く物語」というよりは、「キャラクターの魅力を描く物語」のイメージでした。例えばシャーロックホームズシリーズでは毎度事件を解決しますが、だからといってホームズは大きく精神的な成長を遂げるわけでもなく、どちらかといえば彼はいつも変わることなく超然としています。ルパン三世も、いつもキャラが変わらないまま読者を楽しませてくれます。そういう魅力的な安定キャラを主人公目線で描きたかったのですが、力量不足でございました…。

>格闘シーンに迫力はあるのですが、いちいち分析的で描写が大げさ。せっかくのテンポを、読んでいる間に殺してしまうのです。もう少し絞った表現で、作中の表現をお借りするなら、流れるように、スピード感と強さを見せつけていただきたい。特に魅力的な女性が戦うわけですから、泥臭さよりキレと美しさを。読みながらシーンが明確に頭に描ける程でなければ、途中で飽きて読み飛ばされます。

 格闘描写については、私の中でこれが正解というのが、最後まで見つけられませんでした。先生から何かアドバイスがあるかと思えば、「マンガやアニメのようだ」とバッサリ斬られてしまいました。そして、コミカルなものはマンガやアニメの表現分野に任せて、小説家は文章でしか描けないものに、もっと集中したほうがいいのでは? と。なるほど、と思いました。おかげで、私の中で少し吹っ切れた部分はあります。どれほど達筆に格闘を描けたとしても、たぶんそれはアニメの躍動感に勝るものではないでしょう。(と言いつつ、夢枕獏先生の小説で懲りずに勉強中だったりしますが…)
 魅力的な女性ならではの格闘を描きたい、というのは私も考えていたのですが、字数制限と闘ううちに、剪定されてしまいました。なんとかねじ込む気力も失っていました。なのでこのご指摘は痛い思いで受け止めております。
 表現が分析的なのは、状況に客観性を持たせるためにある程度必要だと思いますが、そればかりが連続したのがおそらく良くなかったのでしょうね。理想は、気がついたらすっと情景が目に浮かぶようなものだったと思うのですが、これは今も未解決問題です。

>また、展開が正直ご都合主義。

 十五枚だと、非日常の舞台設定を用意するための説明文のコストだけで、かなり本編を削られてしまいます。つまり、十五枚の枠なら最初から扱えるジャンルはほぼ「日常ドラマ」に限られるということになるかと思います。あまり劇的なことをやろうとするべきではありません。これが今回の教訓です。

>コメディ要素も特にないな、と

 本当は根っからのコメディにするつもりだったのです。SSGでも当初は(プロフ欄で)ラブコメやります、と宣言して、自分の持ち味を活かして好き放題に暴れるつもりでした。それなのに、なぜかできませんでした。制約のないSSGと、小説塾の課題作品とでは、作り方が違います。たとえ面白くても、課題の最低条件を満たしてないと0点だと思って書きますから、ものすごく不自由で、無理やり書いているような心境になり、書き進めるほどに息苦しくなります。
 正直、SSGでの私の作風を知っている方には、今回は期待を裏切ってしまったな、という思いはあります。ただ、SSGでコメントが付くようになったのも、何十作も書いてからのことでして、短編作品としての私の経験値はまだまだこれで二作目。全然足りません。どちらも同じ「小説」じゃないかと思う向きもあるかもしれませんが、私の中では明確に異なると思っています。しっかりとゼロベースで向き合わなければなりません。
 なのでたぶん、次の課題でもたくさんの失敗をすると思います…。

>……たくさん叩き過ぎて、お読みになるのも嫌になったろうと思います。ごめんなさい。

 とんでもございません…!
 正直に言えば、読んでしばらくはヘコみましたけれど、これは私がどうしても通らないといけない道ですし、率直な意見を頂けたことは、確かな糧となりました。創樹様には感謝しかございません。
 わざわざこの別サイトまで足を運び、通読してコメントまで残して下さったことは本当に嬉しい限りです。本当にありがとうございました。

秋田柴子
cc219-101-1-204.ccnw.ne.jp

まずは執筆お疲れ様でした。
作品、拝読させて頂きました。正直コメントを差し上げるかどうか悩みましたが、他の方々のコメント及びカフェさんの返信を拝読し、何かの参考になればと思い、ここに書かせて頂きます。

課題云々については、私自身このような経験がないものですから、先生及び他の方々のコメントにお任せします。ただ決められた課題をこなすことの困難さはよく理解できます(笑)

さて本題。
①アニメ・漫画と小説
これについては先生及び創樹さん、NORIHISAさんと同意見です。
でも私は格闘を文章で書くこと自体は可能であると思います。
池波正太郎先生の『真田太平記』をお読みになったことはありますか?様々な格闘シーンがありますが、その中でも第五巻『秀頼誕生』のちょうど中程に、真田信幸・鈴木右近と悪党どもの格闘があります。
私は剣道を嗜んだ身ですが、無駄のない、それでいて躍動感溢れるこの場面が大好きです。よろしければぜひご一読下さい。

②リアリティ
以前SSGでも触れましたが、リアリティについてもう少し追求してみてはいかがでしょうか。特に奇想天外なものほど、些細な部分はリアルに書かれた方がより両者が際立つと思います。

例えば久保田さんと主人公の出会い。
劇的に描きたい気持ちはよく判ります。
でも屋内に迷い込んだ野鳥が、人間の女性が伸ばした手にとまるでしょうか。動いても逃げないでしょうか。
私が漫画・アニメを感じたのは、格闘よりむしろこの場面でした。

もう一つ、同じシーンで主人公の友達が桜と梅の違いを指摘します。
文章からすると少し距離があるようですが、一月の花のない季節、二十歳の男の子が遠目から梅と桜の区別がつくでしょうか。そしてそれができないといってコンプレックスに感じるでしょうか。
…すごく些末かもしれませんが、そういう違和感が少しずつ積み重なると、何となく全体にズレた印象を与えてしまう気がします。作者の意図が透けてしまうというか。
私も日頃書いていて非常に悩むことなので、敢えて書きました。参考にして頂ければ幸いです。

③力の入れ具合・抜き具合
思い入れがあれば、力の入るのは当然です。それがいい意味で発揮されているのは『例の紳士』シリーズですね(笑)
逆に陰陽師の時はかなりキツそうでした。
SSなら勢いで突っ走れますが、長くなると難しいですよね。だからこそ『抜き』の部分も大事かと。無理に格調高い言葉やそれらしい小道具に頼らず、シンプルに表現する練習も大事かと思います。

SSGでは、皆様優しくてお褒めの言葉を頂けますし、それはとても嬉しいことですが、正直あそこにいるだけでは自分自身の成長は止まってしまうかなと思います。
カフェさんがこうしてここに身を置かれていることを深く尊敬します。
本当はもっと気軽に話したいし、この前書いた自分の作品もぜひ読んで頂きたいのですが、なかなか難しいですね。
創作を愛する同志として、少しでも参考になればと思い書かせて頂きました。

最後にもう一冊、本を紹介させて頂きます。創作前から読んでいましたが、今回自分が長いもの(226枚)を書くにあたり、ものすごく実感できました。もしよろしければご覧下さい。
村上春樹『職業としての小説家』新潮文庫

己の力量も省みず、僭越な意見を書き連ね申し訳ございません。
次作も楽しみにお待ちしております。

水素カフェ
108.21.232.153.ap.dti.ne.jp

>NORIHISA様

 コメント、ありがとうございます。
 わざわざこちらのサイトまで足を運んで頂けて、嬉しく感じております。
 頂いたご感想に、お返事を書きたいと思います。

>あの水素カフェさんが、この課題に対して『デストロイヤー久保田との再会』とのタイトルで執筆。しかもその久保田は少女となるとその設定の素晴らしさに話しの展開を想像するだけでワクワクしました。
正直に申しますと、設定からの期待値がピークでした。勿体ない!というのが素直な感想です。

 ご期待に応えられず申し訳ありませんでした…。創樹さんへの返信でも書きましたが、本当はSSGで培ってきたような奔放なノリで、やりたい放題やってやろうと意気込んでいたのです。ですが、それではなかなか課題の要項と整合性がとれず、途中からシリアス路線に舵を切りました。時間の都合もあり、迷うより書いて完成させることを優先した結果、今回のように仕上がりました。いつもと創作の勝手が何か違うと戸惑いつつも最後まで書く、というのは心理的につらいものがありました。結果的に期待に応えられず、申し訳ないです。


> ページ数に対して、設定を盛り込み過ぎたかもしれません。僕なら姉妹設定は省きます。

 今思うと、このページ数では、あまり日常離れした劇的なことをやろうとするべきではありませんでした。無理にわかりやすくしようとすると、設定がどんどんとマンガっぽくなってしまいます。一度それもやってみたかったことではあるのですが、先生に提出してみたら、マンガじゃなくて小説を書きなさいと言われてしまったので、次回は真面目に日常を描く文学をやろうと思っています。
 姉妹設定は、課題の要項を満たすために削れませんでした。他のアイデアを出すことも検討しましたが、今回は期限を守ることを優先し、ほとんど形式的にしか要項を守っていませんが、これで最後まで押し切りました。プロの作家も期限は守っているので、創作というものの厳しさを切々と感じました。

>格闘シーンは水素カフェさんのあの高い描写力が失われていました。漫画ならいいのですが、文章で細かな動作解説は読みづらかったです。僕なら久保田を美しい白鳥やコマに例えて、敵を蹴散らす描写を想像しました。創樹さんの言われるように格闘シーンに多くの枠を取られて、この素晴らしい設定を活かし切れてないように感じました。

 格闘シーンは、ハイコストだとやってみてわかりました。十五枚でストーリーの複雑な筋と両立させるのは、結果的にかなりの困難を伴いました。SSGでも格闘シーンを描いたことはなかったので、最初はこの新しい試みがとても楽しみだったのです。とてもつもない格闘シーンを描くことが、創作のモチベーションになっていました。しかし、実際に手をつけてみると、あまりに枠が狭くて、なかなか腕がふるえず、改行すら入れる余裕がありません。最低限意味の伝わるようにしか書けなくて、本当に息が詰まりました。
 あとプラス十五枚の心の余裕があれば、それこそ白鳥のように舞う久保田さんを描けたと思うのですが…。もし見せ場にちゃんと読者を圧倒できるような迫力があれば、作品全体の評価も変わったのではないかと思います。多少設定に無茶があっても、久保田さんのカリスマ性を強く前面に打ち出すことができれば、たぶんそれほど気にはならなかったと思うのです。

>山田をデストロイヤー久保田にされている点でオリジナリティ抜群の設定でしたから、例えば心優しき覆面レスラーが引退後に正体を隠さなければいけなかった訳を解き明かすベタな展開でも良かったかもしれません。

 デストロイヤー久保田、という名前からはマッチョな覆面レスラーを思い浮かべるかもしれません。でも、実は美形の女の子で、しかも超強い、というのを当初はやりたかったんです。名前とのギャップに萠える感じで。当初の想定通りコメディー路線で突っ走っていたら、そうなっていた思うのですが、その後の方針転換もあって、うまく演出を制御できませんでした。途中で作品のゴールをすり変えるのは、止めたほうがいい、というのも、今回を通しての教訓かもしれません。最初にコメディと決めたら、徹頭徹尾コメディーを目指すのが正解だったのかもしれません。まだ経験不足で、腰の据わってない感じでしか言えないのですが。

>力のない一読者の僕がこのような偉そうな事を申してすみません。でも、だからこそ小説を提供すべき読者に近い者としての感想が伝えられるかなと思い、御恩返しのつもりで書きました。お許しください。

 いえいえ。まさかコメントを頂けるとは思っていなかったので、とても有り難い限りです。また、こちらのサイトは厳しい意見をもらうための場、「鍛錬場」ですので、どうぞお気遣いは無用にお願いします。SSGのほうは楽しく続けられるプラットフォームですが、メンタルを鍛えるなら、こちらのサイトがいいと思います。自分の作品を読者から否定されると、物凄く心が…、しばらく立ち直れないほどに苦しみますが、その痛みなくして大きな成長はないかもしれません。
 次の作品を書いたら、また懲りずに投稿するつもりです。

水素カフェ
108.21.232.153.ap.dti.ne.jp

>秋田柴子様

 コメントありがとうございます。
 そして、返信が遅くなってしまいまして申し訳ございません。

>作品、拝読させて頂きました。正直コメントを差し上げるかどうか悩みましたが、他の方々のコメント及びカフェさんの返信を拝読し、何かの参考になればと思い、ここに書かせて頂きます。

 ありがとうございます。しっかり拝読させて頂きました。

>でも私は格闘を文章で書くこと自体は可能であると思います。
>池波正太郎先生の『真田太平記』をお読みになったことはありますか?様々な格闘シーンがありますが、その中でも第五巻『秀頼誕生』のちょうど中程に、真田信幸・鈴木右近と悪党どもの格闘があります。
私は剣道を嗜んだ身ですが、無駄のない、それでいて躍動感溢れるこの場面が大好きです。よろしければぜひご一読下さい。

 こちらの作品はまだ読んだことがなかったので、ネットでさっそく発注しました。近々手に入ると思いますので、まずは目を通してみたいと思います。(柴子さんは、剣道を嗜んでおられたのですね。かっこいいです)
 以前のコメントで、私は格闘シーンをいくら頑張っても、たぶんマンガには勝てない、という趣旨の発言をしました。ですが、それでいて、小説においても格闘シーンを描かなければならないことはあるでしょうし、常にそこから逃げて書かずに済ませてしまおうとすれば、大きく表現の幅を狭めてしまうことと思います。むしろ長編作品のクライマックスシーンなどでは、何らかの激しい対立と熱量のあるアクションが多少なり描かれていないと、読者として大きなカタルシスが得られないという事情があります。そうなりますと、やはり人間同士が力でぶつかり合うシーンをどう描くか、という本質的な問題からは、作家を目指すものとして逃げられない運命にあると思い直すわけであります。
 私は夢枕獏先生の作品から、このあたりを学ぼうかと思っておりましたが、せっかくですので、柴子さんオススメの、池波正太郎先生の筆からも、学ばせて頂こうと思います。技術というものは、一朝一夕で身につくものではないと思いますが、大切なことはまず上手い人のやり方を見て真似ることだと思っております。どちらも名の知れた大先生ですので、お手本としてきっと間違いないでしょう。

>以前SSGでも触れましたが、リアリティについてもう少し追求してみてはいかがでしょうか。特に奇想天外なものほど、些細な部分はリアルに書かれた方がより両者が際立つと思います。

 ありがとうございます。次回作では、さっそくこの問題に取り組んでおります。小説塾の先生からも、現実の人間が本当にこういう行動を取るか、こういう話し方をするものか、もう一度自分自身に問い直してみてほしい、と指導を受けました。ごもっともなお言葉です。小説というものは鼻っからフィクションではありますが、その中にどこまで真実味を出すかという線引きは、しっかりと意識したほうが良さそうです。この作品では、そのあたりの意識が低く、ふんわりと描いていたことを反省し、次回は厳しいチェックを入れるつもりです。

>…すごく些末かもしれませんが、そういう違和感が少しずつ積み重なると、何となく全体にズレた印象を与えてしまう気がします。作者の意図が透けてしまうというか。

 そこが創作の怖いところですね。些細なものなら大丈夫だろう、とつい自分に甘えてしまいがちです。少しでも違和感を減らしていく努力をしていかなくてはなりません。この程度なら大丈夫だろう、と気を緩めたら、その甘さがそのまま作品に出てきてしまうのでしょうね。
 今回の作品は、色々と厳しい意見も頂きましたが、おかげさまで、これをやったらこんなふうに読者から指摘されてしまうのだ、という具体的な感覚を多少なりとも身につけることができました。

>SSなら勢いで突っ走れますが、長くなると難しいですよね。だからこそ『抜き』の部分も大事かと。無理に格調高い言葉やそれらしい小道具に頼らず、シンプルに表現する練習も大事かと思います。

 本当にそれを思います。突っ走ろうと思っても、突っ走れませんでした。長い作品には、長い作品なりの戦い方があるようです。それを学ばねばなりません。どういう言い回しをすれば、冗長にならずにすらすらと読めるのか、私なりに現在分析中です。次回作はまだ研究成果が追いつかず、「抜き」の単調さから逃れられないかもしれません。でも、練習すればいつか身につきそうだという気はしています。
 「抜き」をシンプルに表現する分野に関しては、私は村上春樹先生の作品を参考に勉強させて頂いてます。はからずも、柴子さんも村上春樹先生の本をオススメされていますね。こちらの本もさっそくネットで発注致しました。届くのが楽しみです。

>SSGでは、皆様優しくてお褒めの言葉を頂けますし、それはとても嬉しいことですが、正直あそこにいるだけでは自分自身の成長は止まってしまうかなと思います。

 そうですね。昨年の11月から私はSSGを始めましたが、せめて次の11月までは投稿を続けてみようと思っています。400字という短さだからこそ毎日続けられて、コメントもすぐにもらえるので、創作のスタートダッシュには本当に向いている環境だと思います。ですが、「続きもの」を発表する場としては、かなり無理があることもわかってきました。プラットフォームの向き不向きが見えてきたので、いずれは主戦場を変えなければならないという思いを強くしています。

>本当はもっと気軽に話したいし、この前書いた自分の作品もぜひ読んで頂きたいのですが、なかなか難しいですね。

 そうですね…。現状、私はSNSなどを一切公開しておりません。Twitterなどが嫌いというわけではなく、人とのコミュニケーションに時間をとられ過ぎると創作に集中できなくなるので、一種の自己防衛として、そうしております。私は元々がお喋りなタイプなので、人と会話を始めると止まらなくなってしまうのです…。
 とはいえ、自分の作品に講評を送って下さった方には、返礼として、自分もその方の作品を読んで講評を送りたい気持ちはあります。ですので、柴子様の作品も機会があれば是非読ませて頂きたいです。
 ただ、人の作品を講評する量が増えてくると、ずっとこなし続けていくのは難しいだろうなとも思っています。以前、このサイトでお世話になった方の講評を書きましたが、見事にそれだけで丸一日が潰れました。勉強にはなりましたが、こればっかりやっていると、自分のことがひとつも前に進まないという危機感もあるのです。

>今回自分が長いもの(226枚)を書くにあたり

 お疲れ様でございました。それだけの量を期限内に書ききったことをとても尊敬します。私はまだ20枚レベルでひーひー言っておりますので…。大先輩ですね。
 これからも、未熟者ではございますが、創作の同士として、お付き合い頂ければ嬉しいです。
 貴重なアドバイス、ありがとうございました。

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