作家でごはん!鍛練場
金川明

12時20分前

 子供の頃、わけもなく、大人料金で乗りたがった。ほんの少し、大人に近づけるような気がして、父さんに、少し高めに払うようねだったのを覚えている。
 父さんは、電車にのってあてもなく旅をすることを好んだ。僕は、そのおともによく連れて行かれた。
 そして今。僕はかつての父さんと同じように、あてもなく電車に揺られていた。
 かたわらには、長い黒髪を無造作に垂らした少女が一人。僕のガールフレンド……の、ようなものだ。オフホワイトのワンピースに、赤い羽織りものの彼女は、足をパタパタさせながら、流れる景色を眺めている。
「ねぇ、どこに行くの?」
「さぁ」
落ち着き払ったふりをして、父さんの真似をしてみた。ホントは不安でいっぱいだ。
「なにそれ」
 あきれたような、どこか楽しそうなため息をついて、君は笑う。
「ねぇ」
「なに?」
「好きよ」
「……うん」

12時20分前

執筆の狙い

作者 金川明
sp1-75-248-91.msb.spmode.ne.jp

小さな幸せを描いてみました。

感想、批評お待ちしております。
お手柔らかに。

コメント

偏差値45
softbank219182080182.bbtec.net

親子で同じ行動をしてしまうネタはよくありますね。
それゆえ、より完成度が求められます。

金川明
ah160072.dynamic.ppp.asahi-net.or.jp

コメントありがとうございます。
完成度が求められるというのはおっしゃる通りだと思いますが、正直返答に困るのでもう少し詳細な批評をしていただきたいです。どこがどう完成度を下げているのか、など、詳しく教えていただけるとありがたいです。

夜の雨
i114-189-82-112.s42.a027.ap.plala.or.jp

金川明さん、作品読みました。
全文に渡り、コメントと修正文を書きます。
あくまでわたしだったらこうするという案です。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 >子供の頃、わけもなく、大人料金で乗りたがった。ほんの少し、大人に近づけるような気がして、父さんに、少し高めに払うようねだったのを覚えている。<

子供の頃の背伸びしている主人公が描かれている。なかなか結構です、人間の成長が書かれているので。

 >父さんは、電車にのってあてもなく旅をすることを好んだ。僕は、そのおともによく連れて行かれた。<

背伸びしている子供の主人公に対して、大人の父さんは「電車にのってあてもなく旅をすることを好んだ」ということで、「目的がなく行き当たりばったり」は、「社会(会社勤めや社会人としての常識)の一個の歯車として生きている大人の哀しみとロマンを描いている」。
そのおともに子供の主人公が連れられているということは、父さんは自分独りで「あてもなく旅をする」のは、不安なのだろう。
子供が一緒にいると落ち着くのだと思う。

 >そして今。僕はかつての父さんと同じように、あてもなく電車に揺られていた。<

ここまではよいが、この後の展開で主人公は父になっていないことが判明。

 >かたわらには、長い黒髪を無造作に垂らした少女が一人。<

ここもセーフです。

>僕のガールフレンド……の、ようなものだ。<

問題はここです。
これだと主人公は学生か、かなり若いということになる。
ここは、「ガールフレンド」ではなくて、主人公の娘にする。すなわち主人公は大人になっていて、娘と電車に乗っている。(昔の父と主人公の関係)。

>オフホワイトのワンピースに、赤い羽織りものの彼女は、足をパタパタさせながら、流れる景色を眺めている。<

「彼女は」 ←娘は。
「足をパタパタさせながら」 ←御作のままだとガールフレンドになるから幼すぎる。主人公の娘にしても、あとの会話文からすると幼く見えるのでカットする。
「オフホワイトのワンピースに、赤い羽織りものの彼女は、流れる景色を眺めている。」←こうなる。

>「ねぇ、どこに行くの?」
「さぁ」<

このままでよい。

>落ち着き払ったふりをして、父さんの真似をしてみた。ホントは不安でいっぱいだ。<

主人公が娘と電車に乗っているという設定なら「僕は、むかし父と電車に乗ってあてもなくどこかに向かっていた記憶がある」という具合に書くと「父と現在の大人になって娘と電車に乗っている主人公が同調して、社会での一個の歯車として生きている大人の哀しみを描くことになる」。


>「なにそれ」
 あきれたような、どこか楽しそうなため息をついて、君は笑う。
「ねぇ」
「なに?」
「好きよ」
「……うん」<

彼女ではなくて娘だと下記のようになる。

「なにそれ」
 あきれたような、どこか楽しそうなため息をついて、娘は笑う。
「ねぇパパ」
「なに?」
「大人の切符で乗りたい」
「……うん」

このラストの会話のやり取りは、娘と昔の主人公を同調させて、娘の会話文を少し大人にする。
そして「大人の切符で乗りたい」と、主人公が子供の時、背伸びしたことと現在の娘を交差させる。
ただ、子供だった主人公の「大人料金で乗りたがった」よりも現在の娘の方が大人なのは確かである。

「12時20分前」 ←このタイトルの意味がわからなかったですね。

それでは、頑張ってください。

夜の雨
i114-189-82-112.s42.a027.ap.plala.or.jp

修正。

「彼女」を「娘」

「オフホワイトのワンピースに、赤い羽織りものの彼女は、流れる景色を眺めている。」←こうなる。 こちらではなくて、下記です。

「オフホワイトのワンピースに、赤い羽織りものの娘は、流れる景色を眺めている。」←こうなる。

加茂ミイル
i223-217-95-68.s42.a014.ap.plala.or.jp

>子供の頃、わけもなく、大人料金で乗りたがった。ほんの少し、大人に近づけるような気がして、父さんに、少し高めに払うようねだったのを覚えている。

この部分をもう少し登場人物のやりとりにするとリアリティが増すかなと思いました。
たとえば、もやがかかったような感じの子供の頃の回想シーンの映像で、

>「パパー、どうして僕の料金は半分なのー?」
>「それは、お前がまだ子供だからよ」
>僕はそれが悔しかった。子供だからと言って侮られているような気分になった。
>「大人と同じ料金で払ってよー」
>「何言ってるんだ、安い方がいいじゃないか」
>そう言われて、僕は自分という人間の値段を安くつけられているような気持ちになった。僕は泣き出して、暴れた。他の客たちがその時どんな目で自分を見ていたのか分からない。泣きじゃくって、訳もなく感情が乱れて、自分で自分を止められなかった。
>父は僕を抱き上げ、バスから降りた。結局、僕と父は目的地まで長時間歩いた。
>あの時のことを思い出すと、子供ながらに何てバカなことをしたんだろうと思う。
>今僕は大人になり、大人料金できっぷを買えている。あの時の望みがかなったのだ。
>その割に、ふりーきっぷなんかを買い求めたりして、今では安い方がいいといった具合だ。
>子供の頃は高い方がいいと要求したのに、今では1円でも安いきっぷを探している。

という映像がふと、この作品を読んだ後で頭の中に浮かんで来ました。

金川明
ah160072.dynamic.ppp.asahi-net.or.jp

コメントありがとうございます。

夜の雨様

この物語は背伸びをしたがる主人公が、女の子を連れ出して大人ぶった逃避行をするというお話なので、とくに女の子が娘である必要はないと考えております。


加茂ミイル様

冒頭部分は本編に出てくる主人公の性格を表現する程度のものですので、リアリティよりもくどくならないよう短くまとめることを優先いたしました。

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