作家でごはん!鍛練場
られんか

雨のトイレにて

「琳音くん……」
「なんだよ、真中」
 真中が雨で黒いブラジャーとくっついた白いブラウスを脱ごうと、学校指定の赤いリボンを解く。真中は琳音に自分の体を意識してほしいと考えて、その赤いリボンの解く音を極端によく聞こえるようにする。
 だが琳音は真中を全く見ようともせず、ふたりが雨宿りしている公園の障害者用トイレの臭いを嗅いでいる。この糞尿の臭いと思春期真っ只中のふたりの匂いが混ざる密室のどこがいいのか。真中は不思議な気分で、制服を脱いでいく。
「琳音くん、ほら、Eカップの胸。触ってもいいのよ?」
 真中がブラウスを半分脱いで、自身の誇らしい大きな胸を両手に持って琳音に近づく。だが琳音は、彼女の手からこぼれそうなほどたわわな真中の胸を睨みつけると、大きなため息をついて眉を潜めた。
「ねえ! 中学三年生でEカップなの! 下着だってほら、黒いレースのブラジャーと濡れたてのパンツだよ? 飛びつかない男子なんていないわけないじゃない!」
 琳音が嫌々そうな顔で自分の胸を揉みながら、関西人らしいイントネーションで東北少女の真中に本音を吐く。
「この胸、柔らかいな。でもオレ、お前みたいな奴ってあんまり好みじゃない。ってか黒レースの下着にも胸にも興味ないし」
「ええ? それって私みたいな女は嫌ってこと?」
「そりゃこんな自分から体を相手に差し出す女、男女問わず好みじゃないと思うけど。でもお前はいいね」
 真中がヘーゼルの瞳で琳音にニヤけて近づく。両手と両膝を色々な人々の靴跡残る床に手をつけて、猫のように寄ってくる。
「琳音くんは男の子なのに髪が長くて、白いワンピースを着て、レインコートも赤いよね。でも『興味ない』って言って女の子の胸を触ってくるじゃない。さっきコンビニで知り合ったばかりなのに」
 トランスジェンダーなの? 真中は目を細めて聞いてみた。だが琳音の答えはかなりあっさりとしていて、あまり難しい問題ではないようだ。
「男でも女の子に興味無い奴もいるんだよ。真中は可愛い方だけど、自分の体を安売りする奴は好みじゃない」
「そうなの? 私の胸は揉むくせに」
「んー、お前の胸が欲しいなって思うだけだ。この胸があれば、オレが女だったら……」
「あら、そう」
 真中は半分脱いでいたブラウスとブラジャーを脱ぎ捨て、琳音にその甲高い声で聞いた。
「ねえ琳音くん」
「なんだよ」
「わたし、雨のせいで体中が寒くて気持ち悪いの。だからスカートもニーソも、パンツも脱いでいい?」
 トップレスの姿で立ち上がった真中は、琳音の前でモデルのように気取ってポーズを取り始める。腰に手を当て、片足を前に出して黒いニーソックスを履いたローファーを琳音の膝下に向けた。
 梅雨のじめったい湿度のせいか、真中の視界が少し歪んでその目に映る。琳音が汚らしいトイレの床に両手をついて真中を眺めている。
 何とコメントすればいいのかわからない。そういった様子で彼女を見つめる琳音の大きな猫目がその目に映しているのは虚無だった。
「……琳音くん?」
 真中が純真きった瞳で虚無感をあからさまに感じている琳音の顔に目線を向けて、不器用に笑ってみせる。峰不二子のような艶かしい美女のつもりなのだろうが、幼さが抜けていないのが残念だ。
「あーわかったよ。脱ぎたきゃ脱げば?」
 真中から目を背ける琳音に、彼女は微笑んで『可愛い人』とだけ言ってそのままストリップショーを始めた。はじめにローファーを脱いで、次にニーソ、ガーターベルト、短くした紺のプリーツスカート、そして最後は絹で作られた黒い下着に真中は手をかける。
 改めて顔を背けたままの琳音に目を向けて聞く。
「……みないの?」
「あたりまえじゃん」
「あっそ!」
 するとあっさり最後の下着も脱ぎ捨てて、完全な裸となった真中は琳音に後ろから抱きついて温まろうとする。琳音はレインコートを着て、ワンピースも無事だったため幸いにも体温は雨に奪われずに済んでいるのだ。
「おっぱいをね、あててんの。わかる? 布越しに伝わるでしょ? たわわな胸の柔らかさ、温かさ……」
「…………」
「…………?」
 先に琳音が黙り込み、それにつられて真中も黙りこくってしまった。それから何十秒、真中は琳音の背中に自身の胸を当てて沈黙していただろう。最初は「大したことない」と思っていたその沈黙が徐々に、トイレの外で降り続ける大雨のように冷たく感じられた。
 そんな気まずい沈黙を先に破ったのは、琳音だった。
「……真中ってさ、貞操観念もクソもない奴だけど、その大胆さはオレ憧れる。こんな大胆さがあればオレも後悔しなかったかなって……」
「キモいほど引いてたくせに?」
 すると琳音が、彼の首筋に回された真中の腕を持って自身の胸に触れる。
「真中、手のひら、パーにして」
「…………?」
 真中は言われるがまま、自身の両手を開いてパーにする。すると、琳音が自身の胸部を服越しに撫で回して吐息を吐き続け始める。その吐息は、梅雨にもかかわらず白い気体としてあらわれてやがて装飾の派手なトイレに消えていく。
「……やっ、まなつ、っ、だめだよ……」
 さっきまで冷静沈着だった琳音が、喘ぎながら『マナツ』という人間の名前を呼んでいる。
 真中は喘いで息を吐き続ける琳音の胸をいじりながら、内心そのマナツ相手に悔しがっていた。マナツという人間ほど自分はまだ琳音の中に入り込んでいない。それは当たり前なのだが、コンビニで初めてその姿を見た時から、琳音には一目惚れしている状態だ。
 赤いレインコートのフード部分から覗く丸い円を描く額、人形のように白い肌、少し太くも中性的な顔を演出する眉、虚ろなのにかすかに希望を秘めた黒い瞳。その全てが、あまり人と接したことのない真中にとって衝撃的で、この顔の持ち主を芸術品として愛でたいと思った。
 そうして幼心で彼女は華奢で細い体つきの割には惣菜やお菓子をたくさん買い込んだ袋を見て、「そのお菓子を食べたい」と言って嫌々ついてこさせてもらったのだ。
 そしてそのまま惣菜を食べる前に体を温めたくて、裸になって今に至るのだ。たった数時間知り合っただけの他人が、マナツという人間を知ることはない。だが、彼女は知りたいと思ってマナツになりきった。
「ほら、ダメじゃないか。こんなにエッチに喘いじまって……」
「いやっ、もう来ちゃうっ、マナツ!」
 この瞬間、琳音の体から苦くて甘い、独特な臭いがしたのは真中の中で永遠の秘密だ。
「……ねえ琳音くん」
「なんだよ」
 さっきのように、また琳音はぶっきらぼうに答える。ただ一つ違うのは、さっきとは違って琳音の顔に赤みが増していたことだ。
「マナツってだれ?」
「……初恋の人。オレに初めて人を愛するってのを教えてくれた人。……もう今では会うことはできないけどな」
 そう細々と話す琳音の声は寂しそうで、顔も汚れが床に散らばったところを一点見つめるばかりだった。
「マナツって男の子?」
「……ああ……」
「琳音くんはまたマナツくんに会えるって、信じてるんだね」
「……否定はしない……」
 ああ、またさっきの気まずい沈黙がふたりの空間を作り上げて、せっかくよかった雰囲気を壊していく。初めて男子にあることを目撃した真中はもう正直、琳音が女装している理由も、コンビニで大きな買い物をしていたこともどうでもよくなっていた。
 自分がマナツの代わりになれるようにしよう。そう思って、なんとなく真中は聞いてみた。
「琳音くんって何が好きなの?」
「……サンダーバード。特撮の」
「わたし、サンダーバードなら見たことあるよ。テーマソングも大好き」
「ガキ臭えけど、いつか世界の災難を救えるほどの金持ちになりたいんだ。サンダーバードの国際救助隊みたいに」
「ふふふ。かわいい」
 それに琳音くんの背中、あったかい。そう真中がいうと、ハッと気が付いたかのように琳音が後ろを振り向いて怒り出した。
「おまっ……、いい加減抱きしめるのやめろよ!」
 琳音の怒りつつも、さっきの行為で起きた気まずい笑顔に真中も思わず笑顔になる。そして真中は琳音の隣で、雨が明けるまでサンダーバードの魅力を語り合ったのだった。

雨のトイレにて

執筆の狙い

作者 られんか
softbank126064080064.bbtec.net

ここに投稿するには、かなり過激なものを書いてしまったような気がします……。客観的に見て、読者様の意見が欲しいです。具体的には真中と琳音、2人のキャラがちゃんと立っているかが気になります。
よろしくお願いします。

コメント

松岡修子
82.206.49.163.rev.vmobile.jp

>かなり過激なものを書いてしまったような気がします……。
 特に過激とは思いませんが、日本語になってない文章が多くて意味不明でした。読み進めるのが苦痛でした。

>客観的に見て、読者様の意見が欲しいです。 
 しっかり見直しして、まともな日本語の文章を書きましょう。以前にも書きましたが、見直しせずに投稿するのは糞便まみれの胎児を見せるような行為です。新生児はきちんと産湯で洗ってやってからお披露目してください。

>具体的には真中と琳音、2人のキャラがちゃんと立っているかが気になります。
 非常識な行動をしているだけで、特にキャラが立っているわけではありません。非常識な行動=個性ではありませんよ。

偏差値45
softbank219182080182.bbtec.net

>具体的には真中と琳音、2人のキャラがちゃんと立っているかが気になります。
うーん、それは違うかな。ただのヘンタイですね。魅力が足りないのです。

>琳音くん、真中
ネーミング、、、男か女か、苗字か名前か、分からない。
これは致命的に悪い。琳音においては読み方も分からない。
こうなると、読んでいくリズム感が悪くなるので、良くないですね。
しかも、冒頭でこれなので、読む気力が萎えます。

全体的にどこが面白いのか、分からないですね。残念。

大丘 忍
p1611005-ipngn200303osakachuo.osaka.ocn.ne.jp

「琳音くん……」
「なんだよ、真中」

内容はともかくとして、小説に於ける人名はなるべく読みやすく、発音しやすいもの。例えば苗字なら小川とか山本とか平凡なあり触れたものの方が良いと思います。読み方の発音が分からない、男女、年齢も分からない書き方の作品が多いと思いますが、いくら凝った名前をつけてもそれだけ作品の評価が高まるわけではないので、ありふれた、読みやすい名前にして欲しいと思いますね。
例えば、男なら俊夫とか三郎、女ならさゆりとか良子とか平凡な名前です。名前が凝っていても読者は読みにくいだけで、何の価値も無いと思いますが読者の皆さん如何でしょうか。

テクノブレイク
pda6e8362.hkidnt01.ap.so-net.ne.jp

られんかさん、はじめまして〜。
なにげな〜く読み始めたら、なんと琳音くん男の娘じゃないですか〜。
つい最後まで読んじゃいました^^
いいね、こういうシチュ。BLに嫉妬する女の子ってサイコー!

ネーミングのこと、とやかく言われてるみたいけど、べつに気にすることないよ。
作者はある意味、創造神なんだから、自分で愛着の持てる名前を自由につければいい。
このサイトにはルビ機能ないけれど、会話文とかうまく工夫すれば、さりげなく読みかた伝えることできるから。

キャラはちゃんと立ってますよ〜。
強がってるけど内面が女の子しちゃってる琳音くん(たぶんウケw)
真中ちゃんが攻撃的で情緒不安定なのは、おそらく純情さの裏返しでしょうね。

書きたいという情熱が先走ってて、創作が空回りしてる感はあるけれど、このテンション維持しながらこれからも書きつづけてください。
文章作法については、このサイトに巣食ってる爺さん婆さんたちの駁撃を(笑)真摯に受け止めて、腐ることなく精進してくださいね。いや腐るのは構わないけど(べつの意味でw)
あと次回作も、ぜったい男の娘、登場させてね\(´μ`。)/

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