作家でごはん!鍛練場
えんがわ

ペンギンカフェ

 ペンギンを見ていた。

 ぷかぷかと水面を漂い、時に水中に潜り、アイススケートのように滑って、やがてふわりと浮かんでいく。
 ミニプールほども広い水槽は清掃が行き届き、水は澄み、微妙な青い電気の光を通す。ヒーリング音楽は環境音のように耳の周りを流れ、ガラス一枚を隔てて、何十もの黒と白のマゼランペンギンが、あるものは浮かび、あるものは泳いでいる。
 ペンギンは頭も背中も、翼のような鰭のような手も、くちばしも黒い。ただ首周りから目にかけて白い線が浮かんでいて、胴の中央にもラインが走っている。お腹は真っ白。
 水槽を見上げてペンギンを見つめることが多いので、その白の印象が濃いが、光によって出来た水のような波紋を映すそれは、綺麗だ。
 ペンギンは岩山を模した陸上にいる時は間の抜けたように見え、水面をぷかぷかとゆったりと漂っているのは可愛らしく、そして水中を泳ぐ姿は美しい。
 ペンギンは放たれた矢のように、前へ進みながら潜行し、一定の深さまで至ると、プールの床に沿ってすーっと直線的に滑るように泳ぐ。
 水面でゆったりとしているペンギンが多い中、時折、思い出したかのように、滑り始めるペンギンは、その希少さも手伝って、選ばれた者がカーペットを行くような、そんな優雅さを思わせた。

 そして、彼らペンギンをその水槽の前で、二時間、三時間、四時間、日もとっくに落ちて、ビルの灯かりが輝きだしてとうに経つまで、ぼうっとし続けている、そんな自分は選ばれない者だろう。実際に、僕はパートナーとしてあり続けることを、真樹に選ばれなかったのだから。

 浅草を観光して、浮かれる中国人をはじめとした外国人をよそに、ただ弾まない会話をしていた二人。あの時の、ぎこちなく照れてしまうような初々しい頃のそれとは違い、飽きてしまったような、疲れてしまったような、そんな空気の中に僕らはいた。
 おもくじで中吉だった真樹はそれをなんとなく報告して、それからスマホでSNSにアップして、凶をひいた僕をなぐさめるわけでもなく、そのままスマホに目を戻していた。

 カービィカフェで記念写真を撮って、それからちょっとだけ待って。丸型のキャラクターを模したプレート一杯のピザを僕が、お昼寝オムライスだっけな、ふわふわオム卵を布団に見立ててその中でケチャップライスの丸っこい別のキャラが眠っている、そんなんを真樹が食べて。それから大げんかをした。最初は声がうるさいよって言って、それからちょっと迷惑だから外に出ようと言って、なのに彼女はどんどんと爆発するように不満を口にして、僕もカッとなって。周りの空気がすっと引いて、怒りというよりも冷たくなったのを感じつつ、二十分。ファンシーな食いしん坊らしい、可愛らしい女の子が好きそうなキャラクターをモチーフに、オシャレとカワイイを詰め込んだカフェ。ウッディな内装にお洒落な服装の店員にお客さんたち。それだけに涙の混じる修羅場が、場違いに苦しかった。

 一匹のペンギンと目が合った。一匹一匹それぞれのペンギンには特徴があるようで、エンタメ的な展示でもあった餌やりの時間には、飼育員は一匹一匹見分けて偏りが無いように餌をやっていた。しかし、自分は数時間見つめていてもそのような個性はわからない。いや、見つめていたのか。ただ、ぼうっとしていたんだ。
 とにかくそんな見分けのつかない一匹のペンギンがこっちを見つめているような気がして、思わず顔をうつむけると、ペンギンはすっと水中に沈むように潜り、ぐぐっとこちらに突撃するように近づき、通り過ぎた。
 からかわれているようで、励まされているような気持になる。ペンギンの方は無数にやって来る水族館の人間の群れから、僕という一人を見分けることが出来るのか。それは分からないが、なんとなく、自分に向けて泳いでくれた気がした。しただけだけど。

 真樹と別れた理由、そんなのをペンギンの前でずっと探していた。本当はもっと前から探さないといけなくて、なんとか変わらなきゃいけなかったのかもしれない。
 答えなんて月並みで、自分は真樹のことを気遣って大切にしているつもりで、真樹に映る自分の姿ばかり気にしていたんじゃないかな。とか。他に恥ずかしくて人に言えない理由も思いついたりもした。

 ペンギンの水槽の前には、ペンギンカフェという喫茶店のような軽食屋がある。ペンギンの形を模した氷の入ったオシャレなドリンクがあって、それを注文しようと思っていたが、前にいるカップルがそれを頼んで、なにか気恥ずかしく、止めた。
 代わりにペンギンをかたどったおにぎりを購入した。ペンギンの姿に切られた海苔のついた焼きおにぎりだ。おにぎりは白米の方がペンギンらしいと思うのだが、そうはしないところがカフェ流のお洒落なのだろう。

 そんな気休めのおにぎりを食べながら、セットのコーンスープを飲みながら、ペンギンを見つめ続ける。食べ終わって、空になった後、どんな味だったか思い出せないくらいに、ぼうっとただ食べていたことに気づいたりした。

 結局のところ、真樹とはどうやっても続かなかったのだろう。ただ一人、けんかの後、どうにかしようとするもがきのメールも入れずに、スマホすらも見ずに、ただ、水槽のペンギンを見つめ続ける自分。東京が好きで、オシャレが好きで、人の中で笑うのが好きな真樹。一緒の空間には居れない二人だったんだ。今思えば、合わせようと僕はだいぶ無理をしていたし、真樹も頑張って無理をして合わせようと、あるいはその光のある方へ僕を引っ張っていこうとしていた。
 だけど、残念だけど、空と水の中は違っていて。僕たちはペンギンのように二つの空間を漂ったり、潜ったり、行き来しきれない。

 そんな、そんな水中にいる自分と同じところで呼吸できるような、ずっと見続けてくれるような人と出会えれば、それは幸せなのだろうか。けれど、それは叶わないだろう。
 ペンギンのドリンクを飲み終えたカップルは、ペンギンの水槽を離れ、水族館を後に、ビル街へと帰っていく。
 自分はもまた、そうしないといけないが、だが、あと少しだけペンギンと一緒に居ようと思う。

ペンギンカフェ

執筆の狙い

作者 えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

ペンギンカフェはスカイツリー間近のすみだ水族館にあります。

コメント

夜の雨
i223-216-201-83.s42.a027.ap.plala.or.jp

読みました。

狙いというか、設定は良いのですけれどね。
ペンギンという憎めない動物を背景に、主人公の僕と真樹との別れの物語。

ペンギンの水中と陸上の描写やら、館内の光と影の演出が、御作にはあり、それに対比させて、見る側である僕と真樹の楽しいはずのひと時が、喧嘩になるとは。
水族館内にあるカフェでのことなども書かれており、「設定」や「構成」は、良いと思います。

ただ、練りこみが足らないというか、描写が適切でなかったりの場面が結構あり、狙いや設定が生かされていませんでした。

『   』で、囲んだところが特に違和感があった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ぷかぷかと水面を漂い、時に水中に潜り、『アイススケートのように滑って』、やがてふわりと浮かんでいく。
 『ミニプールほども広い水槽』は清掃が行き届き、水は澄み、微妙な青い電気の光を通す。ヒーリング音楽は環境音のように『耳の周りを流れ』、ガラス一枚を隔てて、何十もの黒と白のマゼランペンギンが、あるものは浮かび、あるものは泳いでいる。
 ペンギンは頭も背中も、翼のような鰭のような手も、くちばしも黒い。ただ首周りから目にかけて白い線が浮かんでいて、胴の中央にもラインが走っている。お腹は真っ白。
 水槽を見上げてペンギンを見つめることが多いので、その白の印象が濃いが、『光によって出来た水のような波紋を映す』それは、綺麗だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『アイススケートのように滑って』 ←「水の中」で、「アイススケート」は、違和感があり。

『ミニプールほども広い水槽』 ←「ミニ」と「広い」が、相いれない、違和感がある。

『耳の周りを流れ』 ← 主人公に聴こえているので、「耳の周りを流れ」は、違和感がある。

『光によって出来た水のような波紋を映す』 ← どこに、水のような波紋が映っているのか、わかりにくいし、どのように奇麗なのか、わからない。


おもくじで中吉 ← 「おみくじ」

 だけど、残念だけど、空と水の中は違っていて。僕たちはペンギンのように二つの空間を漂ったり、潜ったり、行き来しきれない。 ← 「空と水の中は違っていて」どういう意味か、分かりにくい。
「だけど、残念だけど」 ← 「だけど」のダブル。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
主人公のキャラクターや、設定とか構成はよいし、題材などもよいので、「文章」とか「描写」が手抜きのような見受けられて、もったいない創りになっている。
上に指摘した以外にも、文章が甘いと思いました。

お疲れさまでした。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

>夜の雨さん

ありがとですー。
あー、文章が下手だなー。

>「水の中」で、「アイススケート」は、違和感があり
こう、滑る感じと優雅さを併せたらこの比喩かなって思ったんですけど、水と氷では連想が続かないのか、組み合わせが悪いのか。自分の言語センスとか、悪いんだろうなって思います。

>『ミニプールほども広い水槽』「ミニ」と「広い」が、相いれない
はい。ここは自分でも自信なかったから、やっぱダメだった。
伝えたい広さが上手く、言葉に出来ませんでした。
プールほどに広い、だと広すぎてしまって、でも水槽にしてはとても大きい。そこらへんの塩梅を上手く短く伝える。
その言葉が今も見つかりません。

>耳の周りを流れ
これは「流れ」で、プールの中の水と主人公の空間を上手く印象で繋げて、一つところにいることを感じさせたかったんですけど、なんか与えたのは違和感だけだったようです。なんか下手に自分の中でこった言葉を使おうとして、イミフになるのが自分のイケナイ癖だと思います。

>『光によって出来た水のような波紋を映す』
腹の部分、白から、ペンギンの体に光の波紋が映るそんな感じを、こう伝えたかったんですけど、わかりにくいですよね。なんか文章が下手ですよね。

>おみくじ→おもくじ
あああああー。恥ずかしー。

>だけど、残念だけど
これ反復的な気持ちというか、なんか言葉に出すのにつまっている感じを出したかったんですけど、やっぱダメでした。


夜の雨さんや他の読者さんでも納得できるくらいまで推敲出来たかというと、練った時間が足りない文章だからそれは✕なんですよね。
もうちょっと言葉を寝かせて、描いた方が良かったんでしょう。
そこをズバリとご指摘になったのだと思います。

白状してしまいますと。
だいぶ、言い訳っぽくなっている感じがあるのは、自分の目指す文章と、たぶん真面目な型を目指す夜の雨さんとのタイプが違っていて。
「夜の雨さんが理想として描いたら」っていう文章で、自分が書いたら、自分の中では好きな文章にはならないなって思う部分があったのもまた。それはありました。

でも、自分のこう、心に合った表現を突き詰めていけば、夜の雨さんもあきれ顔でなんか思ってくださると思うので、そういうところで頑張ろうと思います。
そっち方面の頑張りが、今回は足りてなかったです。

反省です。

他の部分を褒めていただいて、心のどこかが救われました。
それを活かせる文章を書けるようになりたいです。

ありがとでした。

夜の雨
i223-216-201-83.s42.a027.ap.plala.or.jp

お早い返答ありがとうございます。

ぶっちゃけた話、文章がどうとかいうよりも、えんがわさんが、書こうとした題材が良かったです。
文章に問題があっても、書こうとしているものは、見えています。
向こうに見えている人間ドラマが良いですね。

エピソードを分厚くすると、さらによくなると思います。

頑張ってください。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

ありがとうございますー。
すみだ水族館のペンギン、すごく良かったです。
良点というのはその素材のたまもので、それを十分に引き出せなかったのが自分でした。


今回はスカイツリーあたりのcafe巡りして、動画を撮ったりもしました。
https://video.fc2.com/content/20200114WFUGeamN
https://video.fc2.com/content/20200114tM7mUCuw
https://video.fc2.com/content/20200115pzUVrWpU

うん。
なんかスカイツリー周りを舞台にして、もうちょっとロングな話を描いても面白いかもしれないですね。
そうなると、もっとそこに行ってお金使わないといけなくなるけどー。だから厳しすぎて出来ないけどー。


人間ドラマって言葉を使っていただいて、とても嬉しいです。うれしー。

なんかフォローみたいに言葉を足していただいて、とても嬉しいです。
褒めてくださったのもそうですけど、そのお心遣いが染みてしまいます―。ありがたい。

ARAKI
softbank126147169104.bbtec.net

読ませていただきました。

えんがわさんお久しぶりです。
僕もペンギンが好きでお菓子付きのミニフィギュア集めてたりしてたので導入としてかなり入りやすかったです。
マゼランペンギン、あの体型は愛らしくて可愛いです。

描写は実際に現場に行って来たのがわかるような臨場感というか、ライブ感みたいなものが感じられました。
主人公の弱気でちょっとダメなとこも描写から伝わってきて好感持てました。

ただ、えんがわさん特有の大きなドラマにしない、日常を描いた共感できる話なので、少しだけでも時間を置いて推敲して客観性をいれると更に共感できるのではと思いました。(喧嘩の件での描写は感覚は伝わるのですが、少し読み辛かったです)

好きな話ですし、恋人とどうやっても続かなかったとか、別れる間際の感じもリアリティがあると思います。

主人公の近くにペンギンが突撃してくれたり、それで励まさせているのか、終盤にわかりやすい描写はないてすが、立ち直るまではいかないけど少しは元気になっているのかなと思えるような終わり方でした。

良い雰囲気を味わえました。ありがとうございました。

御廚年成
M014011161224.v4.enabler.ne.jp

えんがわ 殿

拝読いたしました。

御作は、一人の青年の一日を俯瞰して、ペンギンというアイテムを通して「自由に泳ぎ回るペンギン」と「停滞する青年の心」を対比させる事によって描く作と解釈いたしました。


>真樹と別れた理由、そんなのをペンギンの前でずっと探していた。本当はもっと前から探さないといけなくて、なんとか変わらなきゃいけなかったのかもしれない。
 この部分にもっと厚みを持たせれば、水中を自由に泳ぎ回るペンギンとの対比が鮮やかになったのではないかと思います。

益も無い事しか申し上げられませんこと御寛恕下さい。
貴兄の御健筆と御健勝を心より祈念申し上げます。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

>ARAKIさん

>時間を置いて推敲して客観性をいれる
はい。時間足らずで推敲不足は、やっぱり思われてしまうですよねー。おもくじだもんね。
今回のガ~ッて書き方したんですけど、その、ある程度ライブ感みたいなものは反映された気もするけど、やっぱりこれはいけなくて変えなきゃいけないなって思います。変えます。もう、書いてその日のうちに投稿とかやっぱ、粗がありすぎだもんね。この短距離でも、数日、出来れば一週間単位でいじったり推敲するのが、みんなに嬉しい書き方なんだろう。

>ペンギン
ペンギン好きな方にそう思っていただくと、嬉しいです。
自分はすみだ水族館に行くまではそこまでは好きじゃなかったんですけど、なんかその水槽プールを眺めてて、なんかじわんとしたんですー。すみだ水族館には、あのペンギンはあのペンギンをどう思うかみたいな、ペンギン関係を→で見せる好き嫌い表みたいなのがあって、ああ、面白かった。ちょっと流して通り抜けてしまったんで、もっとじっくり見りゃ良かったなーとか。

なんか雑談してしまいすいません。

雰囲気を感じていただいて、嬉しいです。
ペンギンで癒やし―、って言えば楽ですけど、なんかそのちょっと前の少し心を整理したり落ち着けたりなんか踏み出そうかうーんいやいや、みたいなそんな感じを、伝えたかったのかな。うーん、上手く言葉になんないす。
そんなんが伝わるような、文章を書きたいです。

ありがとでしたー。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

>御廚年成さん

>「自由に泳ぎ回るペンギン」と「停滞する青年の心」を対比させる事によって描く

おおー。カッコいいですね。御厨さんがこう書くと。
ペンギンと青年がコントラストがあるのはそうなんですけど、なんとなく二人が一緒に空間に居て、なんか馴染んでいくというかこう、なんかそういうのも伝えたかったんですけど、そこまでは出来てないなと思います。

でもなんか、カッコよく言っていただいて、恥ずかしくも嬉しい。


>真樹と別れた理由、そんなのをペンギンの前でずっと探していた。本当はもっと前から探さないといけなくて、なんとか変わらなきゃいけなかったのかもしれない。
 この部分にもっと厚みを持たせれば、水中を自由に泳ぎ回るペンギンとの対比が鮮やかになったのではないかと思います。

今回はペンギンとそのペンギンカフェのような空間を重視して、そこに居る感覚を貫きたくて、こうなったんですけれど。
でも、確かに真樹への考え事とか回想とか、そういう厚みを持たせるというのは、面白い書き方だと思います。もっと広く受ける書き方だと思います。今の自分には難しいのですけれど、長期間でもかけてそっち側にシフトしたいような気もします。

ペンギンの雰囲気を損なわないようなべたつかない人間ドラマを書くのが苦手で、それであっさりと流して避けてしまった部分もあったように思います。ほんと、逃げてばっかりだ。自分。

ありがとうございます。
寒くなってきました。御厨さんも、お体をご自愛をしていただければー。レバーブロー。

松岡修子
153.251.149.210.rev.vmobile.jp

>アイススケートのように滑って、
 言いたいことはわかるんですが、比喩としてイマイチな感じです。
「大空を曲技飛行するブルーインパルスのように俊敏かつ優雅に(または颯爽と)泳ぎ、」とかどうでしょう?

>ヒーリング音楽は環境音のように耳の周りを流れ、
 これも言いたいことはなんとなくわかるんですが、うまく表現し切れていない感じです。 
「スピーカーから流れ出た癒やしの音符たちが列を作って僕をひと回りしてから通り過ぎ、カフェにいる人たちを順番に癒やしてカフェ全体を癒やしの空間に変えていく」とかどうでしょう?

>水槽を見上げてペンギンを見つめることが多いので、その白の印象が濃いが、光によって出来た水のような波紋を映すそれは、綺麗だ。
 ここがわかりにくいので、
「浮かんでいるペンギンを見上げる。その白いお腹には、照明と揺れ動く水の作り出す光の陰影が映っている。綺麗だ。」
 という感じにするとわかりやすいですし、読者自身がペンギンカフェに行ってペンギンを見ているような臨場感が出ると思います。

>一緒の空間には居れない二人だったんだ。
 ら抜き言葉になってます。

>浅草を観光して、浮かれる中国人をはじめとした外国人をよそに、ただ弾まない会話をしていた二人。【あの時】の、ぎこちなく照れてしまうような初々しい頃のそれとは違い、飽きてしまったような、疲れてしまったような、そんな空気の中に僕らはいた。
 この文章だと「あの時」とは、浅草観光していた時ということになりますが、そう思って読み進めると違和感が生じます。作者の言う「あの時」とは、「ぎこちなく照れてしまうような初々しい頃」の事ですね?
 ですがこの文章では、「あの時」とは、浅草観光していた時ということになるので、訂正が必要です。「あの時」ではなく「付き合い始めた頃」などに。

>残念だけど、空と水の中は違っていて。僕たちはペンギンのように二つの空間を漂ったり、潜ったり、行き来しきれない。
 陸上と水中だと思います。

 ペンギンの水槽の大きさの描写について。
「ペンギンの水槽。それは魚用の水槽と比べるととても大きく、人間用のプール施設にある子供用のミニプールほどもある。」とか、資料を調べて幅・奥行き・高さを書き、それ身近な物のサイズで例えると良いでしょう。トラックのコンテナほどの大きさ、○○公園の砂場ほどの大きさなど。

>だけど、残念だけど
 過失で重ねたのではなく故意に重ねたんですよね?重ねることによって無念さを表現する効果を上げています。このままで問題ないと思います。

 えんがわさんの目指す文体は、多分優しくて詩的な文体だと思います。私は硬い文体なので例示した文章も硬いと思いますが、そっくりそのまま採用する必要はありません。単なる一例に過ぎませんし、正解はこれしかないと言ってるわけでもありません。えんがわさん流に詩的に優しい言葉にアレンジすれば良いのです。アレンジではなく、オリジナルで素敵な文章を書くのが最も良いのです。その一助となれば良いなと願って助言しました。

>書いてその日のうちに投稿とかやっぱ、粗がありすぎだもんね。
 オナニー直後の湯気の立っているティシュを見せるような行為です。しっかり見直し手直し推敲してください。アマチュアならそれが常識で礼儀です。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

>「大空を曲技飛行するブルーインパルスのように俊敏かつ優雅に(または颯爽と)泳ぎ、」とかどうでしょう?

空飛ぶペンギン。
というのが水族館で良く使われるキャッチコピーなんですけど、そっち方向で描いた方が良かった気がします。
やっぱりそれはきちんと捉えたプロの言葉で、それ以上のものはにわかの自分では出来ないっすよね。


>「スピーカーから流れ出た癒やしの音符たちが列を作って僕をひと回りしてから通り過ぎ、カフェにいる人たちを順番に癒やしてカフェ全体を癒やしの空間に変えていく」とかどうでしょう?

そうですね。わかりやすいですよね。
ただ癒やしという言葉は使いたくなったんです。
それは強烈過ぎて、全体の印象にまで及んでしまう気がして。癒しに近いけど、そこまで行かないような、なんかそんな感じを書きたかったんです。
あとやっぱり、文章を自分は行間を使いすぎるような、曖昧にし過ぎていて、センテンスが短い感じで、松岡さんくらいにきちりと伝える意識があれば、きちんとした文でもう少し長い感じになるのかな。詩という言葉が出たんですけど、そこらへんを突き詰めるとなると方向は違う気がするけど。「流れ出た音が通り過ぎて空間を満たす」とか、そういう言葉、自分でも使いたかったなって、なんかうううと思いました。いやー、そういうの形にするだけの、ううう、国語力なのか語彙力なのかが自分にはまだ無い。はい。

>浮かんでいるペンギンを見上げる。その白いお腹には、照明と揺れ動く水の作り出す光の陰影が映っている。綺麗だ。

おおお。松岡さんの、これ、自分の好きなタイプです。やっぱり動きがあって、それが読む時に浮かべるイメージと文の流れとがシンクロするように情報が伝わってくるので、そこは勉強というか。ありがたいです。


>一緒の空間には居れない二人だったんだ。ら抜き言葉になってます。

はい。しっかりします。「ら」抜きって、やりがちです。
話し言葉感覚になり過ぎてしまうような。でもきちんとした言葉でお喋りのできる話術のある人っていますし。それは言い訳だな。

>「あの時」
という言葉はまるまるカットしたほうが、かえって文全体から意味が伝わるかも。
ここらへん、下手にうなりながら、推敲不足で出しちゃった覚えがあります。すいません。


>残念だけど、空と水の中は違っていて。僕たちはペンギンのように二つの空間を漂ったり、潜ったり、行き来しきれない。
 陸上と水中だと思います。

そこはポエミーになり過ぎてしまった気がします。なんか明るい空と隠れた水の中のような。そういう心の場所を伝えたかったような。そこは自分なりに言葉を足すか変えるか、うーん、しないといけないのかな。

>資料を調べて幅・奥行き・高さを書き、それ身近な物のサイズで例えると良いでしょう。トラックのコンテナほどの大きさ、○○公園の砂場ほどの大きさなど

なるほど、確かに東京ドーム何個分とか、分かりやすく伝えるとなると。いや、それは身近じゃないし、大きすぎるか。なんかサイズを導く時に、そのままプール関係とか水関係でうなっていたような視野の狭さを、開いていただいたような感覚です。なるほどそこは柔軟で良いのか。わかりやすいサイズの基準となるものをストックとして溜めていけばもちろん武器になりそうだし、実際にデータから持っていくのもアリなのか。ありがたいです。このテクニックは出来るだけ忘れないようにしたい。


>えんがわさんの目指す文体は、多分優しくて詩的な文体だと思います。

ありがたいです。自分の中でモヤモヤと追ってたんですけど、松岡さんから見たらそういうものなんだってのを、伝えていただくと、少しそれが晴れたようで、なんか励ましてもらったような高揚感もあって。
詩的というには、詩の素養は足りないけれど、優しいとか自分で言うには照れてしまうけど、やっぱり方向として、なんとなくですけれど、少しこう。

でも、ここらへんはやっぱり明確に決めないのが、自分の書き方だと思うんで、悩んでみるです。


>書いてその日のうちに投稿とかやっぱ、粗がありすぎだもんね。
 オナニー直後の湯気の立っているティシュを見せるような行為です。しっかり見直し手直し推敲してください。アマチュアならそれが常識で礼儀です。

ごめんなさい。ほんとごめんなさい。
あの、オナニーってのは分かってんですけど、んー、そのままじゃ、臭いよね。
ほんと自分こういうの偶にガ~ってやりたくなってしまう衝動ってあって、その時に汚いエクスキューズとして、ある程度書きなれてるから大丈夫だろう、修行中だからとか、そういう気持ちがあって。
思い返せば自分に傲慢で、このサイトや読者さんを甘く見ていた。というのは。恥ずかしいです。
もっと厳しい言葉をいただいても、ってくらいです。

それと同時に、やっぱり自分にも不幸せなことをしたし、もっと良くなっただろうこの素材とか題材とか文章にも失礼なことだったなって思います。

あまり自分は礼儀とかは気にしないんですけれど、やっぱり少しでも幸せになるためなら、それは止めないといけないです。



細かい文章の問題をクリアすることが、その内容についてより触れてもらうための、やらなきゃいけないような、大切なことなんだって確認しました。

こんなにわか仕込みの文章と自分に、時間を割いていただいて、ありがとうございました。

瀬尾 りん
124-159-65-57.ppp.bbiq.jp

こんにちわ!読ませて頂きました。
これは……すみだ動物園のペンギンプールは屋内なのかな??このプールを一番大事な舞台とするなら、もう少し説明を詳しくするといいと思います。カフェの方よりプール前の描写が多いので、このプールは一体どんな感じなのかな??と終わりまで気になったので……。私のように行ったことのない人間は、勝手に知っている水族館のペンギンプールを思い描いて作者の意図とは違う方向に行ってしまうと思うんです。
あとはもう少し主人公に動きがあったらよかったかなぁ〜ペンギンって弾丸みたいなんで、俺も最後に撃ったらぁ!って感じでマキちゃんにメッセ送ってみるとか笑

話は変わりますが。
ペンギン可愛いですよね〜!大好きです。アデリーペンギンが一番好き!!近くで見ると割と生々しい鳥なんですけども笑

松岡修子
153.251.149.210.rev.vmobile.jp

「身近な物」と書きましたが、東京ドーム何個分とか、そういうわかりやすい例でももちろん良いのです。

 以前、小中学生向けの文章で1トン爆弾の説明をしたんですよ。自分で数値を調べてから、
「直径はマンホールくらい、高さは日本のプロ野球選手の平均身長と同じくらい、重さは軽自動車(黄色いナンバープレートの車)と同じくらい」と描写しました。
 わかりやすく伝えるためにわかりやすい例えを考えたわけです。読者に伝わらなければ、書いてる意味はありませんからね。
 空襲で焼けた土地の広さをTDL(ディズニーランド+ディズニーシー)の何個分かで描写したりもしましたよ。最初は東京ドームで換算したんですが、個数が多過ぎてかえって意味不明だったので(笑)

 それからちょっと誤解されるように思うので補足です。推敲しない作品を投稿するのはオナニーティッシュを見せるような行為ですが、えんがわさんのこの作品をオナニー作品だと言ってるわけではありませんよ。
 オナニー作品とは、○の○さんとか○○ ○さんみたいな作品のことです。整合性のない矛盾に満ちた、作者の自己満足に過ぎない独りよがりな作品のことです。
 えんがわさんのこの作品は、矛盾がなく整合性があります。物語として成立しています。だからオナニー作品ではありません。多くの共感が得られるかどうかは謎ですが、別にそんなものは必要はありません。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

>瀬尾りんさん

>すみだ動物園のペンギンプールは屋内なのかな??

確かに書けてない。脳内のイメージを前提で書いちゃったから、そこらへんダメダメでした。
こういうの思い込んじゃダメですよね。確かにそういうの冷ましてフラットな視点で読み返して推敲する必要も考えれば、寝かす必要はあった。です。

>あとはもう少し主人公に動きがあったらよかったかなぁ〜ペンギンって弾丸みたいなんで、俺も最後に撃ったらぁ!って感じでマキちゃんにメッセ送ってみるとか笑

ははは……w
なんかそういうコミカルな、ペンギンっぽいカワイイ話、瀬尾さんなら書けそうですもんね。ほんとペンギンラブも、自分よりもずっと濃いと思います。自分はジミーでそんなに動き回るの得意じゃないし、ぼうっと微妙に、じとじと動くのが好きなんだろうな。そりゃ暗いっす。瀬尾さんの見ている明るい世界へ、もうちょっと一歩ステップアップしたいけど、なんか苦笑いしつつ後ずさりもしそうな自分です。

すみだ水族館のマゼランペンギンは泳いでいる姿がカワイサがメインにありつつちょっと凛々しいような、そんな感じでした。
自分の中では。
お昼のフードタイムの30分前あたりから、ペンギンの泳ぎが活発になるので、その時が見時かな? うーん、にわか知識ですけど。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

>空襲で焼けた土地の広さをTDL(ディズニーランド+ディズニーシー)の何個分かで描写したりもしましたよ。最初は東京ドームで換算したんですが、個数が多過ぎてかえって意味不明だったので(笑)

あー! 自分はディズニーを歩き回ったりしたし、そういう人って東京ドームよりも多い印象があるから、馴染みのある広さとしてはそっちってイケル器ですよね。検索したらネットでも使われてたりするもん。おー。なるほど。

>自己満足
うん。自分はオナニーという言葉の持つ必要以上に否定的で差別的なニュアンスって苦手なんですけど、自己満足という言葉なら自分はそうでしょう。他者を満足させるよりそっちばっかり気にしている。独りでもありますし。それでも独りよがりならないように、むしろ言葉でその独りが他者と感覚でつながるような、文章を書いていきたいような気持があります。

あー、なんか、それくらいで、なんとか、かんとか。

スカイ画廊の父
sp49-98-156-53.msd.spmode.ne.jp

 すみだ水族館がまさかあのスカイツリーにある水族館だとは思いませんで、墨田区のどこかにある小さな水族館かと、執筆の狙いを読むまで勘違いしていました(なぜ「スカイツリー水族館」とかの名称ではダメなんでしょうかね)。ちなみに私も去年行きました。ちょうどペンギンの餌やりタイムで、自由気ままというか、一羽一羽の動きにそれぞれ個性が感じられて面白くて、主人公と同じようにしばらく見入ってしまいました。
 御作は女の子と別れたことが書かれていますが、そこにペンギンの描写を比喩として有機付けようとする意図が露骨で(別にペンギンでなくとも成り立つようなお話)、少々不自然さを感じてしまう作品でした。失恋というそれなりの問題が起こっているにも関わらず、ペンギンの描写などはやけに冷静で、まるで何もなかったかようです。水族館はあくまでも主人公が別れたあと訪れた「場所」であって、分量を割くのなら女の子のほうにふつう比重を置くべきだとは思います。恋愛の話をベタベタとしたくないのであれば、なぜ主人公が失恋後に水族館を訪れたのか、なぜペンギンカフェに行ったのか、なぜペンギンに見入ってしまいそして離れられないのか、そういう無意識下の行動に目が向けられると作品としての可能性が広がると感じます。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

スカイ画廊さん、はじめまして。
スカイツリーとスカイ繋がりですね……はは。

うん、自分がペンギンの水槽の一場面に固着したのは、なんかさ、落ち込んだ時とか、ショックを受けた後とか、一つのものをぼーっとみていて、なんとなく時間が過ぎてく感覚とか、そこらへんとか、なくない? なくないか……

そういうのを出したかったんですけど。

そういう意図自体が「露骨」という言葉に集約されてしまうのかもしれないですよね。
そこはセンスが無いんでしょう。

だからスカイツリーとか書かなかったし、浅草もカービィカフェもあんまり風景を連想させるような視覚的なものは書かないようにしたんです。
女の子も書かなかったのも。ペンギンカフェを余り書かなかったのも。そこらへんを引きずってしまったのかな。


>ペンギンの描写などはやけに冷静で、まるで何もなかったかようです。

自分の性格みたいなものもあるのだろうなー。
そこまで情熱的に落ち込むようなことが出来ない感じの人で。
でも、文を書く時にはもうちょっとオープンに感情豊かなモードになって書かないといけないのかもと思うのですが。
そうすることが最近は恥ずかしくなったのと、そういう文章がなんか肌に合わなくなってしまって。

スカイさんの言う様に「ふつう」に通じるような感性とは離れて行っているんだろうな。
そこは難しい。うー。なるように任せたいと思うのですけど。


>なぜ主人公が失恋後に水族館を訪れたのか、なぜペンギンカフェに行ったのか、なぜペンギンに見入ってしまいそして離れられないのか、そういう無意識下の行動に目が向けられると作品

はい、そういう文章を書きたいです。
今回のはそことは遠く離れたものになってしまったようで、精進したいです。


PS
すみだ水族館、素敵ですよね。
ペンギンさん、餌をもらうちょっと前から、すいすい落ち着かなく泳ぎだして、現金なのが却ってくすぐる。
最近、コロナウィルスでここらへんの観光スポット大変なんでしょうが、なんとかその前のこの時期に書けたのが、自分の中でちょっと励みになったりしました。

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

テクニカルサポート

3,000字以内