作家でごはん!鍛練場
コツリス

雪だるま

 僕は柴犬、風連。今日は朝から雪が降っていた。夕方の散歩の時間になっても雪は止まなかった。だけど、僕は何時ものように香織ちゃんに散歩の催促をする。リビングのガラス戸をバリバリ前足で引っ掻いて、
 
「フィーン、フィーン」
 
と甘えた声を出せば、ほーらね? 香織ちゃんは急いで上着を羽織り、散歩の準備を始めた。
 
 外は一面の銀世界だった。香織ちゃんの腿の高さまで雪が積もっている。もちろん道路は除雪してあるから、普通に歩けるけど。それにしても、雪って好きだなあ! 真っ白でフワフワしてるし、雨と違って毛皮が濡れないし。僕は先頭に立って、香織ちゃんをグイグイ引っ張りながら進んだ。
 
 途中で人家も疎らな、周りが雪原の小道に差し掛かると、僕は勢い良く雪原へダイブした。雪を掻き分けて、ラッセル! ラッセル! 僕は寝転んで、雪に体を擦り付ける。楽しいな。ワクワクするよ!
 
「風連~。ちょっと待ってよ。あんたは四つ足だから良いけど、私は二本脚なのよ。埋まっちゃう」
 
そうだった。香織ちゃんの事を忘れていた。てへへ。僕は小道に戻って大人しく道なりに歩く事にした。雪原を強風が吹き抜ける。僕のキリリと巻いてあった尻尾は風に煽られて横倒しになった。
 
 一軒の家の前まで来て、僕は固まった。庭先に化け物が居る! そいつは白くて大きな奴で、赤い細長い布切れを首に巻いていた。僕は低く唸りながら奴を観察した。ビュウッと風が巻いて、布切れがバタバタはためいた。僕はドキーンとなって、思わず
 
「ウウー、ワンワン!」
 
と吠えたてた。何としてもこの化け物から香織ちゃんを守らないと。化け物は僕の威嚇に怖じ気づいたのか、じっと動かない。僕は軽くフットワークを効かせて、そいつを牽制した。
 
「……風連、何やってるの?あれは雪だるまだよ」
 
香織ちゃんが笑いながら綱を引っ張った。
 
「雪だるま? って何だろう?」
 
僕は多分とても怪訝そうな顔をしていたと思う。
 
「あのね、風連、雪だるまは雪を集めて作った人形よ。怖いこと無いのよ」
 
そうなのか。人形か。ビックリしたなあ。でも何だって人間はこんな物作るんだろうか? 疑問は残るがともかく、僕は一つ賢くなった。
 

雪だるま

執筆の狙い

作者 コツリス
126251011127.joetsu.ne.jp

柴犬の純朴な可愛らしさが伝われば良いです。

コメント

松岡修子
105.250.149.210.rev.vmobile.jp

読みやすい文章で、誤字脱字もなく、日本語として変な箇所もなく、ストレスを感じることなく、すらすらと読める良文だと思います。
ですが盛り上がりに欠け、良作とは思えませんでした。

主人公の犬が楽しい散歩から戻ると庭に怪物がいたから威嚇すると、飼い主にそれは雪だるまだと教えられ、一つ賢くなった。
この話をもっと読みごたえのある作品として仕上げましょう。

飼い主がどんなに素敵な女の子(若い女性)なのか、気は強いけどほんとは繊細だから『僕が守ってあげるんだ!』と強い決意をしたという過去のエピソードを付け加えましょう。
そして散歩のシーンはもっと楽しく。主人公だけではなく、飼い主も一緒に存分に楽しませます。
そうしておいて庭で怪物と遭遇させると、劇的になります。『僕が守ってあげるんだ!』『僕たちの楽しい暮らし、僕たちの平和を壊そうとする奴は絶対に許さない!』と激しく怒らせます。『首に巻いてる赤い物が邪魔だ。あれさえなければ。なんとかして喉笛に食らいついて退治してやる!』と、犬の本能を目覚めさせ緊迫したシーンで盛り上げます。
そして飼い主に『あれは雪だるまよ』と説明させて終わり。

庭の怪物が雪だるまであることが読者にはわかりにくく描写したほうが良いです。「庭に怪しい奴がいた。家族じゃない。全身白のそいつは……」程度で。だからタイトルも変えましょう。

偏差値45
softbank219182080182.bbtec.net

読者のターゲットは小学生でしょうか。
だとしたら、難しそうな漢字はやめてひらがなに置き換えた方が親切かもしれない。

>香織ちゃんをグイグイ引っ張りながら進んだ。
しつけが出来ていない。
>何としてもこの化け物から香織ちゃんを守らないと
ここは好印象だけど、雪だるまを脅威に感じる心理は、余程のバカ犬でもない限りは
あり得ない。とはいえ、小説ですから許容範囲でしょう。

>柴犬の純朴な可愛らしさが伝われば良いです。
子犬という設定ならば、そう感じるかもしれない。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

雪ではしゃぐ犬というのは、ほんとうに、それはありえるシチュエーションで、なんか想像が膨らんで、好きです。
オチの雪だるまは無理がありますよね。作ってしまった感じが出ていて。
小説だから許されるとありましたけれど、その自分はそこまで感じていた好きという気持ちが、一気にしぼんでしまいました。

コツリス
126251011127.joetsu.ne.jp

松岡様>
なるほど、言われてみればそうですね。貴重なご指摘ありがとうございます。

偏差値45様>
ええと、設定ではなく、実話なんです。(笑)

えんがわ様>
上にも書きました通り、実話をもとにしています。雪だるまに吠えたのも。

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

テクニカルサポート

3,000字以内