作家でごはん!鍛練場
/

グランギニョル

目が覚めるとそこにはいつもと同じ天井があった。10年以上毎朝眺め続けたその天井は、何一つ変わらないように見えた。すぐ横の壁にかかっている時計に目をやるとすでに8時だった。それを見て慌てた僕は、急いで足の上にかかっていた布団を蹴り飛ばし、リビングへと足を急がせた。そして学校へと向かう。学校にはぎりぎり間に合ったようだ。僕の家からはそう遠くないのだ。そしていつものように、授業を受けた。無口に真剣に授業を受けた。いつもと同じ日々を過ごした。しかし、ホームルームでは将来について考える時間があった。
進路希望書。そう大々的に書かれた紙が配られた。まるで未来という漠然とした目的地へ歩みだす僕への慰めのようだった。その希望書には大きな空欄しかなく自由に書け、ということのようだ。放課後、何も書けないまま迎えた午後6時。もう部活も終わり、生徒たちが帰路につく頃。流れていく時間とは裏腹に僕の手はまったく動くことなく、ただ虚空を刺し続けるだけ。
「ねえ、もう進路決めた?」そんな喧騒の中、クリアに聞こえるその声は僕に問いかける。
「いや、まだかな、、、君は?」
「決めたよ」
「何になるの?」
「んー、好きなものかな」
「好きなものって?」
「それは歌手とか、作曲家とか」
「大学は?」
僕は君に聞く。自分で決めるには難しすぎる進路を。
「高い金を払ってまで手に入れたい知識なんてないしね」
僕は、立ち上がり白紙の進路希望書を裏返した。そして生徒たちの囂々とした馴れ合いを聞きながら、窓際に立ち差し込む夕日を眺めた。そこにはまだ燦燦と光り輝く青春の散った欠片が残されていた。
「でも、今時高卒じゃ安定したいい職にはつけないよ」
「あれ、将来、安定した職に就きたいんだっけ?」
「いや、、」
「なら何になりたいのさ。」
「わからない、、、けど大学は行く」
「なぜ?」
「わからない、けど、周りがそうするから」
今までだってそうだ。間違いばかり。間違いだと知るには正解が少なすぎる人生だ。なら、間違いでも責任転嫁できる大衆に、間違いでもみんな間違えれば正解になる群衆に従うほうがいいのでは。そう思う自分がいた。
「別にいかなくても好きなようにすればいいじゃん」
「でも・・・今まで勉強してきたことが無駄になる」
そう絞り出した僕なりの理由はとても非力だった。
「大丈夫だよ。きっといつか報われる。それに、人は無駄を積み重ね大人になる。そういうもんさ。そしていつか気付くんだ。無駄なことなんてなかったってね」
そう軽々しく答える君は不敵に笑う。
「でも、大学に行かないと変な奴だって思われちゃうよ」
「いいじゃない。あの人はあの人。僕は僕。」
「でも、好きなことだけじゃ生きていけないんじゃないかな」
「何とかなるさ」
校庭で1人で練習をしている野球部らしき人が硬球を打つ乾いた音がした。とても大きかった。多分あれはホームランだろう。
「でも、やりたい事とするべき事は違うんじゃないかな」
「人生は、一度きりなんだから好きにすれば?」
「じゃ僕は何になればいいの?」
「さあ?それは君の決めることだよ」
確かにそこにあるのにまるで空気のように透明な未来に僕は苛立つ。と同時に、漠然とした未来という不安に押しつぶされそうになる。僕だって僕のしたい様にしてそれで生きたい。でもそんなことしたら、今まで積み重ねてきた努力が、無駄になる。それに周り
から変な奴だって思われちゃう。それで死んだって、賽の4の目が僕を睨んでたんだって割り切れるはずもないし。
「僕は・・・君のような人になりたい」
いつの間にか生徒たちの喧騒も烏の泣き喚く声も静まり暗い月光の差し込む教室に一人になっていた。
机の上に置いてある紙に僕はまだ何も書けないままでいる。
「ならそうしなよ。人生楽しんだもの勝ちさ」
どこからともなく聞こえた声に、僕は少し微笑んで
「うん」
そう答えた。

グランギニョル

執筆の狙い

作者 /
softbank126026180223.bbtec.net

この文章から書いた狙いや設定がどこまで読み取って頂けるのか気になったので投稿させていただきました。

コメント

松岡修子
218.253.149.210.rev.vmobile.jp

主人公が自問自答しているのだろうと思いました。「君」の声として聞こえるのが主人公の本音。「僕」の発言内容は、本音を押し殺して無難な生き方をしようとする臆病な主人公の言い訳。

起きてから投稿するまでの冒頭部分は不要だと思います。

・まるで未来という漠然とした目的地へ歩みだす僕への【慰め】のようだった。  
・流れていく時間とは裏腹に僕の手はまったく動くことなく、ただ【虚空を刺し続ける】だけ。
・そこにはまだ燦燦と光り輝く【青春の散った欠片が残され】ていた。

など、変に気取った意味不明な文章が鼻につきます。やめたほうが良いです。

「ねえ、もう進路決めた?」そんな喧騒の中、クリアに聞こえるその声は僕に問いかける。

この二つの文章の順番が変です。この順番だと、そんな喧騒とは、「ねえ、もう進路決めた?」という言葉が複数人の口から発せられていてうるさい状況、という意味になるからです。

偏差値45
softbank219182080182.bbtec.net

>グランギニョル

意味が分からない。


>この文章から書いた狙いや設定がどこまで読み取って頂けるのか気になったので投稿させていただきました。

狙いは、分からないかな。
会話文からして自問自答のような文章ですからね。分かりにくい。
内容的には、卒業をしてからの進路先をどうすべきか? ということだけなので、
関心が薄いですね、

群青ニブンノイチ
softbank221022130005.bbtec.net

いかにも小説らしく文章を装いたいつもりであるらしいことはよくわかるのですが、実際には書き出しからほぼ壊滅的にめちゃくちゃなはずなので、ご自身で客観的に読み返してみる必要があるような気がします。
いつ、どこで、誰が、何を、誰に話しているのか、といった意識に作者自身が極めて無頓着であるらしい文章というものは、単純に読み物としてフェアに付き合ってはもらえないはずなので、まずはそういった違和感について敏感に意識を働かせることから文章を書くという作業を眺めるべきのような気がします。


一応お伝えしておくのですが、いつ、どこで、誰が、何を、誰に、というのは作者が言われている、

>この文章から書いた狙いや設定がどこまで読み取って頂けるのか

ということとは全く別のことを言っているので勘違いしないでください。


>この文章から書いた狙いや設定がどこまで読み取って頂けるのか

といったことについてはむしろ読み取れない人にこそ問題がありそうだ、程度の内容に過ぎない気がします、という意味においては単純なレベル問題としては課題をクリアしているはずと思えなくもないのですが、個人的に問題を抱えていると思わされるのはやはり作者自身の作品に対する客観的な意識ということに尽きるような気がしてしまいます。

>今までだってそうだ。間違いばかり。間違いだと知るには正解が少なすぎる人生だ。なら、間違いでも責任転嫁できる大衆に、間違いでもみんな間違えれば正解になる群衆に従うほうがいいのでは。そう思う自分がいた。

小説的、とするにはあまりにも青臭い文章といえば確かにその程度のような気はするのですが、個人的にはこの作品の中では数少ない秀でた一文だとは思っています。
ですが、残念なのはむしろこのせっかくの作者なりの文章の成果こそが、作者自身がこの作品に対して誰よりも客観性が低いことを如実に白状してしまっている、ということにまったく気付いていないということです。

言っている意味がわかるでしょうか。
それはつまり作者自身が狙いで言っている、

>この文章から書いた狙いや設定がどこまで読み取って頂けるのか

という課題についてもっとも率直な答えであり明らかな問題点として受け止められる気がするのですが、どうなのでしょうか。
”君”が明快におしゃべりでありすぎる時点でこの作品を読む価値、あるいは作者自身が掲げた課題に対する成果こそを恐ろしく低下させるもののように思えるのも、恐らくは先の指摘とその意味合いはほぼ違わないもののような気がします。
ご自身でわからないのであれば、単純に読書に対する意識が低いということに過ぎない気がするので、もっと積極的に意識を働かせる読書を心掛けて、何を面白いと感じたのか、そういった単純な意識こそを掘る作業を努めて習慣づけた方がいいような気がします。

タイトルの意味がわからないのでググってみましたが、そのつもりであるということなら、残念ながらそれには遠く及んでいないらしいことをわたしは言いたかったらしいような、偶然を思わされました。

/
softbank126026180223.bbtec.net

松岡修子様
コメントありがどうございます。
しっかりと前後の意味を確かめて書いてみようと思いました。狙いで言っていた様に重要な設定は伝わるんだなと思いました。有難うございます。

/
softbank126026180223.bbtec.net

偏差値45様
コメントありがとうございます
タイトルのグランギニョルというのは、荒唐無稽なという意味がありまして、主人公の現実味のない夢を言い表そうと思いました。
設定がわからないので有ればやっぱり書いたほうがいいのかなと思いました。

/
softbank126026180223.bbtec.net

群青ニブンノイチ様
コメントありがとうございます。
客観的に見ることを意識してこれから読書しようと思いました。
後、君がおしゃべりすぎるというのは、この文での君は僕のイドという設定なのでおしゃべりにしたのですが、いけなかったのですか。ありがとうございます。

夜の雨
i223-216-201-83.s42.a027.ap.plala.or.jp

読みました。

>この文章から書いた狙いや設定がどこまで読み取って頂けるのか気になったので投稿させていただきました。<

「書いた狙い」は、作者さんの「作家でごはん! 鍛錬場」の読み手のみなさんへの進路相談。
まあ、ラストまで読んでみると、すでに作者さんはご自分の進路は決めているようですけれど。
または、すでに働きながら夢を追っている若い方。(これで、正しかったのだろうかと思ったりしている。御作の中では、Aをもう一人の自分が言っているので、作者さんは一応迷いはないということになっている)。

A>「大丈夫だよ。きっといつか報われる。それに、人は無駄を積み重ね大人になる。そういうもんさ。そしていつか気付くんだ。無駄なことなんてなかったってね」
そう軽々しく答える君は不敵に笑う。<


「設定」は、「卒業を控えた主人公が君という自分を登場させ葛藤させて、進路を決めるまで」になっている。
「執筆の狙い」も入れた設定では、読み手のみなさんへの進路相談。

ちなみにラストでは主人公は進路を決めているので、「進路相談」といっても、作者さんの不安を少しでも和らげるために投稿しました、という感じです。

「グランギニョル」というタイトルと御作の内容との関係。
グランギニョルはネットで調べると、「荒唐無稽な」、「血なまぐさい」、あるいは「こけおどしめいた」芝居、ということらしいですが、御作の「卒業後の進路」という真面目な内容とは一見、そぐわないようですが、「人生とは、こんなものだよ」という作者さんの悟りきった生き方と関係しているのかも。

「ウィキペディア」より。
グラン・ギニョール(仏: Grand Guignol)は、フランス、パリに19世紀末から20世紀半ばまで存在した大衆芝居・見世物小屋のグラン・ギニョール劇場(Le Théâtre du Grand-Guignol)のこと。またそこから転じて、同座や類似の劇場で演じられた「荒唐無稽な」、「血なまぐさい」、あるいは「こけおどしめいた」芝居のことをいう。

ちなみに、文章力は高かったです。
一部「作詞」のような文章があり、イメージがわくように書かれていました。
だから御作の主人公(君)は「それは歌手とか、作曲家とか」とか言っていましたが、作家(小説家や作詞家)狙いではないかと思いました。


お疲れさまでした。

大丘 忍
ntoska043001.oska.nt.ngn2.ppp.infoweb.ne.jp

私が高校生の頃は、良い大学を出て、いい仕事に着き、可愛い女と結婚し、幸せに暮らす、これだけをはっきり意識しており、その通りにしましたね。今の若者と比べれば単純なものでした。

/
softbank126026180223.bbtec.net

夜の雨様
コメントありがとうござます。
タイトルの意味も投稿の狙いも大体合っていて自分が言いたかったこと、伝えたいことを文章を介して誰かに伝えられたんだと少し感動しております。まだ、高校にも入っていない若造ですが、将来について不安なこともあり書いたのですが、少し安心しました。
有難うございました。

/
softbank126026180223.bbtec.net

大丘忍様
コメントありがとうございます。
やはり、簡単なものでもしっかりとした目標を持ちそれに向かって一直線に頑張る。そういうことが大切なのかなと思いました。自分はまだ将来のことを全く決めていないので自分の夢のため後悔しない様頑張ろうと思いました。

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

テクニカルサポート

3,000字以内