作家でごはん!鍛練場
あんどタイチ

女銀河刑事マニーの運命

『GIGA』という AV メーカーがあるのですが、そこの公式 HP の「妄想プロジェクト Z」、あるいは「NEO ヒロイン開発計画」という投稿企画に、応募しようと書き始めた文書です。ところがどうも、余計なことを書き過ぎてしまっているような気がしまして、またこちら様のご厄介になり、今後の方向を探ってみようと思いました。
ということで、執筆予定の章立てなども掲げておきます。
なに卒よろしくお願いします。


 第一章 囚われの女刑事
 第二章 悲劇のアシスタンツ(or 知性の階梯)
 第三章 暗黒時空だ!
 第四章 ブーブー大行進


 第一章 囚われの女刑事

 銀河パトロール特装班員、いわゆる銀河刑事の大石賢太とその相棒マニーは、暗黒帝国クドゥルーとの最終決戦のときを迎えていた。
 クドゥルーが繰り出す暗黒獣をこのバディだけで四十二体撃破し、さらに神官ヨー、ラゴー指揮官ら大幹部の大半も撃破した。残るは暗黒皇帝ド・ルイエのみ!
 ところが月の裏側のクドゥルーの前進基地、インズマンズ城塞への突入直前、超光速戦闘母艦ソルバインが TDF からの攻撃を受けた。アメリカ四軍を母体とする TDF は、クドゥルーの超科学技術を得るため、彼らと密約を交わしていたのだ。
 大破したソルバイン。ブルー・クリスタル・スーツを蒸結したまま宇宙へと吸い出されてしまった賢太。ソルバイン艦内に乗り込んできた TDF ウルトラ・マリーンの隊員を、マニーは撃つことができない。
 九回裏の大逆転負け……。マニーの胸に、XM22ES から放たれた 5.56mm フルメタルジャケット弾がめり込む。
 そしていま、女銀河刑事マニーの身柄は、彼女に深い憎しみを抱くクドゥルー残党たちの手に引き渡されようとしていた。
 思いのほか明るい LED 照明。白く長い廊下。アメリカ合衆国ニューメキシコ州ウォーカー空軍基地地下五階。すでにマニーは、特殊強化ポリマー製のコンバットスーツをはぎ取られている。その一体形成の水色のスーツは強度の割りに非常に薄く、彼女のメリハリのあるボディを実に美しく魅せていたのだが、いまや彼女はオレンジ色の囚人服を着せられ、さらに後ろ手に手錠までかけられている。
 そんなマニーの服の上からでも判る豊かなヒップを、彼女の後ろを固める兵士の一人が、M16 の台尻で突いた。うっと呻くマニー。我知らずうつむき、ギリッと奥歯を噛み締める。
 その兵士が「ヘイ・ジャップッ」と声を発した。金髪の巻き毛。若い GI としてはそれなりに絵になる好青年なのだが──。
「ヘイ・ジャップッ。俺たちにもようやく、お前たちの気持ちが解ってきたぜっ」
 彼女の直後にはもう一人配されていて、そちらの兵士があとを続けた。彼は茶色い髪をクルーカットにしている。なかなかの美丈夫だ。
「三年前地球各国政府は、クドゥルーからの防衛と引き換えに、銀河連邦主導による平和憲章の批准を強制された。批准国間での武力行使の禁止、大量破壊兵器の保持、開発、拡散の禁止、地球統一政府樹立へのロードマップの作成など、我が国の主権を脅かす条項ばかりだった。まったく、強制された平和ってヤツァ、戦争以上にムカつくもんだなっ」
 突然、マニーの前後左右の四人だけでなく、さらにそのあとに続く残りの兵士たちまでもが声を張りあげ、アメリカ独立戦争の英雄、パトリック・ヘンリーの例の言葉を叫び出した。
「我に自由をっ! 然らずんば死をっ! 我に自由をっ! 然らずんば死をっ!」
 だぶだぶの囚人服をそれでもなお豊かに盛りあげるマニーのヒップ。それら二つのウォーターメロンに、情け容赦ない小銃の台尻による攻撃が加えられる。厚い脂肪層がその打撃音を鈍く、重いものへと換える。
 ドグッ! ドグッ! ボグッ! ボグッ!
 マニーの悲鳴がさすがに涙の慄えに溶けた。
「きゃっ、やっ、やめなさいっ。やめてっ。くっ、ううっ……」
 セミロングの黒髪が散り、女刑事の横顔を覆った。胸、尻、そして頬。凛とした美しさに輝くマニーの体だが、要所要所は意外と優しい円みを帯びている。それらがいまや、女の弱さを現わすものへと変わってしまっていた。
 兵士たちの叫びは続く。
「我に自由をっ! 然らずんば死をっ!」
 銀河文明のスーパーテクノロジーを一部取り入れた最新式の廊下は、余計な反響が抑えられる造りになっているのだが、それでも若い兵士たちによるこのユニゾンは、圧倒的だ。囚人の立場でその中心にいるマニーの恐怖は、いかばかりだろう。いわゆる軍靴の響きこそ抑えられはいるものの、分隊全員が一斉に立てるザッ、ザッという音も、彼女の心臓を鷲づかみにする程度の威圧感はあるはずだった。にもかかわらず、クルーカットの兵士はいう。
「油断すんなよ、ニックッ。こいつが着てたコンバットスーツは、5.56mm フルメタルジャケット弾の直撃にも耐え、こいつのパイオツ、しっかり守ったんだからなっ」
 金髪の好青年のほうがニックなのだろう。とはいえ彼はいま、今度は銃の先っぽのほうで、マニーの尻の深い谷間に淫靡な悪戯を加えている。とても好青年などと呼べる行状ではない。下卑た嘲いに、それでも皓い歯がキラッと光った。
「けど痣はできたんだってなっ? 左のお山の麓辺りだっ。マリーンの連中、さすがに狙いが正確じゃないかよっ。実に色っぽいとこにマークつけてくれるもんだぜっ」
「当たり前だっ。我が国のマリーンは、史上最強の組織なんだっ。ハード面の遅れなんてすぐに取り戻すさっ」
「そして今度は──」
「おおよっ。我が国のマリーンが、全銀河最強の組織になるっ!」
 だがその勇ましい会話のあいだも、マニーの尻への悪戯は続いていたのだった。
 やがて一行は白い廊下の突き当りに達した。濃いグレーの扉がある。両開きだ。
「おいアランッ、ホントにここかよっ? 最下層のどん詰まりだぜっ? 捕虜の引き渡しなら地上施設のどっかなんじゃないのかねっ?」
「いや、確かにここだっ。どういうことなのかな?」
 実はその扉の向こう側にも白い空間が続いているのだった。この層で最大の部屋で、兵士たちはやがて、トンネルを抜けたような解放感を味わうだろう。しかしマニーは……。
 中央に扉がある面、そして左右の面のなかほどまでは、薄いピンクのタイルで覆われている。クドゥルー、銀河連邦との接触以前、それら両者のレべルからすれば未開種族といっていいある独立種のエイリアンの解剖が行われた部屋なのだった。ただしそれは、いわゆるグレイではない。より大型で、ヒトに近い種族だった。奥の面は一面白で、その滑らかさのため、濡れているように見える。ヨーグルトの表面とでもいったところか。
 左側の面の手前に、銀色の素材でできた操作卓が置かれていて、それを三人の男たちが覗き込んでいる。全員後ろ姿だが、真ん中の男の白衣が目立つ。とはいえ、小柄な男だ。左右の男たちはどうやら軍人らしく、右側はヒョロッと、左側はガチッとしている。そのガチッとしたほうが舌打ちとともに第一声を発した。
「なんてざまだっ! 大切な装備をあんなふうに扱いやがってっ!」
 彼はこの基地の司令官なのだ。白衣がそれを引き取る。
「いやいや、あのパトリック・ヘンリーはなかなかのもんだよ。大目に見てやって欲しいとこだね」
 液晶モニターでも視ているのだろう。前屈みになっているため声がくぐもっているのだが、その甲高い声質は、意外と聴き取りやすい。
「君らは SF など読まんかもしれんが、アーサー・C・クラークの『幼年期の終り』という作品では、オーバーロードによる国家解体に最後まで抵抗するのはポーランド人なんだよ。長年大国のあいだで揉まれ、やっと自主独立を獲得した矢先にってことでね。いまや超大国アメリカが、奇しくもそんな彼らとご同様の立場に立たされてしまっているわけだが……。もっとも現実のポーランドは、EU 的イデオロギーに当てられてしまったのか、今回の件ではなんら存在感を示すことができなかったがね。彼らはカント的世界に生き、君らはホッブス的世界に生きる。ある政治学者の言葉なんだが、なるほど、正鵠を得た言葉だったってわけだな。ところで、解錠してもいいかな? ゴア大佐?」
 ふたたび左側の男が答える。
「はい、梅沢教授。ただし用心してくださいよ。あの捕虜はあのようにされながらも、手で尻を庇ってそれを痛めるようなことはしてはいません。まだチャンスを窺っているんです」
 大佐の声もなかなかよく通る。もっともこちらはバリトンのようだ。
 両開きのその扉は左右にスライドして開いていった。
 マニーを連行してきたこの分隊も、今度はテキパキ動き、彼女を部屋の中央へと押し出す。顔は操作卓がある左側へと向けさせる。そして自らはその後ろに展開し、M16 を構える。部屋にいた三人も向き直って、彼女を斜め左から視る形になった。
 そこで初めて、ヒョロッとした男が声を発した。
「ご苦労だったな、諸君。だが暫時そのままで──」
 超科学技術を有する銀河連邦の要員の移送だ。やはりいつもとは勝手が違うのだろう。
 第三の男はクレメンスといい、クドゥルーとの交渉チームの最高責任者だった。右胸に下がる金糸の飾緒がまぶしい。准将である。が……。
 マニーがキッと睨みつけたのは、その右隣りに立つ梅沢教授だった。さらに呻くようにこんな言葉まで発した。
「梅沢っ、お前はっ。お前だけはっ」
 准将、そして大佐が、教授をチラリと横目で見た。当の教授はどこ吹く風で、先刻の調子で話し始める。
「おやおやこいつは嫌われたもんだね。確かに君のお色直しにゃ、私が一役買わせてもらったよ。でもしょうがないじゃないか。だってあのコンバットスーツにゃ、銀河連邦の超科学技術による様々な仕かけが為されていたわけだろ?」

女銀河刑事マニーの運命

執筆の狙い

作者 あんどタイチ

いつもはあんどこいぢというハンドルネームでお世話になっています。

コメント

下記フォームから感想をお寄せください。

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

テクニカルサポート

3,000字以内