作家でごはん!鍛練場
ちょびひげ

まだ11時なのに遅すぎる

私は早乙女有紀、20歳。大学に通いながらアルバイトに探偵助手をしている。
現在助手の身分に甘んじてはいるが、実は小学生の頃から探偵として活動をしており、その後も中学生探偵、高校生探偵と順調にキャリアを積んできた。しかし、いよいよ女子大生探偵としてデビューするにあたり、壁にぶち当たってしまった。高校生まではクラスメートの依頼や近所の些細な謎を糧としていたが、大学生になると世界が広がる。依頼主が社会人ということもあるだろう。果たして自分に対応ができるのだろうか。
考えた末、職業探偵のもとでジョブトレーニングを積むべきだという結論に達した。となれば、なるべく優秀で評判の高い探偵の元で学びたい。
当代きっての名探偵、南城昇平の助手になれたときは喜んだ。

今、その南城と向かい合って座っている。年代を感じさせる雰囲気のよいバーだ。かすかに流れるジャズが時間の流れをせき止め、古いオーク材で作られたテーブルの上に絶え間ない沈黙を降らせていた。
音楽に耳を澄ませていると、日々探偵として張り詰めている心のガードが下がっていく。
できればデートで利用したかったなと有紀は思った。目の前では南城がグラスを傾けている。こうして見ているだけなら先生も格好いいのになと思った瞬間、南城はぺろりと舌を出した。そのまま飲み干したグラスの縁をなめ回す。ぺちゃぺちゃという音など意に介さず、グラスを逆さにすると今度は底を叩きだした。
足の先から襲う身震いを押さえるように有紀は口を開いた。
「先生、今日の事件って不思議でしたね」
「ふぁ?」
グラスを通してぎょろりと拡大し歪んだ目が有紀を見た。
舌はグラスに突っ込んだままだ。
なんちゅう情けない顔や、この人を師匠と呼んでいる自分が情けなくなる。
「先生グラスなめ回すの止めて下さい。私まで仲間と思われるじゃないですか」
「仲間というか、有紀君は弟子のはずだが……」
南城はようやくグラスから口を離したが、目は名残惜しそうにグラスに吸い寄せられている。
「そんなに飲みたいならもう一杯頼んだらどうですか?」
有紀がうんざりしたように言うと、南城はキッと有紀をにらんだ。
「有紀君、君が頼んだオムライスは1100円だよ、1100円。僕のウイスキーはグラス1杯で600円だ。2杯頼んだら1200円。二人でなんと2300円もの支払いになってしまう。完全に予算オーバーだよ」
凜々しい顔をしていればイケメンなのに、行動と思考が大幅なマイナス点をたたき出している。憧れの南城先生を見る有紀の目は、入社数日でさげすんだ物を見るそれに変っていた。
「先生、屋敷でサービス券もらったんでしょう」
南城は事件解決のお礼に金銭だけでなく、有紀の目の前で女中からバーのサービス券をせしめていた。
「こっちから要求したわけではない。日々、難解な事件に向き合っていると大変だって話しをしただけで、よかったらどうぞと向こうから渡してきたんだ。楽しいところですよって」
有紀は手を上げてカウンターの向こう側にいるマスターに声を掛けた。
「すみませーん、さっき頼んだオムライスのセットですが、単品に変更できますか」
マスターはグラスを磨く手を止めずに、柔らかく頷いた。
「ほら、これでドリンクとサラダの分、500円が浮きましたよ」
「そうか、しかしウイスキーは600円だからな」
南城は反論しながらも、目はしっかりとメニューの上を踊っている。
もうこの人に期待することは止めよう。有紀は入社以来何度目かの決意をする。
っていうか、マスターなんでグラス磨いているの?  私のオムライスはどうなった? 奥に厨房があって別の人が作っているのかしら?
カウンター横の扉が開いて、女性が顔を出した。マスターがぺこぺこと頭を下げながら何やら袋を受け取っている。 半透明の袋の中では卵のパックが揺れていた。オムライスを注文して30分たってようやく卵様が到着のようだ。有紀の驚きなどお構いなしに南城の明るい声が店内に響き渡った。
「マスターもう一杯おかわり」
「で、なんの話しだっけ?」
新しいグラスを手にご満悦の南城が有紀を見る。なんで酒だけはすぐに出てくるんだよ。有紀は南城をじろりとにらむ。
「事件のことですよ、今日の」
有紀の言葉に南城は首をかしげる。
「それほど妙でもないだろう。よくある遺産相続のもめ事だ。すぐに解決したしな」
「そりゃ一応解決はしましたけど、でもなんか引っかかるんですよね」
事件のあらましはこうだ。
とある資産家の当主がなくなり知恵を貸して欲しいと南城は呼ばれた。当然助手の有紀もついていく。そこで起こった殺人未遂事件。南城は家族の一人を犯人と特定し告げる。身内の話だからと表沙汰にするのを嫌がった。そして口をつぐむ代わりに南城はかなりの報酬をゲットした。
「あの犯人って当主の息子さんですよね。ずっと否定していましたけど」
「たいていの犯人は否定するものだ」
「あんな体格のいい人が、ポットに毒を入れるってのもピンとこないんですよね」
南城はできの悪い弟子を慈しむように微笑んだ。
「先入観は真実の鏡を曇らせるといつも言っているだろう。全ての証拠は彼を指し示している。合理的思考と直感に基づくダイナミクスで奇抜な発想。真実は常に一人だ」
南城は機嫌が良いとやたらに声が大きくなる。
「なんですか、その一人って」
「決まっているだろう。どんなときでも冷静沈着、寡黙にして鮮烈。この南城昇平こそが真実だ」
有紀は黙って立ち上がる。
「なんだ、帰るのか?」
「違います。化粧室です」
「あぁなんだトイレか、おおゆっくりいっといれ」
有紀は何も言う気にならず化粧室へと向かう。途中でカウンターの奥を横目で覗いたが、厨房らしきものは見えない。マスターは相変わらずグラスを磨いている。卵は手に入ったのに、なんであんたは動かないんだ。
扉の横に座る女性客の後ろを通って化粧室へ入る。有紀が化粧室から出てきてもマスターの手は一定のリズムでグラスを磨いている。ため息をつきながら南城の向かいへ腰をおろした。
「先生さっき、論理的思考がどうとかおっしゃってましたね」
「君は本当に聞き間違いが多いな。合理的思考だ」
有紀は怒りをぐっとこらえて、挑戦的な目つきで言った。
「まだ11時なのに遅すぎる」
有紀の言葉にも南城は特に反応しない。もう一度目を見ながら言ってみた。
「まだ11時なのに遅すぎる」
南城は困惑したように自分の左手にちらりと目を落とした。
「僕の時計は11時なんだが、君の時計が遅れているってこと?」
「違います。これはゲームです、探偵同士の。この言葉から論理的解釈を導くゲームをしませんか」
「だから合理的だって。それに探偵同士って君はただの助手だろう」
「するんですか、それとも名探偵、南城昇平ともあろう人が逃げるんですか」
有紀の語気の強さに、南城は渋々といった風に返答した。
「するよ、そんなに怒らなくたって……」
「何気なく入ったお店で、お客さんがそう言っているのを聞いたという設定ですからね。では先生からどうぞ」
南城はまだ何か言いたげではあったが、グラスを置くと腕組みをした。少し本気になったようだ。
「そうだな。まだ11時という言葉から、タイムリミットまでに十分な時間を残しているということがわかる。一方、遅すぎるということは、本来もっと早くなくてはいけないということだ。……妙だな。時間がたっぷりあるのに遅すぎるとは。頭が「まだ」ではなく「もう」なら話しが分かる。もう時間切れが迫っているのに、間に合いそうにないということだからな。逆に「遅すぎる」ではなく「早すぎる」でも理屈にあう。これはパラドックスだ。前後で意味が食い違っている。こんな文章はありえない」
「降参ですか」
「慌てるな、まだ始まったばかりだ。そうか、わかった。この11時というのは時間のことじゃないんだ。そう、例えば……、戦争映画で何時の方向から敵襲って言うだろ。それだ。まだ11時の方向から敵襲なのに味方が来るのが遅すぎる」
「それどういう状況ですか?」
「僕にもさっぱり分からない。よし、言葉を置き換えてみよう」
南城はしばし思案顔を空に向けた後、自信たっぷりに言った。
「まだ3合目なのに、進むのが遅すぎる」
「?」
「つまりだ、山登りで予定より遅れているって状況だ。登り始めてすぐで体力も残っている状態にしては速度が遅い。文脈としておかしいところはないだろう」
「おかしくはないですけど、都合良く言葉を変えたらゲームが成り立ちませんよ」
「言葉を変えることで構成の矛盾を洗い出しているんじゃないか。だいたい、このゲームは僕が非常に不利だ。僕はどういう状況で誰の発言かの情報すら与えられていない。前提となる情報に差がある時点でゲームは成立しない」
「私だってこの言葉以上の情報はありませんよ。さっき聞いたばかりですから」
「なんだって?」
「さっきトイレに行くとき、カウンターの女性が言っているのを聞いたんです。まだ11時なのに遅すぎるって。だから私だって情報なんてありませんよ」
南城はカウンターの端に座る女性を見て、はっとしたように目を開いた。
「先生、失礼ですからじっと見ないで」
「あれは小笠原さんの家の女中さんじゃないか」
小笠原さんというのは、今日事件で呼ばれた資産家の名前と同じだ。
「えっ?」
有紀も振り返って女性を見たが、とんと記憶が無い。
「なんだ憶えていないのか、一緒に話しを聞いたろう。こらっあんまりじろじろと見るな、気付かれる」
さほど広くない店内で視線を向けるのは危険だ。
「だいたい、人の顔を覚えるのは探偵の基本だぞ」
「苦手なんです。でもすごい偶然ですね。誰かと待ち合わせでしょうか」
「待ち合わせだとすると、さっき有紀君が聞いた言葉は妙だな」
「そうか、まだ11時なのに遅すぎる……。確かに変です。どういう意味か聞いてきましょうか」
「いや待ってくれ。あの女性の目撃証言が決定打になったのは憶えているだろう。その女性が事件解決の当日、人気の無いバーで誰かを待っている。気になるな」
「そう言われればそうですけど」
女性の足下には大きなバッグが置かれている。
「今日我々が呼ばれたのは、遺言の期限だったからだ。つまり、今夜12時までは遺言は有効ということになる。その期限間際、決定的な証言をした人間が旅支度で誰かを待っている……」
有紀は今日の事件のことを思い出していた。途中から南城の独り言が重なり、有紀の記憶を補強していく。
台所で長男がカップに何かを入れているのをお手伝いさんの女性が目撃し、未亡人に伝えた。長男は紅茶にブランデーを入れただけといっていたが、毒物が発見された。検査キットでカップの中身を調べたのは南城自身であり、毒物の混入は間違いない。長男は遺産受取人の資格を剥奪されることになった。その場は大騒ぎになり、その過程で証拠品はいつの間にか破棄されてしまった。しかし、よくよく考えるとあのカップ自体に毒が塗ってあった可能性も否定できない。
その場合、長男が犯人とは思えない。わざわざ目を引き疑われるような行動をするのは理屈に合わないからだ。
長男が毎回紅茶にブランデーを入れることを知っていたら、冤罪をかぶせることは可能だ。
「先生、検出された毒ってどんな種類のものだったんですか?」
「たいしたことないな、台所の洗剤をちょっぴり混ぜたって程度だ」
当日発表された遺言では、未亡人と長男の取り分は5:5だ。しかし警察に通報しないことを条件に長男が権利を放棄せざるを得なくなり未亡人が全てを持って行った。
未亡人が黒幕の可能性があるぞと南城が言った。女中は仲間ということだ。女性は今夜街を出る、受け取る物を待っているのだ。
南城は突然閃いたように顔を上げ、有紀の顔を見た。
「わかったぞ。まだ11時じゃない、マダム11時なのに遅すぎるだ。有紀君急いで屋敷に戻って真相を伝えてくれ。まだ弁護士達もいるはずだ」
南城は早口で有紀に告げると、カウンターでほおづえをつく女性に向かって微笑みながら話しかけた。
「あなたの待っている物は来ませんよ」
突然声を掛けられた女性は驚いたように南城を見た。店内は暗い。女性は数時間前に会った探偵の顔には気が付かなかったようだ。あいまいな笑顔でちょこんとお辞儀をしたように見えた。彼女の中で師匠が不審者として認定されたことが有紀にはわかった。
「ふっ、観念したか」
どうしていまの仕草を見てそのような結論に至るのか、有紀には理解できない。
女性を見ている内に違和感がわく。
「先生、ちょっと待って下さい」
大金が届くのを待っている態度ではないように思える。
人待ち? あの様子だと恋人、思い人。
有紀が南城の推測を屋敷に伝えるとマダムは資格を失い、長男の遺産継承権は復活するだろう。
これが狙いなのではないか。よく考えたらマダムは動いていない。長男が紅茶に何か入れていたとの報告を女性が南城に告げただけだ。もし長男が黒幕だったとしたら? 由梨は考えた。
おそらくマダムの持ち物から紅茶に入れられていたものと同じ毒物が見つかる。同時に女中が証言をする。長男が何かを入れたと言うようにマダムに強制されたと。
事件は全てひっくり返ってしまう。でもなぜそんな回りくどいことをしたのか。マダムに権利を失わさせるためだ。そもそも入れられていたのはたいした毒物ではない。少し気分が悪くなる程度のものだ。法的な権利を失うほどのものとは思えない。ところが長男は、紅茶に毒を入れたことを皆に非難され、権利の放棄を認めさせられている。紅茶に何かを入れた者=遺産相続の権利を失う
という図式が完成されている。
そして、継承権の期限は今夜12時。あと1時間足らず。南城の推理によって権利を失うであろうマダムに反論の時間はない。あの女中がここにいるわけが分った。今夜この時間、南城に聞かせるためだけに女中は独り言を言ったのだ。
「屋敷に言いに行くのは止めた方がいいと思います」
「ダメダメ、負けるのが悔しくてそんなこと言ってるんだろう。そうだ、屋敷ではなくここに警察を呼んでこよう。名家での相続争いの真相を名探偵が暴く。すごい騒ぎになるぞ。よしっ僕が行ってくるよ」
南城は、嬉々としてバーから出て行った。
出て行く南城の後ろ姿を見た女性が、ほっとため息をついたのを有紀は見逃さなかった。
ここで南城に偶然会ったのでは無い。南城は事件解決の副賞として、このバーのサービス券を渡されている。吝嗇家の南城が見逃すはずがないのは計算のうちだろう。
上手くいったとほくそ笑むのはまだ早いわよ。南城が警察官を連れてきたら、私が真相を話してやるだけだ。腹が決まると腹が空いたことを思い出す。
「マスターオムライスは?」
「大丈夫ですよ、もうすぐですから。ちゃんと出てきますから安心して下さい」
リズミカルにグラスを磨くマスターの手は答えながらも止まることはなかった。
不意に女性が有紀を見てにっこりと笑った。
「もう11時なのに早すぎるわよねぇ」
その屈託のない言い方にに有紀の脳がぐわんと揺れた。
もうじゅういちじなのにはやすぎるわよねぇ。
なんだ?  縦読み? いや一字飛ばしの暗号? 全く分らない。
一つ分ったのは、
「まだ11時なのに遅すぎる」と「もう11時なのに早すぎる」という言葉がセットで語られるものだということだ。この二つの文章を満たす状況とはいったい何なのだろうか?

マスターが上着を脱いで、飾り付けを始めていた。家庭でやるお誕生日会やクリスマスでやるような金や銀のテープを壁に付けまくっている。
何をしているのかと呆然と見ていると、いつの間にか大勢の人がバーに集まっていた。
新しく来た10人くらいの人々に女中が大きな声でなじっていた。
「最後の日だってのに来ないのかと思ったわよ。みんなホントに浮気性なんだから」
もしやと有紀はすばやく相手を見たが、屋敷の長男とは似ても似つかぬ中年の男性がへらへらと笑っていた。
「ごめんごめん、12時にさえ間に合えばいいと思ってさ」
「うそ、わざと12時を過ぎてくる気だったんでしょ」
有紀は時計の針を見た。11時50分だった。
集まった人々はそれぞれに席に座って何かを待っているようだった。
店内の明かりが絞られ、奥側の一部分がスポットライトのように照らされた。
軽快な音楽と共にマスターが現れた。金の帽子に銀のジャケット。カジノショーの司会者のような出で立ちだ。
「大変お待たせしました。おっと先ほどのお嬢さん、こちらへどうぞ。11時からずっと待っていてくださった熱心なファンの方です。皆さん通してあげて」
事の成り行きを見守っていた有紀は、突然の手招きにわけもわからず一番前に座らされた。
「それでは拍手でお迎え下さい。オウムのライスちゃんです。尚こちらのお嬢様の希望でスープちゃんはお休み。単品での出演でーす」
いつの間にかマスターの腕に大きなオウムが止まっていた。
「ライスちゃんは12時でお誕生日を迎えます。誕生日を迎えてしまうと出演はできません。あと8分最後のショーです」
オウムが羽をばたつかせながらハッピーバースデーソングを歌い出した。
観客達はライスちゃんまだ早いよーと言いながらも大喜びだ。女中も笑顔で隣の人と話している。
「まだ11時台で、見られなくなる12時に間に合うのに、みんな集まるのが遅いから心配したんだよ」
オウムの後ろでマスターが卵でジャグリングをしている。
マスターが教えてくれた。
「12時になったら新人のカルボラーナちゃんが来るよ」
女中はまだ隣の人と話している。
「もう11時なのにさぁ、みんな来ないんだもん。新人に鞍替えするのが早すぎるって怒ってたんだよ。そっちのライスファンの人、何度もライスちゃんを請求してたんだよ」
そう言って有紀を指で示した。それを見た客の1人が
「マスターこの人ライスちゃんの大ファンだってさ。あれやってあげてよ」
マスターが腕を振ると、ライスちゃんが羽ばたき、有紀の頭にとまった。
「痛っ!?」
ライスちゃんはくちばしで頭をつつき出し、有紀は悲鳴を上げた。
「おおっ喜んでいる。幸運を呼ぶキツツキ連打されるとは待った甲斐があったな~」
観客は大喜びで拍手をしている。最後ですからライスも張り切ってますね、とマスターも喜んでいる。
流れる血を拭いながら由梨の目は、警官隊を引き攣れて走る寄る南城の姿を窓の外に認めた。女中が有紀の肩を叩きながら言った。
「あの探偵さんどこ行ったのかな? 待っていたライスちゃん来ないなんて言ってたけどどういうつもりなんだろう。せっかく難しいことを忘れて楽しめる所を紹介したのに肝心な所でいないんだもん」
有紀は流血にふさがれた目をこじ開け、飛び込んできた南城を指さして叫んだ。
「あの人わたしよりファンです」
マスターが腕を振る。あうんの呼吸でライスちゃんが南城めがけて飛びかかっていった。頭蓋骨陥没による混濁した意識の中、有紀は南城の悲鳴を聞いた気がした。

まだ11時なのに遅すぎる

執筆の狙い

作者 ちょびひげ

途中まで書いて放置していたものです。
自分としては書き上げたことに意義があると信じています。

コメント

まほろ

ちょびひげさん
失礼します。先は拙作にコメントをありがとうございました。

早乙女は特に情緒を欠いた人物設定というわけではないようなので、導入部分にもう少し情緒があると続きが気になってくるかなと思いました。

>当代きっての名探偵、南城昇平の助手になれたときは喜んだ。

ミステリらしさがあってよい部分だと思います。「当代きっての名探偵って、誰がどう判断するんだ?」と普通は思うものですが、ミステリではこう言い切ることもできますし、後から南城の優秀さを推理力の描写等によって示すこともできますからね。

一人称と三人称の切り替わりがもっと分かりやすい形で示されるとより良いなと思いました。

群青ニブンノイチ

語り手は二浪して大学生になったということですか。
こちらの読み違いということでしたらとても恥ずかしいです。
ですが書き出しの最初の章で、さまざまな設定のようなことが混乱して記述されているように見受けられる気がするのですが、どうなのでしょうか。
こういった伝え方でご理解いただけるでしょうか。


この作品で、作者が書きたかったこと、それはただ単純に雰囲気とか世界観とか、ものすごくざっくりとしたことでいいのですが、何やら書きながらブレ進むような心許なさを読み進めながら常に思いつかされた気がしています。
ものすごくくだらないことを言ってしまうのですが、バーにもいろいろなバーがあってもいいことを了解しつつも、オムライスを物怖じせず食べられる >年代を感じさせる雰囲気のよいバー というのは何だか、想像するのに些かならぬ苦慮を思いつかされる気がします。

とはいえそれはそれぞれのイメージの問題ですからどうでもいいと言えばそうなのかもしれませんが、やはり読み進めたくなる世界というものはかき集めた材料如何によることも少なくはないはずと個人的には考えるものなので、この作品に対しての信頼度や期待度というものは、一貫して高いものではなかったような感想でいます。
したがって、ストーリーについてはほぼ注目していないので言及することすら適いません。

放置していたなりの客観的効果のようなものは発揮されていますか。
書き出しの章のみを拝見しても、あまり信頼ならない気にさせられてしまうのです。

u

ちょびひげ様 読みました
拙作に感想いただきありがとうございます 感想返し

御作最後まで読まなきゃワカラン
たいしておもろないけどwww

前半部、探偵先生魅力ない! アンチヒーロー探偵今までも(古典も含め)いるのですけど
狂言回しナレータの有紀か由梨かは知らんけど(笑 あまり魅了的ではない
せっかくのJDフィチャーしてるんだったらもう少し

前半部分(謎提示部)読んだ記憶があるような無いような?

回収せずに後半のひっちゃかメッチャカ かいさくかも

御健筆を

ちょびひげ

まほろさんへ
コメントありがとうございます。
導入部分の情緒があると……の部分を読んでドキッとしました。
読み始めのまだ世界観もわからないうちに唐突な展開を持ってきてしまっている。
とおっしゃりたいのだと思います。
物語を早く進めたいあまり読者を置き去りにしてしまいました。
次はそこのところ考えながら書いてみます。
人称の変化は全く気が付いていませんでした。読み直してもどこの部分の指摘なのかもわからないくらいです。
しっかりと読む人にはわかってしまうのかと恥ずかしく思います。

ちょびひげ

群青ニブンノイチさんへ

コメントありがとうございます。
あなた様の読み違いではありません。大学生なら20歳くらいかという安易なザル設定をした私のせいです。
女子大生探偵になることに不安を感じていたのに2年間何やっていたんだという疑問はごもっともです。

この作品は、数ヶ月おきに思いだしたように書き足していったものです。
最初に書いたのはもう何年も前。ケメルマンの作品を読んで、これをドタバタコメディでやりたいなと
思ったことをかすかに憶えている程度です。


指摘を受けて思ったのですが、この話しは、バーでなくても成り立ってしまいますね。
その場所その状況でなければいけない必然性がない。
ずっと書けなかったオチを完成させた喜びで即投稿し、完成度は二の次でした。
読んで頂き感謝します。コメントも大変役に立ちました。ありがとうございます。

ちょびひげ

uさんへ
コメントありがとうございます。
あれっ? 主人公の名前、どこかで由梨になってましたか?
由梨は、いま公募用に書いている別の話しの主人公の名前なんです。
投稿の確認の所で有紀と由梨が混在しているのを発見し、全部直したはずだったのに。
ご存じかわかりませんが、有紀は城平京さんの「名探偵に薔薇を」の主人公をイメージして書きました。
謎提示部は、ケメルマンの「9マイルは遠すぎる」のオマージュです。
プロアマ問わず、色々な方がそれぞれの角度で書いているので、自分も書きたくなってしまったのです。
たぶんuさんもどこかで読んでいるのだと思います。
回収はしているつもりなんです。
着地と呼ぶべきか、墜落と呼ぶべきかの無理やりですが。
面接で困った時に、大きな声出しとけば「うむ元気がある」と評価される都市伝説を私は信じています。

はるか

 ちょびひげさま

 拝読しました。
 面白かったです。
 そして、とても読みやすかった。

 カクカクしたところがなく、展開がきれいに流れていたようで、先を読むのがとても楽でした。つるつるいけました。だから話をちゃんと味わうことができました。

 まだ11時なのに遅すぎる、もう11時なのに早すぎる、読みながら私も、その謎を解こうと懸命に考えたのですがわからず、読み進めてわかったら嬉しかったです。そういうことか! と思ったら気持ちがよかった。駄洒落かぁ、みたいに抜けました、力が。

 文章がリズミカルで、言葉のチョイスが適切で、ひっかかるようなデコボコがなく、てらった表現もなく、オーソドックスな言い回しが目につくけどそれが安定感みたいなのを醸し出していてバランスがいい。なかなかこういうふうに過不足のない塩梅では書けないものだと思われます。書き慣れていらっしゃるのでしょうね。

 気持ちのよい筆捌き、堪能させていただきました。ありがとうございました。

ちょびひげ

はるかさんへ

お読み頂きありがとうございます。
また、お褒め頂き恐縮です。
書くことが好きなのですが、自分で書いた物を客観的に読むって難しいですね。
第三者に読んでもらうというのがいかに大切なことなのか痛感しました。
この度はコメントありがとうござました。

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