作家でごはん!鍛練場
嵐朱羽

あの時見た星をいつか

今から10年前の夏のこと。
私はまだ小学校の中学年くらいだった。お母さんとお父さんは海外で仕事をしている為、たまにしか帰ってこない。夕方からはおばあちゃんが来てくれて、ご飯を作ってくれたりした。
今日は親が帰ってくる日。とてもワクワクしていた。
「元気だったか?」
「風邪引いてない?」
いつもこの言葉を交わしたけどその日はなぜか違ったんだ。
「翔、桜子。星、見に行こう。」
「寒いから上着を羽織るのよ。」
「本当?!やったー!!」
親が帰ってくるのが待ち遠しくてソワソワ、ワクワクしていた私とお兄ちゃんだったけど、もっとワクワクした。車に揺られること30分。海岸に着いた。砂浜に降りて、星を見ようと寝転がった。
「お兄ちゃん、すごーい!」
「そうだな。あ、流れ星!」
「え?!本当!?」
そして、私はいつのまにか眠りについていた。
それから1週間後のこと。
お母さんとお父さんが日本から旅立つ日。空港までおばあちゃんと一緒に行き、お見送りをする。
「翔ちゃん、さっちゃん、元気でね。」
「風邪引くなよ。勉強、頑張るんだぞ!」
「うん!!またね!!」

それから5時間後…私達にとってとても悲しい出来事が起こった。
おばあちゃんが凄い勢いで階段を登って、私たちの部屋へ来た。
「翔!桜子!」
「ん?」
「落ち着いてね…。」
「おばあちゃん、俺たち落ち着いてるよ。」
「違うの…あのね、お母さんとお父さんがね、死んじゃったの。」
「え?嘘!!」
暗闇のどん底に閉じ込められたようだ。あの時、星を見て、空港で言葉を交わしたあのお母さんとお父さんが…!!

しばらくしてわかったのは、お母さんとお父さんが乗っていた飛行機はエンジンの故障で墜落してしまったそう。死者は30人を超え、生存者はたったの1人だった。

それから時は経って。
私が中学を卒業する頃におばあちゃんが亡くなった。
今私は大学生、お兄ちゃんは大学を卒業し、有名企業に勤めるサラリーマンだ。
おばあちゃんが死んでから私とお兄ちゃんは今現在も会っていない。電話番号、メールアドレスくらいは知っている。でも、怖くて連絡を取ったことはない。
あの時の星、また見たいなぁ。
あの4人で。
あの頃に戻りたい!
哀しいよ、、、、
涙が溢れてきた。
あの時の笑顔…。今でも忘れない…。鮮明に覚えているから辛いんだ。もう1度でも逢えたら…。


俺、ふと思い出したんだ。
あの時のことを。
逢いたい…。

それから数日経ってから、お兄ちゃんからメールが来た。
《久しぶり。
元気?いきなりメールしてごめん。勝手ながら俺、桜子に会いたい…。忙しいのにこんなこと言ってごめんね。でも、もう一度でもいいから顔を見たい。》
《お兄ちゃん…。元気?
私は元気だよ。私もお兄ちゃんに会いたい。いつならいい?》
《俺はいつでも構わない》
《なら、あの場所がいい。
夜。あの海岸で、また。》
《OK。※月☆日でいい?》
《うん。またね。》
まさか…。また会えるとは思ってもいなかったよ…。

タクシーから1人の女性が降りてきた。「お兄ちゃん?」
「桜子?」
「久しぶりだね。」
「うん。」
私たちは固く抱きしめ合った。
「桜子、おっきくなったね。」
「え?変わんないよ!」
「そう?でも大人になったね。」
「ふふ…。」
あの時のように寝転がった。
「ねえ、私たちいつ会える?」
「うーん…。いつでも…!」
「じゃあ、また会おうよ。」
「うん。お母さんとお父さんがいないとなんか変な感じするね。」
「でもお兄ちゃんがいてくれるだけ、私は嬉しいよ。」
「そう。俺も。」
「お母さんとお父さんに、逢いたいな……。」
「そうだな…。」
私たちは繋がってたんだ。
またいつか会えるかはわからないけど、いつか巡り合える。
お母さんやお父さんには楽しかろうが苦しかろうが会えないけど。
心の中で逢えるんだ。
そして私はまたあの時のように眠りについた。

あの時見た星をいつか

執筆の狙い

作者 嵐朱羽
133.186.118.113

兄妹を模写するのは難しかったです。まだ中学生なので未熟で変な表現もあるかと思うのでそこはご指摘ください。

コメント

永井 情
126.233.179.111

綺麗な絵の浮かぶお話だと思いました。
ストーリーの中の話なんですが
「タクシーから1人の女性が降りてきた。」
の部分です。私が最初に読んだ時は兄ちゃんは女性になっていたのかなと思いました。でもよく読んでみると、多分その部分はお兄ちゃんの視点から見たのだなと気付きました。違っていたらごめんなさい。
そこまでの視点の大部分が妹だったので少し混乱したのとお兄ちゃんに視点を変えるならもう少し文体や感性に差が出ると面白いなと思いました。
また主人公の行動や感じたことを細かく描写するともっと素敵になると思います。
もう一度お兄ちゃんに会うために主人公はこういうことをしていたけれどそれでも会えなかった、けれど連絡が来て会えるようになった、とくるとドラマチックさが増すなあと思います。
あと、話の最後に
「またあの時のように眠りについた。」
とありますがラストをそこへもってきた理由が強くあると話が明解になります。
昔の楽しかった思い出の部分だから、というのは分かるのですがそれがいかに素敵だったかというのが分かればもう少しスっと感情移入出来ます。
いろいろと書きましたがいいお話でした!

嵐朱羽
133.186.118.113

返信遅くなってごめんなさい。
とても参考になるアドバイスありがとうございました。
来週にアドバイスを元にまた書こうと思っているのでよろしくお願いします。
そして永井さんのお話も読ませていただきました。
とてもいい小説でした。
(上から目線すいません)

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