作家でごはん!鍛練場
はるか

根岸くん

 根岸くんは、うつむき加減で、少し前のめりにとつとつと歩く。野村くん、忙しいかな? とか、彼は、いつもそんなふうに僕に声を掛けて、忙しくないよ、と応える僕を、じゃあご飯行かない? とか誘う。その日も五時ごろ、彼は僕の編集部にやってきて、でもって僕を夕飯に誘った。締切日だったから出前の弁当で済ます予定だったのだけれど、根岸くんのイノセントな顔を見ると、なんだかやっぱり断れなくて、じゃあ行こうか、と赤ペンを置き、ジャケットを担いで夕暮れの街に出た。いつもみたいにとつとつと歩く根岸くんの歩調に合わせて(なかなか難しいことなんだけど)横を歩く。なぜなんだろうか、根岸くんは、歩きながら、僕に何度も寄ってきては肩をぶつける(幅寄せすんじゃねえよ、と心の内で思うが、口では何も言わない)。いつもの彼の癖である。並んで歩くとわかるのだけど、彼はすらりと背が高い。僕よりたぶん五センチは高い。でも猫背だし、下を向いて歩くので小さく見える。顔は童顔。小学生のころクラスにいたよな、こんなやつ、ってな顔をしている。
 ジョッキを傾ける芸能人のポスター、なんてのが貼られていない程度にこじゃれた居酒屋に入り、僕は生ビールを、根岸くんはレモンサワーを注文した。彼はいつも甘い酒ばかりを飲む。乾杯、と目も合わさずに、少しむくれたようにして彼は呟き、ちびりとサワーを一口すする。僕はビールを、ジョッキの半ばくらいまで一息にあける。空が高く、風が涼しい季節になっていたけど、やっぱりビールはぐびぐび飲まなきゃ、というのが僕の信条だった。日本酒はちびちびでもいいけど、ビールはぐびぐびじゃないといけない。サワーもごくごくいくべきだ。けれども根岸くんは、二口目もやっぱりちびりと飲んだ。学生の新歓コンパとかならたぶん蹴られている。でも我々は三十歳をいくらか越えているので(僕らは同期で同じ歳だ)、誰にも蹴られないし、そして誰をも蹴らない。
「まったくもうやってられないよ」と、ほっぺたをフグみたいに膨らませて根岸くんは言う。そうだ、冬になったら三浦屋に行ってヒレ酒を飲もう、だなんて思いながら話を聞く。「ねえ野村くん、聞いてる? 僕ね、もうすっごく嫌んなっちゃったんだよ」
「どうしたの?」
「あのね、青木がね、今度副編集長になるんだってさ」
 根岸くんは早耳だ。今は一般書籍の編集をしているのだが、かつては芸能週刊誌の編集部にいたことがあって、そこで学んだスキルなのだろうか、社内の情報をいち早くキャッチして教えてくれる。誰と誰とが不倫している、だとか、そういう下世話なことも含めて人事部以上に人事に詳しい。
「青木って、二つ先輩のあの青木さんか?」
「そう、アホのアホ木だよ、あのアホが、どのアホ面下げて副編集長だってえの!」と言いながら根岸くんは、サワーをまたもやちびりと飲んだ。
「つまみ頼んでいいかな?」と半ば独り言として呟き僕はメニューを開く。海老茶色の作務衣を着た女の子に、菜の花のおひたし、味噌田楽、サワラの西京漬け、豚の角煮、あ、それから、生ビールもう一つ、とオーダーする。杏仁豆腐もいい? と横から根岸くん。いきなりデザートかよ、と驚くが、まあいいか、何を食おうが個人の勝手だ、メニューを手渡しジョッキを飲み干す。
「アホ木ってさ、とにかく無能なんだよ」と、杏仁豆腐しか頼まず、メニューを閉じて根岸くんは唇を尖らせる。「前に同じ雑誌にいたときさ、あまりにアホなんで、みんなからアホ木って呼ばれてたの、あんなアホに二番手の役職つけるだなんて、うちの会社ももうダメだね」
 彼も僕も役職はデスク、副編集長ほど偉くはない。けれども根岸くんは、実は有能で、スクープ記事を何本もモノにして週刊誌の売り上げを倍増させた過去を持つ。スクープ関連の書籍も信じられないほど売れて、そのことで彼は社長賞を受賞した。壇上をとつとつと歩いて社長のもとに行き、ぺこりと頭を下げて賞状を受け取ったときの彼は、糸の絡まった操り人形みたいにぎこちなく見えた。とはいえ、誇らしい実績は誰もが認めるところで、十階建ての新社屋の、もしかしたら二階の半分くらいまでは彼が建てたに等しい、だなんて言う人もいるくらいだ。そんな彼だから、青木さんの動向ごときをどうこう言うことないのに、とつくづく思うが、まあボヤキは根岸節、と割り切っていつものように聞き流した。でも今日は入稿日だ、そう長いこと付き合ってもいられない、だから早めに話題を変えてみた。「ところでエンジェルたちはどうしてる? 相変わらずか?」
 根岸くんには三人のガールフレンドがいる。月の第一週は商社に勤める女性と、第二週は人妻の保母さんと、第三週は精神科の女医とデートして、第四週を充電期と定めているのだそうだ。三人とも結婚願望のない女性のようで、結婚だけは絶対にしたくない根岸くんが慎重に選んだラインナップなのであった。子供とかできちゃったらどうするの? と訊ねたことがある。そしたら彼は涼しい顔をして応えた、二千万円払って別れてもらう、と。養育費の相場が二千万円なのだそうだ。なかなか勉強になる。
「最近はね、会っても、もうやる気になんないんだよね、ご飯して、ホテル行って、夜景見てお風呂入ったらさっさと寝ちゃうんだ」
「三人もローテーションしといて、なのにもう飽きちゃったのか?」
「飽きたのもあるかもだけど、なんだかこのごろ頭痛くなっちゃうんだよ、エッチすると頭がガンガンするんだ、医者行って診てもらおうかな?」
 バチが当たったんじゃねえか? と思うがこれも口には出さない。「まずは精神科医のエンジェルに診てもらえよ」
「やだよ、パンツの中身は見られても、心の中身までは見られたくない」
 独り暮らしの自宅に招待しても、彼は、愛人たちを決して寝室には入れないらしい。リビングのソファでエッチするんだ、と言う彼に訊ねた。見られちゃヤバい寝室なのか? すると根岸くんは、線を引いてるんだよ、と応えた。何を基準に引かれた線なのか、さっぱりわからない。菜の花は苦くて美味かった。味噌田楽は甘過ぎた。根岸明弘のキャラは苦いようで甘くて、甘いようで苦い。たぶんちょっとした変態なんだと思う、割りといい意味で、つまりは個性的だってこと。
「野村くんはまだ離婚しないの?」と根岸くんが訊ねた。いつもこれを訊くとき彼は心底嬉しそうにニコニコ笑って訊く。二度目の結婚、まだ半年だ、前回の記録は越えたけど、もう少し頑張りたい、との趣旨を伝えると根岸くんは言った。「結婚は創造力の欠如、離婚は忍耐力の欠如、そして再婚は記憶力の欠如に基づく極めて愚かなる行為だよ」
 よほど嫌なんだな、結婚することが。モスコミュール、と、サワーを半分残して、またまた甘い飲み物を頼む彼を見て呆れたように思う。
 そんな彼が恋に落ちたのは、まさしく晴天の霹靂であった。

 つづく

根岸くん

執筆の狙い

作者 はるか
106.154.130.214

 つづきを読みたいと思っていただけますでしょうか?

コメント

偏差値45
219.182.80.182

>つづきを読みたいと思っていただけますでしょうか?

「いいえ」です。
でも、大丈夫。その質問の答えはいつも「いいえ」だからです。
内容はすらすらと分かるとは言えないけれども、理解できるので「可」としても、
興味が湧いてくる程でもない。
ここでのポイントは、根岸くんの魅力をいかに引き出すか、
ということなのでしょうけれど、刺激が足りない気がしますね。

その一方で、台詞は面白いものを選んでいると思いました。
>「やだよ、パンツの中身は見られても、心の中身までは見られたくない」
>「結婚は創造力の欠如、離婚は忍耐力の欠如、そして再婚は記憶力の欠如に基づく極めて愚かなる行為だよ」
とはいえ、どこかで聞いたような内容かな。

それから語りの部分では、なんとなく大人という雰囲気ではなくて
高校生のような感じを受けますね。
俗な言葉ではなくて社会人的な言葉を選んだ方が良いと思いましたね。

はるか
106.154.130.214

 偏差値45さま

 はじめまして。読んでくださってありがとうございます。
 つづき、読みたくないですか、ありがとうございます、これがダメダメだってこと確信できました。
 文学賞とかって、下読みって呼ばれてる方が冒頭の部分をパーッと読んでダメなら即ゴミ箱、だとかそんな噂を耳に、いえ目にいたしました。
 いたしますれば、冒頭の数枚、具体的には拙作の場合は今回記しました原稿用紙八枚分、この段階あたりでつづきを読みたく思っていただけない物語は、その後にいかなるカレーな展開が控えていようとも(拙作にはカレーもハヤシも土台控えてないけど)問答無用でゴミ箱直行な訳で、そんな駄作のつづきを書いてる場合じゃありませんね、別の作品に取りかかるべし、ですね、ああ……。ほんと、ありがとうございます。
 一部、台詞が高校生っぽいっていうご指摘、これに関しては、でもまあそれが根岸くんなわけで、この物語はタイトルそのまま根岸くんを書く物語でありまして、一般的な会社員なるものを描く物語ではございませんので、あの口調は、いわば拙作の肝ゆえに、偏差値45さまのご指摘に晒されても私の選択一ミリたりとも揺らがないのでありますけれども、そんな枝葉はどうでもよく、冒頭八枚でつづきを読みたく感じていただけない段階で拙作はゴミだと切に了解いたします、ありがとうございました。
 やっぱ、あれかな、人物造形みたいなことに頁割いてる場合じゃなくて、冒頭にはいきなりドカンとショッキングな場面かなんかをかまして、しかるがのちに物語り始める、ってあの、あまり美しいとは思えない始まり方をしないとよろしくないのかな、とか、そのあたり痛切に感じました、読者さんは忙しいですもんね、冒頭を味わう、だなんて、そんな流暢なことしてる暇ないですよね、よし、根岸くんが女の腹を割いて赤子を取り出すシーンから書こう、したらさすがに読者さんも、なんで? って気になりますもんね。いや赤子は比喩ですけど、そのくらいインパクトあるエピソードから始める、ってあれを採用する意味があるってことなんだなって学べました、忌憚なき感想をありがとうございました。

ゴイクン
121.92.248.81

拝読しました。

面白かったです。続き読みたいです。

根岸君のキャラいいですね。クラークケントみたいだ。
二人で飲みに行って、ダラダラ話しているわけですが、それぞれ面白いです。ただ、いかにも人物紹介の場面のように思われて、飲みながらだけじゃなく、歩いているとか、電車の中とか、どっか場所も変わったほうがいいかなとは思いました。

アホ木のことが話されると、何、っとつい声を上げて、電車の中だったので、あわてて口をつむぐ、もっと知りたいので、早く電車がつかないかと思ったりする、とか、そんななんか、どうでもいいですが、場所とかで新鮮味を入れる策があってもよかったかな、と思ったりしました。
このままでは、説明が急ぎすぎな印象がないわけじゃないですね。

それと冒頭の1行を読んだとき、私も高校生の話で、定番の学園イジメ話かなと思ったりしました。
飯行かないが、気持ち早めにあればわかりやすかったかな、と思います。といっても、これ以上早くといわれても困るでしょうけど。

さえない男がなぜもてるか、とか、四人の女性とのドタバタがどうなるか、見せ所、笑わせ所がたくさんありそうで、導入としては、私はよかったと思います。

感想は以上ですが、返信の中に書かれた一次云々の件、私は話じゃなくて、文章とか書き方とかじゃないかと思うのですが。
それがひどければ、やはりゴミ箱行きになるでしょうね。
でも、せめて20枚ほどは読んでほしいです・泣。
それでは、失礼します。

九丸(ひさまる)
126.34.10.63

拝読しました。

続き読みたいです。
せっかくならここに投稿して欲しい。

ちょっと気になった点を。
根岸くんのセリフはともかく、主人公の語り口は、やっぱりちょっと幼く感じます。それが狙いならそれはそれで。でも、「~じゃねえよ」、「~じゃねえか」と出てくると、ちょっと違和感ありました。

拙い感想失礼しました。

はるか
106.154.130.214

 ゴイクンさま

 ありがとうございます。

>いかにも人物紹介の場面のよう

 それを心配してました、ですよね、実際そうなんですよ、キャラ紹介の章なわけですが、それがいかにもにならないよう工夫しようと思ったけどやっぱりダメですね、バレバレで。

>場所も変わったほうがいいかなとは思いました。

 なるほどです、八枚あったら二、三ヶ所くらい書けるかも、ですね。

>高校生の話

 自分でも書いててそう思いました。というか、そこのところは意識的にそう書いてたりするので、でもそうですね、この冒頭部分だけを読んでいただいて、その必然性みたいなものに読者が気づけるはずはなく……、だから違和感を感じていただいて当然だろうと思います、つまり書き手の意図に沿って読み手が作品にコミットしてくださってるということなんじゃないかと、分かち合えてるってことなんじゃないかと思いました。

>さえない男がなぜもてるか、とか、四人の女性とのドタバタがどうなるか、見せ所、笑わせ所がたくさんありそうで、導入としては、私はよかったと思います。

 実はたぶんシリアスなテーマの話になるかと思っていたのですが、だからこそ出だし部分でドタバタ劇を予感していただけることは作品にとってありがたいことかと感じました。冒頭だけでなく、笑える感じはラストまで通低させたい所存ではありましたが、よい意味で読者の先読みを裏切りたいと感じていたので、ドタバタ劇の予感はこの時点において歓迎されるべき予感であったように思います。今回の八枚だけでストーリーを予見されてしまうようではそれもダメダメなのだと思いますが、なんらかの予感の喚起、面白くなりそうなフックをいくつか意識化していただくこと、平たく言うなら根岸くんって人に興味を持っていただくこと、それができなかったらやはり作品として失敗なんだろうと思います。

>一次云々の件、私は話じゃなくて、文章とか書き方とかじゃないかと思うのですが。

そうでありましたか。つかみ、みたいなことじゃなくて、文章の質、みたいなものに対するチェックでありましたか。とはいえ、冒頭の数枚でつづきを読みたい気持ちになってもらえない作品は、やはりコンテスト向きじゃないのかも、とも思います。冒頭の数枚で、ワクワクでもドキドキでもシミジミでも????でもいいから、先の展開を楽しみに頁をめくっていただけるようなものを書けるよう精進いたします。

 ところで。
 御作への感想、に対していただいた返信、への返信を、すみません、ここにちょっと書いてしまいます、今思い出したことがあるので。マイによる全編独白……、そうですよね、やはり難しいですよね、変な提案をしてすみませんでした、でも、もしも興味があったら、で、まだ未読なようでしたら、昨年の群像新人賞受賞作『そこどけあほが通るさかい』が参考になるかもしれないので推薦させてください。全編大阪弁による独白小説です、会話文も大阪弁、地の文も大阪弁、ちょっと濃密すぎるきらいもありますが、迫力半端ないです。あんな感じで、たとたどしくも愛らしい日本語で全編を語り尽くしちゃう物語、やっぱり読んでみたいかなとか思ってしまいます。あんな感じとはまた違うものだとは思うけど、いや、やっぱり変なリクエストすみません、流してください。
 だなんて、返信のはずの文章がいつのまにやら違うものになっちゃったでしょうか、すみません。
 ともあれ、ご感想をありがとうございました。

はるか
106.154.130.214

 九丸(ひさまる)さま

 ありがとうございます。

>せっかくならここに投稿して欲しい。

 そうですよね、こちらに投稿するといろんな角度からいろんな反応がいただけるし、その反応に少なからず影響されて、物語は書き手の意図を超えた展開をみせるので、こちらに投稿させていただきながら書き繋いでゆきたいです。すごく効果的なエクササイズになると感じています。あと、シンプルな意味で、つまり知らないことを教えていただけるという意味で勉強になるし。

>根岸くんのセリフはともかく、主人公の語り口は、やっぱりちょっと幼く感じます。

 語り手の口調が幼い、というのは、いえ、全然意識化していませんでした、そうでありましたか、野村くんの口調は自然なものにして、根岸くんの幼さや、無垢さや、中性性や、異様さを照らしてゆきたかったので、だとしたら、そこ、拙作の大いなる瑕疵であります、ご指摘ありがとうございます、盲点でした。

>「~じゃねえよ」、「~じゃねえか」と出てくると、ちょっと違和感ありました。

 そうでありましたか、三十代前半の男性の内的呟きってそんな感じなのかと思っていたので、非常に参考になりました、うーん、本当に盲点というか、無知というか、ありがとうございます。後学のために、もしよろしければ、より広く、こちらのサイトにいらっしゃる三十代男性の方にうかがいたいのですが、どうでしょう、三十代の会社員って、じゃねえか言葉を呟かないもんだったりしますか? だなんて、返信のところで、そんなふうに質問してしまってすみません。ともあれ、ご指摘のお陰で探求心湧いてきました、本当に学べます、ありがとうございます。

九丸(ひさまる)
126.34.10.63

再訪失礼します。

僕の地文とのギャップというか。
三十代男性が使う言葉として違和感があるわけではないのです。
僕の語り口は柔らかくて、なんか心地よいのです。だから、ちょっといきなり感を個人的に感じていまい。

はるか
106.154.130.214

 九丸(ひさまる)さま

 ありがとうございます。

>僕の地文とのギャップというか。

 そうでありましたか、取り違えてしまってすみませんでした、野村くんの、口に出してる言葉と、内的な呟き、そのふたつのギャップに違和感を、ということだったのですね。そうですね、野村くん、なんだって内的に乱暴なんでしょうね、乱暴な人なのかもしれませんね、根岸くんにむしろ照らされて、やや中性的な口調になってるだけで、家では奥さんとかに、じゃねえか言葉で接してたりするのかも、だなんて、また隠れた設定を発見させていただけました、ありがとうございました。

夜の雨
118.18.72.209

読みました。

御作の良いところは「文章に味があるところですね」文体だけで読ませる力があるように思います。
その文体に、登場人物のキャラクターをうまく乗せています。
だから読んでいて楽しくなるのだと思います。

>根岸くんは、うつむき加減で、少し前のめりにとつとつと歩く。<
導入部の一行目ですが、これだけで作者さんが人物を描こうとしているのがわかります。
キャラの個性が出ています。

>根岸くんのイノセントな顔を見ると、なんだかやっぱり断れなくて、じゃあ行こうか、と赤ペンを置き、ジャケットを担いで夕暮れの街に出た。<
「イノセント」は「汚れのない、純潔な、無邪気な、純真な、あどけない、お人よし」というような意味なのですが、雰囲気がよく出ています。
だから、断れないのでしょうね。
「夕暮れの街に出た。」も、導入部からの世界観に合っていると思います。

いつもみたいにとつとつと歩く根岸くんの歩調に合わせて ←これなんかもキャラクターが現れているし、一人称で書かれているので、主人公の「野村くん」が、感じているということなのですよね。
だから、野村のキャラクターもわかります。やさしい気持ちを持っているやつなんだろうなぁと。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ほかにも、キャラクターのわかる良い文章がたくさんあります。ということで、登場人物が面白そうです。
そこにきて、読み進めると、「あのね、青木がね、今度副編集長になるんだってさ」と、人間関係が登場しました。
このあといかに根岸くんが優秀なのかが書かれていて、その彼が付き合っている女性が三人いるとか、で、いよいよ盛り上がってきます。
主人公の野村くんに離婚の話題を振るところなんかも彼のキャラクターがよく出ています。
再婚していることがさりげなくわかるように書いてあるし、なかなかいいですね。

上にも書きましたが、文体に味があるし、そこに来て、キャラクターとか個性とかもよく描かれているし、なかなか結構です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

気になったところ。

出版社に主人公たちは勤めていることになっていますが、残業とはいえ、会社を抜け出して外食まではよいとして「アルコールを飲んでよいのですかね」これは、気になりました。
おまけに「今日は入稿日」と、御作に書いてあるし。
生ビールお代わりしているし。

また、続きを読ませてください。


お疲れさまでした。

ちくわ
114.190.106.18

はじめまして、作品読みました。

はいはい、続き読みたい思います。

さて、これから何が起こるのか、知りたい気持ちになりました。
はい、ちょっとした変態である有能な編集者の恋愛話ですけど。おもしろそうじゃないですか。

文章がユニークじゃな、急いでないし、丁寧でありよく練られてる思います。もちろん好き嫌いはあるじゃろうけどね。
冒頭で死体を転がせというのはミステリーの指南書にありますね、たしかに。
興味を引き付けないと、後を読んでもらえないぞって話じゃな。
ただね、下読みさんを庇うわけじゃないけど、作品は全体でひとつじゃと思うのでやね、冒頭に凝りすぎるよりはトータルバランス考えた方が絶対にいいぞ、思います。(目にしたってことなのでやね、そういう人もいるかもじゃな、とは思うんだけどね。ただ、賞によっても違うんだろうけど、けっこうきちんと読んでくれますよ)
なので、途中でアップするにしてもじゃね、その袋とじじゃないんだからもう少し読ませて欲しいす。
公募用の完成原稿とか出せよう、とは言わないのでじゃな、たとえば改変する必要を感じないものとかでもいいので、もう少し読まないと感想は書きにくい。

さて、ちくわも学生さんの話だと思いました。僕の編集部って書いてあるのにじゃ。
両者共に「くん付け」で喋るし、背景が早めに出てないので(また、まったく書かれないので)、そう思うのもむべなるかなって思います。
テーストなので仕方ないとは思うんじゃけどさ、たとえばどちらかが呼び捨てなら、もしかしたら大丈夫だったかもしれない。「野村、今、暇か?」「じゃあ、飯付き合えよ」などとしてやね、仕方ないかって煙草でも持って出かける感じにすれば、「このまま」でも問題なかったかもしれない。(ただし、この流れなら主人公の語りを大人にしたほうがいいよね、根岸君の方をこっちにしたいでしょ?)
冒頭は大事なので(おや、さっきと話が違いますが)できたら、そこいらのカラーに心配って欲しいす。

シリアスに展開するのか、ほのぼのなのか、ギャグっぽいのか、ここからならどうとでもなりましょ? そこいら辺の分岐が作者さんの他者との違いを、明確に現す軸になるように思います。当然、少し読めばある程度の力量みたいなのは知れるんじゃろうけど、やっぱり中身こそが大事じゃもの。
ですから、もしも次があるのならばじゃね、短い物でもいいので完成したものをお願いしたい思います。

上松 煌
220.107.200.89

はるかさま

 拝見しました。
あはは、面白かったですよぉw
本当に妙なキャラですね。
朴訥なのに有能。

 まるで二律背反ですが、本当に優秀な営業マンって、そうなんですってね。
キレ者に見えない。
つまり、相手に警戒心を与えないんですって。
やはり営業って言うと客はどうしても「騙されるんじゃないか?」という疑問はぬぐえない。
その微妙な心理を生じさせない。
すごいですよね。

 この根岸君、女扱いも中々でカノが3人。
そして次回で恋に落ちる????
こりゃ、楽しみですワ!

u
49.106.215.89

読ませていただきました。
続きよみたい。
諸氏指摘ぶぶんはあたしも思ったのですが、それはおいといて、文章は嫌味なくお上手でした。御健筆を。

そうげん
121.83.151.235

こんばんは。待ってました。次の作品。二度読んだのです。これから仕事なので、帰ってきてから感想をしたためようと思ってます。さきに書いておくと、わたしもつづきを読みたいです。見せてもらっている部分にも、前振りがあるのだとすれば、最後まで書かれたときに、全体の流れを見据えて、文章を読んでいるときのドライブ感を味わいたいからです。と、油断すると、このまま、感想文を書いてしまいそうなので、ぐっと我慢して、いったんタイピングの手をとめます。では。

はるか
106.154.130.214

 夜の雨さま

 前作に続いて今作にも丁寧なコメントをありがとうございます。

 文体を褒めていただきとても嬉しく感じています、噛み応えのない、そばみたいな文体だと感じていてそれがコンプレックスだったので。そばはそばなりに今後も丹念に打とうと気持ちが引き締まりました。

>キャラの個性が出ています。

 端的に述べていただきましたが、ずばりまさしくキャラの個性、今回書こうとしたのはそれそのものでした。根岸くんという人物を描きたかったのです。

>野村のキャラクターもわかります。やさしい気持ちを持っているやつなんだろうなぁと。

 ここ、気付かされました。野村くんの根岸くんを見る目は確かにあたたかいですね。愛すべき変態くんの純粋さを、宝物のように感じているのかもしれません。野村くんは根岸くんが好きなんだと思います。そして根岸くんも野村くんを慕っている。男性どうしなのに、並んで歩きながら肩が触れたりしているし、ちょっとなんだか恋人どうしみたいな雰囲気さえなくもない。この二人の関係も、意図していたものとはまた別の意味でも、いろいろ気になるところだな、なんて、書き手ながら物語の方向性を改めてインスパイアされました、ご指摘ありがとうございます。

>主人公の野村くんに離婚の話題を振るところなんかも彼のキャラクターがよく出ています。再婚していることがさりげなくわかるように書いてあるし

 結婚、というものがキーになってくるのは間違いないですね。根岸くんのエンジェルさんたちは、結婚願望なしという点で選りすぐられていますし、根岸くんはたぶん野村くんの妻帯を快く思っていないんだと思います。こういう男性ってもしかしたら女性に対して強い敵意を抱いていたりするのかもしれません、敵意とは言わないまでも強い警戒心は抱いているのではないかと思われます、寝室にだけは招き入れなかったりして明らかな壁を作っているし。たぶん根岸くんが自分を晒せるのは野村くんの前だけなんじゃないかとそんな気もします。ちょっときゅんっとなってしまうような傷を、いたいけさの内に根岸くんは隠し持っているんじゃないかと感じています。だなんて書いて思い至ったのですが、この感じ、吉本ばななさんの『TUGUMI(つぐみ)』に少し似ているかもしれませんね。つぐみを思う語り手の気持ちが、つぐみの夏を丹念に掬いとってるあの感じ。あと、嶽本野ばらさんの『下妻物語』に登場する桃子とイチゴの関係にも似ているかもしれません。ハミダシモノどうしの不器用な友愛が描かれた『下妻物語』はとても好きな作品なので影響を受けているのかもしれません。拙作の二人が三十代の男性編集者であるってことに照らすと、二人の無垢なる暴走はよりエキセントリックなものになりそうで、なんらかの血や涙も流れてしまいそうだし、だからこそそこらへんを重くなく、できれば軽い筆で、ユーモアも交えながら描き出したいと現状ではそんな目標を掲げているのですが、どこまでできるのか今回も書き進めてみないと私にもわかりません。こちらでちょうだいするコメントを栄養分にして少しずつ育っていってくれるといいな、と思っています。

>気になったところ。出版社に主人公たちは勤めていることになっていますが、残業とはいえ、会社を抜け出して外食まではよいとして「アルコールを飲んでよいのですかね」これは、気になりました。おまけに「今日は入稿日」と、御作に書いてあるし。生ビールお代わりしているし。

 ご指摘のとおりですよね! そこのとこ、そんなふうに書くべきじゃなかったです。少なくとも入稿日にしなきゃよかったと、ご指摘を受けて反省しごくです。でも、だけど、しかし、事実は小説よりも奇なり、実は私、出版社の社員さんと懇意にさせていただいていた時期があるのですが、で、私も驚いたのですが、彼らって入稿日にも少なくはないアルコールを飲むんですよね、でもってそのあと帰社して深夜か朝まで平然とデスクワークをこなしてたりするんですよ、酔わなきゃ待てない、とか言って。原稿上がるの待ちながらの長丁場になるみたいで、早めの夕方から飲み始めて、テッペン(彼らは午前零時のことをそんなふうに表現してました)まわるころにやっと素面に戻るみたいなんです、入稿の内容にもよるのでしょうけれど。あるいは彼らが特殊だったのかもしれないけれど、土台からして編集者ってかなり常識外の人種であるような。野村くんも根岸くんも、そういう特殊なハズレモノってことで今後を描いてゆこうかな、なんて思っています。でも編集者が酒を飲んで原稿を扱ってるだなんて、作家を夢見るこちらからするとショックな話であります。ご指摘いただいたこと、私も非常に疑問に、ゆゆしき事態であると感じています。野村くんも根岸くんも有能なる悪い子なんだと思います。そこらあたり、今後拙作の中でちゃんと説明してゆかなくては、と認識できました。リアルがそのまま小説的リアリティになるわけじゃないし、多くの方がそこに疑問符を打たれるでしょうから、ちゃんと理解していただけるような書き方をしなきゃダメですよね。書き手の怠慢でした。ともあれこの点、編集者のほうからすると、毎度締切間際に滑り込んでくる作家と渡り合うためにはいくばくかのアルコール摂取も精神衛生上やむなし、ってことなのかもしれませんが、野村と根岸は飲みながらしょうもない話とかしてますもんね、でもって社長賞もらってたりなんかして、いい加減にしろよって言ってやりたくもなります、今後作中で言ってやろうかと思います。

 丁寧な読み方をしていただき、多角的なご指摘をちょうだいして感謝しています。今後もご指導いただけると幸いです。ありがとうございます。

はるか
106.154.130.214

 ちくわさま

 ありがとうございます。

 下読みさんの件、噂を耳にした、のではなく、目にした、と記しましたが、目撃したということではなくて、インターネット上の記事で読んだ、ということでありまして、だから、そうですね、普通に、噂を耳にした、と書けばよかったですね、混乱させてしまいすみません。

 完成した原稿を晒す場所は、自分のブログ、星空文庫、それからもちろんコンテストなどいろいろありますが、未完成のまま中途の段階で投稿した原稿に対して、その都度多角的なご意見をちょうだいできるような場所は限られているので、読んでくださる方に失礼なら申し訳ないとは思いながらも、いえ私ごときの駄作に失礼もなにもそもそもない、とも思いますので、そのような場所の存在に感謝して、そのような場所を可能な限り有効に利用して自らの筆を鍛練してゆきたいと、手前勝手ながら考えていたりします、ご容赦ください。

はるか
106.154.130.214

 上松 煌さま

 ありがとうございます。

 好意的なコメントをちょうだいしておいて、このようなことは大変書きづらいのですが、率直に申し上げて、私はあなたのことが好きではありませんでした、というか、嫌っておりました。だなんて、やぶからぼうになんだと思われるかもしれませんので、理由を述べさせていただきますが、あなた、海底の貝殻さんのコメント欄でひどいこと書いていましたよね、今まだ最終面に残っているようなので、自覚がないならもう一度ご自分で読み返してみてください。いかがですか、ひどいじゃないですか、あなたがどんなに傷ついていようが、だからといって傷ついている人を無駄に刺したりしちゃダメですよ、それから、外国籍の人だとか、それから何より、障害を抱えている方のことを侮蔑したりしちゃダメです、だなんて、作品とは関係ない人格批判みたいなことを書いてすみません、でも書きますよ、あなたを傷つけることは本意じゃないのだけれど、もしかしたらあなたは傷つけられたいのかもしれないけれど、ともかく、以上のことだけは伝えなきゃならなかった、伝えないで、うわべを繕って、大人な対応でお茶を濁すだなんてできなかった。言えてよかったです。言えなかったら私は、ただジクジクと、あたのことが嫌いなだけだったから。あなたからの反応がいかなるものであれ、今回言えたことで、もう嫌いじゃないかもしれません。
 それから、今のままのあなたを愛してくれてる人もきっといると思うので、そうですよ、あなたが愛される人なのは私にもわかっています、あなた、三島の『弱法師』みたいな方ですから。わかったようなことを書いて申し訳ないけど、わかっています、だからあなたはあなたのままでいていいんだろうと思います、でも差別的な言動は改めてほしいです、改めてもらえないなら、そうですね、さっきのは無しで、やっぱり私はあなたが嫌いなままかもしれません。だなんて書いちゃって、波風立てることになっちゃったら厄介だな、と思うけど、ソデフレアウモなんとやら、関わるべき関わりには関わらざるを得ません。距離を保ちたいとは思うけど、今回言いたいことが言えて、これでやっとあなたの作品を拝読することもできます。

 つづきを読みたいと書いてくださってありがとう、頑張って書いてみたいと思います。

はるか
106.154.130.214

 uさま

 ありがとうございます。

>諸氏指摘ぶぶんはあたしも思ったのですが

 参考になります。みなさん、同じ箇所にひっかかりを覚えるのですね。

・野村、根岸両名の台詞が高校生っぽい。

・会社員のくせに仕事半ばで酒を飲んだりして会社員っぽくない。

 前者は野村、根岸のキャラが「普通ではない」ことを、後者は業界という環境が「普通ではない」ことを示しているのかもしれませんね。普通ではない舞台にて、普通ではない登場人物が、いかなる物語を演じるのかってあたりが、つづきを読みたいと思っていただける牽引力となってくれれば、つまり冒頭における「?」という違和感が、つづきへの足掛かりになってくれればいいな、とか、後だしジャンケン的に思いましたが、でも、あれですね、あまりに「普通」から逸脱した物語はナンセンスストーリーになってしまって、『クチュクチュバーン』や『オブ・ザ・ベースボール』的なとこまでつき抜けられちゃうならいいけど、そこまでのパワーもないし、中途半端な逸脱は単なるリアリティの欠如に堕するだけかもしれないし、キャラか舞台かのどちらかをってなれば必然的に舞台を特殊ではなく普通に据えたほうが賢かったかもしれないな、と今になってから気が付きました。でも、普通のサラリーマンさんは愛人を三人も抱えたりしないように思うので、やっぱり時間的自由や経済的自由を掌握している人を書かざるを得ず、となると属性もまた必然的に普通じゃないものにしないといけないわけで、そうか、やっぱり普通じゃない商品は普通じゃないパッケージにおさめて陳列せざるを得ないってことなのか、と、またまた新たに気付かされました、ご指摘ありがとうございました。

はるか
106.154.130.214

 そうげんさま

 ありがとうございます。

 ついさっき、そうげんさんの作品を読み終えて感想をしたためたところです。このあとアップさせていただきます。

 こちらへのコメント、そちらでの返信、首をキリンにしてお待ちしております、だなんて、お忙しいのにすみません、お手数をお掛けいたします……^^;

かもみー
49.98.139.71

作品自体は既視感あるし、いわゆるポップな小説の縮小再生版って感じ


んで、最近、感想返しの必要性低いかなーって思ってたら、ゴイクンさんのとはるかさんの返しがおもしろくて、あっやっぱ必要あるよなって
というのも、正直はるかさんの感想返しの語りは作品のそれよりおもしろい
(これは貶してんじゃなくて褒めてる)
だからまだまだ伸びしろがあると感じた(上から目線)
どっか逸脱するなら他の人がやらないくらい徹底しないとね

はるか
106.154.130.214

 かもみーさま

 ありがとうございます。

>いわゆるポップな小説

 なんと、意識していなかったけれども、ポップと受け止めていただけたりするのですね、語り手にどこか能天気なところが感じられる、と、わりかしシリアスな(と自分では思っていたりする)別作品について指摘を受けたこともあるので、語り口がよくもわるくもライトウェイトなのかも、だなんて自作を意識化した次第です、ご指摘ありがとうございます。


>感想返しの語りは作品のそれよりおもしろい(これは貶してんじゃなくて褒めてる)

 喜んじゃいけないのでしょうけれども嬉しいかもです。正直、対話が魅力なんですよね、私にとってこのサイト。他の方とのやりとりでインスパイアされること大なんで、積極的に励ませていただきたいと感じています。

>だからまだまだ伸びしろがあると感じた(上から目線)

 はい、ありますよ、のびしろ。養分をいただいて、これからぐんぐん育つ所存です。

>どっか逸脱するなら他の人がやらないくらい徹底しないとね

 極端極めなきゃってことですね、私流に私なりにはみだしてみようかと思ってます、実は、最近。ありがとうございました。

夜の雨
118.18.72.209

再訪。

ここの部分について。

A>>事実は小説よりも奇なり、実は私、出版社の社員さんと懇意にさせていただいていた時期があるのですが、で、私も驚いたのですが、彼らって入稿日にも少なくはないアルコールを飲むんですよね、でもってそのあと帰社して深夜か朝まで平然とデスクワークをこなしてたりするんですよ、酔わなきゃ待てない、とか言って。原稿上がるの待ちながらの長丁場になるみたいで、早めの夕方から飲み始めて、テッペン(彼らは午前零時のことをそんなふうに表現してました)まわるころにやっと素面に戻るみたいなんです、入稿の内容にもよるのでしょうけれど。あるいは彼らが特殊だったのかもしれないけれど、土台からして編集者ってかなり常識外の人種であるような。<<

小説なんだから何でもありでよいのです。
たとえば「根岸くん」が宇宙人でも「野村くん」が芥川龍之介でもドストエフスキーでも近所の野良猫でもよいと思います。
問題はその「設定」に「説得力があるのか」ということだと思います。
今回の御作では「説得力がなかった」というか、たまから「アルコールを飲んでなきゃ、待っていられない」「設定」になっていません。
だから「説得力のある設定」「にしたらよい」だけの話です。

私への返信で「編集者が待っている時間にアルコール」を「飲んでいる」ということなのですが、私は別に驚いてはいません。
ただ、世間の常識からすると一般的な会社では残業中にアルコールは飲まないよなぁと思うのです。

だから、Aにあるような内容を御作の作風の文体に合わせて、「設定」に「説得力がある」「内容」にしたらよいだけの話です。


今回の作品だけではなくて、今後いろいろな作品を書くと思いますが、「とんでもないことが起きるとして」「も」「その設定が」「説得力のある内容」になればよい。「なるほど」と、「読み手に思わせる設定にする」そうすると、「何でも書けるようになる」と、思います。
まあ、あまりぶっとんだ作品だと、相手にされないかもしれないので、時代と相談して励んでください。

ゴジラみたいな怪獣が映画では出てきて暴れますが、映画を見ている観客はあまり違和感は感じていません。
それは、それなりの説得力があるからです。

嘘でも本当でも作者が創ればよい世界だと思います。
それが、楽しいから、私たちは創作活動をしているのです。


それでは、頑張ってください。

はるか
106.154.130.214

 夜の雨さま

 ありがとうございます。ご指摘、すとんと腑に落ちました。

 物語は、リアルなこの世界とは位相の違う別世界なので、<その世界の中において>「説得力があれば」なんでもアリだし、「説得力がなければ」まったくナシだって、たぶんそういうことですよね、改めて意識化できました。

 拙作についていえば、出版業界の特殊性をうまいこと話の中に組み込んで周りのパーツと有機的に繋いで合目させさえすればすなわちそれでよし、ということかと思いました。次の章以降で、後追い的にだけど、それを試みてみたいと思います、ご指摘ありがとうございます。

 ご指摘とはちょっと違ったフェイズでの話なのですが、実は私は、小説ってウソじゃダメだって思ってたりするんです、というのは、リアルじゃなきゃダメだってことじゃなくて、マコトじゃなきゃダメだってことです。ゴジラだろうが、エヴァンゲリオンだろうがよいのですが、そこにウソがあっちゃいけないって思うんです。つまり作品は、作者の内的な配置と相似形じゃなきゃダメだって思うんです、だなんて書くと伝わりづらいかもしれないけれども、なんだろう、キャラとキャラとの配置や、キャラと事象との配置や、事象と事象との配置なんかが、作り手の内的箱庭とずれてる作品は、いくらよく紡がれていてもウソなんじゃないかって思うんです、間違ってるかもしれないけれど、よく言われるところの「小説なんて所詮ウソ」っていうような考え方に対するそれが私のアンチテーゼだったりするんです。つまり、なんでもアリじゃなくて、これじゃなきゃダメって配置を再現してみせることが創作なんじゃないかって思うんです。結局のところ、人を書く、っていうか、自分という存在を内的に形づくっている感受点の位置関係を、いわば比喩的に表したものが創作物なんじゃないか、なんて思うのです。だから何をどんな設定でどんなふうに表しても、良くできた作品は、書き手の内的な箱庭をスケッチしたものになるはずだ、とか思ってるんです。それが作家性ってやつなんじゃないかと。その人にしか書けないそれは、他の誰にも書けないものなんじゃないかって。

 だなんてコムズカシイ書き方をしたけれど、結局これって、夜の雨さんが言われるところの「説得性」ってことに繋がるのかもしれないなって、そんなふうにも思うのでした。無理のある配置には内的な整合性が不足してるからウソになっちゃうのかもなって。

 だから、もしかしたら拙作も、私がちゃんとマコトを尽くしてさえいれば、書き進めてゆくうちに、出版業界の特殊性みたいなものも、おいおい自然とその輪郭を形成してゆき、冒頭において読み手に抱かせてしまった違和感を溶かしてゆくことができるのかも、とか思ったりもしました。

 頭で考えて書ける書き手じゃないんで、マコトを尽くすことに腐心するよりなかったんですけど、今回論理的に諭していただけたお陰で、説得性みたいなものを意識化できました、ありがとうございます、次回や次作以降では、その点を意識的に捉えて、もっと早い段階から、説得性のある配置を心掛けてゆくことができそうです。

 書いてて思うのだけれど、書き手には常に盲点みたいなのがあって、読み手に指摘されて気づくことが多々あるのですね。ここでいろんな方からいろんな角度の指摘を受けて、無意識だったいろんなことが意識化できてるような気がします。意識化できてこそのスキルだと思うので励みたいと思います。今後も何卒よろしくお願いいたします。

上松 煌
49.106.215.223

はるかさま
 
 おれ、アク禁中だけど、これだけは言っておきたい。

  >>海底の貝殻さんのコメント欄でひどいこと書いていましたよね<<

 あなたのこの言葉で、おれは急いで8面に行きました。
作品をざっと目を通してから、自分の感想を読みました。
今、おれのあの作品に対する悪印象は、かつての感想と全く変わりません。

 おれにはよく理解できない話で、目を失ったらしいのだが、それが母か自分なのかも明確でない主観だらけ。
状況も断片的で、しかもコレ。
この言葉!

  >>殺意を、殺人衝動へと。殺人衝動を、殺人行為へと、変えられるようになるまでは<<

 おれは暗澹たる気持ちになりました。
ゆがんでいる。
この作者には「人としての心がない」。
作品の内容も支離滅裂で不快でした。
こういった作品は早期にAIにとって代わられるでしょう。

 おれはおそらく、この作品は今、社会問題になっている前頭葉欠損の者の作品だろうと思います。
自分自分自分…ひたすら自分だけで、他者が存在しない世界。
描かれている世界も浅く、マンガチックだ。
あなたがそんなものに共感したとは驚きです!

 この作品のような輩が増えたら、心ある健常者たちは社会を支えきれなくなります。
倫理正義・モラル常識・慈悲人情のある秩序ある社会は、健常者たちが営々と築いて来たものだからです。

 あなたがおれを嫌うのは自由です。
むしろ、徹底して嫌ってください。
おれはいろいろなアンチに「死ね・殺す・くたばれ」とか言われています。
それが誇りです。
この世の中で、少しでも人間らしい倫理正義・モラル常識・慈悲人情に親近(しんごん)しようと努力するおれを嫌うものは、やがて社会を疲弊させ、崩壊に導くものと信ずるからです。


 さて、おれはアク禁中なので、あなたへの感想返しは復帰してからにしますね。
「悪法もまた法なり」
のソクラテスの心境だからです。

はるか
106.154.130.214

 上松 煌さま

 ありがとうございます。

 あんなにひどい書き方をした私に、紳士的な言葉で向き合ってくださってありがとうございます。

 適切な言葉がみつからないのですが、ほんとうにみつからないのですが。

 上松さんの考え方や感じ方にはどうしても同意できないのですが、一ミリも同意できないのですが、でも上松さんは、本当にそう思っておられるのですね、パフォーマンスではなくて。

 海底の貝殻さんの作品を、今ここで私が勝手に解説しちゃうことは、あるいは海底の貝殻さんに対して失礼なことかもしれないけれども、ちょっとだけ書かせていただきます。

>目を失ったらしいのだが、それが母か自分なのかも明確でない主観だらけ。

 あなたのためを思って、という親の愛、に似た自己愛に追いつめられた少女は、隠し持っていたナイフで、母親の目を突いた! ……かのような心持ちで実は自分の目を突いた(←未分化なふたりなんで実は同義)、そして、ひとつの眼球をもうひとつの眼球で見つめている(←客体視)! ……というような脳内イメージを浮かべることにより実際の行為は回避して、でもって安全地帯である図書館にこもるしかない、という一連の流れが少女の主観によって詩的に紡がれた作品である、と私には読めました。

 つまりナイフは怒り、母の目は母のエゴイズム、私の眼球は私のエゴイズムを象徴しているのだ、と受け止めました。

 実際に血が流れているわけではないのです。むしろ殺意に近い怒りを、悲しみを、絶望を、孤独を、詩的に昇華している作品であると私には読めましたし、それって心理学的には適応の一種なのではないかと、つまり健全な行為なのではないかと思うのです。

 殺人を描く人は殺人者ではありません、殺人を行う人が殺人者なんです。表現の自由は保障されています。

 海底の貝殻さんは、あの作品を表現することで誰のことも傷つけていません、むしろ誰かを傷つけないために創作行為を行ったのだと思われます。

 しかるに上松さんのされたことは、海底の貝殻さんに対する積極的な加害行為であるように私には映りました。肉体を傷つけるようにあなたは心を傷つけたのです。その理由が、「不快だったから」というのはやはり感心しません。

>しかもコレ。この言葉!>>殺意を、殺人衝動へと。殺人衝動を、殺人行為へと、変えられるようになるまでは

 反語表現の亜流として読めました。少女は、怒りを衝動に変えようとして出来なかったのです、心があったから。少女は、衝動を行動に変えようとしてやはり出来なかったのです、心があったから。だから少女は、殺意を殺人衝動に、殺人衝動を殺人行為にシフトできるまで図書館にこもる、つまりは永久に図書館から出られない、図書館は安心しうる場所のメタファだと思います。母親の胎内です。少女は親離れができない。

 あれは、自立したくても自立を拒まれている(←これって虐待です)少女の心の叫びなんです。少女に心がないなんてそんなことはないんです。心があるから苦しいんです。

 子供は、心理的な親殺しをして大人になるのです。本当に親を殺すわけじゃない。海底の貝殻さんが詩的に表現したのは、切実なる抵抗です、現実に抵抗できない優しい作者さんは、作品によって怒りを昇華しようとしたのです。

 と、以上のようなことを作者さんが意識化できていたら、作者さんも、上松さんの言葉に接して筆を折るようなことはなかったでしょう。でも作者さんは、それを意識化できていなかったから、だからたぶん自分を責めたんじゃないかと思うのです。自分の中に人殺しのバケモノがいるという思い違いをして苦しんだかもしれません。あのあと作者さんがどんな暗闇を生きたか、それを思うととてもつらい気持ちになります。

 あの作品に対する弁護は以上です。

 ともあれ、そうですね、事の主題はあの作品の解釈じゃなくて、たぶん私たちの考え方、感じ方の根本的な相違にあるのかもしれません。私は私の考えや感じ方を誰かに押し付けるつもりはありません。上松さんも、自分の考えや感じ方にのっぴきならない自負心をお持ちのようなので、上松さんは上松さんの道を行くしかないでしょう。

 ということであれば、結論はひとつです、棲み分けです。あなたは私の影として、私はあなたの影として、共存しつつ、それぞれの表現をつづけてゆきましょう。うまくゆけばアウフヘーベンできるかもしれない。

 だなんて思いました。

 最後に、先に謝罪させてください。上松さんの作品に対してコメントさせていただいた文章ですけれど、後半は取り下げさせてください。上松さんは、上松さんのホント(←リアルという意味ではありません、心の構え、くらいの意味です)を、ウソじゃなくて、ストレートに表現していらっしゃるのかもしれませんね、今回の文章を何度も読ませていただいて、上松さんの思想がパフォーマンスじゃないことに納得がいきました。それは私的には悲しいことであったりもするのですが、そんな態度は、まさしくさっきの作品内の母親の態度みたいによろしくないものでありましょう。すみませんでした、あなたはあなたの信念のもとに、あなたの道を歩んでください。私は私の道を行きます。嫌いだ、なんて、わざわざそんな幼い表明をいたしまして申し訳ありませんでした。

 アク禁というのがよくわからないのだけれど、なぜ上松さんはアク禁になったのだろう? それと、アク禁でも私のとこに書くことは物理的に可能なんですね、上松さんのとこに書くのも可能なんでしょうか、遵法精神に則って自主的に書かないだけなんでしょうか、だったらそれって自主的謹慎みたいなもんでしょうか? ともあれ、そんなときに私のとこに来てくださってありがとうございました。ご自愛ください。

アフリカ
221.171.4.142

拝読しました

うどんとそばって、だいぶ違う気がするし大して違わないような気もするんだけどそもそもの場所から全く違っていて。
のど越しとか香りとか別物のクセにつゆは同じものでも全然いけたりする。

うどん好きなのかそば好きなのか、その辺の違いだけでお腹がみたされればそれで満足なのかも

続き気になる

どんな展開?
でもさ、ダメな奴のハズなのに三人も回してる?ってなんだかな…疑問あって乗れない
逆に出来る奴が三人くらい回してるなら納得。


んで、エッチしたら頭痛くなる?なんでだろ?

社長賞をもらうほどの奴をやっかむのは分かる。これで後半にそれを使わないなら逆にん〰️

僕には御作
とても小説ぽくてつるつると喉を滑り落ちて腹一杯食べられるような気がする。
続き読みたい



あ〰️

朝なのに眠くなってきたので寝ます!

おやすみなさい

ありがとうございました

はるか
106.154.130.214

 アフリカさま

 ありがとうございます。
 味わい深いお言葉のモーニングセットごちそうさまです。うまく眠れず迎えた朝の、綿みたいな頭にコーヒーが、香しくも力強く染み込んで、おかげでパッチリできました。

 そばはやっぱり喉ごしですよね。つるつるいけちゃって、かつ粉っぽさの名残りがいい具合にひっかかりになってて、ちょっとだけざらつく感じの、黒いおそばが私は好きです、うどんの優しさも好きですけど。

>ダメな奴のハズなのに三人も回してる?

 根岸くん、有能だけど困ったちゃんなんです、そこがかわいいんじゃないかな、ピュアで、不器用で、社長賞とっちゃっても自分に自信がもてなくて、絶えずエクスキューズを繰り出し続けるその感じ、コブラをやっつけるほどの戦闘力を持ってるんだけど見た目はどうにもかわいいマングースみたいなやつ、だからもてるんだと思います、ある種の女性たちに、あるいは母性をはき違えちゃってるような女性たちに。根岸くんが紡ぐ、女性たちとの線が、どんな模様になるのかは、今は私にもわかりません、でもたぶん、いたいけで、心につんっとくる模様になるんだろうなってことはわかります。あとは、野村くんが、根岸くんに傷つけられながら、どこまで根岸くんを愛してゆけるのか、と、逆に根岸くんのあり方が、どんなふうに野村くんを支えてゆくのか、そのあたりがちゃんと描けたら、拙作もそれなりに小説になるんじゃないかって今は思ってます。

>逆に出来る奴が三人くらい回してるなら納得。

 そうですか? でもそんな展開、タイヤキみたいに型にはまっちゃっておもしろくないし、私は、できるやつなんて好きにならないなあ、愛すべき欠点の持ち主に惹かれます。

>エッチしたら頭痛くなる?なんでだろ?

 これはたぶん伏線として機能すると思います。着眼してくださったマナコに感謝です。普通に考えると罪悪感に基づく心因反応なのでしょう、ヒトヅマさんとも付き合っちゃってるし、三人ローテというのも日本のモラルに反しますしね。でも、もしかしたら深刻な病気の予兆なのかもしれない、作風的には、そこでもう一回ねじって笑える顛末に落とすことになるのかもしれないけれども。なんにせよ、根岸くんは病院に行くと思いますよ、心配性なんで。しかも根岸くんったらお金持ちなのに倹約家なんで、会社の組合補填で二割負担でかかれる病院なんかをしっかりチェックして出掛けてゆくんじゃないかと思います、そこでお医者さまになんと言われるのか、いじわるな気持ちで、その展開を私も楽しみたいと思ったりしています。

>社長賞をもらうほどの奴をやっかむのは分かる。

 誰がやっかんでるんでしたっけ? もらったのは根岸くんです。野村くんはぜんぜんやっかんでいません。根岸くん本人も自慢になんて思ってません、社長賞なんて、会社都合のシンショウヒツバツにコントロールされるような凡人じゃないんです、二人とも。そういう枠をはみだした、銀河系的な世界にたゆとうてる人たちなんで、彼らがコウデイするのは、この世のあれこれじゃないんです、少なくとも社会的な評価なんかじゃないです。

>つるつると喉を滑り落ちて腹一杯食べられるような気がする

 ありがとうございます。これってある種のホメコトバでありつつ、ある種の警句であるように響きます。純文学に求められる枚数ってエンタメのそれに比べて少ないんですよね、それって、少し食べただけで満腹しちゃうほどの密度が求められているジャンルだからだと思うんです。だから、ライトウェイトな文体はあまり歓迎されないような気もします。私の文章はすかすかな気がするんですが、それをなんとか、配置で補っていきたいと考えています。ジグソーパズル的な表現をスタイルにしたいんですよ。ひとつひとつのピースが最終的に一枚の絵になるような、あとから、そうかあのピースは目だったんだとか、森だったんだとか、読み手に発見していただけるような、そんな配置にこだわったブンガクを、はい、すみません、いちおうブンガクなるものを目指したいと、いえ目指すのは自由だと思うので、恐縮しながらもいくらか傲慢に、志向してゆきたいと考えています。

 だなんて、読んでくださった方に向かって書くことで、その都度私は、私がこれから書くであろうものの輪郭をスケッチしているような気がいたします。かまってくださってありがとう、精進いたします。

そうげん
121.83.151.235

はるかさま、こんにちは。作品、ふたたび読み返しました。

仕事のできる――ときにできすぎる人は、頭のねじが数本、飛んでるくらいが普通だと思っています。なので(ここで、「なので」という接続詞を持ってくるのは本来、おかしいのですが、)根岸くんのキャラクター造形は、わたしにとっては、ひそやかなトリックスター元型になりうる創作の型のように感じました。ですから、三人の女性を一度に相手にしていることも、顔にのぞかせるイノセントな雰囲気も、甘いものばかり頼んでいる飲み屋での行動も、ふだんから、アンバランスなところがあって、アンバランスさゆえに危うい、放っておけない、というところに、女性を引き付ける部分があるのではないかと思いました。

結婚願望はないけど、女性とは付き合っている。相手に深入りできない、深く立ち入らせることを拒んでいる根岸くんと、何度失敗しようとも、やっぱり女性と一緒になりたい野村くんと、二人とも、異性との間に、強い結びつきをつくるには、やや困難な性分を持ち合わせているところがあるんだろうか、でも、それでもやっぱり、異性の存在は必要不可欠だなと思っていそうだなとも感じます。

そんな二人は、わたしには、ちょっとジャンルはちがうけど、外見的には、二藤と樺倉が互いにひかれあうみたいな、そんなBLがあっても面白そうだと思えるような関心の抱き方で(←『ヲタクに恋は難しい』です)、根岸くんと野村くんの関係の、ところどころ、BL寄りの描かれ方に関心をもちました。

ちょっと「夢」が入っているようです。異性を書くときに、わたしは好きなのですが、書き方に、ファンタジーというか、想像というか、優しいものにつつまれるような感覚が混じりこんでいくという、そういう意味での、書き手の夢が入っているように思いました。それは、

>日本酒はちびちびでもいいけど、ビールはぐびぐびじゃないといけない。サワーもごくごくいくべきだ。

ちびちび、ぐびぐび、ごくごく、という擬音語の使い方であったり、

>「ところでエンジェルたちはどうしてる? 相変わらずか?」

エンジェルという言葉を選択されたことだったり、

>でも我々は三十歳をいくらか越えているので(僕らは同期で同じ歳だ)、誰にも蹴られないし、そして誰をも蹴らない。

にある、「誰にも蹴られないし。そして誰をも蹴らない」という言葉で閉めているところだったり、

その雰囲気にそれなりの年齢の男性を描く文章としては、男性から見ると女性サイドの願望かなと思える言い回しがあるのですが、だからこそ、この作品の場合、女性の読み手からの感想というか、女性が読んで、どのように感じるか、そういった感想が寄せられるといいなと感じました。

わたしは現実では、男性が苦手というか、ある種、恐怖の対象なので、肩をぶつけたくもないのですが、小説だと、すいすい読めてしまうのは、自分には経験できないこと、書こうとも思おうともしなかったシチュエーションを、文字の上で展開させてくれている面白さにひかれるからだと思ってます。

結婚、離婚について、二人の男性の考え方は違っているけど、根岸くんはある意味、野村くんが結婚生活をまがりなりにも成立させてることに、あこがれの気持ちもあるのかなと思いました。

>「結婚は創造力の欠如、離婚は忍耐力の欠如、そして再婚は記憶力の欠如に基づく極めて愚かなる行為だよ」

文字通りの意味としてとると同時に、反語としても読んでおきたいです。

「想像力とされる(している)ものを欠如させてでも、ほんとは結婚してみたい」というような、結婚という二字を口にすることは、すでにそこに関心をもっていて、こだわっている証拠ですから、だから、結婚できない(しない、するつもりがないと思い込んでいる)根岸くんは、結婚している、再婚すらしてしまっている野村くんに、自分のないものを見出していて、だからこそ、いつもふいに、職場にあらわれて、ご飯に誘いたがるのかなって、そんな風に思いました。

機会があれば、ぜひ、続きも読ませてください。
ありがとうございました!

はるか
106.154.130.214

 そうげんさま

 ありがとうございます。

>トリックスター元型

 トリックスター。二面性のある、規格外にして破壊的な道化役。多面的でかつひょうひょうとしている根岸くんには確かにトリックスターたる資格があるかもしれませんね。前作ではサルトルが老賢者の役を果たしていたような気がするのですが、今作では根岸くんがトリックスターを務める、だなんて、なんだかすごく気づかされました。

>三人の女性を一度に相手にしていることも、顔にのぞかせるイノセントな雰囲気も、甘いものばかり頼んでいる飲み屋での行動も、ふだんから、アンバランスなところがあって、アンバランスさゆえに危うい、放っておけない

 そうですね、アンバランス、そういうことだと思います、両手を広げて道の端っこを歩いてるみたいな、きわきわの危なっかしさ。根岸くんは、いろんな意味で未熟で、片寄っていて、欠落しているのだと思います。サバーンなのかもしれませんね。そういう人物って魅力的なのかもしれませんね。そんな根岸くんを見つめている野村くんという語り手、彼は根岸くんの危なっかしさを割れものの高級食器みたいに扱って慈しんでいるのかもしれないけれど、実は野村くんもまた、非常に危なっかしい、もしかしたら根岸くんより危なっかしい存在で、でもまだそこんとこに無自覚でいるのかもしれません。根岸くんの存在が野村くんを担保している、というか救っている、という展開になるのかも。だなんて思って気がつきましたが、なんのことはない、根岸くんは都筑くんの亜型で、野村くんは比佐子の亜型なのかもしれません。比佐子と都筑くんの角度イコール野村くんと根岸くんの角度なのかも。結局何を書いてもそうなるってことは、あるいは私の中に、守っているはずの対象に守られて存在している一人称、っていう模様があるのかもしれません。「人」という文字みたいに、両者は互いに拠って支えられながら共存しているのかも。ありがとうございます、またまた今回も、そうげんさんとの対話によってテーマを発掘してしまった気がします。今作は前作と違って男性どうしの関係性ですからね、どんなふうに展開してゆくのかわからないけど、もしかしたらちょっと暴力的だったり、攻撃的だったりするシーンも出てきちゃうのかもしれず、話そのものは前作とは似ても似つかぬものになりそうです。でも深海の地形は変わらない。

>相手に深入りできない、深く立ち入らせることを拒んでいる

 これはキーですよね、根岸くんの扉を開く鍵かと思われます。何かあるんですよね、根岸くんの中に。それを覗かせてほしいと私は思うし、読み手の方にもそう思っていただきたいかも。

>二人とも、異性との間に、強い結びつきをつくるには、やや困難な性分を持ち合わせている

 ああ、やっぱりそうでありましたか、根岸くんも野村くんも、なにやらもてていそうなんだけど、実は女性と、というよりも、他者全般と、うまく関係を築いていけないタイプなのかもしれませんね。ほんとうの意味で親密になれないんだと思います。怖いのかもしれませんね、他者や世界が。

>でも、それでもやっぱり、異性の存在は必要不可欠だなと思っていそう

 そうですね、男性だから、やっぱり普通は女性を選択しますよね、親密なる他者として。根岸くんも女性を求めてるんだと思います、ほんとうの意味で親密になれる女性を、でもそれが叶わなくて、ある意味復讐しているのかもしれません、根岸くんのお金や力を目当てに(本当はそんなことなくて、根岸くんがそう思ってるだけだったりするんでしょうけど)近寄ってくる女性たちに。女性に求めて求めきれない親密さを根岸くんは野村くんに求めているのだと思います、根岸くんはなかば自覚的に。一方の野村くんはまだ無自覚です、だから普通に結婚して幸せになろうと思っている、でもなぜだかそれができない。そんな野村くんの体たらくを根岸くんは、いくらか微笑ましく見つめているのかも。だなんて書いて、びっくりしました、この男性たち、見つめ合っている!

>BL

 ですよね、ちょっとその香、しますね、確かに。
『ヲタクに恋は難しい』は存じていないのですが、BLっぽい何かがありますね、今作には。なんだろう、前作にはマザコン、ファザコンの香が漂い、今作にはLGBTな香が漂うだなんて、根岸くんを変態さん呼ばわりしていた書き手こそがもしや変態さんなのでは? とか、作品外にまで影響しかねないインライトメントを得てしまいました。とか記して反省、LGBTの当事者を変態呼ばわりして貶めているつもりはないのです、書き方が変でした、というか、私、変態が好きなのかもしれないし、変態で悪いか? って思うし、だから変態っていう言葉はネガティブな意味で使ってるんじゃないんです。ただ、LGBTというものや、BLというものに詳しくないので、ちゃんと書けるかどうか自信がないのですが、物語がそう転がるならば、上等です、書いてやろうじゃないですか、と勢い込みたい気分でもあります。どうなるんだろう?

>書き手の夢

 書き手の夢?

>ちびちび、ぐびぐび、ごくごく、という擬音語の使い方であったり、エンジェルという言葉を選択されたことだったり、「誰にも蹴られないし。そして誰をも蹴らない」という言葉で閉めているところだったり、その雰囲気にそれなりの年齢の男性を描く文章としては、男性から見ると女性サイドの願望かなと思える言い回しがある

 ああ、すみません、この部分のご指摘、うまく読解できませんでした。ぐびぐび、エンジェル、蹴る蹴られ。ぐびくびで椎名誠さんを、エンジェルで『チャーリーズエンジェル』を、蹴る蹴られで綿矢りささんを連想いたしましたが、その三者に共通の夢を、リテラシーが不足しているのか、イメージできませんでした。

>結婚、離婚について、二人の男性の考え方は違っているけど、根岸くんはある意味、野村くんが結婚生活をまがりなりにも成立させてることに、あこがれの気持ちもあるのかな

 そうですね、根岸くん的には、「なんだよ、僕がうまくいかないのに、野村くんだけうまくいくだなんてずるいよ、野村くんも、僕とおんなじように孤独であってくれなきゃ僕やだよ」って感じなんだと思います。

 入りきらないので、つづきます。

はるか
106.154.130.214

 そうげんさま つづきました。

>「結婚は創造力の欠如、離婚は忍耐力の欠如、そして再婚は記憶力の欠如に基づく極めて愚かなる行為だよ」文字通りの意味としてとると同時に、反語としても読んでおきたい

 まったくそのとおりで、根岸くんは、結婚に憧れていて、でもそれをまっとうできない自分にぶんむくれているのだと思います。因みに、この皮肉めいた、かつ格言めいたやつは、実際に何かで読んで記憶に残った格言で、私が作ったものじゃありません。オリジナルが誰によるのかわからないのでクレジット表記もできませんが、根岸くんが何かで読んで使った言葉ってことにしてしれっと使わせてもらっています。あ、と、そして今気がつきました。誤字がありました。
・誤/創造力
・正/想像力
です。
 本当に、誰が言い出した格言なんだろう、って思って気になって、いちおう今ググったんですけど、あー、そしたらすみません、言い出しっぺの方の名前がありました、しかも肝心の文言、微妙に記憶違いをしていたようで……。正しくは「人間は判断力の欠如によって結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する。 アルマン・サラクルー」でした。アルマンさん、すみません! 推敲して、アルマンさんの名前と、正しい文言を、本文中に、根岸くんの台詞で紹介することにいたします。よくないですねえ、これじゃあ無断改変じゃないですか、怒られます、というより、恥ずかしいです、ああ、書き換えたい!

>「想像力とされる(している)ものを欠如させてでも、ほんとは結婚してみたい」というような、結婚という二字を口にすることは、すでにそこに関心をもっていて、こだわっている証拠ですから、だから、結婚できない(しない、するつもりがないと思い込んでいる)根岸くんは、結婚している、再婚すらしてしまっている野村くんに、自分のないものを見出していて、だからこそ、いつもふいに、職場にあらわれて、ご飯に誘いたがるのかな

 ほんと、そのとおりだと思います。根岸くん、幸せな結婚できるといいですね。

 今回も、すごく参考になりました。丁寧に読んでくださって、的確なご指摘をいただき、ありがとうございました!

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