作家でごはん!鍛練場
瀬尾 りん

林檎の種は芽吹かない

 例年より、暑い七月十日。高二の夏休みまであとちょっとという微妙な時期に、転校してきた女の子。
「比嘉 サヨリです」
 よく通る声で自己紹介をした彼女は、胸まであるまっすぐな黒髪を結ぶこともせず、センターに分けていた。くっきりとした二重と、厚めの唇。名前からも見た目からも、彼女が沖縄出身なのはすぐにわかった。
 私は頬杖をついてその自己紹介を聞き、特に興味もなかったので机の下で操作していたスマートフォンに視線を落とす。その間にも拍手が起こったり、比嘉さんの席はそこね、とか担任の声が聞こえたりした。
 だけど私は一度も顔を上げることはなく、比嘉と名乗った少女が席の横を通り抜けていく風を感じただけだった。彼女は自己紹介の時、ずっと私の顔を見ていた。
 偶然にしても気味が悪かった。スマートフォンには、なんの通知も来ていない。




 学校が終わり、友達に別れを告げて帰路を急ぐ。なんだか無性に早く帰りたかった。校門にまで差し掛かった時、後ろから待ってという声が聞こえた。振り返ると比嘉サヨリだった。
「あなた人殺しだね」
 唐突に放たれた言葉に、ざわりと視界が揺れる。私は慌ててあたりを見渡したが、遠くで部活の声が聞こえるだけで私たちの周りには人っ子一人いなかった。さっきまであった帰宅部の人影もなく、セミの声もない。容赦なく降り注ぐ夏の太陽の下で、比嘉サヨリは涙袋にどす黒い影を作って笑っていた。
「……は?なにそれ」
 私は声がひっくり返らないようにするのが精いっぱいで、唇と脚が震えてくるのを止められなかった。
「隠してもわかる。一昨日、殺したでしょ。おじさん」
 暑さとは別の汗が噴き出した。
「わたし、ユタの血筋だから見える」
「ユタってなに」
 舌がからからに干上がってしまって、それだけしか言えなかった。当たっている、私は殺した。仕方なかった。
「沖縄の巫女みたいなもの。うん、仕方なかったねぇ、かわいそうにね、おじさぁん」
 ひひっ、と笑っているのか歌っているのかわからない口調で、彼女は口を歪めた。走って逃げたいのに足が縫い付けられたみたいに動かなかった。硬直している私の隣を、彼女はゆっくりとした歩調で通り抜けていく。
「誰にも言ったりしないよ、わたし」
 汗一つかいてない横顔が、瞳孔との境目もわからない真っ黒な瞳が私を見て、比嘉サヨリは視界から姿を消した。
「……っ」
 無意識に息を止めていたのだろう。彼女が立ち去って少ししてから、ようやく私は肺に空気を送ることが出来た。地面から引きはがすように足を持ち上げて歩き出す。男の手が地面から生えてきて行く手を阻んでいる想像をしてしまい、吐き気を催した。仮にそうであっても、私はその手を踏んでにじり潰す。それぐらいの覚悟はあった。
 スマートフォンにはなんの通知も来ていない。私は胸をなでおろした。




 とても暑かった七月八日。私は市営住宅の窓を開け放って、なんとか蒸し暑さから逃れようとしていた。まだ下の階であればマシかもしれないが、あいにく家は最上階だった。クーラーがないわけでない。だがうかつに使えない事情があった。
 二日前から母は帰ってこなかった。それはいつも通りの事、別にいい。あの人は何もかもが適当で、財布からキャッシュカードがなくなっていても気づかない程の馬鹿だ。娘である私も確実にその血を引いているのだろうが、幸か不幸か私の方が狡猾だった。母がいなくてもキャッシュカードさえあれば生きていける。暗証番号はずいぶん前に別れた男の誕生日だった。酷く酔っている時に聞いたら普通に聞き出せたので、本当にどうしようもない。
 私が恐れているのは母親ではなく、ここ一週間程家に居座っているカズという五十代ぐらいの男だった。いつも不定期な時間に帰ってきて、私の家なのに我が物顔で私に指図をする。クーラーを入れて昼寝していた時なんていきなり殴りかかってきた。どうも男は私を悪者にして、その躾として体を自由にしたいらしかった。
 二度と帰ってきてほしくない汚物ほど、手元に舞い戻る可能性は高い。その日の深夜、玄関でものすごい音がして私は目覚めた。ガンガンガン! と鉄製の扉が叩かれている。時間的にも相当酔っていることは明らかだった
「ななぁ」
 扉の向こうから声がする。
「開けてくれよぉ、まっくらで、鍵穴わかんねえんだ。はやく開けろ、開けろクソガキ!」
 母が渡した合いカギは持っているはずなのに、酔いすぎて自力では鍵穴に差し込めないようだ。瞬間湯沸かし器みたいに、甘い声を出しているかと思ったらいきなりドスのきいた脅し文句になる。出来れば一生開けたくない、だけど開けなければ酷いことが起こる。
「ななぁ、あけろ!」
 私は嫌々ドアを開けた。酒臭い塊が突進してきて、玄関先で押し倒される。
「ひひっ、ただいまぁ」
 笑うように歌うようにカズは口をゆがめた。全身に鳥肌が立った。
 汚い。触るな。突き飛ばして外に逃げた。ななぁ、と呼びながら怪物が追ってくる。廊下に設置された消えかけの蛍光灯がチカチカ点滅していた。そこに群がる虫の群れ。左右に大きく揺れながら追ってくる、生臭いもの。
「うおぇ」
 途中で吐きそうになったのか、それは廊下の手摺によりかかり吐しゃ物をまき散らした。格子状になっている手摺から汚物は落下していく。お前も一緒だ、お前も汚物だ。手摺に寄り掛かったままの男の背を、思い切り押した。私にこんな力があったとは思わなかった。あっという間に男の体は手すりを乗り越え、下に落ちた。
 ぐしゃ、と鈍い音がしたらなぜだかわからないけど涙が出て息が詰まって、過呼吸みたいに手足の先が冷たくなっていく。部屋に戻って、すぐに警察に電話した。人が落ちました、とだけ伝えた。
 それからのことはよく覚えていない。私は結構正直に話したと思う。うちに出入りしていたという事も伝えた。警察が私を疑わないはずがなかったが、結局はかなりの酩酊状態だったという事もあり、事故として処理されたようだった。もし何かありましたら連絡します、と。だから私はスマートフォンの通知をいつも、いつもいつも、気にしている。
 家に帰りつき、クーラーを入れた。母はまだ帰って来ていない。比嘉サヨリのことを考えた。彼女は私に害をなすものか、否か。それだけが気がかりだった。




 次の日、私は自分から比嘉サヨリに話しかけた。彼女は制服が間に合わなかったのか、私たちとは違う制服を着ているからどこにいてもすぐにわかる。一昨日からずっと正体不明な夢を見ているみたいで、そして昨日突然悪夢に変わったような気分だった。
「じゃあ途中まで一緒に帰ろ」
 彼女は昨日のことなど忘れたようににっこり笑った。私たちは連れ立って教室を出た。
 相変わらずよく晴れて、暑かった。ちゃんと蝉の声も聞こえているのに私はホッとする。いつ私は悪夢の住人になってしまうのかわからない。まだここで生きていたいのに。
 人通りも少なくなってきた頃、私は口を開いた。
「ねぇ、昨日のこと」
「ああ、誰にも言わないって。茅島さんがおじさんを突き落としたとか」
「なんでわかるの」
 彼女は少しびっくりした顔で私を見た。だけどすぐ目の中の光が消える。
「わかる、わかるぅ。おじさん痛かったもん。逮捕されろクソガキって思ったもん。馬鹿だね、血で指紋消えちゃったのに」
 私はユタについて少しだけ調べていた。沖縄にいるシャーマンで、怪我を治したり霊と交信したり出来るんだそうだ。でも、こんな風に気味が悪い存在として書かれてなかった。もっと地域に根差した、守り人みたいな存在であると書かれていた。
「わたしの事、気味悪いって思ってるでしょう」
「うん、でも人殺しじゃない」
「茅島さん、変わってるなぁ」
 いつのまにか蝉の声が消えている。
「そいつ、今どうなってるの」
「どうなるもなにも、死んだでしょ? ひひっ、すっごく怒ってるよ、怖い目にあわせてやるって」
 そっか、怒ってるんだ。なんで殺されたのかわかんないのか。
「じゃあもう一回ぶち殺さなきゃ」
 何度も殺してきた想像と、いったい何が違うというのだ。比嘉サヨリはまた驚いた顔をした。物珍しそうに私を眺めている。
「面白いなぁ、茅島さん。これあげちゃう」
 彼女はカバンを漁って薄っぺらい封筒を手渡してきた。太陽に透かして見ると、紙が何枚か入っているようだった。
「効くかわかんないけどさ、お札。部屋に貼ってみて。茅島さんなら使えるかも。壊れちゃわないかも。そんな人、今までいなかったけど」
 その口調に行き場のない切望のようなものを感じて、私は素直にありがとうと受け取った。なんとなくだけれど、彼女は敵ではないような気がしてきた。もしこのお札が霊避けじゃなくて、もっとナニカを招き寄せるものだったらどうしよう、と思わなかったわけじゃない。
「……」
 それでも私は部屋にお札を貼った。お札は六枚入っていて、普通四隅に貼るものではないかと思ったのだが余らすのもなんだかよくない気がして、床と天井に貼った。
 母は帰ってこない。最長で帰ってこなかったのはどれくらいか思い返したら、三ヵ月いないこともあって今回はまだ一週間も経っていないことが判明した。
 私、柄にもなく心細いのだろうか。そりゃそうか、人ひとり殺してるんだもんな。制服を洗濯してご飯を作り、お風呂に入った。深夜、テレビを付けっぱなしで布団に入った。
 ——微かな物音で目が覚めた。かりかり、と何かを引っ掻くような音。古いアパートだ、ネズミだっている……でもきっと、違う。寝ぼけた頭は母が帰ってきたのかも、とも思った。でもそれも違うとすぐさまかき消した。母なら扉を引っ掻くはずはない。開けて入ってくればいいのだし。
 目を開けたまま私は動かなかった。かりかりという音は扉から消えた、とん、とんと次は天井から音がする。ノックのような音は次第に強くなり、まるで殴りつけるような音に変わった。次第に粘り気を帯びてくるその音は、殴りつけるたびに肉がひしゃげるみたいな感じだった。
 札のおかげか、部屋の中には入ってこれないようだ。しかし臭いだけは届いてきた。生臭く、鉄臭い物体はもはや人型をとどめていないのだろう。塊となり天井に何度も落ちてきた。ぐしゃ、ぐしゃ、ぐしゃ、耳にこびり付いて離れないあの夜と同じ音がする何度も、何度も。
 私は目を閉じて男の背を押した。何回だって出来る。ばらばらになって細切れになったらもう、這い上がってこれないだろう。二度と戻ってきてほしくない汚物を完全に屠るために、私は手を汚し続ける。
 何も、悪い事なんてしていない。




 次の日、比嘉サヨリは私の顔を見てあからさまにホッとした顔をした。あの薄気味悪い笑みを浮かべる彼女と、今みたいに目に光がある彼女と、一体どっちが本物なのだろう。
 言葉を交わさず私は自分の席に座った。後ろからなんで制服変えないのー? という声が聞こえる。
「またすぐ引っ越しだから……」
「おはよ、なな」
「おはよ」
 それ以降の声は友達の声にかき消された。いつも通りに笑ったりするにはまだ少し時間がかかる。不審がられないように、最近は体調がすぐれないという嘘をついていた。
「ねぇ、ニュースで見たんだけど……最近変なことなかった?」
 好奇心を隠しきれてない視線に、私は苦笑した。
「うちのアパートから人が落ちて死んだよ」
「やっぱり! ななのアパートじゃないかって思って……最近体調悪いみたいだしさ、大丈夫なの?」
「うちの部屋の前から落ちたみたいだから。気分悪いよね」
 嘘をつくときは、真実と半分こ。友達は気の毒そうな顔をして、なんか困ったことがあったら聞くよ! と胸を叩いた。彼女の中では、私が殺しただなんて想像は全くつかないだろう。人殺しがこんな風に平然と、自分の間近にいるなんて思わないだろう。私だって考えた事なかった。
 放課後校門のところで、比嘉サヨリが待っていた。
「やった、やったね茅島さん」
「何が」
「もうおじさんいないよ」
 それは吉報だ。彼女は昨日とは打って変わって嬉しそうだった。ちゃんと少女だった。
「比嘉さんって、なんなの」
「ユタだって言ったじゃん」
「それは聞いた。そうじゃなくて、何が目的だったの。怖がらせたり、助けてくれたり」
 話すと長くなるよ、と彼女は言った。話してくれるのと聞いたら頷いたから、私たちはカラオケにい行くことにした。音源をすべて落とした空間で、比嘉サヨリは話し始めた。
 ——まずは茅島さん、ごめんね。怖かったでしょう。でももう大丈夫だよ。おじさんは遠くに行ったから。多分あなたが捕まることもないよ。証拠ないし、あの時おじさん吐いて、手すりを掴んだでしょ? あの指紋から酔っぱらって吐いて、手摺から誤って落下したってなるだろうと思うよ。
 なんでわかるのかって、それはわたしが霊の声を聞けるからだよ。物心ついたころからそうだよ、ずっとずっと聞こえてる。最近は自分でコントロール出来るようになったけどね。わたしのうちは古い古い、ユタの家系なの。お母さんもユタだよ。でもわたしの方が力強い。
 ユタって普通はね、限定された土地で相談役みたいになるの。でもそれは昔の話。わたしのお父さん、転勤族だから色んな所に行く。もちろん沖縄に残ったっていいよ。でもお母さんは嫌だったみたい。悪く言えば閉鎖的だからね、気持ちわかる。
 わたし、茅島さんを助けたかった。転校は六度目だけど、いつもいたんだよ。紛れて、壊れそうな人たち。あんな狭い学校の中だけでも、何人か。でも結局みんな壊れちゃった。人殺して平静でいられる人なんて、見たことがないよ。どんなクズみたいな人間でも、殺しちゃったらみんな壊れちゃう。不公平だよね。
 でも本当に苦しいのは、壊れるまでの過程だって気づいたの。抵抗してる時が一番苦しいんだよ。だから早く楽にしてあげなくちゃって思った。最悪な秘密って誰かに知られた瞬間楽になるんだ。
 わたしには霊の声がわかる。どうやって死んだかとかも、タイミングによってはわかる。茅島さんみたいに戦えない人は、ずっと憑りつかれたままなんだよ。
「どうしてお札をくれたの?」
 黙って聞いていた私は、口をはさんだ、
「わたしだって出来るなら、助けたい。茅島さんなら出来る気がした。どっちにしたって辛い道だけど、選べるなら捕まんない方が良いに決まってるよ。
 馬鹿みたいじゃん、ごみを始末して罰を受けるなんてさ。そう思うのはわたしが狂ってるからなのかなぁって、ずっと疑問だった。茅島さんは、どう思う?」
「同感だけど大人は許さないだろうね。情状酌量とか、正当防衛とか未成年だからとか、守ってあげられるって言うんだろうけど、意味ないよね」
 逮捕された時点で、もう元の日常には決して戻れない。いや、殺した時点で戻れないんだろうけど、自分さえ誤魔化せれば、周りは変わらず日常は進んでいく。問題なのは自分の感情の置き所だけだ。
 比嘉サヨリははぁ、と息をついて固いソファにもたれ掛かった。彼女には悪いが、私にあんな質問をしてもまともな答えなんか返せるはずもない。私はとっくに狂ってるしぶっ壊れてるからだ。
 実行したのは今回が初めてだけれど、想像の中では母が連れてくる色んな男を何度も殺した。凶器は包丁だったり、制服のスカーフだったり、ボールペンだったりした。なんの変哲もない、手元にある日常的なもので人を殺せると知っている私が、普通だなんて誰が思ってくれるだろう。
「来週にはまた、転校しなきゃいけなくなっちゃった」
 比嘉サヨリはさみしそうに笑った。
「友達になれると思ったのに」
「わたしも思った」
 彼女は制服のポケットから何かを取り出し、私にくれた。
「要らなかったら、燃やして」
 その表情から、彼女がそれを燃やして欲しがっていることはすぐにわかった。なんだか難しい漢字が刺繍してあるお守りで、触ると中に膨らんだものがいくつか入っている。
「ありがとう」
 彼女と別れて夕暮れの帰路を歩いた。薄気味悪い時の比嘉サヨリは、霊を降ろしていたんだろうか。真っ黒な瞳は、人間にはない底が見えていたような気がする。あんなことを何回もして、彼女は無事でいられるのだろうか。
 数日後、宣言通り彼女は学校から姿を消した。たった一週間だけの登校だった。意味があったのだろうか。私には、あったけれど。
 お守りは中を改めると、小さな種がいくつか入っていた。なんの種かはわからなかったけど、私はそれをティッシュに包んで火をつけた。種は黒焦げになり、潰した後灰はベランダから捨てた。
 

 母は帰ってこないし、スマートフォンの通知もない。私の日常はまた、続いていく。

林檎の種は芽吹かない

執筆の狙い

作者 瀬尾 りん
110.54.112.89

とにかく薄気味悪い物語を書いてみたかったんですけど……難しかったです。いつもとは違うテイストを意識しました。あまり直接的に書かないように気を付けたつもりなのですが、どうでしょうか……。

コメント

49.98.152.210

前作の感想返しはどうした⁈

ラピス
49.104.27.133

瀬尾さんのは何となく好きで読んでしまいます。
ありきたりじゃなくて面白かったです。主人公の容姿を印象的に書いて、シーン毎の描写をもっと丹念にされれば、もっと良くなると思います。

ゴイクン
121.92.248.232

拝読しました。

>とにかく薄気味悪い物語を書いてみたかったんですけど

とありますが、ホラーファンタジー風で、あまり薄気味悪くは感じませんでした。

 サヨリは、心を痛めている女の子を探してあちこち出かけている感じで、怖いよりも、なんかメリーポピンズ風な印象がありました。

対する「私」は、最近の小説の定番的な女の子の印象ですね。
その心の痛みを和らげるためにサヨリが来る。

怖くはないですが、構図としてはよいと思いました。
文章もすっと入りました。

もう少し描写部分があれば、さらによかったかと思います。
たとえば、こんな所です。

>汚い。触るな。突き飛ばして外に逃げた。ななぁ、と呼びながら怪物が追ってくる。

部屋から出たときの風景がないので、読者が誤解する可能性がありますね。
部屋から出たときの目に入ったことを書いてほしかったように思います。

もっとも次に蛍光灯の点滅やそれに群がる虫が眼に入った様子が描かれていて、これはよかったのですが、それより書くべきことはここが上階だということ、そこから見える風景、つまり外の廊下の高さ、落ちたら死ぬとわからせる高さの描写が必要だったのではないか、と私は思いました。

そういう客観的なことを、一人称できちんと知らせておくのも、怖さを出す秘訣の一つと思います。

なお、最後に種を渡す。確か、これは何の種か描かれていませんでしたよね。それとも描かれてましたっけ。

でも、タイトルから林檎とわかるわけで。
林檎が小説に出て、何か意味ありげとなれば、真っ先に浮かぶのがエデンの園。で、罪深い果物、かな、と思う。
でも、もし林檎で何かイメージさせるのなら、西洋ではエデンの園だけじゃなくて、トロイ戦争も林檎のせいだし、まあ、これも罪の意味があるかもですが、もう一つはウイリアムテルの林檎。反逆でしょうか。

なので、私はここの林檎を人の持つ原罪のようなものと取りましたが、そうなら男殺しを罪と取らないで、「私」の行為は人の自然な姿と思っていのかな、と考えたり。
もうちょっとヒントがほしかったです。

面白いかどうかは別にして、よくできていると感じました。
参考になれば、それでは。

瀬尾 りん
110.54.112.89

魂さま
既に五面ぐらいに落ちてしまっているので、コメント返しは控えさせて頂きました汗
申し訳ないです。

瀬尾 りん
110.54.112.89

ラピス様

主人公の容姿……一人称でいつも悩む所なんですよね。意識高い子ならおしゃれ描写出来るんですが、本作の主人公はなんかカッサカサなイメージで書いたもので汗
面白いと言って頂けて嬉しいです。ですが当初の着地点とは全く違う結末になってしまいました……。
描写足らずでしたか〜難しい〜!説明しすぎてもたるんで怖くなくなるしなぁ、と考えて素っ気ないセンテンスで書いてみたんですよ!失敗しましたね。

49.98.139.71

>既に五面ぐらいに落ちてしまっているので、コメント返しは控えさせて頂きました汗
申し訳ないです。


一言感想欄で謝れば済む話です。
コメントを控えるのは、得意先のメールを返信しないのと同じで失礼です。
それで謝るのは私にではなく、感想を書いている5名の方々にです。

瀬尾 りん
110.54.112.89

ゴイクン様


本当はサヨリは最後まで気持ち悪くて、主人公に不快感を与え続ける人間でなければならなかったのに、どこで間違ってしまったのでしょうか。
どうにも私は狂信的なハッピーエンド中毒のようなのです。悲しい事です、こんなのじゃ一生理不尽なホラーとかサスペンスなんて書けません。大好きなのに。

なるほど、落ちる時の描写ですか……今思いつくのは、

 廊下に転がるように出ると生ぬるい強風が頬を嬲った。灰色に囲まれた廊下を駆けるが、足がもつれてうまく進めない。後ろから左右に体を揺らしながら追いかけてきた男はバランスを崩し、手すりにつかまり盛大に闇へ吐しゃ物をまき散らす。私は身を翻して来た道を戻り、チカチカ点滅する蛍光灯に忙しなく瞬きをしながらその背中を思い切り押した。
 お前も汚物だ、お前も落ちろ。男は吸い込まれるように奈落の底へと消え、ぐしゃりと鈍い音が地面から反響した……。

もうちょっと推敲すればマシになるかもですが、確かに危機的状況で逃げる時ってスローモーションみたいで、結構細かいことを覚えてるものですよね。勉強になります。ありがとうございます。
作中に林檎の種の描写は出してないですね。なんかサヨリに説明させるのも嫌だったし、主人公も種見ただけで林檎の種だ!とかわかるわけないので書きませんでした。
ゴイクン様の言う通り、私は罪の象徴として使いました。ただ後で調べたら、林檎の種には毒があるそうです。林檎の種が芽吹いたらそれは罪の始まりですし、主人公を苦しめる毒にもなったのかもしれません。
ただ主人公は壊れてるので、種を燃やし、それは芽吹くことはなかったという結末でした。そしてサヨリ自身も主人公に救われたという感覚で書きました。

余談ですが、ゴイクン様の小説何度か拝見させて頂いております!ベトナムの雑多な描写が上手くて、人情とか賄賂!のある物語を書いていらっしゃいましたよね?私は感想を書くのが苦手で、あの作品に感想を書けと言われたらもう面白い、好き!としか言えないのですが、こんな所で書いてすいません……。ちなみにオヤジとユンちゃんが好きです。こーあんも好きです。みんな幸せになってほしいです。

瀬尾 りん
110.54.112.89

魂様

仰る通りなのです。なのでその方たちの反応を待ちたいと思います。
ありがとうございました。

49.98.139.71

>なのでその方たちの反応を待ちたいと思います。

反応待ち? 反応などないと思いますけど。反応があれば謝る、反応がなければ謝らない。こんな理屈は子供です。

1/2
49.98.139.71

この小説を大枠で捉えると、主人公が殺人を犯したことと、それを知りうるユタが主人公を護り寄り添うこと、という二つの設定のみに終わっています。

前作も読みましたが、主人公が受動的かつ護られていることが共通点であり作品の弱みでもあると同時に、わからないことを追求する姿勢がないので、今作も情状酌量に対する考察だとか自首すべきかどうかとか考えることはたくさんあるはずなのに、そちらへの熟慮された展開はありません。

前作で一部の方に返信をしていないことは失礼とかそういうこと以上に、作品内で主人公がまさにそういう態度をとっており、主人公が作者の投影とするならば納得できます。まあ意地の悪い偏見ですが。

かもみー
49.98.139.71

まあ正直感想返しってだるいよね

的外れな感想でも媚びへつらったりしないと態度悪いとか言われるしな

というか感想返しの意味って何だろね

感想もらった時点で、もうそこで読者と作者の意思疎通(意見交換)はほぼ終わってるんだよね

まあ私なら投稿するときに感想返ししませんて宣言しておくかな

瀬尾 りん
182.251.232.20

遅くなってすいません。
色々考えたんですが、やっぱりわたしの中にある種のおごりがあったんだと思います。鍛錬場に2年ぐらい投稿させて頂くその中で、好意的な意見をもらうことも多かったので恥ずかしい限りです。
お前こんな作品で驕ってたんかいと呆れらるかもしれませんが、真実なのでなにも言えません。申し訳ありませんでした。
私は常々作品人物と作者自身を照らし合わされてしまうことは、本当に勿体ないなぁと思っています。作品に魅力がないからと言って、その人自身にも魅力がないと言われてしまうと創作人はどうしようもなくなってしまいますので。
今回のケースは身から出た錆です。ご不快に思われた方すいませんでした。
かもみー様、ただ感想はいらないとなると、鍛錬場の意味が消え失せてしまうのでそれは違います。いろんな人の意見を聞いて作品は成長します。
前作の感想についてもきちんと返信をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

かもみー
49.98.139.71

料理人の料理が不味くても、料理人の人間性までは否定できないよね

感想がいらないんじゃなくて、返信の必要性って薄いよねって話

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