作家でごはん!鍛練場
ジョニタ川デップノ介

走るメロヌ、河童に会う

私はメロヌ。
悪い王を打ち倒そうとしたら捕まったりして何やかんや友(セリヌンティウヌ)のために走っている。
妹の結婚式も終わった…これで私はもうこの世に未練はない…

後は死ぬだけだ……

ん?

全力で走る私の横に謎の緑色の生物が並走している…

「誰だ貴様!…まさか王の刺客か!例え何があろうと私は止まらないぞ!」
そうだ…私のこの身はもうセリヌンティウヌのためだけにあるのだ…

緑色の生物はキョトンとした顔で
「私は君がなぜ走ってるのか気になっているだけだ…理由が聞きたいから止まってくれないか…」

何…王の刺客では無いのか…言われてみればあの王がこんなへんちくりんを使うわけがないな…まだ昼だし…少し止まってもいいな…

「そうか、勘違いをしてしまったようだ…私はメロヌだ。少しだけなら話そう…」

「君の名はメロヌと言うのか、私の名前は…カッパと呼んでくれ」

そしてカッパは少し自己紹介をしてから、本題に移った。
私は走っている理由について話すと、カッパは不思議そうな顔で口を開いた。

「なんで君は自分の命をそう投げ捨てる必要があるんだい?人間は自分の命を大切にするんだろう?」

「確かにそうかもしれない…だが私は友人を見捨てて生きることは出来ない…そして王の思い通りにはなりたく無いのだ!」

カッパは笑い出した。
「メロヌは命より美徳を優先するのか!しかし人間はよくわからん嘘をつくからなあ…」

「何!そんなことはないぞ!そう言うならば今日貴様に嘘偽りのない赤く輝く私の心臓を見せてやる!ついてこい!」
相変わらずカエルは笑っている。
メロヌは拳を高く上げ





近くのタクシーを止める。

「すいません、シラクスの刑場まで、二人ね」

タクシーは走り出した。山賊を吹き飛ばし濁流の中を突き進み…


「本当にこれでいいのか?」

「どうしたカッパ、私はもう覚悟はできているぞ」

「メロヌは若いだろ。まだやりたいことはたくさんあるんじゃないか?」

「何を言う!カッパ、あの夕陽が見えるだろう!きっとあの光は私の覚悟を祝福しているのだ!」

カッパはメロヌの強い意志を受け取ったように深く頷いて
「分かった…メロヌは素晴らしい男だ…できれば一緒にあの店に行きたかったよ…」

そう言ってカッパはキャバクラに指を差した。



「運転手!ここで降ろしてれ!」






セリヌンティウヌは激怒した。
邪智暴虐の王が遣わした運転手の言葉を聞いたのだ。
セリヌンティウヌには仕事もある。一応政治もわかる。そして何より正義感が強かった。

必ずあのメロヌをしばかねばならない。王は運転手の話にドン引きしながらセリヌンティウヌを解放した。

そしてセリヌンティウヌは友を制裁するために走り出したのだった

走るメロヌ、河童に会う

執筆の狙い

作者 ジョニタ川デップノ介
113.150.93.225

特にないです。この話に深い意味は無いです。強いて言えば芥川龍之介さんと太宰治さんリスペクトです。王の存在感が薄くなってしまったのが今回の反省です。

コメント

そうげん
121.83.151.235

>必ずあのメロヌをしばかねばならない。
町田康さんっぽい言い回しで笑いました。
河童が出てくるから、すこし頭のねじが飛ぶのかと思ったのです。
コントとして、楽しませてもらいました。

豆腐ささみ
101.102.214.164

ジョニタ川デップノ介 さま

途中、カッパがカエルになってますよ(小声)
「運転手!ここで降ろしてれ!」……てれ!ってなんですか(小声)

兎にも角にも、面白い流れとオチです。
もう少し、読点がほしい気もしますが、元作品と雰囲気を考えれば気にすることでもないですね。
読みやすいショートでした。私も楽しませて頂きました。

ジョニタ川デップノ介
113.150.93.225

>そうげん様
出来るだけ独特な雰囲気の文を書くことに力を入れて書いたのでそう言っていただけると嬉しいです!
楽しんで読んでいただけたようで何よりです!
>豆腐ささみ様
あっ、本当ですね…大事なところで抜けてますね…ご指摘ありがとうございます!
楽しんで読んでいただけたようで何よりです!

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