作家でごはん!鍛練場
五月公英

半信半疑

 校長 中山美江子

「ご多用にも関わらず、ご来賓、保護者の皆様のご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。
 新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。今日からみなさんは伝統あるS中学校の生徒です。一週間と待たずに新しい環境に慣れ、充実した学校生活を送れるよう願っています。幼かった心と体を鍛え、友情を育み、『誠実・信頼・温応』を理念とし、勉強、運動、そして学校や地域の活動に励んでください。
 みなさんの初々しいお顔を見ていると、おかっぱ頭の中学生だった頃が懐かしく思い出されます。今から四十数年前、私も新しい制服に身を包んで背筋をのばし、期待に胸をふくらませてこの校門をくぐったのです。
 そこで、当時を振り返りつつ校訓でもある『温応』についてお話ししたいと思います。これは<温かい心で対応する>という意味です。

 中学二年生の冬。私は自分の不注意で左足首をねん挫してしまいました。陸上競技を得意としていて一か月半後の校内長距離走大会を楽しみにしていたものですから、とてもがっかりしました。
 けれども大会が近づくにつれて徐々に快方へとむかい、やがて湿布もとれてお医者様からも出場許可がおりました。
 そうしていよいよ当日の朝。私は、二キロメートル先のゴールをめざして走りだしました。
 思いどおりのペースを守り、快調にとばして橋を渡ったところまではよかったのですが、一キロメートルを過ぎたあたりから足首が痛くなってきました。軽いジョギングくらいにペースを落としても痛みがひきません。あとからきた子たちに次々と追いぬかれて泣きたい気持ちになりました。
 患部をかばいながら棄権しようかどうしようか迷っていると、同級生でお友だちのA奈さんがこちらの調子に合わせて並走しています。
 彼女の友情は涙が出るほどありがたいものでした。しかし大会の順位は体育の成績に関係するので、もうしわけない気分になります。
『A奈ちゃん、私にかまわず先に行って』
 私は彼女の肩に手をやってそう促しました。
 でもA奈さんは『美江ちゃんを見捨てて行けないよ』とゆずりません。そればかりか『がんばれ、がんばれ』とはげましてくれます。
 優しく力強い声援を受けて胸がいっぱいになった私は『A奈ちゃん、わたし、あきらめないよ。絶対にゴールするんだ』と誓いました。
 それから私たちは、枯れ田を渡って吹きつけてくる冷たい風にあおられ、胸を突くけわしい峠を越え、あえぎながら川沿いの砂利道をたどり、ついにふたり並んでゴールしたのです。
 最下位ではありましたが、そんなことはどうでもいいと思えるほど私たちは感動し、お互いに手をとり合って泣きました。
 足を痛めた私に、A奈さんは温かい心で対応してくれました。おかげて私はがんばることができたのです。
 その日、私は『温応』のすばらしさと、ありがたみをA奈さんから学びました。

 みなさんも、これからの三年間で『誠実・信頼・温応』を見つけてください。
 校訓を胸に新しい世界へ羽ばたこうとしているみなさんのためなら我々教職員は努力を惜しみません。分からないこと、困ったことがあれば、ためらわずになんでも相談してください。
 保護者の皆様、お子さまのご入学、おめでとうございます。
 生徒の可能性を信じ、それぞれが人格の向上に努めることができるよう、教職員一同全力を挙げてサポートしてゆく覚悟でいます。どうか本校の教育活動にご理解とご協力を賜りますようお願いして式辞といたします」



 S町町長 西原隆

「本日はご入学おめでとうございます。
 十三歳から十五歳といえば、人格を磨き、識見を広める重要な期間といえます。一日たりともおろそかにできません。そこで私からひとつお話しがあります。

 最近、わき見運転や、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる自動車事故が問題になっています。報道では、運転手がよそ事に気をとられるか、パニックになるかしてコントロール不能な状況に陥ったことが主な原因とされているようです。
 これは他人事ではありません。
 令和の現在、インターネットの利用者数増加とスマートフォンの普及により、平成時代にも増して情報を入手しやすい環境となっています。それらの情報は有益なものばかりとはかぎりません。あちこちにいかがわしい画像や記述が氾濫しています。よほど気を引きしめていないと有害な情報に惑わされて心身の制御を誤り、その結果、人生の落伍者となりかねません。
 
 みなさんの中には世の中に関心を向けはじめている子もいるでしょう。どうか、わき見をせずに善悪をしっかりと見極め、頭のブレーキとアクセルを的確に操って常に正しい道を進んで行けるよう心がけてください。
 みなさんの人間性の発展に期待しています。
 以上をもちまして、お祝いのあいさつとさせていただきます」



 PTA会長 市川正雄

「PTAを代表し、お祝いの言葉をもうしあげます。
 新入生のみなさん、入学おめでとうございます。
 みなさんの姿を見ていると、坊主頭の中学生だった頃を想い出します。四十年ほど前になるので、みなさんからしてみたら大昔ですね。当時はパソコンやスマートフォンがまだ無くて、SNSはおろかインターネット環境も整っていない時代だったこともあり、思春期を迎えた者にとっては学校が情報交換の場となっていました。登校していれば必要とする情報が得られる、というわけです。
 そこで<思春期を迎えた者が必要とする情報>についてお話ししたいと思います。みなさんの生活にたいへん関わり深いことなので、よく聴き、そして記憶してください。

 私がオナニーを覚えたのは精通の後でしたから……一年生の初夏だったと思います。その頃は皮がむけきっておらず、恥ずかしながらほぼ包茎の状態でした。
 夜な夜な自室の押し入れからいやらしい雑誌を持ち出してきては座布団にあぐらをかき、裸の女性が微笑むグラビアをオカズにして貧弱なペニスをいじっていました。
 あの……みなさん、驚かれているようですが、少し落ちついてください。私はふざけているわけではありません。大まじめです。とても重要なことなのであえて語っているのです。ですから、どうか真剣に聞いていてください。
 おい、生徒会長、うろたえるな。おとなしく座ってろ。
 では、続けさせていただきます。
 中一の私は、部活をともにするK君のアドバイスを信じてひたすらオナっていたわけですが、彼が言うほど気持ちよくなりませんでした。尿道付近に軽く触れただけで背筋が反り返るほどの過敏性でして、これに加えて勃起しかかるたびにカリの裏側に貼りついていた皮の一部が引っ張られ、むりにこすると激しく痛みます。
 聞いていた快感とはほど遠いので、フル勃起へ至らずにため息をもらして断念することもありました。陰毛も生えかけのちょろちょろでなんとも心もとない。
 また不慣れなこともあって、昼となく夜となく夢精をしました。
 夏休みの夕方、リビングのソファーで横になっていたらいつのまにか寝入ってしまい、淫らな夢でも見ていたのか恐ろしいほど大量に射精しました。
 下半身に快感とも鈍痛とも形容しがたい違和感を覚え、息を荒げて目覚めたところ、パンツの前がぐっしょりと濡れています。さらには腐った卵と酢のものをぶちまけたような臭気が鼻をつきます。
 親が帰宅するまでになんとかしたいとあせるのですが、腰が抜けて起ちあがることができません。全身汗びっしょりのうえに二足歩行が困難となった私は、ナメクジみたいに廊下を伝い這って浴室に転がり込みました。
 勉強机の上にはクラスの集合写真が飾られています。その右端上段では、かわいらしい女の子がまぶし気にこちらを見つめています。中学にあがってから交際をはじめた美江子さんです。まじめな優等生に机上から見下ろされて自己嫌悪に苛まれたこともありましたが、自慰修行は大人になるための試練ですから投げ出すわけにはまいりません。
 やかましい虫の音に気をとられながらもトライ&エラーをくり返し、殺気立った頭で奮闘しているうちにしつこかった皮がきれいにはがれてなんとか勃つようになりました。目を閉じていても指の腹に伝わる微かな感触だけで力かげんを制御できます。そこからニ三度射精をかさねて絶頂感を得ると、もう歯止めは効きません。体じゅうに力がみなぎって猛り狂った鬼神のようになり、むき出しの下半身をコタツにうずめては熟練の和菓子職人を気どった手さばきでペニスと睾丸をこねくりまわしていました。
 冬のある日。K君がロキシー・ミュージックのアルバムと一緒にセクシー女優のヌード写真集を貸してくれました。 
『Love Is The Drug』だったと思いますが、はじめて耳にする小気味よいビートに青くさい脳を揺さぶられ、童顔モデルの裸体を食い入るように見つめているうち、ふと目が集合写真の美江子さんへ飛びました。
 華奢な体と小ぶりな胸が似通っているからか、小造りのしゅっとした顔つきまでダブってきます。
 それまでは淫らな気持ちで美江子さんを眺めたことがなかったので我ながら驚きました。けれども想い描いたのは裸の上半身だけで、局部は黒っぽい逆三角形としか想像できません。無修正ものを目にしたことがなかったのです。
 火照った頭ですごしていたせいもあるでしょうが、グラムロックスターにあこがれて髪をのばしはじめた二年生の春、美江子さんとファーストキスをしたときには思わず知らずペニスが反応してしまいました。
 授業後の校舎裏で唇がぎこちなく触れ合い、こんにゃくと豆腐の中間のような柔らかい感触が伝わってきたのをきっかけにジャージの股間がムクムクとふくらんできます。私は両手をポケットに突っ込むと、スニーカーの汚れを気にするふりをして身をかがめました。
 また部活の時間ともなれば、すでに童貞を卒業していたK君が『もたもたしてねぇで美江子にやらしてもらえばええやん。だめなら俺みたいにS美を抱いたらいいし』などと経験者の高みから焚きつけてきます。
 それができれば苦労はしません。美江子さんを傷つけたくないので無理強いは避けたい。かといってさせ子のS美さんにたよれば美江子さんの愛情を裏切ることになる。どう考えても初体験の相手は美江子さんしかいません。
 はじめは断られるでしょう。不審な目を向けられるかもしれません。それでも保健の教科書を読んでいるはずだし小学生でもないのできっと解ってくれると信じ、むこうの心の準備が整うまで辛抱強く待つことにしました。
 来るべき時に備えてゴムを入手し、性交の解説本でマナーを学習して交渉のタイミングを見はからっていた師走の午後、K君がエロ雑誌の創刊情報をもってきました。
 翌日曜日。早くオナりたい私とK君は期待に股間を駆り立てられて市内の書店へ自転車を走らせました。
 そのグラビアが予想をしのぐエロさで息子ともども感激したまではよかったのですが、購入の場面を同じ学年の男子に目撃されていたらしく、翌日登校するなり同級生の西原隆君らに『俺らにも見せてくれ』とせがまれました。不運なことにこの件が一日にして他のクラスへ伝わった様子。
 別クラスの美江子さんに知られたかもしれないとあせった私は、帰途の通学路で彼女をつかまえました。
 そこで、部活の先輩に買ってこいといわれ、断れなかった、とうそをついてごまかそうとしましたが、きりだす前に、いそがしいから、と冷たくあしらわれてしまいました。
 次の日、美江子さんの親友であるA奈さんを介して粉雪舞う校舎裏へ呼びだそうとしました。しかしこれもすっぽかされました。電話もだめです。彼女の母親がとり次いでくれません。
 こうなったら手紙しかないと便箋を用意し、書いては丸め、また書いては破りして泣きたい気分で夜を明かしたその朝。学校の便所でクソをして出てきたところを同級の男子に呼び止められました。彼は、女子らの間で私とK君が変態呼ばわりされていると言います。
 絶望のあまり返す言葉もない私は急いでその場を離れ、彼女に手紙を渡すことなくK君を誘って早退しました。
 顔をゆがめたK君と重々しい口ぶりで愚痴りつつ家路をたどります。家に置いておけないきわどいエロ本を隠していた神社に立ち寄る気にもなれません。
 彼と別れて帰宅した後、私は泣きながら激高しました。
 染みだらけの座布団に濡れた顔面をこすりつけ、安易に近場の書店を利用してしまった軽率を責めたてます。それからギターのアンプを蹴り上げ、一年生の集合写真を破り、激情にまかせてわめき散らしました。
『エロ本なんか男のほとんどが見てんのに、なんで俺らだけが女に嫌われるんだ? そもそもフラれるほどのことか?』
 男子の性について理解が無いにもほどがあります。私はひどく混乱し、身動きが取れなくなってしまいました。
 こういった空気でしたから、美江子さんとの和解もかなわず、それっきりとなりました。
 彼女は小学生時代から少女漫画雑誌の熱心な読者で、ヒロインのような恋をしたいと語っていたそうです。中学を卒業した数ヶ月後、高校の最寄り駅で立ち話に応じてくれたA奈さんからそう聞かされました。
 ……実は、私とK君は中学入学直後の四月に人命救助をしていまして。偶然ではありましたが、野池にはまって溺れかけていたお爺さんを救っていたのです。後日、警察に表彰されて新聞記事にもなったので校内でもそこそこ話題になりました。そのときは美江子さんも感心した様子だったのですが――エロ雑誌一冊でチャラです。
 それで……中学二年生の冬に話をもどすと――途方に暮れた私はK君の口利きにたより、異性で唯一の理解者にすがりつきました。タガが外れたように、うなされたように、S美さんの体を求めました。
 胸がちゃんと張り出して適度にくびれがある大人びたボディになんどお世話になったことでしょう。とくにバックがよかった。片手でケツを抱えてハメたまま別の手の鼻水をぬぐった指で彼女の背筋をなぞり上げる。と、くすぐったいのかアナルがひくついてあそこがキュウキュウ締まります。これも温応というやつでしょうか? ただ、一発につき二千五百円とられましたが――。
 こづかいだけではとても間に合わないから、万引きしてきた小型アンプとエフェクターを売りさばいて工面しました。当時はきつかったけど、今思えばバーゲンプライスです。実にありがたい。
 A奈とも高校時代になりゆきで関係しました。彼女は流行りはじめていたパンクブームを知らないカスでした。そのうえ、たいしたツラでもないのにお高くとまっていました。煙草臭いと言ってはキスを拒む。舌先でマン毛をかきわけて丹念になめてやってもフェラしてくれない。有名校の生徒であることを鼻にかけて交尾中以外は威圧的な態度をくずしませんでした。可愛げのない、つまらん女です。
 とまあそんな日々を送ってきたのですが――中学生はヤらないほうがいいですよ。とくに女子は。合意だとしても、です。援交もひかえましょう。紳士面したロリコン野郎に中出しされたら最悪だし、同窓会に出づらくなります。
 どうしてもヤリたければ男にゴムをつけさせましょう。恥ずかしがってないで、ちゃんと装着してるかどうか、その目で確認してください。なんなら口でつけてやれ。あとは外れないていどに楽しんだらよろしい。
 決してセクハラ発言ではありません。<生きている者は必ず死ぬ><快食快眠腹八分目>これと同じ一般常識でして、私はみなさんにとって有益な情報を提供しているのです。
 少女漫画のヒロインやアホな教職員みたいに性欲から目を背け、正義ヅラしてきれいごとばかりほざいてる者こそ役立たずです。そんな狂人が誠実だといえますか? 信頼できますか?
 きれいごとといえば――校長先生のお話も不可解です。陸上競技を得意としていたとは初耳です。吹奏楽部だったと思っていましたが……いや、まあ、それは置いとくとして、――内容についてですが、足首を痛めた美江子さんがさっさと棄権していればA奈が最下位になることはなかったでしょう。A奈の言動も友情をはき違えた自己陶酔に思えます。友だちなら美江子さんの足首の悪化を心配して棄権をすすめるはずですから。ねん挫していたのを知ってたんだからなおさらです。子供じみた情にほだされて筋道を誤っていませんか? 
 それと――当時、少女漫画ファンのおふたりと、エロ本が大好きだった西原君はいわゆるスクールカーストの最上位に君臨していましたよね? 生徒会の選挙活動など内申点に関わる行事だけはご熱心で、ぱっとしない地味な生徒の苦悩などいっさい気にかけないタイプだったと記憶していますが? 
 立場上、善人を気取りたがるお気持ちは分からないでもないですが、これはひどすぎます。まとめの文句もイヤラシイ。なにが<人格の向上に努めることができるようサポートします>ですか。なにが<善悪を見極めて正しい道を行くよう心がけてください>ですか。その思い上がった愚かな自信はどこからくるんですか?  
 友情なんかクソ食らえです。馬鹿馬鹿しい。そんなものを押しつけられたら迷惑千万。周囲の者が変に気づかうようになったらSNSをふくめて社会への耐性がなくなってしまいます。我々は悪口を言い合うことによって精神を鍛え、正気を保っているようなものですから。悪口をズバズバ言われてやっと気づくことだってあるでしょうに。
 K君とは腐れ縁でして、学生時代にバンドを組んだり、ケンカ別れしたり……と思えばふたりで旅行に出かけたこともありました。で、今に至っているわけですが、美江子さんとA奈に見られるベタベタした気色の悪い友だち感覚ってのはありません。酒の席で口論になっておしぼりを投げ合うことも度々でして。
 彼が尿管結石で入院した際、ぶらりと見舞に行きまして、そのときも『死ぬわけじゃねぇんだから、いちいち来るな。こんど来やがったら尿管結石うつすぞ』って脅されました。
 だいたい人間同士の深いつながりってのはちょこっと声をかけ合ったくらいで得られるもんじゃない。そんなのは自然に任せておけばいいんです。不幸にして生涯消えない傷を負ってしまった者は同じ地獄を見た者にしか心を開かないと聞きます。友情ごっこして遊んでるひまがあるんなら火葬場か葬儀場へ行って一年ばかし研修してきたらいい。
 とまあ、大人はこんなふうに勝手なことばかりわめいています。情報過多な時代を生きるみなさんは、なにを信じたらいいのか分からずに迷っていることでしょう。いや、みなさんだけじゃなくて大人もそうなんです。先生だって保護者だって解ったような顔をしているだけ。PTA総会なんて私をふくめてアホばっかなんで、いつもグダグダです。
 ただ、今の自分に言えることがあるとすれば<なんでもかんでも鵜呑みにしない>ということ。私としては『半信半疑』を校訓にしたいくらいです。
 ――やっ、ずいぶん長くなってしまいました。このへんで止めておきます。
 教職員の皆様、以上を踏まえたご指導をよろしくお願いいたします。
 そして、保護者の皆様、お子様のご入学、心よりお祝いもうしあげます。ご来賓の皆様におかれましては、お忙しい中ご出席を賜り、厚く御礼もうしあげます。
 ちなみに、人命救助したって話はうそです。万引きの常習犯だったのと、早朝の学校でクソをしていたのはほんと。ごめんなさい。 
 終わりに――ここ体育館の南土手では、開校時に植樹されたというしだれ桜が見事に満開で、みなさんのご入学を歓迎しているようです……なんてことを馬鹿なやつが真顔でほざきそうですが、私はそんなこと言いません。
 桜は身をよじりながらせせら笑っています。その、あいつらまだ鵜呑みにしてやがる、とでも言いたげな咲きっぷりを遠い老眼で愛でつつ新入生諸君の無事を祈ってお祝いの言葉とさせていただきます」



 生徒会長 田中亮介

「満開となったしだれ桜が暖かい風になびいて、みなさんのご入学を歓迎しているかのようです。
 このたびは、ご入学おめでとうございます。僕たち在校生も大歓迎です。
 ホームページをご覧になった方はご存じかもしれませんが、生徒会では『声かけ運動』への参加を呼びかけています。
 これは、あいさつだけではなく、悩みの相談をし合ったり、励まし合ったりと、生徒間の心の交流を促進するたいへん有意義な活動です。
 上級生や初対面の人とでも積極的に声をかけ合い、すてきなお友だちをたくさん作りましょう。
 新しい環境でとまどうこともあると思いますが、一日も早く学校生活に慣れてさわやかな笑顔をふりまいてください。
 それでは、みなさんのご活躍を心よりお祈りしてお祝いのあいさつとさせていただきます」


 おしまい。

半信半疑

執筆の狙い

作者 五月公英
60.44.19.158

 校長とPTA会長の体験談は1970年代後半を想定しています。時代考証、言葉使いにおかしなところがあればご指摘を。
 当時の中学生は男女で交換日記をしていたそうですが、やり方が具体的にイメージできなかったのでスルーしました。
 バレンタインデーについても当時一般的だったかどうか定かでないので記述を避けました。

コメント

大丘 忍
153.186.197.93

 PTA会長の話。男は中学に入るかどうかの頃にオナニーを覚えることが多いようですね。私の経験もそうでした。けれど最初から射精しオルガスムスがあったように記憶しております。
 彼女ができてセックスするようになるとその必要はなくなりましたが。

 セックスは何歳まで出来るのか? 高齢になった経験の無い若い方には想像も出来ないようですね。男女ともかなりの高齢、例えば70歳以上でも十分に可能ですが、そんな人は日本人の場合は一部に過ぎないでしょう。
 女性の多くは、更年期近くになると膣粘膜が萎縮し、濡れなくなるので嫌がってセックスレスになる人が多いのですが、それを上手く乗り切ると、セックス好きの老女になりいつまでも若々しくセックスを楽しむ事が出来ます。これを「キモイ」と思う若い女性がいるかもしれませんが、高齢になってもセックスしたほうが若さを保つにはいいのですよ。

 話がそれて失礼。

偏差値45
219.182.80.182

>S町町長 西原隆
>生徒会長 田中亮介

ここは要らないと思いましたね。
その理由は大して面白くないですし、途中挫折もあり得るからです。
それはもったいないですよね。
最後の生徒会長の内容は蛇足に近いかな。
全体的には真面目に書いてるのですが、
面白さのエッセンスが薄い感じなので、
文章量を減らして濃くした方が良いと思いましたね。
 
>校長 中山美江子
>校長PTA会長 市川正雄

この二人の話をよりリンクするように、
会話を並べた方がいいかな。
その上で全体的なアレンジは必要かもしれないですね。
とはいえ、それらは「自分だったらそうする」ということなので
気にする必要もないです。

五月公英
61.112.182.127

大丘 忍様

>女性の多くは、更年期近くになると膣粘膜が萎縮し、濡れなくなるので嫌がってセックスレスになる人が多いのですが、それを上手く乗り切ると、セックス好きの老女になりいつまでも若々しくセックスを楽しむ事が出来ます。これを「キモイ」と思う若い女性がいるかもしれませんが、高齢になってもセックスしたほうが若さを保つにはいいのですよ。

なるほど。ローションを巧く使えば死ぬまでイケますね。
私は生まれてこのかたセックス好きの老女になったことがないので、勉強になります。
大丘先生を母校の中学校のPTA会長に推薦します。
入学式で、卒業式で、ぜひとも熱弁をふるってやってください。
もしくはアダルト動画のプロデューサーなどいかがでしょう?
『変態おばあちゃん。深夜のマツタケ狩り!』シリーズなどストライクと思われます。

ありがとうございました。

五月公英
61.112.182.127

偏差値45様。

>それらは「自分だったらそうする」ということなので
気にする必要もないです。

いえ、おっしゃるとおりだと思います。
町長と生徒会長のパートはばっさり削っても問題ない、どころかそのほうがスッキリします。
『東京03』のコントをイメージしていて、尺を稼ぐ方向に頭が行ってしまったようです。
すみません。

ありがとうございました。

hir
210.133.217.148

 校長先生の話のつまらなさがよく表現されている。と言えば良いのでしょうか。
 なんだかんだと結論を押し付けて、好奇心を見事に削いでくれます。
 中学生なら動物に対する残虐性を面白がれるくらいには成熟していると思うので、スズメバチの殺し方を話すべきかもしれません。

五月公英
60.40.180.129

hir様。

>中学生なら動物に対する残虐性を面白がれるくらいには成熟していると思うので、スズメバチの殺し方を話すべきかもしれません。

そういうのはハナから狙ってないです。他の作家様がとっくにやっちゃってるでしょう?
ブコウスキーみたいなのはブコウスキーじゃないと書けないし。

中途半端にひよったせいでしょぼくなってしまいました。すみません。

ありがとうございました。

五月公英
60.40.180.129

hir様。

追記。

拙作のターゲットは(本人の自覚無自覚を問わず)少女漫画中毒患者です。
PTA会長の発言内容は、成人男性ならばだれもが知っている、分かりきっていることばかりです。

このギャップで遊ぼうと思ったのですが、失敗しました。

JCJKのほとんどは私たち男が思っているよりはるかにボケボケです。もう絶望的なくらいに男の性を知りません。
十代の頃に彼女らとそこそこ関わった人ならご存じでしょうが、少女漫画と現実との分別がついてないコがかなりいて実際苦労しました。
こういった現状から説明しなければならなかったのかしら?

なんだか分からないけど、失敗には変わりないから反省します。

ありがとうございました。

五月公英
60.40.174.145

読んでくださったお方へ。

前作はコメント欄にて雑談の体でネタばらししてたんですけど――

>少女マンガかぁ……あれは強力な洗脳装置だからなぁ。なのに、みんなよく平然としていられるな。あんな絵空事に思春期の貴重な数年間をザックリ奪われてくやしくないのかねぇ?

>元JKらのお話しをうかがっていると分かるんですけど、彼女ら被害者であることの認識がほとんど無いんです。
こうなるともう、宗教ですね。

今回も<少女漫画的きれいごと=インチキ宗教><PTA会長以外は、信者>のつもりでした、と説明すべきでしょうか?
つまり、少女漫画批判とインチキ宗教批判を同時にやってみた、ということです。

自分としては、はっきり言いたくないんですよ。怖いから。
タイトルとPTA会長の発言でピンときてくださると甘えていたのですが、不親切でしたらごめんなさい。

hir
210.133.223.84

 スズメバチがダメなら、
 北斗の拳(少年漫画)のケンシロウに恋をして、核戦争が起きなければ彼に会えない。とアメリカ大統領を目指す中学生の話はどうでしょう。

五月公英
60.40.182.85

hir様。

その案、五月と公英と私と三人で検討してみます。

ありがとうございました。

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