作家でごはん!鍛練場
北野一徳

リーズン(前編)

「岳人くんとするのは好き、でもお食事したり、出掛けたりするのは好きじゃない、と彩奈が言ったのは当然でお互いの趣味とかファッションは、カップルのそれではなかったし、俺もするのが好きなのか、彩奈のことを好きなのか、その時は分からなかった。
 彩奈と知り合ったのは、フェイスブックだった。お互いの友達が共通で彩奈の方から友達申請が来た。プロフィール写真は自分の好みのど真ん中で申請が来たことが、すごく嬉しかった。プロフィールで、女子校に通ってることや、タレントをしてることを知った。それから毎日彼女のフェイスブックを見るようになった。何を食べて、どこへ行ったのか、友達の数が増えていく度に嫉妬した。メッセンジャーを使って、何度か会話をした。初めは大したものじゃなかった。おはようとか、いま何してるの?とか、たまに突っ込んだ話で音楽の趣味についてとか、彩奈はレゲエが好きで、俺はJポップしか聞かなかったからユーチューブで彩奈の言っていたレゲエバンドの曲を聴いたりしたんだけど、それの良さは分からなくて、でも、こういうのがお洒落なんだってことは分かった。
 何度かメッセンジャーでやり取りしてから会った。会いたい気持ちはずっと有ったんだけど、誘って断られるのも嫌だったし、会ってがっかりされるのも嫌だったから、誘い文句を何度も書いては消してを繰り返して、一ヶ月くらいはグダグダしてた。書いてる最中に、間違って送信を押してしまったことも何回かあって、?って返信だけが来ることもあった。間違っちゃった、ゴメンって返信したんだけど、何度もやっちゃってたから、彩奈は俺が会いたがってるってことには気付いてて、だから彩奈の方から、ライブ一緒に行こうよって、来たんだと思う。やり取りの間、バンドのことをカッコイイねとか、ハマっちゃったとか送ってた。気に入られようと必死だった。
 ライブへ行くにして、服装やノリが気になった。ライブまでは一ヶ月以上あったから、それまでに彩奈のファッションと合うように服を選んだ。ライブになんかそれまで行ったこともなかったから、始まったらどうやってノレば良いのかは、やっぱりユーチューブでファンの動きを見て勉強した。
 当日、渋谷のハチ公前で待ち合わせした。すぐに彩奈は見つかった。写真で見るより、顔が小さくてびっくりした。声を掛けることは出来なくて、遠くから眺めてたら目が合って彩奈の方から近づいて来て、岳人くんだよね?って、なんで声掛けてくれないのって言われたから、正直に、可愛すぎて近付けなかったんだって答えたら、またまた上手いねって言われた。
 そのクラブは宇田川交番の側にあって二人で歩いて向かった。歩いてる最中に、彩奈は友達に会って、久しぶりとか、これからライブとか、話してるんだけど、その友達は俺のことを見て不思議そうにしていた。服装を間違えたのかと思って不安になった。それとも顔が駄目なのかもしれないとか。そういうことがクラブに到着するまでに少なくとも三回はあった。彩奈は友達が多いなって、その内の二人は同じライブに向かう仲間で、そういうことを想定していなかったから、ただでさえ緊張してたのに、もっと、なんていうか、固くなってった。彩奈は、どうしたの?自己紹介ぐらい友達にしてよ、とか言うんだけど、ああとか、うんとか言うだけで、ちゃんと喋れなかった。
 クラブの前に着くと、もっと彩奈の友達はたくさん居て、俺はひとりになる時間が多くなった。彩奈の友達たちと話す気にはなれなくて、クラブの入り口を眺めてた。入り口には日焼けした黒服が二人居て、並んでる列を整えたりしてた。その黒服にも俺は不思議そうな顔をされた。やっぱり服装をミスったんだと思って、来てるのはほとんど女の子ばかりだったんだけど、なかには何人か男がいて、そいつらの服装と自分のを比べた。ひどい違いは発見できなかった。明らかに違うのは、俺がキャップを斜め被りしてることぐらいで、そんなに違わないじゃないかと思った。でもキャップが変なのなら、脱ぎたいなって思ったんだけど、脱ぐと髪の毛がペシャンコになってるから、恥ずかしくて無理だった。
 開場されてクラブの中に入ってった。中は真っ暗かと思ってたんだけど、実際はそれなりに明るくて、オールスタンドってやつだから、みんなステージの側に行こうとダッシュした。すぐにステージの周りは、埋まっちゃって、俺らも急いだんだけど、四列目くらいになった。それから開演まで、彩奈は場所が近かった女友達に俺のことを紹介してくれた。その子はミユキって名前で、俺のことを不思議そうには見なかった。ミユキは、カッコイイじゃんって、彩奈に言ってた。彩奈も、でしょ、でしょって、ほら岳人くん、カッコイイって言われてるよって。彩奈も俺のことカッコイイって思ってくれてんのかなって、ちょっとイイ気分になったし、不安感が少し減った。
 開演は二十分くらい遅れた。ファンの子達は、それが当たり前になってるみたいで、待たされてる感じはなかった。ステージにバンドメンバーが現れると、絶叫ていうか声援ていうか、会話は出来る状態じゃなくなって、ボーカルが、みんな待たせて悪かったな。電車が遅れてさって、冗談なのか本気なのか分かんないこと言うと、みんなキャーとか、何線に乗ってんのーとか、嬉しそうだった。彩奈の方をみたら、ミユキと一緒にゲラゲラ笑ってた。なにが面白いのか分からなくって、それでも笑わなきゃって、出来る限り大きな声で笑った。そしたらミユキが、なんだ笑えるじゃんって、声を張り上げた。昔から無愛想って言われ慣れてるから、笑えるじゃんって言葉は何度も聞いてきたんだけど、ミユキの言い方は優しかった。今まで聞いてきた笑えるじゃんは、だったら最初っから笑えよってニュアンスが含まれてた。ミユキのそれには楽しくなってきたねって感じで一体感みたいなのを感じた。
 ギターが鳴り始めると、ユーチューブで見たのと同じように横ノリで、みんな揺れ始めた。練習した通りにやった。最初はリズムを掴めなくて、逆に揺れて隣の知らない子にぶつかったりしてた。
 そこから最後まで踊りっぱなしだった。何曲か知らないのもあった。それは周りに合わせて踊った。動きは変かもしれないけど、精一杯ノった。自由に踊ってるグループも居たから浮いてはいなかったと思う。
 ライブが終わってからも、やっぱりレゲエよりJポップの方が良いなってのが感想だった。彩奈とミユキから岳人くんノってたねって言われた。二人とも楽しかった楽しかったって言うから、楽しかった、また来たいねって合わせた。
 行きで会った彩奈の友達二人も合流して、五人でご飯食べに行こうってなった。汗だくだったから脇の匂いが気になって、レストランとか、そういうところには入りたくなかった。それでも彩奈もミユキも良い子だったし、ここで帰るって言うのはノリが悪いって思われるからなにも言わず付いてった。友達二人はマキとイズミって名前で、そのマキって子の行きつけのバーに入った。バーは初めてだから、ちょっと緊張した。バーはスペイン坂の近くの地下にあって、暗がりだったから少し緊張が解れた。すぐにトイレに入って水道の水を手で掬って脇を流した。トイレットペーパーを丸めて脇を拭いたら、カスがいっぱい毛に絡まった。長い間トイレに居ると大きい方してるんじゃないかって思われるから取るのは途中で諦めた。テーブルに着いて、マキとイズミは同じ女子大に通ってるって言ったんだけど、聞いたことない名前の学校だった。岳人くんは?って聞かれたから、高校名を言った。まだ高校生なんだ、ってびっくりされた。何年生?って聞かれて、二年生って答えた。彩奈とミユキが私たちもでーすって言ったら、マキが二人は不良だから、そんな若い自慢してもダメだって返してた。マキもイズミも、彩奈ほどじゃないけど顔が小さくて綺麗だった。なに飲む?って聞かれたから、こういうとこ初めてなんだって言った。イズミが意外だね、来てそうに見えるのに、お酒は?って聞かれたから、飲んだことないって答えた。じゃあ、デビューだ、まずはビールだねって、みんな合わせてビールになった。彩奈とミユキはビールだ、ビールだって、嬉しそうにはしゃいでた。俺はビールを見るとマムを思い出すから本当は飲みたくなかった。
 小学五年生までショーパブで働いてた母に連れられて、毎日店の中の控え室で夜は過ごしてた。学校が休みでショーの練習のある日は昼間から。控え室には、日本語は全然ダメで、タガログ語しか喋れないマムって呼ばれてる腰の曲がったおばあちゃんが居た。お姉さんたちの支度やら、ご飯を面倒見て、ついでに俺の世話もしてくれてた。母に育てられたっていうよりは、マムに育てられたって言っても嘘じゃないくらい一緒にいた。
 マムの腰は九十度くらいに曲がってて、両手を振り子のようにして歩く。顔は真っ黒に日焼けして、腕はシミかアザのような黒い斑点がたくさんあった。歳はいつ聞いても、誰が聞いても、もう八十歳って言ってたから、本当のことはわからない。昼間からエレファントビールを水の代わりみたいに飲んでて、ユウガタやオサカは、飲んでるのを見たことがなかった。
 ビールが到着して、みんなで乾杯した。グラスにはミレニアムズと書いてあって、エレファントじゃないことに少し安心した。口をつけて、泡を飲み込んだ。苦味は思ったほど感じなかった。泡の下の液体を飲んだ。炭酸の気持ち良さが喉の奥を通っていった。不味くはないなって、でも美味しくもないなって思った。どう初めてのビールはって、マキに聞かれて、うんって答えたら、うんってなによ、美味しい?って言われから、美味しいって言った。顔は美味しくなさそうだけどねってイズミに指摘されて、ばれたなって思ったんだけど、美味しいよって強がった。彩奈とミユキは一息でグラスの半分くらい飲んでて慣れてる感じがあった。イズミから、岳人くんは今日のライブ初めて?って聞かれて、そうって答えた。ふーんって言われて会話は続かなかった。マキから緊張してるって聞かれて、少しって答えたら、私たちが綺麗だから?って言うから、そうって正直に言った。今の言わせたんじゃんって、彩奈が言って、四人は笑った。彩奈ってタレント続けてんの?って、イズミが言って、続けてるよって答えて、最近は何のテレビに出たの?とかそういう会話が続いて、俺はそのやり取りを聞きながら場違いなところに居るなって落ち着かなくなってった。
 飲んだビールは一口だけで酔いのようなものは感じなかった。酔うってどんなものか気になって残りを一気に喉に流し込んだ。すぐに変化が出るかと思ったんだけど、さっきより苦味とぬるさを感じただけで何も変わらなかった。イズミから飲めるね、おかわりする?って聞かれて、うんって答えた。さっきから、うんとかそうしか言ってないよって、イズミは少し怒ってるようだった。店員を呼んで、ビール五つってイズミが言った。
 彫りが深いけどハーフ?ってマキに聞かれた。あんまり聞かれたくない質問だった。
 話の行き着く先は決まってる。そうだよって答えた。イズミがさっきより、だよ、だけ増えたねって、成長成長って言って、マキはハーフの質問の途中だったから、どこのハーフ?って、この時は彩奈もミユキも俺の方をじっと見てて、イズミが当てるから、待って言わないでって、わかったブラジル、サンバサンバ当たってる?って言われたから、違うって答えた。その後はみんなで、中南米の国々を、メキシコ?チリ?分かった、グアテマラだって、グアテマラって!四人は笑って、ちょっと待って、ヒントヒント、中南米は違う?って聞かれたから、うんって答えて、彩奈がアジア系?って言うから、そうって言って、石油出る?って聞かれたから、知らないけど出ないと思うって答えて、マキがフィリピンって言った。俺はそうって言った。お父さんが?お母さんが?ってイズミは、何も気にせず聞いてきた。この話の行き着く先は決まってる。お母さんがって答えた。みんな、ふーんってなって、イズミが向こうに住んでたことあるの?って、ないって答えたら、四人は顔を見合わせて話は終わった。この感じには慣れているけど、楽しいものじゃない。沈黙の後に、イズミが喋れるの?って、聞いてきた。
 
 母と育ての父は在日二世でネイティブなタガログ語は話せない。祖父と祖母は、俺が生まれる前に亡くなってた。いろんなものをマムから教わった。タガログ語、足し算と引き算、日本人の良いところ悪いところ、本当の父のこと。
 本当の父は日本人でパブに出入りしてた業者だった。二人は長い間交際していて、俺が出来ると父は母にプロポーズした。お腹が大きくなり始めた頃、パブでは働けなくなってきてそろそろ籍を入れて一緒に暮らして欲しいと母は言った。父は年が明けたらねと言って、何度かそのやり取りをしてると、飛んだ。業者に問い合わせても会社にも来てないそうで、手掛かりはなかった。ひとつ分かったことがあった。父は結婚してた。マムは何度も言った。お前は父親似だよって。顔が?性格が?って尋ねると、マムは黙った。鏡を見て時々父の顔を想像した。
 イズミの質問に、喋れないと答えた。喋れるって言うと、なにか喋ってって流れになるから。そうなんだって、イズミは少し不満げだった。白けた後、マキは店員と親しそうに話し始めた。彩奈とミユキはライブの振り返りを始めた。イズミは何かを話そうと考えてる感じで、俺の方を見てたけど言葉は出てこなかった。白けさせたのは俺だから何か言おうと思って、このキャップどう?って聞いた。なんでって尋ねられたから、なんか変かなって答えた。イズミは、うーんって唸ってから、頑張ってる感が出てんだよね、綺麗な顔してるんだから、キャップはやめた方が良いよ、それにそのスニーカーも、あんまり似合ってないって。スニーカーは、えんじ色のバッシュで、ライブの為に買ったものだった。スニーカーも?って尋ねたら、ローファーとか革靴の方が似合うと思うって。彩奈が、えー、一周回って、良い感じだと思うんだけどなーって言った。ミユキもそうそう、一周回って良い感じだよって。マキは店員と話したままだった。一周回ると言うなら、二周回ったり三周回ったりすることもあるんだろうかって、どうでも良いことが気になった。イズミがキャップ脱いでみてって。髪がペシャンコだから恥ずかしいってと言うと、大丈夫大丈夫ってキャップを取られた。やっぱこっちの方が良いじゃんってイズミが言うと、彩奈とミユキが確かにって、二周回って良いねって。地毛?って聞かれて、うんって答えると、綺麗な天パーだね、しかも良い感じの天パーだしって。イズミはバッグから整髪剤を出して、ちょっと良い?って言いながら、俺の髪の毛を整え始めた。触られて緊張して、彩奈の反応も気になった。彩奈はじっと見てるだけで、嫌そうにはしてなかった。安心したし同時に物足りない感じもした。後ろ向いてって言われて、背中を向けると、後ろ髪を跳ねさせ始めた。完成って言われて鏡を渡された。覗いてみても、よく分からなかった。彩奈とミユキは、良いねーさすがイズミ姉だねって。なにがさすがなのか分からなかったから、この髪型良いの?って尋ねた。ミユキが良いよ、スゴい似合ってるよって。こういうのが良いのか、ボサボサの頭にしか見えなかった。イズミがコシがないから、すぐ崩れちゃうと思う。だからスプレーで固めた方が良いよって。ありがとうって言った。イズミは納得した顔で手を洗いに席を立った。
 二杯目のビールを飲み終えても酔いらしいものは感じなかった。酒の強さは遺伝すると聞いたことがある。母が酔ってるのを見たことがない。三杯目は、何にしたら良いかってイズミに尋ねた。そうだね、カクテルにしようか、相当強そうだから思い切ってギムレットにしてみようって。俺は分からないから、お任せでって言った。彩奈がギムレットはキツイよーって、ミユキは、私は絶対無理って。イズミがマキと話し込んでる店員に注文良い?って、ギムレット五つって。彩奈とミユキは、ひゃー、イジメだーって、イズミは私の酒が飲めんのかって。二人は、飲みますよーって仕方なく答えてた。
 ギムレットは小さな三角形の器に細い足のグラス、オリーブの飾りが透明な液体に浮かんでるカクテルだった。これはとイズミに尋ねると、食べても良いし食べなくても良いと。こんな小さなグラスなら、すぐ飲み終わっちゃうと思いながら口をつけた。ビールとは違って、舌にビリビリくるものを感じた、喉を通る時には焼けるような熱さを。一息で飲み干した。彩奈の言ってるキツさは、この熱さを言ってたのかって。酔いは感じなかった。イズミがやっぱり飲めるねって。ミユキが今は大丈夫だろうだけど後から酔いが来るよ、飲みすぎないようにってアドバイスしてくれた。
 それから、ギムレットばかりを五杯飲んだ。オリーブも食べた。まるで酔いは感じなかった。みんなスゴいスゴいって。マキは調子に乗ってると痛い目見るよって。そろそろ時間だから、お開きだってなって、みんなとラインを交換した。
 店を出ると、もう外は真っ暗でマキは私タクシーで帰るって早々に乗り込んだ。彩奈は時間やばい怒られる、ミユキが私も私もって走って渋谷駅に向かった。俺は普通に歩いてると、イズミから、もうちょっと飲もうよ、夏休みだから明日学校ないでしょって、良いよって答えた。
 もう一軒は、チェーン店の居酒屋に入って、今度は焼酎の水割りを飲んだ。ギムレットの方が甘くて美味しかったなと思った。イズミから彩奈と付き合ってるの?って聞かれたから、付き合っていないって答えた。そのまま二時くらいまで飲んで、イズミは酔ってるようだった。岳人くんは強いねって、今日、うちに泊まんなよって言われた。酔いはまるで感じてなくて、それが意味することは、すぐ分かって緊張した。彩奈のことが気になって断ろうと思ったけど、泊まろう、泊まろう、送ってけって、イズミのパワーは強い。とり敢えず送るだけはしなくちゃって思って、財布の中身を確認した。イズミが、高校生そんなのお姉さんに任せろって言った。タクシーに乗り込んだ。イズミが告げた行き先は、うちの方向と同じだった。
 着いたのは豪徳寺にある七階建てのオートロックマンション。イズミの部屋は最上階だった。自分の家と比べると随分な違いだなって思って、もっと緊張してきた。鍵を開けて、どうぞって言われたんだけど、すぐに入る気にはなれなくって玄関に立ってると、良いからもう帰れないでしょ、寝てけって言われた。廊下を抜けて扉を開けると高級な石鹸のような匂いがした。適当に座ってって言われたから、ソファーに腰掛けた。ワンルームかと思ったら、奥にもう一部屋有りそうだった。一人暮らしなのにスゴいなって思った。金持ちなんだろうなって。冷蔵庫から缶ビールを取り出し、少しだけ飲み直そうって、乾杯した。缶ビールはユウガタだった。口をつけると、ミレニアムズとはやっぱり違うんだなって思った。
 ねえ、初めて?って聞かれたから、今日はいろんなことが初めてだって答えた。大丈夫大丈夫って言いながらキスされた。一回目は軽く二回目は舌が入ってきた。酒の匂いがした。耳元で彩奈のこと好きなんでしょう、今だけ忘れてって。鼓動が速くなっていくのが分かった。耳たぶを噛まれ息を吹き掛けられた。Tシャツを脱がされそうになって、脇のトイレットペーパーのカスが気になって、自分で脱ぐよって言ったら、任せて任せてって、結局脱がされた。汗臭いでしょって聞いたら、ううん良い匂いって。
 上から順番にキスされた。うなじ、胸、腹、ヘソ、ジッパーを開けられ、下着の上からあそこを握られた。気持ち良い?って聞かれたから、分からないって答えた。ジーンズも脱がされ、靴下だけの姿になった。滑稽だなって思った。あそこを口に含められた。イズミは舐めながら、ハーフだからやっぱ大きいねって。イズミは服を着たままだった。勃つ気配がなかった。だいぶ時間が経ってもイズミは舐め続けた。イズミの胸を服の上から触った。ブラジャーのレースの硬さを感じた。イズミは自分でカットソーを脱いだ。ピンクのブラジャーも外した。また咥えられた。今度は直接胸を触った。強かったのか、優しくねって言われた。乳首を指の先で転がした。イズミは舐めながら、声を出した。これが柔らかいのか、硬いのか分からなかった。でも想像よりは張りのあるものだった。次第に勃ってくるのがわかった。イズミは履いてたスカートと下着を脱いだ。横になってと言われ、ソファーに寝転がった。
 朝まで、何度も繋がった。一度目は気持ち良さがあまり分からなかった。二度目以降は、ベッドに移りイズミから手解きを受けた。どうやったら女の子が気持ち良くなるのか、イク時は、イクって言わなきゃならないってこととか。何度も中で出して大丈夫かなって不安になってたんだけど途中で、ピル飲んでるから気にしないでって言われた。少なくとも朝までに八回は繋がった。
 疲れたけど、勃起は収まりそうになかった。イズミに起きたらねって言われて、寝ることになった。イズミはすぐに寝息を立て始めた。俺は天井を見ながら、勃起が収まるのを待った。俺もいつの間にか寝てた。
 目を開けるとイズミは横に居なかった。シャワーの音がかすかに聞こえてきた。勃起したままだった。待ってるのが辛くて、風呂の扉を開けた。泡まみれになってるイズミに、びっくりした、どうしたのって聞かれたから、我慢できないって答えた。じゃあ、一緒にシャワーを浴びてからねって言われて、髪の毛から脚まで全身を洗って貰った。洗い終わると、あそこを咥えられた。イクって言った。抜こうとしたら、尻を抑えられ、口の中で出すことになった。まだ勃起は収まらなくてお風呂で繋がった。
 昼頃、イズミの家を後にした。家に帰ると母は出勤してるようだった。テーブルの上に手紙と五千円札が置いてあった。スマホが鳴った。彩奈からのラインだった。昨日、イズミ姉に食べられちゃったんじゃない?って書いてあって、すぐに帰ったよって返した。本当はイズミとしたし、また遊ぼうって言われてた。彩奈からは続いて、今日暇?ってきたから、暇って返すと、今日は新宿で遊ぼうってなって、五時にステーションスクエアの前で待ち合わせした。
 服装に迷った。普段の格好にした。前日と同じ服装はさすがに出来ないなって思って。彩奈は今日も可愛かった。フリル付きの薄いピンク、ノースリーブのワンピースに、日よけの為か麦わら帽を被ってた。俺はダボダボのダメージジーンズに、ヤンキースって書いてあるTシャツ。なんか昨日と雰囲気違うねって言われた。ダサい?って聞いたら、ちょっとねって言われた。彩奈がボーリング行こうって言った。スポーツ全般がダメだから、運動神経悪いって思われるのが嫌だった。でもノリが悪いって思われるのは、もっと嫌だなって、歌舞伎町のボーリング場に向かった。スコアはやっぱりひどくって、三回中一回も百を超えられなかった。彩奈は運動神経が良いみたいで、百五十を一回も切らなかった。下手でごめんって何度も言った。気にしない気にしない、楽しもうって言われたけど、フォームが変じゃないか気になって、まったく楽しめなかった。ご飯食べに行こうってなって、ハンバーグが有名なファミレスに入った。彩奈が飲む?って聞くから、飲もうかってなって、二人でビールを頼んだ。店員は一瞬、んっ?てなったけど、オーダーはそのまま通った。ポテトフライと一緒に到着したビールはエレファントビールだった。
 マムは朝から晩までエレファントビールを飲んでた。酔ってるのか正常なのかは、いつも分からなかった。ご飯を食べてるのを見たことなかった。食べないのか尋ねると、朝早い時間に一度食べてる、戦争時代から一日一食だと言ってた。アメリカに侵略され、日本に侵略され、またアメリカに侵略された戦争のことをマムはよく話した。マムに日本を恨んでいないのか尋ねると、日本のことは恨んでる。でも日本人は優しいと答えた。俺には意味が分からなかった。
 俺が小学五年生の夏休み、マムは死んだ。
 毎年夏休みは朝から一人でパブに行って、朝飯をマムに作って貰ってた。その日、いつも通りに靴を脱いで控え室へ上がると、うつ伏せで倒れてるマムを見つけた。灯りがついてなかったから最初は寝てるのかと思った。スイッチを点けると、控え室は血まみれだった。マムの頭は赤いかぼちゃに見えた。驚きすぎて飛び跳ねた。着地すると、その畳も血まみれだった。靴下に血が染み込んできて地肌が滑ってきた。力が抜けて尻餅をついた。白の半ズボンから下着にも血が染み込んできた。両手にも嫌な感触が伝わってきた。両手を顔の前に持ってくると、粘り気のある真っ赤な血で染められてた。後ずさりしたら、控え室から一段下の床に転げ落ちた。そのまま後ろ歩きで店の出口に向かった。背中で扉を押し開いて外に出た。何人かの通行人が叫び声をあげた。その中の一人が、どうしたんだ?と話しかけてきた。返す言葉が出てこなかった。たぶん震えてた。店の扉を指した。その通行人はケータイを取り出し電話し始めた。事件です、の声までは記憶にある。その後は警察官に、怪我はないかと声を掛けられるまで記憶がない。警察官に抱えられて立ち上がると、座ってたアスファルトが赤黒くなってた。パトカーの後部座席に青いビニールシートを敷かれ、その上に座らせられた。隣にも前にも警察官が居た。何度も怪我はないかと尋ねられた。その度に頷いた。その中のひとりが落ち着いたらで良いから何があったか話してくれと言った。話そうと思うと、上下の歯がぶつかって、うまく喋れなかった。それを何度か繰り返してると、助手席に乗った警察官が外へ出て、外に居た警察官とともに店の中に入っていった。すぐに二人は出てきた。無線で何かを伝え始めた。また、ここから先の記憶がない。気付いた時は警察署でシャワーを浴びてるところだった。
 取り調べの後、部屋を出ると母が駆けてきて、抱きしめられた。母は大声で泣いてた。マムはと尋ねると、今は良いの、今は良いのよと繰り返した。
 マムは控え室で寝泊まりしてるところを強盗に襲われた。強盗は中に誰も居ないと思って、朝早く忍び込んだようだった。金庫を持ち出そうとしたところマムに見つかり、強盗は近くにあったエレファントビールの瓶を手に取った。マムは控え室に逃げたのだろう。その後頭部を何度も何度も、エレファントビールの瓶の底で殴りつけた。
 犯人は暫くして捕まった。マムが優しいと言ってた日本人だった。
 ジョッキを持ち上げ乾杯した。飲むかどうか考えてると、彩奈から、どうしたのと尋ねられた。二日酔いなんだと嘘をついた。昨日随分飲んでたものねって言われた。うんって言って、ジョッキをテーブルに置いて水を飲んだ。二日酔いだとポテトフライもキツイんじゃないって言われて、それは大丈夫と答え、一本つまみ口へ運んだ。別の飲み物にする?って聞かれて、うんって答えるとメニューを渡された。ワインとかチャレンジしてみる?って言われて、そうだねって答えた。白は飲みやすいと言って、彩奈は店員を呼んだ。
 グラスワインの白を飲みながら、二日酔いなのにワインを飲んでも平気だろうかと考えた。ビールよりアルコールはキツイんじゃないかと。舌は酸味の強いぶどうジュースにしか感じていなかった。美味しいって聞かれて、うんって答えて、ちょっと私にも飲ませてってなったから、グラスの縁を拭いてから渡すと、神経質なんだねって言われた。彩奈は美味しいけどキツイねー、岳人くんはやっぱりお酒強いねって。実際二日連続で飲んでも酔いを感じないんだから、強い方なんだろうと思った。彩奈から昨日のライブどうだった?本当に楽しかった?って聞かれたから、正直に答えるか迷った。本当は楽しくなかったんでしょ?って言われて、楽しかったけどレゲエの良さがまだ分かっていないんだって答えた。えーそっちかー、じゃあさ、私もあんまり聴いたことないんだけど、レゲエって言ったら、ボブマーリーって言われてるじゃん、そっち聴いてみたら?って言われて、誰それ?って答えた。知らないのって驚かれて、知らないって言った。彩奈はスマホでユーチューブを立ち上げ、ボブマーリーを視せてくれた。音が出てることで周りが気になった。彩奈はなにも気にしていない様子だった。音量ボタンでボリュームを下げ、耳を当てて聴いた。耳にしたことのある音楽だったし、あのバンドより分かりやすいなと思って、これなら聴けるかもって言った。あー良かったって、彩奈は言って、やっぱり大切じゃん趣味が合うかどうかって、言ったから、そうだねって合わせた。本当は趣味がどうかとか考えたこともなかった。
 その後、彩奈はビールを俺はワインをもう一杯ずつ飲んで、つまみに一つだけハンバーグを頼んだ。デミグラスソースのかかったそれは、白ワインとはまるで合わなくて、一口だけでやめた。彩奈が少食だねって言うから、このワインとは合わない気がするんだって答えた。彩奈が肉には赤ワインって言うよねって。そうなんだ?と答え、赤ワインを想像した。赤い血を思い出して、すぐに無理だと思った。
 店を出ると彩奈から、手を繋ごうって言われて緊張した。汗掻いてるからって言って、Tシャツで拭ってから繋いだ。彩奈の手は小さくて細くて柔らかかった。前日の夜あれだけ交わったイズミの手は触らなかったことに気付き、今度があったら触ってみようと思った。どこ行く?って聞かれて、なにも考えていなかったから、どうしようかって言った。彩奈はカラオケかホテルって言った。ホテル?って聞き直した。嫌?って聞かれて、嫌じゃないって答えた。でも、お金をあまり持っていないって言うと、大丈夫割り勘にしようって彩奈は言った。
 マムが死んでから、母はすぐ店を辞めた。事件を思い出さないように俺への気遣いだったんだと思う。その店は赤羽にあって、住まいは十条だったんだけど、町田の団地へ引っ越すことになった。十条に住んでる時は、ピンピンの子って言われて友達らしい友達も居なかった。そのことも母は気に掛けてた。町田の団地にはフィリピン人がたくさん住んでたけど、俺は日本人からも、フィリピン人の仲間からも結局イジメられて、母の目的は半分しか達成しなかった。母は町田のフィリピンパブで働き始めて、そこで働く俺の育ての父になる人物とすぐに意気投合した。同じ在日二世ということで共通点が多かったんだと思う。主に良くない方の。
 小学五年生の二学期から卒業するまで団地の中にある小学校に通い、ずっとイジメ続けられて、中学になると体格が良くなってきたからかイジメられなくなった。友達がいないのは変わらなかった。高校は私立で女子の多い学校を母親が探してきた。入学してから、世界が変わった。俺の過去を知る人間は誰も居なくて、偏った目で見られることもなかったし、モテ始めた。初めは新手のイジメかと思った。呼び出され、告白されるということが入学して三ヶ月の間に十回以上あった。メアドやラインの交換をお願いされることも多くて、それらのツールを通しての告白もあった。慣れない分対処の仕方が分からなくて、告白される度に付き合うことになった。大体が一度目のデートかその前に破綻した。会話が続かないしラインのやり取りも母としかしたことなくて、要領を得てなかった。そうしてモテてる時期も長く続かなかった。男友達は男子が少ない分、出来やすかったはずだけど、会話を日常的にする友達らしい友達は出来なかった。ひとり俺と同じハーフが居た。それが弘臣だった。
 歌舞伎町の歓楽街を抜けてホテル街に入った。初めて?って聞かれて、ホテルは初めてって答えた。童貞じゃないんだー、良かったーって彩奈は言った。どうして?って尋ねた。わたしも初めてじゃないし、童貞の子には気を遣うからって。
 何軒かの前を通って休憩料金を確認し、予算内に収まる入り口で滝の流れるホテルへ入った。空き部屋の一覧が液晶ディスプレイに掲示されていて、気に入った部屋の入室アイコンをタッチすれば入室出来ることは見た目ですぐに分かった。料金はいつ払うの?って尋ねた。帰りよ帰りって彩奈は答えた。ねえ、どの部屋にする?と尋ねられた。趣味が悪いって思われる部屋を選びたくなかったから、よく分からないから任せるよって言った。彩奈は一緒に選ぼうよと言った。一緒に見てるフリだけはしようと液晶を眺めた。壁にイルカの絵が描いてある部屋や、ベッドに屋根のようなものが付いてる部屋、ピンク一色の部屋、どれもが理解出来るものではなかったし、全室カラオケ付きというのも分からなかった。いつ歌うんだろう、前?後?って思った。彩奈がこの部屋どう?って聞いてきたのは木目調というか、ログハウスみたいな部屋だった。良いねってだけ答えた。じゃあと言って彩奈が入室を押した。
 エレベーターで三階に上がり部屋へ入った。かわいいーと彩奈は言った。これからする行為を考えると、かわいいとか関係あるのだろうかって思ったし、ログハウスを見てかわいいって思ったことはなかったから、これもよく分からなかった。写真で見るより部屋は狭くって、扉の向こうはすぐにベッドだった。ベッドの向かいには、テレビとカラオケの装置が置いてあって、テレビの横にはアダルトグッズの自動販売機があった。空気が淀んでる感じがした。何がそうさせてるのかは分からなかった。
 彩奈がちょっと休憩しよ、ビールでも飲むって聞いてきた。うん、そうだねって答えてから、またエレファントビールだったら困るなって思った。彩奈が冷蔵庫を開け、ビール瓶を取り出した。見たことのないデザインの瓶だった。それ、なんていうビールなの?と尋ねると、たしかドバルドだったと思うよって、瓶の裏のラベルを見ながら、うん、ドバルド、海外のビールだよって。

リーズン(前編)

執筆の狙い

作者 北野一徳
126.78.255.215

ストーキングについて考え、執筆しました。忌憚のないご意見をお待ちしております。

コメント

四月は君の嘘
219.100.84.36

画面あけて、目についたのが、

 >当日、渋谷のハチ公前で待ち合わせした。すぐに彩奈は見つかった。

↑ で・・「まじか?!」と吃驚 & 違和感だったので、そこでやめたんだけど……

念のため、その段落を眺めると、


 >声を掛けることは出来なくて、遠くから眺めてたら目が合って彩奈の方から近づいて来て、岳人くんだよね?って、なんで声掛けてくれないのって言われたから、正直に、可愛すぎて近付けなかったんだって答えたら、またまた上手いねって言われた。

↑ この一文のうすら長さと、えんえん「 、」でだらだら続けてく調子が、もう、「小学生男子の作文」の様相なんです。



ここだけじゃなくて、スクロールして、適当に抜き出すと、


 >ビールが到着して、みんなで乾杯した。グラスにはミレニアムズと書いてあって、エレファントじゃないことに少し安心した。口をつけて、泡を飲み込んだ。苦味は思ったほど感じなかった。泡の下の液体を飲んだ。炭酸の気持ち良さが喉の奥を通っていった。不味くはないなって、でも美味しくもないなって思った。どう初めてのビールはって、マキに聞かれて、うんって答えたら、うんってなによ、美味しい?って言われから、美味しいって言った。顔は美味しくなさそうだけどねってイズミに指摘されて、ばれたなって思ったんだけど、美味しいよって強がった。彩奈とミユキは一息でグラスの半分くらい飲んでて慣れてる感じがあった。イズミから、岳人くんは今日のライブ初めて?って聞かれて、そうって答えた。ふーんって言われて会話は続かなかった。マキから緊張してるって聞かれて、少しって答えたら、私たちが綺麗だから?って言うから、そうって正直に言った。今の言わせたんじゃんって、彩奈が言って、四人は笑った。彩奈ってタレント続けてんの?って、イズミが言って、続けてるよって答えて、最近は何のテレビに出たの?とかそういう会話が続いて、俺はそのやり取りを聞きながら場違いなところに居るなって落ち着かなくなってった。


↑ 小学生男子の作文の、だらだら感。

このだらだ記載に対して、小学校の担任が、まず指摘(指導)することは、
「会話文は鉤括弧の中に入れて、改行しましょう」ってことだ。


もちろん、こうやって「地の文に織り込んでゆく手法」もある訳なんだけど……
それをやる際は、現状のような「小学校作文」にならないよう、スマートに書くんです。


「小学校作文になってる」元凶は、【言った言った言った〜 のだんご】。


「言った」も異常に多すぎますが、
各文の結びが、ぼぼっと眺めると、ほぼ・ことごとく【〜た】。

9割方が【〜た】なんじゃないか?? ってー、異常頻度。


自分の原稿、「音読・朗読」してみると、そういう箇所は「否が応でも気がつくし、気になる」もんなので、、、

声に出して読んでみて〜?

四月は君の嘘
219.100.84.36

小学生男子の作文的だらだら文・・

個人的に、ここのサイトだと、
「かろさん」が、ずっとそうだったってー印象。


もうね、見ると朱入れしたくなってどうしようもない・・のは〜〜、
何年たっても抜けない、かつての職業病だ。

わかっちゃいるんだけど、目に入ると、猛烈に直しまくりたくて堪らない。。


この原稿、「全部がそう」だし、
かろさんのより、はるかにうすら長いし。。。(朱入れする箇所もそらまあ膨大……)



小学生男子調だらだら文は、やめねぇ??

内容云々以前に、「稚拙に見えて損」だし、
そこで嫌気がさして・読んでもらえないリスクが、どうしたって高いから。



教職・編集・校正・校閲……の経験者には、「耐え難い世界」で、脳内で全面朱入れしてる状態。

そんで、「公募の下読みさん」って、よくは知らないんだけど、
ここのサイト古参が喋ってた憶測によると、「元国語教師とかが主」だってハナシだ。

弥々丸朗
106.161.220.201

《リーズン》……理由・わけ・動機 etc  とのこと。

単純に音的にも聞き憶えがありそうな単語だし、単純にカッコいい。
Jポップ歌詞で検索したら軽く千曲くらいはヒットしそうなカジュアルワードみたいな印象なんですけど、とりあえず語り口調と合ってない気がしてあたしの中では浮いてます。

ちなみに、”ストーキング”、”Jポップ”とくると、ここに馴れた人なら十中八九そのダサさ加減という意味で加茂クソ馬鹿ネカマゴミクズを連想してしまうので、白状するトコ早めに白状しておくべきだと思うんですよ、”忌憚のない……”とか呑気なこと言ってる場合じゃないと思うんです。
せっかく書いたもの、誰も寄り付いてくれなくなってしまいますよ。


一番の致命傷は、分けたことなんじゃないのかなあ、と個人的には思ってます。
タイトルからもそうなんですけど、それなりに読んで、感想思いついてもらうには、それなりの根拠示しておかないと、まじでただのヘタクソと思われたまま後編は徒労のすっからかんに終わる可能性大のような気がします。
ママに”小学作文”とか言われてますけど、一応語りがPのハーフの一人称ってことだから、その拙さも作為のうちとおもってあたしは見逃しながら読ませてもらったので、後半にその根拠を示してもらわないと、なめてんのかふざけんな、なんてあたしは普通に思いますよねどうせ。
女ばっかが元気で積極的で、主人公が口下手のダサ男で彫り深なだけのイケメンってだけで何一つ自分は動いてないこともそう、つまりそれが伏線として覚悟のあるモノでない限り”またへし折れ願望小説のおポンコツかよ”ってあたしはやっぱふつうに思いますよねどうせ。
高校生が酒とか未成年タレントが堂々と酒とか、みたいな上っ面話の可不可みたいな無邪気なハナシはその辺のおじ様方に任せておくんですけど、主人公のせっかくの卑屈な正直さはつまんないけど悪くはないはずとあたしは思っているので、あたしが言うのもなんですけど構成的な持ち出し方の不親切さというか自ら台無しにしてる感じってことでもいいんですけど、並みの人ならたぶん前半も読まないですよね、たぶん。
読み進めても良さそうと思わせるだけの材料が不器用に置き去りにされすぎてる、振舞われなさすぎてる気がしてしまう。
っていう言い方はあくまでも希望的観測含んでいることを忘れて欲しくないんですけど、つまり後半、書き手はちゃんと意識して温存できているのか、その根拠のようなものを自覚してこの前半っていう作りをあえて持ち出しているのか、だって”リーズン”なんでしょ、それにしたって現状はあまりにも自殺的な自滅的な挑み方のような気がして仕方がないですけど。


だからって、陰湿と偏執とミジメが待ってるだけなら、あたしは後半は読まないですけどねたぶん。

夜の雨
60.41.130.119

朗読ソフトに読ませて拝聴しました。
青春物でそれも主人公がハーフの男子、高校生。
ハーフというのも、「母(フィリピン)がショーパブで働いていて、そこに出入りしていた業者の男(日本人)と関係して出来た子供」が主人公という設定です。
母は、相手が妻子持ちだとは気が付かなかったということで、騙されていた。

ハーフというのは主人公(岳人)が複数の女の子とクラブのライブに行ったあと、バーでの会話でわかりました。
というのも、導入部を過ぎると、岳人が彩奈に誘われてライブにいき、彼女の友人である複数の女の子たちと過ごすわけですが、その設定で、岳人が女の子から不思議そうに見られるというところがあります。なぜ、見られるのかが書かれていないわけで、岳人も気にしているし、「ここは謎の部分」で、読み手の私もどうして不思議そうに見られるのかと思っていると、『ハーフ』だったから、という展開になっているのですよね。
それもハーフだったからという「野暮な説明をしないで、状況でわからす」ところが、この北野一徳という作者の上手いところです。
ちなみに「ハーフ」なので「不思議そうに見られる」というところですが、表現方法としては「不思議」ではなくて「ハーフなので興味津々」で、じっと見られる、ということだと思います。
もちろん「外見が格好いい」、ということです。

作者は文章の細かいところをしっかりと書き込んでいるので、主人公や登場人物の置かれている状況や、心の動きがよく伝わってきます。「細部に魂はこもる」ということで、よく描かれていると思いました。

岳人がセックスを経験したりしながら、彩奈という女の子(タレント)と付き合うようになる青春物なのですが、奥の深さを感じるのはパブでマム(祖母)が日本人大好きと言っていたその相手が、強盗に入り、殺されるという展開や、設定が日本国内だけではなくて、外にも向いていて、広がりがあるところです。

この作品、続きをwebに投稿しないで、公募向けに書いたほうがよいと思う。
文学系とは毛色が違う気もしますが、御作に合っている公募先があるのではないかと思います。
たとえばビックコミックとかの青年誌向けの漫画の原作向けとか。そういう公募先があればですが。
まあ、実力を見るためにも、いろいろなところに公募するのもいいかなと思います。


それでは、頑張ってください。

北野一徳
126.78.255.215

四月は君の嘘様
小学生作文…
まあ、それもひとつの感想ですよね。
後半を読んで頂ければ、少しはマシな感想を貰えるかもしらないですし、そのままかもしれない。
しかしながら、感想をありがとうございます。

北野一徳
126.78.255.215

弥々丸朗様
感想をありがとうございます。
もし、気が向いたら後半を読んでみてもらえると嬉しいです^_^

北野一徳
126.78.255.215

夜の雨様
有難い言葉の連続、嬉しい限りです。
公募には出したんですけど…
途中でダメでした
感想をありがとうございます!

四月は君の嘘
219.100.84.36

うん、この文体だと、「公募は必ず落とされる」でしょう。



>「小学校作文になってる」元凶は、【言った言った言った〜 のだんご】。
>「言った」も異常に多すぎますが、
各文の結びが、ぼぼっと眺めると、ほぼ・ことごとく【〜た】。
>9割方が【〜た】なんじゃないか?? ってー、異常頻度。


↑ これやって、落とされない人はいないわ。
断言できるわ。




「直す気がまったくない」ようなんだけど、
「なんで?」って謎だわ。


関係ないんで、別にいいけど。

古巣語啞
103.75.118.12

上の方の補足になってしまいますが、文末処理が た。が8割でも出版されている小説は探せばいくらでもあるし、例えば短編の名手である乙一さんが場面をコロコロ動かしたい時の文末処理を意図的に た。だった。に統一する事で物語にスピード感や抑揚、緩急を折り込むと雑誌インタビューかミステリー大全で答えていました。
何事でもそうですが断定的に言い切る人の発言は得てして、狭い常識だったり、浅はかな結論であったりする事は行動経済学や心理学でも言われています。
惑わされずに自分が本当にやりたいと感じるのであれば追求してみて、それでも本当に「公募は必ず落とされる」のかどうかは自分で検証してみたほうが良いと感じました。
普段は読専ですが、僕はこの文体特別良いとは感じなかったけれど絶対ダメだと言い切れるほど悪くもない気がしたし、文末を意図的に偏らせたであろう小説にも触れた記憶が全然あるため、アドバイスの真意はわかりませんが、投稿者が変な先入観や思い込みを抱くきっかけになってしまい、表現の幅が狭くなってしまう意見にも思えたため、あえて補足として発言しました。
もちろん投稿者さんがあくまで一意見に過ぎないという前提でききながしているのであれば余計なお世話なのですが、あまりにも断定的かつ自身の背景を透かして権威付けをした上での発言だったため、鵜呑みにしてしまうのではないかと気がかりでした。
文末処理についてはもし、何も考えずにこうなってしまっているのだとしたら、上の方のアドバイスを参考に、少し意識してみるのも良いと思います。違った表現方法の模索のきっかけになったり、今、自分がなぜこの文体を選択したのか、改めて認識するきっかけになるかもしれませんね。

夜の雨
60.41.130.119

>うん、この文体だと、「公募は必ず落とされる」でしょう。<

これって、私の感想と北野一徳さんの返信を読んでの反応だと思うのですが、すでに北野さんが

>>公募には出したんですけど…
途中でダメでした<<

と、書いておられます。

入選しなかったと書いておられるので、「公募は必ず落とされる」と、あとだし「じゃんけん」で書かれてもね。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

北野一徳さん
04-10 18:13の私の感想で書きましたが、内容はよいと思いますよ。
四月は君の嘘 さんが感想で書いておられるのは「文章限定」です。
その問題の文章も、私の感想を読めばわかると思いますが、作品の内容は充分に理解できています。
それに公募も「途中でダメでした」ということは、一次で落ちたというようなことではありません。

主人公の軽めの優柔不断なキャラクターなどはよかったです。
女の子のキャラもよかったですし。
主人公の内面がわかる書き方、エピソードの展開もよかった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ついでだから気になったところも書いておくと、主人公の岳人がハーフということで純粋な日本人ではないこと。
このあたりがどうだろうかと思いました。
主人公を日本人にして、相手の異性をハーフ(そのほか、問題がらみ)とかにしたほうがよいかも。
ここは日本なので。


みなさん、お疲れさまでした。

アフリカ
133.202.160.169

拝読しました

スターウォーズ(最後のジェダイ)は金返せ!と呻く程にアカン出来だった。

殆ど全てにアカン!

唾棄すべき作品って確かなベースの中ではあって然るべきなのかも知れない。

それでも良いところもある!
絶対ある!

御作

見直すところがある気がします。
確かに、スターウォーズシリーズ全編で考えれば既にエピソード1で何かを踏み外したのかも知れない。
でも、それでも!

清廉潔白なあの三部作だけが正しいのかは誰にもわからない。

間違いでも失敗でも動き出したらそれに乗り込む事がファンの仕事なのかも知れない。

でも、それでも、ファン以外の人にも知っていて欲しいのはあの時代であの感覚。あの音楽。あのデザイン。そしてあのキャラ達。

今年は来るんだったな!
絶対、来るんだったな!
とワクワクが上がってきてしまう。

御作の読後感じたことは楽しんで書いたのか?楽しませるために書いたのか?
書くときは強烈に楽しんで、結果、楽しませることが出来れば嬉しいですよね。
楽しませる作品は読んでくれ(観てくれ)と懇願しなくても勝手に観たくなる読みたくなる。

僕もそんなの書いてみたい。

そんな風に色々考えさせられました。

ありがとうございました。

四月は君の嘘
219.100.84.36

「〜た」だけを問題にしている訳ではないです。


最初のコメントからの抜粋が、(↓)だったとゆーだけで。


>「小学校作文になってる」元凶は、【言った言った言った〜 のだんご】。
>「言った」も異常に多すぎますが、
各文の結びが、ぼぼっと眺めると、ほぼ・ことごとく【〜た】。
>9割方が【〜た】なんじゃないか?? ってー、異常頻度。



夜の雨が、トンチキに「後出し〜」とか言ってるけど、
最初のコメですでに、


>内容云々以前に、「稚拙に見えて損」だし、
そこで嫌気がさして・読んでもらえないリスクが、どうしたって高いから。
>教職・編集・校正・校閲……の経験者には、「耐え難い世界」で、脳内で全面朱入れしてる状態。
>そんで、「公募の下読みさん」って、よくは知らないんだけど、
ここのサイト古参が喋ってた憶測によると、「元国語教師とかが主」だってハナシだ。

↑ やんわりと? そう書いてます。


この文章・・編集者は絶対「いいとは言わない」。

編集者は、【文末の処理に着目しているから】です。


公募の授賞式でお目にかかった、文芸誌のベテラン編集者さんも、実際そうだった。
やさぐれ果ててヤキが回ってたワタシは、「文末の処理」で、その方に厳重注意されましたわ。。


「文末をおろそかにする者は、文末に泣く」んです。

四月は君の嘘
219.100.84.36

“文末の処理が、8割方「〜た」でも出版社されている小説はある”ってハナシですが、

そら、探せばあるでしょう。

【文章全体が、読んでいて心地よいリズムであるなら、それでも無問題】なので。



「じゃあ、この原稿が、その域に達しているか?」

「公募で受賞できるレベルになっているのか?」

つったら、「なっていない」じゃん??



現状、「小学生男子の作文」状態の書き方だから〜。



「現状で十二分」「何の問題もない」と、

書き手本人も、外野も思ってんなら、


それならそれでいいんじゃないですか??



ワタシは絶対そう思わないけど。

北野一徳
126.78.255.215

古巣語啞様
感想&アドバイスをありがとうございます。
文体については、あえて、とだけ答えておきます。
私が物語を書くモチベーションは、知らないことに近づくためにあります。
文体もその手段のひとつに過ぎません。

四月は君の嘘
219.100.84.36

まあさー、

ここの現状、「落選しました」「これで、なんで落選したのか分かりません」な人は、
おしなべて「文末の処理がダメ」だった。

ここ3年分の『北日本』一次落ち原稿が、「全部そう」で、、、

そのたびに、現場で「文末の処理がイカンです」と申し上げて来ましたが、


今回の「古巣語啞 さん」のように、
横から、
「あまりにも断定的かつ自身の背景を透かして権威付けをした上での発言だったため、鵜呑みにしてしまうのではないかと気がかり」云々
的に、まあ真っ向否定され、

夜の雨式 ミスティフィカシオンでまぶされて・・

おしまい。



そして、【文末の処理なんか、どうでもいい】【んなこと言ってるのはキチガイだ〜】

と揶揄されて、

問題箇所の指摘は、つぶされてきた。




いいんですよ??

ワタシ自身は「困らない」ですし〜。





文末がコレで、現状ママ(小学生男子作文調)で、どこぞの公募に受賞する日が来るんであれば、

それはそれで目出度いことに違いないですし。

四月さんの素晴らしい文章
222.224.189.72

『北越雪譜』より

>「あのね—……」
> 怒る気も失せる。この贅沢者。
> 彰は、充分イケメンだ。髪型も服の趣味もバッチリで、彰と会うたび聡は、自分がいかに田舎くさいかを思い知らされ、密かにヘコむというのに。
>「しっかし、どうしてそうまで嫌うかなー?」
>「魂が薄くなる、って言うじゃないか」
> 明治の人間か、お前は。


登場人物と作者との漫才。
二人の少年の間に、何者かがいますね。
これは一次落ち。本人は直す気もないらしい。ま、それならとことん腐って下さいw

北野一徳
126.78.255.215

アフリカ様
感想をありがとうございます。
私は楽しんで書いているのと、少し違います。読者を楽しませようとしているのとも違います。
あくまで、自分の為です。

古巣語啞
66.133.76.9

四月は君の嘘さん返信ありがとう。
よく読んでいないのだと思うのでもう一度僕が書いた文章をよく読んでみて下さい。返信に曲解が含まれまています。


>そら、探せばあるでしょう。

【文章全体が、読んでいて心地よいリズムであるなら、それでも無問題】なので。


僕もそう思います。
でも、なら最初からそう書きべきではないでしょうか?

>うん、この文体だと、「公募は必ず落とされる」でしょう。
>「小学校作文になってる」元凶は、【言った言った言った〜 のだんご】。

この書き方では、た。で終わる文章の羅列は絶対的にNGと断言しているように感じるのではないでしょうか?
そのような意図がないのでらあれば言葉をつくすべきです。中途半端かつ強い表現でもって指摘するのは可能性を閉じる行為に思われます。
以前教師をしていたとも見たので知っているかと思われますが、教育とは可能性の拡張です。反対に可能性を閉じる知識や経験の植え付けは洗脳、エレファントシンドロームを招きます。
他者を顧みず、日頃の自身の鬱憤を晴らすための吐き捨てただけの戯言ならいざ知らず、相手や他者を思いやってのアドバイスであるのなら尽くすべき言葉を欠いていると僕は感じたので、差し出がましいのは承知の上で意見しました。
もちろんこの小説が出版レベルか否かは僕もあなたと同意見ですが、それを促す言葉の選び方や突き付け方に疑問符を持った次第です。ご留意のほどよろしくお願い申し上げます。

四月は君の嘘
219.100.84.36

「〜た。」が8割・・でも、それだけなら、そう問題でもないのかしれない。

でも、この原稿、やたらと「〜ってた。/〜てた。」が連続して出てくるんで、
やっぱ引っかかる。

“あえての口語表現”で、「〜ていた。」を避けてるんだろうけども・・
気になる。

「〜言った。」「言う」も無茶苦茶多すぎる! し。。


そうまで頻出させて、地の文に織り込んで来られるよりは、
3つか4つずつぐらい「鉤括弧台詞の連続」で処理してもらった方が、
目に優しいし、

「臨場感出る」だろうと、個人的には思うんです。


まあ、読めないおばはんの、余計な御世話で、

しつっこくて悪いんだけど〜

四月は君の嘘
219.100.84.36

↑ 上のアホが、なんか「ここぞ!」と、ワタシの昔原稿貼ってますけど・・


個人的に、「一次選考落ちは、まだしてない」です。





で、上のアホが貼ってるやつも、

入選で、全文、作品集に入っている。

古巣語啞
66.133.76.4

四月は君の嘘 さん
お忙しいであろうところ、お時間、お手間を取らせてしまい大変申し訳ありませんでした。
元よりあなたの指摘している箇所には同意見ですし、今しがた追記していただいた内容であれば、意図が齟齬なく他者へ伝わるであろうと思われます。
編集者や教師という肩書きをチラつかせてしまったり、客観的な根拠を示さずに断定的に明言するのではなく、あくまで私人の一意見に落ち着いている為、受け手に対して意図した以上の強い先入観や誤解を抱かせない文章になっていると感じます。
たくさん感想を書かれている方なので、一件一件に深く向き合うのは幾分大変な作業でああろうとは存じますが、後世育成のためにも必要な配慮かとも思われますので何卒ご配慮の程、よろしくお願い申し上げます。

かけうどん
49.98.141.8

感想欄を読んでいるとどういう目的で投稿されたのかがよくわからなくなってくるのです。

北野一徳
126.78.255.215

かけうどんさん
コメントありがとうございます。
目的について問われているので…
自分の作品が他者にはどう映るのか、それを知ることが目的です。

かけうどん
49.97.106.175

ごめんなさい他の方の感想を北野さんの返信だと勘違いして勝手にこちらで混乱してしまいまして返信不要です。

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

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