作家でごはん!鍛練場
むるてゅい

歯みがき夫人

おれが寝転びながらiOS・Android用ゲームアプリ「モンスターストライク」に精を出していると女がとつぜん、わたしって人間観察が趣味なんだよね・・・と言い出した。バカ、そんなの当たり前のことじゃないか。人間は物心ついたころから親の顔をうかがい、友達の言動に気を払い、先生や上司を自称する人の企てを読み解くようにプログラミングされている。人間観察というのは人間の基本的な習性であって趣味でもなんでもない。じつは息をするのが趣味なんです、なんて人がいるとでも思っているだろうか。
おれは相づちを打ち、女は人間観察の報告をつづける。激しいエフェクトが気分爽快なモンスターストライクのプレイを止められるはずもなく、テレビのバラエティ番組が終わったと同時にミッションコンプリート、報酬のクリスタルの輝きに心がすこしだけ踊った。
報告を終えた女は黙ってiPhone 7 Plusをいじっている。ちょうどいいタイミングだなと直感した。おれは仰向けのままホットパンツからむき出しになっている太ももを眺める。すこしだけ踊っている心がさらに踊り出すのを感じた。
おれのまわりにいる人々よりも若く、ちょっとばかりエロい身体をしている女。皆が当たり前におこなっていることを趣味と称す女。その無防備な太ももへ手を伸ばす。ほっそりとして、しかし肉がたぷんと乗っている。エロいだけの太ももにふれる寸前のところで手を引っ込め、モンスターストライクの画面をタッチしてゲームを再開した。
太ももにふれようと思えばいつでもふれられる。太ももだけではない。この女のありとあらゆるところを好きにできるのである。でも、モンスターストライクのイベントは今日までだ。今日までにイベントをこなさないと限定アイテムを逃すことになる。あと三時間弱で今日が終わってしまう・・・。自分ではどうにもならない「時」という事象と奮闘する緊張感と、女の身体をいつでも自由にできる余裕と愉悦でおれの身体はドーパミンで明るく満たされていった。
      ●
昼休み、いつものようにモンスターストライクをやっていると同期の東野がずんずんやってきて、「イベント昨日までだったの忘れててさあ、あははは。」と明るく言って、となりに座った。いつどんな状況でも東野はひょうきん者だった。哲学科卒の恋人に一張羅のスーツをハサミでめった切りにされようとも、母親が日本画の贋作で生計を立てていたと判明しようとも、東野は己の人生を楽しめた。こいつはいいやつだ。信頼に値する男だ。
「まあ通例だとニ、三ヶ月で限定アイテムが課金で手に入るようになるしな、気にするな。」とおれが無難に励ますと東野は、「全然まったく気にしてねえよ、おれがそんなタマに見えるか? 例の限定アイテムは一ヶ月以内に弱体化されるから大丈夫大丈夫、それを見越して昨日はクソおもしろい海外ドラマを観て有意義に過ごしたわけ、重厚な物語がおれを知らないどこかへ連れて行ってくれる・・・ってやつ、あははは、おまえ海外ドラマとか見る? 最近おもしろいやつが皆無で困ってるんだよなあ。」
東野にはなにひとつ根拠がない。しゃべって五秒で矛盾する。空っぽだ。無の境地とかいう高尚なものではなく、空き缶みたいに無意味な空っぽ。笑い方がすこし気持ち悪い。母子家庭ゆえのマザーコンプレックス。一部からは評価されるムードメーカーで、大喜利が地味に強く、酒癖が悪く、そしてなにより、おれと仲良くしてくれる。こいつはいいやつだ。信頼に値する男だ。
「おつかれさまですー。」と今田さんが斜向いに座った。あいかわらず澄んだいい声だ。この女はふてぶてしい。信用できない。
おれはつい一週間前まで今田さんをこの会社の社員だと思っていた。しかし最近になって保険の外交員、つまり社外の人間だと判明し、えっ!?今田さんって生保レディだったの!?と失言してしまった。おれ以外の社員全員にとっては周知の事実であり、いらぬ恥をかいてしまった。
だって今田さんは、濱田さん(頭の上がらない先輩)や松本課長(気難しい変人)と親しげな関係を築いていたし、いまだって堂々と社員食堂を利用しているし、今田さんってすげえ人だなあと敬意すらもっていた。そんなおれの純粋な気持ちを粉砕したのだ、あの斜向かいの女は・・・。
「おつかれさまです。」とおれと東野は同時に返事した。おれは海外ドラマよりも昨日のモンスターストライクのイベントがいかに大変だったかを語りたい。その感情をなにも考えず東野にぶつけた。東野は話題に乗ってくれて最終的にはイベントに参加できなかった己を悔み、おれをうらやましがった。やっぱり、こいつはいいやつだ。
「おふたりって仲いいですよね。」と今田さんが言った。「うらましいっていつも思ってるんです、こんなに仲のいい友達って社会人になるとなかなか難しいじゃないですか。」
「うーん、そんなものですか?」
「そうですよ、得難いですよー、趣味も合いそうな感じですよね。」
「合うときと合わないときの差が激しいですけどね、おれとこいつ似ても似つかないし、見た目とかとくに、あははは。」
「それでもうらやましいです。」と今田さんは言った。「わたし社会人になってから二、三年で学生時代の友達と縁が切れちゃいましたし、趣味が合う人なんて絶対いないですし・・・。」
今田さんが「絶対」をすこし強め言ったのおれは聞き逃さなかった。「今田さんの趣味ってなんなんですか? 合う人が絶対いないとか言われたら気になりますよ。」
今田さんは、いやいいですよー、とか、絶対わからないと思うんで・・・とか言い分を重ねつつ笑顔を絶やしていない。やり手の今田さんの他人に理解されない趣味。気になる。おれと東野の期待感を察したのか今田さんは観念したようすで言った。「・・・歯みがき。」
「ん?」とおれと東野は同時にわずかな異物感をもった。
「ですから、歯みがきです。」と今田さんは言った。「わたし、歯みがきが唯一の趣味なんです。」
「歯みがき?歯みがきって趣味になるんですか!?めちゃくちゃ興味湧いてきた。」
おれが興味関心をもつと今田さんはダムが決壊するかのごとく語りはじめた。
      ●
さっきも言いましたけど、歯みがきがこれまでの人生のなかで唯一の趣味なんです。幼いころからきれい好きでしたから歯みがきだけではなくて洗顔や入浴も好きでしたし、掃除や洗濯を率先してお手伝いしてました。でも、部屋の掃除や洗濯を手伝うと褒められてしまうんですよね。いつもありがとねーって。しかもお小遣いまでもらえたりする。わたし、それが嫌だったんです。褒められるために掃除をしているわけじゃないし、お小遣いをせびるために洗濯をしているわけじゃない。ただ好きだからやっているだけで、それ以上はなにも望んでいないのに・・・って。
だからといってお手伝いをやめることはなかったのですが、年ごろになって自分の身なりが気になりだすと今度は洗顔・入浴に「美」や「かわいい」という価値がひっついてくることに気づいてしまいました。まわりの子のなかには「美」や「かわいい」こそが洗顔・入浴のいちばんの価値だと信じている子もいました。
わたしは目鼻立ちがくっきりしてるせいか、化粧水はなにを使っているの?洗顔料は?シャンプーは?と訊かれることが多かったのですが、身なりを気にするといっても最低限ですから洗顔料やシャンプーはいかに汚れをうまく取るかが重要なんだと答えていました。人によりけりなのですが納得半分、もやもや半分といった反応でした。なかにはわたしのことを、自分をかわいいと思っているから情報を隠しているに違いないと理不尽な陰口を叩いていた子もいたようです。
「きれい好き」ということが金銭欲につながり女の美しさに直結していく・・・。ただ好きなだけ、という感情がこれほどの困難を極めることに中学生のわたしは悩みました。しかし、考えてみれば掃除、洗濯、入浴、歯みがき、洗顔はだれもが日常的におこなっていることに過ぎません。わたしはわたし自身の「きれいさ」が欲しかったのです。歯みがき、これが唯一残ったわたしの道でした。
歯みがきをしても褒められることはありません。歯みがきで金銭を得るのはなかなか困難でしょう。歯の美しさは女の美しさに結びつくのですが、幸か不幸かわたしのまわりには歯みがきにこだわっている子はいませんでした。
こうして、わたしは心ゆくまま歯みがきをしつづけ現在に至っているのです。もちろんこれまでに歯みがきにこだわっている人に何人か会ったことがありますが、わたしに言わせれば不十分な歯みがきでした。わたしは三十分間の歯みがきを一日三回必ずしますし、週一回の自己検査、月に一度の定期検診、季節の変わり目ごとに歯石を取りに歯医者へ行きます。春になったら花見とふつうは思うかもしれませんが、わたしにとって桜は歯石取りを告げてくれる花なのです。
わたしの歯みがきは専用ケースを開けることからはじまります。メイクボックスを想像してもらうとわかりやすいと思います。そこから歯みがき用品をすべて取り出し、指定の場所に置き終わったら鏡のなかの自分の歯を見つめます。これはある種の儀礼なのかもしれません。
まずはなにもつけずに電動歯ブラシで歯一本一本に毛先を当て細かく動かしていきます。重要なポイントは歯ぐきではなく「歯」だけをみがくことです。これが意外に難しく、はじめたてのころはよく歯ぐきから血を出していました。つぎにジェットウォッシャーを当て、それでもみがけない箇所はデンタルフロスで汚れをからめ取っていきます。
舌ブラシで舌の掃除をしたら一旦うがいをして、いよいよ歯ブラシに歯みがき粉をつけます。わたしのおすすめはAPAGARD Premioで少々値は張りますが期待以上の成果を発揮してくれます。歯ブラシはふつうサイズと細いサイズを使い分け、ふたたび「歯」だけをみがいていきます。最後にマウスウォッシュで口をすすぎ、歯みがき完了です。
わたしはなぜこれほどの手順を踏んで歯をみがくのか。快楽、これしかありません。歯の隅から隅まで徹底的にみがく瞬間ごとの快感は中学以来ずっと変わりません。この快楽はなんなのだろうとずっと考えてきました。下心のようなものじゃないかと不安になったこともありますが、いまならはっきり言えます。
歯みがきの快楽は、趣味つまり道楽からくるものなのです。歯みがきが好きな自分、歯をみがく快楽を感じる自分、これらはすべて趣味だからということで完全に説明がつきます。金銭欲、女としての美しさ、下心、これらすべてを洗い流してくれたのが歯みがきという趣味なのです。
おれと東野はいっさい口を挟むことなく今田さんの演説めいた話を聞いていた。正直、内容の半分も頭に入ってこなかったけれど、すごいのはわかった。拍手でもしようかと思った矢先に今田さんが手を合わせ、ごちそうさまをして何事もなかったかのように立ち上がった。
「あっ、それと、わたし結婚するんです」と今田さんは言った。「こんな話を聞いてくれたお礼・・・といったら変かもしれませんけれど、おふたりには先に言っておこうと思いました、近日正式にあいさつ回りをしますからそのときまでは内密にお願いしますね、では失礼します。」
おれも東野も漠然とうなずく以外になにもできなかった。今田さんが食堂から出た瞬間、雷鳴が響いた。窓に激しい雨が打ちつける音が鳴りつづける。とつぜんの嵐にもかかわらず驚く余裕はなかった。
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嵐のなかアダルトショップに立ち寄るおれはなかなか奇怪だと気分が浮き立ったのも束の間、帰りの電車に揺られるごとにちょっとずつ平常心に戻っていき、雨音はやわらかくなり、おだやかな夜の日常がつづく。しかし家に帰っても部屋が真っ暗なのにはさすがに驚き恐怖した。女は電灯もつけず、テレビもつけず、スマホもいじらず、なにもせず床に座り込んでいた。
いよいよ女は気が狂ってしまったのか・・・。いや、おれへの当てつけかもしれない。静かな反抗を示しているようにも見える。さまざまな恐れのパターンがうずまくなか女に声をかける。女はなにかに怯えているようにも見えた。しかしそんなわけはない、思い違いだろうと気にせず、真っ暗闇でなにをしているのか率直に訊いてみた。
「とつぜんテレビが消えて・・・スマホを充電しようと思ったら充電できなかった、あと電気がつかなくて・・・ごめんなさい。」
これが女の答えだった。意味がわからない。おそらく昼の嵐で停電したのだろう。だったらブレーカーを上げるなり、懐中電灯の場所をLINEかなにかでおれに訊くなりできたはずだし、暇ならおれのノートパソコンで適当にYouTubeを見ていてもかまわない。
という旨のことを言ったけれど女の反応は鈍かった。無反応といってもいい。話をつづけているうちに女はブレーカーという機器の存在を知らず、停電=懐中電灯の発想がなく、パソコンの電源の入れ方を知らないことがわかった。
この女は生活力もなければ最低限の常識もないのだ。一週間足らずの付き合いだけれど、この女のだいたいを把握した。女はポテトチップスの袋などのゴミをそのまま放置する癖があり、だらしない性格だと思っていた。しかし、そうではない。癖や性格に問題があるのではなく、生活力そのものが欠落しているのだ。
おれがブレーカーを上げるとテレビの笑い声は聞こえてきたけれど電灯は豆電球しかつかなかった。ちょうどいいタイミングだなと直感した。停電中に女が電灯をつけようと何度もスイッチをいじった結果、豆電球のほのかな灯りがついたのだろう。おれはアダルトショップで買ったぺぺ・ローションを手に取り、女の待つほうへ向かう。
女はうろたえていた。女は自身の行動がこの部屋を薄暗くしたことを知らないし、おれがもっているオレンジ色の容器がなんなのか知らない。おれはテレビを消し、女にホットパンツを脱ぐように指示した。女は尻を浮かせてなにも言わず静かに脱ぎだした。ほっそりとした、しかし肉がたぷんと乗っている太ももが露わになり、おれの心がすこしだけ踊った。
ちょっとばかりエロい以外になんの取り柄のない女。生活力もなく常識もなく、おそらく勉強も仕事も大してできない。つまらない女。そんな女の太ももを撫でまわしながら、いまだけ気分は今田さんの信者になって絶好調だった。今田さんはすごい。おれは生まれてこの方、歯みがきについて根掘り葉掘り考えたことがなかったし、探究の対象だと思ったことすらなかった。
今田さんは声がきれいで、仕事ができるのもオーラで簡単にわかる。思慮深くて素敵な女だ。そんな今田さんがよく結婚しようと思えたものだ。男と結婚するなんてバカバカしいと思わないのだろうか。よほどいい男なんだろうか。
おれは女をベッドにいざない、うつ伏せになるように言った。それにしてもエロい尻だ。つくところにはちゃんと肉がついているから女というのはわからない。このエロ尻が「人間観察が趣味なんだよね・・・。」とか吐かすから興奮する。当たり前のことを非凡だと勘違いしている罪深いエロ尻を軽くスパンキングする。今田さんをすこしは見習うがいい。スパンスパンとエロ尻を叩く音がする。今田さんのように当たり前のことを当たり前と決めつけることなく、十年以上も探究しつづける根気があるだろうか。おれは大した苦労も努力もなく生きてきた。それどころか立派な人間に憧れもしなかった。バカは楽そうでうらやましい。悩みも妬みもない。バカエロい尻を揉みながら、おれはバカな尻になりたいと思った。今田さんがなにを熱弁したかほとんど覚えていない。というか、なにを言っているのかさっぱりだった。おばあちゃんの知恵袋のような深み、という表現しか思いつかない。あの人は位が高い、次元が違う、天上人、というか頭の出来がいいんだ、たぶん。こんなふうに生まれ育ってしまった自分をどうしたらいいんだ。女のパンツを指でぺろりんとめくり、おれはギンギンに反り立ったものを手に取ると、どこかへいってしまいたい衝動に駆られた。
      ●
とつぜん女が失踪してから一夜明け、濱田さん(頭の上がらない先輩)から、「今田ちゃん結婚したらしいな、おめでただってよ、玉の輿だってよ、一気に勝ち組だな。」と聞かされた。婚約者の正体はベンチャー企業の社長だった。今田さんは歯みがき夫人にランクアップした。今日は定時で仕事が終わりそうだったから浮足立っていた。とくになにをするわけでもないのに定時上がりはなぜ気分がいいんだろう。
十八時前に帰宅し、YouTubeでゼルダの伝説ブレスオブワイルドの実況動画を見ていると呼び鈴が鳴った。ピザの宅配だった。受け取ってしまったけれど、ピザを発注した覚えはない。しかもメジャーな宅配ピザではない。ピザ・ファーザー。なんだその社名は。気味が悪い。
とはいえ、ちょうどいいタイミングだなと思ったからピザを食べる。思いのほかおいしい。クリーミーでスパイシー、さすがピザ・ファーザー、その名に恥じない。たぶん社長がゴッドファーザーのファンだからこういう社名なんだろう。安易だけれどこういう安易さは大事に育んでいきたい。その成果がおいしいピザという果実を実らせたのだ。
また呼び鈴が鳴った。さっきのピザ配達員だった。どうやら間違って配達してしまったらしい。誤配達を証明するために電話に出てほしいとのことだった。配達員のスマホを耳に当てるといきなりミッション・インポッシブルのテーマ曲が流れはじめた。いや、おかしいだろ、この呼び出し音、せめてゴッドファーザーにしろよ、というツッコミを飲みこんだかわりにふくみ笑いが出てしまった。
ピザ・ファーザーのサポートセンターにつながるとおれは、いやあ、うちのが勝手に頼んだと勘違いしちゃいまして、ははは・・・と嘘をついた。あのエロい尻を想起した。偽名であろう女の名前が思い出せない。かな?まゆ?えみ子?いや、えみ子だけはない。十八歳を自称していたけれど明らかに十八ではない女。十八歳の女とセックスをしたいと思うのはロリコンなんだろうか。十日ほどいっしょ家にいて一回しかセックスができなかったのは平均的なのか。
「なあ、どう思う?」とおれは東野に訊いてみた。
東野はたばこを灰皿スタンドに押しつけ煙をすべて吐いた。「それ訊いてどうすんの?おまえはロリコンだって言ったら納得するわけ?世界はおれ中心でまわってるんじゃないんだからさあ。」
「話をそらすなよ、マザコンである東野だったらロリコンの気持ちもわかるんじゃないかと思っただけだよ。」
「くっだらねえ、おれは許されてるマザコンなんだよ。」と東野は常套句を言った。母子家庭だから人一倍母親を大切にしている=マザー・コンプレックスを許されているという東野らしくない筋の通った信念だった。「ロリコンってのは、ありゃなんだ?ガキのケツ追っかけてなにが楽しい?いや、最近の子供は発育がいいというし・・・でも安達祐実みたいなのがいいんだろ?いや、安達祐実ってもういい歳だしなあ、ちょっとまて、見た目がガキの大人と、見た目が大人のガキ、どっちとやりたいのがロリコンなんだ?どっちもロリコンだな!間違いない」
「知らねえよ、それより十日に一回しかセックスしないのは。」
「おかしい!」
「だよなあ!」
おれたちは気分良く喫煙所を後にした。やっぱり東野はいいやつだ。信頼に値する男だ。

歯みがき夫人

執筆の狙い

作者 むるてゅい
222.229.4.214

おひさしぶりです。といってもわからないかもしれません。なにせ三、四ヶ月ぶりですから。今回はスラスラ書くことができました。だからこそ不安です。順調にいっているときほど落とし穴があるのが相場です。とはいえ自分ではそれなりのものができたなんて生意気に思っているわけです。客観視というのは難しいですね。

コメント

えんがわ
165.100.179.26

好きです。
文体の軽さと、軽いなりに出ている倦怠感、東野もセリフからなんだか二人の関係の心地よさみたいなのが出ているし、信頼するという言葉が安っぽいんだけど安っぽくない。歯磨きへのディティールの細かさが、愛着の執念深さを担保しているし、扱っている題材も心の在り方も、とても現代というのを捉えている(ように自分には思える)

これは好みでしか自分は語れないけれど、文章はだらしないようでしっかりとしていて緊張感を失わないし、それが題材にあっている。
粗は見つけようとしても、見付からない感じですけど、自分の観察力では。
観察への態度もいいですよね。序盤の人間観察は基本と言う主人公の哲学が、次のシーンでの東野と今田(Wコージ?)への言及で実践されているのがわかり、主人公が薄っぺらくなり過ぎない。

あっ、でも、最後の安達祐実からは加齢臭がしました。
それまでは主人公は二十代前半から後半の人だと読んでいたのですけど、ここで30代に一気にふけこんだような。安達祐実38ですもん。
でも、ただ、言いたいことは痛いほどわかるんです。あの、何時までも子役って感じは彼女の感じとして。

むるてゅい
222.229.4.214

えんがわさん、ご感想ありがとうございます。
好きと言っていただけるのはなによりうれしいです。「緊張感を失っていない」とのことですが僕自身その場がおもしろければそれでいいというスタンスなので、それを言い換えると緊張感になるのかもしれません。ちなみにダブルコージはそのとおりです。上司と先輩はダウンタウンです。
安達祐実についてはおっしゃる通りですね。僕もちょっとだけですが迷いました。志田未来にしようかとも思ったのですが広い知名度(四十歳以上でもピンとくる)をとって安達祐実にしました。主人公はアラサーのつもりでした。

水野
220.221.71.16

『歯みがき夫人』読みました。

小説は物語とは切り離せない媒体ですが、どこまで物語を利用するかは作者本人に委ねられている場合が多いですし、一見同じ量だけ委ねられているように思える二つの小説を仔細に辿っていけば、物語をどこまで意識的に利用できているかの差異が判明する場合がほとんどです。小説はもちろん物語とイコールで結ばれるわけではありませんし、必要条件・十分条件などといった単純な図式に還元できないのも根源的事実でしょう。一体どこからこの区別が発生したのかはわかりませんし興味もありませんが、小説を物語的側面において鑑賞するという読書の方法は、いつの時代にもあったのだしこれからも絶対になくならないものと確信しています(漫画や映画などと比べ、小説という媒体が物語を味わううえで不便な側面を宿命的に抱えているという事実を考慮しても)。

端的に言ってしまえば、本作にはそうした意味で語られうる物語がありません。一応、「歯みがき夫人」と後に呼ばれることになる一人の女性を軸にして話が構成されていることは確かなのですが、この軸が周りを巻き込むこともなく、小説とは別のところで静かに、独立した回転運動を続けたまま見えなくなって(隠されて)しまいます。明らかにこれは大切な話なのだよと見栄を切っているかのように、後に歯みがき夫人と呼ばれるであろう一人の女性の話が小説の途中で挟まれていますが、この話を聞くことで、主人公が何らかの変化を被ることはない。むしろ「内容も半分も頭に入ってこなかったけれど」と自ら申告しており、名のない「女」の失踪前夜には「今田さんがなにを熱弁したかほとんど覚えていない」と言い切っています。彼にとってその女性は「声がきれいで、仕事ができる」という印象でしかなく、歯みがきの話よりも、その後にちょろっとだけ出てきた結婚話の方により気を取られてしまっている。

「十日ほどいっしょ家に」いたという「女」と、後に「歯みがき夫人」と呼ばれるであろう一人の女性との区別は、おそらくは曖昧になっています。「女」の失踪が、後に「歯みがき夫人」と呼ばれるであろう一人の女性の結婚と同時期に起きている=二人が同一視されている。さすがにこの二人が同一人物であるという線はなさそうですが、読者としての私は、この二人の女をめぐって物語が展開しているという線をどうしても捨てきれずにいます。そうしたミーハーな読者のために、あるいはこの二人が同一人物なのではないか、もしくは血筋など近い間柄にあるのではないかと予想できるようなヒントを巧妙にばらまいておくのも一つの手かもしれません。今のままだと、既存の有名な作家の方法論から抜け出せていないことになるので、流れに身を任すのではなく、その流れを断ち切るような何かしらの鋭利な、作者自身をも傷つけかねない強い武器が欲しいところです。

というのも私は、どうもこの小説から村上春樹を連想せずにはいられなかったからです。用いられている素材はもちろん異なるのですが、その用い方、小説における処理の仕方のことを言っています。

たとえば「モンスターストライク」や「ゼルダの伝説ブレスオブワイルド」などの固有名詞の用い方は、村上春樹が主人公にクラシックの曲名を語らせるときの文法とそっくりですし、一番の問題は男の女性に対する目線です。完全に印象論のみで語るほかありませんが、女の語る言葉や仕草を受け止めるさいの主人公のやり方が、およそ現代とはかけ離れたものであると断言してもいい。普通は真剣にならないであろうもの(本作の場合歯みがき)に対して執着する人間を登場させるのは初期の村上作品にはよく見られる手法ですし、それを小説内ではあっさりと流し、そのじつ作品の根幹をなす重要なメタファーになっているのではないかと読者に思わせてくる巧みな戦略/身振りにしてもそうです(物語の中に物語を挿入するという手法そのものに関しては、もっと遠いところに起源がありそうですが)。家出少女を泊めるというのは初期三部作のうちの前二つに出てくる重要なモチーフですし、そばにいた女性が煙のように姿をくらます展開は多くの村上作品に共通して語られています。

「歯みがき」を「歯磨き」としていないのは私には好印象でしたが、後に「歯みがき夫人」と呼ばれるであろう一人の女性の歯みがきに関する独白パートにも、上記の影響を色濃く感じてしまいました。「客観的な視点」で自作品を見ようという場合、既存のどういう作品に自分の作品が似てしまっているのかを意識した方がいいだろうとは思います。この時代、「私の創作物は誰にも真似できない完全オリジナルだ!」みたいな言説は絶対に通用しません。誰かが作るものは必ず他のものと似るようになっています(内容のレベルもそうですが、特に文字・表記のレベルにおいて)。無論私の創作物もそうですし、言ってしまえば今回の私のコメントも全て、何者かの模倣でしかありません(私はそのことを意識し、利用させてもらっているという感覚が強い)。ここをどう突破するか、その影響から逃れられるはずもないとわかっていながらも敗走を続け、その痕跡を自作品に散種していくかはそれぞれの書き手に委ねられています。また自分がどういった書き方に囚われているのかを追跡するためには、より多くの書物を読むほかないのだろうとは思いました、自戒の意味も込めて。

(本作のような書き方で4カ月前というと『イグアナを飼いたかった話』なんかを思い出します。心当たりでなかったら申し訳ありません)

むるてゅい
222.229.4.214

水野さん、ご感想ありがとうございます。
物語にはあまり興味がありません。正確にいうと他要素に比べてストーリー展開の優先度が低いというべきでしょうか。しかし、人間というのはどうしても物語を必要とする生き物のようで、関係ない事柄を勝手にストーリー化したり(黒猫が横切ると悪いことが起こる、など)、生きるためのストーリーをつくったり信仰したりしてしまうみたいです(いい大学を出て大企業に就職したら幸せというひと昔前の神話など)。僕もその例に漏れませんから物語というものを見直す必要があると考えています。
出来事が人を変えなかったり、出来事どうしがつながらなかったりするのは小説内の事象すべてが効果的に発揮されなくてもいいのではないかと考えているからです。伏線回収というやつにはまったく関心がありません。殺人事件が起こってもわざわざ事件を解決する必要はないじゃないかと思っているくらいです(そういうミステリーもあるのでしょうね)。ですが今回はそれをやりすぎてしまったのかもしれません。不自然・リアリティがないことに抵抗はないのですが、小説としての強度を保ちたいがために「変化しない・つながらない」ことを強調してしまったのかもしれません。
村上春樹の影響についていえば、僕が読んだことがあるのは「海辺のカフカ」と「1Q84」くらいです。「1Q84」は二巻目までは良かったですね。好きな小説家を三人上げろといわれれば、大江健三郎と阿部和重は確定であともうひとりは常に変動します(いまはフローベールでしょうか)。固有名詞の使い方はおそらくこの二名の影響ではないかと推測しています。村上春樹の模倣説について無理やり前向きに考えると、小説として最低限のものは書けているということでしょうから気にしすぎないのがちょうどいいのかもしれません。模倣、パロディ、引用、名作を下敷きにすることへの抵抗はありませんし挑戦してみるのも有りですね。
小説を書くときの手法や戦略はあまりなく、むしろ自分自身を愚直に参考しているように思います。たとえば、主人公が歯みがきの話の内容をほとんど覚えていないのは僕自身の記憶力の弱さからでしょうし、歯みがきに固執しているのは固執することへの憧れのようなものがあるからでしょうし、女性に対しての受け止め方がおかしい(というか端的にいって屑)なのはこれを書く前にエロ漫画を読んだからかもしれません。
ほんとうはフローベールの「感情教育」みたいなものが書きたいんですよ。この小説なにがすごいって、出てくる登場人物が全員凡人なのに作品としては非凡なのがすごいんですよね(これは阿部和重作品にも当てはまります)。あるいは「よつばと!」みたいなものが書けたらとも思います。
僕の小説の改善点は、・人物を凡人にする ・ぼやけた展開を避ける ・物語(ストーリー)を軽視しない といったところでしょうか。あと戒めとしてメタフィクションは書かない。これらすべてを達成できる人は小説家として大成してるでしょうから、まずはどれかひとつを注意してみることからはじめてみます。

弥々丸朗
106.161.220.201

>パンツを指でぺろりん

ということは、パンツ穿いてるままのおしりにローション垂らしてスパンスパン、ってことなんですか? いきおい読み飛ばしてたのか、後で気付いて嘘の上塗りみたいに思ってしまったんです。
つまりはこれはその象徴ってことにしておこうかと個人的にはそんなご挨拶ということなんですけど。

タイトルを”歯みがき婦人”としたい思惑があたしには多分読み取れていません。
一人称形式について、如何に語り手以外の登場人物の独白を許すのか。
それが今田さんの一連の独白パートになるんでしょうけど、あたしは一体だれがしゃべっているのか、よくわかりませんでした。
独白の終わりがそのまま一人称の地に接続しているので、あたしが思った謎っぽさは更に確実に深まったのですが、単純に、今田さんの言質というか思考というか、馬鹿なのでヘンな言い方ですけど気配が女じゃない、っていう単純な違和感が穿った読み方させただけなのかもしれないんですけど。
キャラとか、そういうこと言ってるのとは違うので勘違いしないで下さい。

”女同一人物案”水野さんが言ってるけど、あたしは似て非なるっていう意味で、書き手さんの誤解のようなものが根っこから電波放ってる結果の曖昧みたいなものがネタらしく想起させるものだと思ってます。例えばってことです。
今田さんのことをユルく全肯定することも、十日一回スパンスパン女を凡と嗤うのも、あたしは東野の口調の嘘臭さと根っこは同じと思っていて、いつでも撫でまわせる太股というアホらしさをわざと男に放り込んでるつもりならそれでもいいんですけど、だとしたら歯みがきさえ嘘じゃないとこのおハナシのマヌケさは彩れない気がするんですよ。

傾向で女を分類したがるマヌケ男のハナシはよくあることですけど、この場合問題はマヌケをマヌケと落としていないらしい気配が濃厚であることで、要はタイトルにすらなっているはずの象徴が所詮マヌケなおしゃべり男に託されてるものでしかない時点で案外、目指したつもりらしいはずの世界を獲得し損ねているんじゃないのかと、あたしはつまり曖昧なモノ、書き手自身の魂胆こそが、ということなんですけど太宰一次落ちが何エラそうに言ってんだ、ってまた誰かが言いたくてうずうずしちゃうらしいんですけど、それ言ったらここ全体全部クソだからやっぱあたしは言いたいこと言うんですけど、あたしはこのおハナシ、芯食ってないと思うんです。
少なくとも、喜ぶのは、上等らしく誤解してくれるのは凡とそれ以下みたいな男の読み手ばっかだと思うんです。

めくる場所、間違えてないですか。
水野さんへの返信読んで、書かないつもりだった感想書かせてもらってるんですけど、言ってることとやってること、たぶんほとんど逆さまみたいな印象なんですけど、やっぱりあたしがオカシイですか。

ご自身で言ってる”客観”って視線さえ、間違ってる気がするんですけど、気に障ったらむしろ自覚あるトコロと思ってムカついてみてください。


良かった箇所は一点、

>こいつはいいやつだ。信頼に値する男だ。

東野の最初のところです。
取ってつけた、まさにわざとそうしたらしいいい加減なエピソードのおしりに言い切る無責任な決定は、書き手ばっかりの身勝手として、あたしはアリな手法だと思うんです。
書くなら、そうして決定権は行使するべきと思うから、”削る”というテクニックの野蛮としてあたしはこれを見逃したくないです。
でも残念、その直後に繰り返して、今田さんでひっくり返したから、書き手にはその意思はなかったことはバレてしまっているし、むしろ手法っていう誤解っぽいし、やっぱりそういう甘いマヌケさなんだと思うんです。

人を書くに当って、まして性別とか、そういう主眼において清潔そうでいて所詮差別の気配が臭ってしまう気質っていうのは致命的だと思うんです。個人的な感想でそんなこと言って申し訳ないんですけど。
東野がいないとこのおハナシは額に収まれないんですけど、その東野が凡庸以下の嘘臭さ、そんなしゃべりかたするやついねえよ、っていうくだらなさでもいいんですけど、あたしはイヤなスパイスだと思いました。
額が俗に堕ちてるから、まじなら嘘。
マヌケらしい自覚もなさそうだから、やっぱ嘘。
っていうのが一読者としての感想で、”嘘”と”正しくない”は別モノと個人的には思っているので、もう少し締めてかからないとたぶん根っこで、悪い意味で同じものしか書けないままだろうな、って思ってしまうんですね。

って、凡人以下のクズが言ってることだからもしかしたら繁盛しちゃったらすみません。






シカトされるの慣れてるので無理に返信とか気にしないでいいです。

槙野俊
134.180.3.237

感じたことを以下に。

●>バカ、そんなの当たり前のこと~(中略)~思っているだろうか。

理屈っぽくて拙い感じですが、最近のラノベとかこんな感じのような気もします(私はラノベを読まないので想像ですが)。
世間ではこういう中身のない能弁みたいなものは許容されているのかもしれませんが、個人的には拙さを感じます。

●場所や女との関係性がわからないので読み進めて行くのにストレスを感じます。また「おれ」が高慢というか人格的に未熟な印象がありますので、それも相まって余計にストレスを感じます(軽いものですが)。

●>肉がたぷんと乗っている。

この「たぷん」に書き手が緊張感を欠いている感じ、一種の慢心を感じますね。
後にも出てきますので、たぶん書き手の心構えに由来しているのだろうなと想像しました。

●>その無防備な太ももへ~(中略)~ドーパミンで明るく満たされていった。

「おれ」を人格的に劣った人間として描くのであれば、そうでなければならない理由が要ると思います。そして、その理由はほとんどの読み手が自然と理解できるようなものでなければならないです。
作者がある意図を持って人物にある特徴を持たせた時に、その意図が詳細な説明がなければよくわからないようなものだと、多くの読者をひきつけることはできないでしょうから。
この箇所は「おれ」が嫌な人間であることは伝わって来ますが、最後まで読み通してもなぜ作者が彼をそう描かなければならなかったかがわからないので、この嫌な印象の着地点が見つからず読者としては困惑するのみです。


違和感を感じた場所があり過ぎるので、全部カットして、以下にかいつまんで。

●>昼休み、いつものようにモンスターストライクを~(以下略)~

場所がわからないですし、おれ、東野、今田の関係性がわからない。彼らの社会的な立場や年齢もわからない。
書きたいことだけを伸び伸びと書いている感じ。
会話文を受けての地の文の内容(東野に対する「おれ」の述懐など)がすんなりと入って来ないです。
感覚の致命的なズレを感じます。

●>おれはつい一週間前まで今田さんをこの会社の社員だと思っていた。

こんな関係性なのに、今田はあんな長広舌をぶったのですか?
不自然だと思います。
「おれ」とは親しくないが、東野とはかなり親密で、歯磨きに関する無駄話(私にはそう感じられました)を無邪気にできるような関係性だったという説明があるなら納得できますが。

●>わたしは三十分間の歯みがきを一日三回必ずしますし

医師が全力で止めるやり方です。定期的に医師に見せているなら歯の状態をチェックされ、ただちにやめるよう指摘されているはずです。
歯の根っこの部分がかなり削れているはずですので。
「歯磨き」はあくまでメタファーであって本質的なことではないのかもしれませんが、ディテールの誤謬は減点にしかならないので避けた方が良いと思います。

●>「こんな話を聞いてくれたお礼・・・といったら変かもしれませんけれど、おふたりには先に言っておこうと思いました

こんなセリフは物凄く非常識で思い上がった人しか発しないと思いますが、どういう意図でこんなことを言わせたのでしょうか?
その前の今田の歯磨きに関する長台詞を総合的に評価すると「空回り」の一言に尽きます。
そしてその長台詞に「おれ」と東野が感嘆するのを見て、ただ白けるしかありません。

●>嵐のなかアダルトショップに立ち寄るおれはなかなか奇怪だと気分が浮き立ったのも束の間

「おれ」が幼稚すぎてついていけないです。

●>当たり前のことを非凡だと勘違いしている

これは「おれ」自身のことではないでしょうか。

●>今田さんのように当たり前のことを当たり前と決めつけることなく、十年以上も探究しつづける根気があるだろうか。

あれを探求と呼ぶのは違和感がかなりあります。

●最後のくだりは

>十八歳を自称していたけれど明らかに十八ではない女。

この一文から思いつきを適当につなげただけの印象で、それが書かれる必然性がなく、男たちの不快な軽さだけがあり何の印象も残しません。

むるてゅい
222.229.4.214

弥々丸朗さん、ご感想ありがとうございます。
パンツの件については単純にミスです。ちょっと恥ずかしいですね。
ひとり語りが一人称に接続しているのは、なんだかんだいって小説はひとりの人間が書いているものだと思っているからです。子供を書こうが異性を書こうが宇宙人を書こうがそれは僕であるということです。
歯みがきは、なににも執着せずに生きている人間となにかに取り憑かれた人間を対比させたかったのだと思います。狙いがあって書きはじめるわけではないので、単純にコンストラストをつけたかったのだろうと推測するしかありません。「目指したつもりらしいはずの世界」というのも僕にはないのですが、弥々丸朗さんのなかにある「作者(僕)が目標としただろう世界」というのはどういったものなのか気になります。
「嘘と正しくないは別物」というのは言われてみればたしかにそうですね。納得できます。この視点が僕には抜けていました。
あと、「信頼できる男だ」のくだりは天丼ですね。ほかにもいくつか天丼文章があります。僕は天丼が好きで前々作はひたすら天丼をくり返す短編でした。しかしトークのなかで天丼をするのと、文章で天丼をするのはずいぶんと趣が違いますね。口でくり返すのと、コピペという作業とで重みが違うといいますか。
こんなもの書いておいてフローベールみたいなものが書きたいだなんて嘘だろ!?と思うかもしれませんが僕もそう思います。ただひとつ気になったのは「額が俗に堕ちてるから、まじなら嘘。マヌケらしい自覚もなさそうだから、やっぱ嘘。」という一文。俗な自覚もなければ間抜けの自覚もないのが凡人だと思うんですよね。主人公=僕だとしたら僕は本当の凡人なのでは。芯を食った生活は送れなさそうですし。

むるてゅい
222.229.4.214

槙野俊さん、ご感想ありがとうございます。
さまざまなことが書かれているのでどこから返事をしていいか迷いますね。まず、今田に関する指摘はおっしゃる通りだと思います。もっと常識的な人間として書くべきでした。「空回り」と思われてしまったのは僕にとっては痛いですね。しかし、なにかに執着するというのは空回ることなのではないでしょうか。つまり僕は執着する人間を書ききれているのではないか。この思考法は自分に甘すぎますね。戒めます。読者を白けさせるのは作者の恥です。
感想を読んでいると「理由」「意図」「メタファー」という言葉が印象に残りました。これはとどのつまり小説を書く理由や意図を示すべきなのではないかと受け取りました。小説を書く理由や意図とはなんだろうと考えましたが「書く気になったから、そして完成したしせっかくだし人に見せてみよう」という程度です(メタファーと言われてしまうとどうしていいのかわからなくなってしまいますね)。こうしようと思って書くことはあまりありません。他の方はどういうふうに書かれるのでしょうか。ちょっと気になります。
拙さで嫌な気分にさせてしまってすみませんでした。しかし世の中の七割がたの人間はこんな感じだと僕は思っています。他人をいいなりにさせたいなあとか、他人と違う言動をとる自分ってちょっと特殊でいい・・・とか。身のまわりの人、SNS上でしか知らない人、ポップスの歌詞、オウムの教義、ブラック企業の社訓・・・。ちなみに僕はその七割がたの人間に属しません。そう思うのがその七割の特徴なので実質ぼくは拙い人間なのだと思います。思いたくはありませんけれど。
あとこれは余談なのですが、ライトノベルでこういうはっちゃけた文のものは多くはないです。案外ハードボイルドな文だったりします。

ARAKI
126.152.228.252

読ませて頂きました。

面白かったです。
文章が独特で好感がもてました。
東野と主人公の関係性もいいですね。

歯磨きが趣味という理由をしっかり書き込んでいることで全体的に深みが出ているような気がします。

読み始めたとき主人公が高校生なのかな、と感じてしまい、しばらくわからなかったです。もう少し導入部を引き込めるように変えたらもっと入りやすいかもしれません。

大人のおもちゃと使い方、(手から始まり軽めの振動のおもちゃからどんどん大きいものを使う等)歯磨きの細かいやり方の快楽とかけて、男が女の子を快楽に持っていくという描写も面白いかなと考えたりしました。

色々書きましたが、かなり好きな作風でした。面白かったです。

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