作家でごはん!鍛練場
昼野陽平

ラピスラズリ

 14歳の明美は、綺麗なものに惹かれるし、身なりも部屋も言動も、そうしていた。しかし心のどこかで醜悪なものにも惹かれることにも、気付いていた。清潔で綺麗で治安もいいこの街だが、ある日、片隅にあるゴキブリの研究所が、何者かに爆破され、夥しい数のゴキブリが脱走した、と聞いた時は、少なからず、心が踊る自分がいた。
 ゴキブリの研究所を爆破したのは同じクラスの裕也だと聞いた時は、妙に納得した。
 裕也は頭がおかしかった。思春期の少年にありがちな一時期のおかしさというより、生まれ持っての変人だった。彼はグロテスクなものを愛し、爬虫類や両生類や奇虫を飼育し、いちじるしい嗜虐癖があり、クラスメイトにえげつない程の暴力をふるい、芸術などろくに興味がないくせにサドやバタイユやロートレアモンなどは愛読していた。尊敬する人物はヘリオガバルスだと言っていた。そんな彼にはクラスの誰も近寄らなかった。一度、クラスの男子みなで、彼を虐めようとしたことがあったが、圧倒的な暴力の反撃に会った。その暴力は、当人のみならず、家族にも及んだ。
 そんな彼に、明美は恋に落ちていた。恋というより、闇に落ちたような気もしていた。そんな自分が恐ろしく思い、恋というより一種の精神病ではないかと思った。しかし好きなものは好きなのであった。
 ゴキブリの研究所が爆破され、数百万匹のゴキブリが街に溢れていらい、研究所はゴキブリハンターと呼ばれる者たちを雇い、ゴキブリを駆除をしていた。ゴキブリハンターらは異常な清潔好きで、醜悪なものの存在が許せない者たちだった。真っ白い作業着を着て、真っ白い車に乗っていた。
 裕也はそんな彼らの存在を許せず、ゴキブリハンターを、ハンティングした。それは街で彼らの存在を認めると、ボコボコに殴打したあげく、工業用カッターで拷問にかける、というものだった。それは酷い拷問であった。まず、スマホでAKB48の音楽を流して、旋律にあわせて、踊るように拷問にかけるのであった。指を切断したり、口端を裂いたり、ペニスを縦に裂いたりした。
 そういった裕也の存在もあって、いつしか白い作業着のゴキブリハンターも見かけることがなくなり、夥しい数のゴキブリは放置された。
 裕也はゴキブリ料理にはまって、素揚げにしたり天ぷらにしたり塩焼きにしたりしていた。学校でもゴキブリを見つけると生きたままに、おどり食いしたりしていた。
 そんな裕也を見て、明美はやはり恐怖と同時に、好きだと思った。もし彼に想いを告げたら、どんな返事が返って来るだろうと思うと、まったく予想がつかず、ドキドキした。
 しかし明美は馬鹿ではなかったので、告白はしなかった。自分の賢さを呪った。このままつまらない人生をずっと送るのかなとおもって涙した。
 しかし、そんなある日、明美は思い切って告白をした。馬鹿な人生を送ろうと、決心したのだった。そう決心すると、心がぶわっと解放される感じがした。
 放課後の校舎の裏に、彼を呼び出したのであった。
 裕也は美男であった。目はするどくギラついていて、異常なものを感じさせたが、ほっそりした顎といい、すらっとした鼻といい、整っていた。その綺麗な顔に、夕日のオレンジ色の光があたっていた。
 明美は、ふるえる声で、わたしと付き合って、と言うと、
「いいよ」
 と裕也は言った。
 明美はあまりの呆気なさの呆然とした。
 しかし彼は、おもむろに制服のジッパーを下ろし、ペニスを露出して、
「しゃぶれ。しゃぶったら付き合ってやる」
 と言った。
 明美はなんと彼らしい、と思った。
 そしてこれから起こるだろう、彼との困難な付き合いに、心を躍らせた。

ラピスラズリ

執筆の狙い

作者 昼野陽平
60.71.236.169

よろしくおねがいします

コメント

ラピス
49.106.217.184

なんでラピスラズリなんだー!?いえね、私のハンネに似てるので反応しました。
美しい闇に魅入られる気持ちは、分からんでもないです。が、ゴキブリで読むのをやめた人、多そう。

はたk
218.221.116.235

ー綺麗なものに惹かれるし、身なりも部屋も言動も、そうしていた。


ー少なからず、心が踊る自分がいた。


ー変人


ー芸術などろくに興味がないくせにサドやバタイユやロートレアモンなどは愛読していた。


ー明美は恋に落ちていた。恋というより、闇に落ちたような気もしていた。


ー恋というより一種の精神病ではないかと思った。


ー異常な清潔好き


ーそういった裕也の存在もあって

幡 京
218.221.116.235

書き直します。グロテスクな世界を受けつけない方々もいらっしゃるでしょうが、小生は面白くなりそうだと思います(無礼な云い方ですが)。

ただ、気になったところを。これは小生の思った事なので、むろん無視されても結構です。


ー綺麗なものに惹かれるし、身なりも部屋も言動も、そうしていた。

「身なり」や「部屋」「言動」を綺麗にしている。惹かれる=受動=される、なのですから能動=する=していた、とは云えません。上記ですと「身なり部屋言動」が「惹かれていた」となってしまいます。「惹かれて」いたのは主人公なのです。


ー少なからず、心が踊る自分がいた。

「心を踊らせていた」で十分かと。


ー変人

<世間的価値観で云えば>「変」の範疇を越しております。「奇人」じゃ弱い。だから思い切って「狂人」に(笑)。


ー芸術などろくに興味がないくせにサドやバタイユやロートレアモンなどは愛読していた。

マルキ・ド・サドやジョルジュ・バタイユ、ロートレアモン伯爵の愛読者なら、立派な芸術愛好家です。ただしマア「表現芸術」に興味がないのでしたら。


ー異常な清潔好き

「異常(病的)な潔癖症」の方が。誰だってゴキブリは嫌いですし、見たら錯乱し潰しにかかるでしょう(笑)。


ーそういった裕也の存在もあって

「存在」ですと裕也の存在と行動が「認知されている」と囚われてしまう恐れが(個人的な意見ですが)。

ー「しゃぶれ」そして「付き合いが始まる」

「狂人」としての裕也、明美にしてはマダマダだな、と思いました。書き手様の作品に対して他者の作品を引用するのは失礼なのですが、花村萬月だったらまずぶん殴り、しゃぶらせたりと嫌悪感のオンパレード。

頑張ってください。

133.203.109.123

他の昼野作品と比較するといまいちでした。

オノマペト
66.133.76.8

訳分からんな。描写もたりない。そもそも視点狂ってんですよ。神視点三人称でなんでも語るのはいいでしょーよ。でも明美は祐也?の悪行をどこまで知ってんのさ?なんで知ってんのさ?意味不明。最低限読めるもん書いてくださいよーこのサイトつまらんなー

昼野陽平
60.71.236.169

ラピスさん
感想をありがとうございます。
タイトルは滑ったかなと思いますw 
美しい闇みたいなもの書こうとしたのですが、いまいちうまくいきませんでした。
ゴキブリは…しょうがないですねw
ありがとうございました。

昼野陽平
60.71.236.169

幡 京さん
感想をありがとうございます。
面白くなりそうとのお言葉に救われますw
ご指摘された点はそのとおりだなと。特にラストでもっと狂気を書くべきだったと思います
ありがとうございました。

"昼野陽平 
60.71.236.169

とさん
つぎはもっと良いもの書きたいです。
ありがとうございました。

"”昼野陽平 
60.71.236.169

オノマペトさん
感想をありがとうございます。
技術的にぐちゃぐちゃですね。
もっと気合入れて書きます
ありがとうございました。

オー・ヘンリー
218.221.116.235

オノマペト

ろくすっぽ読む気がねえなら失せろ

アフリカ
49.106.213.166

拝読しました

んー

なんか全体がカクカクと動いてる感じで昼野ワールドってこんな感じだっけ?と読んだのですがこれはこれで結構好きかも。

短いし色々な暗喩として勝手にキャラクターの言動を捉えることもできるしゴキブリとか中国の事故とかリアルな方向も思い出したり、まぁ、フムフムとなって最後にニヤリとしました。

マン◯形状の饅頭を毎晩食べる男とチン◯形状の抱き枕で眠る女の純愛とか昼野ワールドで読んでみたいです。

ニヤリとしました
ありがとうございました

昼野陽平 
60.71.236.169

アフリカさん
感想をありがとうございます。返信遅れてすいません…
なんかカクカクしてますね。たぶん今読んでる翻訳文の影響かと思います。
純愛ものも書いてみたいですね。
結構好きとのお言葉励みになります。
ありがとうございました。

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