作家でごはん!鍛練場
九丸(ひさまる)

きっかけ一つで言えることもあるさ

 日曜日、夕飯の買い出しに君と出掛けたショッピングセンター。
 併設しているペットショップで、ずっと猫を見ている君。
 いつもは僕にいらいらした顔しか見せない、そんな君の優しそうな笑顔を見たのはいつ以来だろうか。君の好きな秦 基博のライヴのチケットをプレゼントした時以来じゃないだろうか。待てよ、じゃあ僕は二年近くも君のそんな顔を見てないことになる。付き合って四年。その半分近く、僕は君にいらいらした顔しかさせて来なかったことになる。
 食材の入ったカートを押して、そっと君に近づき、僕も一緒にケージを覗きこんだ。
 君が僕には使わせてくれないシャンプーの、よく分からないけど良い香りが、触れるか触れないかの僕らの間を易々と越して届く。
「猫飼いたいの?」
 君の優しそうな顔が瞬時にいらいら顔に変わる。急な夕立だって前兆はあるのに、君の変化にはそれすらない。もはや顔芸だ。
「別に。ただ見てただけだから」
 こちらに見向きもしないで素っ気なく言い放ち、レジに向かう君を僕も追いかける。日曜日の夕飯時の買い物客の間を足早に君は行く。追いつくのが大変だ。
 買い物が終わり、パーキングの車に乗り込むと、君は直ぐにセブンスターを取りだし火をつける。僕の中古のアコードワゴンの中が、君の吐き出す煙で満たされていく。
 僕も負けじと、これまたセブンスターを取りだし火をつける。
 僕の煙と君の煙がふんわりと交わっていく。そんなシンクロでも、今の僕には無情の喜びだ。
 出会いは会社の喫煙所で。偶々同じセブンスターを吸っていたことからだった。女性にしては珍しいですねと、僕が声をかけたのがきっかけだった。その時も君は素っ気なく答えただけだったど、何度か会ううちに、君の大好きなお父さんの影響でセブンスターにしたこと、そろそろ禁煙したいと思っていること、そして、彼氏がいないこと。煙立つ狭い空間で、僕は君を知ることができた。そして君が初めて笑顔を見せてくれた時、僕は君に惹かれていることに気がついた。
 僕と付き合ってから君の煙草の本数は減り始め、そして、また増え始めた。それは君のたまの笑顔が減って、いらいら顔が増えていったのとリンクしている。
 まあ、僕のせいなのは自明の理だ。二年前の僕の態度に、君は凄く苛立ちを感じたんだろう。当時二十八歳の僕には当たり前の感情で、それは残念ながら今も変わっていない。
 車を走らせ僕のマンションに着き、部屋に入るなり君は夕飯の用意をする。包丁でまな板を叩く、スローで不規則なリズムの音が鳴る。
 君は僕が隣に立って手伝うことをやけに嫌がる。きっとそれは僕の方が料理が上手いからだ。出来る方がやれば良いのにと思いながら、いつも通り不器用ながらも、そしていらいら顔でキッチンに立つ君の姿を眺めている。この光景も、もう随分と前からだ。いつからか隣に立てなくなっていた。以前は嫌がりながも隣に立つことを受け入れてくれてたのに。
 僕はリビングのソファーに座り、セブンスターに火をつけて、なんとなくもやっとした気持ちを煙に乗せて吐き出す。
 大した会話もなく夕飯が終わると、君はパーキングに停めた自分の車に乗って家へと帰っていく。これもいつも通り。泊まることなんてめったになくなっていた。
 夕飯の後片付けをしながらシンクの流れていく洗剤の泡を見ていると、僕らの終わりも呆気なく来るのかもと考えてしまう。僕は君のことが好きだ。一緒にいたいとも思う。だけど、僕の生まれついての淡白な感情が君にとっては不満なのだろう。理由は明白なのに動こうとしない僕に、日々鬱屈としたものを溜め込み、今の現状に至ってしまったのか。こんな僕の何処が好きでこれまで一緒にいてくれているのか、僕には皆目見当もつかない。 僕の方はいたって簡単で、君がたまに見せる笑顔が堪らなく好きで、そのたまの笑顔にこそ君の本質があり、それを見れることが僕の幸せだと思うからだ。全部が好きである必要なんかない。たった一つの好きだって、立派な好きだ。でも、その笑顔も見なくなって久しい。想いのすれ違いが今の僕らの共通項みたいだ。

 日曜日、君といつも通りにショッピングセンターへ。
 相変わらずケージの猫を優しそうな顔で見ている君。
 僕には向けなくなって久しいその顔を、少しでも長く見ていたいがために、僕はそっと君の後ろに近づく。もちろん後ろに立ったら見えないが、君の優しそうな雰囲気だけでも近くから感じていたい。ストーカーみたいな感じがして、少し気が引けるのはしょうがない。
 積まれたケージの上段真ん中にいる、君のお目当ての猫は、僕らに見られているのも気にせず、すやすやとお休み中だ。
 『ロシアンブルー♂生後6ヶ月』。そのあとに続く値札は三十万円が十五万円まで値引きされていた。猫には詳しくないので、ブルーってつくほど青くないんだなと不思議に感じる。いや、どちらかといえばグレーのような気がする。ロシアングレーじゃ駄目だったのかとくだらない考えが頭を巡ったが、それはさておき、この猫は子猫ではなく、もはや成猫では? と疑問に思う。それに若干太ましいような。ケージが窮屈そうだ。高貴そうな名前の割には、顔もちょっと……。だから値引きされているのかもしれない。
 ふと、どうしてこの猫を気に入ってるのかと疑問が浮かんだ。他のケージにはもっと小さくて可愛らしい猫がいるにも関わらず。ショッピングセンターで猫のケージに張り付くようになったのは、この猫を見つけてからだ。他のロシアンブルーには見向きもしていない。何か思い入れでもあるのだろうか? 例えば、昔飼っていた猫にそっくりとか。だが、この四年間でそんな話は聞いたことがない。この猫に御執着なのだ。いったい何が。
「この猫が好きなんだね」
 またもや顔芸発動で、あっという間にいらいら顔へ。
「別に」
 そして、変わらず素っ気ない返答で君はケージを後にした。
 立ち去った後も、僕はケージをみつめていた。お前の何が僕の見れないものを引き出すのだろう。おい。寝てないで教えてくれよ。
 僕の願いを聞き入れた訳ではないだろうが、猫は薄っらと目を開けて僕を見た。そして一あくびして、何事もないように眠りについた。
「早く!」
 短く小気味良い叱責に、僕もケージを後にした。
 いつも通りの、とりとめのない会話しかない夕食も終わり、これまたいつも通りに帰っていく君を見送り、僕はリビングのソファーに寝転がった。
 後片付けをする気にもなれずに、セブンスターに火をつけ、ただ天井に消えていく煙を眺めている。
 煙は様々な形に変化しながら消えていく。規則性などなく、流れていく先を読むこともできない。君がこの煙の様に消えていくのを待つしかないのだろうか。
今のままでは、お互いにとって好ましくないのは明白だ。
 深く煙を吸い込み、肺一杯に溜めて、ゆっくりと吐き出す。それでも僕の気持ちの薄靄が、煙の様に消えるわけもない。
 僕は身体を起こし、テーブルの灰皿に煙草を押し付ける。灰皿に残っている君の吸殻をみつめながら、僕は考える。何が一番の優先事項なのかを。それをクリアするには何をすべきかを。そして、それは互いにとって選択すべきことなのかを。

 火曜日、仕事の終わりが遅くなり、作るのも面倒なので、いつものショッピングセンターへお一人様で。
 夜の八時を回っているのに、買い物客はそれなりに。僕の様な客もいれば、カップルが仲良く連れだって買い物する姿も見える。
 羨ましく思いながら、僕の足は自然とペットコーナーに向いていた。
 相変わらず太ましく、すやすや眠る猫の前に立つと、何故か安心感とホッとするような感情が芽生えた。
 僕はケージをコツコツと指で叩いて、おい、起きなよと声をかける。だけど、そんなことお構いなしに眠りを貪っている。ちょっとは愛想の一つも振り撒かないと、ずっとケージの中だぞと嫌みを言っても通じる訳はない。マイペース過ぎるだろ? まあ、それは僕も一緒か。
 呼吸で上下するお腹の辺りを見ていると、なんとなく愛着が湧いてきた。
「お前にも良い出会いがあるといいな」と、一声かけて僕はケージを後にした。
 すると、食材コーナーに向かおうとした僕の目に、ケージに向かう君の姿が飛び込んできた。
 僕は慌てて近くの陳列棚に身を隠し、猫の前に佇む君に目を向けた。
 優しそうな笑顔で、何やら語りかけているようだった。
 まさかちょくちょく来てるのか? 売れてないか心配してるのか? 
 暫く猫との一時を楽しんで、満足そうな笑みを浮かべて君は立ち去る。
 僕はその後ろ姿を見送りながら、浮かんだ想いをゆっくりと咀嚼した。

 僕は君を迎えに行くために車を走らせる。中古のアコードワゴンは、日曜日の夕方の混雑した道を苦しげに走る。
 家の前に着くと、君を電話で呼び出し、そして助手席に座るなりセブンスターに火をつける君。
 僕らはいつものショッピングセンターへと向かう。
 君がじっと前を見ながら煙を吐き出す様が、僕の横目に入り込んでくる。ついでにいらいら顔も。
 僕は黙って運転をする。
 君はひょっとしたら戸惑っているのかもしれない。僕が家まで迎えに行くのなんて、随分と久しぶりのことなのだから。君がいらいら顔をみせるようになって以来か。
 とりとめのない会話すらなくショッピングセンターに着き、車を降りた僕らは無言で歩きだす。
 手を繋いで歩いていた日を遠くに思い出すが、懐かしんでいても仕方ない。この五十センチ位の距離が今の僕らの現実なのだから。
 食品コーナーに着くと、僕は君の意見も訊かずに食材をカートの中に入れていく。
 玉ねぎ、人参、ニンニク、牛ももブロック、トマトホール缶、ローリエ、そしてバケット。おっと、忘れちゃいけない。甘口シェリーも一本。今日は僕が作るつもりだ。
 そんな僕を見ながら、君は何も言わずについてくる。でも、心がペットコーナーの猫に向いているのは、ありありと伝わってくる。
 食材を選び終わり、僕らはレジへと歩きだす。
 途中に通るペットコーナーに近づくと、君は押さえきれなくなったように、小走りに猫の元へと向かう。
 僕もカートを押しながら、ゆっくりと後ろを追う。
 君はいつものケージの前で佇む。
 何やらおかしいのは、後ろから見ていても分かる。
 僕がゆっくりと横に並ぶと、ケージの中にはいつもの猫とは違う、小さくて可愛らしい、クリーム色のマンチカンが。
 君はショックを隠しきれない顔で、他のケージも見て回る。ひょっとしたら場所を移したのかと、淡い希望を抱いたのかもしれない。
 でも、何処にもあの愛想のない太ましいロシアンブルーの姿はなかった。
 あからさまに泣きそうな顔で肩を落とす君に、僕は声をかけた。
「きっと良い飼い主と出会ったんだよ」
 君は僕の言葉に頷くこともなく、レジに向かって歩き始めた。
 パーキングの車に乗っても、君はいつものように煙草も吸わずに、黙って俯いている。ショックのせいか、いらいら顔も潜めている。
 僕は言葉もかけずに車を走らせる。
今は何も言うべきではないと思ったからだ。
 いつもと違う色の重い空気に包まれて、僕らはマンションに着いた。
 部屋のドアの前に立つと、「買い物袋で両手がふさがってるから、ドア開けてくれない?」と、後ろの君に向かって言い、ちょっと大袈裟に両手がふさがってますアピールをした。
 君は黙ってカバンから合鍵を出し、ドアを開け、中に入っていく。
 下駄箱の上のスイッチを押し、廊下の明かりがつくと、君は固まった。
 後ろから見ていても容易に想像できる。驚いているはずだ。僕にも君越しに見える、太ましいロシアンブルーの姿を目の当たりにしているのだから。
 君はバッと振り向くと、僕に何か言おうとしたが、上手く言えないみたいだ。君の顔には、驚き、安心、嬉しさ、怒り等の纏まりようのない感情がいっぺんに浮かんでいた。さすが顔芸クイーン。
 猫はそんな僕らを見ても「ニャアー」と鳴いて愛想を振り撒くでもなく、ただ行儀よく前足を揃えてちょこんと座って見上げていた。
「まあ、とりあえず早く中に入ってよ。話はそれからね」
 僕は、まだ整理のつかない君を身体でグイグイと中に押しやり、買い物袋を置いてドアを閉めた。
 ようやく靴を脱いで、君はおずおずと廊下に足を一歩踏み出す。
 いつものケージ越しに見ていた想い猫に、どう接していいか分からずに戸惑っているのだろう。本当は直ぐにでも抱き締めて、もふもふしたいだろうに。
 猫は一あくびすると、戸惑っている君に近づき、右足にすりすりし始めた。
「きっと、いつも見ていた君のことは覚えてるんだよ。猫の記憶力は犬の二百倍らしいからね。さあ、部屋に入ってかまってあげなよ」
 僕はネットで調べた蘊蓄を織り混ぜながら促した。
 君は促されるままに、部屋へと足を進める。猫も尻尾を立てて、それについていく。
 僕も靴を脱ぎ、買い物袋を持って後に続いた。後ろから見ていても分かる、君のいろんな感情が、徐々に嬉しさに収斂されていくのを感じながら。
 部屋に入って君がソファーに座ると、猫はぴょんと飛び乗り、側で横になって毛繕いを始めた。
 僕には見向きもしない猫に若干の不満を感じつつ、「今日は僕が作るから、まあ、ゆっくり猫と遊んでなよ」と言い、キッチンに向かう。
 横目でチラリと君を見ると、恐る恐る猫の頭を撫でていた。
 久しぶりに君のために作る料理。僕はこれからの展開に対する緊張を和らげようと、聞いてはいないだろうことも分かってはいるが、解説をしながら料理を作り始めた。
「先ずは牛肉を大きめの塊に切り、オリーブオイルとニンニクで、表面にさっと焦げ目をつける。ニンニクを焦がさないように、最初は弱火で香りをオイルに移し、そのあとに強火にして塩胡椒した牛肉を投入! ここでは、表面は焼くけど、中は超レアに。フライパンを下ろし、別鍋にオリーブオイルを熱して、玉ねぎのみじん切りを投入! 飴色玉ねぎを作る。ここで裏技。弱火でじっくりなんてまどろっこしい。そんなあなたにはこの方法を! 塩を少し入れ、強火でかき混ぜながら、水分が飛んだらお湯を少量加える。これを繰り返していくと、あら不思議。飴色玉ねぎが時短でできます。しかも焦げない!」
 ニンニク、牛肉、玉ねぎに火が通って、部屋に食欲をそそる匂いが漂い始める。それに触発されるように、僕も段々熱が入ってきた。
「飴色玉ねぎができたら、乱切りにした人参も入れて軽く炒め、ざっくりと潰したホールトマトを投入! 一緒に甘口のシェリーも投入! 煮立てて、アルコールを飛ばします。ここで、一旦鍋を冷ます。感覚的には八十度くらいまでに。そこに牛肉投入! 塩で味を決めて、半分にちぎったローリエを入れる。落し蓋をして、超弱火で一時間位煮込む。アクは取らない。アクも旨味と知れ! 決して煮立てないように。これで柔らか牛肉のシェリー煮込の完成です!」
 僕の独りよがりな解説が終わり、後ろを振り向くと、猫の腹に顔を埋めてもふもふしている君が見えた。
 まあ、そうだよねと思いつつ、僕はソファーの君の側に腰を下ろした。
 ハッと我に返った君は、顔を赤くしてそっぽを向いた。
 そんな可愛らしい君に僕は語りかける。
「一緒に暮らさないか? もちろん結婚を前提に」
 君はゆっくりと僕の方にポカンとした顔を向けた。
「僕は君と一緒にいられるなら、結婚なんて形だけのものはどうでも良かった。紙一枚で幸せになるなんて言う人もいるけど信じられなかった。でも、このままじゃあ、僕たちは終わってしまう」
 僕が好きな、君のたまに見せる笑顔が見れないなら、僕の結婚に対する考えなんてどうでも良かった。いくらでも捨てられる。気づくのにだいぶ時間はかかったけど。
 僕はジーンズのポケットから、折り畳んだ一枚の紙を出し、テーブルに広げて置いた。
「婚姻届けをもらってきたんだ。僕の欄は記入してある。受けてもらえるなら、君のタイミングで出してくれて構わない。だから、まだ間に合うなら、一緒に暮らそう。お願いだ、ユキ」
 お互いの両親にも話してないのに、なんとも気の早いことだとは思うが、気持ちだけでも先に伝えておきたかった。
「猫は……」
 君の意外なボソッとした呟きに、僕は驚いた。
「もちろん一緒だよ。きっと僕らにはこの子が必要なんだ。これで気を惹こうと思ったのは否定しないけど、僕も見てたら愛着が湧いてね。なんか君に似てるんだよね、この子」
 そう。似てたんだ。不器用っぽくて、愛想も振り撒けないところが。
「わたしも同じこと思ってた。智になんか似てる」
 ん? 僕に似てる?
「えーっと、因みにどのへんが……?」
「顔とか外見とか雰囲気が」
 そうか。僕に似ているのか。お互いに似ていると思ってたのなら、やはりこの猫は僕らに出会うべくして出会ったのだろう。
 それにしても、久しぶりにまともな会話をしている。そのせいか、照れながら答える君の顔にドキドキしてしまう。
 僕は赤くなって俯いている君の顔をみつめた。
「今まで、ずっといらいらさせてきてごめんね。でも、僕はユキとずっと一緒にいたいんだ」
 君はバッと僕の肩を両手でつかみ、顔をブンブン横に振った。
「違うの、智のせいじゃないの! 拗れてから、どうやって接したらいいか分からなくて。それで……」
 こんなに感情を顕にするのを初めて見た。僕は戸惑いながらも想いを告げる。
「君のたまに見せる笑顔が好きだ。それが君の本質だと思うから」
 君はぎこちない笑顔を見せて、テーブルの上の婚姻届けをカバンにしまった。
 多分前向きに考えてくれるだろう。久しぶりに僕に向けてくれた笑顔がそう感じさせてくれた。
 君がこんな僕でも一緒にいてくれた理由を知りたかったが、尋ねるのをやめた。その答えは単純なものかもしれないし、何か深いものかもしれない。どちらにしろ、今は答えてはくれないだろう。
 濃厚で食欲を刺激する匂いが漂ってきた。もう少しで料理も出来上がる。料理だって美味しくするにはある程度の時間がかかる。僕が答えを聞けるのには、きっとある程度の時間が必要だろう。いや、ひょっとしたら聞けないかも。でも、時間はたっぷりとあるはずだ。君のたまに見せる笑顔を楽しみながら、それまでゆっくりと待てばいい。
「ニャアー」
 僕の想いに同意してくれてるように、猫が一声鳴いた。
「そうだ。この子のために煙草もやめようか。とりあえず、家の中ではね」
 優しく猫を撫でながら、君はこくんと頷いた。
 僕にきっかけをくれた猫を見る。この子に名前はまだない。
まあ、二人でゆっくりと考えるさ。  

きっかけ一つで言えることもあるさ

執筆の狙い

作者 九丸(ひさまる)
126.234.2.112

よろしくお願いいたします。

コメント

トモハルさん
119.82.162.183

コメント失礼します。
読んだ感想としては「いい話ですね〜」
ツンデレヒロインですか、いいですね。
主人公、優しいですね。
以上です。なんか淡々と起こったことを説明しているだけに感じます。それは、今から挙げる気になる点が原因かもしれません。
《気になる点》
『君が僕には使わせてくれないシャンプーの、よく分からないけど良い香りが、触れるか触れないかの僕らの間を易々と越して届く。』
もう少しここの表現を変えることをお勧めします。この小説は全体的にみても若者向けに書いたのかな?それくらいわかりやすい文法で構成されています。ここもわかりやすく書き換えるのが良いでしょう。一文を二、三回読ませて理解させる文はあってはなりません。
『その時も君は素っ気なく答えただけだったど』
誤字。
『まあ、僕のせいなのは自明の理だ。二年前の僕の態度に、君は凄く苛立ちを感じたんだろう。当時二十八歳の僕には当たり前の感情で、それは残念ながら今も変わっていない。』
結果、彼氏さんは何をしたの?それも書いてほしいな。彼氏さんから見る彼女さんと同じ感じで接してたのだろうけど、最後らへんに書いた方がいいと思うよ。

他にもあったとおもうけど、読んでる途中に忘れました。次はいい点を書きます。
《良い点》
『猫には詳しくないので、ブルーってつくほど青くないんだなと不思議に感じる。いや、どちらかといえばグレーのような気がする。ロシアングレーじゃ駄目だったのかとくだらない考えが頭を巡った』
これは作者であるあなたにしか書けない文なので、もっとこんな文を増やしましょう。今の状態ですと、カップルの仲良くなる過程を説明しているだけですから、こんか文があるだけで安心します。共感もできますしね笑
他にもあったろうけど、また忘れました。最後に一つだけ。
ゲージを叩くのは猫ちゃんに悪いからダメな行為です。張り紙くらい貼ってくれ。以上。全体的にはホッコリできたいい作品でした。しかし、誰にでも書けそうな感じです。あなたにしか書けない作品にしてください。お疲れでした。

かろ
223.132.253.113

読みました。
めちゃくちゃ感想むずかしいです。僕は、いい感じだと思いましたが、感じですが、なんだろう、この作品の本質みたいなのが九丸さんも書ききれていないような。僕もわかりません。う~ん、なんだろう。
題名にきっかけってあって、そのとおり、猫がきっかけだけなってるというか、利用が強いというか、まあでも、そのための行動でもあるからそうなるのですが、人間様みたいにとらわれてしまう可能性もあるかなと。はっきり言えば彼氏のあざとさというか。下手したら彼女も怒るんじゃないかなって。
猫のきまぐれさで、たとえば極端に言えば最後猫が、床にウンチしてソファーで寝てたとカバーとかも考えましたが、初めてのおうちでそうはいかないかとも考え、むずかしいです。なんかある気はします。でも、逆に実際にある出来事のような気もします。経験談なのかもしれません。
僕の感想は、猫をきっかけとして使うのなら、その彼氏の、主人公のその時点での気持ちの本音を書いたほうがいいのではとおもいました。利用したと。でも、今はまたちがうよと。あ、でもこれ書くと猫へのになっちゃうか。
ちょっとむずかしいです、感想。いい感じだとは思うのですが。
漢字の開き?っていうんですか、それは九丸さんの型があると思うのでそれはそれでですが、
 僕と付き合ってから君の煙草の本数は減り始め、そして、また増え始めた。それは君のたまの笑顔が減って、いらいら顔が増えていったのとリンクしている。
の、それは~からが、僕には、僕にはですがいらないかなって。
あと、前の感想にある、君が僕には使わせてくれないシャンプーの、よく分からないけど良い香りが、触れるか触れないかの僕らの間を易々と越して届く。
が、なんていうか、僕はくわしくないけど俳句とか和歌?みたいで、なんか不思議で印象に残りました。
長くなっちゃいました。すみません。僕なんかがですが、僕、九丸さんの作品三作読んで、二作。ちとくやしと感じましたが、本作は書きようでもっといけたと思います。内容はそりゃあ良かったり悪かったり人それぞれあると思うけど、文は、こういった感じが好きです。

九丸(ひさまる)
126.179.176.52

トモハル様
読んでいただき、ありがとうございました。

別サイトのお題があり書きました。
分かりやすい文法というか、雰囲気違えど、こんな風にしか書けません……。
大人っぽく書けたら良いのですが……。

『君が僕には使わせてくれないシャンプーの、よく分からないけど良い香りが、触れるか触れないかの僕らの間を易々と越して届く。』
暗喩のつもりでしたが、これだけ浮いてるのですかね。
うーん。難しいです。

彼氏が何をしたのかは書いていたのですが、消して最後に持ってきました。
ありきたりな話ですが、結婚に乗り気じゃなかったってことです。
分かり難いのですね。

ケージに関しては、僕も猫飼いなので良く分かってます。ダメと分かってはいたのですが、彼氏の無知なところと、アクセントで書いたのですが、裏目でしたね。

淡々と過程を書いてるみたいとのこと。
その通りなので、また考えてみます。

ご意見、ご指導ありがとうございました。

九丸(ひさまる)
126.179.176.52

かろ様
読んでいただき、ありがとうございます。

猫を利用した時の本音
これはおっしゃる通り、その場面で一文あっても良かったかもしれません。
最後に情が湧いたとの言い訳みたいなセリフは入れたのですが、基本彼氏はズルいヤツです。綺麗に書こうとは思ってなくて、そのへんのズルさを滲ませて、でもねって持っていきたかったのですが、上手くいきませんでした。

『君が僕には使わせてくれないシャンプーの、よく分からないけど良い香りが、触れるか触れないかの僕らの間を易々と越して届く。』
これは暗喩のつもりで書きました。
この引っ掛かりは、いろんな考え方があるんだなと、ご意見参考になりました。

漢字の開き
これは勉強します。中々上手くいきません。

自分で書いておいてなんですが、お二方の読んだ通り、なんかずれているのでしょうね。それが、まだ分かりません。
ちょっと置いて、手直しします。

文について好きと言ってもらえて嬉しいです。
あと、前二作から読んでいただいてることも、とても嬉しいです。

ご意見、ご指導ありがとうございました。

トモハル
119.82.162.183

返信ありがとうございます。
大人っぽく書けたらなってところで思ったのですが、ひさまるさんは高校生ですか?それとも大学生?どちらにせよ、それよりも若くとも、大人っぽくは書けてますよ。僕は大人の人が書いたんだろうなと思って読んでましたから。暗喩に関しては、僕が無知なだけです。失礼。結婚に乗り気じゃなかったんですね。今知りました。僕が読むの下手かもです。
ゲージは、なんとなくワザとなんだろうなとは思ってましたが、あとから注意書きの張り紙を見つけて、しまったなと思わせるくらいでもいいと思いますよ。
以上、高校二年生の素人からでした。

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