作家でごはん!鍛練場
トダ

母の想い

 彼の父親は、彼が生まれた半年後に、博打でつくった借金を残して行方をくらましてしまった。
 必然、彼の家は母子家庭に。幸い母親は、トンネル工事を専門に請け負っている会社で、事務員として働かせてもらえることになった。
 母親に連れられて、彼はトンネル工事の現場に行ったことがある。まだ九歳のときだった。
 そのとき、ダイナマイトを見せてもらった。勿論、本物だ。意外にも母親は、ダイナマイトの扱いに詳しかった。
 だが……。
 運命とは残酷なものだ。彼が二十歳になった年、母親は癌で亡くなってしまった。
 死の間際、
「これを、お前の父親に……これを……これを渡して……」
 母親は何度も繰り返した。
 それは小さな紙袋だった。中を見たとき、彼は煙草の火を消さなければならなかった。他に紙袋には、父親が残していった腕時計も入れられていた。
 母親が亡くなってしばらくして、彼は父親の居場所を捜し出すことが出来た。
 そして今、彼は父親の家の前に立っている──。
 窓越しに部屋の中を。
 そこには初めて目にする父親の姿が……。が、近くには幼い子供達がいて、その傍らには妻らしき女性の姿も──。子供達は、おもちゃで楽しそうに遊んでいた。
 父親は新しい家庭を築いていたのだ。
 彼は黙ってその場所から立ち去った。ただ、母親から託された紙袋だけを残して……。


 紙袋の中には、三分後を目指してカウントダウンを始めた、母親特製の──

母の想い

執筆の狙い

作者 トダ
126.161.156.69

よろしく。

コメント

三月は深き紅の淵を
219.100.84.36

よくあるハナシで・・
「置いて来かけて… 子供の姿を見て、やめた」ってオチも多いハナシ。


トンネル工事専門の会社〜 って設定が、昭和??

トンネル掘削って平成に入ってっからは、「ダイヤモンドカッターとかそーゆーので、ドリル掘削している」イメージがある。



タイトルは、「考えなし」な感じで、ちょっと杜撰?

瀬尾辰治
49.98.88.197

トダさん、あらすじとしては。
それなりに、ストーリーが進んでいくように思いました。

借金を残して行方をくらます。
ストーリーは興味深いから、長く書いても読むかもしれません。

幡 京
121.3.235.25

トンネル工事=ダイナマイト。

確かに現在では使わないかもしれません(『黒部の太陽』じゃあるまいし)
でも、皆無とは云えませんから、それはいいと思います(『発破!』と云う言葉で)。
でも事務員が詳細に知っている筈はありません。

しかし作者さまはそれを今後の展開に生かそうとしてますね。
爆発物=ダイナマイト。そのアナクロさを、あえて生かすべきです(下手にT N Tとかプラスチック爆弾を使うよりも)。

古くてもいいんですよ。そしたら「ダイナマイト」のウンチクを述べたらいいと思います。
これは有名ですが「ダイナマイトは羊羹の味がするから飢餓に苦しむ旧日本兵が食べた」とか、ウンチクを述べて。

トダ
126.161.171.89

皆さん、読んで下さってありがとうございます。
幡 京さんだけ作品を見付けることが出来ました。見逃していたら、済みませんが教えて下さい。


三月は深き紅の淵をさん。
多くの人が使っているオチということは、僕みたいな馬鹿が沢山いるということですね。
だとすれば人類は滅亡だ!


瀬尾辰治さん。
長くは書けないかも……。
でも今度、SFの長い作品を書いてみたいです。


幡 京さん。
ダイナマイトを食べた旧日本兵は、やっぱり死んだのだろうか?

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

テクニカルサポート

3,000字以内