作家でごはん!鍛練場
干し肉

ボートレースの夏(原稿用紙換算10枚)

 目覚ましが鳴った。叩き割るように止めてベッドから飛び起きる。新しいティーシャツとハーフパンツに着替えて階段を駆け降り、適当なサンダルを履いて家を飛び出した。
 すぐに全身から汗が滲み出す。
 かき氷のブルーハワイみたいな七月の空、直視できないその中心、浮かぶ入道雲。焦燥すら覚えるせわしないクマゼミの咆哮に耳の穴をむさぼられながら、ぼくはペダルを強く踏み込む。
 吹きつける熱風、照りつける陽光、鼻孔に潜り込んでくる草の匂い。空気の抜けたタイヤに砂利がめり込んでグリグリと音を立てる。バッタかなにかがふくらはぎに止まる感触。右手で振り払おうとする直前に飛び立った。
 おとといの朝、ミヤベの彼女が車に轢かれて即死したらしい。
 ぼくはミヤベに彼女がいたことを知らなかった。ボートレーサーだったらしい。クラスメイトはそんな情報を追加した。さらに現実味がなくなった。あのつかみどころのない黒縁メガネのたらこ唇がどういった経緯でボートレーサーと交際することになったのか、想像すらできなかった。
 昨日の朝、ミヤベはいつものボックス席に来なかった。席取りのために置かれたぼくのリュックサックは、高校の最寄り駅までずっとそのままだった。
 授業前、授業中、昼食中、放課後、携帯にどれだけメッセージを送っても、なんの反応もなかった。電話も何回かしてみたけれど、留守番電話に繋がるだけだった。
 だからぼくは、こうしてペダルを踏み込んでいる。
 そう、知っている。
 そっとしてあげなければならないことはわかっている。気持ちを想像することはできる。今、ミヤベはなにを話すことができるだろうか。なにも話すことなんてないだろう。ひとりにさせてくれ、そっとしておいてくれ、なにを言ったってどうにもならないことなんだから。そんなふうに思うことだって、わかっている。
 でもぼくは本質的にはなにもわかっていない。
 だからこうしてぺダルを踏み込んでいる。
 脊髄反射のように、勝手に身体がミヤベの家に向かおうとしている。弁解じみているけれど、感覚的にはそんな感じだ。しょせん脳なんてその程度だ。
 五階建ての団地。壁に走るいくつかの亀裂。高度経済成長期のささやかな名残。
 ダストシュートの前に自転車を止める。エレベーターなんてないから、階段を二段飛ばして駆け上がる。踊り場のカナブンの死骸をよける。麦わら帽子を被った小学生くらいの女の子とすれ違う。こんにちはと微笑んでくれたのに、息が切れていてうまく返せなかった。
 MIYABEの表札。
 黒ずんだインターホンを押すと、すぐに開錠される音が聞こえ、ドアがギィと音を立てて開かれた。
 ミヤベの母だった。
「あれ、珍しいじゃない」
「どうも」
「すごい汗」
 そう言われた瞬間、額の汗が流れて右目に入り、強烈に沁みた。
「あの」
「マサシね、ボート見に行くってほんの十分くらい前に出ちゃったとこ」
 ぼくは会釈をし、突然の訪問を詫びてから、階段を駆け降りた。
 ミヤベは彼女のことを言っていないんだ、と思った。それはそうだ。言ったところでどうなるものでもないのだから。大概の物事は、言ったところでどうにもならない。おそらく彼は、そんな悲観的かつ現実的な指針を胸の奥にしまっているタイプなのだから。
 十五分ほど自転車を漕ぎ、電車に乗った。黒いティーシャツの袖にはうっすらと塩が噴いている。車両のドアのガラス部分にボートレース場の広告が載っていた。
 一時間ほど揺られてから降車し、人生で初めてボートレース場の外観を視界に入れた。駅の改札みたいな機械に百円を投入すると、すんなりとゲートは開いた。エンジンの轟音が心臓の奥くらいまで響いてきた。
 屋外席にほとんど人は見当たらなかった。
 やはり空はひたすらに青く、人工的な湖もそれと似たような色調で目の前に広がっている。とてもギャンブルが行われる空間とは思えなかった。名の知れた建築家のアヴァンギャルドな空間作品のひとつのようにさえ感じられた。
 端から端までゆっくりと歩きながら、ミヤベの姿を探した。真っ黒に日焼けしたランニング姿の老爺が、菓子パン片手に渋い表情で出走表を睨んでいた。ホームレスにしか見えなかった。
 屋内にはそれなりに人が溢れていた。一通り巡回したものの、ミヤベを見つけ出すことはできなかった。違うボートレース場に向かったのかもしれないな、と思った。ここから特急で時間をかければ行けないことはない。
 ぼくは屋内の小さな売店でコーラとパンを買い、最前席に腰かけた。全面ガラス張りで、レースが俯瞰的に眺められる。
「おい」
 声と同時に、肩を誰かに叩かれた。
 振り返ると、ミヤベの黒縁メガネとたらこ唇があった。
「高校生が土曜日の昼間からひとりで競艇なんていい趣味してんな」
「いや、お前もだろ」ぼくはそっと言い返した。「俺は賭けてないから、まだマシ」
 ミヤベの右手には、舟券が握られていた。ぼくは彼の隣に腰を下ろし、買い目を確認した。
〝3連単 1‐2‐3 100000円〟
 と表記されていた。ぼくには現実味のない金額だった。
「一番人気だから六倍ちょっとだけど、当たれば六十万越え」
 ミヤベが少しだけ微笑んだ。目が充血しており、覚せい剤中毒者みたいな隈も目立っている。
 場内アナウンスで次レースの舟券発売の終了が知らされた。
「お前は賭けてないの」
「万一バレたら内申傷つくから」
「大人の同伴なしで入場してる時点でアウトだよ」
 彼女の死について、聞く隙が見当たらなかった。存在感のあるたらこ唇が、聞くな、と忠告しているよう思えた。
「バイト代、彼女と旅行のために貯めてたんだけど、このレースに賭けることにした」
 ミヤベは水面に目をやりながら言った。
 ファンファーレが場内に鳴り響いた。
「十万も」
「あいつにとっちゃ十万なんて屁でもない金額だったろうけど」
 沈黙が生まれた。
 ぼくは腕を組み、かける言葉を探した。
 今のところ、どこにもなにも、見当たらなかった。
「六号艇、待機考行動違反だな。終わってる」
「これはまだスタートではない?」
「うん、これから」
 間もなく、カラフルなボートが一斉に加速した。ミヤベを一瞥したが、そこからどのような感情も読み取れなかった。
 最初のコーナーを曲がり、一号艇が先頭に立った。二番手以降は混戦模様だったが、わずかに二号艇が優位に見えた。
「このレースに出る予定だったんだ」
 ミヤベは絞り出すように、つぶやいた。
 そうだったんだ、と返答したぼくの言葉の後に、エンジン音や歓声や罵声が響き、また会話は止まった。ぼくは落ち着かなくなり、遠くに見えるマンションや雲に視線を移しながら、ゆっくり深呼吸をしたり、指の骨をパキパキ鳴らしたりした。
 真正面の巨大な電光掲示板が、ミヤベの舟券の当たりを知らせた。
「換金してくる」
 ミヤベはぼくに視線を合わせずそう言うと、ゆっくりと立ち上がった。
「俺も行くよ」
「そうか」
 払い戻し機の前辺りには、小柄な老人たちが殺到していた。ミヤベだけが若く大柄だった。まるで別の生物のようだった。
 ミヤベが舟券を投入すると、六ケタの数字がモニターに表示された。ちょうど六十三万だった。ボタンを押すと、払い戻し機が札を数える、ベッベッベッという音が聞こえた。なかなか終わらなかった。永遠に数え続けるのではないかと思った。音が止むと、見たことのない厚さの諭吉が顔を出した。
「やったな」
 ぼくの声かけに対し、ミヤベはほとんど表情を変えることなく、
「ああ」
 と背中を向けて答えた。
 やはりこんなところに来るべきじゃなかった、と思った。
 どうにもならないことを、どうにかしようとするなんて、どうかしているのかもしれない。そしてどうしようもないことに、ミヤベがどうして欲しいのかが、わからなかった。
 ぼくたちは自然に元の席に戻った。
 かき氷のブルーハワイみたいな七月の空、直視できないその中心、浮かぶ入道雲。焦燥すら覚えるせわしないボートの轟音に耳の穴をかきむしられながら、それでもぼくはミヤベにかける言葉を、再び探した。
 なにも、見つからなかった。
 ミヤベがなにかを見つけてくれていることを、願った。
                                                      

ボートレースの夏(原稿用紙換算10枚)

執筆の狙い

作者 干し肉
126.108.82.79

 やるせなさを、季節やギャンブルとの対比でより切実に描きたかったのが狙いです。

・すらすらと読めたか?

・読後感はどうか?

 この二点を特にお聞きしたいです。

 また、率直な感想や批評等もございましたら、お願い致します。

コメント

二月の丘
219.100.84.36

どこのボートレース場なのかは、書いておいた方がいいかなー。
平和島なのか、蒲郡なのかで、雰囲気違うだろうから。

競艇はやったことないんで、知らないんだけども、
漫画の『モンキーターン』は、昔一気読みしたことが。。


漫画知識だと、競艇の「スタート」と「ゴール」って、ちょっと特殊なんで、
そこはちょっと描写ってか、紹介しといてくれた方が、
読者の印象良くなる・・と思う。


タイトルは、魅力がないんで、別のつけよう?

ハナシは・・
「彼女のこと」が一切全く書かれてないし、
作者が「設定もしてない」のが丸分かって、
薄く・浅くなってる。

二月の丘
219.100.84.36

↑ 真上の欄の、誰だか知らん人、まず【2週間ルール】守ろう??


そんで、一体どんな権利があって、鍛錬場に【誹謗中傷専門の見苦しい欄】こしらえてんだろうね??

そんな所業、とてもできないわー。

だってここは、伝言板でもスレッド掲示板でもなく、「小説の合評会専用の場」だもん。

現場「見ない」んで、中身は知らないし、これから開けることもナイから、個人的には、まあどうでもいいんだけど。。



と、ここの欄を拝借して、「原稿に関係ないこと書いて」て、そこは済まないし、
これもまあ「規約違反」なんで・・


ちょっと経ったら、運営が削除してくれるだろうと思います。

二月の丘
219.100.84.36

??

下の欄の「羊」さんとは

また別の「羊」さんで、

「よう」って読むんだったり・・するの・・加茂しれない??


でもって、

タイトルがミスリードなだけで、

中身は『ザバダック』の音楽が効果的に使われた、

ファンタジー小説なの・・鴨 しれない???

カルネ
133.232.243.157

まあ、ストーリー的にはありがちですが。

作劇術として。
ボートレーサーだったらしい。と先に出すか後に出すか。
後にした方が効果的のような気はしました。
その場合は読者は語り手のぼくと一緒になって、なぜミヤベはボートレースに来たんだろう、と物語と同時進行でその謎解きをするという楽しみが付与されます。
この場合、レースに対しものすごく熱くなるミヤベにしておくと、彼女が亡くなったのに、なんでボートレース? そんなに金欲しいかよ、と思わせておくという美味しさも味わえます。(作者が、ですけど)
で、換金したお金を持って歩く道すがらで、彼女はボートレーサーだった、さっきのレースに出るはずだった、と語らせる方法もあります。そのあと、その勝ったお金をどこぞの橋の上からまき散らすという方法もあります。映画のマネですね。そして「へへ。ばっかみてー」と言ってミヤベに歩いて行かせる、という方法もあります。

まあ、他にもいろいろ、あると思いますが。

要するに溜めがちょっと弱いかなあ、と思わせられるのです。
スラスラとストーリー自体が流れてしまっている感じです。

でボートレーサーだったという情報が先に出されている場合。
つまり今の書き方の場合。
大事になってくるのはやはりラストです。
>かき氷のブルーハワイみたいな七月の空、直視できないその中心、浮かぶ入道雲。焦燥すら覚えるせわしないボートの轟音に耳の穴をかきむしられながら、それでもぼくはミヤベにかける言葉を、再び探した。
>なにも、見つからなかった。
>ミヤベがなにかを見つけてくれていることを、願った。

“ぼく”と“ミヤベ”の間の距離感、前半からずっと開いてますよね。それはそうしておくことで正解だと思いますが、ラストの数行で少なくとも“ぼく”からはぐっと近寄らせる、そういう締めくくりになるようにした方が良いと思います。
いまのままですと、彼女を失った友人の傍らにただ佇むぼく、だけになってしまいますから。

海外小説の短編には割とこういう感覚のもの、あるんですけど、その代りそういう小説はラストの1,2行でばっちり締めて来ていますから。
例えば臆病ゆえにパイロットとの新しい恋のチャンスを逃した女性について。作家は彼女を搭乗ゲートに座らせて、こう締めくくります。「飛行機は一直線に空へと向かった。心という標的を外した弾のように」。
「心という標的を外した弾」これを生み出せるかどうかが作家になる者かそうでないかの違いなんでしょうね。

で、干し肉さんの場合
>それでもぼくはミヤベにかける言葉を、再び探した。
>なにも、見つからなかった。
>ミヤベがなにかを見つけてくれていることを、願った。
これが不要ですよね? なぜなら説明台詞だからです。

>かき氷のブルーハワイみたいな七月の空、直視できないその中心、浮かぶ入道雲。せわしないボートの轟音(焦燥は余計です)
ここがものすごくこの作品の内容、干し肉さんが読み手に伝えたい、やるせなさと季節のギャップを伝えています。なので、ここから先のもう一声の1行。
そこをもっともっと練ってみたら良いのになあって思います。
                          

干し肉
126.108.82.79

カルネさん

 作劇術としてのアドバイス、参考になりました。
 三人称にすれば、“彼女がボートレーサー”の後出しはありだったかもしれません。一人称だと、正直なんかそういうのってフェアじゃない気がしないでもないですが。

>“ぼく”と“ミヤベ”の間の距離感、前半からずっと開いてますよね。それはそうしておくことで正解だと思いますが、ラストの数行で少なくとも“ぼく”からはぐっと近寄らせる、そういう
締めくくりになるようにした方が良いと思います。

 その方が結末としてはふさわしいように私も思いました。
 距離感が一定のままもし終わるのであれば、ラストの文章に凝るべきだったというも頷けま す。
 例に挙げて頂いた比喩のように、何かしら心に残るような一文を入れるだけで、読後感はあるいは変わったかもしれません。
 
 ためになる分析を頂き、ありがとうございました。

干し肉
126.108.82.79

二月の丘さん

 どこのボートレース場かの情報については、私は要らないと思いました。雰囲気が違うのはどうでもいいという認識です。
 フライングスタートについては確かにもう少し触れてみてもよかったかもしれないです。まあそこにさいて誰も興味を持たないような気はしますが。
 彼女のことは一人称なので今回の場合、書けないですね。ミヤベに言わせてもいいのですが、必要性が感じられなかったので言及していません。

 あと、本作に無関係のコメントをされていますが、

>と、ここの欄を拝借して、「原稿に関係ないこと書いて」て、そこは済まないし、これもまあ「規約違反」なんで・・
 
 という自覚があるのになぜか続けてコメントをされる、大変頭のいいお方のようですので、ご自分で運営に削除依頼をお願いして下さい。

訂正
126.108.82.79

干し肉でです。訂正。

>まあそこにさいて誰も興味を持たないような気はしますが。

まあそこにさして誰も興味を持たないような気はしますが。

二月の丘
219.100.84.36

鍛錬場に書いたコメントって、

「削除申請出来ない」んじゃなかったでしたっけ??


削除キーとか、申請画面、見た事ないので。




「競艇場」も「レースの様子」入れ込んで書くも・書かないも、好きずきだから。

ワタシ的には、短編小説は毎度、「今日この日、この時間、この場所で」と、
時と場所を限定して、「なるたけ臨場感出しつつ進める」ように書いているんで、

「あればより深くなる」と感じただけです。


そんでもって、

徹頭徹尾主人公の一人称記載であっても、
友達彼女の人となり〜恋の時間の想い出〜【読者の印象に鮮烈に刻まれるエピ】、
彼女を失った友人の想い・・
といった、「小説の神髄」である重要情報の開示は、
【友達の台詞と、地の文の記載】で、いくらだって可能ですし、

「そこ」が作者の技量で、原稿の質を大きく左右する「最も肝心な箇所」だと思っている。

「それ」があることで、原稿は劇的に鮮やかになる。
「それ」がないのは、なんとも残念な原稿。

ってのが、ワタシの見解。
一意見です。

そんだけ。

二月の丘
219.100.84.36

ボートレース場の真ん中で、

彼女への想い、失った哀しみを、

叫ばせてやって欲しい。


そうじゃないと、

「ただ単に作者都合の、事務的お亡くなりキャラ」で、

言葉も命も名前すらないまま、

キャラはポイ捨て。



そのキャラの「想い、言葉」をすくいあげ、書いてあげられるのは、作者しかいねぇ訳なんで、

自分の原稿のキャラに対しては、

真摯になって書いて欲しいよなーって思う。


現状、あなたの小説は「冷たい」。

二月の丘
219.100.84.36

夏という季節が孕む圧倒的な熱。

レース場の狂騒、そこに渦巻く非日常の、異様な熱気。

恋の熱。喪った慟哭と、どうにもやるせない余熱・・


それらが全部ないまぜになった「熱量」を、

レースの臨場感とからめながら的確に書いてゆけばいいのに。



熱、密度、臨場感。

そういうの度外視して、小手先で処理するのは、

得策とは思えない。




まあ所詮余計なお世話だし、

正しく伝わんないだろうし、理解もされなそう。

そんで、別に公募に出す用でもないだろうし、

どうでもいいです。

かろ
223.132.253.113

読みました。
よかったです。
ただ、主人公とミヤベがどれほどの仲だったのかわかりませんでした。それと、出だしの
 目覚ましが鳴った。~あとといの朝までが、僕的にはもったいなかったです。最初と最後使っていますが、ブルーハワイはいいと思いますが、もっと思い切って使っていいと思うし、あとの言葉は別の言葉や言い回しで書いてほしかったです。すらすらというか、ここで損をしている気がしました。入道雲、焦燥、クマゼミの咆哮、などなど。なんか、う~んとなって。
 だからこうして~がよかったです。二回あって。そのあともすらすらではありませんが、気持ちはお金じゃないけど賭けているミヤベを見ている主人公の視点がよかったです。ミヤベがそうなる感じよかったです。 最後もどうすればいいかわかんない自分もよかったです。
 ただ、で?ってなる可能性があるかなと。僕もやりがちなんですが、こういうことがありましたでおわっちゃうお話。それもいいと思うのですが、う~ん、よかったです、読後感。切なかったです。やるせないというか。

ラピス
49.104.8.137

すらすら読めました。読後感も良かったです。上手い。ミヤベと呼ばせるセンスも距離感も、自分は好きです。
10枚でよくまとめてあると思います。

干し肉
126.108.82.79

かろさん
 もう少しミヤベとの仲を匂わせるエピソードを挿入した方がよかったかもしれません。
 冒頭と終末で使っているブルーハワイのまとまりは、改めて読んでみるとやや力み過ぎたかな、と反省しています。個人的には肝となる部分と捉えているだけに、尚更でした。
 
 切なさ、やるせなさを感じて頂けたのはありがたいです。
 
 ありがとうございました。


※作品中に訂正箇所がありました。
【待機考行動違反→待機行動違反】

干し肉
126.108.82.79

ラピスさん

 そういった感想を頂けると励みになります。
 普段長篇ばかり書いているからか、短篇は難しいと改めて感じた次第です。
 ありがとうございました。

かろ
223.132.253.113

今日は金曜日で酔いもありま。
 で、歌の『パプリカ』好きなのですが、歌詞の
『喜びを数えたらあなたでいっぱい』
めちゃくちゃ好きです。

干し肉
126.108.82.79

二月の丘さん

 色々と率直なご意見ありがとうございます。

>熱、密度、臨場感。

 要はそこに至るアプローチの違いだと思います。
 ボートレース場の中心で愛を叫ぶ方法も間違いではないと思いますし、胸の奥で溢れ返りそうになる気持ちを懸命に押し留める方法もまた然りです。

>まあ所詮余計なお世話だし、正しく伝わんないだろうし、理解もされなそう。
>そんで、別に公募に出す用でもないだろうし、
>どうでもいいです。

 正しく伝わることなんてないですよ。コミュニケーションなんてそんなものです。人それぞれ“正しい”の認識には乖離がありますから。
 
 かなり良い教育を受けてこられた頭のキレる方だと思っていましたので、最後にどうでもいい、というお言葉を吐かれるのは残念です。
 
 ありがとうございました。

藤光
119.104.13.102

読ませていただきました。

>すらすらと読めたか?

そうですね。詰まるようなところはなかったです。読みやすかったかと言われると、どうでしょう?

競艇場へ行くまでの描写。色々と場面や情報がとっ散らかって読めるのが、私には読みづらかった。
文章がとっ散らかっているのは「ぼく」の内心を表現しているのですが、書き出しからこれでは、読者はついていくのがしんどい。もっと焦点を絞った書きぶりの方がよかったと感じました。

>読後感はどうか?

残念な感じ?
「ぼく」は激しい衝動に突き動かされて、ミヤベの元へ駆けつけたはずなのに、

>やはりこんなところに来るべきじゃなかった、と思った。
>ミヤベがなにかを見つけてくれていることを、願った。

た、だけでミヤベに対してなにもしない。

物語は終始「ぼく」の中にだけあって「ぼく」がまとめてしまっている。たから、ミヤベは出てきても「ぼく」ひとりのためのエピソードに読める。それはなんだかもったいない。

干し肉
126.108.82.79

藤光さん

描写がとっ散らかっている。
なるほど、そういった印象を与えてしまっているとは、少し意外でした。

残念な読後感。
たしかにこれは不器用で内省的な高校生のマスターベーションのようなものです。直感的に駆けつけたものの、かける言葉が見つからない。だからそういった読後感に至ったのは一般的な感覚としてはまっとうですね。

ありがとうございました。

干し肉
126.108.82.79

かろさん

あの曲、メロディはもちろん、歌詞が本当に良い。
うちの3歳の娘が踊りと歌を完全にマスターしています。

阿南沙希
126.209.0.151

読ませていただきました。たぶん気をつけて書いてあるので、点数的には65点くらいはすでにとれているのですが、残り30点くらいをとるには、で、いくつか挙げますね。

1:距離感がわからない
かろさん? も挙げてますが、みやべ君と主人公がどれだけ近い友達かわかりませんでした。電車が同じくらいで、駆けつけたりするかなと。

2:競艇場である意味は?
ギャンブルで当てても…ということらしいですが、彼女が交通事故死で、競艇場らしい描写があまりないので(読んでいて競馬場のイメージで映像を補完しました)別段ボートレーサーである必要を感じないです。普通にギャンブル好きの彼氏と、一般人の彼女でもお金の儚さ、熱狂の無意味さなどは描けるのでは。

3:結局首を突っ込んだだけ?
1の影響がラストに特に出ています。主人公とみやべ君が親友なら、言葉はなくともいてくれるだけで何か違うと思うのですが、現状だとそんな関係でもなく、主人公は狂言回し以前の、電線にとまっていた鳩かカラスが突如目の前に飛んできたみたいな、みやべ君と彼女のストーリーにとって完全なモブで(みやべ君にはそう映ってる)、主人公が何を言ったらいいのかわからないのも、みやべ君がイマイチ言葉を濁しているのも、当然のことだと思います。現状、本音を言いあう関係ではないのですから。
なので、そもそも主人公が熱に浮かされて競艇場まで行く意味も疑わしく、それこそすごいデバガメに見えてしまって、書きたいことはわかるのだけど…という非常に惜しい読後感でした。作中くらいの友達関係なら、次の日電車に乗った時か、学校で会えた時、話題が出たら話聞いとこう…くらいな気がするのですが、どうでしょうか? 自分が話してないのにうわさで彼女が死んだ話知られているのも嫌な気分になりますし。
でも、それを逆手にとって切り出せない主人公…にもできます。いずれにせよ、どれかに振り切って書いたほうがわかりやすく、深く伝わるものが描けるのではと思います。

干し肉
126.108.82.79

阿南沙希さん

>普通にギャンブル好きの彼氏と、一般人の彼女でもお金の儚さ、熱狂の無意味さなどは描けるのでは。 

 概ね納得です。
 そのように解釈できてしまう時点でアウトでした。書き込みが致命的に不足していたように思います。

>それこそすごいデバガメに見えてしまって、書きたいことはわかるのだけど…という非常に惜しい読後感
 
 これも納得。
 特に言うことはありません。的確です。
 
 阿南沙希さんもそうですが、他の皆さんからも感想や分析を頂く中で、まだ自分は作品と呼ぶに値するものを全然作れていない、という現状に気づかされました。気づいただけでも、投稿に価値はあったと思います。
 
 家族や友人や職場の方々には時折読んでもらうのですが、なかなかこういった作者目線の率直な意見というのは出づらい。
 おもしろかった、つまらなかった、気持ち悪かった、読みやすかった、読めなかった、その程度です。むろんそれはそれでありがたいことなんですがね。

 ネットに投稿するメリットをひしひしと感じた次第です。

 ありがとうございました。

ちくわ
125.201.179.87

読ませていただきました。
まず10枚で世界を切り取ってるのは、すばらしいと思いました。
きちんと終わらせることができておられます。

また、適宜取捨がなされていますね。ボートレーサーの彼女とミヤベがどういう関係であったのか、一人称の主人公は知る由も無くて、物語が進むところでなんとなくですが判るように作られています。
センスがいいなと思います。

主人公がミヤベを大切に想っていることも、電話その他の情報からもね、いくらか想像できますしじゃね、隠蔽しながらのストーリーの進行は上手くできてるように感じました。

ただ、カタルシスは小さい。
別にそれが必要なのかは置いといてじゃな、作者がそれを狙っている感じがあって、そこんとこが少し鼻についたような気がしました。
舟券が当たり大量の札が出てやね、そこで主人公がいろいろと小難しいこと語るよりは、

>やはりこんなところに来るべきじゃなかった、と思った。
 どうにもならないことを、どうにかしようとするなんて、どうかしているのかもしれない。そしてどうしようもないことに、ミヤベがどうして欲しいのかが、わからなかった。
 >ミヤベがなにかを見つけてくれていることを、願った。

つまり、こういうとこじゃな。
も少し淡々と、ふたりの会話で締めた方が、余韻は残るのではなかろうかね。
短編の場合なんだけれど、もう少し狡すっ辛い計算してみるのも面白いんじゃなかろうか。
ともあれ、面白く読めました。

ありがとうございます。                           

ペンニードル
36.11.224.167

ボートレースの夏 読みました。

ストーリーに辛口で一言言わせていただければ、人ひとり殺しといてこの程度かと。丸ごと自身を棚上げしていいなら、そう言える 笑
便利ですよね。人の死って。

ただ、仮にそんな奴がいたとしても私は、”彼女が死んじゃった主人公なオレ”に酔ってる痛い奴って思うだけかも。友達?の窮地に駆け寄りたい主人公の気持ちの裏側のほうが、疑り深い私には興味がある。


総じて、映像的なアプローチを心掛けているように感じました。
それが一人称との齟齬を産んでいる印象を持ちました。多分、作者さんは頭の中に先に映像があって、それを説明しようとしているのだけど、それは三人称視点で妙に目端が効きすぎる上に綺麗に飾り立てようとしているような、対して物語は”僕”の語りですすんて行くので、なんとなく違和感。

階段を登る描写のカナブンとか女の子とか、映像として浮かぶのだけれど、それ自体は物語からは独立していて、単に”絵を見せよう”っていう作者の思惑なんかが、わたしにはよく見えてしまって、物語の進行か主人公の感情か、どちらかにもっと寄った描写なら変に浮くこともなかったのでは?と感じました。

小説ってメディアに最適化されているようには思えなかったってだけで、階段のシーンもペダルを漕ぎだすシーンも、絵としては魅力的でした。漫画でも映画でも、別の表現手法からのアプローチも考慮してみては? なんて感じました。

阿南沙希
126.209.26.222

力を入れて描いておられたと思うので、凹ませてすみません。私もいつも試行錯誤です。
私も取材させてもらった方や家族に原稿を読んでもらうのですが、的を射た感想が得られる時とそうでない時があります。
まあ、その人たちを惹きつけられてこそ、中身に牽引力があるということなので、こういう匿名エリアをスタートに、リアルな誰かを自分の作品のファンにしてみせるのが最終目標ですね 笑
細かな部分や意味的なズレ、普遍性があるかなどは、同業志望者同士の方が話が通じやすいですよね…一般性のない方向にいっちゃう時もあるかもですが、それはリアルな文学サークルも同じですし。
ネット上だと、匿名性もあるので率直に意見を述べやすいかもしれません。あと単純に、私のような仕事してる身としてはネットのほうが圧倒的に参加しやすい 笑 そして身バレもしにくいのでありがたい。。

次のステージが見えてくるまでは、お互いに色々試行錯誤していきましょうね。干し肉さんの今回のお話、書きたいものがはっきりしているのは何より良い事だと思いますよ。きっと悔しい思いも沢山あるでしょうけど、その分また変わっていきますから。私も載せられたら載せますが(公募に出す予定がない話なら出したいですがそこまで書けるか未定です…)、次回作楽しみにしてますね。では、返信不要です〜。

干し肉
126.108.82.79

ちくわさん

>舟券が当たり大量の札が出てやね、そこで主人公がいろいろと小難しいこと語るよりは~(中略)~も少し淡々と、ふたりの会話で締めた方が、余韻は残るのではなかろうかね

 同意。
 やるせなさを感じている“ぼく”の内面を“ぼく”自身が理屈くさく独白することの筋の悪さに、ご指摘いただいて今ようやく気づきました。本当にその通りだと思います。
 
 換金後、ミヤベに彼女についての質問を思いきって投げかけるものの、黙り込むとか、リアクションが芳しくないとか、帰ってしまうとか、そういう違う展開で迎えるラストもありだったかもしれないと思いました。
 
 いずれにしろ、どうしようもないどうしようもないのモノローグは余計だった。
 
 完全に盲点でした。


>短編の場合なんだけれど、もう少し狡すっ辛い計算

 必要ですね。
 むしろ短篇の方が緻密なプロットが必要があるような気さえしました。
 緻密なんだけれど狡く、計算されたように見えないように纏め上げる。短篇は奥が深い。
 
 ありがとうございました。

干し肉
126.108.82.79

ペンニードルさん

 人の死は本当に便利ですね。
 日常の一部あるいは延長にあるものなのに、大多数には受け入れがたい超常現象みたいなものなので、なおさら便利です。
 私は時折、炒め物に塩コショウをふりかけるみたいな勢いで使ってしまいますが、作者の便宜の象徴のように映りかねない諸刃の剣なので、投入にはより慎重になる必要があると感じています。

>総じて、映像的なアプローチ

 まったくもってその通りで、本作では映像を仔細に浮かべてから執筆しました。

>階段を登る描写のカナブンとか女の子~(中略)~物語の進行か主人公の感情か、どちらかにもっと寄った描写なら変に浮くこともなかったのでは?と感じました。

 なるほど。
 カナブンも女の子も、前述の壁の亀裂やダストシュート等も、少しでも団地の情景を思い浮かべやすくするための道具と私は捉えていました。少しでもリアリティや雰囲気を出すための小道具というか。
 この辺の配分のバランスは非常に難しいところではありますが、確かに描写に一貫性をもたせれば印象は変わった可能性はありますね。

 ありがとうございました。

干し肉
126.108.82.79

阿南沙希さん

 ネットは率直な意見が聞けるのがメリットでもあり、デメリットでもあります。
 本質を見抜く力が肝要です。
 凹むどころか、むしろ目を輝かせて喜んでいる状況です(マゾヒストのようで気持ち悪いですが)
 頂いた意見を取捨選択し、どのように次に活かすかが一番大事なところだと思っています。
 またお願いします。

ラピス
49.104.8.137

すみません、横から入ります。

>普通にギャンブル好きの彼氏と、一般人の彼女でもお金の儚さ、熱狂の無意味さなどは描けるのでは。

私には、そういう類いの話には読めませんでした。言いにくいけど、読解力の問題もあろうかと思います。
批判の一つ一つを真に受けるのは危険です。作者様は自分の力を信じていく事も大切にして下さい〜。

干し肉
126.108.82.79

ラピスさん

ご心配頂いたようです。ありがとうございます。

当然のことながら、本当に真に受けているのか、波風が立たぬよう真に受けているポーズをとっているだけなのか、これは私のみぞ知ります。
そういうことです。

読解力がない。
そういった言葉を読み手に浴びせる、あるいは浴びせずともそのような理由で誤読を捉える、というのは私には抵抗があります。(例外はむろんあります笑)

仮にそれが本当に誤読であるにせよ、そのような結果を招いてしまった一因は書き手にもあると私は考えています。

だから私は読み手になると、好き放題コメントさせてもらっています。

時間と金をそこに費やす側なので、スタンスはシビアです。

ラピス
49.104.8.137

杞憂でした。余計なこと書いて、ごめんなさいね。執筆、お疲れ様です。

安本牡丹
118.157.153.84

上の方々の感想はほとんどぜんぶ的外れなので気にしなくていいと思います。

さて。

精神的に疲弊した友人を始終気にかけているだけのお話ですね。執筆の狙いにはやるせなさと書いていましたが、読んでみて思ったのは、確かにやるせないなということ。語り手は友人に対して何か働きかけたいのに実際は無力であり、ただ袖手傍観せねばならないことが切ない。筋は通っています。

しかし「変わってしまう前の友人がどんな人柄だったか」これが詳しく描かれていないのは残念です。といっても、全体的に目を通した感じでは気になる点はこの一点しかありませんでしたが。(精読はしていません)

小説としての内面的な面白みは垣間見えます。心情の表現に関してもう一工夫ほしいです。友人の人柄を詳しく説明することで、その変わり果てた様子に語り手が辛くなってしまうという形で達成できると思います。その辺を校正してみてはどうでしょうか。文章については、向上の余地はあっても、とりたてて指摘するほど問題にはならないと思います。

香川
27.95.81.7

読ませていただきました。
 
読みやすいのもさることながら、一人称らしい文体が魅力的な作品でした。
特に最初の方の、体言止めや「〜る。」という終止形の文末の連続が安っぽくならず、
主人公の焦燥感や夏の雰囲気を捉えていたように感じて、とてもいいなと思いました。
 
ラストの余韻には良い意味でも悪い意味でも食い足りなさがあって、執筆の狙いの「やるせなさ」を表現したいというお言葉を拝見するに、たぶん意図的なのだろうなと思います。たぶんですが。
そうだとすると、これは成功している面も大きかったのではないかなと。
 
良いと思った面から少し書かせていただきます。
ボートレースがタイトルに入っていながらボートレースの白熱した様子が臨場感をもって描かれていないわけですが、これが私には意図的に思えました。
目の前で熱戦が繰り広げられていても、それに対して「ぼく」もみやべもそれを全然意識できないでいる。
そこにある冷めた視線には、2人の中に大きな喪失感があることが伺えるけれど、ボートレースを眺めるより他にない、という虚無感がよく表れていたように思うんです。
『ボートレースの夏』というタイトル自体に、言葉の持つ溌剌とした雰囲気とのギャップがあり、むなしさが際立ったように思います。
 
この虚無感、やるせなさ、というものは、全て書かないことによる食い足りなさ、消化不良感が効果を発揮する部分だと思いますが、
ただ、この作品ではちょっと消化不良感が大きすぎて、逆にやるせなさが損なわれている面もあるように思います。
その原因は、みやべと彼女の関係が全然見えないことです。
その人を失った喪失感は、その人の存在の大きさがどの程度だったのか、というのが表現されなければ感じられないと思います。
現状では、ボートレースなど全く心に響かないくらいの虚しさがあっても、彼女との時間、彼女が彼に与えた影響、そういったものが見えないため、その虚しさは(表現が悪いですが)上っ面だけのそれになってしまっている気がします。
彼女と過した時間のヒントくらいでもいいと思うんです。
彼の最近の変化とか、持っているものがもしかしたら彼女からのプレゼントかもしれないとか、そういう事柄を印象的に描いていくだけで、
読み手は語り手の「ぼく」と同じように、想像するしかない二人の関係を埋めようとすると思います。
想像するしかない、本当はどうかわからないけれど、それでも彼らの親しげな様子が思い描けてしまう、位の少し掴みどころのないような描き方が、個人的には一番やるせなさが表現できるのではないかなと思いました。
とにかく、彼女のことはもう少しきちんと描く必要があったと思います。
 
色々書きましたが、やるせなさは伝わってきましたし、読みやすい文章でした。
 
ありがとうございました。

干し肉
126.108.82.79

ラピスさん

 ご配慮、感謝します。
 今後も芯を持って精進します。

干し肉
126.108.82.79

安本牡丹さん

>「変わってしまう前の友人がどんな人柄だったか」これが詳しく描かれていないのは残念
>友人の人柄を詳しく説明することで、その変わり果てた様子に語り手が辛くなってしまうという形で達成
 
 間違いなさそうです。
 極論、たとえ一行でもミヤベの人柄については言及した方がベターだったと思いました。
 そうすることで作品に立体性を持たせることができたような気がします。
 校正の余地はありそうです。

 ありがとうございました。

干し肉
126.108.82.79

香川さん

>最初の方の、体言止めや「〜る。」という終止形の文末の連続が安っぽくならず、主人公の焦燥感や夏の雰囲気を捉えていたように感じて、とてもいい

 ここは意図的にそうしました。
 現在形で焦燥を、体言止めで風景描写や五感に訴える季節感を、それぞれ表現したつもりでした。
 そのように捉えてもらえたのはありがたいことです。
 
 感想を読んだ限り、香川さんには私の意識・意図した部分がかなりの精度で伝わっているという印象を持ちました。
 
 ゴルフのカップインを私の意図になぞらえるならば、ダブルボギーやボギーの連続、良くてパーくらいだったところに、イーグルがきたみたいな感じです。珍しいことです。

>彼の最近の変化とか、持っているものがもしかしたら彼女からのプレゼントかもしれないとか、そういう事柄を印象的に描いていくだけで、読み手は語り手の「ぼく」と同じように、想像するしかない二人の関係を埋めようとすると思います。

 安本牡丹さんからもご指摘いただきましたが、ミヤベにしろ、その彼女にしろ、やはりもう少し言及する必要があったと思いました。
 それほどの分量を割かなくても、印象的なエピソードをちょろっと挿入するだけでも、やるせなさにリアリティは持たせられた。いなめません。深く納得。

 ありがとうございました。

藍島響(明日人零)
114.16.74.128

さっと読みで、すみません。軽く受け流してもらえれば、と思っています。

上手です、「書くのが上手」。言うのは簡単ですが、これを身につけるのも結構大変なので、その努力を似た者同士としては買います。
で、その先です。上手いんだけど、読後に何も残らない。公募批評とかの常套句…そんなものが浮かびます。全体の柔らかさはわかるし、ある意味作者様のもしかしたら武器かもしれない。だけど、今のところ、お金をだしてこれを買おうとは思わない、そんな感じです。

ごめんなさい、ここに至っては他の方の返答や回答をきちんと読んでいなくて、正しい読み方が出来ていないかも知れません。不快感を表明して頂ければ、作者様のご期待にそえたいと思います。

干し肉
126.108.82.79

 藍島響(明日人零) さん
 
 ジャンルによる制約や前提は違えど、私は読者が読みたいように読むのが正しいと考えています。
 だから正しいと思います。

>今のところ、お金をだしてこれを買おうとは思わない
 
 ここがめちゃくちゃ大事なところ。
 お金を出して読もうと思わせるのが究極の目標。

・そのような作品を提供するために工夫や改善しなければならないこと
・自分が表現したいと思っていること

 どちらを優先するか。
 読み手の顔色をひたすら窺うのか、書き手の自己満足ないし達成感を追求するのか。
 いやいや、好きなように書いて、それが職業になればいいじゃないか。大衆のニーズは多様。好きなように書いたものがすぽんとハマる瞬間があるはず。

 そんな陳腐な自問自答は日常茶飯事です。
 
 ありがとうございました。

えんがわ
165.100.179.26

描写の仕方というか、文章への取り組み方が、素敵だなと思います。

説明したい、という気持ちと一歩距離を置いて、情景の描写や動きやセリフで感覚的に伝えようというその姿勢は、ほんと好きです。故に伝わり切れないもどかしさは抱えねばならないものだろうし、自分もメッセージを十全に受け取った読者ではないことはわかるのですけど、それでもこれは貫きつつも発展していって欲しいなって。

夏の描写、競艇所に着くまでの温度とか、空気みたいなもの、そこにいるように伝わってきました。
今が夏じゃないから、これが実感できるのは、確かな文章力ゆえなのでしょう。
>バッタかなにかがふくらはぎに止まる感触。
このような描写は上手いなと思います。
ありきたりな、テンプレ的な表現も見受けられるのですけど、こういう表現が混じると俄然とそれらも生きると思う。
だからこのような干し肉さんの感覚的な表現が増えればと思います。

その干し肉さんだからの描写は、競艇場に行くことで、初めて主人公が訪ねることによる初々しさと共に爆発するかなと思ったら、ちょっと控えめで、期待が逸れた感はします。全体を見ると、刺激的になり過ぎて情緒的な物思いが薄れるのを避ける、意図的なモノとも取れるのですけど、一つ、二つ、鋭い実体験に沿った競艇場に行かない自分が知識として面白いというかそこに来たなと思える描写を混ぜてもとか。
競艇場の大きさとか、レース場の大きさとか、テレビで見るものとは実感が違うだろうし、暑い夏だから水の描写が欲しい気もするし、ファンファーレにしてもどのようなメロディや音か少し触れると「そこに居る感」が増す気もします。
もちろん迫力あるレースシーンを描く必要は自分も感じませんが。それ以外の所でもう少し出来るものがあるような。

悲しさと虚しさのようなものを感じました。どちらかと言うとショックで空っぽで、なんとなく実存できていないような、こう空気を観ているような感覚。
レースを淡々と見る二人の視点。賭けに買ったのに何もなかったかのような心の動き。ミヤベにしても「黒縁メガネとたらこ唇」が象徴的に浮かび他に特に内面も外面も写されないその曖昧な輪郭線。
そういう淡白さが、語られないのですけど、それは実は語れないほどの何かしらの想いの反映のような匂いをまとって、それが自分には「ああ、なんというか終わってしまったんだな」的な虚しさのような、そんな方向に行きました。

干し肉さんは、やるせなさを伝えたいとおっしゃるのですけど、そこまで重くは伝わらない部分があって、それはやはり全体のボリュームがそれほどないからやはり複雑味のようなヘビーさまで至らなかったのだろうと思います。恐らく描写を増やして、もちろんミヤベが必要以上に彼女のことを語らないことによるその大切さ、主人公との距離感、レースを必要以上に書かないことでそれが重要な追悼レース(涙ぁ)などと感情的に甘くなり過ぎない加減には、自分は惹かれていて。だからきっと干し肉さんの感性で足せるところがあったらの話なのですけど。

多分、ミヤベと主人公には親友的な心の繋がりがあるのだろうけど、それが短編では特殊な出来事に凝縮されるので、二人の関係が必要以上に淡白で弱弱しいものに印象としては受けます。
何かしら、二人のこれまでの長い付き合いや親しみのようなものを示唆するアイテムや、例えばミヤベの母親との会話でそれまでの時間を感じる一言を交えるなど、何かしらがあると厚みが増す気もします。

全体として。
なんか、良いなっ。
描写は、このスタイルで書き続けても味が出るんだって、なんか嬉しくなるし。
中身も恐らくは干し肉さんの出したい味とは違っていても、実は自分はこの空虚な喪失感に打たれて沈んでいる感じは、とても感いってしまい、そうゆうのは何と言うか、この余韻みたいなものが重くなり過ぎないもの含めて、今の自分の心にずばっと入ってきて。ぐんぐんと浸みました。

干し肉
126.24.182.89

えんがわさん

 数ヶ月前から長篇を書いているのですが、ずっと同じ話を書いていると飽きてくるので(話が広がり過ぎて収拾がつかなくなりつつある笑)、実は気分転換にこれを書いてみました。
 特に季節感とギャンブルを絡めることで、やるせなさをじわーっと醸せればいいなぁと思っていました。
 特に前半部分に関しては、おっしゃるように感覚的に書くことを意識しました。
 視覚、聴覚、触覚、嗅覚で夏を感じられるように、でも冗長にならないように文のリズムには神経質になったつもりです。
 そんな経緯もあったので、

>夏の描写、競艇所に着くまでの温度とか、空気みたいなもの、そこにいるように伝わってきました。

 このように捉えて頂けたことは嬉しい。
 ただ、ご指摘にあるように、ボートレースに関わる興味深い描写はちょろっと入れてみた方が良かったと思います。
 なにせ、タイトルの割に、ボートレースの占める割合が少なかったかなと。反省すべき点です。

>多分、ミヤベと主人公には親友的な心の繋がりがあるのだろうけど、それが短編では特殊な出来事に凝縮されるので、二人の関係が必要以上に淡白で弱弱しいものに印象としては受けます。何かしら、二人のこれまでの長い付き合いや親しみのようなものを示唆するアイテムや、例えばミヤベの母親との会話でそれまでの時間を感じる一言を交えるなど、何かしらがあると厚みが増す気もします。

 その通りだと思います。
 ミヤベの母親との会話で自然にそういう背景を把握できるようにするのはとても自然で良いかもしれません。

>ぐんぐんと浸みました。

 ありがとうございます。
 こういう言葉を頂けると、やる気が出ますね。
 けなされたらけなされたでやる気は出るんですが、褒められたら褒められたで、やる気は出ますね。
 やっぱり家族や友達であれネットであれ誰かに読んでもらうっていうのは、執筆する上で本当に大事だと思いました。

干し肉
126.24.182.89

 佐々木さん

 ご指摘ありがとうございます。
 私の記憶では佐々木さんという方の作品を読んだこともなければ感想を書いた覚えもない(忘れていたら申し訳ない)ので、こ れもまた横槍かな。

>ー脊髄反射のように=フツーは「反射神経で」だろ。

 反射神経……笑

 素晴らしい。
 卓越した文章センスと類稀なる読解力の持ち主です。
 感服しました。

 大変貴重なご意見、感謝致します。

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