作家でごはん!鍛練場
ゆめ

 お気に入りのぬいぐるみを引きちぎった。すごく後悔した。
 そのことを友達に話したら「どうしてそんなことしたの」と訊かれた。
 私は「なんとなく」と答えた。
「気持ち悪い」
 その瞬間に彼女は友達ではなくなった。私はせっかくの友達をまた失った。彼女は学校の中で、私と口を聞いてくれる唯一の人間だった。自分の手で引き裂いたライオンのぬいぐるみのレオとも合わせれば、私は一日経たない内に大事なものを二つも無くした。

 その日学校から帰って、今度は小学校の頃の卒業アルバムを焼いた。ものすごく後悔した。
 愛しているものを失うってどうしてこんなに悲しいんだろう。灰になる思い出たちを眺めてひたすらに泣いた。胸が苦しかった。
 そのことを消防の人に話したら「どうしてそんなことしたの」と訊かれた。
 私は「なんとなく」と答えた。
 近所の人に通報されて呼ばれた消防の人たちは、一度顔をしかめて見せた。口には出していなかったが、やはり私のことを「気持ち悪い」と思っているようだった。

 あくる日家族を殺した。どうしようもないほど後悔した。
 動かなくなった父母の体を抱いて、やっぱり私は私が愛されていたのだと思った。一人っ子で臆病な私は人と話すのが苦手で、だから両親は気を回して私に一切話しかけなかったのだ。一晩泣いた後もまだ遣る瀬無さが溢れた。だから学校へも行かずに、ひたすら家の中に閉じこもっていた。
 そのことを警察の人に話したら「どうしてそんなことしたの」と訊かれた。
 私は「なんとなく」と答えた。
 家族の腐敗臭に気付いた隣人の通報で現れた警察の人たちは、頰を引きつらせて私を見た。やっぱり「気持ち悪い」と言いたげだった。

 翌日私は私を殺した。

執筆の狙い

作者 ゆめ
111.65.194.45

「愛」の本質の一つを探ろうとしてみました。様々なご意見が聞きたいです。

コメント

一陽来復
219.100.84.36

ここに愛はないよ。

あるのはうすっぺらいエゴと、つまんなさだけ。

ギリシャ思想・・特にアリストテレスから、「悲劇ってもんの定義」を、一度しっかり確認してみるといいよ。

ギリシャ人、賢いから。。

一陽来復
219.100.84.36

単純に「全員お亡くなりオチ =悲劇〜」ってものではないんですよ! ってことです。

「物語として成立するための条件」ってのがちゃんとあって、
アリストテレスはそこを「誰にもわかりやすく、シンプルかつ的確に定義づけている」んです。


でもまあ、
若い人は「愛の本質」だの「悲劇の成立条件」だのの方へ行かないで、

「明るくきれいな話を書くことから始める」のをオススメしますわ。。

偏差値45
219.182.80.182

うーん、なにを伝えたいのだろうか。
何処が面白いのだろうか。分からない。
単純に衝動的破壊者かな。精神を患ったかわいそうな人ですかね。
全世界で何千万という子供が生まれるならば、
そのうちの何人かは、そういう人間が登場するかもしれないですね。
もちろん、そんな人には共感は出来ません。

ルビーの鼻輪
141.0.8.32

偏差値ごときがご意見番じゃこのサイトはもう脂肪

加茂ミイル
58.89.136.15

いろんな理屈をこねて、人の作品をこきおろす人っていますよね。
作品だけに限らず、相手の人格とかをもいろいろね。
とにかく批判ありきで、対案がない。
しかも偉そうなこと言うわりに自分自身が見本になれるわけでもなく、むしろお前の方がよっぽど駄目なんじゃないのって感じでブーメラン炸裂するという有様。
大した実力もない人間が羞恥心もなく他人を上から目線でこきおろすような場所になってしまうと、サイト全体が腐敗するんだろうなって思います。

上松 煌
153.203.103.215

 
 「愛」という題名にふさわしくない内容だ。
これは愛ではなく、単純な破壊に過ぎない。
この劣悪な夢物語で唯一の救いは、末尾で自分を抹殺したことです。
他人を愛することの意味を知らず、他人のなんたるかを受け入れ、共存・共栄することすらできない人非人は、生まれてきてはいけません!
人の姿をしていてはいけません!

 社会に対する唯一の贖罪は自分自身の存在を消すことです。
友達や消防や警察の人に「気持ち悪い」と、当然の印象を持たれる前に、自らくたばることです。
それが人非人に出来る最善最良の価値的行動なのです。

ゆめ
111.65.194.45

一陽来復様コメントありがとうございます。

私はあくまでも「愛」を形容する本質の一つを探ってみたかっただけで、「愛」を書きたかったわけではありません。
例えるなら、カレーを作るための素材の一つとして「じゃがいも」について考えているだけで、「どうしてカレーにじゃがいもはつきものなんだろう」から、「じゃあじゃがいもにはどんな本質があるのだろう」と考え、「じゃがいもは他にどういう風に使えるのだろう」という順に考えたわけです。
(ただあくまでもやりたかったのは三つめの「」の思考なので、最後の「」については今後の創作の糧にするつもりです)

そもそも一陽来復様は簡単に「悲劇」と仰っていますが、私はこの話を「悲劇」だとは認識しておりません。
主人公は最後まで様々なものへの「愛」、また様々なものからの「愛」を認識して、自分を殺害しています。
「主人公となる人物の行為が破滅的結果に帰着する筋」が「悲劇」だとするなら(あくまでも「悲劇」の厳密な定義がないため広義的思想で仮定)、この作品において主人公の最後は「破壊的結果」ではなく「創造的結果」です。主人公はたくさんの「愛するもの」を失うことでそれらへの「愛」を”発見”しています。
この作品が三人称で書かれているならまだしも、一人称による作品なので「客観的視点」を考える必要もありません。

安易な思考ロックで「ギリシャ人は……」と仰るなら、せめて「誰にもわかりやすく、シンプルかつ的確な」意見をお願いします。
ご自身のコメントを読めばどれほど言ってることが曖昧かくらい、ギリシャ人の賢さを理解しているならおわかりでしょうし。

ご感想ありがとうございました。

ゆめ
111.65.194.45

偏差値45様コメントありがとうございます。

「共感」は求めておりません。
全世界の何千万の子供にも通じるような「砂糖は甘い」のようなくだらない「共感」がお好きなようでしたら、こんなところにいないで流行りのJ-POPでもお聞きになってください。

ご感想ありがとうございます。

ゆめ
111.65.194.45

ルビーの鼻輪様コメントありがとうございます。

ゆめ
111.65.194.45

加茂ミイル様コメントありがとうございます。

ゆめ
111.65.194.45

上松 煌様コメントありがとうございます。

他人と仲良しこよしで手を繋ぐことが上松様の「愛」だというならそうですね。

ご感想ありがとうございました。

真奈美
122.30.239.78

拝読しました。
私も昔、「お気に入りのぬいぐるみ」の首を引きちぎったことがあります。
理由は「なんとなく」でした。本作への共感というわけではないですけど、思春期には誰もが何かしらの通過儀礼を色々な形で体現するのではないかな、と思っています。
本作、アプローチはとても面白いと思ったのですが、もう少し尺を長くもって主人公が「ここ」に至るまでの背景を描いてほしかったと思います。 「生」を絶つことを書くのは簡単ですが、そのプロセスこそが小説としては一番の読ませどころになるんじゃないかな。 次作も頑張ってください。

ゆめ
111.65.194.45

真奈美様コメントありがとうございます。

先に謝罪を一つ。私は「お気に入りのぬいぐるみ」の首を引きちぎったことはありません。
そしてそれを見て、「羨ましい」と思う人種です。
ただ「思春期には誰もが何かしらの通過儀礼を色々な形で体現する」という意見には部分的に賛同します。
部分的の意は「誰もが」という点です。程度の差の話にはなりますが、思春期のみんながみんな「通過儀礼」を体現するとは思えません。
なので、願わくば一人でも多くの人に「通過儀礼」を体現してほしい、というのも私が筆を握ることになった動機の一つであります。

小説のプロセスに関しては、恥ずかしながら私の技量の未熟さであります。
ご指摘感謝します。

ご感想ありがとうございました。

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