作家でごはん!鍛練場
雪乃雫

高校生になった俺は美少女に殺されて異世界に転生した

プロローグ 高校生になった俺
キャラ設定
朝日 颯(性別:♂)
小6からアニメや漫画を好きになり今ではオタク。なんでもアニメなどで例える事がある。
ヒワに風の魔法を貰ったがそれは弱かった。だが、ポップとギヴに出会い、身体に負担はかかるが風の魔法を強化させることができた。
現実世界では剣道などをやっていたわけではないのだが異世界に来て剣を握るとそれなりに動く事ができる。

ヒワ(性別:♀)
魔王軍討伐のため朝日颯を殺し異世界に転生させた。正体不明、さらに魔王軍討伐の目的が分からないので謎が多い。

エル(性別:♀)
ヒワの師匠。エルがなぜヒワの師匠になったかは謎。颯を転生させろと言ったヒワに言った本人。占いで出たかららしい。

ポップ(性別:♀)
剣に封印されていた使い魔。
使える魔法は3属性。火、光、闇。弱点は不明。
ご主人様に忠実な使い魔。
封印される前のご主人様は魔王幹部との戦いで敗れ死亡。その後、魔王幹部に封印されてしまった。その剣は捨てられ、川を流れ、子供に拾われ、子供の親に渡され、その親が売却して、ソガ王国の道具屋に置かれた。

ギヴ(性別:♂)
防具に封印されていた使い魔。
使える魔法は3属性。水、風、闇。弱点は不明。
ご主人様に基本的には忠実だが、上下関係が嫌いなので対等な関係で喋りたがる。だが、ポップから注意されるので渋々敬語を使っている。
封印された過程はポップと同じ。

ザム(性別:♂)
魔王幹部の1人。まだ謎に包まれている。

~第1話~ 入学式の日
周りには何もない黒い空間。
そこに現れたのは1人の女だった。

「颯さん。異世界へ向かう準備はいいですか?」



――――――――――――――――――――――――


俺は今日から高校生。
俺がこれから通う高校の学力は中の上。可もなく不可もなくという感じだ。

そして、今日は高校の『入学式』という訳。

今はクラスが発表され、自己紹介中なのだが――
俺は1人でぶつぶつと小さな声で喋っている。

「1人めっちゃ可愛い子いるなー」

彼女は黒髪のショートカット。どこにでもいそうだが顔がとても整っている。声も優しい声で俺を包み込んでくれそうだ。

そんな彼女は――

「私の名前は佐藤日和。以上」

――少し変わっていた


そんな彼女のことは1度忘れこのクラスに慣れようと思った。まずは、近くの席のやつと――

「これから1年よろしくな!」

突然喋りかけてきた奴は俺の後ろの席の田中だ。

「ああ、よろしく」

他にも喋りかけてくれたやつは沢山いた。中学の時とは違う。

こんな感じで高校での1日は終了し帰宅することにしたのだが――

俺は佐藤日和という美少女に連れられ、体育館倉庫に来ていた。そう簡単に高校生活1日目は終わらないらしい。



――――――――――――――――――――――――


密室に美少女と2人というギャルゲーのような展開に胸のドキドキが隠せないのだが、そんなことを思っている場合ではなかった。



「死んで下さい」



唐突に放たれたその言葉の後に俺の目に映ったのは、彼女の前に現れた大きな魔法陣と――

遠くにある自分の身体だった。


~第2話~ 暗闇の中の光
「これは――ヤバいって――」

これが、人生最後の言葉だった――


――――――――――――――――――――――――


今、周りは暗闇で何も見えない。視認出来るものは遠くから近づいてくる「光」だけだ。その光が近くまで来ると死人のように顔が固まってしまった。あながち間違いではないのかもしれないが。

「お前は――」

その「光」は俺を殺した佐藤日和だった。

「何故お前がーー俺を殺したんじゃないのか――こんなの――常識的に考え――」

いや、俺は分かっていた。魔法陣をみたこと、死んだはずなのに暗闇の中にいること、会うはずのない人と会ったこと。もう、ここは――

俺の知る世界ではないということを。


「そう。ここは死の世界。地球上で死んだものが転生するための場所です」

「いや、待てよ! 何故俺は殺された! しかも、初対面の奴に!」

「今回は例外なのです。詳しい話は異世界でしましょう。その時に話します」

「異世界!? そんな急に話を進められても――!?」

俺は生まれて初めて、異世界に転生した。


「|ヒ《・》|ワ《・》を――」

第1章 初めての異世界バトル
~第1話~ 質問攻め
「お、おお!!」

初の異世界で胸が高鳴った。
周りには普通の人間のような人が沢山いる。だが、ここは人間界でいう砂漠のような場所だ。何もない。

予想では顔が獣の顔のやつがいたりするのかと思っていたがそうではないらしい。俺の見た目は変わらず年齢も死んだ時のままみたいだな。だが、とりあえず今横にいるやつに聞くべきことがある。

「質問してもいいか?」

「はい」

「なんで俺を異世界に転生させたんだ?」

「それは、貴方にこの世界でやるべき事が出来たのです」

「じゃあ、なんで俺を殺したんだ?」

「それは、転生させるには殺すしかないからです」

「俺のクラスに来たのは?」

「それが1番楽だったからです」

「名前は?」

「ヒワです」

だから日和、か。

「いつ俺の世界にきた?」

「貴方を殺した当日です」

「じゃあ何故、皆はお前との過去の記憶があった?」

「嘘の記憶を植えつけました」

「やるべき事、とは何だ?」

「この世界を支配するものの駆除です」

「魔王――なのか?」

「はい」

「それは、お前達では出来ないのか?」

「|お《・》|前《・》|達《・》? 私は1人ですが。出来てたらしてますよ」

マジかよ、仲間がいるんだと思ってた――

「なんで魔王を倒したいんだ?」

「――この世界を守るためです」

「じゃあ、お前の正体は?」


「――――それはまだ秘密です」

その言葉を言った時のこいつは少し悲しげな目をしていた。

~第2話~ 俺の魔法
とりあえず、さっきから気になっていたお前とか貴方呼びが気になったので話し合いの結果名前呼びになった。


長い時間喋っていたので喉が渇いた。だが、ここは砂漠のような場所。周りに街がない。勿論、自分は何も持っていない。

「ヒワ、飲み物とか持ってるか?」

「いえ。ですが、魔法で水くらいなら出せます」そう言って現れた魔法陣から水が出た。

「これで、水には困らないな――けど――」

1つこの世界に来てから気になっていた事があったのだ。


「俺って今何も持ってないし魔法も使えないからゴミなんじゃねーの!?!? 早速異世界生活終わってるんだが!?」

これだ。

「確かに。では1つ魔法を与えます。これは、今颯さんが使える唯一の魔法です」

急に肩を掴まれ驚いたがそれだけではなかった。肩から何かが入ってくるような感じがし、ゾクゾクする。

「これで使えるようになったでしょう」

俺は早速使ってみる事にした。

――――――――――――――――――――――――

使ってみると、俺の前に魔法陣が現れ周りの草と空がざわめき始めた。そして、使った魔法は!

ヒューーー

風を少し吹かせるだけの魔法だった。

~第3話~ この世界とヒワの師匠
これは――弱い――弱すぎる。こんなので本当に魔王を倒せるのか? 不安しかない。

「颯さん。気を落とさないで。これからも成長していくので」

ならいいけど。俺も早く強い魔法を使ってみたい。

それじゃ、街まで行きますか!


――――――――――――――――――――――――


で、到着したけど、雰囲気は西洋の街並みに似ている。そして、この街にはなんでもありそうだ。武器屋、宿屋、訓練場。少し歩いただけでこれだけの店がある。だが、

「金とかあんの? ないと宿屋とかで泊まれないけど」

金が無いと宿屋などで泊まることも出来ないし、食べ物を買うことも出来ない。

「一応少しならありますけど――あ、でも宿屋の件は心配しないで下さい! 私の家がありますので!」

聞いていなかったが、ヒワはこの世界の人なんだな。そりゃそうか、あんな黒い空間作ったりしてるんだから。

で、話を聞くと金を持ってるらしいのですこし食べ物を買ってヒワの家に行くことにした。

――――――――――――――――――――――――

おお――めっちゃでかい――

「金、どれくらいあるんだ?」

「20兆デリスくらいですかね。ああ、日本で言う20兆円と同じくらいです」

めっちゃ金持ちじゃねーか! それで少しとか言うなよ――まあ、とりあえずこれで金に困らない事も分かった。

そして、色々気になることがあったのでヒワに聞いてみたところ分かったことが沢山ある。

まずヒワのことについて。1つ目は、そこそこに格闘術、剣術、魔法を使いこなせるということ。これから教えてもらおう。2つ目は、現在親はいなく、1人暮らし。昔は生きていた親が、家と金を残していてくれ、死んでしまったらしい。なぜ死んだかはヒワが苦しそうな顔をしていた為聞けなかった。勿論、親の正体も教えてくれなかった。

次にこの世界について。この世界は7つの王国によって形成されているということ。今いる王国はソガ王国、そしてゲンガ王国、ウィズ王国、ガイヌ王国、テミ王国、レンム王国、ラオ王国。ここからが魔王に関わる大事な話。このそれぞれの王国に1人魔王軍幹部がいて、そいつら全員を倒さないと魔王とは対峙出来ないらしい。幹部達は基本的には何もしないのだが、たまに魔物を召喚させたりしている。その幹部と対峙するにはそれぞれの王国にある塔を攻略することが必須条件。勿論、塔はその幹部の力で壊れることはない。ただ、幹部が王国に来た場合は別だ。塔を攻略する必要性もなく、幹部がいる間しか力を発揮しないので塔を壊すことも可能になる。魔王を倒そうした人は何人もいるらしいが幹部達を2人しか倒すことが出来ず、魔王と対峙することが誰1人として出来ていない。だが、2人倒したので後は5人。今俺がいるソガ王国にはいるらしい。ゲームかよ、と突っ込みたくなる。

そして、俺自身について。言語と文字はなぜだが知らないが日本語で会話出来るので大丈夫。本当は日本語なんて喋っていないらしいが。あと、何故他の人ではなく俺を転生させたかは、ヒワの師匠の占いでそう書いてあったから。今、俺に出来ることは風を出すことしかできない。服は制服のままだ。

これくらいのことは分かった。そこで話に出てきたヒワの師匠が現れた。これは、後に分かった事だがヒワの師匠はこの時たまたま家の前を通り話が聞こえたので入って来たらしい。

「こんにちわ。颯さん」

お姉さんキャラか。胸もデカイし。

「お姉さん、なんて思わないで。その後に思ったことについては素直に喜ぶけれど」

「俺の考えた事が分かるのか!?」

「ええ」

この事は覚えておこう。

「俺は朝日颯。よろしく」

「私は占い師のエルよ。よろしく」

占い師か。この世界には色々な職業がありそうだな。

~第4話~ 俺の親
ただ、気になるのは、ヒワは何者なのかということ。

ぐうー

この状況で俺の腹が鳴ったので恥ずかしかった。

「ご飯にしましょうか」

そう言ってヒワの師匠が出してくれたのは俺の知っている食べ物じゃなかった。これは一体なんなのだろう――

「これはベクド。人間世界で言う鮭に似たような感じかしら」

なるほど。早速食べてみよう。ふむ――鮭の味とほぼ一緒だ! 美味い!

「味噌汁もあるわよ」

これは美味すぎる! 親が作ってくれた料理を思い出――――す――――

「そうだ! 俺の親は!」

その質問にヒワが答えてくれた。

「泣いてますよ。友達もね」

そうか――

「もう――会えないのか――」

「会う方法は1つだけ、魔王を倒す事です。魔王に最後の攻撃をした人の願いを1つ叶えてくれるそうなので――」

それは簡単な事ではない。まだ魔王軍幹部も倒せていないのに魔王を倒せというのだから。さらに俺は剣術などは素人。いつ俺は人間世界に戻れるのだろうか――


~第5話~ 世界に0人
翌日――

「では、武器と防具を揃えましょう」

ヒワに武器などを揃えてもらう事にした。


「武器と防具はその人の職業によって変わるので、とりあえず颯さんのステータスを確認して職業を決めましょう」

俺たちは道具屋に行くまで、黙々と歩いて行った。

――――――――――――――――――――――――

「ここが道具屋か」

なかなか広く道具の品揃えも良さそうに見えた。今も30人程度の人がいるのでかなり人気の店なのだろう。

「ここはこの王国の中で最も良いとされている道具屋。自分のステータスも確認でき職業も選べるところ」俺の心の中の疑問に答えてくれた。

「ただの道具屋なのにすごいな――」

「まず最初にステータスを確認しましょう」

この世界での人生を大きく左右するからステータスは大事だよな。ただ、こういうのはアニメだと低かったりするんだけど――

「この、ノートみたいなのを使うのか?」

変わったところはないのだが――

「そう。ノートに手を置いてみてください」

手を置いてみるとノートの横にあったペンが動き出しステータスが書かれていった。

「攻撃力1800、防御力1300、魔力1500、体力2000」

「うそでしょ!? 最初から全部4桁なんて――」ヒワは目を見開いた。

「これは強いのか?」

「勿論。まあ、このステータスより上の人なんて何千、何万といますが。最初からしたら高いということです。ちなみに私は2200、1550、3000、3600です」俺よりも上みたいだ。

「なるほどな。このスキルはなしって書いてあるんだが――風を扱えるんじゃないのか? 俺は」

「あれはスキルじゃなくて自分が生まれた時から持っている技となっています」

まあ、そんなもの持ってる人なんてこの世界には少ないのだけれど。

「職業はどうする? この強さならなんでもなれると思うよ」

目の前に書いてあるカタログのような物を見て最初に目に付いたのは――

「ダークナイト」

その場にいた者は全員凍りついた。

~第6話~ 闇に包まれた剣
「ダ、ダークナイト!? 特にメリットがないです! 遠距離としても近距離としても中途半端。 武器もこの世界に1つしかありません! 誰1人としてなっていない職業なんですから!」

分かる。けど

「この世界に1人もいないのなら魔王を倒すことが出来るかもしれない」俺はこの世界のやつと同じようにすると魔王を倒せない事くらい分かる。なら、誰もしたことがないことをすつしかない。

「なるほど。颯、君変わってますね」

「だろ?」

ダークナイトに決めるとノートに何か書かれ始めた。

「そこには自分のステータス、職業など色々なことが書かれてます。身分証明書にもなるから無くさないように」

「はいよ」

次は武器と防具だな。
数が多くどれがどのような性能を持っているのかさっぱりだ。

「これが全職業が使える武器と防具。こっちは――ダークナイトが使える武器と防具です。ダークナイトなんて1人もいないから1つしか置いてないですけどね」

その剣と防具は――闇に包まれているような気がした。

「これだ。こいつらだ」

「分かりました。安いので金銭的にはありがたいですね」

その時にあいつらから「ありがとう」と言われたような気がした。

~第7話~ 使い魔と魔物
こうして手に入れた道具を持ち帰りヒワの家の前で練習することになった。家に帰るときに思っていたのだが、

「この防具――少し重すぎないか――」

「どの防具もそんなものでしょう。ちょっと貸してください」

ヒワが防具に触れると武器と防具が闇に包まれ空は黒くなり自分達がいる周辺に風が吹き荒れた。

これは――

「なんですか!?」周囲の荒れた様子からヒワはとても警戒している。

その武器と防具はとても可愛らしい獣の形をしていた。人間世界でいう鳥のような感じ。ふわふわと浮いている。2体いて、片方は白、もう片方は青色だ。

「誰ですか?」「誰だ!?」

俺とヒワは驚きが隠せない。

「こんにちは。私を助けてくれてありがとう!これから私はご主人様の使い魔、そして武具としてお使い下さい」白の方が言った。

買った時にありがとうと聞こえたのは気のせいではなく本当だったのか――。俺はまだ状況が整理出来ないのでもう少し話を聞いてみた。

話を聞くと、名前は白い方がポップ。青い方がギヴ。性別はポップが女でギヴが男みたいだ。数千年前から闇の剣に封印されていたが、俺というご主人様が出来たので抜け出すことが出来たらしい。

「で、これからは使い魔、ということか?」

「はい! よろしくお願いします!」2人同時に言った。

「わかった。 使い魔か――。ポップとギヴがいれば俺が魔法を使ったり出来るのか?」

魔法を使うことが出来れば俺達の戦力が上がる。これは大事だ。

「出来ますよ。僕達が強制的にご主人様に魔法の力を与えれば――。ですが、それにはご主人様にとてつもない負担がかかります――。それでも大丈夫ですか?」ギヴが言った。

そんなこと言われても魔法が使えるなら!

「大丈夫」

「分かりました!」

すると、ポップとギヴの俺の間に闇の線ができ、魔力が注がれていった。

「え――!?」

突然声を上げたのはヒワだった。

「どうした?ヒワ」

「いや――なんでもない」

どうしたんだろうか。まあいい。

「早速魔法使ってみたいんだがいいか!」

「いいですよ。手を前に持っていて、風よ。俺に力を。と言ってその風をイメージすれば使えると思います。他の魔法も同じです。もう魔法の力は与えたのでいつでも出来ますよ。後、戦闘中は剣と防具の中に入っておりますので、何かあればいつでもお呼びください。脳内で語りかけることもできますので」

なるほど。やってみるか。


「風よ。俺に力を!」


ふわ――

え、ヒワのスカートがめくれたんだけど――

「きゃっ!」

ピンク――。じゃなくて!

「ごめん!まだ使いこなせなくて――」

「大丈夫です!」

やっぱ怒ってるよね――

「とにかく、魔法が使えるなら剣はもういらないと思う。そのかわりに杖を買えば?」

でも、この世界に来て初めて持った武器だし一応持っておこう。

「いや。一応剣を装備しておく」

「そう――」


今日はポップとギヴという使い魔ができた。

――――――――――――――――――――――――

翌日――

朝から王国は騒がしかった。そんな中この家に駆け込んできた人は息切れしながらこう言った。
「逃げろ! 王国に魔物が――」

もう来たのか――

「大丈夫だ。俺達に任せろ」

~第8話~ 全ての命
そんな大見得を切ったのを後に後悔することになった。何故なら、今俺の前には300体近くの小型のドラゴンがいるのだから――

「ポップ、俺達に勝機はありそうか?」颯は焦りながら言った。

「いいえ。このままではこの王国は何もかもがなくなります」

「そんな――」ヒワは言った。

この戦場にいる者は全員「負ける」としか思っていないだろう。目の前で人が次々に死んでいくのだから。だが、ここにはこの戦いの道を変える人がいる。使い魔を持った人がいる。

「ここにいる全員の命は、俺が預かった!!」

そう言って俺は敵の中に走っていった。

~第9話~ 魔王幹部
戦ってみて分かったことがある。

弱い。数だけだ。やはりステータスの高さとこの、使い魔が中にいる剣のおかげだろうか。周りにいる王国の兵士達も苦戦している。本当は強い敵なのだろう。

「ご主人様、このままでは兵士が全滅してしまいます。その前に親玉を倒さねば。親玉を倒せばこいつらは全て死にます」

こいつらの後ろにいるあの人型のやつか。何もせず眺めているだけ。なら――

この敵を薙ぎ倒しあの親玉の死角から攻撃する。

「おらあああああああああああああああ!」

親玉の死角から攻撃した剣は――

完璧に当たったのに弾き返された。

俺は困惑、焦り、不安。沢山の負の感情が押し寄せてきた。もうこいつを倒すことは、出来ない。

「そんなしょぼい剣に倒されてたまるかよ。俺は魔王幹部のザムだぜ。舐められちゃ困るな」

「魔王幹部――」

俺に倒せるかよ。無理に決まってるだろ。

「ご主人様、魔法の事をお忘れですか?」

そうだ。俺にはまだこれが残ってる。

「私達の魔法を使います。1度に大量の魔力を送るので何かを感じたら魔法を使ってください」

これに――全てを賭ける!


「風よ!俺に力を――!」



颯は全ての力を使い、倒れてしまった。

第2章 ザムと聖剣
~第1話~ 聖剣と魔法
「――――て――やて――颯!」

ヒワが急に起こしてきたので驚いて急に起き上がったらヒワとぶつかった。痛い。
周囲には王国の兵士とヒワ、ポップ、ギヴがいる。兵士達は倒れた兵士達を運んでいて忙しそうだ。辺り1面焼け野原なのでたぶん俺の魔法を全て消しとばしたのだろう。ここが王国の中心ならどれだけの被害が出ていたのやら。

「どうなった! 幹部は!」

「あいつはまだ死んでいない。ですが、撃退することは出来ました。さすが、私が転生させた人ですね。でも、最後に気になることを」

気になること。それは一体――

「こんなことで俺は死なない。また後でな、颯。と」

まだあいつは死んでいない、のか。さすが魔王幹部だな。

なら、今やるべきことは1つだ。

「あいつのところに行く。魔王を倒すには必要なことだ。ポップ、ギヴいけそうか?」

「いえ。ザムに勝つには足りないものがあります。それは、仲間と――」

その場にいる全員、が息を飲んだ。

「魔王と魔王幹部を倒すために必要な魔法と聖剣です」ポップとギヴが口を揃えて言ったので圧があった。

魔法と聖剣――

「328年前、魔王幹部を2人倒した者達がいました。その者達は今まで、死んで来た人達の戦いや2000年も前からあった資料に書いてあった、魔王軍を殺すなら神々の剣必須というのを元に魔王軍を倒すには聖剣が必要であることが分かりました。そうして、魔王幹部を2人殺すことが出来ました。ですが、その剣は魔王幹部が死ぬ間際に最後の力である場所へ封印しました。その者達の名は残っていませんが、男1人、女3人だったと記されています」ギヴは、まるで自分がその場所にいたかのように話した。

「その話、この世界の伝説ね」ヒワは知っているらしい。

――ん?

「で、今の話と魔法はどういう関係があるんだ?」

「私達は魔王軍を倒さなければなりません。なら、聖剣が必要です」

「その聖剣の場所は?」

「それは私が知っています」

「じゃあ、なんで魔法が必要なんだ?」

「封印した時に神々の力が少し無くなってしまったのです」

「なるほど。その無くなった部分を魔法で補うということか」

ポップは頷いた。

「てことは、今やるべきことは聖剣を取りにいくことと魔法を――」

「魔法は魔法書を手に入れ、その魔法書を使える能力を持っていたら使えます」

「分かった。じゃあ明日出発しよう」

「ポップ達がいなければどうなっていたのだろうか――」ヒワはとても不安みたいだ。


俺達は、仲間を増やし聖剣と魔法書を手に入れることにした。

~第3話~ 結界の洞窟
「ギヴ。聖剣と魔法書、どちらの方が近い?」

「魔法書の方が近いです」

「じゃあ、先に魔法書から行くか」

そうして、俺達は王国を抜け、王国の周囲にある森の深い所まで来ていた。周辺には木と洞窟があるだけ。洞窟は暗く奥の方は何も見えない。ここはポップの光魔法で先に進んでみることにした。

王国を出発する前に準備をしてきたのだが大したことはしてない。食料と金くらいだ。幸い他の王国でも金は共通らしい。因みにエルは置いて来た。

今からすることは、聖剣と魔法書を探し、仲間を増やし、ザムを倒すことなのだが、聖剣は少し遠くにあるゲンガ王国の塔の最上階にあるらしい。その塔にも幹部はいるのだが聖剣だけ抜き取って帰る作戦だ。

と、考えている間に魔法書らしいものが青い机の上に乗っていた。

「あんなに堂々と置いていていいのか? もう他の人が取っていてもおかしくないだろ」俺は思った。

「ここは洞窟の周りに結界が張られているのです。そして、結界を突破出来るのは魔獣だけです。だからです」ギヴが説明してくれた。

「じゃあ、魔法書取りにいくか!」

と、青い机に乗っている魔法書を取りに行くと――

予想通り、魔物が大量に出てきた。

~第2話~ 泣いた女性と出発
翌日――

ヒワの家にいて出発の準備をしていると、
王国の住人30人程度が俺達の所に近寄ってきた。

「颯さん! 貴方が魔王幹部を撃退してくれたんですよね?」

「え、ええ、そうですけど」

俺はヒワに耳打ちで聞いた。

「これどういうこと?」

「昨日魔獣使いが魔王幹部を撃退したっていうのがこの王国全てに広まったのです。だからだと思われます」

俺めっちゃ有名ってことか。ヤバ。俺の力じゃないけど。

「この世界で魔獣使いはいませんから」ヒワは言った。

え――

「魔獣使いいないのかよ!」

「はい。獣使いならいますが。ですが、魔獣は魔力を持っているので私達に従えることが不可能なのです。魔獣によっては知識が豊富なもの、魔力が私達より遥かに多いものがいますので逆に私達が従わなければならないこともあります」

「魔獣に従う――」想像すると寒気がする。

そんな話をしていると住人が、

「ザムを倒しに行くことも聞きました。今準備してるんですよね? 私達の為に倒して来て下さい! よろしくお願いします!」そう言いながら女性は泣いていた。

「女性をこれ以上泣かす訳にはいかないから絶対倒してくる。待っとけ! この王国の皆に伝えてくれ。俺が絶対倒してくるって」颯は堂々と言った。

「はい!」
そう言って住人達は去っていった。

「準備も出来たしそろそろ行こうぜ! 行けるか?」

「はい」「ご主人様がよければ私はいつでも」「僕もいけるよ」

「じゃあ行こうぜ! 魔王軍討伐の為に!」

そう言って俺は剣を空に突き上げた。

~第4話~ 魔法使用不可
まあ、そう簡単に取らせてはくれないよな。分かっていたが、魔物の数が異常だ。

「みんな! とにかく戦うぞ!」

ここは洞窟の中にある部屋。この洞窟には部屋が1つしか無く道も1つしかない。魔法書がある所だけ部屋になっている。魔物が異常な数いることから、この部屋の大きさは分かるだろう。

魔物の種類は2種類コウモリ型の小さな魔物とゴブリンのような魔物だ。ゴブリンは手に棍棒を持っている。コウモリは噛み付く、ゴブリンは棍棒を振り回してくるだけだ。コウモリもゴブリンも身体が小さいので攻撃力はあまりない。だから、

「光よ。俺に力を!」

そう言って俺の手から光が――放たれなかった。

「くそっ! どうして!」

そうしている間にヒワの所に魔物が襲ってきた。

「ヒワ!」

ヒワに襲いかかった魔物は砕け散った。

「私を舐めないでください」

「分かった。こんな所で死ぬなよ」

「当たり前です。こんな所で死んでたら――」

最後は何を言っているか分からなかったが今はそれどころじゃない。

「おい、使い魔! 何で魔法が使えないんだ!」

「ご主人様! 落ち着いてください。それは、昨日ご主人様が強大な魔力を使ったから身体に負担がかかっているんです」

あの時か――

「じゃあ、今は剣でなんとかするしかないのか」

「はい」ポップとギヴは頷いた。

「じゃあ、剣と防具に変わってくれ!」

そう言うと俺の身体に光が纏わり付きすぐに剣と防具に変わった。

「ヒワ! 俺も戦うぞ!」

~第5話~ 剣
今の状況は最悪もいい所。ヒワは魔法で戦っているが体はボロボロ。魔力も長くても後5分しかもたない。

どうする。どうする。どうする。どうすればいい。

俺も魔法が使えない。ヒワもいずれ限界が来る。


閃いた。その時の俺の顔は笑っていた。

「ポップ、ギヴ! 戻れ! あいつらに魔法だ!」

なんでこんなことに気づかなかったんだ! 別に俺が使わなくてもあいつらが使えば良いことじゃないか!

「分かったよ。やっと僕達の出番だね。ポップ」

「そうですね。準備はいいですか。ギヴ」

「いつでもいいよ」


すると、魔物の上に魔法陣が現れその上から剣が落ちた。魔物は全て剣に刺され死んだ。

「ヒワ!」

「大丈夫です。このくらいは」

「そうか。ポップ、ギヴ。ありがとな」

「いえいえ。ご主人様の言う通りに動いただけですから」

そうして、俺達は魔法書を手に取ることが出来た。

~第6話~ 水と仲間?
魔法書が思ったより簡単に取得することが出来たので聖剣を後にして仲間を見つけることにしたのだが――

「ヒワ。1度王国に戻るか? 手当はしたがそれじゃ――」

ヒワはボロボロだ。魔力もないに等しい。この世界で魔力を持って生まれた者は魔力がないと身体が麻痺して思うように動けなくなるらしい。魔力は日が経つと回復するがヒワの場合は5年はかかるらしい。そんなに待っていられない。

「颯――。助けてください――」

「くそっ! ポップ、何かあるか」

「森を抜けた先にこの世界の中心地とされているトラベル神殿という場所があります。そこには魔力を全回復させる水がありますが、その水はそう簡単には手に入りません。それでもいきますか?」

「勿論だ! その神殿について説明してくれ」

説明によると、その水はトラベル神殿の中心にある噴水の下に入り口があるらしい。その入り口は40年前に発見されたので手続きさえすれば入れるそうだ。だが、まだ誰も水を手に入れたものはいない。水の場所は分かっているのだがそこには5体のギガントが出てくるらしい。ギガントというのは人間界でいうゴーレムのようなもの。かなり強く弱点も分かっていない。ギガントを倒すと水が出てくると言う噂だがまだ誰も手にしていないから分からないけど、少しの希望があるならやるしかない。

「結構厳しいんだな」

ポップは頷いた。

「ヒワはどうする」

「噴水の中に入る手続きの時にトラベル神殿の宿屋に置いていきます」

「戦力が1人減るのか。でも、それでも行くしかないな」

「では、行きましょう」ポップとギヴは羽をバタバタとさせた。

そこで背後に気配を感じた。

「ちょっと待ってよ――」

俺は剣を構えた。

~第7話~ 新しい仲間
「そんな構えないでよ。颯くん」

どうして俺の名前を知っているんだ。

「この世界じゃ君は有名だよ。幹部の中で最弱だけど、ザムを撃退させた英雄だってね」

「なるほど。ところでお前の名前と俺に何の目的で近づいてきたか教えてくれ」

「そうだね。名前は名乗っておかないと」
|男《・》は恥ずかしそうに言った。

「僕の名前はファスティア。こう見えても女だよ。」

「え!? 嘘だろ!?」どこから見ても男にしか見えない。僕っ娘には初めて会った。

「とにかく敵じゃないんだな?」俺は最終確認で聞いた。

「勿論だよ。で、僕の目的は君達と一緒に魔王討伐に参加したいということさ。君達をソガ王国の時から気になっていてね。追いかけてみたらかなり強くてびっくりしちゃったよ」

「なるほどな。俺達は歓迎するぜ。仲間が必要だったからな。ところでお前はどれくらい強いんだ?」俺よりも弱かったら意味がない。

「それは次の戦闘の時のお楽しみにしておいて」

~第8話~ モキキの襲来
この森思ったより長いな。殺風景だし。

「トラベル神殿まで、後どれくらいかかるんだ」

「後少しです。ですが、魔物きてますよ」ポップは冷静な声で言った。

「嘘だろ――。ファスティア! 出番だぞ」

「ティアって呼んでって言ったじゃん。でも、任されたよ」

ティアは身につけていた剣を構え、魔物からの攻撃を避け続けている。

魔物はモキキという名前らしい。まあ、猿だな。攻撃は石を投げたり殴ったりする攻撃だ。敵の数は約30。これなら最悪俺1人でも勝てるが――ここはティアに任せよう。

避け続けていたティアは俺達がずっと見ていたのにも関わらず突如として視界から消えた。探すと、既にモキキの背後に回っていた。そして、

弱い。

この1言しか言わずに斬った。その後も斬り続けた。そして、全て倒すことができた。

強い。

ティアは俺達が予想していたよりも強かった。

「久しぶりに動いたから鈍ってたけど、どうだった?」首を傾げながら聞いてきた。

「かなり強い。仲間にしてよかった。ありがとな」

「いえいえー」

こうして、俺達はトラベル神殿に向かうことが出来た。

~第9話~ 作戦
仲間が増えたり、モキキが襲ってきたりしたが、なんとか夜までにトラベル神殿に到着することが出来た。

「とりあえず宿屋に行ってヒワを寝かそう」

宿屋に行き、ヒワを寝かした俺達は2人と2体で今後の予定をたてた。

「今日はひとまず休憩するか。それで、噴水の話なんだが――」

とりあえず手続きはして来た。そして、ティアに聞いたのだが、ギガントはそう簡単にに倒せる相手ではない。俺が使えるのは風の魔法だけ。そんなものがギガントに通用するのだろうか。いや、通用しないだろう。ポップとギヴが魔法を使ったとしてもさっきの剣の魔法じゃギガントには敵わない。仮にポップとギブが違う魔法を使いギガントにダメージを与える事が出来ても、それは弱いらしい。ポップとギヴは単体でも魔法を使えるのだが少し威力が弱くなるらしいのだ。だが、俺を通すと魔法の威力が上がる。まあ、俺は魔法強化装置ってことだ。俺に負担はかかるけどな。話は逸れたが、俺達の作戦はこうだ。

まず、入り口があるのでそれを開ける。そして、ギガントが正面に5体いるのでポップの光魔法で部屋ギガント達に目くらましをかける。

「そこから、どうするの? 目くらましをかけてもかなり絶望的だと思うけど」

「そこからは――成り行きだ」

「嘘でしょ――。まあ、そうするしかないか」

じゃあ、明日の朝出発だ。

~第10話~ 必ず
「大丈夫なのか――」

俺はベッドに座り考え込んでいた。

ギガントはこの王国の選ばれた兵士100人でも倒せなかったらしい。まあ、それでも行くしかないのだが。

その後、違う部屋にいるヒワの所に行ってこう呟いた。

「必ず水持ってくるから」
――――――――――――――――――――――――
翌日――

「僕達って魔王倒そうとしてる訳じゃん。もし倒せたらこの世界の歴史に名を刻むよね! 絶対倒したい!」

「まあな。その為にこの戦いも頑張ってくれよ。てか、お前はいつ死ぬかも分からない冒険をよくやろうと思ったな」

「好奇心旺盛だからね! 僕は」

そんなティアと喋っていると、噴水が見えてきた。

その噴水は特に見た感じは何もない。普通の石で出来た噴水だ。

噴水の前に兵士が立っていたので手続きの時にもらっていた紙を見せると噴水の水が止まり、石が変形し、入り口が出てきた。

「どういう原理――」

俺は疑問を抱きながら入り口の中に入って行った。

~第11話~ トラップ
人がいない。ギガントに恐れて誰も来ないのか。

中の構造はシンプル。階段を降りると1本道があり、その先にドアがあるらしい。そのドアは鉄で出来ておりそこにはギガント5体と思われる絵が描かれている。ドア以外は普通の灰色の石で出来ている。

もちろん電気など付いていないので暗い。ポップの光魔法を使っているので明るいけど。

「不気味なんですけど――」ティアは手で自分を抱きしめ、震えながら歩いている。よっぽど怖いのだろう。

「あれがドアだな」そう言いながら、颯は一刻も早くヒワに水を届けたい一心で走った。それに続き、ティア達も付いてきたが、俺が走ったせいで床から出ていた石に気付かず、踏んでしまいトラップが発動された。床に穴が空き、俺達は床に吸い込まれていった。

~第12話~ 死ぬという言葉の重み
嘘だろ――

周りは石造りで出来ていて、出口がない。置いてあるものは瓶に入って光っている水だけ。

「これがそうなんだよな――。ポップ」

「そうですね。トラップに引っかかって良かったというべきでしょうか――」

「とにかく、ここから出ようよ!」ティアはこの空気を変えるためか、元気な声で言った。

喋っていると、ゴゴゴゴという音を立て入り口が出来た。

「進めってことか――」

俺たちは入り口を通ろうと歩くと、入り口で壁のようなものに当たった。

「結界――。これは通れるのか?」

「洞窟の時と同じ種類の結界なので通れます」ギヴが答えてくれた。

「なら大丈夫だな。その時から思ってたんだが、ポップとギヴが通れるのはわかるがなんで俺達も通れるんだ?」

「ご主人様達に私達と同じ加護を与えましたので」

「その加護ってのは――」

「人には、秘密の1つや2つはあるものですよ」

「お前らは人じゃねーだろ――」

そんなツッコミを入れ、俺達は奥に進んだ。

不気味な場所だ。
石造りなのは変わりないが、石が青い。さらに、自分達の足音以外音がしない。そして、1番不気味なのは、出口が見えているのに近づけないということ。

「どういうことなのでしょうか。出口はもう見えているのに」

ゲーマーの勘だと――

「この先に光魔法を使ってみてくれないか」

「わ、わかりました」

ポップはそう答えると、光魔法を使った。すると、辺りが急に明るくなり、その後には俺の前に雑魚そうな魔物が現れた。

「よ、よく分かったなゲス」悪魔の家来のような、黒くて、フォークの様な物を持っている魔物は言った。

「これくらい余裕だ。ところで、ここがどの様な場所か教えてほしいのだけど――いいか?」

「ゲント様からの仕事だから教える訳にはいかないでゲス」

「だったら、倒してからいくがそれでもいいか?」俺は圧をかけるように言った。

「やめてくれゲス! なんでも言うでゲス!」圧にやられたのか魔物はすぐに諦めてくれ、この地について色々喋ってくれた。

この地はギガントの住処で、さっきのトラップは必ず引っかかるらしい。あのトラップに引っかからなくても、結局その後のトラップに引っかかり、結局さっきいた場所に落ちてくるから早い段階で落ちていて良かったと思う。この先にはギガントがいて、今も待っているらしい。因みに、この魔物の魔法を抜け出せたのは俺らともう1組だけらしい。ただ、その1組は

殺された。

その1組はギガントの圧倒的な強さに負けた。

死ぬ。

俺はその言葉の重みを今知った。冒険をした時から思っていた。だが、大丈夫だろうと、死ぬことなんてないだろうと。現実世界にいた時からの気持ちが残ってしまっていた。

死ねない。

ヒワのために。俺はそう思うとギガントの弱点を聞いた。

ギガントの弱点は1つ。ギガント達がいる奥にある5つの水晶。あれを壊すと倒せるらしい。

「水晶――。それはどんな攻撃でも壊れるの?」ティアの質問にこう答えた。

「物理攻撃でないと壊れないそうでゲス」

「分かった。ありがとな」俺はお礼を言うと先へ向かった。

「頑張ってください!」

敵じゃねーのかよ。ゲスも無くなってるじゃなーかよ。ただ、ありがとな。

~第13話~ ギガントの姿
ここにギガントがいるのか。

俺達はギガントがいると思われる場所まで辿り着いた。というか、もう見えている。部屋の奥に。堂々とゴミを見るような目で立っているギガントが。

そのギガントは四角い石を繋ぎ合わせたような体で、高さは10M程度。その目は宝石のように赤く輝いている。そして、その奥に水晶の様な物が飾られてある。

この部屋は青い石で出来ており、屋根は地面から30Mくらい離れている。

じゃあ、入るか。

「ティア。入った直後に攻撃されるかもしれないから警戒しろよ」

俺達は部屋の中に入――

カーン

「すいません。私達はここを通れないみたいです。部屋の入り口にある結界は魔物は入れないらしいです――。なので、今のうちに支援魔法をかけておきますね。この効果は15分しか続かないので気をつけてください。健闘を祈ります」

俺は体から何かが込み上げてくるような気がした。それは、不安なのか、それとも支援魔法の力なのか、あるいは両方なのか。それは分からないが、俺とティアは部屋の中に入っていった。

~第14話~ ギガントの弱さと支援魔法の力
俺達は部屋の中に入り前に決めていた作戦通りに動こうとした。だが、ポップがいない。

だから、俺は臨機応援に対応した。ティアに作戦を伝えティアは戦闘に入った。

俺はその間に風魔法の準備をし集中力を高めている。まだ、まだ、まだ、まだ。今だ。

「いくぞ!!! ティア!!!!! 風よ! 俺に力を!!!」

すると、ギガント5体はあっさりと体制を崩した。支援魔法のおかげだろうか。その間にティアは水晶を5つ壊し、ギガントを倒すことに成功した。

「意外と、あっさりしてたな」

「だね」

ギガントを倒すことに成功したので、俺達は水があると思われる奥の部屋に進むことにした。


~第15話~ タイムトラベル
その先の部屋には水が入っている瓶が見つかった。

「あれが――」

俺とティアは見つめ合い、頷き、水に近寄った。そして、ゆっくりと手に持つと、水が周囲が見えなくなるくらい光始めた。

「なんだよこれ!」

俺は訳が分からず、光が収まるのを待った。

「やっと収まったか」

俺は目を開け周りを見渡すと、前には噴水が見えた。見間違いかと思い、目をこすってもう1度見ても前には噴水が見える。

そして、何かに気づいた俺は悟った。

「ティア。俺達タイムトラベルしてるぞ」

「え?」

高校生になった俺は美少女に殺されて異世界に転生した

執筆の狙い

作者 雪乃雫
61.125.73.214

私の処女作です。
酷いところが多々あると思いますが、ご指摘お願いします。

まだ未完成ですが、この作品で自分の実力はどの程度なのかと知っていきたいです。

コメント

おしっこジョボ朗
126.234.119.225

ハルヒっぽい出だし 
テンプレ設定 オリジナリティをほとんど 感じさせない

偏差値45
219.182.80.182

ゲームのチュートリアムのような感じですね。
これでは面白くはありません。従って途中で挫折です。
最初からハードルの高い長編を意識し過ぎているような気がしますね。
もちろん、実力があって面白ければ良いのですが、そこまでの力量はまだないと思われます。
起承転結を心掛けて短い小説をたくさん書いた方が、学習という意味では
効率的ではないかな、と思いますね。
未完成ということですが、完成させることが何よりも大事なことだと思います。

雪乃雫
61.125.73.214

偏差値45様
コメントありがとうございます。

そうですね。頑張って長編にしようという気持ちが強かったみたいです。
次作は短編の完成を目的としたものを作りたいと思います!

雪乃雫
61.125.73.214

おしっこジョボ朗様
コメントありがとうございます。

僕はハルヒ見てないので分からないのですが、テンプレ設定にはなってしまったなと反省しております。
オリジナリティのあるストーリーを作るというのは難しいものですね…

氣多 ヒスイ
133.236.101.12

 ラノベ風のタイトルが見えたので、とりあえず読んでみることにした。感想としては正直言ってつまらない。しかしながら、これが処女作だという彼がこのまま夢破れてしまうのもかわいそうである。老婆心から少しは読めるレベルにまで修正することにした。まずはキャラ設定から改善案をもらいたい場合は詳細まで書くこと。そもそも作者が知らないことは許されない。もちろん、例外も存在することを理解している。ここで、アシスタントキャラクターを用意する。

碇金 紡(IKARIGANE, Tsumugi)
性別: 女性
年齢: 14歳
(未発表作品のため作者以外には伏せさせていただく)
碇金 紡は仮名であり、本名は〇。
株式会社〇より派遣された。肩書きは副社長。
〇の登場人物は条件により「第四の壁(Fourth wall)」を破ることができる。
以下に条件の例を示す。
1. 作者が呼び出した場合
2. 本編とつながりのないアバンタイトル中などの状況説明
3. 本編中での一時的措置等
(以下省略)

「アシスタントの碇金です」
 創造主として、よろしく。申し訳ないが、少々待って欲しい。そう伝えると、私は彼女の設定を追加した。
〈碇金 紡の設定に関する追記〉
この場において作者と親密な関係にあるということにする。
容姿
パーカー(フリース, プルオーバー, ネイビー)
シャツ(デニム, 長袖, ホワイト)
パンツ(チノ・クロス)

「なぜ、私の名前の読みは英語で書かれているのですか」
 理由は特にはない。グローバルスタンダートに合わせた形になっている。「姓, 名」としているのもそのためだ。さて、ここから彼の設定について言及する。ここに設定を載せる以上、意見を求めるということになる。キャラクター設定の場合、話の展開まで含めて記述すべきだと思う。
「そこまで、考えていらっしゃるでしょうか。近年のヤングアダルト、ライトノベルは冒頭にキャラクター設定があるものもありますから」
 確かにそうではある。言いたくはないが、このタイミングでは正体不明なら書く必要性を感じない。
「なるほど、あなたは頭が硬いですね。トレンドから外れていませんか」
 小説というメディアの特性を理解していることを願うばかりだ。
「それでは、主人公視点での各キャラクターの設定はどうでしょう」
 これは一人称視点のタイプであるから、その方法なら主人公の持っている情報のみが開示対象になる。





朝日 颯
性別:男性
小6からアニメや漫画を好きになり、今では立派なオタクとなってしまった。そのせいで物事をサブカルチャー的な視点で見がちになった。悪いことだと思っている。だが、大好きな作品たちに出会えたことを後悔はしてない。
ヒワに風の魔法を貰ったが、それはそれは弱かった。だがしかし、ポップとギヴに出会って身体に負担はかかるが貧弱な風の魔法を強化させることができたのであった。転生前に何かやっていたという訳ではないが、異世界に来て剣を握るとそれなりに動く事ができる。なんで?

ヒワ
性別:女性
魔王軍討伐のため俺こと朝日颯を殺し、異世界に転生させた。正体不明。なんのために魔王を倒そうとしているのか俺には分からない。知らないことだらけだ。

 とりあえずはそれらしくまとまったな。
「はい。形にはなりましたね」



――――――――――――――――――――――――
俺は今日から高校生。
俺がこれから通う高校の学力は中の上。可もなく不可もなくという感じだ。
――――――――――――――――――――――――
「『偏差値という定規があるのに』と思っていらしたでしょう」
 当てられたな。しかし、表現として十分だろう。別に主人公の学力を知りたいわけではない。むしろ、微分方程式の解説を文章でされても困る。TeXコードでもつけてくれるか、式を記述してあれば別だが、それでは数学の参考書だな。「数学」と一括りにすると様々な分野の人に怒られるが、ここでは目を瞑ってもらおう。表現しやすい人文学系科目が小説では向いていると感じる。
――――――――――――――――――――――――
彼女は黒髪のショートカット。どこにでもいそうだが顔がとても整っている。声も優しい声で俺を包み込んでくれそうだ。

そんな彼女は――

「私の名前は佐藤日和。以上」

――少し変わっていた
――――――――――――――――――――――――
 声と台詞が一致していない。包容力のある声であれば、
「『私の名前は佐藤 日和です。みなさんよろしくお願いします』ということですね」
 一例としては合格だと思う。現実では声と言動が一致している必要がないが、まさにcharacterと呼ぶべきだが、小説のみでは聴覚情報が提供できない。ここで、そのギャップがある場合、今後、それを毎回記述しなければならないかもしれない。
「心配性ですね」
――――――――――――――――――――――――
密室に美少女と2人というギャルゲーのような展開に胸のドキドキが隠せないのだが、そんなことを思っている場合ではなかった。
――――――――――――――――――――――――
「美醜について考えない場合、男女が一対一となるはそんなに珍しいことでも」
 読者層を考えるといいかもしれない。
「あ、いえ、続きがありまして、『マーケティングのために該当範囲を絞ると珍しいことになりますね』と」
 申し訳ない。結果的に話を遮ることになってしまった。この失敗に少しばかり血の気が引くことになった。胃を握られるという腹痛、破壊衝動を伴う防衛機制まで達していないため、大して気にはしていないと自分自身を考察する。彼女の性格その他の情報アドバンテージのおかげだろうか。それとも単に創造物だからであろうか。それでは先程の感情を説明できない。
「このペースですと、終わりませんよ。あなたは多忙な身ですから」
 スケジュールを確認する。そこには大量の予定とTo doリストがあった。時間短縮ため、言及箇所を削減する。
――――――――――――――――――――――――

氣多 ヒスイ
133.236.101.12

「異世界、isekaiって何をやっとるか!」
 来てしまったか、プロットだけ作っておいてそのままにしたキャラクターが。
「儂の元ネタの方にさっさと行かんか!」
 碇金とは違う作品のはずだったが、思い違いだろうか。少し考える。なるほど、彼女にはそういった設定があった。碇金のたちの設定からでも連れて来ることができる。
 うるさいですね。冷却系を停めますよ。
「高圧をかけたままか」
 ええ。
「そ、それで困るのはお前じゃぞ!」
 逃げる手段はありますよ。
 焦る様子が手に取るようにわかる。デリケートな元ネタから女子児童の容姿にしたのだから。
「分かった。ちゃんと行くのじゃぞ」
 分かりました。ちゃんと行きます。
 実際のところ、彼女の破損は私にとって大打撃になることに変わりはない。まだまだ長生きしてもらわなくてはならない。
「あとな」
 なんですか?
「この口調と性格、やめたいと思っておるのじゃが。そもそもの設定からして変えて欲しいのう」
 考えます。私だけの作品じゃないので、相談が必要ですが。
「あの人の相手もしなければならないとは、大変ですね」
 碇金、君たちにも申し訳なく思う。執筆時間がもう取れなくなってしまった。私は幸せなのだろうか。「逃げられる」とは言ったが退路はないに等しい。ハッタリであった。これまでの自分が崩れていく。その破壊は創造をもたらすのだろうか。
「『来年の事を言えば鬼が笑う』といいますよ」
 ありがとう。
 自分を縛っていた縄が一つ外れた。その一本は少ないのかもしれない。それでも前を向くことができそうである。
――――――――――――――――――――――――
 「異世界」というのは主人公の元いた世界から見たものでその「異世界」にいるキャラクターたちからすれば、「異世界」というのはおかしな話ではある。
「そこに違和感がなければよいのでしょう。作者のレベルによりますが」
 君たちも異世界にあたるな。
「しかし、あなたは転生により、登場人物を連れて来たりしません。むしろ、物理法則が成立するこちらの世界はあなたの世界に類似して作られました」
 気候、植生、衣類等の設定をアクセスが容易な現代の資料を利用できるという利点がある。現実世界に「似せた」と書いたのは私だ。
「私たちはisekaiへのアンチテーゼですか」
 なってくれると嬉しかった。
――――――――――――――――――――――――
「身体に負担に掛かる設定はあまり描写されていません」
 その通り、表現が薄い。
「『人を呪わば穴二つ』ですが、仕方がありません。主人公の負担は疲労、連続使用不可だろうとは推察できますが、他の身体異常は描写されていません」
 足りないと感じるのかな。
「あなた基準ではそうでしょう。私の設定や書きかけのアイディアであなたは何を書きましたか」
 君の拷問を書く予定だった。アイディアでは君を殺した。他にもtragicだと思う設定を追加した。
 メインキャラクターであろうとも物語の進行上はそうなってもらう必要があった。読者には同情していただく必要があるが、作者として、それは害でしかない。
「カタルシスだと」
 そうだ。しかし、ちゃんと救済策はあるから君はそのキャラクターをrollしていればいい。
「分かりました。rollします」
 気にしないでいいよ。もうしばらくは筆を取れないから。もしかすると気が変わるかもしれない。
 それはなかった。設定表にあることをこれから変更するつもりはない。外部の要因、スポンサーでも付けば対応するつもりではいるが、いまの設定を根本から変えるきはない。
「気づいてないとお思いですか」
 彼女の眼はこちらを見ていた。私は彼女の眼を見ることができなった。私の眼に映るのは虚空だけだった。虚しさだけが私を包む。
――――――――――――――――――――――――
「こんなことで俺は死なない。また後でな、颯。と」
――――――――――――――――――――――――

 「おやくそく」というものか。強大な敵と一度対峙して、力の差を見せながらも退くという。
「ストーリーが組みやすいですから」
 紡、君なら勝てるだろうか。
「あなたの性格なら勝たせます」
 順列の低い敵を倒して勢いをつける手法はあると思う。
「いえ、あなたなら、『魔王』の存在を消すのみならず、魔法という文化を破壊します。そもそも、現実世界と同じ法則に書き換えることでしょう」
 こちらのホモ・サピエンスと類似した歴史に軌道修正した方が書きやすいからというのは言い訳としていいのだろうか。
「あなたは物理法則を知ってしまったからですよ」
 解明されていない事象も多いことを彼女は理解して、それを私に伝えただろう。彼らの世界は非日常と日常が混在する。そのいいかたは正しくない。混在できる設定を組んだ。物理法則から外れることを説明できるように。
――――――――――――――――――――――――
周辺には木と洞窟があるだけ。
――――――――――――――――――――――――
「植生が気になっているって顔していますよ」
 碇金が私の方を向いて言う。傾けた頭部に沿って髪が流れた。気候の差異は文化の差異と繋がることは明白なことである。
「フルーツが分かりやすいと思います。東南アジアの国の中にはドリアンやマンゴスチンが屋台で購入できますが、日本では入手が難しいですから」
 もちろん、他地域との交易にも影響されることにはなるが、採れる・獲れる食材が食文化構築の基礎を担っていることに違いはない。
――――――――――――――――――――――――
「ティア。俺達タイムトラベルしてるぞ」
――――――――――――――――――――――――
「『ギガント』のギミック面白いですね」
 アイディアとしては素晴らしいと思う。
「それはあなたが類似したことを私たちにしているからですか」
 自分が使っているからというのはおいておいて、設定を考えてあるなとここまで読んでいて素直に思ったよ。
 
――――――――――――――――――――――――


総評
 描写力に不足が見れれるものの、アイディアにときおり光るものがありました。文章力を鍛えるのはこれからでしょう。頑張って下さい。もしかすると、時間が取れるのは今だけかもしれませんから。

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