作家でごはん!鍛練場
さざなみ

儚い光

この間街で一目惚れをしたリボンで髪の毛を括り、家を出る前の最終チェックを済ませた。今日は半年も前から待っていた桃風愛莉ちゃんの武道館コンサートだ。

私が密かに応援しているのが大手アイドル事務所DreamFUTURE、通称DFに所属している、可愛いお姫様のようで「女の子」の具現化と少し話題になっている桃風愛莉ちゃんだ。

 現在日本ではアイドル戦国時代と言われるくらいに毎日新しいアイドルが生まれては消えていく厳しい世界だ。ユニットを組んで売っていく事務所が多い中、私が応援しているDFは『個人』を売っている。ライブももちろんソロで回るし、シングルもソロで出す。けれど、生まれては消えていくこの時代に多くのファンを皆が獲得できるはずもない。DFでも何人も引退していくのを見てきた。私が応援している桃風愛莉ちゃん、愛称はももりん。ももりんもいつ消えるかわからないそんな脆く儚いからこそアイドルを応援したくなる。まだ新人アイドルのももりんが一人で武道館を埋めることなどできるはずもなく、今日はDF事務所で毎年恒例となっている「1年間の感謝を!そして来年にはさらなる笑顔を!」という年末に行われるDF事務所に所属しているアイドル大集合で開催されるお祭りだ。

 テレビにラジオに雑誌に引っ張りだこの大人気アイドルから、これからのももりん含む新人アイドル組。それぞれのソロ曲をカバーしたり、このお祭りのために書き下ろされるユニット曲もある。DFは基本ユニット売りをしないから、ユニットが見られるのは1年に1回この日だけなのだ。なかよしユニット、先輩後輩ユニット、事務所はファンのニーズをよくわかっていてそれも相まってこのお祭りのチケットはプレミアムもプレミアムでなかなか取れないのだ。
 運よく推しの初武道館を見る権利を手に入れた私はこの日のために洋服も新しく買って、ヘアアレンジも勉強してきた。周りの友達には「その熱量をほかに使ったらいいのに」とよく言われるが、私はももりんが好きなのであって、ももりんを一人の人間として尊敬しているから「ほか」に移ろうという気持ちが微塵も沸いてこないのだ。

武道館に一歩足を踏み入れるとそこはファンの熱気で溢れかえっていた。ユニットはシークレットで曲が始まるまで誰がどの曲を歌うのかはわからないのもまた楽しい。毎年の流れとしては、先輩に新曲のユニット曲、なかよしユニットにはそのユニットにあった新曲を。先輩後輩では過去に人気のあったユニット曲を。というのが恒例となっている。先輩後輩で既存曲を持ってくるのは正直過去と比べられてしまうから新人アイドルにとってはプレッシャーがすごいものだろうと思うが、昔からのファンは昔を思い出して、今と比べて盛り上がれるし、最近好きになったファンの人でもDVDで見て知っていてというパターンが多いから変に新曲を持ってくるよりは盛り上がるのだ。

今回はももりんは特になかよしのメンバーがいるわけではないので先輩後輩のユニットを任せられるのではないかとファンの中で憶測が広がっており、出身地が同じ先輩の美崎ゆずちゃんが相手ではないかと思っている。

 隣の席のファンの人と、交流をしながら開演を待っていると照明が落ち、
DreamFUTURE事務所テーマソングが流れメンバー紹介が始まる。
最初は全員でのおなじみの曲。そこからは先輩後輩偏りすぎない程度にソロ曲やカバー曲が歌われる。中盤も過ぎ、いったんのMCタイムが始まった。

「みなさん~! 今年も1年間ありがとうございました~!今日も来てくださって本当にありがとうございます」
そういい話を切り出したのは事務所の稼ぎ頭とも呼ばれている空野さくらだ。
 軽い自己紹介、前半部分でお気に入りの場所。順番に衣装を着替えていき、今年の活躍を話し、話がひと段落すると、さくらちゃんが客席に呼び掛けた。

「休憩したいかもしれませんが、この後はみなさんお待ちかね!新曲と先輩後輩のユニット曲ですよ! 準備はいいですか?」
さくらちゃんがマイクを客席に向けると武道館が揺れるんじゃないかというくらいの大きな声でのレスポンスが聞こえた。 私も精いっぱいの声を張り上げた。この後を1番楽しみにしていたのだ。

客席照明もまた消され、ステージ上の照明も消され武道館には静寂が流れる。ここにいるみんなが次の一音に耳を澄ませていると、聞こえたのは過去にも披露され根強い人気を持ち続けたユニット曲の「アクマと吸血鬼」だった。
ステージの上手側の照明が照らされそこに立っていたのは美崎ゆずちゃんだった。その姿を見た私は息をひそめ次の照明がつくのを待った。

イントロが流れ、ゆずちゃんが下手側を指さすとそこには桃風愛莉ちゃんが立っていた。わかっていたはずなのに、ある程度予想ができたはずなのにいざ現実にその光景を見てしまうと叫ぶことすらもできず、涙も流れずぼーっとすることしかできなかった。けれど地面が揺れていたから歓声は凄いものだったのだろう。私はそれが嬉しかった。ゆずちゃんは人気アイドルで、ファンも多いがももりんは地下アイドルどまりだ。知られているか正直不安だった。でもここまで喜んでくれるファンがいることが私にはうれしかった。

そのあとは何も覚えていない。帰ってSNSでももりんの評判が良くて、安堵しながらファンレターを書いていた。
私の手紙で何か変わるとは思わないけれど1mmでもももりんの力になればうれしいと思いながら今日も私は貴女に思いのたけをぶつけます。

儚い光

執筆の狙い

作者 さざなみ
121.86.160.235

はじめまして。小説を書きたいのですが、添削してもらう場がなく、どこを直せばいいのかわからないので感想をいただけたら嬉しいです。
ひとりの女の子を応援する女の子のお話です。

コメント

カンテラ
60.86.253.122

初投稿ですか?お疲れさまです!
うん、まだまだ伸ばし甲斐があっていいですね!真面目に評価したいと思います。

まず、全体的な評価ですが、小説としてはまずまず、といったところですね。
ひとつひとつの文章はしっかりしていて、表現も良いとおもいます。
でも、それらを「ストーリー性」が壊してしまっている感じがします。
なにをいいたいかが微妙で、わかりにくい。物語そのものとしてはいいのだが、いまいち共感性に欠ける。
こんなかんじですね。簡単に言うと、小説好きな小学生がちょっと書いてみました、ってかんじがしてしまいます。

というわけで、アドバイスです。
さざなみ さんはまず、どんな物語をかきたいかを考えて、そこからどんなストーリーにするか、というのを固定して考えてみてはいかがでしょう。こんな文章を書きたい、で始まると、どうしても物語性のない作品———言わば、作文という形になってしまうんです。だから想像の中心を固めることをしてみてください。そうすることで、もっと魅力的な作品になると思います。

こんなところでしょうか。
では、次回作に期待しています。頑張ってください。

さざなみ
121.86.160.235

カンテラさん コメントありがとうございます。
的確なアドバイスとても有難いです。「想像の中心を固める」すごく納得致しました。
おっしゃる通り「こんな文章を書きたい」で書いてしまった作品なので中心を固めて書くように致します。
ありがとうございました。

偏差値45
219.182.80.182

うーん、どこが魅せる部分か分からないかな。
そして語り手が男性なのか、女性なのか、分からない。

>この間街で一目惚れをしたリボンで髪の毛を括り、家を出る前の最終チェックを済ませた。
これで女性なのか、とは思うけれど、女性アイドルを応援するのは男性という固定観念がある為、これが払拭できません。主語が「私」なのでどちらでも解釈できます。
さらに言えば、この一文、説明が足りていない。簡単に言えば、不完全な文になっている。
冒頭でこの調子では、読んでいて不安にさせますね。

>私が密かに応援しているのが大手アイドル事務所DreamFUTURE、通称DFに所属している、可愛いお姫様のようで「女の子」の具現化と少し話題になっている桃風愛莉ちゃんだ。

一文が長すぎる。
この後の文章はアイドルよりも事務所の説明に終始しているので、イケていない。
一読者としては、そういう細かい設定はどうでもいいのですよ。
核心的な部分から離れていくような気がしますね。
これならば、桃風愛莉がどんな人物なのか、どのように一ファンとして観ているのか、
その辺を描写した方が良いと思います。
例えば、ファンの部屋にポスターがあったり、写真集があったり、音楽が流れていたり、
そんな感じです。

>「みなさん~! 今年も1年間ありがとうございました~!
これは、みなさ~ん! ならば分かりますね。
一度、声に出してみれば可笑しいということに気付くと思います。

全体的には物語として物足りないです。それは平たんで抑揚がない。
たとえば、なにかトラブルがあったり、勘違いがあったり、です。
読者を惹き込ませるものがありません。
とりあえず、起承転結を心掛けた方が良いと思いました。
結局、「何処が面白いの?」ということになりかねないです。

保仁谷 裸羅
163.49.203.251

 小説ではなく日記のようです。
 ただダラダラと思いついたままを書いてるだけのような印象です。
「私は女の子で女の子アイドルが好き。ライブに行ってきました」
 という内容で、読者としては「それで? え? 終わり?!」という感じです。
 ただの自己満足で終わってしまってますね。
 小説を書きたいのですよね? だったら物語を考えてください。

 ヒロインがこのライブに行くまでにどんなドラマがあったのか? 紆余曲折を経てやっと迎えたライブ当日! となるとヒロインの嬉しさに読者も『良かったね!』と共感できるわけです。
 せっかく書くのだから、面白いドラマを考えてくださいね♪

只野
49.98.149.238

>そのあとは何も覚えていない。帰ってSNSでももりんの評判が良くて、安堵しながらファンレターを書いていた。









私の手紙で何か変わるとは思わないけれど1mmでもももりんの力になればうれしいと思いながら今日も私は貴女に思いのたけをぶつけます。

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