作家でごはん!鍛練場
えんがわ

港町のロウソク送り

 ロウソク送りは、「八海放浪記」で有名な、夏の祭事です。春の終わりに街へと帰ってきた死者の魂を、また向こうに送り返す為に、その道しるべとなるロウソクを川に浮かべ、海へと流したことを端とします。祭りに使うロウソクは、十日前から火を灯され、そしてその火が消えずに海に渡されると、その役目を果たします。近年では、ロウソクに願いを込めて、それが海にまで届くと、願いが叶うとされています。多くの旅人が訪れ、幻想的な

 そんなガイドブックの一ページを見つけたのは、冬の初めだった。その時は「よくある祭りね」なんて印象だったのだが、何故か小骨のように刺さっていて、市の図書館なんかで調べているうちに、「面白そう」となり、十年来の旅仲間と一緒に、ちょっとした旅行の計画まで立ててしまった。連れは恋人同士の甘い一時なんて素敵な男性ではなく、メガネをかけたひょろ長い女の子だ。
 夏が来た。心配していた天気も快調。片道一日半で、二泊三日する旅は、楽しいものになる。そんな予感がした。港町への旅だ。

 * * *

 街の中心を訪ねて、少し安心したと同時に、がっかりした。わたし達のような旅人、茶色の二十代や三十代のカップルが山盛りで、それは地元民よりも多いくらいで、ホームグラウンドみたいに堂々と行き来している。
 それを目当てにした露天も、ロウソクを置く小さな舟の商人を中心にして、真珠貝のようなイカサマ貝のようなものの小物売りやら、靴磨きの少年やらが、ずらりと並んでいる。祭りの前日から訪ねるなんて少し特別だと思っていたけど、わたし達は、そう、ありふれていた。
 しかし、旅仲間の友人は、学生時代からめーちゃんと呼んでいる、めーちゃんは潮風に伸びをして空気をいっぱいに吸って
「うーん、匂いから違う。海だね。海」
「そんなに興奮することないじゃない」
「えー? なんでそんな冷静なのー。海だよ、海。一回来たことあるからって冷えすぎ。キミは、もう、ウミを知ってしまったのだな、あのカオリを。なーんて」
 あはは、とハイテンションだ。わたしも少し興奮しているのだけど、いやけっこう興奮しているけど、めーちゃんのように素直なタチじゃないのだ。海に来たと言っても、あれは何年も前に列車で通っただけだったし、雨に降られてどんよりとした水で、残念なものだった。この港町は海と夕日の美しさで有名だし、今日は快晴だし、風がくすぐったい。

 * * *

「ここのメインストリート、港へ直通だって」
「そんな商売になるようなとこはつまらないよ。少し歩くよ、めーちゃん」
「あのー、人通りからどんどん離れていってる気がするんだけど」
「それがいいんじゃない。地元民が愛の告白に使うような砂浜なのよ」
「またー、盛っちゃって」
「確かに誇張、入ってるけどさ、そーゆー、いいとこ、なのよ」
「でも、何で告白が海だったりするのかな」
「特別なのよ」
「でもさ、それより普通の何気ない、この映画が良かったとか、今日はちょっと暖かいねとか、その続きとしてとかさ」
「海はロマンなのさ、めーちゃん」
「告白ってさ、何で特別なんだろね。波がどばんとして、風がきつくて、断崖絶壁で」
「スイマセン、ワタシガヤリマシタ。そりゃー、コクハク違いだ」

「あれ? あの鳥、大きいねー」
「トンビじゃないかな」
「鳴き声がもののあわれだねぇ。笛を吹いてるみたい」
「んっ、波の音」
「しないって」
「した気がするんだけどなー」
「でも、もうそろそろのはず」
「んっ? 海?」
「えっ?」
「この家の間の路、ほら」
「わぁ」
「んん」

 潮風で茶色く湿気った民家の後ろに、青い海が広がる。道は石の階段になって、その先に砂浜が広がって、波が広がって、海がある。雲の白がコントラストを彩るほどに空の青は濃い。
 階段を降り始める。海と高さが近づくにつれ、波の音も近くなっていく。
 ザァー……ー………ザァー…ー……ー
 青にポツンとサーフボードが浮かんでいる。サーファーが波と遊んでいる。
「いいね」
「うん。いい、いっ」
 足がぐらんとした。まだ階段の石段が続くと思っていたのだ。足首が捉えたのは、柔らかく沈む砂。
「うわっ」
 派手に転んだ。一回転した、と思ったのだけど、多分、すっころんだ感じなんだろう。さらっとした砂。顔を上げると、青い海に白い波。太陽と空。
「ははは」
「失礼な、めーちゃん、ちっとはこっちの体を心配してよ。ははっ」
「ははは」
 空が広い。海が広い。笑っちゃうほど、広い。
「偉大な母なる海の元、足元の一段差にすっころぶワタクシ」
「ははっ、けっさく」
「ふふ、旅は人を詩人にさせるのだ」
「なんちゃって」

 * * *

 砂浜は少し黄色が混じった白がさらさら。それが波に洗われるところまで来ると、土色に水を含んでいる。靴を脱いで、靴下を脱いで、波打ち際に足を浸した。ミニスカートとはいかないけれど、思いきった半ズボンだったので思ったよりも奥まで進んだ。ズボンも濡れてしまったけど。めーちゃんは、当然のように、わたしの隣で、足で波を、海を味わっていた。
 砂浜には簡単な売店が建てられようとしていた。流石に飲み物やパラソルはまだ売っていないが、日陰になるには十分で、髪の長いあんちゃんがそこで休んでいるのか、作業しているのか、緩慢に動いている。
 よく見るとぽつんぽつんとサーフィンをしている人、ヨットのようなウィンドサーフィン、もちろん初めて見るのだけど大きい帆付きのサーフボードだった、をしている人がいた。
 波際で赤いドレスを身にまとった美少女。これは本当に目がくりくり愛らしく、くちびるが艶っぽく、足がすらり生えている。それを撮影しているカメラマン。なんと女性カメラマンでそれも彼女もモデルかと思えるほどに凛としていた。彼女の周りには人だかりは出来ずに、野次馬のおじさん三人だけで、わたしたちも含めたら五人か、次々と色々なポーズや表情を見せる少女になんというか見入ってしまった。同性ながら、見惚れていたと言ってもいいかもしれない。少女がそれから銀幕にデビューするかどうかは知らないが、似たような噂を耳にしたら、今日のことを思い出して、少し自慢したい気持ちになるだろう。サインを貰うことなく、撮影を見届けることなく、海岸から離れた。空腹には勝てない。
 地元民が通いそうな、学校の食堂をそのまま店にしたような、おばさんが営む定食屋に足を運ぶ。めーちゃんは、おばさんオススメの、と言っても観光客にとってオススメなのだろうけど、アジフライを頼んだ。わたしはちょっと前に入った白髪の太ったおじちゃんの頼んだのと同じ、メンチカツにした。
「海に来たのにー」
「いかにも初心者な、ありきたりでしょー」
「ありきたりでも、王道だよー。王道の海の幸」

 メンチカツは美味しいことには美味しいけど、それは街の洋食屋の馴染みの美味しさだった。なんか損をしたような、でも美味なことには美味なんだしと言い訳しながら、食べた。めーちゃんからおすそ分けしてもらったアジフライは確かに素晴らしかった。凄まじかった。身は厚く、ふかふかしていて、味は濃い。そのくせ魚臭くなく、油の上品な香りまでする。普段食べているのと同じアジとは思えなかった。アジ科でも別種と認定してもいいくらい。
 旅宿での夕食は流石に王道だった。魚のあら汁やら、煮つけやら、舌鼓を打ちつつ、会話が弾んだ。口が賑やかだった。

 * * *

 遠い市の図書館まで行って調べたことには、ロウソク送りには「通」の楽しみ方がある。如何にもな観光客を狙った露店のロウソクではなく、地元民が使うロウソクを扱っている祭儀屋が、メインストリートを大きく外れたところにある。二階建ての民家ばかりが並ぶ路地に入って「騙された」予感に浸されながら、「めーちゃん、こういう道こそ、われら旅人が行く道なのだ、道なのでしょ」なんて強がりを言った。ようやく大きな看板の祭儀屋を見つけた時は、ほっとした。

「へー、ここを見つけるたぁ、お嬢ちゃん、なかなかに乙な趣味だ」
「流石にちょっと迷いました」
「確かに教会や礼拝堂じゃ、ロウソクはもう売ってない時分だ。でも、元はここのを使ってんだよ。こっちがオリジナルってもんだ」
「はあ、本当の通は教会まで」
「なに、地の人もそこまでこだわらねぇ。大事なのは形じゃなくて気持ちだからな」
「わー、このお面、東の島のシーサーみたい」
 めーちゃんは、店をあれこれ物色しながら、浮かれている。
「おう、それは」
 マジメなわたしは話を本線に戻す。
「それでロウソクは、どんなのがあるんですか? なるたけ現地の形式がいいんですが」
「願い事は決まってるんかい?」
「いえ、まだ」
「えー、決めてないの?」
 とめーちゃん。
「うーん、直前の夜に決めようと思って」
「計画性ないー。ここまで行って、どうして決めてないの」
「だって、調べてみても、そんなにでかでかと載ってないもの。お願いが叶った話とか」
 おじさんは大げさな身振りで、
「はー、やっぱ願い事しなきゃ、わざわざ折角ここまで来た甲斐なかんよ。願い事をするのはさ、ほら、有名な八海放浪記にあるように、ああ、ロウソクに火を点ける時にするもんでさ。最近の観光客は、もう火が付いたのを使っちゃうだろ。なんか『しきたり通り二週間も前から火を灯し続けたロウソクです、願いの効き目はばっちりでしょう』みたいなん。ああいうのは、本末転倒。本末転倒。赤の他人が火を点けたのなんてね」

 勧められるまま、まだ火のついてない現地仕様の細長いロウソクを買うことになった。台の小舟と一緒にリュックに詰める。身軽にしていたので、追加分がズシリとする。
 それにしても火を点けるまでに、願い事を決めなくちゃいけない。両親が望むのは「孫の顔を」「その前に結婚を」だろうし、普通の女の子なら「理想の彼氏を」なのだろう。でも、なんと言うかそういう甘いものからは距離を置きたい気分だし、ロウソクの火に灯すのは、そういう遠いものではなくてもっと身の回りの幸せと言うか。うー。わたしの幸せってなんなんだろう。
「めーちゃん、願い事、決めてるのよね」
「うん、旅の前から決まってる。前の、何だっけ、大聖堂のフラスコ画を一緒に見に行った時も、お願いしたけど、それと同じかな」
「なによ、何をお願いするの」
「ひみつー」
「じゃあ、わたしもひみつ」
 なんて言ったけど、ほんとうは秘密にするような願いごとなんて、まだ決まってない。

 * * *

 ロウソクと台の入ったリュックを背に、近くの通りを散策する。海を気に入っためーちゃんから、「あっち行こうよー」という訴えをどうにかナダメ、「こーゆーのも、旅ってもんよ」なんて、細い路地を雑に曲がる。
 何処をどう行ったのか、帰り道が少し心配になるくらいに、入り組んだ道を行く。まあ恥を忍んで人に聞けばたいてい何とかなるものなのだが、その人通りまで随分怪しい小路まで来てしまった。濃緑の木を目印に、こちらが商業区ね、と探り探り辿ると、妙に整った少しひらけた通りに出た。日が照っていて、ちょっとの間、昼寝できそうな、まどろみながら歩いていけそうなその道に、カボチャが並んでいる。赤、茶、黄、手の平サイズのものから、スイカサイズのものまで。そのカボチャの列の中心に女の子が、柔らかい、ぷにっとしてしまいたいほどの頬の女の子が、あぐらをかいて、本を読んでいる。
「カボチャ?」
 めーちゃんが、不思議そうに呟く。すると女の子は、目元をあげ、にいっとする。
「カボチャ屋だよ」
「へー、珍しい」
 わたしはそのカボチャのなかで、一つ異様なモノを見つめていた。カボチャはカボチャなのだが、その中身はくりぬかれ、その中にロウソクがちょこんと入っていて、火はゆらゆらと揺れている。めーちゃんもそれに気づいて指差し
「あっ、かわいい。ほら、かわいいよ」
「うん、かわいい」
 そう答えながら、何だか釈然としないものが残った。確かにかわいい。かわいいとも取れる。だけどそれ以上の不思議な感覚を第一印象は伝えていた気がするのだけど。でも、それを気のせいに、何となく通り過ぎてしまう感覚にしてしまう。わたしはそういうタチだ。
「こんな風にロウソクを飾ったりもするんだ。かわいいね、めーちゃん。ね、どうしてそんなことするの?」
 女の子は少し間をおいて
「えっ、うん、それは、おじいちゃんが昔いてね」
「へー、詳しく聞きたいな」
 とめーちゃん。次いでわたしの追い打ち。
「うん、わたし、いろいろ旅をしてんの、見聞を広げにね。そのお爺ちゃんの話、聞きたいな」
「いいけど、なんか暗くなっちゃうかな」
「いいの、いいの、そーゆーの知りたくて、こんなとこまで来たんだから」
「うん、お姉さんみたいな、旅をしているお客さん、ここではちょっと珍しいかな」
「迷ったともいう、えへん」
「いばることか」
 とわたしのジョークに、めーちゃんのツッコミ。

 女の子は、本にしおりを挟み、床に置き、ちょっとロウソクのカボチャを見つめ、次いで商売人らしいサービス精神の籠った、でもしんとしたトーンで話した。

「ぺンキ屋のおじいさんがいてね。南の大通りのペンキ屋さん。
 『今じゃ、隠居じじいだよ』なんてのが口癖だったけど、同じ口で『嬢ちゃんが店を持つようになったらどんな色を塗ろうか。やっぱりカボチャ色か? オレンジにイエローを混ぜたこんな色か? うん、柿みたいな色、いやいや夕日みたいな色だよ』なんて笑ってた。
 いつも口をもごもごさせて、ハッカ飴を舐めているみたいだった。
 首が傾いててね。こう、ふと話題にしてみたら、職業病だ、なんて少し自慢げだった。なんでかは聞けなかったけど。
 その秋の日にね、熱帯のような夜がちょっと続いた秋に、おじいさんの娘さんが来て。
 なんか、難しい病気の名前を出して、何年も前からおじいさんはそれにかかっていて、それで近頃は病気と折り合って仲良くやってるみたい、と思ってたら、突然悪くなったらしくて。それっきり。
 それでその、居なくなる前もおじいさん、何時もみたいに、カボチャを買ってて。今ごろから出回り始めるダイダイヒメカボチャの小玉。おじいちゃん、それ、食べれたのかな?
 わかんないけど。それも込めて、ね。おまじないみたいに、ロウソクに込めてるの」
 ちょっとしたトーンが掠めた。わたしたちは何も言えなかった。それを取り繕うように女の子は、声を一つ高くして、
「でも、見ての通り商売にしちゃってるのもあるのよ。確かに、お客さんに、珍しがられるからね。風物に、風情になるからね。うん、ちょっと、湿っぽくてごめんね。おしまい。
 えと、それで、このカボチャと同じ種類のは、少しお安くして銅貨で」

 * * *

 メインストリートにかかる石橋には、人がごったがえしている。観光名所でもないのに、記念撮影しようとしている人がいて、交通する人からじろっとした目で見られたりする。でも、潮風は柔らかで、水は穏やかで、空は晴れやかで、なんとも静かな夕日が落ちている。
 わたしはめーちゃんと一緒に、ぼんやりとそれに吹かれている。ぽつりと、思いきったというよりも、自然とその言葉は出た。
「ロウソク送るの、止めようね」
「うん、わたしも、そう思ってた」
「見送るだけにしよ」
「うん」
「なんだか、ごめんね」
「ううん、なんだかね、わたし、もっとこの街を楽しめれる気がする」
「うん」
「うん」

 * * *

 夜が来て、街はぽつぽつ、ちかちか輝きだす。道を行き交うロウソクの群れが、石畳の道を橋を人をぼんやりと照らす。そこから零れるように、明かりが川へと流れだす。水面は光によって橙に染まる。それが海まで一つのラインを作る。ロウソクを追って陽気に或いはしみじみと歩く人たち、その場所に立っていて移ろう街の明かりにしんみりとする人たち、賑やかな野鳥の串焼きの屋台へと早足する人たち。酒を片手に歌声に聞き入り、爽やかな夜風にお天道様に感謝する。様々な人たちが、ロウソク送りの夜を彩る。明かりは、広い海の浅瀬を点々と漂い、波に洗われ、ぽつりと消える。

港町のロウソク送り

執筆の狙い

作者 えんがわ
153.204.148.190

夏と海と港町と心を書こうと思いました。

コメント

ぷーでる
124.154.138.73

夏らしさを感じる話でした。灯篭流し?みたいなのを海でやるのね。でも、全然目的が違っていて単純に願い事を叶える為。それも、面白いなと思いました。

あ、でも海は波があるから向こうに行くまでロウソクの火が消えちゃいそうなのが
残念ですが……

えんがわ
153.204.148.190

ぷーでるさん。

夏です。
なんかシリーズを通して時というのを書きたいってのがあって、それを感じていただいたのがとてもうれしいです。


お話は、自分の伝えたいことが、ぷーでるさんに伝えきれてないかも。です。
言葉不足なのかな。

もっと読者にフレンドリーにストレートにいきなさい的な犬派と、
雰囲気が伝わったならそれでいいじゃん的な猫派の間で、
大抗争が勃発しそうです。

前評判では猫派が優勢なものの、ハムスター派も侮れないです。むむ。

卯月
183.176.74.78

冒頭に出てくる「八海放浪記」ってのが、あたしには解らなかったのですが。

全般的に軽いタッチで良くかけていると思います。
軽いが故に――南瓜やのエピとか、主人公の心情とかがいまひとつ残らないように思う。
だから、最後のカタルシスはもう一つだよネ。
でも上手だとは思いました。

えんがわ
153.204.148.190

卯月さん。
ありがとです。うー。


八海放浪記ってのは妄想のフィクションの本です。
らしい感じ、は狙ったんですけど、混乱させるとは思ってませんでした。冒頭に配したのも悪かったのかも。


軽いタッチとは。ありがたいお言葉です。
こんな感じで書いていけたらと思います。

ただ軽いタッチだから残らない、と言うのは少し違う気がして、確かにそういう傾向はあるのかもしれないけど、
目指したいのは軽く読めて印象に残る、という方向な気がします。

何かしら残るものがなかった、というのはきっかり自分の筆力不足で、でも目指す高みがご指摘によって見えた気がします。
隠し味のようなものが必要なのかな。文章を書く自分というものの経験値がまだまだなのかな。とかいろいろと。


カタルシスを与えるという方向へ行ったのではないのだけど、なんだかもやもやとしたキレの悪さのようなものは、自分でも気になってました。それも含めての本作だと思います。
でもでも、卯月さんにもう少し驚きというか何だろう、印象に加わるものを与えられていたらと思います。力不足。ちょっと高望みかな。

上手だとおっしゃられるよりも、面白いと言われるようなものを書きたいな。ああ。

かろ
118.237.85.191

読みました。
こういった感じのお話、好きです。さーっと出来事を。

 幻想的な で切ってて、初め、ん?となりましたが、なるほど、と!
 
 雲の白がコントラストを彩るほどに空の青は濃い。が、すみません、他の表現が僕は好きです。わかりませんが。
 
 なんか一行空き自然になっちゃいましたが、混ぜた感じなのかなあと。会話文と、情景の文とか。
 えんがわさんがどんなあれで書いたのかわからないのですが、ろうそく送りとか関係なく、上手く言えないです。
 夏と海、感じました。雰囲気すごくありました。

えんがわ
153.204.148.190

かろさん

嬉しいな。
好きに書いたので、好きと思っていただいて、弾みます。
うん。弾む。

>雲の白が
ちょっと色を強調しすぎてやぼったいのかな。白や青といった色を省いても、表現は通じそうです。なんか変にこだわっちゃったんですよー。いかん。

>一行開け
は、えと、読みやすさを重視して、やってます。
あと、間を演出するのにも頼ってます。頼りすぎか。
活字の小説らしくきちりと詰める方向にもいかず、さりとて携帯小説のように頻繁にってわけでもなく、今の自分のように中途半端っす。ははw
行開けはそれほどに意識していなく、また、こなれていなく。
はい、もうちょい、慎重になります。


>ロウソク送り
は、どうなんでしょ。
最後のロウソク祭りのシーンは、もうちょいボリュームを使っても良かったかも。この密度でさらりと流したかったんですが。どうも、引っ張った割に、肩透かしなのかな?

うまく言えないものを書いたつもりなんですけど、なんかうまく伝わってないのかもとも思って、なんだかね。もやもや。うん、でも、この感じはもうちょい進んでいきたいです。

海は実際に逗子の海に行ってるんです。ミーハーですが、楽しかった。実際、足をくじいて、捻挫するとゆー。ただでは転ばん。

文緒
126.209.34.2

こんばんは

どことも知れない穏やかで凪いだ海の雰囲気がありました。
かろさんと同じ、「雲の白が……」は少し使い古された感がありました。
そうとしか表せない風景が確かにありますけどね。

ゆるゆると進むストーリー。
観光客ではない地元の人々のロウソク送りを見届ける表情、そこに何を見て何を感じるのか、
そこら辺をもう少し知りたいなと思いました。


ありがとうございました。

えんがわ
153.204.148.190

文緒さん

こんばんは。深夜ですよん。
雰囲気とか風景とか、そういうのが伝わったのなら、嬉しいです。
ただ伝えきれていない部分も、ままあるようで。


「雲の白が……」
表現の鮮度は余り気にしていないんですけど、ピックアップされてしまうのは全体のトーンから外れているからなんじゃないかと思います。これは表現力というよりも、物事をとらえる感性や思考が、月並みなんじゃないかなーと凹みます。べこっ。


そうですね。
ゆるゆるっと進むので、どれくらいの長さまで読者さんがついていってくれるのか、自分の文章を書くスタミナが持つのかってところが手探りで、これくらいだろって、最後ささっと流し過ぎた気がします。今思うと。

もっと言うと、主人公は観光客で、その街のことを「通」のところまで知りたいと思っていて、でも容易に踏み込めないところがあるのを知って、そこで立ち止まることで、よりその街や旅を知ることになるラインに立った。というところで締めって感じで。
うわー。いまさら解説しちゃってるよ。うわー。

でも、それは後付けの言い訳めいていて、最後は視点を観光客の主人公から街の三人称に移しているのだから、もっと濃く描写できたはず。町の住民の内面に入るのには躊躇いがあるけれど、それを伺わせる表情を映す余白があったはず。とか。後悔。反省。怨嗟。どろどろっと、あー、書ききれなかった悔しさ、みたいなのが、文さんのご指摘を受けて、ふつふつとわいてきました。頑張らにゃ。

港町の人々については、他にシリーズというほどでもないですが、短編を四つ書いていて、これからも季節の折り目に書き続けていきたい気持ちがあります。来年の夏、もう一度、ロウソク送りを描いてみたいと思うかもしれません。未練や情熱がくすぶっていたならですが。鬼も笑う。猫も笑う。

麻生
121.92.248.61

読みました。
なぜか知りませんが、ジブリを思い出してしまいました。違うはずなのに、どこか雰囲気が似ているような感じでした。めえちゃんとかもそうだし、

>柔らかい、ぷにっとしてしまいたいほどの頬の女の子が、あぐらをかいて、本を読んでいる。
「カボチャ?」
 めーちゃんが、不思議そうに呟く。すると女の子は、目元をあげ、にいっとする。
「カボチャ屋だよ」

こういうやり取りかな。もっとも私としては、これって褒めているわけじゃないので、申し訳ないですが。

 最後まで読んで感じたのは、何を書きたかったのかな、という疑問でした。旅の風景を描きたかった、ということであっても、物語であればキャラにあった展開もあれば、事件、おおげさでなくても心を動かす事件があるはずなのに、それもない。きっとカボチャ屋のところが事件?なのかもしれないですが、あまり明確ではなくて、事件として読者はなかなか立ち止まれないと思うのですい。何か奥があるような気がしないのです。

 結局、最後までいっても、何も心にひっかかるものがなかったのです。
 出来事も登場人物の心の動きも。これは、きっと書き始める前に特に何も予定がなかったせいかな、と思ったりしました。いや、予定はなくて始めるのは私も毎度のことなので、それはいいと思います。そうでも、書いていくうちに、人物の心を探っていかれたら、それで深みはでます。そして当然面白くはなるはず、と思うのですが、それも感じられませんでした。

 その理由の一つかなと思うのは、二人の若い娘、これがイメージできないのです。若い娘ですよね。でも、台詞や使う言葉がオヤジなんです。今の若い子じゃないんです。


●少女がそれから銀幕にデビューするかどうかは知らないが、←銀幕??
●「へー、ここを見つけるたぁ、お嬢ちゃん、なかなかに乙な趣味だ」←乙な??
●「流石にちょっと迷いました」←流石??
ひらがなじゃないでしょうか、大橋巨泉じゃないのですから。

●普通の女の子なら「理想の彼氏を」なのだろう。←彼氏って、漢字でしたっけ。

一応、軽く抜くとこんな感じでしょうか。
銀幕を使うな、というのじゃないのです。人物のキャラにあった言葉を選んでください、といいたいだけです。それが、読者である私にはきちんとつながらなかったのです。

それと、地の文、あまり感心しません。
文章がうまいということは、絵がすっと浮かぶように書かれているということですよね。プレバトの夏井先生はいつも映画のアップだのロングだのという言い方で文の書き方を説明しますが、それは私も納得なんです。つまり、御作を読者のカメラ(目線)で追っていくとします。主役の背中の当たりにカメラがあるのかな。そんな感じで数か所だけ、見てみますね。余計なお世話だと思うのですが、基本の文がちゃんとしていなくてはダメ、というのが私の感想を入れるときの考えなので。

冒頭から絵がすぐには浮かばないのです。

>ロウソク送りは、「八海放浪記」で有名な、夏の祭事です。春の終わりに街へと帰ってきた死者の魂を、また向こうに送り返す為に、その道しるべとなるロウソクを川に浮かべ、海へと流したことを端とします。祭りに使うロウソクは、十日前から火を灯され、そしてその火が消えずに海に渡されると、その役目を果たします。近年では、ロウソクに願いを込めて、それが海にまで届くと、願いが叶うとされています。

 これをさっと読んで、すっきり感があるでしょうか。繰り返しが多くて、実にもたもたしています。200字にも満たない中に、川に浮かべて海へ、が二回。ろうそくが三回。すっきりしません。しかも、夏、春、次には冬まである。せわしないです。何度も推敲されて、すっと心に落ちるようにされていれば、とても印象的な冒頭になると思います。
 それと、これは私の無知かもしれないですが、春の終わりに霊魂が帰ってくるわけですが、これは盂蘭盆とは違う話なんですよね。そして流し雛ならぬ流し蝋燭の風習。海に流したあとにまたお盆には霊魂は戻ってくるのでしょうか。それと、10日も燃え続けるろうそくってあるのでしょうか。
 今気づいたのですが、これってSFかファンタジーだったのですか。
 これだけで混乱しました。

もう一つだけにしますね。うるせえやつやな、と蠅を掃うような気持ちになられているかもしれないので。

>潮風で茶色く湿気った民家の後ろに、青い海が広がる。道は石の階段になって、その先に砂浜が広がって、波が広がって、海がある。雲の白がコントラストを彩るほどに空の青は濃い。
 階段を降り始める。海と高さが近づくにつれ、波の音も近くなっていく。

ここが、一読ではわかりませんでした。
つまり、歩く二人の目の先に、つまりカメラの先に何があるかということです。

>潮風で茶色く湿気った民家

に歩いて向かっているわけですね。じゃあ、海はどこにあるのか。潮風を受けた民家がカメラの前にある、ということは海は主人公の背中の方じゃないでしょうか。背中から潮風が来るので、茶色くなっているわけで。
 そう思ったら、民家の後ろに海があるというので、混乱でした。
 つまり海はカメラの前だ、と。で、石段がある。砂浜も海もある。さらに空を見ると青い。
 ときますが、これも目線がせわしないです。海に感動しているのに、すぐにカメラは空に向けられて、雲と青さに向かうわけですね。
空に行く前に、普通は海をもっと詳しく描写しないものでしょうか。詳しくといっても、1文か2文ですけどね。
 で、砂浜、海、空と眺めながら、感動しながら、読者は主人公と共に海に向かって歩いています。と思ったら、実はまだ立ったままだった、ヲイ!と きて、私はどってんこきました。

>階段を降り始める。海と高さが近づくにつれ、波の音も近くなっていく。

ようやく降りはじめるわけですね。つまり家の後ろで海をしっかり見て、それから下りる。そうなら、そこで足を停めてとか書いてほしかったです。てっきり移動カメラとばかり思っていたので。
 そして、海と高さが近づくって、これ、正確には海と低さが近づく、ってことですよね。なんか変な感じでした。もちろん低さが近づくってはいわないですけど。とにかくカメラ位置とか高度とか、そういうのが曖昧な気がしたのです。つまりそのまま絵に描けない、と。

なんていろいろ書きましたが、失礼の段、お詫びいたします。でも、ごはんに出された以上は酷評覚悟かと思いましたので、上から目線で申し訳なかったですが、書かせて頂きました。
 これらは、私がいつもやることばかりです。なので、いつまでもごはんなのです。少しでもお役に立てればうれしいです。

えんがわ
153.204.148.190

>麻生さん

あああああ。
上手く口に合わんかったようで。あー、ダメダメです。
ちょっとショックなので、お言葉は時間をかけてじっくり消化しますよん。
とりあえずショックだったと。自分は文章書けてないと。いうお返事でした。




>最後まで読んで感じたのは、何を書きたかったのかな、という疑問でした。
>出来事も登場人物の心の動きも。これは、きっと書き始める前に特に何も予定がなかったせいかな、と思ったりしました。
>そうでも、書いていくうちに、人物の心を探っていかれたら、それで深みはでます

あああ! 言い訳させてください。
あの、書きたいものはあるし、考えていることもあるんですよ。
勢いでさっと書いたのではないのは、確かです。ほんとですって。

それでですね。余りきちんと人物は「〇〇と思った」とか明確にテーマがわかりそうな蘊蓄描写を入れなかったのは訳があるんですよ。書きたくなかったからです。そういうのは余り前面に出さず、雰囲気みたいな、全体を通したぼんやりと残るものに託したんです。いや、こういう文章を嫌う人がいるのは、理解してます。でも、自分はこういう文章が好きなんです。
でも、深みを感じなかったのは、そういう試みが頭でっかちの机上の空論で全く功をなさず、効果的に伝わらなかった。
それは自分の筆力不足です。力不足です。
でも、これは譲りたくありません。
出きれば麻生さんの望むような文章へと変わりたくありません。
自分の望む方向を突き詰めて、それで、この人はこういうのを書きたかったんだと何時か思わせるような文章を書く。そうなりたいです。
でも、実現は容易じゃないですよね。現状の力を考えると。でも、そーゆーのを書きたいんじゃ。
と、なんか自分の中で脳内会議して、とりあえずそう思いました。とさ。


>地の文
いやー、文章力ないっすね。自分、ほんとに、文が下手。
オヤジ臭いっすか。加齢臭、は隠せないです。
冒頭はいつも問題がありそうです。
カメラ的な視点、もっと勉強しますです。
ざっと。

うおー!

文緒
126.209.34.2

こんばんは

拙作にご丁寧な感想を入れてくださったんですね。
こちらで返事を書かせてもらいますね。

大人の分別もなく、ベテランなどではない、
トリックとも呼べない代物で、
己れを知る私はただただ恥じ入るばかりです。

タイトルの意味を考えれば、もっとそれらしい冒険談を足すべきで、
主人公の成長の一ページを飾れずに終わらせてしまいました。

精進します。


よけいなことですが。
自分の書きたい作品の雰囲気がはっきりあるのなら、
その方法に磨きをかけながら続けるのも、
書き手には幸せなことかもしれません。
それが酷く筋違いで、独り善がりでなければ、の話だとは思いながら……。
(自分にも言ってます)


ありがとうございました。

えんがわ
153.204.148.190

さいですな。
自分は基本的に、感想返ししか出来ないので、
文さんみたいに積極的にコメントや意見を発して、ごはんを引っ張っていこうとする姿に、すげーなと思います。
自分には真似できない。

うん。
自分の好きな方向というか、自分という読者を第一に、書いている感じです。
オーシャンパシフィックピース、オッパッピーに生きてます。
幸せではないのでしょう。

独り善がりなのです。ぐさっ。
うん、せめて頑張って、自分という読み手が、もっと客観的に自分に厳しく鋭い眼を持って、自作を読んでくれたらと思います。
でも、すぐに、自分が見えなくなるんだよなー。うーん。お言葉、刻んどきます。

ラピス
49.106.212.147

徹夜明けのボンヤリした頭でも理解できる優しい文章ですねー。わかりやすくてグッドです。
ただテーマが今ひとつ伝わってきません。これを言いたいんだ!という作者様の魂の叫びが欲しいところ。

卯月
183.176.74.78

えんがわさん。マア、あたしとしてはここにかくのはスジチガイとは思ったんですが、なんせ「最新コメント欄」6しか表示しないので、すぐ流れてしまう。昔みたいにSMがあったらよかったのに(涙
スミマセン。拙作に感想いただいていたのね。ゴメンナサイ気付くの遅くて。文緒氏をトレースしてここにかくことを許しを。マア、落ちも同じような作ですので許してネ(笑。

>最後の方に、もう一つ、何かしらのアクション、人情味のある交流や温かみのあるふれあいのようなもの。を期待したのですが。ちょっと説教にも近い教訓談でしょんぼりでした。

ああ~! 説教教訓弾が命中しましたか? スミマセン。しょんぼりさせてしまいましたね。
あたし、このネタ・テーマでも少し長いものを書きたいなーと思っていまして、おばーちゃん登場させたのもそんな目論見あってのことなのです。今回こんな形になったのは誠に中途半端だとは思います。

>想定された読者層から、自分は外れてるのかな。

よく読んでくださっている。↑はない。

えんがわさん感想ありがとうございました。あなたの作も期待してるよ。

えんがわ
153.204.148.190

ラピスさん

あっ、はい。寝落ちしないでくれて、嬉しいです。
読んでいてストレスのかからないようにするのには一応気を配っていて、なんとかなったんかいな。

テーマ、わからんですか。そういうコメントは本当に多くて、反省です。
でも、叫ぶのは何か違う気がして。
叫ぶのはほかの作品ではやりたい気もするのですけど、本作ではやりたくないんです。
なんか作者の声が大きいと変わってしまうもの。ってありません? ないか。
ささやく感じで。ただもう少しボリュームは考えなあかんですよね。

はい。魂。これには打たれました。
自分なりの思いは込めたんですけど、魂とまでは自信をもって言えません。
足りません。
出力パワーのみならず、容量というか自分の魂エネルギーみたいなのが貧困で、フツーの人よりもすっごく少ないだろうし、
だからもっとガンガン焚き付けにゃならんし、効果的に文に乗せる方法も模索せにゃならん。
うーん。
魂の書き手になりたいものです。

えんがわ
153.204.148.190

卯月さんの作品、好きですよ。

この手のトリックは途中でオチが読めると弱くなる、と思いがちですが。
わかったとしても、それを前提にニヤニヤしながら楽しめるというのは、発見ですし、文法の巧拙を超えたところで上手いなと思います。

だからもっと長い作品でも、オチで驚かすというところ以外で、文章を楽しんだりドラマを楽しんだりできる小説が作れると思います。
オチで正体発覚、「驚いたー、ペットを捨てちゃいかん」以上に、前半の「ねこ可哀そう」「人っていやな奴だ」から「ねこかわいー」「人と動物の交流、あたたまるー」へのような、いや、それ以上に何かが残るものを書ける気がします。卯月さんなら。

なんかほめ過ぎでキモイですね。キモエモってことで。

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