作家でごはん!鍛練場

『三語即興文 2018/02/10~』

三語即興文有志著

感想レスを使ったやりとりです。
興味のある方は参加してください。初めてのみなさんも歓迎します。
前の方の作品に感想を書くのを忘れずにお願いします。

題名   三語即興文 2018/02/10~(新スレッドの日付)。
作者名  三語即興文有志


感想レスを使ったやりとりです。
興味のある方は参加してください。初めてのみなさんも歓迎します。
前の方の作品に感想を書くのを忘れずにお願いします。

【形式】
 (1)前の方の作品に批評・感想を書く。
 (2)出されたお題で50字~1000字程度の文章を作る。
     ※三語を使用した小説であること。三語は順不同で使用可。
     ※漢字(ひらがな・カタカナ)は変えないこと。
 (3)次のお題(三語と課題)を出す。三語は名詞が基本、各語の関係が遠いほど望ましい。
 
【ルール】
 ・第一目的は文章と発想の瞬発力、及びショートショートの構成鍛練です。
 ・同じ方の書き込みは一日一回です。言いかえれば毎日でもどうぞ。
 ・同じお題の投稿が重なった場合、最初の投稿者のお題が次に継続されます。
 ・上記の場合、後の方の作品は残します。事故と見なしますので謝罪などは不要です(執筆の遅い投稿者保護)。
 ・感想のみのレスはご遠慮ください。
 ・事故作品にもできれば感想を書いてあげてください。また、他の作品に感想を書くのは自由です。
 ・何事も故意の場合は釈明必須ですが、多少の遊び心は至極結構です。ただし、基礎の未熟な方の遊びはお断わりいたします。
 ・課題は強制ではなく、努力目標です。お互い無理のないようお願いします。
     例)「主人公の性別は○○で」「ハードボイルドっぽくお願いします」「三人称で書いてください」
 
 ・三語即興文の新スレッドは参加者皆さんによって立ててください。
 ・フォーマット・ルールなどの改正は必ず伝言板で意見を募ってください。
 ・重複スレッドが立った場合は運営に削除依頼を出してください。

 
【新スレッドの立て方】
 ※現行スレッドが最終面に来ましたら、次に投稿予定の方or有志の方が新スレッドを立ててください。
    作者名:三語即興文有志
    題 名:三語即興文  年/月/日    ←年/月/日 はスレッドを立てた日付となります。
    本 文:ここの本文を改変せずにコピー&ペーストしてください。
  執筆の狙い:執筆の狙いをコピー&ペーストしてください。

 
 ※感想欄の一番最初には、前スレッドの最後の投稿者のレス(投稿者名、三語即興文、次のお題)をコピー&ペーストして投稿してください。
  
 ※新スレッドを立てましたら、最終面にある前スレッドに
 「このスレッドは終わりました。次の三語即興文は新スレッドに投稿してください。」
 の一文を、三語即興文有志の名前で投稿してください。

三語即興文 2018/02/10~ ©三語即興文有志

執筆の狙い

感想レスを使ったやりとりです。
興味のある方は参加してください。初めてのみなさんも歓迎します。
前の方の作品に感想を書くのを忘れずにお願いします。

三語即興文有志

58.94.229.120

感想と意見

三語即興文有志

「三語即興文」最終面に入りましたので、最後に投稿された、ねこ☆にゃんこさんのレスをこちらに転載します。




ねこ☆にゃんこ

こんにちわ。
4度目のチェレンジになります。よろしくお願いします。

※※※※【前作への感想】※※※※

>夜の雨様へ。
私のお題を書いてくださってありがとうございます。
しかも、参考書まで。そこまで難しく考えなくても、ただゴーギャンの絵を見たとか、簡単にしてもよかったのに、と思います。
ご苦労かけてすみません。そして、本当にありがとうございます。
内容が大人っぽい色気があって、びっくりしました。素敵な作品を読ませてもらってありがとうございます。

>まんぞう様へ。
作品の感想、ありがとうございます。
あのお題で先にもうひとつ書いた作品があったのですが、企業物ですけど。それでは捻りがないと思って、人間社会を蟻に例えて、どうせなら可愛くしようと書きました。
大人目線ではなく、子供目線を意識して、絵本・童話風にしました。子供向けにしては、難しい漢字使い過ぎですね。はい、生意気でした。ごめんなさいね。
作品の感想ではなくて、申し訳ないです。感想、ありがとうございました。

>マルクトガル様へ。
最初に出てくる台詞で殺人事件ものかと思いました。もう少しなにかがあってもいいのではないでしょうか?

※※※※※※※※※※※※※※※※

お題「太陽光発電」「茶色」「影」
課題「冬の公園」

☆☆☆☆【チャレンジ作】☆☆☆☆

『冬が終わって』

 まだ正午前だというのに、いつも行く公園は白かった。公園近くにある住宅の、太陽光発電のソーラーパネルに日差しが反射している。そこだけ雪が溶かされ、液体に変わって、白い地面に落下した。
 僕はたくさんの小さな足跡がついた公園内を歩く。いままでの日常の風景が、昨晩の大雪によって別世界になったことに、僕は驚嘆した。
 針葉樹に灰青の影が生まれている。その一本の針葉樹の根本に、一匹の柴犬がいた。息を弾ませながら、前脚で必死に雪を穿り返している。
 僕はその柴犬が気になった。ゆっくりと慎重に近づいていく。
 気配にきづいたのか、足音が聞こえたのか。一瞬、柴犬は顔をあげて、僕の方へ振り向いた。そして首を傾けると、また雪掘りをした。薄茶色の毛並みが揺れる。
 さらに雪を踏みつけ、僕は柴犬の側までたどり着く。
 柴犬の耳がピクリと動いた。
 僕は身を乗り出して、柴犬の脚元を喉きこむ。なにやら、雪に埋もれたみどりのものが確認できた。
 ハッハッハッハッと、柴犬は笑うように涎を垂らしながら、意気込んでいる。
 おまえ、何掘ってるんだ? と柴犬にむけて内心に呟いた。
 柴犬は前脚が濡れても雪を掘るのを止めなかった。尻を揺らし、尻尾を大きく振っている。
 僕はただ黙って、柴犬の動向を見続けた。じっとしていたせいか、身体が冷え込んでくる。身震いをしながら、その場で足踏みをすると身体を摩った。
 突然、柴犬が「わんわん」と大きく鳴いた。
 僕が見下ろすと、柴犬は僕の方を見つめ嬉しそうに尻尾を振っていた。
 柴犬の掘った雪穴を覗く。と、そこには一輪のスノードロップが咲いていた。雪と同色の花弁は、雪で反射した光を浴びて、結晶のように輝いている。
 僕が屈みこみ、柴犬の頭を撫でてやると。柴犬は嬉しそうに大きく鳴いた。
 柴犬を撫でながら、首輪がないことが気になった。
 この雪に埋もれた花を。きっと誰かと一緒に見たかったのかもしれない。柴犬は僕の顔をみつめている。それに答えるように、僕は笑い出した。
 すると柴犬が鳴きながら迫ってきた。勢いよく僕の顔をなめまわす。
 くすぐったかった。僕は柴犬を抱きかかえて、お返しに両手で撫でまわした。
 僕と柴犬の傍らで、スノードロップは咲いている。冬が終わって、春を告げるかのように、僕と柴犬の出会いを知らせてくれる。
 僕は柴犬を連れて、雪の中を歩いていく。一面に積もった雪が、白い花弁みたいに結晶になって煌めいた。

                    <完>

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

文字数は982字になります。
冬の寒さを文章でどう表現しようかとか、僅かながら工夫はしていますけど、捻っていません。
犬はやはり柴犬が一番ですね。冬の時期が終わるのは淋しい。節分の豆が恋しいです。

※※※※【次のお題――】※※※※

今回は三択で課題を出させてもらいます。お題は共通ですので安心してください。今回から課題は簡単にします(文字数削減の為)。

辛口コース、甘辛コース、甘口コース。どれも、執筆歴関係なし。

――とさせてもらいます。前回に引き続き、生意気でごめんなさいね。

※※※※

次のお題。「蜜柑」「バレンタイン」「豆鉄砲」

蜜柑の場合だけ、みかん、ミカン、オレンジに変更してもOK。

以下から課題。
 ↓
※※《辛口コース》※※

ミステリーを書くこと、雪を描写すること。

※※《甘辛コース》※※

雪を描写すること。

※※《甘口コース》※※

課題はなしでOK。

※※※※※※※※※※※※※※※※

課題が前回と少しかぶって、申し訳ないです。
それでは、次の方、がんばってくださいね。

2018-02-09 17:05

2018-02-10 20:02

58.94.229.120

時雨雪

はじめまして。面白そうな試みですね。
稚拙ながら私も挑戦させて頂こうかと思います。
まずは感想を。

ねこ☆にゃんこ様
『冬が終わって』
灰青の影、という表現が良いなと思いました。語彙量が無いので勉強になります。
冬の雪の冷たさが語り手と犬の物語の暖かさを強調しているように感じました。
柴犬の描写が可愛いです。私も好きです。

※※※※※※※※※※※※※※※※

お題「ミカン」「バレンタイン」「豆鉄砲」
一応、課題の方も意識させて頂きました。

※※※※※※※※※※※※※※※※

『宝さがし』

「けい君。明日は二月十四日だね。二月の十四日ということは世に言うバレンタインデーだよね。さらにバレンタインデーというのは一般的に女性が意中の男性に好意の証としてチョコレートを贈る日とされているよね。それはともかくとして、宝探しをしようと思うから、明日の朝六時に教室に来るように」
 どういう訳だかはとんと見当もつかないが、昨日からの雪がこんこんと降りしきる早朝に僕は幼馴染である美月に呼び出された。
 ……呼び出されたとて、別に無視すれば良いのだけれど。彼女は幼い頃から聡明で、しかし奔放な性格でもあって突拍子のないことをやってのけるから、これくらいのイレギュラーはもう慣れっこだ。慣れっこだから、付き合ってやることにした。
 時刻はちょうど午前六時。教員でさえまだ誰も登校していないだろう教室の戸を引くと案の定、誰もいない。呼びつけた本人さえ来ていない。とんだ肩すかしを喰らった気分だ。とりあえず荷物を置こうかと僕は自席に向かった。
「ん?」
 すると、僕の机には見慣れない本が一冊置かれていた。えんじ色の無骨な表紙になかなかの厚みがあるそれは、本というよりも図鑑と呼ぶべきか。手に取って眺めるとそれはどうやら古今東西の花言葉を書き記した図鑑のようだった。目録の数を見てもかなり専門的な一品と窺える。
 そしてそんなお堅い花言葉図鑑にそぐわない、ポップな色の付箋が三枚、本の小口から飛び出ている。付箋にはご丁寧にも「ヒント」と書かれており、三枚はそれぞれ「ミカン」「ハゼノキ」「ヒメコウゾ」の項目を指し示しているようだ。これを頼りに宝を探せ、ということか。
「花言葉、ねえ……」
 僕は男子ゆえにそういうのに疎いけれど女子はある程度教養として知っているものだろうか? 僕は椅子に腰かけ、じっくりと思考を巡らせた。



「おはよう、けい君。お宝見つかった?」
 八時ちょうど。呼び出しから二時間を経て、美月が教室にやってきた。僕は自分の席に座ったまま彼女に挨拶を返した。
「おはよう。暗号は解けたと思うけど、宝は見つけられなかった」
「ああ、大丈夫。想定内想定内。とりあえず推理を話してみて」
 頭にかぶった雪を払いながら美月は事もなげに言う。何ともマイペースな性格だ。
「ん……まず花言葉ってのは一種の花に対して複数割り振られていることが多い。この図鑑でも詳細にいくつも取り上げられていたし、それに掲載されている媒体によって微妙にニュアンスが違っているものだよね。単語での暗号を作るにしてはあまりに不確定だ。じゃあこの三つの植物には他にどんな共通点があるのかを考えた」
 僕は順序立てて、推理を話す。美月は僕の前の席に座り、こちらに顔を向けて話を聞いている。
「答えは「原料」だよ。ハゼノキは和ろうそく、コウゾは和紙の原料だ」
 花言葉図鑑にはその花についての情報も載っていた。だからまあ、これはただの受け売りだ。
「じゃあミカンは?」
 美月は含み笑いを浮かべながら合いの手を入れる。
「紙に蝋燭、そしてミカン――つまり柑橘類の果汁で、炙り出しの材料になる」
 炙り出し。乾いた紙に透明な果汁で文字や絵を書き、それを火で燃えない程度に熱すると化学反応によって焦げ跡として浮かび上がる。そのくらいは僕でも、常識として知っている。
「でもでも、ここは学校で、けい君は健全な男子高校生だよ? ライターもマッチも持ってないよね?」
 そう。そんなものはない。学校という場で、一生徒が炙り出しなんて出来やしない。
「だから、美月が暗示したのは要するに「熱すると本来の姿が浮かび上がってくる白いもの」だ。つまり――」
 昨日から降っていた大雪。積雪するのは目に見えていて、それは暖かくなると消えてなくなる。
「校庭に積った雪。の下にお宝は眠っている」
「ピンポンピンポンだいせーかい。流石けい君だね」
 手を叩く美月。褒められるのはやぶさかではないが、しかし問題は残っている。
「でもさ。この広さの敷地の雪を全部さらうのなんて無理だって。一応努力はしてみたけれど、雪も止まないし手がかじかんで途中で諦めたよ」
「ふふふ。けい君なら解いてくれると思ってたよ。それに途中で辞めちゃうのも想定内。ていうかね――」
 と、美月はスマホを差し出した。画面には高校からの連絡メールが表示されている。
「予想通り、むしろ予報通り。今日、大雪で臨時休校だから。けい君がより分けてくれた雪でかまくら作ろうよ」
 ……そこまでは読めなかった。僕はどこまでも美月の掌の上だったという訳だ。
「それはそれとして、はい。ご褒美」
 そう言って美月はぐっと顔を近づける。迫ってくる美月に硬直する僕を余所に、普通に、極々自然に、僕の机の中から綺麗に包装された包みを取り出した。
「普通は先に気付くもんだけどね。まあ、けい君だし」
 はにかむ美月と豆鉄砲を喰らったような僕。どうやら雪遊びにも付き合うしかなさそうだ。

※※※※※※※※※※※※※※※※

実力不足で2000字近く使ってしまいました…。
申し訳ありません。
次のお題は「三つ編み」「暖炉」「コルク」で。
課題は出来れば「ミステリ」でお願いします。

2018-02-11 03:09

126.49.27.217

黒井太三郎

前作感想
「宝探し」
幼馴染とのイチャもので畜生と思いました
恋の危機を描くとよかったです。

お題「三つ編み」「暖炉」「コルク」

 感想書きーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は五分刈りの頭を三つ編みにしながら感想を書いていた
今回ののぶながくんは政治風刺小説だった。

⒔プロットフェイズ理論という要は起承転結を複雑にしたものを使ったのだがレスがつかない
なんたるちや。

暖炉でワインのコルクを開け一気飲みした

ひらめいた。感想つかないミステリの謎が解けた
1俺が下手
2安倍内閣の妨害部隊

2だな。

だって俺うまいもん

すいません。酒に飲まれました1です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お題 「笑福亭鶴瓶」「故郷訪問」「ずんだもち」

SFでお願いします

2018-02-11 22:16

121.109.111.65

雪が降ると

黒井太三郎さん

一行でしたね

…………………………


「笑福亭鶴瓶」「故郷訪問」「ずんだもち」

 
…………………………

『かえる』 雪が降ると

 笑福亭鶴瓶は天才である。つまりなんと言っても国営テレビの番組中に最高で最低の演出を自ら行ったのだから、私からすれば間違いなく神に近い存在なのだ。
「野々村さん。出番ですよ」
 若いADがドアをノックする音が狭い控え室に響く。
 芸歴。そんなもので優越の決まらない世界。人気だ。全ては人気だ。タブーを笑い飛ばせるだけの人気があれば無意味な事をしているだけでも認められる。それが芸能界であり、才能だ。
 才能とは、つまり万人に認められる事だ。単純な事を難しく話したり書いたりすることは誰にでも出来る、所謂愚行だ。馬鹿を装いへつらう様に無意味な事をするのは正に愚の骨頂以外のなにものでもない。
「はーーい。直ぐに行きます」
 私は間の抜けたADの呼び掛けに、愛想良く答える。才能なきものが幾らふざけたところで嘲笑以外の笑いは取れない。嗤われるのが関の山だ。
「特番でしよね?」
 今夜の番組はテレビの露出が極端に少なくなったタレントの故郷訪問番組だ。つまりは、人気の落ちた暇な人間を嗤い者にする番組だ。
 それでも私には大切なテレビ出演であることに違いない。無意味な事など何も無いと信じて出演する。それ以外にないし、出るからには精一杯の事をやる。
「野々村さんの田舎は確か宮城県でしたよね?」
 廊下を歩きながらADが背中で訊ねる。
「ええ」
 私は小さく返した。
「ずんだもちを百個準備してますので、出演時間の十五分間で全部食べて下さい。 あっ、喉に詰まらせるとか……アリですから」
 言って笑うADは振り返ることすらしない。私はその背中を黙って追いかける。
 あの角を曲がった廊下の先が今日の収録スタジオだ。私は、餅を全て食べきるか喉に詰まらせるべきかを考えながら拳を握り締めた。

おわり

……………………

お題

真面目、天丼、車椅子

課題

かっちりとした心理描写で
 

2018-02-11 23:05

49.104.6.214

ゆふなさき

登場人物ではなく書き手の心情描写をつらつらと。
ミヒャルエンデの童話のなかで、車椅子の女の人に花を届け続けた男の人の話を思い浮かべる。彼女の美しさを想像する。自転車が高級品であった時代、足の悪い人を寝たきりにさせないために作られた恵まれた人の道具、まずはそのように読んでから、モモはもっとあとの時代だと感じて、分厚いフェルトや、お母さんと過ごす小さな家や、瓶に一輪さしたバラ、簡単に料理できるけれど滋養に良い玉子料理などイメージを変えていった。いまなら彼女はテレビばかり見ているかもしれないけれど、たぶんその時代、ラジオだけでは間がもたないから本を読んでいて、内気だから内側で発酵させるばかりで、そのくせ現実は知らなくて臆病で。そんな彼女に、真面目だけど自信がない青年がやってくる。外の世界をもたらす、異国の世界に入り込む勇者に、気弱な彼がなれるのだ。
そこまで想像してから現実に想像をスライドしてみると、車椅子は無骨だし、良い姿勢を続けるのは負担であるし、地味だけれど感じのよいアイロンのかかったフランネルを着せてもらっている人も見かけない。着脱が楽なフリースなどだ。
若い女性が母親の着せ替え人形にもなりながら結婚相手を共同で探してくれる時代でもない。できるかぎり自分で着替えている人たち。自立の正しさとさみしさ、さて。
障がい者スポーツをしている青年と介護の女性などなら絵になるかもしれない。
さて、童話の世界では、時間泥棒がやってきて、結婚は無理な女性との恋愛を断ち切らせてしまう。健康な人と結婚しなさいと。相手はどんな人なのか、まともに働いているのか、なんてつまらないことばかり話す灰色の男たちは確かに心に住んでいて、ダメなメンズとして離れるという聡さをつぶやいてくる。やれやれ。

2018-02-12 22:55

1.75.234.160

ゆふなさき

『かえる』 雪が降ると
鶴瓶さんの人となりが抑えられた表現のなかで伝わってきました。笑い、嘲るものでないもの、どうしようもなく難しいものなんですね。

次の課題ですが、私の作品、心理描写ないのでお題をこなしていません。さらに言えば天丼忘れまして。なので、再度同じもので。


お題
真面目、天丼、車椅子

課題
かっちりとした心理描写で

2018-02-12 23:03

1.75.234.160

夜の雨

感想から。


『かえる』 雪が降るとさん。

芸能界の世界を描いているわけですが、主人公の野々村(御作の中ではタレント)の気持ち、よく伝わりました。
ほんとうに「タブーを笑い飛ばせるだけの人気があれば無意味な事をしているだけでも認められる。それが芸能界であり、才能だ。」ということですよね。

>>「ずんだもちを百個準備してますので、出演時間の十五分間で全部食べて下さい。 あっ、喉に詰まらせるとか……アリですから」
 言って笑うADは振り返ることすらしない。私はその背中を黙って追いかける。
 あの角を曲がった廊下の先が今日の収録スタジオだ。私は、餅を全て食べきるか喉に詰まらせるべきかを考えながら拳を握り締めた。<<

このラスト、使う側の立場(AD)と使われる側の売れていない野々村の立場、つまりタレントの気持ちが命がけのレベルに近づいているのが伝わりました。


ゆふなさきさん。

ミヒャルエンデの童話の「モモ」若い時に読みましたね。
時間泥棒の「灰色の男」が出てくる作品。
内容は、ほとんど忘れていますが、私たちの「時間」が、とても大切だよということは教えられたような気がします。
御作ですが、小説にはなっていないですね。
「モモ」の説明と、それに関連してのご意見のように思いました。
ただ、書かれているご意見は、柔らかくて柔軟なお考えだと思います。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

お題
真面目、天丼、車椅子

課題
かっちりとした心理描写で


  『天井の染み』  夜の雨


 天井に染みがある。
 その染みの形が一年前とは変わった……。
 一年前は木の年輪がただ、流れるような形をしていただけだった。
 だが、半年前に気づくと、人の顔のように見えだした。
 その私に木の板の天井はまるで語り掛けるように、いや、そろそろ真実を白状しろよとでも、言うように、染みの形を変えてくるのである。
 三月前には天井は、染みを、いよいよ判別できるような顔にまで描き出した。
 私は真面目に生活をしているのだ。
 日々、雑貨店を営んで細々と小銭を稼いでいた。
 決して証拠を残すような犯罪は行っていない。
 そう、証拠を残すような犯罪は行わない、証拠さえなければ犯罪者にはならないのだ。
 完全犯罪というやつだ。
 私は雑貨店を営んでいる傍ら、常に犯罪を完璧にやる計画を立て、実行してきた。
 しかし偶然というものは恐ろしい。
 いくら完全犯罪で相手から金銭をいただいたとしても、床に何かが置いてあり、けつまずくことだってある。
 けつまずいて音を立て、相手に気づかれてしまう。
 向かって来た相手を近くに立ててあったゴルフクラブで、頭部を殴りつけた。
 中途半端なことはしない、思いっきり殴った。
 そして私は自宅へと帰った。
 完全犯罪成立である。

 いま、私は大きな犯罪を計画しているが、あの亡くなった男の顔が天井の染みとなって、現れ、今度は失敗するぞと語り掛けてくる。
 現にあのときは足を怪我して、しばらく車椅子での生活をした。
 あの男の顔に似た染みを無くすために、天井の板を取り外してしまうのは簡単だ。
 だが、それをしないのには理由がある。
 天井にできた顔の形の染みを毎日見ていると、精神も鍛えられるからだ。
 近頃は余裕さえ出てきて、顔の形をしてにらんでいる染みが、あと二つか三つぐらい増えてもいいかなと、思ってしまう。
 いや、天井中に顔の形をした染みができ、毎日、あっちこっちの顔が、私をにらむというのは楽しいかもしれない。
 奴らの恨み言を聴きながら、生活するって素晴らしいかもな。


      了


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
お気づきの方もおられると思いますが、私は、お題が「天丼(てんどん)」と「天井(てんじょう)」を間違って書きました。

事故作品ですが、このまま、投稿させていただきます。

次のお題は、引き続いて、雪が降るとさんの出した、下記でお願いします。
ちなみに、私も改めて、下記のお題で24時間後以降に作品を投稿します。
――――――――――――――――――――
お題
真面目、天丼、車椅子

課題
かっちりとした心理描写で

2018-02-13 07:49

58.94.229.120

夜の雨

お題
真面目、天丼、車椅子

課題
かっちりとした心理描写で

―――――――――

  「谷吉とロボット犬」  夜の雨


 ラブラドールの谷吉は深夜に玄関マットの上に寝そべって、この家の主(あるじ)である健介の帰りを待っていた。
 毎晩のように社用の接待か何か知らないが、酔って帰ってくる。
 谷吉はすでに夕飯のペットフードを食べていたが、健介がお土産で持って帰ってくる天丼は大好物だった。
 天丼のことを想像するだけで口からよだれが出てくる。
 寝そべっているので瞼は閉じているのかというと、ぴくぴくと痙攣していて、そろそろ天丼が食べられるのかと薄目を開けている。
 壁に掛けてある時計が0時のオルゴールを鳴らした。
 谷吉の耳がぴくりと時計の方に動く。
 いつもならオルゴールが鳴った後に玄関ドアが開き、健介が天丼を谷吉に突き出すようにして「いま、帰ったぞ」と言う。酔っているので、声のトーンは高めだ。
 ドアの向こうで何やらガサゴソと音がした。
 帰ってきたのか天丼が。
 谷吉は素早く起き上がると、ドアをじっと見た。
 つばをごくりと飲み込む。
 そのとき「にゃぁ」と、猫の鳴き声がドアの向こうでした。
 谷吉は、がくりと膝から崩れ落ちた。
 天丼が帰ってきた音ではなかったのか。
 猫のやつ、集会へ行くのか、集会で天丼の話を、天丼がどれだけうまいのかを語り合うのだろうなぁ。
 そう思うと、また、よだれが半開きの口から、ぬらりと、糸を引いた。
 オルゴールが鳴ってからかなりの時間が経った。
 天丼は何をもたついているのか、もしかして猫に襲われたとかの事故ではないだろうな……。
 谷吉の手足が震え出した。
 猫に襲われたとなると天丼が車椅子で帰ってくる可能性もあるな。
 いや、天丼ではない、健介さんだ。
 健介さんが車椅子で帰ってくるような状態になれば、天丼はもちろんないよな。ないということは食べられない。
 谷吉の頭は混乱して、健介と天丼が「帰れないんだよ」と、苦悩を訴える。
 もはや谷吉の身体は力が入らず、マットにべたりと寝そべるだけの状態になっていた。
 目が宙を泳いだその時だった。
 低くモーターが回転する音が廊下の奥から聞こえた。
 慌てて、廊下の奥に頭を振った。
 10日ほど前からこの家にいる、電子レンジほどの大きさのロボット犬が近づいてくる。
 谷吉の横まで来ると「あと、30秒で健介さんが帰宅されます」と言った。
 深夜に、このロボット犬が玄関にやってくると、すぐに健介は帰ってくる。
 GPS機能で健介のスマホとロボット犬のネット機能が連携されているのだ。
 ドアの向こうに気配を感じて谷吉は全身の力がみなぎり立ち上がった。
「ガチャ!」とドアに鍵が挿しこまれる音が、谷吉には聞こえた。
 谷吉は健介の顔を見る前から尾を振っていた。
 健介がドアを開け、顔をのぞかせると谷吉の眼は喜びに満ち溢れうるんだ。
「おう、谷吉、ありがとうよ、毎晩、待っていてくれて」
「ワン!」と吠えた。
 すかさずロボット犬が「深夜です、お静かに」と、低い声で言う。
「それにしても谷吉も真面目だな」と、笑う健介。
 しかし健介は谷吉が楽しみにしていた天丼を持っていなかった。
 谷吉は健介の手元を、よだれを垂らしながら見ていたが、明らかに天丼がないとわかると、腸がけいれんしておならが2発、3発出た。
「悪臭を探知しました、これは谷吉君のおならです。直ちに除去します」
 そういうなり、ロボット犬の背中がパカッと開き、谷吉のおならを吸引するべく空気清浄機機能を動作させた。
「このロボット犬は優秀やけれど、GPS機能が付いているのがやばいよな。会社を出た後の俺の行動が丸わかりで、奥方に筒抜けだからな。そのてん、谷吉は可愛いよ」
健介は、天丼の代わりに、お愛想を谷吉に言ったが、谷吉の尾は、だらりと垂れたままだった。


     了。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

次のお題
「井戸」「ゴシック」「魔術」。

課題
「なし」。

2018-02-14 07:57

58.94.229.120

マルクトガル

夜の雨さん

哀願動物がロボに完全移行する時代が、もしも、すぐ側に現実としてあるのなら……
今、側にいる動物たちはどんな立場に追い込まれるのだろう……
都合良く進化?(変化?)させられてきた愛くるしい動物たち……
今度は都合良く……

色々考えさせられる感覚でした



…………………………
「井戸」「ゴシック」「魔術」
…………………………

 『将来の夢』 マルクトガル

 一級建築士を目指したのは、初めて家族で旅行した北海道でゴシック建築に拘って建てられた教会を目の当たりにしてからだった。1904年に建てられたその教会は近代的な建物に囲まれていても尚、異様な美しさを放っていた。
 教会が次々に建てられていた時代。魔女や魔術さえ現実のものとされたその時代の最高の技術や芸術全てがこめられている圧倒的で異様な迫力に、私は完全に魅了された。
 そして、高校、大学と専門的な知識を学び。そこそこの建築事務所に転がり込む事が出来た。
 それでも私は今。
 紆余曲折を経て、アフリカで井戸を掘る事に夢中になっている。若い頃に抱いた夢とは少しだけ違う結果になってはいるが、現地の人々からすれば私は知識豊富な技術屋であり、神秘的な力をもつ魔術師であり、ゴシック様式の建物を建てなくても、そこそこに満足出来る生き方をしている。
 それに、この地区の人々の喉を完全に潤すなら。
 後、数百の簡易式の井戸が必要である。


おわり


………………………………

お題

駐車場、幼稚園、質屋

課題

三人のキャラクターを登場させる

2018-02-14 11:05

49.104.22.204

文緒

マルクトガルさん

教会の美しさ、外国に行ったことはない私でも、本当にうっとりします。
身近にあった教会は小さな小さな御堂でした。
アフリカでの井戸掘り、現地の人々にはまさに魔術師でしょうね。


お題
駐車場、幼稚園、質屋
3人のキャラクターを登場させる


「おカバン」

黄色い声といわれる意味がよくわかる園庭いっぱいに響く声。
幼稚園に隣接する駐車場のフェンスを小さな手でつかみ、真紀はじっと、園児たちが斜めに掛けているカバンを眺めていた。
物欲しげな様子に理不尽だと知りながら由起子は苛立ちを覚える。
自分には母性が欠けているのかと、なおさら腹立たしくなる。
「お母さん、あの赤いおカバン、真紀も掛けるんでしょ? 」カバンに"お"をつけて言うのは姑の真似だ。
変な言い回しだ。上品ぶった姑が言いそうなことばだ。だが真紀はいたく気に入ったらしく、しつこく繰り返していた。
母親の苛立ちに気付いたのか気付かないまま単に無邪気に聞いたのか、真紀が見上げる。
舌打ちしたいのを堪えて、そうよと答えると、真紀の顔に笑顔が咲いた。えくぼが浮かぶ丸い頬。
由起子はささくれだった心がだんだんと和らいでいくのを感じた。この子は私に似ている。
「あの、失礼ですが、入園をご希望でいらっしゃいますか」
フェンスの向こうから、ピンクのスモックを着た女性がニコニコしながら問い掛けてきた。
「私、この園の副園長をしております林と申します。よろしかったら中をご案内しましょうか」
よく通る声は子供を相手にするにふさわしい明瞭さで、少しだけ押し付けがましい。
また改めて伺うと断り、真紀の手を引いた。
「お嬢ちゃん、あのおカバンを気に入ってくれたの? うれしいわ。あれね、先生がデザインしたのよ」
互いに手を振り合いながら林はもう真紀の教諭のようだ。真紀も、うん、おカバン大好きと応えている。
乗り込んだ車はすぐに手放すことになるだろう。夫だった男の物だ。というより彼の母親が与えた車だ。
よし! 真紀が気に入ったというならおカバンを買ってやろう。やっと自分の意思で買い物ができるんだ。
車を売り払う前に、質屋に行こう。ボストンバッグの底に投げ入れた指輪。
私に似ているこの娘と二人。これから生きていく助けになってもらおう。
最初の買い物がおカバンだ。




お題
受験、オリンピック、老人ホーム
課題
なし

2018-02-14 15:08

126.212.165.153

俊郎

文緒さん
 
「おカバン」
再出発の物語なのでしょうね。
そうした背景が見えてくるのはとても好感が持てます。
でも気になるのは助けになってもらおうと依存していること。

 
受験、オリンピック、老人ホーム で書かせてもらいました。
 
 「再会」
 
 彼を見たのは東京オリンピックがすぎた頃だから、もう五十年以上前になる。
 あの頃は、東京ばかりか日本全体が高熱に浮かされ、高度経済成長の名のもと景気はこれ以上ないくらい沸騰していた。しかしその反動で空も河川も今の中国と同じように汚染されて澱み、時流に乗れなかった人間の心も当然のように荒んでいたのを覚えている。
 どちらかといえば凡庸で、人と争うことの苦手な私は受験戦争に敗れ、気がつくと何をするわけでもなく新宿の駅前広場にたむろしていた。勤勉という言葉に理由もなく反発し、それをすべて自由と愛にすり替えていたのだ。
 そうした自堕落な生活を続けていたある日、私は彼と遭遇する。
 着飾った人並みの中に、異様に白くのっぺりとした彼がいた。その白い顔には目も鼻も口も黒い穴だけしかなく、耳がアンテナのように立っていた。
 私は竦む。彼が気がついたのか近づいてきた。黒い穴をぱくぱくさせて声をかけてきた。
「どうやらきみは私が見えるらしい」
 薄気味悪いし何を言っているのかと思ったが、考えてみればドラッグで頭がトリップしている。幻覚なのかもしれないと思い直した。
「幻覚さ。顔のない人間なんているわけがない」
「ふ、確かにそんな人間はいない。だがきみは見ている」
 その言葉にぞくっとした。ほんとうにドラッグのせいなのだろうか。私は逃げるようにその場を離れた。そしてそのまま二度と都会へは足を向けなかった。
 
 それから五十年後、私は彼を故郷の老人ホームで再び目にする。施設の前を変な男が歩いていると思い、何気に窓辺に寄ったときだった。不意に彼が長い耳を動かし振り向いたのだ。忘れていた震えが全身を駆けめぐる。その理由が何なのかわからないが、私は恐ろしくなってすぐにカーテンを閉めた。部屋の隅で顔を隠してうずくまった。
 彼が音も立てずにやってきた。「見いつけた」と、あの日と同じように笑う。生ぬるい風が私を絡めとるように吹いてきた。
 
   おしまい
 
 
次のお題は「デブ専」「海底」「永遠」で、お願いします。
課題は主人公をオタクに。

2018-02-15 07:24

218.224.21.234

マルクトガル

俊郎さん

なんだ~?
何の生き物? 否、もののけ?
カオナシ……思い出してしまいました。


……………………………………
「デブ専」「海底」「永遠」
……………………………………


 『すき』 マルクトガル


「はぁ? ぼっちゃり?」
 語尾を上げながら野崎千恵が、僕の胸元を掴んだ。
「い、いや、ぽっちゃり? かな?」
 取り繕った僕の引き吊る笑顔を下から睨み上げる野崎。
 むちむちの制服姿。効果音と共にスカートから突き出したようなハムのような脚。健康を劇的強調するようなパンパンに張った頬。その全てを肯定して止まない天真爛漫な明るい性格。
 可愛い。
 本心からそう思う。
 友達は口々に『デブ専』だと罵るが、僕には野崎以外の女の子が可愛いと宣うそいつ等の方が神経を病んでいるとしか思えない。
「今は、花岡はモテるから、私をからかって楽しんでるんだろうけど。私も、いつかはテレビに出れるくらい有名になるから。そしたら、その時、今の事をテレビで暴露してやるから」
 野崎が睨み続けながら言う。
「ナオミの枠が、その頃まであれば良いけど…ホニスムンマヨ……」
 最後まで言い終えない内に、ぷよぷよの柔らかい指先が僕の頬を摘まむから僕の声は言葉にならない。
 至福の時。
 この瞬間が永遠に続けば良いと思う。
 出来ることなら誰にも邪魔されない天空の城に、いや、海底の洞窟でも良いし、新しく発見される惑星でも良い。とにかく誰も逢えないような場所で僕だけの野崎にしてしまいたい。
「あのさ……」
「なによ?」 
 僕の言葉に眉間にシワを寄せて野崎が訊く。告白なんてものはタイミングが一番大切なことは分かっているのに。
 駄目だ……
 我慢が出来ない……
「あのさ……好きなんだよね……」
 僕の言葉に瞬間動きを止めた野崎がゆっくりと答える。
「無理。 私、オタクは無理なの。 ごめんね」
 野崎の言葉に完全停止した僕は石像のように立ち尽くした。
 僕は、一体……何オタクなのだろう……


おわり


…………………………
お題
『ピック』『鍵』『雨』

課題
https://youtu.be/lr2BKlo558Y
聴きながら書く


 
 

2018-02-15 12:21

49.104.9.93

ペンニードル

「すき」マルクトガル

拝読しました。
”僕”を主張しすぎかなって感じました。これだけの文字数なら僕の話なのは一回変数宣言すれば読者は読み込むのでいらないかなと。
キーワードをもっとお話の主軸にして、しっかり落としたら面白くなると感じました。





 お題
『ピック』『鍵』『雨』

 課題
 https://youtu.be/lr2BKlo558Y
 聴きながら書く



 タイトル
  「ディレイ」

 田崎のギターリフは雨の日の昼休みみたいに退屈だ。
 Eマイナー、メジャーセブンス、セブンス。延々スリーコードをカッティングストロークで繰り返す。
 もう田崎は、プリングもハンマリングもタッピングも使わない。
 ぎこちなくピックを挟む指は加減を知らず、弦に硬く当たると硬質な音がバリバリと響く。
 元倉庫、薄いシャッターで仕切られただけの軽音部活動室には10wの小さなアンプしかなく、昇降口の正面に位置しているのに下校する生徒は誰も足を止めない。
 私は部室に入り、田崎の演奏を正面に座って見る。田崎の、指板に添えられた指先を見る。
「どうよ?」
「たいくつね」
「だよな」
 最近はじめたらしいタバコでしゃがれたのか、成長期故少し低くなったのか、昨日ともまた違う声で田崎は笑うが、冗談じゃないって思う。
「タバコやめなよ、最悪ギタボでソロ弾かなきゃいけなくなるかもな状況なわけじゃん」
 少しは真面目に考えるべきだ。”リフレイン”は消滅しようとしているのだから。
「ギタボでソロか......考えた事無かったな」
「とりあえず適当にボーカルみっけてきてさ、またメタリカとかドラゴンフォースとか演りなよ。私また見に行くし。チケット売るのも手伝うし」
 ん〜、と悩む仕草をして、まーなぁ〜とか、でもなぁ〜とか、曖昧に相槌を打ってはまたたいくつなリフを繰り返す。


 先月退部してしまった武志くんは確かに歌が上手かった。アイドルみたいな容姿に幼さを残した美声は1年の時の文化祭で学校中の女子を虜にしたし、地域のライブハウスには他校の女子も押し寄せた。
「なあ」
「ん?」
「お前、なんで武志くんの告白断ったんだよ」
「なんとなく」
 はぁっ、と大きなため息をつくと田崎の表情が変わる。ピックを持つ力が緩ると一呼吸。本気で演る時のルーティン。
 私はそれを見てしまう。
 田崎の長くて細い指先が、まるでその一本一本が、意思をもって歩き回るように指板の上を駆け巡ると、後を追うようにメロディがついてくる。田崎の指は音楽に追い越されまいと駆け回り、揺れ、離れ、弾かれる。弾かれた音は部屋中を跳ね返り、別の音とぶつかると和音になり、徐々に薄れ消えてゆくと、僅かに効かせたディレイだけが部屋に残る。
 きっといろんな会場で何人かは気づいている。田崎の演奏力の高さ。彼らは目を瞑り、田崎の織りなすメロディラインに聴き入る。
 だからこそ、邪な気持ちで田崎の指先を、ネックを支える二の腕を見つめているのは私だけで、田崎の奏でるメロディは彼の指先を彩る額縁に思えてしまうのはどこか少しズレている。武志くんの気持ちに答えてはいけなかった。私は武志くんが思うような女子じゃなかった。

 それから田崎は他のバンドのサポートギターをするようになった。二人組ボーカルユニットのコード進行。スリーピースバンドのセカンドギター。フォークシンガーに合わせたストローク。田崎の指先は、まるでひだまりをのんびりと散策しているようで、私の身体はたいくつだった。
 練習中、手グセでたまに弾いてくれた早弾きもいつしかなくなり、それと並んで私たちも疎遠になっていった。
 たまに廊下ですれ違ってもタバコの匂いがしなくなったので、もうそれでいいと思えるようになった。

 高校を卒業し、都内のキャンバスに通い慣れた頃には音楽そのものから遠ざかっていた。ただ普通に暮らす上で、音楽は必需品ではなく、巷に流れるメロディはどれも予定調和に感じられた。
 きっとみんなそうやって大人になってゆく。音楽に惹かれ、自分には特別な感性があると錯覚し、ズレた欲求に悩み、やがて薄れて消えてゆく。この世界は僅かに効かせたディレイによってできているように思う。
 心地よい電車の揺れは取り留めの無い思考を夢の手前あたりから連れてくる。

 今は言葉が好き。音とは違って意味を持つから。言葉に宿る熱量を感じられるから。家から都内まで電車で1時間。私は今日も特に興味の無いラジオ番組に耳を委ね、心地よい揺れに身を委ねた。

『では”高校時代のエピソード”で印象深いものはなにかありますか?』
『ん〜っ、高校の頃の同級生で一人、僕の演奏を”見る”っていう子がいたんですよ』
『聴くではなくてですか?』
『はい、毎回”見る””見に行く”って、僕それが悔しくて、あの頃必死にもがいてたんです。その子に何とかして僕の演奏を”聴いて”欲しくて。実施に早弾きして、色んなテクニックを織り交ぜて』
『今のスタイルとはだいぶ異なりますね!』
『反動みたいなものもあったかもしれませんね。でも僕の中では明確な分岐点もあって、ちょうどその時、頼りにしていたボーカルが抜けてしまい途方に暮れてたんです。そしたら”最悪ギタボでソロやりなよ”みたいなこと言われて。今のスタイルはそこからですね』
『なるほどー、まさに今回のニューシングルにぴったりなエピソードですね』
『ある種、そうかもしれません。あの時の言葉や記憶は鮮明ではなく、それでもたまにパッと思い出すんです。まるでものすごく間隔を置いたディレイ設定みたいに』
『そんな多彩なディレイの使い手にしてソロパートを折り重ねた重厚なメロディに、僅かにしゃがれたウィスパーヴォイスをのせた新曲を、なんとリスナーな皆さん限定で先行披露しちゃいます!田崎さん何か一言!』
『ミナさん是非聴いてください』
『それでは参りましょう、”リフ・レイン”で「-鍵-」』




纏まらず長くてすみません。

次のお題は
「遮光カーテン」「金魚」「生態系」
課題なしでお願いします。

2018-02-18 09:01

39.110.185.153

766

よろしくお願いします。

>俊郎さん「再会」
存在が見える見えない、また何故そうしたものがいるのか、等々を考える作品に思います。
ただ、もしそうしたものに人間と同じような感情があるなら、気づかれないってさびしいことだなーということのほうを思ってしまいました。

>マルクトガルさん『すき』
”天空の城”と”海底の洞窟”はほとんど真逆なような言葉なのに、同じ強い思いを表現するものとしてこの場合すごく説得力あるのにとても感心させられました。

>ペンニードルさん 「ディレイ」
音楽造詣激浅の私には冒頭でもう頭から煙でした。
音楽って聴くものですけど、感覚を自由に表現していいなら、聴くでも見るでもいいのかなって逆に考えさせられました。


お題『ピック』『鍵』『雨』
課題https://youtu.be/lr2BKlo558Y聴きながら書く

 『お天気雨』

 去年亡くなった祖母の思い出はいろいろあって、なかにはふしぎに関することが数多い。
 それは祖母から話で聴くこともあれば、一緒に体験したことも様々にあったりする。
 たとえば、夕ぐれの川辺で水上を舞う人だまを共に見たり、またお参り帰りに杉小道で獣とも人ともつかないものの影を見たり、また家のなかでも姿のない声に呼ばれたり……。
 そうしたとき不安にかられていると、祖母はきまってウンウンとやさしく頷きながら、
「サァちゃんにもわかるんだね」と微笑んでくれ、ときに怪異にむかい手をあわせていたのを、私も横でまねたりした。

 特に覚えているのはある夏に祖母宅を訪れたときのこと。
 少しの留守番を任され、テレビをみていると、外から子供の泣き声がきこえてきた。
 気になって勝手口の鍵をあけていくと、曇り空の下、垣根の傍にぼっちゃん刈りで小ぎれいな服装の男の子がしゃがんでいる。
 当時九歳の私より二つ三つ年下位で、右膝が赤く大きくすりむけていた。
「どうしたの?」ときいても泣いているばかりなので、おいでと家へまねき、風呂場で傷口を洗う。
 それから薬箱をとってきて、ピック膏や湿布の束をのけつ消毒液・ガーゼ・テープをだし、やんちゃな弟がよく祖母にやってもらっている様に手当した。
「もう大丈夫だよ」というと、小さな頭がこくんとする。
 そうして手を洗ってから戻ると、男の子はもういなくなっていた。

 翌日は晴れていたので、外へ出ようとしたところ、さッとお天気雨がふってきた。
 どうしようかと思っていると、二階から「サァちゃんきてごらん」とよぶ声。
 いくと祖母が窓から外をみていて、視線の先に奇妙な光景があった。
 白と褐色のいりまじった獣が、二十匹ほどで列をなし、人間のように後ろ脚だけで山道を登っている。
「きつねの嫁いりだよ」
「じゃあ、あの白いきれをかぶっているのがおヨメさんで、となりがおムコさん?」
 きくと祖母はウンウンと頷く。
 と、夫婦の後ろには小さな狐がいて、茎の長い蓮の葉でお嫁さんを雨からさえぎっていたが、少しびっこをひいていた。それがふと、私たちに気づいた様子になると、こちらへ向かいゆっくりおじぎをする。
 脚の手当をみて、私はすぐに合点がいったが、祖母は「ハテ……」といったふうだった。
 思えばこれが、私が祖母をふしぎがらせた、唯一のできごとだったのかもしれない。

  おわり

こういうの書こうと決めてから再生しつつ書きましたので、
課題が全然反映されてなくてすいません。


事故作品ですので次はペンニードルさんの出されました
お題「遮光カーテン」「金魚」「生態系」
課題なしでお願いします。

2018-02-18 20:30

114.162.11.4

文緒

766さん
「狐の嫁入り」ですね。
花嫁さんの付き添いの子狐ちゃん、大事なお役目の前にケガをしてしまって不安だったのが
サァちゃんに手当てしてもらって、嬉しかったでしょうね。
ほのぼのと、いいお話しでした。

お題
遮光カーテン、金魚、生態系


「サヨナラ」

外の世界から浮き出るようにこの部屋は海の底のようにほの暗い。
ブルーの遮光カーテンで覆われているここは、いつも真夜中の手触りだ。
あの人はまだ帰らない。時計を見るのはもう止めている。
朝なのか、夜なのか、真昼なのか、それもどうでもいい。
あの人の心の中の生態系が崩れたのに気付かないフリは出来ない。
若くしなやかなシャム猫のようなイキモノに完全に負けたのだ。
縄張りからはみ出されたモノは出ていかなければならない。
カーテンを開けて、ドアを開けて、私は新しい巣を見つけに行こう。
思わね眩しさに、額縁型に絵のように収まっていた金魚たちがざわめいた。


お題
手作り、薬、ひまわり
課題なし

2018-02-21 00:36

126.212.165.153

夜の雨

感想から


『お天気雨』 766さん

作品に愛情を感じました。
話も面白いです。子狐の怪我を手当てした少女の話ですね。
導入部に主人公の少女とおばあちゃんとの不思議なものを見たという交流が書かれていて、そこから話が広がっているのもよかったです。後半の狐の嫁入りが、またよいですね。


「サヨナラ」 文緒さん。

孤独な主人公の心理描写の世界がよく描かれていると思いました。
この手の作品には、タイトルはやはり「カタカナ」が似合いますね。
これを「ひらがな」にすると温もりが出ますので、カタカナで「サヨナラ」で、よいと思います。
ラストの「カーテンを開けて」から「思わぬ眩しさに、額縁型に絵のように収まっていた金魚たちがざわめいた。」が雰囲気を盛り上げました。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
お題
手作り、薬、ひまわり
課題なし

   「灰色の影」  夜の雨

 壊れてしまえ、この世界……。
 朦朧とした脳の片隅にいつの間にか棲みついた灰色の影がぶつぶつ独り言をつぶやいている。
 製薬会社の研究室でがん細胞死滅の薬を開発しているとき、部下と話をしているとき、パチンコをしているとき、何かに気が向いているときには、灰色の影の独り言は聞こえない。
 だけど部下を帰した後、研究室で独りウィスキーを呑んでいるときに奴が悪魔を手作りし始めたことを知った。
 私の脳の片隅で灰色の影が夢中になり悪魔を作っている。
「やめろ、そんな奇怪なものを作るのは、やめてくれ」
 私はどうにかして灰色の影に悪魔を作らすのをやめさせようとしたが「薬の調合」がどうのとか言い始めた。
「なぁ、QとPの薬にGを5、2、3の割合でいいんだよな」と灰色の影が真剣に尋ねてくる。
「なんだよ、それは……」と、私は応じながらも、グラスにウィスキーをつぐ。
 今夜もボトルが空になってしまった。
 酔った頭に、地平線と青空の下のひまわり畑が広がる。
 そこで妻と娘は殺された、まだ40歳と……歳いう若さで。
「裁判長、そいつを死刑にしてください!」
 犯人をにらみ、手を握りしめ、何度叫んだことだろうか。
 奴の弁護士は、「精神が不安定で当時薬を呑んでいたから」という理由で無罪を主張した。
 三年におよぶ裁判の結果、妻と娘を殺した男は精神病院で治療という判決が下った。
 私は酔った頭の片隅に、灰色の影が「悪魔ができた」と、低く唸るのが聞こえた。そのとき、私は、グラスをスチールのテーブルに置き、薬を調合し始めた。
 QとPとGを5、2、3の割合で調合した。それにβ―を7の割合で化合した。
 試験管の中の紫色の液体は、私をどんな怪物にしようとしているのか。
「とんでもねぇ奴だな、おまえは」脳の片隅で灰色の影が、あきれたように言う。
 私は紫色の液体を一気に口の中に流し込んだ。
 喉が焼け、胃の中が煮えたぎる。 手足の筋肉がけいれんして、身体の中で何かが爆発した。
 酔いが一気に醒めて、頭が冴えた。
 10桁÷6桁の暗算が瞬時にできた。
 軽く跳躍してみると簡単に3メートルの高さの天井に手が届いた。
 身体の動きが俊敏になった。おそらく普段の100倍の速さで動けるだろう。
 まさに、怪物だ、怪物になったのだ。
 私は試すべく、研究室の片隅にあるゴキブリが入っているガラスケースのふたを開けて、手を中に入れた。
 すばやく動き回る大量のゴキブリを数秒で握りつぶした。
 ケースから逃げ出したゴキブリも簡単に捕まえた。

 研究室から出た私は大都会を走り回った。
 大型トレーラーが私の方に爆走して来た。
「シャァー!」腹の底から唸り声をあげた。
 夜が明けるとメディアが大々的に人助けをしている、怪物のことを報じ始めた。
 灰色の影は、あれ以来おびえたように無口になったが、私、何か期待を裏切りましたか?
「冗談じゃねぇよ。お前の脳から引っ越すよ」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

お題
「人力車」「呉服店」「鬼」。

課題なし

2018-02-21 06:32

58.94.229.120

マルクトガル

夜の雨さん

それにしても!
夜中に!
仕事場で!

飲んだらダメ!

って、発想としては結構面白かったです

……………………………………
お題
「人力車」「呉服店」「鬼」。

課題なし
……………………………………

 『エロ』 マルクトガル

 TAKUMAは、口でしてあげると悦ぶ。
 指先で焦らしていると我慢しきれずに懇願する。
 その表情は、人力車を引いて鍛えられた逞しい肉体からは想像も出来ない程に脆弱で儚く切ない壊れそうな微笑み。

 私は上目使いにTAKUMAを見上げながら吐息で熱くて硬い部分を愛撫した。TAKUMAが、身悶えしながら自分から溢れだす透明で粘っこい卑猥な汁を舐めとって欲しいと声を漏らす。
 
 KAISEIは無理矢理にするのが好き。
 縛り付けて自由を奪った私の肉体を凌辱することに悦びを感じている。
 その表情は、着物を着て呉服店の中を歩く時の美しい立ち居振る舞いからは想像も出来ない程の粗暴で傲慢で優しい微笑み。

 私は口に押し込まれたボールギャグを唾液で濡らしながらKAISEIが与える快楽に身を捩り鬼畜の所業に赦して欲しいと声をあげる。


 おわり

……………………………………
お題

『焼酎』『チワワ』『ぽん酢』

課題

ミステリー仕立て


 

2018-02-21 20:18

122.131.142.242

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