'."\n" ?> 文芸賞データONLINE:群像新人文学賞

・群像新人文学賞

文藝春秋社の「文學界新人賞」、新潮社の「新潮新人賞」、集英社の「すばる文学賞」と同系列の純文学系の文芸賞。同時に評論(100枚以内)の公募もしている。
文學界新人賞の受賞から「芥川賞」候補になる例はよくあるが、この「群像新人文学賞」からも時折斬新な作品がそのまま「芥川賞」候補にノミネートされることが、時々ある。
文學界新人賞が100枚前後の規定枚数なのに対して、こちらは最大で250枚と現在は規定している。これは、話題作を提供すれば即単行本化も視野にいれて作品の募集を掛けているという意味に取れなくもない。つまりデビュー作の小説本を出せることが、視野にない訳ではない。出版社は独り立ちのいっぱしの本として出せる新人を真に求めていることが250枚という数字からわかる。
現在の選考委員には、京都大学の先生の浅田彰、芥川賞作家の奥泉光、島田雅彦、辻原登、山田詠美がいる。難解な純文学系教養小説から、若者風俗の斬新な作風まで広くカバーしている選考委員のメンツだと思われる。
講談社は戦時中に「大日本雄弁会」と名乗っていた時期がある。戦地の兵士に慰問の本や雑誌を届けて戦争の遂行を援助していた時代がある。菊池寛が大正時代の平和な時期に所謂、娯楽を含めての芝居や文芸の隆盛を目指して起こした文藝春秋社と相まみえる一大出版社とも言える。ちなみに新潮社は明治中期の創業で文学の他に社会学、ジャーナリズムに大きな業績がある。また明治期の関西系に創設のゆかりがある中央公論新社などもこれらの老舗の一つに入る。
だから、バックは広い大きな出版社の賞の一つである。しかし、上に挙げた出版社とは商売の競争相手であるから、講談社に応募したなら、そこ一社に限定して喰らいつく覚悟がいるかもしれない。文芸界の繁栄を謳うという名目の上では、日本文学振興会(=直木賞、芥川賞の設定)を後援している文春は、比較的おおらかであるのかもしれない。編集者とのつきあいの時の一考にして下さいませ。(解説:沙菜子)

PRIZE DATA

規定枚数250枚以内

関連レーベル『群像』

主催講談社


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