・受賞された方

サリベエ

 こんにちは。文芸賞に受賞された方にお聞きしたいのですが、そこからデビューまでどういう道のりでしたか? つまり一冊本が出るまでか、雑誌に掲載されるまでの過程を教えてください。
 (私は鼻もひっかけられていないので、最終選考に残った事はもちろんありませんし、1,2次,3次選考さえどうなったかもわかりません)


ふりぃ・らいたぁ

大賞受賞(入選)で、例えばその主宰雑誌がある場合には本誌(雑誌)に掲載になります。
第○○回入賞作品ということで。一回本雑誌に載れば、とりあえずデビューでしょう。
しかし、そのままで終わりということは多いです。枚数の少ない作品では、書籍にすることは出来ないです。本格的な作家デビューとしてはまだということです。
持ち込み企画などでとりあえず本を出すこともできなくはないですが(これは一応処女作出版ってことでデビューかな)


高橋桐矢

3年前、某SF系公募で最終選考に残りましたが、いまも公募生活おくってます。

最終選考に残ったとき、まず思ったのは、「ここからデビューまでの過程を知りたい」ということでした。
それから3年、自分自身のつたない体験もふまえて、「王道はなく、それこそ、百人百様の道があるだけ」なのだと、今は思うようになりました。

これは、きっと、「作家になるには?」という質問の答えにもなるのではないかと思います。
例えば、弁護士になるには、大学の法学部を卒業し、司法試験を受けなければなりません。
法学部を出ても、司法試験に受からなければ弁護士にはなれませんが、道筋が一本しかないなら、その道を通ればいいだけです。
けれど、ここを通れば「必ず作家になれる」という道はない…みたいです。
公募、持ちこみ、縁故、自費出版。作家デビューの方法は、人それぞれです。
(さらに付け足せば、作家でいつづける方法も…)
公募に入選したからといって、デビューできる人もいれば、できない人もいます。

結局は、自分の道を行くしかないのですが、せめて、百人百様の、さまざまな道筋を、参考にすることならできるかもしれません。きっと、このコミュニティや、創作意見室も、そのためにあるのですよね。

だからこれはあくまで、「わたしの場合」についての、お話です。
最終選考に残り(このときは努力賞入選しました)、主催の出版社から「来年も応募してみてください」と言われました。
その後、もう一度、最終選考に残りましたが(入賞はせず)、結局、出版されることはありませんでした。
最終選考に残って、出版社から連絡が来ることは、めずらしくないようです。
ただ、ここ数年、出版への道がどんどんせまくなっているなと感じます。
「冒険作だけど、出してみよう」とか、あるいは、1作目がいまいちだったけれど「2作目はいけそうだ」というようなライン上の作品が出版できなくなってきているような感触があります。
「これなら必ず売れる」という作品しか、出せなくなっているのかもしれません。
そういう事情もふまえた上で、ある程度のものが書けるようになったら、待ちの姿勢ではなく、売りこんでいくことも必要かと思います。

編集者さんはみんな殺人的に忙しいです。
新人未満の作家志望者にいちいち手をかけているひまはなさそうです。
まずは、公募で、コンスタントに一定ライン以上の結果を出せるようになり、その後、積極的に営業していく。
わたしは、そういう道をたどっていこうと思っています。

落選者のたわごとに過ぎませんが、なにかの参考になれば幸いです。
お互い、自分自身の道を行きましょう。
貴方の道が、照らされた明るい道でありますように。

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