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文学作品の中で心に残った言葉
2019/01/23 12:33
加茂ミイル

「平生はみんな善人なんです。少なくとも普通の人間なんです。それが、いざという間際に急に悪人に変わるんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです」

夏目漱石「こころ」より
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ふく
 2019/01/25 00:54

文学作品の中で心に残った言葉
僕が東京に来てやることはひとつだけだった。
あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること。
それだけだ。


村上春樹「ノルウェイの森」

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あいきゅ54
 2019/01/28 18:56

文学作品の中で心に残った言葉
何かを見るには五十人分の眼がひつようだ、とリリーは思う。

ヴァージニアなんとか作『燈台へ』

わたしは平素から熟考するのが苦手で、つい誰は〜だ、などとレッテル貼りをしてしまいます。人の性格は場面ばめんで異なるものだということを前提に、どんなに愚かしく見えようとも、また素晴らしく見えようとも、そうした印象はその人の一部でしかないのだと、自分に言い聞かせることが肝要。真面目か。

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あいきゅ54
 2019/01/28 18:59

文学作品の中で心に残った言葉
とうとうもうじきわたしは完全に死ぬだろう、結局のところ。たぶん来月。というのは四月か五月のはずだ。というのは今年になってからまだそれほどたっていない、それはいろんな細かいことでわかる。わたしの見当が狂って、洗礼者ヨハネの祝日が過ぎても、いや七月十四日、あの自由のお祭りが過ぎても、わたしは生きているかもしれない。

ベケット『マロウンは死ぬ』

疑うことだけが知性だといったのがフロベールで、知性だけを恃みに小説を書き上げたのがベケットでした。漱石の『こころ』も通底するところの、おのれの目こそ疑うべきという姿勢に自分の愚昧を知ることができた。
が、その愚昧から脱却する日はいつなのか。

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あいきゅ54
 2019/01/28 11:05

文学作品の中で心に残った言葉
聖なる精神とは、暗い同一化の力とともに緒原理にぴったりはりついたままの精神であり、それは性行動に似ているのである

アントナン・アルトー『ヘリオガバルス』

行動するものにさえ明らかでない目的に向かうこと。聖なる精神とは叡知とは別の次元で認識されるべきなのだとおもう。

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あいきゅ54
 2019/01/28 11:23

文学作品の中で心に残った言葉
ひとりの男が山道を歩いているとする。男はつまずき、断崖から墜落する。この事故が起きるために結びついた決定要因は、相当な数にのぼるにちがいない。にもかかわらず、墜落の原因がなにかと問われれば、誰もがこう応えるだろう。踏み外しだ、と。墜落の直前に起きた、踏み外しというこの出来事が、事故を引き起こす要因として、それ以外のものより必要の度が高かったから、というのではいささかもない。同程度に欠かせない要因は、ほかにいくらでもあった。だが、とりわけこの踏み外しは、著しい特徴を数多く備えている点で際立っている。踏み外しこそ、いちばん最後に生起した出来事なのであり、世界全体の秩序のうち、最も安定度が低く、最も例外的なものだったからである

ミシェル・リオ『踏みはずし』

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あいきゅ54
 2019/01/28 11:40

文学作品の中で心に残った言葉
大いなる愛をもって愛する者、大いなる軽蔑をもって愛する者となってくれ

ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』

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あいきゅ54
 2019/01/30 09:25

文学作品の中で心に残った言葉
過去のよろこびとか苦痛とかのすべてが、いつまでも長くわれわれのなかに所有されているかのように思われるとすれば、それはおそらくわれわれの肉体の存在のためであろう、肉体はわれわれの霊性が封じこまれている瓶(かめ)のように思われているからだ。同様に、そんなよろこびや苦痛が、姿を消したり、舞いもどってきたりすると思うのも、おそらく正しくないであろう。とにかく、そうしたものがわれわれのなかに残っているとしても、多くの場合、それはしらじらしい領域に、もうわれわれにとってなんの役にも立たないものになって残っているだけであって、そのなかでもっとも役に立つものでさえ、ちがったさまざまな種類の回想の逆流を受けるわけであり、それとてもまた、元の感情との同時性は、意識のなかでは全然望まれないのである。

プルースト『心情の間歇』


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あいきゅ54
 2019/01/28 12:19

文学作品の中で心に残った言葉
人の行為には、思わぬところに類例のあるものである。

宇野千代『何故それはいつでも』

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あいきゅ54
 2019/01/28 12:24

文学作品の中で心に残った言葉
本当の願いごとは、いつまでも、一生涯、持っていなければならぬものよ。かなえられるかどうかなぞ、忘れてしまうくらい、長く長く持っていなければならぬのですよ。

リルケ『マルテの手記』

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あいきゅ54
 2019/01/28 15:32

文学作品の中で心に残った言葉
わたしたちが文学に触れて何かを感じるのは、きっと等閑にふしてきた或るものごとの重要性に気づかされたからにちがいないのだけれど、その気づきを有り難がる程度にたよって文学的な価値をはかろうとするのは大きな過ちで、結果として文学そのものを貶める行為となりかねない。

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あいきゅ54
 2019/01/28 16:24

文学作品の中で心に残った言葉
弱者とは、真理を認めはするが、自分の利害がそれに合致するかぎりにおいてのみ、それを支持する人々のことである。そうでないときには彼らは真理を放棄する。

パスカル『パンセ』

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あいきゅ54
 2019/01/28 16:45

文学作品の中で心に残った言葉
眼は豪毛を見るも睫(まつげ)を見ず

司馬遷『史記』

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あいきゅ54
 2019/01/28 16:47

文学作品の中で心に残った言葉
無関心は美に近い

ル・クレジオ『無限に中ぐらいのもの』

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あいきゅ54
 2019/01/28 16:53

文学作品の中で心に残った言葉
なにがあれば男が女に特権ありげに振る舞うことができ、女はそれを容認するような神妙さを隠せなくなるのか。

森敦『月山』

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あいきゅ54
 2019/01/28 17:00

文学作品の中で心に残った言葉
私は微笑みながら、あるいは馬鹿笑いしながら、軽蔑に耐えている。だが、私がこうして自分を地べたよりも低いところに置いているのは、軽蔑を軽蔑するからではなく、たんに愚かな真似はするまいとの思いからだ。何があっても、誰からも卑しめられまいという思いからなのだ。

ジャン・ジュネ『花のノートルダム』

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あいきゅ54
 2019/01/28 17:17

文学作品の中で心に残った言葉
たぶん、谷崎潤一郎は、偉大な小説家なのであろう。わたしもまた、かれの才能をみとめないわけではない。なによりわたしは、かれが、誰よりも多く、未完のまま途中でほうりだしてしまった小説や、とにかく、まがりなりにも完結しているとはいえ、とりかかったさいに考えていたものとは、およそ似ても似つかない小説をーーつまり、ひとくちにいえば、失敗作を、つぎつぎに発表していった大胆さに感心している。

花田清輝『「吉野葛」注』

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あいきゅ54
 2019/01/28 17:26

文学作品の中で心に残った言葉
君見ずや、管鮑貧時の交はり、此の道、今人棄てて土の如し

杜甫『貧交行』

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あいきゅ54
 2019/01/28 18:46

文学作品の中で心に残った言葉
よろしい。しずかにしろ。申しわたしだ。このなかで、いちばんえらくなくて、ばかで、めちゃくちゃで、てんでなっていなくて、あたまのつぶれたようなやつが、いちばんえらいのだ。

宮沢賢治『どんぐりと山猫』

偉くないやつが一番偉い。一見すると支離滅裂なことばだけれど、社会的地位の低さに憤懣を覚えない人がいれば、それこそ三十輻なんとやらなのだろう。本当の美しさは、誰もが見向きもしないところにあるのだ。

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あいきゅ54
 2019/01/28 19:12

文学作品の中で心に残った言葉
坂を上って高台に立ち、下界を見おろす。人はそれだけで、ゆるぎない力を得たような錯覚に陥る。下るよりも上りたい、少しでも上にいたいと望む気持ちは、わからないでもない。《中略》小心者はそうやって、ときどき位置エネルギーをたかめながら生きているのだ。
しかし坂というものは上り下りの通路ではなく、なにもなしえていない自分の、宙ぶらりんだけれど十分に前向きな気持ちをどれだけ持続しうるか、それを静かに試す場でもある。

堀江敏幸『坂を見あげて』

いわずもがな萩原朔太郎へのアンチテーゼです。こんな穏やかな反駁の仕方が世の中に浸潤する日は、いつ頃やってくるのだろう。そう思わずにいられない章句。

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あいきゅ54
 2019/01/28 17:57

文学作品の中で心に残った言葉
人類全体に復讐し、癒しえぬ悲惨を与えて満足した神々は、個々の人間の侮辱など気にも留めないし、不義な人間、不正な人間、神々を冒涜する人間にしても、彼ら自身が神々の恩寵を遠ざけているという以外に、とりわけ罰せられることもないのである。

レオパルディ『オペレッテ・モラーリ』

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あいきゅ54
 2019/01/28 18:10

文学作品の中で心に残った言葉
小説の創始者のすぐれた工夫は、実際の人物を思いきってあっさりけしてしまうといった単純化こそ決定的な完成であろうと解した点にあった。

プルースト『失われた時を求めて』

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底辺
 2019/01/28 20:42

文学作品の中で心に残った言葉
すごいね

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あいきゅ54
 2019/01/28 21:07

文学作品の中で心に残った言葉
こんなもののどこがすごいの?

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あいきゅ54
 2019/01/28 21:45

文学作品の中で心に残った言葉
わたしは単に仕事がすきになれず、本で時間を潰しているだけのでくのぼうです。でくのぼうです。そうです、でくのぼうです。
たとえあなたが知らないことを知っていようが、わたしにとってあなたもまた、わたしの知らないことを知っている人にちがいなく、要するにこれ(わたしが挙げた、心に残った言葉のすべて)はわたしの怠慢の結果なのです。

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底辺
 2019/01/29 21:35

文学作品の中で心に残った言葉
私なんて読んだ本の内容すぐ忘れちゃうから

覚えているだけすごいよ

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底辺
 2019/01/30 15:11

文学作品の中で心に残った言葉
自分がしてもらいたいことを他人にもしなさい

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ふく
 2019/03/04 23:57

文学作品の中で心に残った言葉
「踊るんだよ」
「音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。おいらの言っていることはわかるかい?踊るんだ。踊り続けるんだ何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。そんなこと考えだしたら足が停まる。一度足が停まったら、もうおいらには何ともしてあげられなくなってしまう。あんたの繋がりはもう何もなくなってしまう。永遠になくなってしまうんだよ。そうするとあんたはこっちの世界の中でしか生きていけなくなってしまう。どんどんこっちの世界に引き込まれてしまうんだ。だから足を停めちゃいけない。どれだけ馬鹿馬鹿しく思えても、そんなこと気にしちゃいけない。きちんとステップを踏んで踊り続けるんだよ。そして固まってしまったものを少しずつでもいいからほぐしていくんだよ。まだ手遅れになっていないものもあるはずだ。使えるものは全部使うんだよ。ベストを尽くすんだよ。怖がることは何もない。あんたはたしかに疲れている。疲れて、脅えている。誰にでもそういう時がある。何もかもが間違っているように感じられるんだ。だから足が停まってしまう」
「でも踊るしかないんだよ」
「それもとびっきり上手く踊るんだ。みんなが感心するくらいに。そうすればおいらもあんたのことを、手伝ってあげられるかもしれない。だから踊るんだよ。音楽の続く限り」


村上春樹「ダンスダンスダンス」上 P.164 : 羊男

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弥々悪朗
 2019/03/05 16:27

文学作品の中で心に残った言葉
氷がズルッと



ぷーでる
「地球温暖化で、巨大津波が発生する? 」 より

カラカラ
 2019/08/01 00:25

文学作品の中で心に残った言葉
性はランチ

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底辺
 2019/08/25 01:56

文学作品の中で心に残った言葉
やれることは全てやったし、手を抜いたことはありません。常にやれることをやろうとした自分がいたこと、それに対して準備した自分がいたことを誇りに思っています

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作家でごはん!