作家でごはん!鍛練場

『短編集』 高野ショウ著

執筆の狙いsite

「ハイビスカス」

 ハルノは派手な花が好きだった。モダン調の部屋の中にはいつも薔薇だとかマリーゴールドだとか、部屋の雰囲気とまるでそり合わない花達が飾られていて、特にアクアブルーの花瓶の中にハイビスカスの大輪が差されていた時には、ひどく呆れたものだった。ひらひらしたリボンのような真紅の花弁。その中からすっと飛び出した柱頭は黄色いやくを侍らせて、優雅に頭を垂れている。まるで南国の陽気な女王様のようだった。

 本人に反して趣味は派手ね。部屋の雰囲気に合ってないわよ。
 
 当時私とハルノはお互いに大学生だったが、精神の完成度には雲泥の差があった。私の、友人達に敬遠される原因となったトゲのある口調、悪意しか感じられないような言い種に、彼女は穏やかな笑みを浮かべて返すのだった。

 自分に無い物だから、憧れるのよ。

 何が? という言葉が喉元までせり上がったが、不毛な会話になりそうなのでやめた。
 ハルノは、美しかった。笑えばえくぼのできる頬、清潔感のある肌や髪に、嫌味では無く優雅な仕草や柔らかい物腰。絶世の美人では無いにしても、内から輝くような特権階級のそれを持っており、私は付き合うにつれて到底適わないという事を思い知らされた。時折彼女に意地の悪い台詞を言うのも、嫉妬からだった。
 実際、ハルノの分析も全くの的外れでは無いと感じていた。彼女には、高貴でつんと澄ました高嶺の花より、鈴蘭だとかアイリスだとか、純朴だが人の心を穏やかにする花が良く似合った。彼女の美しさは好む花達とはまた違った種類のものなのだ。つまり私はハルノにいちいちケチを付けたがる嫌な女で、そして彼女が好きだった。
 現在に至るまでとうとう、本人に語る事は無かったが。
 大学卒業間近のある日だった。ハルノが倒れた。病名は敢えて伏せておく。ただ元々身体が弱く、短命を宣告されていたのだという。式の当日、私は彼女の分まで卒業証書を受け取って、彼女の居る病院まで送り届けた。その時にはヒヤシンスの花が病室の窓際に飾られていた。
 晴れて社会人となった私は小さな広告会社に入社して、安いながらも暮らしていけるだけの給料を貰うようになった。その金で私はハルノが好みそうな高い花を買って、彼女を幾度となく見舞った。 ハルノはいつも無邪気に喜んだが、病魔が徐々に進行して行くのが素人の私にも感じられた。血色が悪くなり、頬骨がはっきりと浮かびはじめ、パジャマのすそから折れそうに細い手足が覗いた。時折、面会謝絶になる事があった。会う度に余命が段々とすり減って行っているのが感じ取れた。
 倒れてから一年後の気持ちの良い春の日、彼女は穏やかな眠りについた。
 安らかで綺麗な寝顔だった。冷たい肌に触れても、まだ身体に彼女の魂が残っていて、それが僅かな温もりをもたらしているような気がしてならなかった。
 私は有給を取って、彼女の側にできる限りいる事に決めた。進んで彼女の許を離れたのは、告別式の朝に花屋に行った時だけだった。私は彼女の眠る白い棺桶の中に、永遠に枯れる事の無い造花のハイビスカスを入れた。天国に彼女の好きな派手な花がいつも咲いているとは限らないからだ。私は一筋の白煙と化して空へと昇っていくハルノを、静かに見送った。泣かなかった。
 今、ハルノが死んで十年以上が過ぎた。
 私はその間に結婚して息子を一人もうけ、住んでいた町を離れて少し南国に近い地域に住んでいる。息子は今年小学校に入学した。これから火の車になるであろう家計を少しでも助けるために、パートにいそしむ日々を送っている。
 最近、ハルノが姫君の花を好んだ理由が少しずつわかってきたような気がする。上手く言葉にできないけれど、彼女は本当はもっと生きたかったはずなのだ。人々の記憶に残る、大輪を咲かせて。
 私は路傍に咲く花のようにありふれた人生を送る中で、時折ハルノを思い出し、記憶の中の彼女の笑顔に、瑞々しいハイビスカスの花を添えるのだった。





「透明人間ラプソディ」

 チュン……チュン……
 鳥がオレの頭上でさえずるのに、無心に心を傾けて聞いていた。
若々しい葉が初夏の到来を告げ、あちこちでライラックの蕾が膨らんでいるのが見える。オレの乗っている木の樹皮が薄茶色である事に、冬の頃とは違う命に対する感慨を覚えた。
「うわ〜きれいな鳥だ!」
と、下にまだ小学校低学年ぐらいであろう、女の子供の姿。
 オレの真上の鳥の事を言っているんだろう。確かに薄緑色の綺麗な鳥だ。
ふと、オレはある事を思い付いて、手をそろそろと上へ伸ばした。人さし指を突き立て、他は握りしめる。
 鳥がふと、「オレ」を見た。正しくはオレの指が指す一点を。
 鳥はオレの求めている事を理解し、飛び、そして「オレ」の指の上に一瞬だけ−−−−−−停まった。
「あれ?」
 下で少女のすっとんきょうな声があがる。
 瞬間、鳥は俺の人さし指から飛び去った。
「あの鳥さん、今空気の上にとまったよ」
「何言ってるの……ユリコってば」
 そんな事あるはずないでしょ、と母親がたしなめた。
 実際はガキのほうが正解だ。
 俺は見下ろして、頷く。
 さしもの鳥も完全な羽ばたきや運動も無しに、何も無い所に停まれるはずがない。
「つまり、そう錯覚しただけなんだな」
 オレは「誰にも聞こえない言葉」を発した。
 あの少女は鳥が停まった地点、つまり「オレ」が見えなかっただけだ。
 それはそれで当たり前、だってオレは「透明人間」なんだから。
 
 オレは気がついたらそこに居た。
 街の雑踏の中だった。巨大ビルに囲まれた交差点の中央だった。よく晴れた夏の青空の下だった。
ここが何処なのかってのは、ずっと前から知っていた。オレはここの風景を何時も見続けていたんだ。幾度もの春も夏も秋も冬も。だけど、その風景の中に「オレ」が居るって気がついたのはその時だった。まるでつい今し方見ていた絵画の中に、自分がそっくりそのまま入り込んじまったかのような違和感を感じたな。当然、オレは吃驚仰天して暫く唖然としていた。
 今思えば間抜けだったな。
 青信号が点滅して、人々の殆どが渡り終わっちまった後まで、交差点の中央でぼさーっと只突っ立ってたんだから。
 で、必然的に車がこっち来んだよな。ああその時は赤信号じゃなく青信号だった。ライト付けてたし、ちゃんとルール守ってたぜ。
 ブウウウン……とか言い出したと思ったらすぐに、オレの目の前に白のモダン車のフロントガラスがあった。運転していたカッコつけ男が眠そうに欠伸をして、助手席のイカした彼女が退屈してた。
 風が吹いた、と思ったら、車が次から次へとビュンビュン、「オレ」をすり抜けて行って、やがてまた赤信号になって、信号機の手前で停まるんだ。
 んでもってその後、自分の手があるはずの所を見てみたんだ。でも見えるのは、その向こうにあるはずのアスファルトの白線さ。胴も見てみた。やっぱ無い。最後に手を頭に触れてみた訳。あれ、スカスカ、空気じゃん。
 あ、オレ、透明人間なんだ。
 その時ようやく気がついた。
 いくら透明だつったって、轢かれていい気する奴はいねえよな? オレは透明人間だと発覚した後、また別の奴らが渡りはじめた交差点を混じって渡りはじめた。その途中で、走って来た高校生がさ、オレをすり抜けやがった。瞬間ムカつく、とか思った。今思えばアホらしい自尊心だ。
 渡り終わって後ろ見てみるだろ? そしたらまた、自転車漕いでる大学生がオレの方にやってくるんだよな。うわー気付けよ、気付けよお前、オレに。とかなんとか願って立ち止まってたんだけど、やっぱ通過してくんだ。そこにオレが居るとも知らずに。
 今度はムカつくとか言うより、寂しかったな。
 あーオレ本当にこの世界に居るの? 自分で自分が見えないんじゃ幽霊以下じゃん。っていうか何で今ここに居るんだ?
 憂鬱になりながら、あるデパートのショーウィンドウの前にやって来た。ガラスを鏡に見立てて、自分の姿を確認する。
 やっぱいない。透明だ。
 俺ははあー、と溜息をついた。

 それから一ヶ月、オレは糸の切れたたこみたいに色んな所をぶらついた。電車やバスやロープウェイに乗って他の街や、海や山に行った。見た事のない景色を求めてふらふら油売ってるうちに、世の中のナリタチってもんをオレは悟っていった。オレはここには居ない人間、つまり「透明人間」って呼ばれる存在だって事。オレの今居る国は「ニホン」って言う事。地球は球体で果てなく広く、黒髪のせかせか動き回る人々ばかりでなく金髪や茶髪の人も居て、「米」だの「中」だの「ローマ神聖ナンとか」だの古今東西様々な国が生まれては消えて、今の世界が出来上がっているって事。絵画の中の世界は美しいばかりじゃなく嘘や暴力・同胞殺しに満ちていて、一日に何人もの人間が傷付いて死んでいってるって事も、オレは知った。
 ひらがなとカタカナが分かるようになった頃、オレは「カブキチョウ」を歩いた。店や電子広告のネオンが空の暗闇に照り映えて、星が全然見えなかった。視界がちかちかするぐらい明るい街なのに空気は軽く淀んでいた。オレの生まれた街とは違う空気。オレは無性に故郷が恋しくなって、始発で「ハネダ」を目指しマイホームに帰る事にした。
 それまでどう茶を濁すかが問題だった。オレの下した結論は人のあまり居ないダークな場所でそれまで過ごすって事だった。きゃっほー、クールだぜ。だけどこんな騒がしい街にそんなのあるのかなとか思いつつあるんだそれが、いっぱい。ビルの屋上然り、関係者以外立ち入り禁止区域然り。透明人間だから壁抜け簡単だし☆ そして俺が選んだのは最もポピュラーなダークゾーン。
 路地裏、っていうのかな。ビルの隙間の奥まった場所に足を伸ばすと、人のうめき声が聞こえてきた。誰?とか思って声の聞こえた方へ急ぐと、リーマンのあんちゃんが偽パツキンのガキ三人にボコられてアスファルトに平伏していた。パツキンのガキは容赦なく腹を蹴る。
 世界の醜い部分を目の当たりにして、オレは顔(ないけど)を顰めた。透明人間にだって情けはある。リーマンが何やったかは知らんがもうしこたま殴って釣りがくるぐらいだろうに、ガキ共は攻撃をやめない。それ以上やったら死ぬだろーがよ、とか思ってリーマンをよく見たら、あらびっくり、意識無しの上に頭から血。オレは驚いてオイこらやめやがれオフクロさんが泣くだろと言うも、頭に血の昇ったガキには聞こえない。オレ、透明人間だしね。なんとかして止めたい、でも無理。オレは自分の何にもできなさを噛み締めながら、悔しいので気持ちだけガキに飛び蹴りを食らわせてみた。
 そして奇跡が起きた。オレの蹴りを食らったガキは姿勢を崩し、ビル壁に叩き付けられた。何が起こった? スーパーマンすか、オレ。ガキ共は目をぱちくりしながら顔を見合わせていた。オレは再び攻撃する。リーマンの頭に足乗っけたガキの腹に頭突きを入れた。ガキはバランスを崩してアスファルトに尻もちをつき、絶叫した。尾てい骨イッたかな、と思いつつ何度かボコると、見えない敵からの攻撃にすっかりビビってガキ共は尻尾捲いて逃げ出した。おいこら、ハるならもっと根性入れろや。
 オレはあんちゃんを助け起こし、ひきずって通りのスナックの前まで連れていった。ガンガン! 握りこぶしで店の戸を叩くと店のママ(オカマ)が現れ、視線はオレをすり抜けて向いのキャバクラヘ、そして下の血まみれリーマンで止まって響き渡る金切り声。悪ィな、迷惑かけて。リーマンは救急車で病院に運ばれ、一命を取り留めてハッピーエンド。ちなみにリーマンを救った当直の医者や看護士が何度もオレをすり抜けて行ったり来たり。畜生。
 どうやら俺の場合は時と場所と場合(TPO)によってスカスカになったり触れるようになったりするらしい。この差は何なんだ。俺は故郷に帰って検証した。結果、なんだこれマンガかよ的な生体構造が判明。じゃじゃん。
 思考・想像等のイメージによって具現化・具象化し物理法則に干渉する存在。
 つまり、普通にポカやってもなんともならないのが、「あーこいつ殴りてえなあつか頭蓋骨陥没させたる」とか思いながら殴ると本当になっちゃったりする訳。便利なのか厄介なのか微妙な俺の身体。
 どんなバカやっても死なない身体だって事も、「壁ぬけ途中で具象化」(=普通なら真っ二つ死亡)実験をした時によく分かった。気がつくと、視界が二つに切り裂かれていた。丁度いつもの半分、縦に真直ぐ。身体は対称線中心から左右十五cmぐらいが妙にスースー。左右分離。俺の半身達はビルの内外部をふらふらと彷徨ってから、入り口の自動ドア前で再びドッキングした。
 オレは座るのも歩くのも立っている事さえ、イメージなんて不確かでよくわからんものに支えられているようだった。
 一度「物体の上に立っている」事が不思議になって足許を見、落ちたりしないのかなーとか思ったら身体がずるっと落とし穴にハマるかのごとく急速落下。流動するプレート、マントルを突き抜けドロドロの外核、金属が光る内核がものすごいスピードで視界を横切り、待った待った!と必死に抵抗を試み地核を泳ぐ。すると周りが水のように少し固さや弾力を帯びてきて、それでも落下は続く。燦々と輝く太陽に出会った時、ようやく「立つ」というイメージを取り戻し、宙に浮き上がった身体が素っ転ぶ感じで地面に到着。
 やれやれ。起き上がって見回すとそこは柔らかい砂浜。そして群がる褐色や白肌のギャルと海パン。そう、俺は地球を突き抜けて日本の反対側の(正確には少し角度をずらしたので違うが)ブラジルに来てしまったのだ。オレは今でも、もしイメージを取り戻すのがあと少しでも遅かったならと嫌な想像をしてしまう。暗い宇宙をどこまでも落ちていく。そこにはもしかしたら果てすらないのかもしれなかった。
 誰もオレを知らないとはいえ、地球はやっぱりたった一つのマイホーム。ここに存在する事がやっぱりオレは幸せなんだとその時噛み締め、異国の空気をしばらく満喫してから飛行機で日本に帰った。

 自由で孤独。それが透明人間。気楽だし、独りぼっちだって悪くはない。そう思ってはいても、たまには人恋しくなる。そんな時、オレはオレの生まれた街のでっかい公園のライラックによじ登って鳥や行き交う人々を眺める。じゃがいもやとうきびの香りが鼻をくすぐって、透明人間ってそういやメシは食えんのかなあとか思いながら窃盗は嫌なので我慢する。無賃乗車はするけど。鳥のカンがいいって事もここで過ごすうちに知った。人間は誰一人としてオレに気付かないのに、鳥(特にカラス)はさりげなくオレをすり抜けないように木に止まる。何回かこっち向いて挨拶(?)された事もある。トリビア。
 そんなわけでオレはたまに実体化して鳥と遊ぶ。捕まえようとしたり、口笛を吹いたり。取っ付きの良さは鳥それぞれ。機嫌が良ければ下手な音律に合わせてダンスしてくれたりもする。下で人間達が集まって「いやねえあの鳥病気?」とか言ったりするが気にしない。
 色んな所に行ってみたが、やっぱりオレは自分の生まれた街が一番好きらしい。生まれてこの方十余年、オレは慣れ親しんだデパ地下や公園を闊歩する。迷子に出会ったり、電車内の痴漢とかひったくりとか醜い一面に出会う事も勿論ある。そんな時オレは他所の街で初めて食らわした鉄拳の感触を思い出す。するとオレの腹の底から勇気とか呼ばれるものが湧いて出て、泣いているちびの裾を何気なく引っ張って近くのお店のお姉さんなり親なりの所へ連れていったり、エロ顔の親父の横腹にフックを入れたり、ひったくり現行犯に足をひっかけたりする。
 オレは生きてるのと人間が、なんだかんだいって大好きだ。
 最近そう感じられるようになった。
 
(了)

短編集』©高野ショウ

執筆の狙い

かなり前に書いた短編ふたつです。
最近スランプに陥り、初心を思い出そうとメモリースティックを漁っていたら、発掘しました。
文章の癖、話の繋ぎ方などを客観的に見直し、スランプを脱出する機会にしたいと思っているので、ぜひ感想宜しくお願いします。

高野ショウ (07/29 09:46)

感想と意見

青山りか子

読ませて頂きました。
 前編は、短命のお話でした。ドラマを思いだしつつ、読みましたが、花の種類の詳しい方には分かりやすい作品と言えるでしょうね。。。
 後編は、宇宙とかも出てきても世界観や視野がもっと広大になるかも……と思いました。以上デス。では。

07/29 14:30

高野ショウ

青山りか子様

感想ありがとうございました。

>前編は、短命のお話でした。ドラマを思いだしつつ、読みましたが、花の種類の詳しい方には分かりやすい作品と言えるでしょうね。。。

ドラマを思い出した、とは話の運び方がドラマ的だったということでしょうか。
花の種類はわたしも詳しくありませんが、割と一般的かと思われたものをチョイスしました。

>後編は、宇宙とかも出てきても世界観や視野がもっと広大になるかも……と思いました。

なるほど! 宇宙の話が思いつかなかったので、ブラジル止まりにしてしまいましたが、太陽系ぐらいまでは行ってしまったほうが面白かったかもしれませんね。
参考になります。

ご感想ありがとうございました。

07/29 19:25

千川 冬馬

拝読させていただきました。

「ハイビスカス」
淡々とした文章ながらも、哀愁と物悲しさが伝わってきました。
主人公とハルノの対比が良いですね。

「透明人間ラプソディ」
「ハイビスカス」とは打って変わって、軽薄と言うかおちゃらけているなぁという文章ですが、この透明人間の語り部ならぴったりだと思いました。

>オレは生きてるのと人間が、なんだかんだいって大好きだ。

この一文で透明人間が好きになりました。

余談ですが、ライラックと、じゃがいも、とうきびの香りというと
札幌の大通公園ですかね?
生れ故郷なので、懐かしいなぁと共感してしまいました。
(間違っていたらごめんなさい)

次回、作楽しみにしています!

07/30 07:47

高野ショウ

千川 冬馬 様

感想ありがとうございます。

>淡々とした文章ながらも、哀愁と物悲しさが伝わってきました。
>「ハイビスカス」とは打って変わって、軽薄と言うかおちゃらけているなぁという文章ですが、この透明人間の語り部ならぴったりだと思いました。

透明人間のほうの文体は、読み返した時にこれでいいのか?と自問自答していたので、語り部にぴったりという感想を頂けてよかったです。
口語交じりで読みにくいかと思ったのですが、このキャラだとこれしかない、と結局ほぼ無修正で出すことにしました。

透明人間の生まれ故郷は、ご察しの通りです。
一時期札幌に住んでいたことがあり、その時に二本とも書きました。
身近な場所を舞台に小説を書いたのは「透明人間ラプソディ」が初めてで、筆のノリ(キー打ちのほうが適切ですが)が全く違うと当時感動したのを覚えています。

同郷の方に好きだと言ってもらえて、透明人間も喜んでいると思います。
もしよろしければ、次回作もぜひお願いします。

07/30 17:26

ドリーマー

こんにちは。作品、拝読しました。

先日は拙作への感想をいただき、ありがとうございました。

「ハイビスカス」

学生時代、寮生活をしていたことがあります。その時同室だった友人のことを思い出しました。彼女も若くして亡くなりましたが(健康そのものだったのですが、人の運命とは分からないものです)、思い出の中の彼女はずっと若いままです。
私と友人は、主人公とハルノの関係に比べてずっと分かりやすい友人関係でしたが、歳月はいい思い出も悲しい思い出も、きれいに昇華してくれるんだな、と思いました。
また花が作品のキーワードになっていて、とても効果的に使われていて感心しました。

「透明人間ラプソディ」

彼は最初から透明人間として生まれたのか、それとも、もともとは実在した人間だったのか、ずっと考えながら読んでいました。最後まで読んでも答えは書かれていなくて、どちらとも取れる書き方だったのですが、なぜか読み終わったときには、どちらでもいいかな、と思えました。高野様自身はどちらかに決めて書かれていたのでしょうか。
主人公自身も自分の置かれた状況が分からなくて、少しずつ状況を把握していく様が、一緒に謎解きをしているようで楽しかったです。
これ以上書くと主人公の正体を書かないと不自然になりそうで、ちょうどいいところで終わったな、と思います。

2作とも一人称ですが、どちらもとても読みやすかったです。「透明人間」の方が構成も内容も工夫の跡があり、点数を付けるとしたらこちらの方が得点が高いと思いますが、私自身は個人的な想い入れもあって「ハイビスカス」の方が印象に残りました。

スランプでなかなか思うように書けないでいる、ということですが、私も6~7年間小説が書けない時期がありました(スランプではなく、単純に物理的な理由からですが)。昨年からやっと創作を再開しましたが、まったくストーリーが思い浮かばず、地団太を踏む日々でした。とりあえず身近な出来事に題材を見つけて、ぽつぽつとリハビリのつもりで執筆をしていましたが、今年の3月にこのサイトを見つけ、作品を投稿できる上に感想までもらえる、しかも人様の作品まで読めるので、大喜びで参加させていただき現在に至っています。
スランプ脱出の薬は、やっぱり、書くことしかないんでしょうね。しばらく書かないでいると、どんどん腕が落ちてしまう、とエッセイストの木村治美さんが言っていましたが、私もまだ、思うように筆が進まず四苦八苦しています。

次回はスランプ脱出第一作が読ませていただけるかな、と期待して待っています。

07/31 21:11

高野ショウ

ドリーマー様

感想返し、ありがとうございます。

>私と友人は、主人公とハルノの関係に比べてずっと分かりやすい友人関係でしたが、歳月はいい思い出も悲しい思い出も、きれいに昇華してくれるんだな、と思いました。
「ハイビスカス」を書いた頃は、そう感じられるほどの人生経験を積んでいなかったので、あるいはそう在ってほしいと思って書いたのかもしれません。
今もそう在って欲しいのかもしれません。
こういう場で、不謹慎だとお気を悪くされるかもしれませんが、ご友人のご冥福をお祈りいたします。

>また花が作品のキーワードになっていて、とても効果的に使われていて感心しました。
これは狙っていた効果が出たようで、嬉しいです。励みになります。

>彼は最初から透明人間として生まれたのか、それとも、もともとは実在した人間だったのか、ずっと考えながら読んでいました。
解釈にお任せするつもりです、と書けたら格好いいのですが、実は予想外の感想でした。私自身は「最初から」透明人間だというつもりで書いたので。それで、あわてて該当箇所に目を通し、ああこれはその意味で取れるなと、改めて読み手に自分のイメージを伝えることの難しさを認識しました。
でもやっぱり、読み手が解釈が第一です。言い訳めいていると思いつつ、作者としての意図を書きますが、『周りの風景自体は見えていたんだけれども、「風景を見ている自分がいる」のに気づいたのは幾季節か巡った後で、その時に初めて、自分が透明人間としてこの世に誕生していることに気づいた』という意味でした。ただ、どうして誕生したのかや、実は過去があったんじゃないか、といった所までは私自身も設定してなかったので、元々は人間で記憶を喪失して透明人間になったという解釈も完全に有りです。
書き手としては、不明瞭な部分があるままでも最後まで読んでいただけたことにほっとしました。

私は何年か前から、断続的にここのサイトに投稿しています。そして、かなりの頻度でスランプに陥っています。理由はモチベの問題が多いですね(汗)

>スランプ脱出の薬は、やっぱり、書くことしかないんでしょうね。
はい、これ本当に思います。上手く書けなくても、落ち込んでも、書き続けないと駄目ですね。
長いブランクから復帰しつつある方の言葉だと、元気付けられます。

>次回はスランプ脱出第一作が読ませていただけるかな、と期待して待っています。
最近ここで感想を頂いたり、書いたりしているうちに発見したことが多く、いい刺激になってます。ただ、改めて創作の難しさも認識させられており、克服すべき課題は増えた状態です(汗)
でも、頂いた感想を励みに、なんとかスランプを脱出したいと思います。
ドリーマー様も早く本調子に戻れるといいですね。お互いに頑張りましょう^^

改めて、温かいご感想ありがとうございました。
失礼します。

07/31 21:55

訪占花

 拝読しましたので、拙いコメントを……。

『ハイビスカス』

>つまり私はハルノにいちいちケチを付けたがる嫌な女で、そして彼女が好きだった。

 この文、好きでした。
 若干唐突な感はありましたが、これが有ることで“私”がハルノを構わずにいられない理由というのを、大部分説明できている感じがしましました。


 私が気になった部分は、二カ所でした。

 一つ目は、序盤の展開です。

>本人に反して趣味は派手ね。部屋の雰囲気に合ってないわよ。

 という棘のある“私”の言葉に対して、

>自分に無い物だから、憧れるのよ。

 と、ハルノが返してきているんですよね、これ。
 だとすると、

>何が? という言葉が喉元までせり上がったが、不毛な会話になりそうなのでやめた。

 と繋がるのが、ちょっと説明不足な感じがしました。
 これはハルノの言葉を“私”が曲解して受けている(「自分=私」だと思ってしまった)んですよね、たぶん。
 ふつうこの流れだと「自分に無い物だから、憧れるのよ」は、ハルノがハルノ自身について言った言葉(「自分=ハルノ」)だと分かると思うのですが、“私”の場合には曲解の方が前面に出てきている感じがします。
 だからここは、「なぜ“私”について言われていると思ったのか(=なぜハルノが上から目線で話しているように思ってしまったのか)」を書く必要が有るように思いました。

 ……と初見では思ったのですが、ここはもしかして「何が?(=あんたに何が足りないって言うのよ?)」という意味なのでしょうか?
 もしそうだとすると↑に書いたことはすごい的外れっぽいのですが、ごめんなさい、ちょっと私には判別が付かなかったです。


 二つ目。
 ハルノが亡くなったあたりの状況が、書き込み不足な感じがしました。

i)“私”にとっての親友はハルノだけだったと思われますが、ハルノに対しての親友が“私”だけだったのかどうかが作中で描かれていない為、彼女の死を悲しんでいる「ハルノの友人」が、“私”だけに見えてしまう。

ii)体の弱い子の両親というのは、私の知るケースでは、過保護とも言えるような扱いを子供にしているのですが、作中では亡くなった後も「ハルノの家族」の影が見えない。
 そもそも面会謝絶を繰り返すような状況なのに、“私”が病室でハルノの家族と絡んだような場面も描かれていないように思いました。

iii)棺桶にハイビスカスを入れているのですが、周りに止められている、あるいは咎められているような様子がありません。
 ふつうお葬式というと派手なものを避ける傾向が有ると思います。銀や金等の光り物も付けないと思いますし、和式ならそもそも海外の花が浮いてしまうのではないかなぁ、と。

 それぞれ何かしらの理由(=設定)があるのだろうとは思うのですが、それが描かれて居ないために、違和感が違和感のまま残ってしまっているように思いました。


『透明人間ラプソディ』

 私はこちらの方が好きでした。

 最初のエピソードなのですが、「鳥にはオレの事が見えている」というのが引っかかりました。後半で理由が書かれているのですが、ここまで引っ張る必要があったのかなぁ、と思ってしまいました。

 言い回しで一カ所、「茶を濁す」が誤用のような感じがしました。


 私もこの透明人間は、幽霊か何かなのだと思って読んでいました。幽霊と言うよりUMAかな。

>ここが何処なのかってのは、ずっと前から知っていた。
>生まれてこの方十余年

 とあるし、“透明人間”として目覚める前に、前段階の存在があったのかなぁと。
 イメージとしては、地縛霊が浮遊霊になった感じでした。


 しかしこれ、地球を抜けて反対側にたどり着いたとき、そこが海中じゃなくて良かったですね。

 あ、そうそう、鳥が気付くなら、猫も勘付きそうな感じがしました。
 猫ってたまに、何も無いところを見てたりしますから。

08/01 11:11

怜人

拝読しました。以前なにかの作品を読ませていただき、感想を書いた覚えがあるような気がするのですが、記憶力が悪いもので、間違っていたら申し訳ございません。

短い作品ということですが、起承転結はしっかりしていますし、ある種のテーマを昇華しながら、それぞれの登場人物の語りを性格に合わせて変えていくのは、しっかりと出来ていると思います。
ただ、全体的にとにかくざっくりと書き過ぎている印象でした。

例えば「ハイビスカス」の方は、一通りの会話と思い、そこからさっさと現在に行ってしまい、説明を読んでいるような感覚を受けました。主人公がずっと回想しているだけ、というのも説明っぽさを際立たせているように思います。あまり過去形を多用せず、ひとつひとつのシーンをもう少しじっくり描写することが出来れば、このラストももっと生きると思います。現状、ある女性関係をなんとなく説明しただけ、という印象に終始しています。

「透明人間ラプソディ」は、オープニングシーンからある程度惹きつけるように工夫されていて、「ハイビスカス」より面白く書かれていると思いました。
ただ、こちらの方もとりあえず透明人間の設定をひとつひとつ確認しているのを書いていっているだけ、という感じで、設定の興味深さの割には、惹きつけられませんでした。
僕なら「こういう透明人間が街にいる」という前提の上に、何かひとつエピソードを築きます。基本的に、物語って人と人(時には人以外)との関わりの中に生まれると思っています。こういう人とこういう人がいて、この二人が出会ったらこんな物語になる、という発想が、物語の原点ではないかと。

途中で誰かを助ける場面が出てきますが、僕ならここで相手に対する思い入れだとか、逆に相手が透明人間の存在をどう捉え、関わって行くのかを描こうとすると思います。或いは、鳥たちと仲良しなのであれば、鳥たちの為に何かしてあげるだとか、とにかく、「設定の説明」ではない、それ以外のエピソードを描きます。

というわけで、どちらの作品にも言えるのは、物語りきれていない、ということだと思いました。回想的な文章で書くと、長くなりそうな話も短めに終わらせることが出来て便利に思えるのですが、実際読者からすると楽しみづらくなってしまいます。
言って見れば、映画の中で登場人物が延々カメラの前で「こんな面白いことが昔あったんだよ!」と語っているのを見せられているようなもので、「いやだったらその時の様子を見せてくれよ」と観てる人は思うわけです。映画というのは特に遡って「過去」を描くのに向かないメディアのようなのですが、あまりに横道に逸れるのでやめておきます^^;

なので、まずはひとつひとつのストーリー、エピソードを現在進行形で丁寧に描いていくことを意識されると良いのではないでしょうか。
なんだか偉そうな感想になってしまい申し訳ございません。作者様のスランプ脱出のきっかけのひとつになれれば幸いです。

08/01 12:23

高野ショウ

訪占花 様

感想返しありがとうございます。先日はお目汚し失礼しました。

>ここはもしかして「何が?(=あんたに何が足りないって言うのよ?)」という意味なのでしょうか?

はい。ここは完璧にその意味で書いたので、伝わらなかったのが悔しいです。
読み手の解釈が第一ということを念頭に、書き手としてのこの辺りの意図を書きます。

>何が? という言葉が喉元までせり上がったが、不毛な会話になりそうなのでやめた。

ここまでの流れからは、主人公の反応は読み手の予想の範囲外です。
ここで「ええ、何で?」と疑問を持ってもらい、後に主人公から見たハルノを書き、前の反応が「やっかみ」だと分かってもらうという意図で書いたのですが、主人公の「曲解」と判断されたのが予想外でした。
ここを瞬時に「曲解」と判断するか、「疑問」として残しておくかで、おそらくその後の文章の読み方も変わってしまうと思います。
とりあえず、もしリライトするとしたらここは後のほうではっきりと「何が?」の内容を明示するようにします。
ただ、ここで「曲解」ととるか「疑問」として残しておくかは、もしかしたら読み手の個性が大きいのかなと思ってます。
最近、読み手による受け取り方の相違について考えることが多くて、前は意図する部分以外は一通りの解釈ができる文章が良いと思っていたのですが、書き手の意図しないところで別の解釈があっても、それはそれで有りなんじゃないか、などと思いはじめました。
むしろそういった物で狙った効果がそがれても、大きな部分で読ませるほうが重要なのではないかとも。
うん、やっぱり投稿してよかったです。非常に参考になります。

>つまり私はハルノにいちいちケチを付けたがる嫌な女で、そして彼女が好きだった。
>この文、好きでした。
>若干唐突な感はありましたが、これが有ることで“私”がハルノを構わずにいられない理由というのを、大部分説明できている感じがしましました。

ここ、好きだと言って頂いて、非常に嬉しいです。この文で私とハルノの関係をあらかた説明するつもりだったので、上手くいってよかったです^^
「何が?」のくだりであえて流れを切ったのも、後にこの一文を引き立たせるためでした。

>i)“私”にとっての親友はハルノだけだったと思われますが、ハルノに対しての親友が“私”だけだったのかどうかが作中で描かれていない為、彼女の死を悲しんでいる「ハルノの友人」が、“私”だけに見えてしまう。
>ii)体の弱い子の両親というのは、私の知るケースでは、過保護とも言えるような扱いを子供にしているのですが、作中では亡くなった後も「ハルノの家族」の影が見えない。
 そもそも面会謝絶を繰り返すような状況なのに、“私”が病室でハルノの家族と絡んだような場面も描かれていないように思いました。
>iii)棺桶にハイビスカスを入れているのですが、周りに止められている、あるいは咎められているような様子がありません。
 ふつうお葬式というと派手なものを避ける傾向が有ると思います。銀や金等の光り物も付けないと思いますし、和式ならそもそも海外の花が浮いてしまうのではないかなぁ、と。

ここ、ご指摘の通りです。ただこの辺りもある意味では狙った結果なんですよねー…
この掌編を書いたのは昔と言っていいほど前なので、説明不足になるやもしれませんが、三つとも一つの原因からきてます。
そもそも主人公とハルノの関係、つまり主人公から見たハルノ以外は書く気がなかったんです。
もちろん二人以外にも周囲の人間がいて、初めて二人の関係が成り立っているわけですが、それを不必要なものとして全て省略してしまったんです。
多分、掌編として完結させるつもりだったのと、描きたかったのが生の人間ではなく美しいハルノのイメージであること、ふたり以外の人間に意味が無かったことが理由だと思います。
書き手の側から言えば、限られた枚数の中で、二人以外を排除することによる効果をとるか、話の焦点がぼけるリスクを犯してリアリティをとるか、どちらの効果が大きいかという問題になります。
書いている時は無意識のうちに前者を選択したので、私の感性からだとそのほうが面白いだろうと踏んだってことなんでしょうね。
個性の問題として片付けるか、他の解決方法はあるのか。ここは改めて再考してみます。ひとりで考えて解決することでは無さそうですが(汗)

>最初のエピソードなのですが、「鳥にはオレの事が見えている」というのが引っかかりました。後半で理由が書かれているのですが、ここまで引っ張る必要があったのかなぁ、と思ってしまいました。
これは交差点の場面の手前までのところですか?
↑だと、自分が透明人間だと語りだすまでに一工夫入れたかったので、鳥と女の子を出したのですが、もっとあっさりでも良かったかもしれませんね。

>言い回しで一カ所、「茶を濁す」が誤用のような感じがしました。
確認しましたが、誤用でした(汗)ご指摘ありがとうございます。

>私もこの透明人間は、幽霊か何かなのだと思って読んでいました。幽霊と言うよりUMAかな。
透明人間の正体は、前の方の返信でも書きましたが、作者にもようわからんです…(汗)
底抜けに明るくがっはっはと笑ってる透明な人が居たら面白いなあ、と思って書いたので。
その頃住んでた街を舞台にしたのも、彼を現実のどこかで生かしたかったからかもしれません。

>しかしこれ、地球を抜けて反対側にたどり着いたとき、そこが海中じゃなくて良かったですね。
透明人間だから死なないとは思いますが、海流に飲まれてとんでもない所に行ってしまうでしょうね……マリアナ海溝の底とか(透明人間地上へ脱出編も面白かったかも?)

>あ、そうそう、鳥が気付くなら、猫も勘付きそうな感じがしました。
>猫ってたまに、何も無いところを見てたりしますから。

透明人間は鳥には襲われませんが、猫には引っかかれるでしょうね(笑)警戒心が強い生き物なので。
猫って神秘的ですよね。色んな国で霊力の強い動物と言われるのがよく分かります。
ところで、透明人間が鳥と戯れているのは、彼のいる公園にある種類の鳥が多いからですが、もっと他の生き物との交わりを描いてもよかったかもですね。

感想ありがとうございました。
これからも精進していきたいと思います。

08/01 21:06

高野ショウ

怜人 様

感想ありがとうございました。
前作『ひかりのよるに』の感想では怜人様のお名前がなかったので、その前の『ネバーランドへの扉は閉じられた』ですかね、もしかしたら。
余談ですが、前々作でも頂いた感想は保存していたのですが、手違いで消してしまいました。やっちまった……orz

>「ハイビスカス」の方は、一通りの会話と思い、そこからさっさと現在に行ってしまい、説明を読んでいるような感覚を受けました。
非常に耳の痛いご指摘です。
実は詳細な描写や場面の流れを書くのが苦手なんですよね……。
これは掌編で綺麗にまとめることが目標ではあったので、仕方ないといえば仕方ないのですが、今度長めのものを書く時があったら、場面ひとつひとつをじっくり描くようにしてみます。

>ただ、こちらの方もとりあえず透明人間の設定をひとつひとつ確認しているのを書いていっているだけ、という感じで、設定の興味深さの割には、惹きつけられませんでした。
確かこの話を書いた時は、一番書きたかったのは透明人間の設定で、それを読み手が少しでも面白がってくれればいいなというスタンスでした。だから設定に興味を持っていただけたら成功なのですが、言われてみれば、現在進行形では何も事件が起きず、過去エピソードだけを描いてしまっている感じですね。
こういう存在が居たらいいな、と思いつくまま書いていったのと、透明人間に深入りさせるもの、怜人様の『物語』で言えば、彼と出会うべき存在が思いつかなかったのが理由かなと思います。
関係性を主題にした話を描く時、私は偶然性と同じくらい、必然性を重要視するタイプです。Aにはこういう欠けた所があって、それを補うためにBに出会うべきだった、みたいなことを書くのが好きなんですね。
今回の透明人間は、自身だけでかなり完結してしまっているところがあるので、あえて出会わせるべき存在が思いつきませんでした。
今この設定に『物語』をつけるとしても、一対一で相対するような物語ではなく、「透明人間、ご町内の悪を成敗する」や「透明人間、世界を救う」といった粗筋になりそうです。

>回想的な文章で書くと、長くなりそうな話も短めに終わらせることが出来て便利に思えるのですが、実際読者からすると楽しみづらくなってしまいます。
これも耳が痛いご指摘です。前述の通り、細々としたエピソードを書くのが苦手なことによる悪癖です。

>映画というのは特に遡って「過去」を描くのに向かないメディアのようなのですが、あまりに横道に逸れるのでやめておきます^^;
最近、小説含む各メディアの比較に興味を持っています。こういった話興味深いです。そういった情報を上達に生かせるとは必ずしも限らないですが……。

>まずはひとつひとつのストーリー、エピソードを現在進行形で丁寧に描いていくことを意識されると良いのではないでしょうか。
>なんだか偉そうな感想になってしまい申し訳ございません。作者様のスランプ脱出のきっかけのひとつになれれば幸いです。
いえいえ。滅相もありません。悪癖を治すべく、精進していきたいと思います。まずは「書けない」状態から抜け出すのが先ですが^^;
頂いた感想を生かすべく、次回作でスランプ脱出の報告がしたいです。

ご指摘ありがとうございました。失礼します。

08/01 22:25

中山尋

こんにちは。

「ハイビスカス」
『私』が持つハルノへの忘れられない強い思いが短い中に描かれていたと思います。自分に無い物への憧れ……人の永遠のテーマかもしれません。

「透明人間ラプソディ」
こちらはアイディアが面白かったです。主人公が手塚治虫の火の鳥未来辺のマサトのような、一種の神的な視点を持ってるところに広がりを感じますし、その辺の力の秘密や主人公自身の行き着くところなどを考え詰めていくに十分なポテンシャルがあると思いました。

拙い感想ですが、では。

08/03 16:56

なりたか

高野ショウ 様

 「短編集」拝読させていただきました。
 全く違う作風の2編とも、大変面白かったです。

「ハイビスカス」
 
 純朴そうなハルノが何故派手なハイビスカスを好むのか、が縦糸となって、女性同士の友情が心地よい温度で語られていたと思います。

>ハルノが姫君の花を好んだ理由が少しずつわかってきたような気がする。上手く言葉にできないけれど、彼女は本当はもっと生きたかったはずなのだ。人々の記憶に残る、大輪を咲かせて。
 
 にも納得できます。

 一つ気になったのは、

>今、ハルノが死んで十年以上が過ぎた。

 以下に唐突感があったこと。
 
 十年以上過ぎた「今」、何故主人公がハルノを思い出しているのか、そのきっかけ(主人公にハルノを想起させるトリガー)が描かれていたら、もっとドラマティックな展開になっていたのかなあ、と思いました。


「透明人間ラプソディ」

 序盤、他の方の感想にもありましたが、「こいつはどこから来た何者だろう?」
と、やや戸惑いながら読んでいました。
 
 私は本作品の面白さは、従来の透明人間のイメージである孤独や寂寥、それゆえに抱える悪意・・・を超えた新しい透明人間像を描いたことにあると、勝手に解釈しています。(違っていたらごめんなさい)
 ゆえにまさにラストの
>オレは生きてるのと人間が、なんだかんだいって大好きだ。
 最近そう感じられるようになった。

 にもう少しわかりやすく集約する構成になっていたら、よりよかったのでは、と思いました。
 たとえば、何故オレは「人間が好きなのか」あるいは「好きになったのか」を掘り下げるとか。

 個人的には透明人間の人差し指に止まっている鳥を見てみたい、と強く感じました(ww)

 次回作も楽しみにしています。
 ありがとうございました。

 

08/03 19:49

高野ショウ

中山尋 様

こんばんは。感想ありがとうございました。

>『私』が持つハルノへの忘れられない強い思いが短い中に描かれていたと思います。
『私』の思いを、少しでも感じ取って頂けたなら作者冥利に尽きます。自分にないものに憧れたり、他の人に自分と同じ部分を見つけてほっとしたり。ただ、そういった思いが美しく終わるのは現実にはなかなか無いことです。『憧れ』への憧れ、と言いますか、そういう気持ちも書いてる時あったのかもしれません。

>アイディアが面白かったです。
アイディア勝負だった部分が大きいので、そう言っていただけるとほっとします。

>主人公が手塚治虫の火の鳥未来辺のマサトのような、一種の神的な視点を持ってるところに広がりを感じますし、その辺の力の秘密や主人公自身の行き着くところなどを考え詰めていくに十分なポテンシャルがあると思いました。
『火の鳥』は邪馬台国(?)の辺りまでしか読んでないんですよ~。今は物理的に読みにくい状態なんですが、いつかまた他の作品も含めて手塚先生の作品読みたいです。
前の方への返信にも書きましたが、話を膨らませたり、考えつめたりするのがどうも苦手なんですね……。もしも透明人間の話が完結させることができたら、またここに投稿させていただきたいです。

改めて、感想ありがとうございました。

08/03 21:15

高野ショウ

なりたか様

感想返し、ありがとうございます。

>全く違う作風の2編とも、大変面白かったです。
すごい嬉しいです。ありがとうございます。
 
>一つ気になったのは、
>今、ハルノが死んで十年以上が過ぎた。
 以下に唐突感があったこと。
>十年以上過ぎた「今」、何故主人公がハルノを思い出しているのか、そのきっかけ(主人公にハルノを想起させるトリガー)が描かれていたら、もっとドラマティックな展開になっていたのかなあ、と思いました。

思い出したきっかけですか。実は、主人公は頻繁とはいわないまでも、よくハルノを思い出してるって設定でした。作中で触れておくべきでしたね。ご指摘して頂いてよかったです。

>序盤、他の方の感想にもありましたが、「こいつはどこから来た何者だろう?」
と、やや戸惑いながら読んでいました。
透明人間の出自が気になるという意見、かなり多く頂きました。書いている時は気にしてなかったので、改めて読み手と書き手の意識の差というのを考えさせられました。次に書く作品では、読み手が何を知りたがるか考えて書きたいと思います。
 
>私は本作品の面白さは、従来の透明人間のイメージである孤独や寂寥、それゆえに抱える悪意・・・を超えた新しい透明人間像を描いたことにあると、勝手に解釈しています。(違っていたらごめんなさい)

これ、驚きました。無意識下での気持ちを、表に引っ張り出された気がしました。
この話を書いた当時、私はWEB上で透明人間の話を何本か読みました。そこで描かれていた透明人間たちは、透明であることでどこかしら幸せを削られているような感じだったんです。その姿が頭の片隅に残ってて、透明であることで自由を謳歌する透明人間が居たっていいではないかと、何となくそういう気持ちがあって、この話を書きました。
自分でも忘れていたことを思い出せて、投稿して本当によかったと思います。

>ゆえにまさにラストの
>オレは生きてるのと人間が、なんだかんだいって大好きだ。
 最近そう感じられるようになった。
 にもう少しわかりやすく集約する構成になっていたら、よりよかったのでは、と思いました。

確かにかなり唐突ですね。多分書きたいことをひとしきり書いて、そこでピリオドを打ってしまったのだと思うのですが。

>たとえば、何故オレは「人間が好きなのか」あるいは「好きになったのか」を掘り下げるとか。

前の返信にも書きましたが、話を膨らませたり、掘り下げたりするのが本当に苦手なのですよね……(汗) 
これからの最重要課題にしたいと思います。

>個人的には透明人間の人差し指に止まっている鳥を見てみたい、と強く感じました(ww)

なりたか様の住んでらっしゃる所が何処か分かりませんが、彼の散歩コースは全世界なので、いつか彼を見かけるかもしれません。その時は、ちょっとしたことでいいので、気づいてるというサインを送ってやってください。きっと喜びます。

>次回作も楽しみにしています。
 ありがとうございました。

本当に励みになります。頂いた感想を頼みに、なるべく早くスランプから脱出できるよう頑張ります。
改めて、読んで頂いてありがとうございます。

08/04 01:12

中山尋

現時点で分かることだけ。
主人公が、自分自身を見つめることが出来ている、と。
それは読み手にも伝わる優しさであり、その辺があって自分の場合は最後まで読む魅力になっていました。
親しみやすい……逆に言えば読者の顔色を伺いすぎているようでもあります。
高野さんとは考え方が違うので、とんちんかんな発言かもしれません。
個人的には、どちらの主人公にも、自分の存在意義について悩むところまで話を進めて欲しく思ったのは本当の所です。どちらも、社会的な問題に関わってないからです。
今作だけ見て偉そうに言って済みません。多分、高野さんの作風をほとんど分かってないです。では。

08/04 10:23

高野ショウ

中山尋 様

再訪ありがとうございます。先ほどは色々とすみません。

>主人公が、自分自身を見つめることが出来ている、と。
それは読み手にも伝わる優しさであり、その辺があって自分の場合は最後まで読む魅力になっていました。

書いているときは意識しなかったのですが、私自身が『自覚のない主人公』が苦手だからだと思います。読むときも書くときも。だからか、冷めた文章を書くねとたまに言われることもあります。

>親しみやすい……逆に言えば読者の顔色を伺いすぎているようでもあります。

うーん。どちらかというとエンタメ畑出身なので、読み手を意識するのが癖になっているからかもしれません。この二編の主人公は割と好き勝手書いた記憶があるのですが、もっと内側に踏み込んでみてもよかったかもしれません。

>個人的には、どちらの主人公にも、自分の存在意義について悩むところまで話を進めて欲しく思ったのは本当の所です。どちらも、社会的な問題に関わってないからです。

社会的な問題ですかー。読むのは非常に好きなんですが、敷居が高く感じられるてなかなか書けないんですよね。存在意義も同様な理由だったりします。テーマによってはもっと書けると思うんですが。
元々作風がころころ変わるタイプで、今はスランプ状態なので難しいですねー…。
うん。でも頑張ってみたいです。

頂いた感想を元に鍛錬を重ねたいと思います。
ありがとうございました。

08/04 11:59

ワタイ

 はじめまして、ワタイといいます。拝読させていただきました。
 
「ハイビスカス」

 冒頭の描写は色彩がとても鮮やかで、惹き付けられました。ハルノと『私』の会話も、短いながら深い意味が見え隠れして、花のたとえとも相まって、とても美しいと感じました。会話を「美しい」と形容するのはおかしいかもしれませんが、それ以上にこの印象にぴったりと当てはまる言葉が見つかりません。ハルノが倒れてからラスト手前までは、特に心に残る部分はなくて、読み流してしまいそうになったのですが、最後の「最近、ハルノが~ハイビスカスの花を添えるのだった」のところでまた引き込まれました。余韻の残る素敵な締め方でした。

 ただ、時間がいきなり飛んで「○年後」の話になるたびに、せっかくの雰囲気がぶつ切りになるのが、もったいなく思いました。ある時点をメインの時期に限定して、そのときそのときに起こることと過去をつないで回想シーンを挿入していった方が、私は好きです。時系列を狂わせるのは良い手法ではないと一般に言われていることは知っているのですが……。私には他にあまりいいアイディアが思いつかないものですから。


「透明人間ラプソディ」

 軽快な語り口でテンポよく進む話で、面白く読めました。透明人間の『オレ』のキャラクターが、深刻になりそうな立ち位置にあって飄々としているのが好きでした。

 ただ、『オレ』が「気付いたらそこにいた」ときに、何を知っていて何を知らなかったのか、いまいち判然としないのが気にかかりました。風景をずっと見ていたといいますが、どの程度確かな意識をもって見ていたのか、そこからどこまでを学んでいたのか……彼がそもそも何もないところから来たのか、異世界から来たのか。なんにしろ、こちらの世界のことを知りすぎているかと思えば、ふつう知っているだろうと思えるようなことを知らなかったりする。読んでいて少し混乱してしまいました。

 細かく指摘はしませんが、『オレ』が生まれたときのシーンと、「それから一ヶ月後」のシーンとを読み比べると、いろいろ違和感がある、ということだけ述べておきます。特にそれはまずいだろうと思ったのは、生まれたときのシーンで「あ、オレ、透明人間なんだ」「透明人間だと発覚した後」と書いてあるのに、一ヶ月後のシーンで彼が学んだことの一つとして「オレはここには居ない人間、つまり『透明人間』って呼ばれる存在だって事」が挙げられていることでしょうか。

 透明人間のキャラクター自体は私も本当に好きなので、もう少し彼という存在を掘り下げて書いてほしかったな、と思います。ラストの「オレは生きてるのと人間が、なんだかんだいって大好きだ」という部分もさらりとして格好良いのですが、どうして大好きになったのか分かりませんでした。



 偉そうなことばかり書いてしまってすみません。私の読解力が足りないだけのことかもしれませんし、あまり小説を書き慣れない人間の意見ですので、もし不快に思われましたら読み流してください。失礼しました。

08/04 13:36

高野ショウ

ワタイ様 
感想ありがとうございました。

>冒頭の描写は色彩がとても鮮やかで、惹き付けられました。
読み手に情景が「視える」ことを願って書いていたので、そう仰って頂くと嬉しいです。

>ただ、時間がいきなり飛んで「○年後」の話になるたびに、せっかくの雰囲気がぶつ切りになるのが、もったいなく思いました。ある時点をメインの時期に限定して、そのときそのときに起こることと過去をつないで回想シーンを挿入していった方が、私は好きです。時系列を狂わせるのは良い手法ではないと一般に言われていることは知っているのですが……。私には他にあまりいいアイディアが思いつかないものですから。

これ、参考にさせていただきます。最近、読み手の意識の流れを途絶えさせないようにするって大事だなって思ってて、色々苦心しています。

>軽快な語り口でテンポよく進む話で、面白く読めました。
良かったです^^

>ただ、『オレ』が「気付いたらそこにいた」ときに、何を知っていて何を知らなかったのか、いまいち判然としないのが気にかかりました。
実はこの辺り、書き手としても曖昧です(汗)すいません。キャラを統一して書くのもいまいち苦手なんですよね。固定して書かないと読み手は混乱するって自覚はしてるんですが、統一しきってしまったらそれはそれで面白くないだろう、みたいな気持ちが無意識下で働くんです。悪癖です。直します。

>細かく指摘はしませんが、『オレ』が生まれたときのシーンと、「それから一ヶ月後」のシーンとを読み比べると、いろいろ違和感がある、ということだけ述べておきます。特にそれはまずいだろうと思ったのは、生まれたときのシーンで「あ、オレ、透明人間なんだ」「透明人間だと発覚した後」と書いてあるのに、一ヶ月後のシーンで彼が学んだことの一つとして「オレはここには居ない人間、つまり『透明人間』って呼ばれる存在だって事」が挙げられていることでしょうか。
ご指摘されて、焦りました。ここ、一ヶ月の間に『透明人間』に関する世間の認識を吸収したので、一ヶ月前とは若干違う形で「透明人間」と認識しているって設定なんですよね。だけどそれを適切に表現する努力を怠って読み手に丸投げした結果になったので、書き手としてかなりの自己嫌悪です……はあ。

>透明人間のキャラクター自体は私も本当に好きなので、もう少し彼という存在を掘り下げて書いてほしかったな、と思います。ラストの「オレは生きてるのと人間が、なんだかんだいって大好きだ」という部分もさらりとして格好良いのですが、どうして大好きになったのか分かりませんでした。
ここ、他の方からもご指摘いただきました。人を好きになるのは理屈じゃない!とか言えたら格好いいのですが、単純に掘り下げが足りないだけですね(汗)登場人物を掘り下げたり、話を膨らませたりする訓練をしたいと思います。

改めて、感想ありがとうございました。

08/04 14:33

ピーナッツ

高野ショウ様

拝読いたしました。

二作とも良い作品でしたが、私は「ハイビスカス」の方がかなり好きですね。先日私が投稿した作品もこんな風にかけてたらな~と思いました。
「ハイビスカス」では、若くして散ったハルノと、主人公のその後の生活を対比して、平凡な人生を生きることがハルノにとって派手な花と同じくらい輝かしく、憧れるものであったことが語られます。
「透明人間ラプソディ」の方は、主人公はどえらい能力を備えいて、世界中を行き来でき、どうも食事をとらなくても生きていけそう(不老不死?)ですが、結局慣れ親しんだ街に落ち着きます。
二作とも根底にあるのは「今ここにいることが幸せ」であることかな、思います。ありふれているのですが、やっぱりポジティブで力強いテーマですね。世界中の人がそれを実感できれば戦争も無くなるのですが。
「透明~」の方の文体は、私はちょっと苦手。「ハイビスカス」の方は、文章としてほぼ完璧じゃないかと思います。とても洗練されていると感じました。
簡単ではございますが、足跡を残させていただきました。それでは。

08/09 07:40

高野ショウ

ピーナッツ様

感想返し有難うございます。

>二作とも良い作品でしたが、私は「ハイビスカス」の方がかなり好きですね。先日私が投稿した作品もこんな風にかけてたらな~と思いました。

超もったいないお言葉です(汗)でも励みになります。ありがとうございます。

>二作とも根底にあるのは「今ここにいることが幸せ」であることかな、思います。ありふれているのですが、やっぱりポジティブで力強いテーマですね。世界中の人がそれを実感できれば戦争も無くなるのですが。

ここ、実は自覚していませんでしたが、そういえば私が書くものはちょっとした冒険をした後に日常に帰ってくる話が多いです。冒険の結果得られたものは、日常に満足できることであったり。青い鳥ではありませんが、探した末に身近な所に幸せを再発見する、っていうのが大事なんじゃないかと思います。戦争を無くすのは難しいけど、ひとりひとりが幸せを模索するって態度であれば、何か変わるかもしれませんね。

>「透明~」の方の文体は、私はちょっと苦手。「ハイビスカス」の方は、文章としてほぼ完璧じゃないかと思います。とても洗練されていると感じました。
透明人間のほうは思い切り主人公の言葉で語らせましたので、やはりクセが強いかと思います。ハイビスカスは花のイメージが伝わるか内心ひやひやしながら投稿したので、肯定的な感想をもらえてほっとしています。

改めて、感想ありがとうございました。

08/09 10:30

日暮太郎

「短編集」読みました。


■感想を書いてみてから気がつきましたが、これ、一面の作品だと思って落ち着いていました。


1 タイトルは適正か
「ハイビスカス」こちらのタイトルは合っていますね。
主人公の友達のハルノの心の叫びを花に託して、表しているように思いました。

「透明人間ラプソディ」こちらはタイトル通りの内容でした。


2 文章が読みやすいか
両作品とも読みやすかったですが、エピソードがより具体化されている「透明人間ラプソディ」の方が、読みやすかったです。こちらは一度読みで内容がつかめました。

「ハイビスカス」は内容が主人公の説明調だったために、エピソードを把握しにくくて、2度読みました。


3 興味を惹くストーリーをテンポ良く展開しているか
ドラマとしての味わいがあるのは「ハイビスカス」です。
こちらは二人のヒロインが対比されていて、人間ドラマが描かれていると思いました。エピソードが少なすぎるために、ドラマの奥行きが見えにくいです。
内容を膨らますとよくなると思います。

「透明人間ラプソディ」こちらはかなりご都合主義で作られていて、透明人間でなおかつ好きなときにだけ肉体を存在させることが出来る超人なので、何でもやりたいことが出来て、テレビで言うところのバラエティドラマというところでしょうか。
エピソードが具体的に描かれていたので、「ハイビスカス」よりも、わかりやすい作り方になっています。


4 シチュエーション(状況)をわかりやすく示しているか
「いつ、どこで、誰が、誰と、何をしたか」一度読みで内容がわかったのは「透明人間ラプソディ」で、2度読んだのは「ハイビスカス」です。


状況設定について
「ハイビスカス」のほうは、主人公の説明調になっているので、エピソードとしてもっと書き込む必要があると思います。
主人公はほとんどありのままに生きていたという感じでしょうか。
問題は、「主人公がラスト近くで、ハルノは自分の個性をだいぶ抑えて生きていたように思う事がわかる」ところです。
でも、この作品ではそういったハルノの伏線が描かれていません。
ほとんど主人公の説明で語られています。
たとえばハルノの母親(別に父親でも兄でも弟でもよい)なりの第三者を出すことにより、彼女(ハルノ)の本心を描くことなども可能だと思います。
このあたりのエピソードを膨らまして描くとテーマがもっとわかりやすくなるのではないでしょうか。

「透明人間ラプソディ」これは、バラエティ関係のドラマでとにかく面白ければよいという感じですね。
初期のチャップリンの短編映画にある内容に似ています。
状況設定に破綻はありませんが、話が単純過ぎるので、主人公に彼女がいて彼が透明人間ということを知らないとかの設定が必要ではないでしょうか。
2時間ドラマにするのなら、そこのところに来て、透明人間が活躍出来る(下手したら身の破滅になりそうな)ようなとんでもない事件が発生すると、盛り上がります。


5 魅力的なテーマか
両作品とも、これからの膨らまし方次第ですね。
テーマーとして奥が深そうなのは「ハイビスカス」です。こちらには明らかに人間ドラマが内包されています。表現が説明調なので、わかりにくいだけです。


6 主人公および主要登場人物のキャラクターは魅力的か
「ハイビスカス」は二人のヒロインともよかったです。
特にハルノは陰がありそうで、実は求めていたものは違っていたというところに面白さがあると思います。

「透明人間ラプソディ」現在のところは超人(エスパー)ユーモア系です。


7 ストーリーにサスペンスはあるか
内容からすると「透明人間ラプソディ」の方がストーリーにサスペンスがあるエンタメですが、ユーモアなども入っているので、実際は「ハイビスカス」のほうが、緊張感がありました。
「ハイビスカス」は、内容がエンタメではなくて現実に即したシリアス系に作られているからでしょう。


8 イメージ豊かな描写はしているか
情景描写のほうは「透明人間ラプソディ」の方が、エピソードが具体的だったのでわかりやすかったです。

「ハイビスカス」の方は、描写はあるものの内容(ストーリー)を表現するには短すぎたと思います。


9 細部に臨場感はあるか
面白くは読ませていただきましたが、どちらの作品も臨場感があるまでには至りませんでした。


10 ユーモア・ウィット・ギャグはあるか
「透明人間ラプソディ」はユーモア作品だと思いました。
「ハイビスカス」は文芸物ですね。


11 ドラマに「深さ」はあるか
「透明人間ラプソディ」は、「深さ」は全くありませんでした。
でも、この作品、「自己の存在証明」という視点に変えて、作品の中に哲学を入れて、ドラマを練り直すと「不条理系」の作品として生まれ変わるかもしれません。
そうなると、とんでもなく、面白くなる可能性はあります。
映画で言うところのタルコフスキー監督の「惑星ソラリス」系です。


「ハイビスカス」は可能性のある作品だと思いました。
こちらには人間ドラマが見え隠れしていました。


12 その他


では、これからも作品作りに励んでください。



出典
使っているテンプレートは、三田誠広著書の「深くておいしい小説の書き方」という本の中にある「新人賞応募のコツと諸注意」の「おいしさの決め手十カ条」に一部追加したものです。

08/16 21:37

高野ショウ

日暮太郎様

お読みいただき、ありがとうございます。

>■感想を書いてみてから気がつきましたが、これ、一面の作品だと思って落ち着いていました。

現在スランプ中で、なかなか長い作品が書けないのです。二作続けて、掌編ふたつの投稿となりました。

>1 タイトルは適正か
「ハイビスカス」こちらのタイトルは合っていますね。
主人公の友達のハルノの心の叫びを花に託して、表しているように思いました。

「透明人間ラプソディ」こちらはタイトル通りの内容でした。

タイトルセンスに自信が無かったので、合っているとのご意見をいただけて嬉しいです。

>2 文章が読みやすいか
「ハイビスカス」は内容が主人公の説明調だったために、エピソードを把握しにくくて、2度読みました。

説明調はやはり読みにくいですね。次から気をつけたいと思います。

>3 興味を惹くストーリーをテンポ良く展開しているか
こちらは二人のヒロインが対比されていて、人間ドラマが描かれていると思いました。エピソードが少なすぎるために、ドラマの奥行きが見えにくいです。内容を膨らますとよくなると思います。

他の方からもその点はご指摘いただきました。話を膨らませるのが苦手なので、克服していきたいと思います。

>4 シチュエーション(状況)をわかりやすく示しているか
「いつ、どこで、誰が、誰と、何をしたか」一度読みで内容がわかったのは「透明人間ラプソディ」で、2度読んだのは「ハイビスカス」です。
状況設定について
問題は、「主人公がラスト近くで、ハルノは自分の個性をだいぶ抑えて生きていたように思う事がわかる」ところです。
でも、この作品ではそういったハルノの伏線が描かれていません。

第三者の登場については、他の方からもそうした方がいいという意見をいただきました。
ただ、主人公とハルノ以外の人間の排除は無意識のうちでの決定なのです。長編にするなら、絶対日暮様の案のほうがいいのですが。
全体的に表現すべきことや演出の仕方を再考していきたいと思います。

>「透明人間ラプソディ」これは、バラエティ関係のドラマでとにかく面白ければよいという感じですね。
初期のチャップリンの短編映画にある内容に似ています。
状況設定に破綻はありませんが、話が単純過ぎるので、主人公に彼女がいて彼が透明人間ということを知らないとかの設定が必要ではないでしょうか。
2時間ドラマにするのなら、そこのところに来て、透明人間が活躍出来る(下手したら身の破滅になりそうな)ようなとんでもない事件が発生すると、盛り上がります。

チャップリンの映画は見たこと無いので、今度見てみます。話が単純すぎるのは考え物ですね……。主人公と人間の距離感については正直、考えあぐねているところがあります。書いていた時はおそらく、彼をあまり人間に関わらせるべきではないと思っていました。ただ、それではドラマが生まれない。この辺りはまた再考してみます。

>5 魅力的なテーマか
両作品とも、これからの膨らまし方次第ですね。
テーマーとして奥が深そうなのは「ハイビスカス」です。こちらには明らかに人間ドラマが内包されています。表現が説明調なので、わかりにくいだけです。

話を膨らませるのがかなりの不得手だったりしますが、頂いた感想を励みに頑張ってみます。

>6 主人公および主要登場人物のキャラクターは魅力的か
「ハイビスカス」は二人のヒロインともよかったです。
特にハルノは陰がありそうで、実は求めていたものは違っていたというところに面白さがあると思います。

ヒロインを良いと言って頂けて嬉しいです。毒とか陰のある女性って受けの良くないイメージがあったので。

>7 ストーリーにサスペンスはあるか
内容からすると「透明人間ラプソディ」の方がストーリーにサスペンスがあるエンタメですが、ユーモアなども入っているので、実際は「ハイビスカス」のほうが、緊張感がありました。
「ハイビスカス」は、内容がエンタメではなくて現実に即したシリアス系に作られているからでしょう。

透明人間ラプソディのほうはもっと話を引き締めてもよかったかもしれません。緊張感をコントロールできるようになりたいです(汗)

>8 イメージ豊かな描写はしているか
情景描写のほうは「透明人間ラプソディ」の方が、エピソードが具体的だったのでわかりやすかったです。

「ハイビスカス」の方は、描写はあるものの内容(ストーリー)を表現するには短すぎたと思います。

ハイビスカスは掌編として作ったのがかなりネックになっているようです。イメージを湧かせるような描写を考えていきたいです。

>9 細部に臨場感はあるか
面白くは読ませていただきましたが、どちらの作品も臨場感があるまでには至りませんでした。

臨場感を意識的に出せるようになるまで、あとどれくらいかかるんだろ~とパソコンの前でふと遠い目になっていました。
次の目標に臨場感を加えたいと思います。

>10 ユーモア・ウィット・ギャグはあるか
「透明人間ラプソディ」はユーモア作品だと思いました。
「ハイビスカス」は文芸物ですね。

ハイビスカスは文学的でさらっと読める感じ、透明人間ラプソディは設定とノリの良さを面白がっていただけたらいいなと思って書きました。
イメージが伝わったようでほっとしています。

>11 ドラマに「深さ」はあるか
「透明人間ラプソディ」は、「深さ」は全くありませんでした。
でも、この作品、「自己の存在証明」という視点に変えて、作品の中に哲学を入れて、ドラマを練り直すと「不条理系」の作品として生まれ変わるかもしれません。
そうなると、とんでもなく、面白くなる可能性はあります。
映画で言うところのタルコフスキー監督の「惑星ソラリス」系です。

その映画も見たことがありません。不勉強ですね(汗)透明人間はリライトするとしたら、一からの練り直しになると思います。その時は日暮様のご意見を参考にさせて頂きます。

>「ハイビスカス」は可能性のある作品だと思いました。
こちらには人間ドラマが見え隠れしていました。

掌編として出さないで、膨らませてから出した方がよかったかもしれません。ただ、スランプでとにかく他の方の感想がほしかったので、このまま投稿してしまいました。

>使っているテンプレートは、三田誠広著書の「深くておいしい小説の書き方」という本の中にある「新人賞応募のコツと諸注意」の「おいしさの決め手十カ条」に一部追加したものです。

私も読んだことがあります。当時あまり小説のことを知らなかったですが(今も無学ですが)、それでも文学とは何かについて考えさせられました。

頂いたご感想を励みに、これからも執筆活動に励みたいと思います。
改めて、ありがとうございました。

08/16 22:39

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です(テクニカルサポート)。

3,000字以内