作家でごはん!鍛練場

『セルフヘルプ ー 精神疾患について質問です ー』

ペンニードル著

お目通しありがとうございます。狙いに関しては事前に先入観を持って欲しくないため、万一読了いただけましたらついでに見てやって下さい。感想、評価、アドバイス何卒よろしくお願いいたします。





執筆の狙いに関しては、ある意味、現実に居場所のない人を書いてみたつもりです。全編モノローグでも読ませる文章を書いてみたくて挑戦してみました。

 



 精神疾患について質問です。
 実は先日、親しくしている友人や家族に精神疾患を疑われ、受診を強く勧められました。
 きっかけは私の書いた小説が、ある新人賞で評価されたことでした。
 本名が紙面に露見して友人に知られ、嬉しくて家族にも報告しました。
 私は周囲の友人に小説を書いている事を伏せており、今回初めて露見し『どうやって書くの? すごいね!』などと聞かれ、方法を話しました。



 私は日常生活の全てを肉体から切り離された意識で自分の体を操作しています。
 頭上上空から俯瞰して自分を眺めている意識を持っていて、意識の私はそこでぐーたらしているだけでいいのです。私は肉体の方の私にテレビのリモコンのようなもの、あるいはゲームのコントローラのようなもので自由自在に指示を出すことができます。
 本来の私は空中に浮く意識の方であり、普段世界に干渉し対人している私は私とは別の存在。ドラクエで自分が育てた主人公の様なものでしょうか? そんなふうに思っています。
 なので彼がどんな状況でも状態でも、別に私は辛くないし疲れないんです。

 最初にこうなったのは高校生の時でした。
 私はラグビー部に所属する真面目な選手でした。しかし、菅平での合宿中、連続四試合をこなし、その全てで負け、バツゲームで点差分のグラウンド走をする中でそれは起きました。
 軽い現実逃避のつもりでした。
 今走っている、あまりにも疲れている、吐きながら走っている、逃げ出せない”この人”は、私ではない。この人誰だろう。かわいそう。でもよかったぁ。自分じゃなくてほんとに良かった。
 私は今空に浮かんでいる。雲でできたふわふわのソファに寝転びくつろいでいる。
 この人はこんなにボロボロになりながら走り続けて可哀想に。辛いだろうなぁ。苦しいだろうな。

 ま、私には関係ないけどね♪ がんばってねー。

 そう思うと不思議と乗り切れたのです。身体の苦痛と心の悲鳴が、意識から切り離された気がしたんです。
 それから十年程、仕事や恋愛で辛いことがあるとその度に、私はこの手法を使ってきました。徐々にではありましたが、最終的には意図して使える様になったのです。

 そうしているうちに私は、ずっと空に自分がいた方が楽だし、物事が上手くいく事に気がつきました。
 例えば、ナンパひとつとっても前は断られたらどうしようとか、変な目で見られたら嫌だな、と考えてしまい勇気がでず、行動出来ませんでしたが、今の私は空から彼に支持を出すだけ。ボタン一つ押すだけです。
 彼が何度どんな風にフラれようと、私の心は全く傷つかないどころか、彼の滑稽さに笑えてくる程です。
 仕事も一緒で、結局ゲームみたいなものなんです。
 上司という魔物が現れ、試練を与えてくる。それをどう突破するかを考えてコントローラーで主人公を操作します。私は空から彼を眺めてボタンを押すだけでいいんです。

 執筆も一緒で、彼にタイピングをさせるだけなんです。
 ただし、物語は私が考えます。
 とはいえ、空想の世界を作り出すこと。
 別人格の自分を生み出すこと。その人に訪れる困難をその人を操作して乗り越えさせてくこと。
 これらは普段、私が私の肉体である彼に対してやってる事と何もかわりません。
 あとはそれを彼にタイピングさせるだけです。
 こう言うと、彼を休まず働かせてしまうのではないかと懸念されるでしょうが、そうはなりません。私は彼に仮想のHPバー(体力ゲージ)、MPバー(精神力ゲージ)のようなもの、そしてコンディションマークのようなものを設けています。
 HPやMPが多い時の方が何をやらせても効率が良いのでそれらが減ってきて効率が悪くなれば休ませます。
 毒や麻痺などのコンディションダメージがあるときも同様、休ませた方がいいし、アイテムとして薬を与えたりもします。
 こうなってから、私と彼が同一だった以前の時に比べ、遥かに全てに対して優秀になっています。
 問題は最近、完全に分かれてしまい、戻る事が出来ない点でしょうか。

 この文章も、私が彼にパソコンで書かせています。
 私が頭の中で考えた文字をオートで彼がタイピングしてくれます。句読点や感嘆符、文字変換に改行や段落も意識しなければ反映されないところが玉に瑕ですが。
 それから意識としての私は現実の私と比べ、やや女性よりです。別に女性というわけではありませんが、そういった概念からも切り離された状態であると思います。
 唯一心配していたのは、私がこのゲームに飽きてしまわないか、それから彼の操作を誤り、彼が死んでしまった際、私の意識はどうなってしまうのか。この二点だけでした。



 そして問題が生じたのは次です。
 小説が評価された事だけは私の功績という意識が強かったのです。彼はただ、私の言いなりになってタイピングを実行しただけであり、小説を書こうと思ったのも、物語を考えたのも私です。
 私はあくまで私の方であり、家族を大好きな私も私の方なんです。
 だから私は嬉しくなって家族に受賞の報告をしました。書き方を伝えました。現実の私じゃなくて、意識の私の方の功績であると家族に知って欲しくなってしまったんです。
 両親の顔色がみるみる変わってゆき、真っ青になって私に精神科の受診を勧めてきたのはその時です。
 現実で極めて優秀に周囲に振る舞う現実の私と、空に浮かんで自由に怠惰にダラダラ過ごし、命令するだけの意識の私の人格は、もう完全に乖離しており、なんと両親は現実の、肉体の方の、ただの操り人形のはずの私を本当の息子であると疑わないのです。
 それが悲しくて悔しくて苦しくて辛くて、私は意地悪をする様に、彼の口を借りる様に、これまでここに書いたようなあらましを全て両親に伝えました。
 そんな私を見て母が少し壊れてしまいました。
 現実主義者なはずの母は怪しい霊媒師に私を紹介すると聞かず、父がそんな母を必死に説得し落ち着かせようとしている様な状況です。父は精神疾患の一種だろうと私を心療内科に受診させようとしますが、私としては、それは怖いのです。

 私としては、心理学的な言い回しだと、セルフヘルプでしょうか? 極めて効率的かつ効果的な自己管理術の延長、くらいの認識で、素晴らしいと思っているんです。
 それに心療内科で仮に治療された際、私はどうなってしまうのでしょうか? 私が消えてしまい、彼が残るのでしょうか? 彼と私が統合され、別の誰かになるのでしょうか? 彼が消えて、分かれる以前の私だけが残るのでしょうか? それが嫌で分かれたのに、また戻され、あんな辛い世間の荒波に私自身が揉まれながら生きて行かねばならないのでしょうか? どうなるにしても不安なんです。
 出来ればこのまま、彼をうまく操って人生をクリアしたい。 現実に私が干渉するとろくな事にならない。
 でも、両親に否定されるのは辛いし、存在を認められないのも苦しいんです。
 どうしょもなかった私がなんとか両親の為にもいい人間になろうと模索して、やっとたどり着いた答えでもあります。
 正直、まさかこんな事になるとは考えても見ませんでした。私は私が操る彼のスペックをあげすぎました。今更彼の代わりを私がこなすなんて不可能です。

 まだこの話を明かしていない人がいます。
 私が付き合っている彼女です。
 彼女を選んだのは私です。
 しかし、実際にアプローチをかけ、彼女を攻略し、思い出を増やしているのは彼ではないか。
 私自身は彼女を本当に好きなのだろうか。
 彼は彼女を好きなのだろうか。
 彼女がこれを知ったらどう思うだろうか。
 彼女は私を、意識としての私を好きなのだろうか。好きになってくれるだろうか。

 これまで、彼に対する評価=私の操作技術への評価、ひいては私に対する評価。そう考えてきたため表出して来なかった数々の問題が、私が不用意に話した両親の反応から溢れ出し、自分でも訳が分からなくなってしまっています。
 私は消えてしまうのでしょうか。
 このまま、これまでのように過ごす事はできないのでしょうか。
 もし、精神疾患であると診断された際、私と私の現実の方の扱いはどうなるのでしょうか。これは彼の問題ではなく、私自身の問題であるため、いつもの様に彼を使って最適解をただ実行するという手段がとれません。
 そして友人にも頼れませんでした。私にとって彼らは大切な友人なのですが、彼らからしたら現実の私の方こそが友人なのでしょう。



 切実な悩みです。
 もし私がどうすべきかをご存知の方がこの文章に目を通してくれたなら、その時まだ私が私として存在していたのなら、どうか教えてください。意識としての私には、こんなところにしか、もはや居場所がないんです。なんとなくわかるのですが、もう時間がないんです。

 おそらく私は子を残せないのでしょう。
 仮に彼が彼女と結ばれて、二人の間に命が宿ったとして、その子が大きくなったとき、その子の中に私はいないでしょう。
 だから私はこの文章を書くのかもしれません。万が一に備えて。
 私がこの世界に確かに存在していた証をどうしても残したいが為に、私は今、このとき、確かにここにいたのだと。確かに悩んでいたのだと。誰でもいいから確かに誰かに知って欲しくて、私は書くのかもしれません。
 これが、今の私に出来る唯一の、最期のセルフヘルプなのでしょう。

 誰か私を見つけて下さい。
 誰か私に気づいて下さい。
 誰か私を認めて下さい。

 どうか。
 どうか。



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ベストアンサーに選ばれた回答

ajajajajaさん

パソ障乙wwww
さっさと病院行って治して貰え
まずその妄想癖からw

PS:小説で賞取る奴はそもそも文章に
「♪」とか使わないからw
本当に小説家になりたいならこんな
とこにくだらない事書いてる暇あるの?

だからいつまでもこんなとこに
いるんだよ。



ナイス 0
2017/11/15 00:16 違反通告

セルフヘルプ ー 精神疾患について質問です ー ©ペンニードル

執筆の狙い

お目通しありがとうございます。狙いに関しては事前に先入観を持って欲しくないため、万一読了いただけましたらついでに見てやって下さい。感想、評価、アドバイス何卒よろしくお願いいたします。





執筆の狙いに関しては、ある意味、現実に居場所のない人を書いてみたつもりです。全編モノローグでも読ませる文章を書いてみたくて挑戦してみました。

ペンニードル

39.110.185.153

感想と意見

偏差値45

>精神疾患について質問です。
唐突。いきなり口の中に異物を放り込まれた気分です。

>セルフヘルプ
(英: self-help)、自助(じじょ)とは、専門家の助けを借りず、自身の問題を当事者で解決することである

読みやすい、分かりやすい、けど、共感はできない。
一つには有り得ないという固定観念です。
だからと言ってコメディではなくシリアスなので面白くはない。
戦術としては悪くはないのですが、戦略としては拙い(まずい)と言えばいいかな。

2017-11-15 03:15

219.182.80.182

ペンニードル

偏差値45 さん
感想ありがとうございます。

>>唐突。
そう感じていただけたのなら良かったです。

>>共感は出来ない。
力不足です。あり得ない、極端な事かもしれませんが、本当は誰にでもある別の誰かとしてロールプレイをしている自分。みたいなところから共感させたかったのですが残念。

2017-11-15 10:36

27.85.206.95

水島麗亜

現実ではありえないって言い切れないのが怖いなあって思います。
二重人格ってこんな感じなのかな…主人格が副人格を操ってそれを見てる…見たいな。
面白いかと聞かれると面白くはないかなって感想です。小説のして入ると、ブラウザを閉じたくなってしまう。
質問形式じゃなくて、小説形式のが私は好きです。私の個人的な意見で申し訳ない。独白小説で同じ題材を扱って見たら面白いなと思いました。
ややこしくて頭がこんがらがる文章の書き方をしているので、もう少し簡潔に、かつ一文をまとめて書くといいと思います。

2017-11-15 18:50

210.128.118.167

藤光

読ませていただきました。

分かりやすいですね、なるほど。
おもしろいといえばおもしろいアイデアなのですが、作中、精神疾患云々を持ち出してくると小説の出来以外のところで不穏になります。

言葉を操る者は言葉の取り扱いに慎重であるべきだと思いました。

2017-11-15 18:52

182.251.255.39

読ませていただきました。

読了後の印象は、下調べきっちり且つ、とてつもなく上手い作品。
単品では感想に困るが、ホラーサスペンスで容疑者のパソコンからこんなん出てきたら物語にとって面白い鍵になりそう。


良い物読ませていただきまして、ありがとうございました。

2017-11-15 21:51

123.219.100.156

ペンニードル

水島麗亜 さん
感想ありがとうございます。
そうですね、小説としての体裁をとれていないかもしれません。正直、段落さえ途中まで入れるか悩んだ迷走作です。
別の視点や文体での練り直しやってみます^ ^

2017-11-15 22:01

106.139.14.4

ペンニードル

藤光 さん
感想ありがとうございます。
そうですね。多数の資本が絡まない”小説”という分野ならではの表現かもしれません。人の心を書き出す小説という媒体は精神の疾患と救済を描くのに最も親和性が高いと考えます。
誰もが救われるか許されるラストを思いつけたらもう一度挑戦します。

2017-11-15 22:10

106.139.14.4

ペンニードル

熊 さん
感想ありがとうございます。

>>疑者のパソコンからこんなん出てきたら物語にとって面白い鍵になりそう。

面白そうですね。
このお話は極端でも、全然地続きだと思うんです。誰だって常に意識と言動には”差”があって、その差の大小や捉え方一つでコロッと転ががってしまうと思ってます。
”ネットと現実”、”会社とプライベート”
色んな所に”差”は横たわっていていつしか引き返せなくなるんじゃないか? って怖さは私自身常に持っています。
ホラーサスペンス有りですね^ ^
良い物、と言っていただけたのは素直に嬉しいです。読んでいただきありがとうございました。

2017-11-15 22:31

106.139.14.4

ポキ星人

 感想を書いているうちに、作者は学生とか、社会人1,2年目くらいとかの若い人なのかな、という気がしてきました。もしそうなら自意識ダダ漏れの構成のないものを書かずに虚構的な造りを導入して書いた、という意義はあるとは思いますが、そうした話の造りを練る以前の段階でいろいろ考えた方がよいように感じます。
 
 この話は、「小説の新人賞で評価されて新聞に名前が載ったので周りから注目されたので、さらに自分の自意識の在り方までを周りに受け入れさせようとしたら、周りもそこまでは付き合ってくれなかったので、つらい」という話だと思いますが、作者はこれを「ある意味、現実に居場所のない人」だというようです。しかし現実に居場所がないってそんなことなんでしょうか。
 自己の内面の受け入れを周囲にあくまでも求め続けたけど受容されなかったので幻滅したってのはただの中二病だと私は思います。まあそれでも、自分の自意識のあり方が他の人々と違って特異なんじゃないかとか悩むこと自体は、小説で真摯に追求してもいい事柄なのかもしれません。しかし、この作品が自分の生きづらさに悩むのではなくて幼児的全能感を手放したくないという話として書かれている以上、そういう路線にもなりようがないでしょう。
 作中の「私」に似た反応というのは現実には「解離」という形で知られています。とくに親から性的虐待を受けつづけた子どもが、虐待されている最中に、自分の意識が体から離れて天井の方に向かっていき、上から虐待を受けている自分を眺めているように感じるという知覚があることが広く報告されています。それは病理反応ではなくて、異常な状態に耐えるための正常な反応であると考えられています。
 このような解離は逃避といえば逃避なのかもしれません。しかし本作のような幼児的な全能感を維持するための逃避と同視することはなかなか抵抗を感じます。小説が現実を追う必要はないですが、現実よりお気楽なものが書かれていれば正直あまり感心はできません。
 なお、作中のような知覚が日常的に続いて戻らないのであれば、病気といえるかもしれませんが、この作品のように解離自体を本人が悩まず、社会生活にも順応しているのであれば、治療の対象ではないと思います。主人公の親御さんだって、小説家ってそんなもんか位にしか思わないんじゃないでしょうか。
 
 心身二元論というのは私たちの実感には合いそうにみえますけど、ちょっと考えれば維持するのは難しい考え方なので、こういう路線で作品を作ろうとしたら結構大変そうに思います。
 ただ、それでもこれをやるなら、肉体的な存在の方が周囲から疎外されていて危機にあるのに精神の「私」がそれをどうすることもできないとか、いまとは逆の筋になりそうに思います(そういうのが「現実に居場所がない」ということだと私は思います)。
 あるいは小説で成功する路線なら、一例ですが、まるで精神が書いているようにみんな言うけど、実は手が書いているのだ、というたぐいの逆転の発想を力技で押し切る方が、挑戦的というかやる意味がありそうに思います。
 少なくとも精神と肉体とが分離するなら、その自分の精神と自分の肉体との対立や軋轢というのがまず自分の中にあるはずです。本作のように、分離することによって内面的には何の問題もないまま、主人公の全能感を周りの人たちが承認してくれるかどうかにすべてがかかっているかのような存在認識というのは、小説の構造としても単純すぎるでしょう。
 作中の主人公も、彼女がいるなら、打ち明けて玉砕すればよいことです。主人公がネットの相談に投稿して当然のように煽られてるのは、主人公がなさけないというより、必要な衝突を作者が避けているだけだと私は思います。

2017-11-18 03:54

180.12.49.217

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