作家でごはん!鍛練場

『まだなのに』

佐藤弘明著

これまで若い女性が主人公の作品を書いた経験がないので、取り組んでみました。ご意見うかがえると幸いです。

「おめでとうございます」
「は?」
「妊娠されてますよ。たぶん、第4週に入っているんじゃないかしら。とりあえず、今日の検査結果を見る限り、異常はないですね」
「……」
「ええっと、木嶋さんは今、おいくつですか?」
「……」
 女医の質問に対し、木島理沙子は、すぐには頭が回らなかった。
「_____ あの、木島さん?」
「あっ、はい。すいません、何ですか?」
「年齢を教えてもらえるかしら」
「あっ、あの……」
 温和な表情を浮かべる女医。彼女の視線から逃れるように数秒うつむいてから、
「今年で27歳です」
 嘘をついた。本当は25歳。
 __________ 年齢をサバ読むことなんて、これまで一度もなかったのに。それも上に……。
「そう」
 女医はやさしく頷いてから、カルテに何やら記入する。
 理沙子は嘘をついてから、あることに気づいた。この病院の診察を受ける際、受付に渡した診察券と保険証。あそこには自分の生年月日が書かれている。つまり、嘘の年齢を言ったことは、すぐにばれてしまうはず。
 恐る恐る女医の顔色を窺うも、相手の表情に変化は見られず、相変らず口元には微笑を携えている。生まれつき、そういう顔立ちなのだろうか。
「じゃあ、とりあえず、うちの産科に伝えておきますので、そちらで次の診察日を話し合ってください」
「はあ……」
「木島さんはタバコは吸われますか」
「いえ。吸いません」
「お酒は?」
「まあ、たまには。週に1、2回くらいですけど。そんなに強いほうじゃないので、たくさんは飲みません」
「そうですか。まあ、これからはできるだけ控えてください。今、お仕事はされているんですよね」
「あっ、はい」
「体を動かすことは多いですか」
「いえ、事務の仕事なので、基本的には座りっぱなしです」
「そう。でも、長い時間同じ姿勢をとり続けると、むくみや腰痛などを引き起こす恐れがあるから、気をつけて。ときどき、軽いストレッチをしたほうがいいかも。あと、上司の方にはできるだけ早めに妊娠のことを伝えて、周りの理解を得たほうがいいですよ」
「はぁ」
 機械的に頷くしかなかった。目の前の「事実」に感情がついてこない。
「あと、何かご質問はありますか?」
「ええっと……」
 __________ 質問って言われても……。
「あっ、いえ……、_______ 大丈夫です」
 その表情が全然「大丈夫」そうには見えなかったのだろう。女医は、自分の回転椅子をクルリと45度くらい回し、理沙子と正面から向き合った。そのとき、初めてわかった。
 _________ この先生、意外と若い。まだ40歳にいくか、いかないくらいじゃないの。
「ねえ、木島さん。あなた、今回が初めての出産でしょ? 最初のときはみんな、わからないことだらけだし、不安で一杯なの。でも、きっと大丈夫だから。うちの産科にもいい先生はたくさんいるし、もしあなたが希望するなら、別のクリニックを紹介することもできる。まずは旦那さんとよく話し合って、今後の方針を考えてみて」
「……あっ、ありがとうございます」
 喉の奥から、お礼の言葉を何とか口に出す。
女医の顔は、菩薩のように穏やかで慈愛に満ちていた。しかしなぜか、人間味が感じられない。銅像と話しているような、絵画の世界の人物と向き合っているような。そんな印象が拭えなかった。理沙子の胸中にうずまく不安に対して、彼女の励ましがあまりにも的外れだったからだろうか。


 病院の外に出ると、心地よい冷たさを羽織った秋風が頬をなでる。上空には青空が広がっている。先週まではまだ残暑が厳しかったが、やっと秋らしくなってきた。
 理沙子は正面入口の自動ドアから病院の外に出たが、そこからしばらく足を前に進めることができなかった。
 __________ 妊娠? だれが? 私が? ……なんで?
 入口の前でボーと立ち尽くしている自分の脇を、何人もの来院者が通り過ぎる。
駐車スペースには数分おきに黄色いタクシーが停まり、老人たちがおぼつかない足取りで後部座席から出てきては、家族に支えられながら病院の中へ消えていく。
理佐子も、それと同じくらいフラフラとした足取りで駅のほうに向かう。ずっとここで立ち止まっているわけにはいかない。
 _________ 早く会社に行かないと。今週中に片づけなきゃいけない仕事がたまっているんだから。
 前を見ず、自分の足元だけを見つめながら歩いていると、
 キーッ!
 理沙子の正面から走ってきた自転車が、急ブレーキをかけた。自分が相手の進路を妨害してしまったようだ。
「ごめんなさい」
そう謝るも、野球帽をかぶった初老の男は、小さく舌打ちする。そして、何も言わず自転車のペダルをこいでいった。
 理沙子はできるだけ道の脇を歩きながら、地下鉄の入口へ向かった。ファミレスの窓に映る自分の顔が、別人のように思えた。


 いつ頃からだろうか。男性の体に嫌悪感を抱くようになったのは。
 小学校に上がる頃から、その兆候はあった。
理沙子は一人っ子。家の中にいる男性は父親一人。父が嫌いだったわけではない。それでもいつからか、あごひげの剃り残しが、両足のすね毛が、腕を上げたときTシャツの隙間から見える黒い物体が気色悪く感じるようになった。
父と一緒にお風呂に入っていたのは、小学3年生の夏頃まで。でも、小学校に上がった段階で、苦痛でしかなかった。自分の体を洗っているときも、湯船に浸かっているときも、できる限り父のほうを見ないようにした。
「友だちはみんな、お父さんとはもうお風呂に入っていないの」
 3年生の2学期が始まる頃に、そう伝えた。父に直接ではなく、母に相談し、母から伝えてもらった。母曰く「さびしそうにしていた」らしいが、これ以上は無理だった。何かの拍子で、父の体を直視してしまったときは、夢にまで出てきたのだから。
 同年代の男子への嫌悪感はまだ芽生えていなかったものの、中学生くらいから少しずつ変わってきた。
「第2次成長期に入ると、男子も女子も体毛が濃くなり……」
 保健の授業で先生から教わった内容が、目の前で現実のものとなっていた。教室での授業はまだしも、半袖・半ズボンに着替える体育の授業は憂鬱だった。
まして、夏のプールなんて……。
周囲の状況から目を逸らすために、魚のようにいつまでも水中に潜り、無我夢中で泳いでいたことを昨日のように思い出す。
 当初は、体毛の濃さなど、いかにも「男性的」な部分に嫌悪感を抱いているのだと思っていた。しかし中高生の男子の肌は、その大部分がツルツルで、父とは明らかに違う。運動部の男子などは引き締まった体で、真っ黒に焼けていた。その姿に「キャー、キャー」言っている子もいた。
 でも、理沙子は気持ち悪くて仕方なかった。ゴツゴツした肩が、4つに割れた腹筋が、羽のように隆起した肩甲骨が……。
 ___________ プールのとき、女は上半身まで隠しているのに、どうして男は下しか履かないの。男にも全身の水着を着させればいいのに。
 そんなことまで考えてしまった。
 高校2年生の夏、あるテレビドラマが放送され、女性からの人気を博していた。男子高校生たちが、全国初の男子シンクロ部をつくるために奮闘する青春ドラマ。10代のアイドルたちが海パン一丁になって、激しい動きを見せる内容が話題を呼び、クラスメイトの女の子たちも毎週話題にしていた。理沙子にとってショックだったのは、自分と同類だと思っていた友だちの反応。
「本当きもい、肌見せんな」
「私、毛深い男とか無理! 10メートルは離れてほしい」
 そんな言葉を口にしていた子たちも、このドラマには興味津々だった。たしかに、客観的に見れば、アイドルたちの体は「きれい」と言って差し支えなかった。無駄な贅肉はついておらず、白くきれいに引き締まった体。わきも脚もおなかも、くまなくツルツル。見苦しい体毛は、すべて剃り落としているのだろう。
「ねえ、理沙子は見ないの? 結構おもしろいわよ」
母もこのドラマにはまっており、よく声をかけてきたが、いつも無視して2階にある自分の部屋に上がっていた。
 理沙子の感覚はまったく変わらない。水泳の授業で、男子の体が視界に入ったときと同じ悪寒に襲われた。
 __________ やだ、やだ、見たくない!
 もはや美醜の問題ではなかった。
 _________ ゴキブリが白くなろうが、ピンクになろうが、結局はゴキブリ。それと同じ。私には無理。


 中高6年間は彼氏どころか、男子と親しく話す機会もほとんどなかった。それでも、大学に進んでからはサークルやバイト、ゼミなどで活動範囲が広がり、必然的に男子とも交流を持つ機会が増えていく。そんな中で、一人の男子と親しくなった。
 メガネをかけ、線が細くて、色白。中性的なタイプで、身長は理沙子とそう変わらなかった。だから、自然と距離を縮められたのだろうか。あと大きかったのは趣味。本、漫画、ドラマ、映画、音楽、舞台、音楽、お笑い芸人……、どのジャンルでも好みが一致。もともとは興味がなかった分野でも、彼から、
「これ、おもしろいよ」
と言われて見てみると、9割以上の確率で心に刺さった。
 _________ こんなに趣味が合う人っているんだ。
 最初は驚きの気持ちだったが、それが好意に変わるには差ほど時間はかからなかった。それとともに、小学生時代から続く自分の「感覚」が脳裏を過ぎったが、それに関しても少し変化が生まれていた。あいかわらず、男性の体に対する嫌悪感は消えなかったものの、中学・高校の頃よりは幾分緩和されるようになった。サークルのイベントや文化祭で男子がふざけて上半身裸になっても、表面上は何とか冷静さを保つぐらいのことはできるようになった。
 __________ こうやって慣れていくのかも。
 そんな気持ちが強まった頃、例の男の子から、
「この前言ってた映画のDVDを借りたんだけど、うちに見に来ない?」
「あっ、えっと……」
「なんか予定があるならいいんだけど」
「ううん、行く! 今日でいいの?」
 大きな、本当に大きな一歩だった。表情には出さなかったものの、心臓はバクバクで、膝は震えていた。彼と別れた後、トイレに駆け込むと、顔は真っ赤になっていた。
 彼のアパートはきれいに掃除されており、窓際には小さなサボテンが飾られていた。
「飲み物を持ってくるから、ちょっと待ってて」
「うん」
 そう言ってソファーに腰掛け、バックを床に置く。見るともなく、部屋を見回していたとき、壁際の棚の上に写真が飾ってあった。高校時代の運動会の写真だろうか、4人で肩を組んでピースしている。全員、上半身裸になって。
「うっ!」
 思わず、目を逸らした。動悸が激しくなる。何とか抑えようとするも、その方法が分からず、両手でスカートを力いっぱい握り締めていた。
「おまたせ」
 彼は、グラスに麦茶を入れて運んできた。
理沙子は必死に表情を取り繕いながら顔を上げるも、彼の服装に心臓がまたショックを受ける。さっきまでは普通のデニムを履いていたのに、いつの間にかハーフパンツに変わっている。当然、両足のすね毛がむき出しになっている。思わず、顔を背けた。
「どうしたの?」
「ううん、別に……。___________ ごめん、ちょっとお手洗い借りてもいい?」
「ああ、いいけど」
 理沙子はすぐさまトレイに駆け込み、鍵を閉めた。
 __________ 無理、無理、無理、無理!
 いつの間にか額にはあぶら汗が浮かび、全身が震えていた。それを何とか沈めようと、自分の二の腕を摩る。
「大丈夫、何でもないから、大丈夫……」
 必死で暗示をかけようとした瞬間、
「うゅ!」
 腹の奥から胃液が逆流するような感覚に襲われ、膝をつき、便器のほうへ顔を向ける。
 __________ 彼に聞こえないようにしないと……。
 そんな不安が頭を過ぎるも、自分の感情だけではどうしようもなかった。
結局、昼間に食べたものは全部戻してしまった。
「はぁ~、はぁ~、はぁ~、えほっ!」
 ハンカチで口元を拭い、トイレのドアをソッと開ける。そこからソファーに座る彼の背中が見えた。こちらを振り向く気配はない。
 理沙子は物音を立てぬように注意しながら、トイレからソッと出る。すり足で玄関に向かい、自分の靴を手にとると素早く部屋の外に出た。後ろを振り向かず、素足のまま階段を駆け下りる。そして外の道に出てから、大急ぎで靴を履き、夜道を走っていく。外灯もまばらな暗い路地。駅までの道のりもうろ覚えだったが、とにかく彼の部屋から離れたかった。
 結局、男性の家に行ったのは、それが最初で最後。25歳を迎えるまで、誰とも付き合ったことがない。
 __________ それなのに、なんで? どうして?


「おはよう」
「おはよう」
「おはようございます」
 理沙子が事務職として勤める建材メーカーは、午前9時始業。大抵の社員は、午前8時半頃から出社し始める。
「おはようございます」
 理沙子は、いつもより幾分小さい声であいさつしながら、席についた。すると、すぐに隣の席の亀山さつきが、
「木島さん、おはよう。大丈夫だった?」
「えっ、何が?」
「何がって、この前体調が悪いから病院行くって言ってたじゃない? なんか最近、顔色が悪かったし、大丈夫だった?」
「ああ、うん。別に何でもなかった。季節の変わりめだから、軽い風邪を引いたみたい」
「あ、そう。良かったね」
 笑顔でそう言ってくれる同僚に、理沙子もぎこちなく笑顔を返す。さつきとは入社時期が同じで、ランチにもよく一緒に行く。、それでも、病院での診察結果については相談できない。
 __________ 私だってまだ信じられないのに。
 心の中には相変らず疑念と不安が渦巻いていたが、今はとりあえず仕事に取り組む。主に営業部のサポート役として、契約に関するさまざまな書類をつくるのが主な仕事。いつも4、5人の依頼を同時進行で進める上に、
「ごめん、これ急ぎで」
と言われることも多い。パソコンのキーボードを無心で叩いていると、すぐに正午を迎えた。
「木島さん、今日、お昼一緒にどう? 橋の向こうにタイカレーのお店が新しくできたらしいよ」
「ごめん。今日、ちょっと銀行に行く用があるの」
 さつきの誘いを申し訳なさそうに断ってから、オフィスを出る。会社からできるだけ離れた客の少ないカフェに向かった。
カフェオレと軽食を注文してから、スマートフォンを取り出す。そして、ある言葉を検索する。「妊娠の兆候」と。店内には知り合いは誰もいないはずなのに、なぜかひと目が気になる。
 すぐにいくつもの情報サイトが出て来た。
「『妊娠かな?』と思った人へ」
「カリスマ産科医が教える初めて出産」
「登録者300万人。妊婦のための応援情報サイト『B&B』」
 その中から妊娠の兆候についてまとめていると思われるサイトをクリックする。
「月経が来ない」「食欲が落ちる」「夜だけでなく、昼間も強い眠気に襲われる」「体全体がだるい」「トイレに行く回数が増えた」「微熱が続く」など、さまざまな兆候がイラスト付で紹介されている。それらを一つずつチェックしていくが、どれも今の自分には当てはまらない。
 __________ やっぱり、信じられない。あのお医者さんが間違ったんじゃないの?
 そう疑いながらも、あの病院で言われた「第4週に入った」という言葉が頭に残っていた。指でスマフォ画面をいじりながら、別のサイトをのぞく。そこには、妊娠から出産までの流れが表にまとめられていた。
『最初の1か月は超初期、2~4か月は初期、5~7か月は中期、そして8~10か月が後期』
 初期のところを拡大し、さらに読み進める。
『初期の中でも特に2か月目(4~7週目)が大切な時期です。絶対過敏期と呼ばれ、妊婦の体内では赤ちゃんの外形や臓器がつくられていきます。この時期に薬を飲む場合、慎重に服用する必要があります。判断に迷ったら、かかりつけの病院や医師にすぐ相談。アルコールやタバコも制限し、激しい運動は避けましょう。重い荷物を持つ、階段を昇り降りするなどの行為が原因で流産するケースもあるため……』
「はい、アイスカフェオレとシーフードサンドをお持ちしました」
 店のウェイトレスの声にビクッとし、反射的にスマフォの画面を手で隠す。
「どうも」
「ごゆっくりどうぞ」
 自分の目の前に置かれた飲み物とサンドイッチを見つめるも、すぐには手が出ない。視線をテーブルの下に向け、左手でおなかの辺りを軽く摩る。
 _________ 赤ちゃんの臓器が形成されているって? うそでしょ?
 笑みを浮かべようとするも、強張った表情しかつくれない。スマフォをカバンの中にしまい、アイスカフェオレが入ったコップにストローを差す。口をつける瞬間、
 ________ カフェインはいいのかな。
 そんな疑問が頭に浮かんだが、すぐにかき消す。
 窓の外では、スーツ姿の男女が途切れることなく、行き来していた。


 自宅に帰り着いたのは夜8時。
「おなか空いた~」
 独り言をつぶやきながら、近所のスーパーで買った野菜や卵を冷蔵庫に入れる。相変らず体調に変化はなく、吐き気を催すこともなければ、臭いに敏感になったとも思えない。そんな状況は理沙子にとって喜ばしいことなのだが、ますますあの病院での診断が謎だ。
 __________ 産婦人科で診察を受けろって言われたけど、どうしよう?
 ここ何日か同じことをずっと考えているものの、未だ答えは出ない。
 __________明日、考えよう。今日はもう疲れた。
 素早く食事を済ませ、お風呂の用意をする。昔からの習慣で、夕食を食べた後すぐにお風呂に入らないと落ち着かない。
バスタブにお湯をためている間に、服を脱いで、洗濯カゴの中に放り込む。まだお湯は半分くらいしかたまっていなかったので、しばらく洗面所で待つ。鏡の前には裸の自分が立っている。
 鏡を見つめながら、お腹の肉をつまむ。ただし大した量ではなく、脂肪というよりは皮膚を引っ張っている感じに近い。昔からあまり体重を気にしたことがなかった。食べる量が多い割りに、体重はほとんど増えない。
 __________ それも、これから変わるの?
 おへその辺りを軽くさすりながら、角度を変えて、体型を確かめてみる。以前の自分と何も変わっていない、少なくとも外見は。
 いつの間にかバスタブのお湯は溢れそうになっていた。


 夜はすっかり涼しくなり、冷房を入れる必要はなくなった。窓を少しだけ開けて網戸にしておくと、鈴虫の音色が聞こえてくる。
お風呂から上がり髪を乾かして布団に入ると、すぐに眠気が襲ってきた。毛布を羽織って、そのまま眠りの世界へ。昔から寝つきがよく、一度眠りに入ったら、滅多なことでは目を覚まさない。この日もそうだと思っていたのだが……。
___________ んっ? 何?
 異変に気づいたのは何時頃だろうか。妙な音が聞こえてくる。
_______えっ、何これ? 猫の鳴き声?
 最初はそう思った。眠気に身を任せ、無視しようかと思ったが、謎の声は一向に収まらない。
「……っなんなのよ」
 布団から這い出て、開けていた窓を閉める。声は止み、部屋は静寂を取り戻す。理沙子は目をこすりながら、布団にもぐりこむ。そして、再び眠りに落ちるも、すぐにまた耳障りな声が聞こえてくる。
 _________ なんで? 窓は閉めたのに。
 その声はアパートの外からではなく、もっと近くから響いてくる。不規則なリズムで、小さく弱々しい声。でも、決して消えない。
 _________ これ……、猫の鳴き声じゃない。……子ども? 赤ちゃん?
 理沙子は布団に横たわったままの状態で、左右の壁に目をやる。ここのアパートはシングル向けの物件。小さい子どもを持つ住人などいないはず。
 その声はいつまでも経っても消えない。どこから聞こえてくるのか。少なくとも両隣の部屋ではない。
 __________ 1階の人?
 理沙子は布団から少しだけ体を出し、床に耳を当てる。けれど、何も聞こえてこない。声はもっと近くから響いてくる。決して大きくはないが、それはまるで何かに音を遮られているような……。理沙子と「声の主」の距離は、もっともっと近い。
声は、部屋の中央付近から聞こえてくる。ちょうど真ん中あたりから。
 __________ 真ん中って……。
 仰向けになった状態で自分のお腹、へその辺りに恐る恐る目を向ける。すると、さっきまで聞こえていた声がピタリと止む。次の瞬間、
「あっ~、あっ~、ぎゃああ~、ぎゃああ~」
「ひぃ~!」
 布団から飛び起き、電気のスイッチを押す。
「はぁ~、はぁ~」
 自分がさっきまで横になっていた布団の上には誰もいない。声も聞こえてこない。
 _________ 何、今の? さっきの声はどこから?!
 布団から目を離し、自分の下腹部に視線を向ける。
「嘘でしょ?」
 _________ ここから聞こえてきた? だって、だって、そんなこと、ありえない……。
 理沙子は洗面所に行き、鏡の前に立ってパジャマの上着を捲し上げる。自分の腹部はさっきと何も変わっていない。どこから、どう見ても湯上りのときと同じだ。
 ________ じゃあ、さっきの泣き声は何?
 その疑問に誰も答えてくれない。
しばらく鏡の前で立ち尽くしていたものの、不意に冷蔵庫のほうに向かい乱暴にドアを開けると、中から中ハイの缶を取り出す。そして、一気に飲み干した。とてもじゃないが、素面のままで眠りにつけるとは思えなかった。
『妊娠2か月以降はアルコールを控えるように』
「うるさい!」
 自分の頭に浮かんだ文字をかき消すように叫ぶと、空になった空き缶をゴミ箱に投げ入れた。


 その日は、同僚が病欠していたこともあり、自分に仕事が集中し、始業から忙しかった。午後2時を過ぎた頃に、やっとお昼休憩を30分とることができた。
 _________ 今日は時間がないから、コンビニでいいや。
 財布とスマフォを持って席を立つ。会社の階段を下りながらスマフォをいじると、すぐに着信履歴に気づく。登録していない番号から午前中だけで3回もかかってきている。
 _________ 誰?
 その番号に電話をかけると、すぐにつながった。
「はい、慶天堂総合病院産科です」
 その声を聞いて「しまった!」と思った。先日診察を受けた病院が連絡をとってきたのだ。自分から電話をかけておいて切るわけにもいかず、
「あの、すいません。今日の午前中に、そちらから何回か電話をもらったようなんですけど」
「お名前を窺ってもよろしいですか」
「木島理沙子です」
「木島様ですね。少々お待ちください。_________ はい、はい、先週うちの婦人科を受診されて」
「はい、そうです」
「婦人科の先生から妊娠の報告を受けて、うちの診察スケジュールに予定しておいたんですけど、まだいらっしゃってないですよね」
「はい……」
 自然と声が小さくなる。
「あの仕事とかでいろいろ忙しいとは思いますけど、4~7週間の時期は流産する危険性が高いですし、いろいろな検査も必要なんです。専門の先生にできるだけ早く診てもらわないと」
「……」
 _________ どうしよう……。
 立ち止まっている理沙子の横を、幾人もの人が通り過ぎていく。
「あの……、ごめんなさい! 私が連絡するのが遅くなったのがいけないんですけど、実は先週から家の近くのクリニックで診てもらっているんです。そこのお医者さんからは、今のところ問題ないって」
「あっ、そうなんですか。それなら良かった。いや、私たちのほうでも診察に来るのが遅れて、あとあと困る患者さんが少ないから心配していたんですよ」
 受付の女性の声が明るくなる。本当に自分の体のことを心配してくれているのだろう。
「もし、また何か不明なこととや心配なことがあれば、いつでもお電話ください」
 そんな言葉までかけてくれた。
 理沙子は電話を切ってから、しばし放心状態だった。病院とのつながりを自ら断ってしまった。不安があるなら、医者に相談すべきなのに。
 __________ でも、なんて言えばいいの? 相手もいないのに、だれともやってないのに妊娠しましたって。そんな相談したら、頭のおかしい女だって思われるに決まっている!
 短い昼休みは、もうあとわずかになろうとしていた。


 その日、アパートに帰り着いたのは夜8時30分過ぎ。
バックを床に置くと、すぐにスマフォを取り出す。最近は、妊娠や出産に関するサイトばかり見ている、検索履歴のワードには、「妊娠」「出産」「出産の兆候」「妊娠初期に注意する点」「妊婦の体の変化」などといった言葉が並ぶ。とてもじゃないが、他人には見せられない。
 忙しなく指で画面を操作し、情報を漁っていく。
 相変らず体調に変化はない。食欲が下がることもなければ、胸が張ることもない。ただし、生理は遅れている。
 ____________ でも、これくらいのずれは前にもあったから。
 本当に自分は妊娠しているのだろうか。あの医者の誤診じゃないのか。
その疑問をもう何回頭の中で繰り返したことだろう。当然、答えは出ない。本当の答えを知りたければ、病院に行って、もう一度検査をすればいいのだ。でも、その勇気が出てこない。
「それに、あの泣き声はなんなのよ」
 眉間に皴を寄せながら、一人つぶやく。
どこのサイトを見ても、出産前に赤ん坊の泣き声が聞こえてくるなんて情報は載ってない。百歩譲って自分が妊娠しているとしても、まだ初期の段階なのだ。胎児がでんぐり返りをする、母親のお腹を蹴る、そんな変化が見られるのだって、もっともっと先のことなのに。
「本当にわけわかんないっ」
 理沙子はスマフォをソファーに放り投げ、キッチンへ向かう。下の引き出しを開け、中から高さ20cmほどのガラス瓶を出す。梅酒が入っているのだ。
理沙子は酒量はそれほど多くないが、果実酒が好きで、大学時代から自分でつくっていた。完成するまでに時間がかかるため、大切に飲んできた。これまでは週末限定の楽しみにしていたが、あの病院で診察を受けて以降、一口も飲んでいなかった。
 ドンッ!
 ビンをまな板の上に置き、中に入っている梅酒をおたまですくい、グラスに入れる。そして氷を2つ。グラスを手にすると、心地よい冷たさが指から掌へと伝わっていく。でも持ち上げてから、すぐには口に運べなかった。
 __________ この前も中ハイを飲んじゃったんだから、別に一緒だよ。
 自分にそう言い聞かせても、なぜか手は止まったまま。
 結局、グラスに注いだ果実酒は流しに捨てた。
 _________ なんで、こんなわけわかんない奴のために、私が我慢しなきゃいけないの。
 イライラしながら、水を出して食器を洗い始めた。


 その日、会社でいつも通りパソコンに向かって仕事をしていると、総務の女性が書類を持ってやって来た。
「はい、これ。健康診断の書類。そこに書かれた日に行けない場合は、早めに電話してね」
「あっ、はい。わかりました」
 そう言って、書類を受け取る。
「なんか、あっという間だね。1年経つのが年々早くなっている」
 隣の席のさつきが話しかけてくる。理沙子は笑顔で相槌を打ちながら、検診を受ける前に記入する書類の質問項目に目を通す。ある質問に視線が引き寄せられた。
『女性の方に質問です。あなたは現在、妊娠中ですか』
 「はい」と答えた場合、妊娠何週間か答える欄を埋める必要もあった。
「______ どうかしたの?」
「いや、別に」
 さつきに話しかけられ、我に返り、書類をデスクの引き出しにしまう。そして何食わぬ顔をしてパソコンに向かうも、指先は小刻みに震えている。心臓の鼓動も、まるでフルマラソンを完走した後のように激しい。
 ___________ どうしよう、どうしよう……。会社の人にばれちゃう、何て言えばいいんだろう。黙って検診を受けちゃだめなのかな。お医者さんにばれる? いやいや! でも、そうか。そもそもあういうのって、妊娠している人は体に悪いから受けちゃだめなんだよ、たぶん。レントゲン写真とか注射とか。えっ、じゃあ、どうすればいいの? この前みたいに「別の病院で受けます」って言って逃げられないかな。会社のやつはだめなのかな。
 不安が疑問を生み、その疑問が解決されぬまま、また新たな不安が生まれる。手の震えは一向に収まらない。
 いつもは30分もかからない書類づくりに、その日は1時間近く時間を要した。


 10月も半ばを過ぎたというのに、寝苦しい夜だった。ムワッとした粘り気のある空気が窓の隙間から入り込み、肩に、太ももに、うなじにまとわりつく。
 __________ あっつい~。クーラー、点けようかな。
 そう思いながらも決心が着かず、何度も寝返りを打つ。
 時計の針が深夜2時を指した頃、やっとウトウトしかけてきた。と、そこへ、
「あっ~、あっ~、ぎゃああ~、ぎゃああ~」
 理沙子はガバッと布団から起き上がり、部屋の周囲を見回す。
テレビ、目覚まし時計、本棚、ソファー、観葉植物……。
見慣れた自分の部屋だ。何も変わっていない。声も聞こえてこない。
「はぁ~」
 顔を両手で覆い、その状態のまましばらく動けなかった。
 _________ あの声は一体何なんだろう? 幻聴かもしれない。いや、そうに決まってる。だって、赤ん坊の声なんて聞こえてくるはずがない。そんなものはここにはいないんだから。
 そう自分に言い聞かせながらも、右手はいつの間にお腹を摩っている。相変らず、体調に変化は見られない。食欲はあるし、トイレが近くなることもない。
_________でも……。
少しだけ、ほんの少しだけお腹が膨らんできた。たぶん、ほかの人が見ても変化に気づかないだろう。ましてや、服の上からは何もわからないはず。
 だが、あの病院での診察以降、自分の体型、特にお腹周りを毎日チェックしていた理沙子にはわかる。まな板のように薄かった自分の下腹が、丸みを帯びてきているのだ。それに気づいたとき、鏡から目を逸らさずにはいられなかった。
 理沙子はクーラーのスイッチを入れて、毛布から頭をかぶる。何も考えたくない。考えれば考えるほどわからないことが増えていく。一体、自分の体の中で、何が起きているのか。
 ピクンッ!
「えっ」
 お腹が小さく波打った。
 ピクンッ!
 まただ。間髪入れずに3度、4度と続く。まだ収まらない。場所はおへその下あたり。誰かに指でお腹を押されているような感じ。
 __________ 外からじゃなくて……。
 まるでお腹の内部から指でつつかれているような。その動きは収まるどころか、ますます激しくなっていく。もう我慢できなかった。
理沙子はスマフォに手を伸ばし、救急車を呼ぼうとした。その瞬間、
「あっ~~! いっ、ひぎぃ~」
 鋭い痛みが下腹部を襲う。それは左のわき腹にも、右のわき腹にも広がる。まるでナイフで腹を割かれているような激痛が広がる。
「あっ、ぐっ、がぁ……」
 こんな痛みは味わったことがない。119番を押すことさへできず、布団の上で芋虫のように悶える。
 __________ だれか、だれか、助けて……。
 朦朧とする意識の中で、赤ん坊の泣き声がかすかに聞こえた。


「はい、朝から熱がひどくて……。________ 忙しい時期にすいません。明日は何とか復帰できると思うんですが……。________ はい、本当にすいません。_______はい、じゃあ、失礼します」
 電話を切って、すぐに横になる。
「はぁ~、はぁ~、ぐっ!」
 また差し込むような痛みに襲われる。
 朝、目が覚めたのもお腹の痛みが原因だった。深夜のように失神するほどの痛みではなかったが、腹部全体を鋭い痛みが襲っていた。まるで剣山をお腹に当てられているような。とてもじゃないが、会社に行ける状態ではなかった。お昼頃になっても痛みは一向に収まらず、トイレに行くのすら苦行だった。食欲なんて毛頭ない。
 理沙子は痛みに顔を歪めながら、必死でスマフォを操作する。
『妊娠・大百科一覧』
『妊娠中のママを応援する情報コミュニティー「МIМI」
『産婦人科医・荒木敏江が教える妊娠のポイント』
『子育てママ応援サイト・エープリル』
どのサイトを見ても、妊娠初期の妊婦が体を動かせないほどの激痛に襲われるとは書いていない。
 ___________ わたし、別の病気なんじゃないの。それをあの医者が勘違いして……。
「あっ、あっ、いぃぃ……」
 また大きな「波」が来た。まくらをお腹に当て、唇を噛み締めながら必死にこらえる。額には汗が浮かび、涙がこぼれてきた。
 _________ なんで、こんな目に遭わなきゃいけないの。私、何もしてないのに。
「うっ、ぐぅ~!」
 どれくらい我慢していただろうか、やっと痛みが少し和らぐ。
 理沙子は涙を拭いながら、またスマフォを操作する。
 ________ もうやだ、こんなの。
 震える手で文字を打つ。「流産する方法」と。


「________はい、_______はい。じゃあ、明日の午後2時に行きます。よろしくお願いします」
 理沙子は電話を切ると、自然と顔がほころぶ。
 _________ 良かった~。あとはお医者さんに診てもらって、こんなもの取り除けばいいんだ。理由はもう考えてある。
 頭上に広がる青空は、どこまでも澄んでいる。まるで、理沙子の心と同じように。
 _________ ガンができたら取り除く。それと同じなんだから。これは得体の知れない、化け物。
 結局、激痛に耐え忍ぶこと丸3日。夜もほとんど眠れなかった。その苦しみが理沙子の決心をより強固なものとした。
 _________ 今に見てなさい。
 膨らみつつある下腹部を摩りながら、そう思った。もうすぐこれと切り離される。


 その夜、理沙子はめずらしく夢を見た。
夢の中に出て来たのは、大学時代のメガネの青年。昔と何も変わっていない。視界がぼんやりとし、周囲の状況は判然としない。それでも心地よい風が吹き、どこからともなく甘い匂いが漂ってくる。フワフワとした空気に身を包まれ、体は宙に浮き、彼も寄り添うようにして空を飛び……。
 突然、現実に引き戻される。
「あっ……、いっ、いっ、がぁぁあああっ」
 ナイフで引き裂かれるような痛み。前回と同じ、いや、もっとひどい。
 ________ なんで! 明日、病院に行くのに。
 痛みは収まるどころか激しさを増す。突き刺すような痛みは、おへその周辺だけなく、みぞおち、さらには胸部にも侵食してくる。
「ヴッ~~、ヴッ~~」
 もはや野良犬のようなうめき声しか出せない。
 背中を丸め、シーツをつかむ。その状態を崩せない。
 ________ もう、もう……、やだ。
 ピクンッ、ピクンッ。
 不気味な痙攣が下腹部で起きる。そして、
「ひっ!」
 ___________ なに? なにか動いた! 気のせい、いや違う。絶対になにか動いた。でんぐり返りするように。
 額に汗が浮かぶ一方、悪寒が止まらない。
 ___________救急車、救急車を呼ばないと。
布団に突っ伏したまま、手を伸ばしてスマフォを探す。だが、どこにも見当たらない。
 ___________さっきまでそこにあったのに。
「がぁ~!!!」
 更なる痛みに思わず腰が浮き、脚を切られた虫のようにもだえる。叫んだ瞬間に唇が切れ、血が口の中に流れ込む。
 視界がチカチカし、意識が朦朧とする。下腹部の奥でモゾモゾと動く感触だけが勢いを増していた。


「________はい、_________はい、________そうなんですよ。10月分から家賃が振り込まれていなくて、携帯に何回電話しても出ないから、木島さんのご両親にもかけてみたんですよ。まあ、うちのアパートの保証人でもあるんでね。そうしたら、そっちでも連絡がつかなくて困っているらしくて。会社にも出てないし、友だちのところにもいないらしいんだよ。_________警察? ________まあ……、その可能性もゼロじゃないけど。まあ、そこはご両親と相談してかな。私は両親が代わりに家賃を払ってくれるっていうなら、数か月はそのままにしてもいいけど。でも、来年になっても行方がわからないままだったら、さすがに片づけてもらわないとね。2月、3月になれば、上京してくる大学生も多いし。_____ああ、じゃあ、またこっちから連絡してみるわ。森田ハウスの件はよろしく頼むな」
 男はそう言って電話を切り、アパートの2階に上がる。
 タンッ、タンッ、タンッ。
 目的の部屋は206。
「ここか」
 ポケットから鍵を出し、ドアを開ける。室内の臭いは、それほどひどくはなかった。一応、靴を脱いで部屋に上がりこむ。
「あ~、良かった。良かった。そこまで散らかってねえや。女の人で良かったよ」
 そう言いながら、部屋を見回す。
 部屋には布団が敷かれていたが、なぜか枕や毛布は離れた位置にある。それらを布団の上に戻そうとしたが、
「うわっ! ……なんだ、これ?」
 毛布にねっとりした液体が広がり、ベトついている。よく見ると、布団の上にも奇妙なシミができていた。
「なんだ、これ? 油でもこぼしたのか。変なにおいだな。__________くっせ~」
 毛布を布団の上に戻し、男は部屋を後にした。

まだなのに ©佐藤弘明

執筆の狙い

これまで若い女性が主人公の作品を書いた経験がないので、取り組んでみました。ご意見うかがえると幸いです。

佐藤弘明

221.242.133.246

感想と意見

阿南沙希

こんにちは、読ませていただきました。
おそらくチャレンジとして取り組まれたと思いますが、結局どういう話だったのかよくわからなかったです。

得体の知れないものを産む話か、予期せぬ妊娠の話か、想像妊娠の話か、トラウマ体験の話か…どの要素も中途半端な描かれ方で、何を描きたかったのか不明です。

一つ一つの要素は書き込めば良いものになるので、メインはこれ、サブはこれと決めて筋書きを書いてから取り組むといいと思います。

また、妊娠については、婦人科にかかる前にドラッグストアで売っている検査薬でチェックするというのが一般的です。望まない妊娠ならなおのこと、まずは病院に行かずにそうすると思います。

ただし、着眼点、要素の取り合わせは面白いです。また、現代社会の闇に迫れるものでもあります。もう一度整理して、お話として成り立つようにうまくまとめたらなかなか力のある良い話になるのではないかと。

私はこういう話好きですし、自分が書くのも社会の闇と夢のあわいみたいなのが多いので、作品が増えて欲しいと願っています。ぜひ、頑張ってください〜!

2017-11-09 11:44

126.94.209.1

November Rain

 >「妊娠されてますよ。たぶん、第4週に入っているんじゃないかしら。とりあえず、今日の検査結果を見る限り、異常はないですね」

に始まり、

 >「そう。でも、長い時間同じ姿勢をとり続けると、むくみや腰痛などを引き起こす恐れがあるから、気をつけて。ときどき、軽いストレッチをしたほうがいいかも。あと、上司の方にはできるだけ早めに妊娠のことを伝えて、周りの理解を得たほうがいいですよ」

まで、軽くナナメ見て、そこでやめたんですが、
産婦人科医師が、終始「トンチキ台詞」で、一々【ツッコミどころ満載】すぎて、書き出して「指摘〜具体的説明」すんのも厭すぎる!! って域。。

「知らない事は適当に書かない」ってのも大事な事だよねー。
【鉤括弧でくくらない、台詞として書かない】って方法もあるでしょう??
台詞並べてトンチキが際立って突っ込み満載になるぐらいなら、その方が絶対安全!!(←力説)



主人公が、25歳を27と偽るのも、まず理解不能だったし意味不明で。
トンチキ医師の適当台詞の山を乗り越えて、最後まで付き合ったとしたら「腑に落ちる」・・ようになっていたのだろうか???

2017-11-09 13:34

219.100.86.89

November Rain

この原稿の冒頭の「マズさ」に、「気づける、分かる、指摘できる」のは・・


・妊娠〜出産経験のある人
・その中でも、早期に妊娠を自覚し、婦人科受診した事のある人
・その中でも、妊娠・出産エピのある小説書いた事のある人


だからなぁーーー。。


ごはん鍛錬場で意見募ったところでも、「上記の3つに該当している人」って・・。。

2017-11-09 13:44

219.100.86.89

November Rain

↑ んな奴は滅多にいねぇ訳だから、これでいいじゃねぇか!! って、外野(のごはん男作家)は思うのかもしれない。

だがなー・・


一般的な女性読者が 普通〜に見たとしても、
「?? ・・・。」(=なんとはなしに違和感覚えざるをえない、どうも眉唾っぽい世界)
に、“のっけからなっている” 事だけはお伝えしておこう、かと。


男が書くとねー・・細やかさがなくて、こういうのは歴然とダメダメなんだな。

鍛錬場に上げる前に、自分の「奥さん」か「お母さん」に読んでもらった方がいいかも。
だけど、彼女らが「鋭敏な読者」で「正直感想述べてくれる」とは限らず、

むしろ「そうじゃない」率の方が高いだろうしなー。。。

2017-11-09 13:55

219.100.86.89

偏差値45

詳細は書けているんでしょうけど。
オチが分からない。
長いだけで曖昧で、徒労に終わった感は否めないですね。

2017-11-09 16:13

219.182.80.182

虎徹

佐藤弘明様初めまして。
読ませて頂きました。

文章力もあり引き込まれましたが、この結末は流石に分かりませんでした…。
読者に考えさせるようなオチでもないし、結局何を書きたかったのかなと。

メガネの青年も何か関係しているのかと思ったのですが、結局解りませんでした。

2017-11-09 22:33

223.25.160.10

ドリーマー

こんにちは。作品、拝読しました。

妊娠を題材に扱うのですから、一通りは調べて書かれたのだと思います。
妊娠四週目では尿検査をしても反応が出る可能性は少ないですが、おそらく、それも承知の上ですよね?
冒頭の突っ込みどころ満載の女医の言葉も、読み手が違和感を抱くように狙って書かれたのだとしたら。
そこまではいいと思うのですが……。

でも主人公の、この反応は、ちょっとあり得ないと思いました。
普通、身に覚えが全くないのに、「妊娠している」と言われたら、他の患者の尿と間違えられたのではと疑うか、別の病気を疑うかの、どちらかだと思います。
そして妊娠の可能性は全くないことを、医者に告げるのではないでしょうか。

しかし妊娠していないのに、妊娠しているかもしれない、と思い込む主人公でないと話が進みません。となると男性経験のない主人公というのは、キャラ設定に無理があるのでは。むしろ妊娠と中絶を繰り返し、そのことに全く罪悪感がない女性を主人公にした方が無難だと思います。

後半の赤ちゃんの声や胎動(?)が主人公の妄想ではないのなら、お腹の中にいるのは異生物ということになります。なぜ異生物が入ったのか、なぜ検査すると妊娠と同じ反応が出るのか、という疑問は残りますが、とにかく異生物が入っているわけです、よね?
仮にこの話はSFで、主人公は異生物を産み落として命を落とした、という結末だったとしても、主人公がそういう目に遭う理由が分からないので、読み終えて釈然としません。
例に挙げた命を粗末に扱っていた女性が、最後は異生物(水子たち?)に命を奪われる、という結末なら、まだしっくりきます。

SFなのか、すべて主人公の妄想なのか、それとも途中から主人公の妄想なのか、最後まで読んでもよく分かりませんでした。

自分のことは棚に上げて勝手なことを書きましたが、少しでも参考になれば幸いです。
それでは、失礼しました。

2017-11-09 23:40

118.238.101.200

叶こうえ

 拝読しました。

 冒頭はほんとうに……突っ込みどころが沢山でした。
 他の方が書かれていないことを書きますと、まず四週目の段階で、医者が「おめでとうございます」なんて言わないと思います。尿検査だけでは妊娠確定しないし、産婦人科の手配までしてくれない。エコーで胎嚢を確認できた時点で「妊娠〇週ぐらいでしょうね」とか言うぐらいです。良かったね、と言ってくれる医者はいるかもしれませんが、「おめでとう」はないです。おめでとう、は無事出産したときに言ってくれると思います。それまでは流産の可能性もないとは限らないので、おいそれとお祝いの言葉なんて言えません。
 おそらく作者さんは、テレビドラマや既存の小説を読んで「おめでとう」がありだと思ったのだと推察しますが。
 そして、わざわざ親切に産婦人科から電話してくれることも無いと思います。
 
 私はこの作品を読んで、主人公の心が病んでしまった話なのかな、と思ったんです。
 男の体を見て拒絶反応を起こす、という場面が執拗に描かれているので、そこが作者さんの書きたいことだと感じて。
 他のクラスメイトの女子は男の子の裸(テレビドラマ)を見て拒絶反応を起こすどころか、嬉し楽しそうに見ている。なんで自分だけこんなんなんだろう? とずっと悩んでいて、大学時代にやっと好きになれそうな男の人が現れた。藁にも縋る思いだったと思うんですけどね。この人を逃したらもう駄目かもしれない、ぐらいには主人公も感じていた。だけど部屋にある写真を見て、やっぱり駄目だったと絶望する。
 この主人公は同性愛者、というわけでもなく、誰とも性的交渉を行わずにニ十五歳まで過ごしてきた。
 主人公、可哀そうだなーと思って読んでました。妊娠も、想像妊娠かな、と思った。男の人を好きになれない、でも子供は産みたい。このジレンマで主人公が精神的におかしくなったのかな、と。
 でも、実際に異生物を妊娠している描写になってきて、そこも主人公の妄想なのかな? と読み進めたのですが、最後の第三者の男視点で、ああやっぱり異生物を妊娠して産んだんだ。主人公は死んだんだろうなあ、と。

 私は現実と妄想の境目がなくなっていく話って好きなので、御作を興味深く読んだのですが、他の方の感想と同じく、作者さんがどれを書きたかったにしても中途半端だったように感じます。
 異生物を妊娠した! っていうSFがやりたかったのか、男を好きになれないけど子供は欲しいっていうジレンマだったのか、処女拗らせものなのか、妊娠だと誤診されて主人公がパニックになるギャグ小説なのか。
 一番書きたい話の筋を整理されると良いんじゃないのかなと思います。
 あと、一番気になったのが、――(ダッシュ)です。アンダーバーになってるしやけに長い……変なのーと思いながら読んでました。
 

2017-11-10 01:05

114.149.176.233

佐藤弘明

阿南沙希さま

読んでいただき、ありがとうございます。

貴重な意見、たいへん有り難いです。
(基本的な描写の見落としなどお恥ずかしい限りです)

今後も投稿は続けようと思いますので、また感想など
いただけると嬉しいです。

ありがとうございます。

2017-11-10 10:32

221.242.133.246

佐藤弘明

November Rain 様

貴重なご意見、ありがとうございます。
たいへん参考になりました。

冒頭から描写がおかしいところが目立ち、お恥ずかしい限りです。
今一度、アイデアを練り直したいと思います。

2017-11-10 10:35

221.242.133.246

佐藤弘明

偏差値45 様

読んでいただき、ありがとうございます。

>オチが分からない。
>長いだけで曖昧で、徒労に終わった感は否めないですね。

→ こちらの意見も参考し、冒頭とオチの部分を再考したいと思います。

これからも投稿は続けようと思いますので、
またご意見いただけると幸いです。

2017-11-10 10:38

221.242.133.246

佐藤弘明

虎徹 様

読んでいただき、誠にありがとうございます。

>読者に考えさせるようなオチでもないし、結局何を書きたかったのかなと。

→ これまで他の方に読んでもらう機会がほとんどなかったので、
  率直な意見、有り難い限りです。

ほかの方々からご指摘いただいた冒頭、オチの部分、精査したいと思います。

2017-11-10 10:41

221.242.133.246

佐藤弘明

ドリーマー 様

貴重なご意見、ありがとうございます。

描写やら、テーマやら、粗ばかり多くてお恥ずかしい限りです……。
これまで他の方に読んでいただく機会が皆無だったので、
さまざまなご指摘をもらえて助かります。

今後も投稿は続けていくつもりなので、またご意見いただけると
嬉しいです。

ありがとうございました。

2017-11-10 10:45

221.242.133.246

佐藤弘明

叶こうえ 様

貴重なご意見、ありがとうございます。

>一番書きたい話の筋を整理されると良いんじゃないのかなと思います。

>あと、一番気になったのが、――(ダッシュ)です。アンダーバーになってるしやけに長い……変なのーと思いながら読んでました。

→ 特に上記2点注意して、今後に生かしたいと思います。

投稿は続けようと思いますので、またご意見いただけると幸いです。

2017-11-10 10:47

221.242.133.246

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