作家でごはん!鍛練場

『早春プリズム』

地獄極楽丸著

光の中で感じたゆるい三角関係における生と死と愛について今書きました。
よろしくお願いします。

僕は、まだ肌寒さを感じる大学の隅っこにあるオープンカフェで松岡と一緒にコーヒーを飲んでいた。
「おまえ梓(あずさ)とやったんだって あれカオリンの親友だぞ」と松岡はしかめっ面して言った。
僕らは大学の文学部というところにいて8割の女子の中で過ごすための小連隊を組んでいた。
梓もカオリンも僕と同じ学科だった。カオリンは僕の彼女という体裁を取っていた。
「俺はおまえのことをいたって生真面目な奴がふざけたことをやっているのを知っているけど端から見たら異常性欲者か精神破綻者のようにしか映らないんじゃないか」
彼はコーヒーに口を付けずに話し続けた。
「いずれカオリンにもバレると思うよ」
「だろうね」と僕が答えた。
二つのサイコロを振って自分に一番有利な出目を出せるような技術はないことは知っていた。かといって自暴自棄になっているわけでもなかった。
早春の陽光が鼻腔を擽った。

大学に入って圧倒的な女子の多さと自由度の高さを感じた時にどんな女子のひざの上にもはまる猫の生き様と心地よさを察知していた。
女子高育ちのカオリンからチョークとタンポンを摩り替えたり、これ見よがしにスカートの中を下敷きで仰いで挑発したりする女子高生時代の話を聞いて
無抵抗に銃殺される道を選んだ。無様に生きた分美しく死にたいという気持ちが芽生えた。
梓のほうから何かと声をかけてきた。飲みに行こうとしつこく誘ってきた。カオリンは「別に行ってもいいわよ」というようなスタンスだった。
カオリンとは、なにかの信頼感で結ばれているというわけではなかったが、飲みに行くことすら止めるような彼女面が自分性分にあわなかったのだろう。
梓は、カオリンとは逆のタイプで白くてちっちゃい中学生のような女子だった。野生の王国のような他の学部に行ったら結構人気が出るんじゃないかと思わせるような
可愛らしい容姿だった。
他の学部の奴はハーレム状態だなとありきたりなことを言ったりしたが、出荷前の生理用品のダンボール箱に入れられたような息苦しさがあった。

「それでどうなったんだ」松岡が聞いてきた。
「飲んだ帰りに部屋に誘われた」と僕が答えた。
僕はセックスとは一番遠い感じの彼女に少し好奇心を持った。
僕は、避妊具を付けると射精しないことを彼女に伝えた。それでも彼女は僕を受け入れた。
「でもおまえ万が一妊娠でもしたらどうするつもりなの?」と松岡が言った。
「嫁にもらう」
「参考になるわ」と松岡が笑った。
非常に単純な論理が働いていた。この状態の女は、僕と同じかそれ以上にルーズかあとは僕のことが好きで嫁にもらってほしいか、人のものを奪いたい習性があるか。
言葉にすると二度と学校に行けないほど傲慢な奴と罵られることも知っていた。異性からの冷たい事実は女子受けしない。

カオリンに昼食に誘われた。地下の食堂で待ち合わせをした。いつもどおりの昼食時の学生の不規則な雑踏の中で緊張を隠した僕がカオリンに声をかけた。
「春めいてきたわね」と彼女は言った。いつもとは違うギクシャクした会話の気まずい食事が終わると僕らは図書館と学部棟の間にある石畳を散歩した。
歩いていると何人かに声をかけられた。このエリアでは手を繋ぐこともハグすることもほっぺたのあたりならキスすることも躊躇はなかった。
サンクチュアリの掟さえ破らなければ。お互い梓を挟んだ会話は意図的に避けてることはわかった。

バサッバサッと植栽から大鷲が飛び立って潤んだ太陽から放たれる陽光を遮った。ドサッと何かすぐ横の植え込みに降ってきた。
カオリンは悲鳴を上げてしりもちをついた。僕は息を飲んで立ち尽くした。女の人が流血して倒れている。石畳に眼鏡がとんでいる。
「救急車?警察?」
「救急車を」眼鏡を拾いながら僕が言った。
人垣ができて大学職員が飛んできた。暫くして救急車が到着した。
タイヤの付いた台に乗せられて車の中に収容された。随伴者を探し第一発見者が選ばれた。合理的な選択だとは思ったが、みんな厄介事は嫌いだった。
カオリンが二人乗れるかどうか聞くと僕を引っ張って救急車に乗った。
カオリンは、僕のほうを見ると「私、転んだ時、屋上に居る人影を見たの」と小声で言った。
僕は、「誰にも言わないほうがいいよ」と忠告した。事実なら仕事にしてる人が専門的に調べるだろうから。
待合室にいると家族の人や警察の人が慌しく蠢いた。どうやら飛び降り自殺に失敗したらしい。
植栽にバウンドしてクッションになり落ちたところが土だったので奇跡的に軽症ですんだようだ。
僕は家族の人にレンズの割れた眼鏡を手渡した。おかあさんらしき人は何度もお礼を言った。
就職も決まって卒業間近の4回生が、あるひとつの単位を出してもらえずそれを苦にした自殺の決行だったらしい。
職務に忠実な要注意の教授が何人か在籍していた。賛否両論あるのかもしれないが、このときはもっと融通がきかないものかねと思っていた。
実際レポートで済む様な教授も多数居た。
一応、連絡先を警察に聞かれて解放された。

病院の外に出ると「日が長くなったね」と僕が言った。
「キャベツが無料のあの焼き鳥屋に行きたい」と彼女が言った。
誰かとなにか話したいそんな夕暮れだった。
彼女は、酔っ払って「私は本当に見た」というようなことを繰り返しいうとコンビニで下着を買って僕の部屋に泊まった。
休みに入って暫く彼女と会ってなかったが、久しぶりに廊下で友達といる彼女を遠目に見つけた。
ふわっといい匂いをさせてすれ違う間際に「また、嫁にもらわれ損ねた」と彼女は言った。
僕は、ガラス越しに前より少し力強くなった陽光を眺めて立ち止まった。

早春プリズム ©地獄極楽丸

執筆の狙い

光の中で感じたゆるい三角関係における生と死と愛について今書きました。
よろしくお願いします。

地獄極楽丸

58.183.26.178

感想と意見

November Rain

まずつまんなそうなんで、軽くナナメ見た範囲で・・


話になっていない。「話として成立していない」というか、「各エピが繋がっていない」。
必然性のない、曖昧模糊、筆者自己満足駄文になっちゃってる。

誰のこともマトモに描けていない(必要な描写が絶対的に不足している)し、
「余計なこと」で「なんとな〜く」だらだら紙幅使ってて、
全体にピンボケはなはだしい。


作中の投身自殺(未遂?)が、完全に作者都合の添え物でしかなく、
「そんな扱いなら、出さなきゃいいじゃん!! キャラの命がかわいそうだと思わないのか?? 思わないんだろうなー」って。

ここのサイト、
【唐突な性描写に走る & 誰か殺さないことには話作れない人】多すぎ。

「そんなんなんくとも、成立する物語」が、【書かれるに足るストーリー】なんだと思うよ???



あ、うちの大学、飛び降りは多かった感じで、
ほぼ毎年出ていた。

2017-11-07 19:20

219.100.86.89

虎徹

地獄極楽丸様初めまして。
読ませて頂きました。


生と死と愛についてとのことですが、薄っぺらなエピソードが中途半端に並んでいて、内容がサッパリでした。
比喩や言葉選びは凝ってるんだろうなとは感じましたが私の読解力の無さもあるかもしれません、所々躓いて、すんなり読めませんでした。

以上です。お気を悪くされましたらすいません。

2017-11-07 20:45

223.25.160.53

岡田寄良

拝読しました。
面白かったです。
最近の純文学の作品のようでいて、大江健三郎の死者の奢りをかなり爽やかにしたような雰囲気の作品だなと感じました。
恋愛、妊娠と自殺、死を対比させているのがこの作品の肝かと思いました。(どちらも未遂ですが)

2017-11-07 21:23

182.250.248.225

偏差値45

>擽った。
読み方:こそぐって、くすぐって

>彼女面が自分性分にあわなかったのだろう。
しっくりこない。

>女子のひざの上にもはまる猫の生き様と心地よさを察知していた。
>バサッバサッと植栽から大鷲が飛び立って潤んだ太陽から放たれる陽光を遮った。

比喩にこだわりがあるのかな。
逆にそれゆえに分かりにくいと言えるかもしれない。

全体的にはプレイボーイの一コマという感じでね。
物語としては物足りない。

2017-11-08 06:04

219.182.80.182

地獄極楽丸

◇あのときどうだったのか(自分用)
・作家でごはん!という小説サイトで辛口の批評家が登場して面白がっていたこと
・少々投稿に飽きていたが、急に思いついて投稿してみようと思ったこと
・テーマはだいたい同じことしか書けないので即興で作ったこと
 今回のテーマ「避妊具を付けると射精しないこと」
・前回晩秋から冬を書いてみて煩ったので冬から早春も書いてみようと思ったこと

◇登場人物
僕:閉鎖空間で集団心理に取り込まれれば居心地よく生きられることを知っているのに
  またして性分でギリギリを攻めようとするいたずらっ子。ストレイシープ【stray sheep】
カオリン:僕の彼女でいつもの自立した女性を目指すしっかりものの女
梓(あずさ):いつもの謎の美少女
松岡:僕の男の友人
   意図は不明確であるが、僕が集団からはぐれそうになると戒めてくれる。シープドッグ【sheep dog】

◇音楽
全編通してPrince - When Doves Cry(1984)が僕の中に流れていること
『When Doves Cry (鳩の鳴くとき)邦題:ビートに抱かれて 』
ラストの僕とカオリン達がすれ違う場面はジョージ・ベイカー『リトル・グリーン・バッグ』
映画『レザボア・ドッグス』裏切り者?のオープニングをイメージしています。

◇状況
自由が溢れかえる世界で僕が閉鎖空間に迷い込んだこと
人が地面に当たる瞬間=死を見てしまったこと
生も死も偶然にしか過ぎないと確信したこと
もはや個人で解決できるような問題は少なくて
恋愛のような関係性でなければ説明できないこと
道標はうすらぼんやり差し込む陽光しかないこと


取り急ぎ

2017-11-08 19:07

58.183.26.178

地獄極楽丸

November Rainさん 
じっくりよむと冒頭とラストに謎があって自分でも笑えます。
テーマ「避妊具を付けると射精しないこと」
生殖行為と快楽の間に居る自分を嘲笑しているのだろう。
三角関係を除いてもいったって真面目な背徳感。
ゆっくり見直して加筆やリライトできる心境に達するようなことがあれば
やってみようと思います。
ありがとうございました。

2017-11-10 09:15

58.183.26.178

地獄極楽丸

虎徹 さん
スチュエーションコントのようなもので
比喩や言葉選びは凝っているつもりはありません。
思い付きを書いてます。
情事を重ねる僕と女子を二匹の鳩と率直に書かなかったことを後悔してます。
ありがとうございました。

2017-11-10 09:22

58.183.26.178

地獄極楽丸

岡田寄良 さん
一発目の弾丸は僕の頬をかすめて飛んでいった。
という感じですかね。
今回はがっつりカミュを借用しています。
すぐれた洞察力と見識を持ってる人なんだろうと思いました。
ありがとうございました。

2017-11-10 09:26

58.183.26.178

地獄極楽丸

偏差値45 さん

読み方:くすぐった
なんで光がくすぐるのよ?ってことなら、埃や花粉が飛んでいる。それが見えたのかも知れない。虚栄心をくすぐられたのかも知れない。

>彼女面が自分性分にあわなかったのだろう。
間違ってますよね。
>彼女面が自分の性分(彼女(カオリン)の性分)にあわなかったのだろう。
知識階級の女性のジレンマという感じですかね。

よく読んでもらっているようで
ありがとうございます。

奇跡的に軽症ですんだようだ。  ○軽傷ですよね。
病院の外に出ると「日が長くなったね」と僕が言った。  適当な文すぎて自嘲します。

2017-11-10 09:39

58.183.26.178

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