作家でごはん!鍛練場

『うそつきホームラン【原稿用紙50枚程度】』

加宮著

小学三年生の女の子が書いた作文風の物語に挑戦してみようと思って書きました。漢字も、小学三年生程度で習う漢字しか使っていません。
ひらがなばかりで読みづらいかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
テーマとしては、「本当の家族を取り戻す」という感じです。
子供の文体が物語にちゃんとマッチしているか、テーマがちゃんと伝わっているかを見ていただきたいです。
また、他の箇所でも感想をいただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。

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 わたしが一番こわかったのは、バットでなぐられることでした。わたしが、おなかが空いて、ないていると、お父さんは、おし入れから、バットをもってきました。お父さんは、バットを思いきりもち上げました。こわい顔でした。バットが、わたしのうでをたたいた時は、目の前がまっ黒になって、まっ白になって、何も見えなくなりました。いきもできなくて、むねが気もちわるくて、はきそうでした。たたかれたのはうでなのに、むねが気もちわるくなるなんて、ふ思ぎだなあと思いました。
 わたしがすごくないたので、となりの人は、げんかんをあけて、大声でおこりました。わたしは、お父さんにおこられました。それでまた、わんわんなきました。お父さんは、おこると、すごくこわいです。おこってなくてもこわいので、おこってると、もっとこわいです。一日中いたくてないていたので、お父さんは「ねられない」と言って、家を出て行ってしまいました。わたしは、それで、またなきました。となりの人が、またおこりました。
 でも、朝になると、お父さんは帰ってきて、わたしを車にのせました。わたしは、どこに行くんだろうって、ワクワクしていました。ついたのは、白いたてものの、びょういんでした。わたしが、うでがいたくてないていたので、お父さんが、びょういんにつれて行ってくれたのです。こんなにやさしいお父さんはひさしぶりで、わたしは、とび上がりたくなりました。でも、うでがいたいので、がまんしました。
 おいしゃさんに見てもらったら、わたしのうでは、おれていました。お父さんは「ちっ」と言って「なんでそんなかんたんにおれるんだよ」と、ひざをゆらしてました。
 今まで、火けどしたり、青いあざができたり、はなぢが出たりしたことは、たくさんあったけど、こっせつは、はじめてでした。やっぱり、おいしゃさんのところに行くのは、わるいことなんだなあと、思いました。お父さんはおこってるし、テレビでも「どうしてこんなになるまでほうっておいたの!」と、おこるお母さんの人を見たことがあるからです。
 ようちえんにも、ほいくえんにも、行ってなかったので、わたしは、いつも、一人で家にいます。家はアパートで、へやは一つだけなので、お父さんがいる時は、お父さんと二人でいます。れいぞうこの中には、お父さんのビールが、たくさん入っています。コロッケや、からあげも、れいぞうこに入っています。本当はお父さんのだけど、おなかが空くと、わたしは、こっそり食べます。お父さんは、おしごとから帰ってくると、れいぞうこを開けます。わたしが勝手に食べたのに気がつくと、「ちっ」と言って、わたしを見ます。でも、たたかれないので、わたしは食べます。
 お父さんは、朝ごはんを食べません。おきたら、すぐに、おしごとに行きます。お父さんがおきると、わたしもおきてしまうので、わたしは「いってらっしゃい」と言います。お父さんは、何も言いません。
 お父さんがおしごとに行くと、わたしは、れいぞうこを開けて、朝ごはんを食べます。食パンがあることがあるので、食パンを食べます。たまごがあると、目玉やきを作ります。わたしは、台どころは、とどかないので、お風ろにある小さなイスをもってきます。フライパンは、ちゃんとあらわないと、お父さんがおこります。でも、目玉やきは、おいしいので、フライパンはちゃんとあらいます。
 こっせつしてから、わたしは、バットが、こわくなってしまいました。お父さんは、わたしがこわがるのを見て、よろこびます。バットの一番先の、丸くてひらべったいところを、わたしに近づけます。そうすると、わたしの体は、びくっとします。お父さんは、こわい顔でわらいます。わたしは、近じょの犬を思い出します。わたしが思い切り手を上げると、犬は目をつむって体をびくっとさせます。ああ、わたしと同じだなあと、思います。
 お母さんには、一ども会ったことがありません。しゃしんも見たことがないので、お母さんのことは、ぜんぜん知りません。お父さんに聞いたら「死んだ」と言われました。お父さんは、くるしそうな顔でした。わたしは、お母さんの話をしないようにしました。お父さんは、おしごとでつかれてるので、死んじゃったお母さんを思い出すのは、かわいそうだと思ったからです。

 わたしは、小学校に入りました。クラスの中で、わたしだけ、ようちえんや、ほいくえんに行っていませんでした。わたしは、ビックリしました。でも、もっとビックリしたことがあります。六月になって、体育で、プールのじゅぎょうをした時です。クラスのみんなの体が、すごく白くて、きらきらしていました。わたしは、みんなの体を見て、いいなあと思いました。
 先生が、毎朝、わたしだけに「今日は体でいたいところはない?」と、聞いてくるようになりました。わたしは「いたくない」と言っています。でも、先生は、わたしが学校にいる間に、わたしの家に来て、お父さんに会うそうです。お父さんは「お前が学校でいい子にしないからだぞ。ふざけるな」とわたしの頭をたたきます。すごくいたいです。
 二年生の冬、夜、わたしの家に、けいさつが来ました。わたしは、パトカーにのせられて、どこかにつれて行かれました。たいほされるんだ、と思いました。すごくこわかったです。けいさつの人がわたしに何か話しかけていました。でも、こわくて何を言っているのかわかりませんでした。
 わたしは、前に「こっせつです」と言われたびょういんにつれて行かれました。けいさつは、ベッドでねている人の顔から白いハンカチを外して「お父さんで、まちがいないかい」と聞きました。わたしは「お父さんです」と言いました。
 けいさつは「お父さんは、おしごとから車で帰る時に、お酒をたくさん飲んでいて、じこをおこしたんだ」と言いました。わたしは「死んじゃったの」と聞きました。けいさつは、わたしの頭をなでました。死んじゃったんだ、と思いました。けいさつは、わたしの足の青いあざを見ました。「どうしたの」と言われたので「お父さんです」と答えました。
 それから、わたしは、びょういんでねました。朝おきると、またパトカーにのせられました。近じょの、ほいくえんみたいなたてものにつきました。おにわで、たくさんの子たちが、あそんでいました。六年生みたいに大きな子もいたし、わたしより小さな子もいました。
 立っぱな黒いイスにすわった白いかみの女の人が「今日から、しばらくここでくらすのですよ」と、わらいました。わたしは「はい」と答えました。おにわにあそびに行くと、四年生くらいのお兄さんが「ここは、じどうそうだんしょという場しょなんだよ」と教えてくれました。
 学校には、じどうそうだんしょから通いました。クラスの頭のいい子に「じどうそうだんしょって知ってる?」と聞きました。「かわいそうな子が集まるところだよ」と言いました。
 じどうそうだんしょでは、六人の子がいっしょのへやでねます。わたしが来て二日後に、一人、じどうようごしせつというところに行きました。「じどうようごしせつって知ってる?」と同じへやの子に聞きました。「どうでもいい」と言われました。
 じどうそうだんしょのベッドは、白いにおいがしてねむれませんでした。わたしはいつもたたみの上でねていたので、においがちがっておちつきません。
 じどうそうだんしょに一週間いると、知らない大人の人がわたしのところに来ました。夕島さんというおじさんとおばさんでした。遠いところに住んでいた親せきの人だと言われました。少しお話しすると、そのおじさんとおばさんはすぐに帰りました。じどうそうだんしょの人たちが、「いい人だね」「仲良くなれるといいね」とわらったので、わたしは知らない大人の人がどうしてわたしと友達になりたいのかなあと、ふ思ぎでした。
 一週間後、またおじさんとおばさんが来ました。何を話したのか忘れちゃったけど、前より長く話しました。おじさんとおばさんはいつもにこにこしていました。
 三回目に来た時には、ゆう馬というお兄さんもいっしょでした。
「あのおじさんたちは、あんたを引きとろうとしてんだよ」
 おにわであそんでる時、六年生のお姉さんが教えてくれました。そして、とつぜん、わたしの頭をたたきました。お父さんのより全ぜんいたくなかったので、わたしはお姉さんの顔を見ました。お姉さんは「教えてやったんだから、なぐったっていいいでしょ」と言いました。わたしは「教えてくれてありがとう」と言って頭を下げました。しばらく立ったままぼーっとしてると、白いかみのおばさんが来て、「こわいこと思い出してしまったのね。大じょうぶ。よの中ね、本当はやさしい人の方が多いのよ」と、わたしの目の下をハンカチでふきました。
 じどうそうだんしょの人に「夕島のおじさんとおばさんをどう思う?」と聞かれました。わたしは、何も思ってませんでした。なので「やさしい人だと思います」と答えました。おばさんが「本当はやさしい人の方が多い」と教えてくれたのを思い出したからです。
 土曜日の朝、わたしは、夕島のおじさんの車に乗りました。すごく遠かったので、わたしは車の中でねてしまいました。おじさんにおこされて目を開けると、大きな家がまどから見えました。「いっしょにおいで」
 おじさんに手をつながれて、わたしはその家に入りました。夕島の家は、二かいだてでした。おにわもあって、へやがたくさんありました。テレビを見るへや、ごはんを食べるへや、おじさんとおばさんのねるへや、ゆう馬お兄ちゃんのへや。夕島のおばさんが、二かいのわたしのへやにもつれていってくれました。わたしは、むねがドキドキしてうれしくていっぱいでした。
 二年生が終わって春休みになりました。わたしは、じどうそうだんしょを出て、夕島の家でくらすことになりました。
 四月になってわたしは三年生になりました。新しい小学校にてん校です。
「この四月から、みんなといっしょにべん強する、ゆうしまゆうなさんです」
しぎょうしきの日に、青木先生が、わたしをしょうかいしました。みんながはく手をしてくれて、うれしかったです。

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 あたたかいにおいがします。ごはんのお茶わんが、ほかほかしています。おみそしるも、もわもわしています。たまごやきとソーセージとお野さいが、平べったいおさらにあります。パックのなっとうもあります。みんな、おいしそうで、きらきらしています。
夕島の家は、六時半にみんなでいっしょに朝ごはんを食べます。夕島おばさんが、コップにお茶をいれて、テーブルにおきました。夕島おじさんのとなりにすわります。ゆう馬お兄ちゃんは、中学校のせいふくにきがえて、わたしのとなりにすわります。わたしは、ようふくをよごしてしまうので、パジャマのままです。
「いただきます」
 みんなで手を合わせて、言います。小学校みたいに「手を合わせてください」と言わなくても、夕島の人はみんな「いただきます」の声がいっしょになります。すごいなあと思います。
 わたしは、たまごやきを食べたくておはしをもちました。すると、夕島おばさんが、体をのばして、わたしの手とおはしをそっともちました。
「ゆうな、おはしはね、にぎるんじゃなくてね、下のおはしはささえて、上のおはしだけ動かすのよ」
 きのうと同じことを夕島おばさんは言いました。ゆっくりしたやさしい声でした。わたしは、わたしにお母さんがいたら、夕島おばさんみたいに教えてくれたのかなあと思いました。わたしが、ぷるぷるしたおはしで、たまごやきをとると、夕島おばさんは「そうそう。ゆうなは、上手ね。すぐに、ちゃんともてるようになるよ」とわらいました。
 わたしは、たまごやきを食べました。たまごやきが、体の中を通って、下に落ちていくようなかんじがしました。通ったあとが、たまごやきであたたかくなります。パジャマの上からぐしゃぐしゃってしたくなります。へんなかんじがして、気もちがわるいからです。
「ねえ、お父さん、また、いつでもいいから、キャッチボールしようよ」
 ゆう馬お兄ちゃんが言いました。夕島おじさんが「いいぞ。じゃあ、土日に時間があったらやろうか」と、ごはんを食べながら言いました。ゆう馬お兄ちゃんは、うれしそうな顔で「やった」と言ってから、ほかほかしたごはんを食べました。二人は、あたたかいごはんを食べても、ぐしゃぐしゃしません。わたしは、ぐしゃぐしゃしたくなるから、きらきらしていても、あまり、ごはんを食べたくありません。食べてはいけないと思うからです。朝ごはんをいっしょに食べるのは、家ぞくで、わたしは、家ぞくではないからです。本当の名前は、夕島ゆうなではないのに、小学校では、夕島さんとよばれるからです。
 夕島おじさんとゆう馬お兄ちゃんは、二人で、よくいっしょに野きゅうをします。ゆう馬お兄ちゃんは、中学校で野きゅうぶに入っています。ゆう馬お兄ちゃんは、エースなんだと、わたしは思いました。この前、二人でキャッチボールをしていて、なげるボールがはやくて、目が回りそうだったからです。
「ゆう馬お兄ちゃん。エースって、チームで一番の人のことなんだよね」
 わたしが聞くと、ゆう馬お兄ちゃんは「そうだよ。一番のピッチャーのことなんだ」とわらいました。夕島おじさんも「お兄ちゃんはな、一年生の時からエースなんだぞ」と、うれしそうです。
「やめてよ、自まんするみたいで、はずかしいじゃないか」
 ゆう馬お兄ちゃんと夕島おじさんが、わらい合っています。わたしは、いいなあと、思いました。二人は、家ぞくなんだなあと思いました。わらった顔が、とても、同じだからです。
「ごちそうさまでした」
 わたしは、立ちました。きらきらしたごはんが、ほかほかとテーブルにあります。夕島おじさんたちが、目の前にいます。いるのに、わたしの目からとおくなっているような気がしました。わたしだけ、わたしの近くにいて、夕島の家ぞくの人は、わたしとはちがうところでわらっています。
「おなかいっぱいになっちゃった」
 わたしは、夕島の人たちに言いました。かいだんを上がって二かいに行きます。まだねむたくて、目に目ヤニが入ってしまいました。目を、パチパチとうごかすと、目ヤニがしみて、なみだがでてきました。わたしは、あわてて走って、わたしのへやに、にげました。まだ、おなか空いてるのに、うそをついてしまったからです。

「おはよう」
 学校の前の信号で待っている時、同じクラスの子が声をかけました。名前はわからなかったけど、出せき番ごうが、一番の女の子でした。春休みの間に、お父さんが、びょう気で、死んじゃったみたいです。始ぎょうしきの日に、クラスの子たちがなぐさめているのを見たからです。
「あたしは今日、日直なの。夕島さんは、来るの早いんだね。いっしょに教しつ行こうよ」
 女の子は「学校のことで、わからないことあったら、聞いてね」と言いました。お母さんが死んだようには見えなかったので、わたしは聞きました。
「お父さんが、しんだの、かなしくないの」
「かなしいよ。かなしいけど、お父さんは、お空の上から、あたしを見てくれてるから」
 女の子は、わらいました。かなしいのに、わらうなんて、ふ思ぎだなあと思いました。
「わたしもね、お父さん、死んじゃったんだ。同じだね」
 女の子は、おどろいたみたいでした。目が大きくなったからです。でも、わたしの手をにぎって、わたしをじっと、見てきました。
「わたしもがんばるから、かなしくても、がんばろうね。あたしには、もう、家ぞくは、お母さんしかいないけど、お母さんは、がんばろうって言ってくれるの。いなくなっちゃったお父さんも、あたしも、大切な家ぞくだからって」
 わたしは、お父さんが死んでかなしかったのか、わかりませんでした。だから「わたしには、家ぞくはいないよ。お母さんは、むかしに死んじゃったし、お父さんも死んじゃったから」と言いました。女の子が、わたしの手をつよくつかんだので、わたしはいたくて、女の子の手をどけて、先に歩いていきました。夕島のおじさんたちのことを、女の子はしらないはずでした。
 教しつに入って、黒ばんの前の大きなつくえから、名ふだをとりました。ドッヂボールのボールをもって、グラウンドに行きました。すみっこにある、高い野きゅうのあみに、ボールをなげてあそびました。ゆう馬お兄ちゃんみたいに、はやいボールはなげられませんでした。つかれたので、ボールをもってもどりました。下たばこで、上ぐつに、はきかえました。
「夕島さん、一人でボールあそびしてたんだー」
 下たばこのろうか下にいた、同じクラスの女の子に言われました。名前は知りません。「さみしいー」と、となりにいた子も言ってきました。二人は、わたしの前に立って、わたしがろうかに出るのを、じゃましてるみたいでした。
「ねえ、夕島さんのお父さんとお母さんって、本当のお父さんとお母さんじゃないんでしょ。ただの、知らないおじさんと、おばさんなんでしょ」
 二人は、わらっていました。わたしは、二人のよこを通って行こうとしました。。でも、二人は、体をうごかして、わたしの前に立ちました。
「むしするなんてサイテー」
「先生に夕島さんにいじめられたって言っちゃおうかなー」
 二人が、どうして、わたしにいじわるを言うのか、わかりませんでした。でも、わたしのことをいじめたいなら、ランドセルから、はさみや、えんぴつを出して、思いきりつきさせばいいのになあと思いました。そうすれば、すごくいたいのになあと思いました。でも、それは、すごくいたいので、わたしはいやでした。
 わたしは、もっていたボールで、二人の体をおして、むりやり、ろう下に出ました。早く、教しつにもどりたかったからです。すると、後ろから、声がしました。
「あんたなんか、みんなにきらわれちゃうよ」
「どうせ、おじさんにも、おばさんにも、きらわれてるんだ」
 わたしは、立ち止まって、ふりむきました。二人は、にやにや、いやな感じに、わらいました。
「おじさんと、おばさんのところに行って、わたしをあいしてーって、言ってきたら?」
「どうせ、おじさんと、おばさんも、あんたのこと、きらってるけどねー。本当の家ぞくじゃないんだからさ」
 二人は、きゃっきゃわらっています。わたしは、もっていたボールをぎゅうっとしました。くやしいのか、かなしいのか、よくわかりませんでした。でも、目があつくなってきました。
「あー泣いちゃったー」
「べつに、あたしたちわるくないし。あんたにお父さんとお母さん、いないのがわるいんだし」
 わたしは、ほほを、ふくのそでで、ふきました。ボールをもったまま、ずんずん歩きました。「な、何」
「文くあるの」
 わたしはふりかぶったボールで、一人の頭を思いきりなぐりました。その子は、よろよろうごいて、ろう下にすわって、なき出しました。
 もう一人が「サイテー! ぜったいに先生に言うから」と言いました。わたしは、その子のむねを思いきりつきとばしました。ランドセルからろう下にたおれました。その子の顔を、ボールでなぐりました。何ども何ども、なぐりました。はじめ、その子は「やめて、やめっ」と言っていましたが、なぐってると何も言わなくなりました。
「夕島さん、やめて!」
 後ろからボールをとられました。日直の女の子でした。わたしは、むねの名ふだを見ました。わたしとほとんど同じ女の子は、秋山さんという名前でした。
「大じょうぶ? ケガしてない?」
 秋山さんが、二人にティッシュをわたしていました。わたしは、二人に「夕島おじさんとか、先生とかに言ったら、ころすからね」と言いました。二人は「ごめんなさい……」と小さな声で言いました。むかし、お父さんが、たんにんの先生に言ったらころすからな、と言っていたのを思い出しました。
 朝の会がおわった後、わたしと二人は、青木先生によばれました。「下たばこでケンカしていたって聞きました」と青木先生が言いました。二人は「ケンカしてません。ボールであそんでました」と言いました。わたしも同じことを言いました。青木先生は「学校の中で、ボールであそんじゃいけません」と言いました。どうして、わたしの方ばかりじっと見てるのかわかりませんでした。でも、わたしは、わたしの、ぼう力じけんが、ばれなくてよかったなあと思いました。

 夕島おじさんは、いつも七時に帰ってきます。夕島おじさんは小学校の先生をしていて、いそがしくても七時に帰ってきます。夕島おじさんが、スーツからきがえると、夜ごはんです。
「ゆうなは、学校はどうだった。楽しいこと、あったか?」
 夕島おじさんが、ネクタイをとって言いました。わたしは「ドッヂボールでなげるれんしゅうをした」と言いました。ぼう力じけんのことが、頭にうかびました。でも、夕島おじさんは「そうか、そうか」とわらいました。うれしかったです。
「お父さん、おかえり」
 ゆう馬お兄ちゃんが、おにわから入ってきました。顔があせでいっぱいでした。なんでだろうって思ってたら「ごはん食べる前に、すぶりしておこうと思ってさ。かるく二百本ふっちゃった」と言いました。
 夕島おじさんは「がんばってるな」とうれしそうでしたが、フライパンから大きなお皿に、りょうりをうつしていた夕島おばさんが「ちゃんとバットはしまいなさいよ。いつも、にわに、たてかけてあるんだから」と、おこったように言いました。わたしは、ドキドキしてゆう馬お兄ちゃんを見ました。ゆう馬お兄ちゃんは「わかってるよ。後でやっておくよ」とわらっていました。わたしは、ゆう馬お兄ちゃんが、おこられてるのにわらっていているなんて、しんじられませんでした。
「そういえば、今日、ドリームスのかんとくと会ったんだけど。ゆう馬たちがそつぎょうしてから、チームの人数がへって、チームもよわくなって、こまってるって言ってたぞ」
 夕島おじさんが、ゆう馬お兄ちゃんがおこられてるのに、ふ通に話をしていました。夕島おじさんは、スーツをハンガーにかけていました。ゆう馬お兄ちゃんが、たたんだようふくを、夕島おじさんにわたしています。
「お父さん、コーチに行ったら? 教えるのうまいし、れんしゅうは日曜日だけでしょ」
「まあ、それはいいんだけど。ゆう馬のチームメイトの兄弟で、ドリームスに入ってくれそうな人っていないか」
 夕島おじさんは、いっしゅんだけ、カーテンにかくれると、へやできるようふくに、きがえました。ドリームスは、しょう年野きゅうのチームです。ゆう馬お兄ちゃんは、小学校の時に、ドリームスに入ってたそうです。前に、夕島おじさんが、話していました。ドリームスは、日曜日に、わたしの小学校のグラウンドで、れんしゅうしています。
「わたし、野きゅう、やってみたい」
 夕島おじさんとゆう馬お兄ちゃんが、わたしを見ました。二人とも、うれしそうな顔でした。わたしは、言ってよかったなあと思いました。わたしがバットがこわいのを、みんなは知りません。でも、お父さんは死んじゃったから、たぶん、大じょうぶだと思います。
「ゆうな、本当か」
 夕島おじさんが聞いたので、わたしは「うん」と言いました。
「今どの日曜日、れんしゅうにさんかしよう。お父さんから、かんとくに言っておくよ」
「よかったね、お父さん。ゆうなも、がんばれよ」
 ゆう馬お兄ちゃんが言います。野きゅうは、バットがこわいしか思ったことなかったけど、何だか、楽しみになってきました。
「ゆうな。野きゅうはな、楽しいぞ。とくに、ホームランをうって、ベースをいっしゅうして、ホームに帰ってくる時は、さい高だ」
「じゃあ、わたし、ホームラン打てるように、たくさんれんしゅうする」
 わたしは、テレビの野きゅう中けいを思い出しました。おきゃくさんのいるところまでボールをとばすとホームランです。うったせん手がジョギングしながらホームベースに帰ってくると、ベンチにいたせん手たちがわらって出むかえます。ホームランをうったせん手も、わらいます。夕島おじさんの言うように、きっとホームランをうつことよりも、ホームに帰ってくるしゅん間の方が、うれしいんだろうなあと思いました。
「じゃあ、ゆうな。これから、まい日、すぶりしよう。キャッチボールもしよう。お兄ちゃんが教えてあげるよ」
「うん」
 ゆう馬お兄ちゃんがわらっています。日曜日が、楽しみです。

 つぎの日、学校の下たばこに行くと、二人はいませんでした。教しつに入ると、二人は、まどのせきで、かたまっていました。わたしは、ランドセルをおいて「おはよう」とあいさつしました。二人は、おはようも言わずに、わたしからにげ出してしまいました。教しつから出て行ってしまったので、わたしはおいかけました。二人は、あわててるみたいに、走ってにげて、理かしつに入りました。なので、わたしも、理かしつに入りました。
 二人は、大きなテーブルにかくれていました。わたしは、二人の前に立ちました。二人が「ひっ」と言ったので、わたしは、シューズでおでこをけりました。わたしがけった子は、頭の後ろをテーブルのかべにぶつけました。大きな音がしました。音がうるさいので、わたしはけるのをやめて、そうじのロッカーから、ほうきをもってきました。ぼうの先っぽで、上から下につくように、頭をなぐりました。ぼうは、先っぽの方でなぐられた方がいたいのです。たまにしっぱいして、顔に、ぼうの先っぽが当たってしまいました。あとが目立つので、なるべく顔に当たらないように気をつけないといけません。わたしは、お父さんから同じようなことをされたことがあるので、やり方も、どれくらいいたいかも、よくわかっています。なぐっていると、二人は「ううー」と言いながらなき始めました。本当にこわいと、「きゃ」みたいな、女の子の声は出ません。わたしは、自分の体で知っています。
 しっぱいをたくさんしちゃって、二人は、なみだだけじゃなくて、はな血もたくさん出していました。
「つかれたから、おわろうかなあ。つかれたけど、続けようかなあ」
 わたしがなやんでいると、二人は、体育ずわりをして、うつむいて「もうやめて。もうやめて」と小さな声で言いました。
 わたしは、声を聞いて、こわい顔でわらいました。
何だか、お父さんの気もちがわかった気がしました。二人を、むかしのわたしみたいに、いためつけると、気もちが、おちつきます。夕島のあたたかい家にいる時の、あたたかいごはんを食べる時の、ようふくの上からむねをぐしゃぐしゃしたくなる気もちが、どこかに行きます。テーブルにすわっていたらいけないんじゃないかって思う気もちが、どこかに行きます。だから、おちつくんじゃなくて、気もちがいいのだと思います。二人をなぐると気もちがいいです。さい高です。やめられない気がしました。
「先生とか親に言ったら、本当にころすからね」
 理科室は、ほこりっぽくて、目がへんです。わたしはすぐに出て、目をパチパチとさせました。
 教しつに行くと、秋山さんが、いました。
「夕島さん、大じょうぶ? 何かいやなことあったの?」
「楽しいことがあったんだよ」
「自分にうそをついたら、ダメだよ。夕島さん」
 秋山さんは、なきそうな顔をしていました。ポケットからハンカチを出すと、だまったまま、わたしの目の下をふき始めました。
 じどうそうだんしょでも、同じことがあったなあと、わたしは思い出しました。わたしは、自分の気もちが、よくわかりません。

 まちにまった、日曜日です。わたしは、夕島おじさんといっしょにグローブをもって小学校のグラウンドに行きました。グローブは、ゆう馬お兄ちゃんが、むかしつかっていたやつです。わたしは、毎日、おにわで、すぶりをしていました。ゆう馬お兄ちゃんが、わたしの手や体をもって、フォームを教えてくれました。
「そうだ、ゆうな。お兄ちゃんが言ってたぞ。ゆうなは、すじがいい。きっと、いいバッターになれるって」
 歩きながら、夕島おじさんが言いました。わたしは、とび上がりたくなるほど、うれしかったです。夕島おじさんは「でも、お手本を見せようとしても、『ホームランをうつのはわたしなの!』って、バットをはなしてくれなくてこまった、って言ってたな。ははは」
ホームランをうてるようになりたいです。早く、し合をして、思いきりうちたいです。

 れんしゅうがはじまる前に、自こしょうかいをしました。きんちょうしたけど、ちゃんとできました。ドリームスには、同じクラスの二人もいました。わたしが「おはよう」と言うと、下をむいてしまいました。
 ランニングとキャッチボールをした後、中学年と高学年にわかれて、れんしゅうです。中学年は、ファールの三るいベースの近くでミニノックをします。コーチがうったボールをとって、コーチのとなりに立つ人にボールをなげます。
 サングラスをかけたコーチが、ボールのたくさん入ったバケツをもって。いよいよ、ノックがはじまります。わたしは、ドキドキしてきました。
「よろしくおねがいします」
 四年生の男の子が、大きな声で言います。その後、みんなで「よろしくおねがいします」と言います。夕島おじさんが、ネットの後ろから、わたしのことを見ていました。わたしは、がんばるぞ、と思いました。わたしは、れつの一番うしろにならんでいます。まだ、新人だからです。同じクラスの二人は、わたしの前にいました。
 コーチの肩に、バットがのって、ぎん色に光っています。
「ボールがころがったら、こわがらずに、前に出てとるんだぞ」
 コーチが言います。声がひくくて、こわいです。みんなが「はい!」と返じをしました。バットは、いつまでも、いつまでも、ぎららと、ぎん色に光っていました。遠くなったり、近くなったりしながら、ぎん色なのに、にじ色に、光ってきました。ゆらゆらと光ってきました。
「よし、いくぞ」
 コーチのこわい声が、ゆがんで聞こえました。こわいです。コーチがボールを小さく上になげると、バットをかまえました。わたしにむかって、かまえました。ぜったい、そうです。うそじゃないです。一番後ろのわたしをうつために、バットをかまえたのです。バットが白いボールをうちました。「ぱこん」と音がして、ボールがころがってきます。「ぱこん」という音がやみません。「ぱこん」だったのに「べこん」という音にかわってきました。「べこん」は「ばこん」になって、わたしのおくで、「いたい」になって、言っています。
 四年生の男の子が、ボールにむかって走っていきます。わたしは、くるしくて、むねをおさえました。あせがうでにたれました。たくさんたれました。コーチが、バットをつき出して、何か言っています。バットの先の丸い平べったいところが見えます。つぎの人にじゅん番がかわっていました。また、コーチはバットをかまえます。「ぱこん」。うちます。音がひびきます。ドン、ドンとわたしのおくでひびきます。ひびいてくらくらして、いきができません。ほほがひんやりするなあと思ったら、わたしは、いつの間にか、地めんにいました。
「どうした。大じょうぶか」
 コーチの顔が上に来ました。バットをもっていました。わたしの目の前でした。バットの先っぽが地めんにあって――いきができなくなりました。まわりの風けいが、まっ白になったり、黒くなったり、にじ色になったりしました。
コプッてへんな音がして、じめんに、びちゃびちゃ、とおちました。ピンク色と、はだ色の水たまりに、とうふのつぶれたのや、わかめみたいなみどり色がまざっていました。口の中がすごくすっぱくて、はながつんとします。
 音とか声がなっています。体がうごきません。体が、うきました。少しゆれています。風が当たって気もちがいいです。でも、あたたかいです。不しぎだなあと思いました。
「ゆうな、ゆうな」
 お父さんの声が聞こえました。本物のお父さんなのか、夕島おじさんなのかわかりませんでした。でも、本物のお父さんは、わたしのことを「ゆうな」とはよびません。「お前」と言います。だから、夕島おじさんの声なんだなあと思いました。わたしのことを「ゆうな」とよんでくれるのは、夕島の家の人たちだけだからです。

 まっ白い天じょうが見えました。わたしのへやのベッドです。
「大じょうぶか、ゆうな」
 夕島おじさんの顔が見えました。わたしは「大じょうぶだよ」とわらいました。でも、頭がくらくらして、気もちわるいです。夕島おじさんだけじゃなくて、夕島おばさんも、ゆう馬お兄ちゃんもいました。
「むかしね、お父さんにね、バットでなぐられたの」
 わたしは、言いました。夕島おじさんも、夕島おばさんも、ゆう馬お兄ちゃんも、いたそうな顔をしました。わたしは、なぐったわけじゃないのに、不しぎでした。
「お父さんね、わたしのうでをバットでなぐったの。お父さんはね、こわいんだよ。バットの先っぽの丸いところでね、わたしをつっついてあそぶの。でも、バットでなぐられた時に、ほねおれちゃったから、お父さんは、なぐってこないの。つついて、こわがるわたしであそぶだけなの」
 夕島おじさんは、ないていました。「ごめんな、ゆうな。お父さん、そんなことがあったなんて、知らなくて……」と、言いました。わたしは、夕島おじさんは、何もわるいことしてないのに、どうしてあやまるんだろうなあと思いました。
「ゆうながこわい思いしてるの知らないで、野きゅうの話ばっかりして。むしんけいだった。ごめん。もう、野きゅうは、やめよう」
 わたしは、夕島おじさんの言ってることが、わかりませんでした。
「どうして。わたし、野きゅうやめないよ。だって、ホームランうてるようになりたいもん」
「ダメだよ」
 夕島おじさんは、強い声で言いました。わたしをにらむみたいに見ています。
「どうしておこるの」
 わたしは、こわくなりました。ふあんになりました。
「わたしが、たおれたから、おこるの? おいしゃさんに、行かないといけないから、おこるの?でも、わたしは、おいしゃさんに行かなくてもいいから、おへやにいるんじゃないの。ねえ、なんでおこるの。わたし、わからないよ」
 夕島おじさんは、こわい顔から、やさしそうな顔になりました。でも、おこっているみたいで、こまっているみたいで、かなしんでいるみたいで、どれなのかわかりませんでした。
「ごめん、かんちがいさせちゃったね。お父さんはね、ゆうなをかなしい気もちにさせちゃった自ぶんのことを、おこってるんだよ」
 夕島おじさんは、わたしのかみをなでました。
「本当に? じゃあ、わたしは、わるい子じゃない?」
「ああ、当たり前だじゃないか。ゆうなは、いい子だよ」
「じゃあ、野きゅうやっても、いいんだよね。そうだよね」
 夕島おじさんは、何も言いませんでした。こまっているみたいに見えました。前はよろこんでくれたのに、どうして、今はかなしそうなのか、わかりません。
「今まで、自分ですぶりしても、平気だったんだよね」
 夕島おじさんが、聞きました。わたしは「うん」と、言いました。
「どうしても、どうしても、やりたいのか? やらなくちゃ、いけないのか?」
 わたしは、すごく気もちがわるかったけど、がまんして、たくさんうなずきました。
「わかった」
 夕島おじさんが、うなずきました。
「体がよくなったら、お父さんたちと、野きゅうをしよう。もちろん、バットをもつのは、ゆうなだ。ゆうなが、バッターだよ。それで、野きゅうは、おしまいにしよう。やくそくできるね」
 わたしは、すごく気もちわるかったけど、たくさん首をふりました。いやでした。夕島おじさんも、ゆう馬お兄ちゃんも野きゅうをやっているのに、どうしてわたしだけ野きゅうをしちゃいけないのか、わかりませんでした。わたしは、本当に、わからないことばかりです。
「ゆっくり休むんだよ」
 でも、夕島おじさんは、出て行ってしまいました。夕島おばさんが、ぬらしたタオルを頭にのせてくれました。ゆう馬お兄ちゃんが、ストローでスポーツドリンクをのませてくれました。わたしがたおれたのに、誰も、おこっていませんでした。

 月曜日は、小学校をお休みしました。
火曜日に教しつに行くと、二人が、わたしのせきに来ました。
「夕島さんに、見せたいものがあるの。いっしょに理かしつに来て」
 わたしは、二人について行きました。これから、野きゅうチームでいっしょになるから、なかよくしないといけません。
 理かしつに入ると、二人は、そうじロッカーを開けて、何かをとり出しました。体の後ろにかくしていて、全ぶは見えません。でも、ぎん色のぼうみたいなものが、足のすき間から――。
「じゃーん。夕島さんの大すきなバットだよお」
 わたしの体は、犬みたいに、びくっとなりました。二人が、わらいました。こわいかおで、わらいました。
「こうすると、もっとうれしいんだよねえ」
 バットを思いきり、ふりかぶりました。お父さんでした。お父さんと、同じでした。
 心ぞうがいたいです。ドンドンといって、ゆびの先とか、頭の中とかがしびれてきて、体全ぶが、心ぞうになったみたいでした。
「夕島さんって、むかしのお父さんに、ぎゃくたいされてたんでしょう。それで、今のお父さんと、お母さんのところにいるんでしょう。かわいそー」
 バットをもった子が、遠くなったり近くなったりしています。でも、よく見えます。バットをもった子しか、見えません。それは、お父さんだからです。お父さんが近づいてきます。ドンドンいいます。わたしの目の白いところも、ドンドンいって、いたくなりました。目まで心ぞうです。わたしの右うでに、当たりました。丸くて平べったいぎん色です。目で見たとたん、体いっぱいに、電気が走りました。当たったのはうでだけなのに、そっと当たっただけなのに、いたいんです。体中が、本当にいたいんです。バットが、体の中を、たたき回っているみたいでした。わたしは、声を出しました。大きくさけびました。かいじゅうみたいにさけびました。かいじゅうは、自分が何をさけんでいるのかわかってないと思います。でも、何かを、言っています。そして、あばれます。うでをふり回して、体をめちゃめちゃにうごかして、こわしたいのか、こわれたいのか、こわれたくないのか、わかりません。さけびながら、あばれるのです。ぎん色の音が、カランカランと、大きくしました。手に、何かが当たりました。いいえ、わたしが当てているのです。何回も、何回も、当てました。人のほおは、やわらいのに、わたしの手は、いたかったです。なき声が聞こえます。かいじゅうじゃないなき声です。手がいたいです。何もされてないのに、いたいです。わたしが、なぐるから、いたいです。また、いたくなりました。いたくていたくて、ゆかの上にすわっている二人みたいに、たたみの上にねたくなりました。
 でも、わたしは立っています。かいじゅうみたいに立ってなき声を上げました。車をぺしゃんこにふみつぶすみたいに、足を上げて、下ろしました。何回も、何回も、そうしました。足を下ろした時に、なき声が聞こえるからだと思います。わたしのなき声なのか、二人のなき声なのか、わかりません。だから、わたしは、何回も、足を下ろしました。わたしがお父さんにされたように、そうしました。された方は、されている間、何もできません。わたしも、何もできなかったからです。なき声は、かいじゅうみたいに大きくて、でも、人間の言ばでした。わたしの耳に、たくさん聞こえました。
 かいじゅうの足が、とつぜん、止まりました。後ろから、だきしめられたからです。耳のところで、声が聞こえます。女の子のやさしい声でした。なのに、夕島おじさんの声にも、夕島おばさんの声にも、ゆう馬お兄ちゃんの声にも、にていて、でも、夕島の人は、ここにはいません。だって、女の子は「夕島さん、大じょうぶだよ。大じょうぶ」と言っているからです。
 女の子は、わたしの体を回して、目の前で、わたしを見つめてました。泣きそうな目でした。泣きそうな目で、わらいました。
「そんなに、かなしまなくても、大じょうぶなんだよ。本当のお父さんとか、死んじゃったお母さんとか、あたしは、何も知らないけど。でも、大じょうぶだよ。だれに何を言われても、いっしょにいれば、本当の家ぞくなんだよ。だから、おこらなくても、かなしまなくても、だれかをなぐらなくても、大じょうぶなんだよ」
「う」ん、と言おうとして、わたしは、女の子の体に、かいじゅうのビームをはきました。女の子のふくとか、シューズとか、ゆかとかが、びしゃびしゃと、ぬれました。それは、朝ごはんでした。みそしるや、たまごやきや、ほかほかのごはんでした。なきたくなるくらい、おいしくてあたたかい、夕島の家ぞくの朝ごはんでした。

          2

 まっ白い天じょうが見えました。ほけんしつのベッドです。
わたしのベッドのカーテンが、開きました。ほけんしつの先生が「気分はどう」と言いました。体は、いたくありませんでした。
 ほけんしつの先生は「今は二時間目のと中です」と言って、「今日は、もう、お家に帰りましょう。今から、お母さんに迎えに来てもらうから、それまで、ベッドで休んでなさい」と言いました。
「お母さんは死んじゃいました。電話するなら、夕島おばさんにしてください」
 わたしは、ほけんしつの先生に教えてあげたのに先生は「そうだったね」と、しずかに言うだけでした。
 休み時間になると、青木先生がほけんしつに来ました。先生は「秋山さんが、ほけんしつまではこんでくれたのよ」と言って「日野さんと木場さんは、ちょっとしただぼくでね。ねんのためにびょういんに行きました」と言いました。わたしは、自分がかいじゅうになったことを、青木先生が知ってしまったと思いました。
 夕島おばさんが、ほけんしつに来ました。夕島おばさんは、わたしを見ました。おこってるようにも、ないてるようにも、見えました。
夕島おばさんと青木先生が、話しています。夕島おばさんは、頭を下げています。わたしは、夕島おばさんも、わたしの、同きゅう生ぎゃくたいじけんを知ってしまったんだと思いました。
 夕島の家に着くと、お昼ごはんを食べました。あたたかい、うどんでした。
「ほら、おはしは、こうやってもつのよ。がんばって、ちゃんとにぎれるようにしようね。大人になって、こまらないように」
テーブルには、わたしと夕島おばさんだけでした。いつもみたいに話しかけてくれる夕島おばさんに、わたしのむねは、すごく、ドキドキしていました。
「お父さんが帰ってくるまで、へやでゆっくり休んでなさい。お母さんも、いっしょにいてあげるから」
 ごはんを食べ終わると、夕島おばさんが、言いました。わたしは「うん」とうなずいて、かいだんを上がりました。
 夕島おばさんの言う通り、ベッドで、ねようとしました。でも、ほけんしつでたくさんお昼ねしたし、まだお昼なので、目をつむっても、全ぜんねむれません。でも、ねないといけません。ねてないと、夕島おばさんにうそをつくことになるからです。こっそり目を開けると、夕島おばさんは、ベッドのそばで本を読んでいました。かなしいお話を読んでいるみたいでした。夕島おばさんは、ないていたからです。

 けっきょく、ねれませんでした。げんかんが開いて、小さく「ただいま」の声が、聞こえました。ゆう馬お兄ちゃんが帰ってきたんだと思いました。
 夕島おばさんが、へやから出て、下におりて行きました。わたしは、へやに一人になりました。長い間、夕島おばさんは、わたしのへやに、もどって来ませんでした。きっと、ゆう馬お兄ちゃんに、わたしの同きゅう生ぎゃくたいじけんを話しているんだと思いました。
 しばらくすると、ちゅう車場に、車の音が聞こえました。夕島おじさんが帰ってきたのです。まだ五時くらいです。わたしのむねは、ドキドキして、頭がいたくなってきました。へやのとびらが、開きました。足音を数えると、夕島おじさんも、夕島おばさんも、ゆう馬お兄ちゃんも、いました。夕島の家ぞくが、みんなそろって、わたしのへやにきました。
「ゆうな。もう体は大じょうぶか。気もちわるいところはないか」
 わたしは、ねたふりを続けました。おこわれるのが、こわかったからです。
「お父さんとお母さんは、これから小学校に行ってくる。先生のお話を聞いて、日野さんと木場さんの話も聞いてくる。おそくなるかもしれないから、ゆうなは、ゆう馬といっしょに夕食を食べてなさい。お風ろ入って、早めにねて、明日は学校、お休みしよう。お父さん、明日もおしごと早く帰ってくるから。だから、明日、ちゃんと、話をしよう」
 夕島おじさんの声は、やさしそうでした。わたしが、ひどいことをしたのを知っているのに。わたしは、こわかったです。明日から、きっと、夕島おじさんも、夕島おばさんも、ゆう馬お兄ちゃんも、わたしのことを、なぐるようになるんだと思いました。わたしは、わるくてひどい子で、お父さんみたいに、わたしのことをなぐるんだと思いました。やっぱり、わたしは、夕島の家ぞくではないからです。家ぞくでもわるいことをしたらなぐられるのに、家ぞくじゃないわたしは、もっとなぐられるはずです。
 夕食は、ゆう馬お兄ちゃんが、ハンバーグを作ってくれました。夕島おじさんと、夕島おばさんは、夜の九時くらいに帰ってきました。わたしは、自分のベッドで、ずっと、ねたふりをしていました。しんぞうがドキドキいってねむれなかったです。

「お父さんは、ゆうなに、大切な話をしなきゃいけない」
 次の日の夕方、夕島おじさんが、おしごとから帰ってくると、夕島の家族の人が、みんな、テーブルにすわりました。
「正直に言ってほしい。どうして、日野さんと木場さんを、いじめてたんだ」
 わたしは、むねが、くるしかったです。夕島おじさんは、じっとわたしを見ています。夕島おばさんも、ゆう馬お兄ちゃんも、わたしを見ています。
「気もちよかったから」
 小さな声でした。自分でも何を言ってるのかわからないほど、小さな声でした。わたしは、なきそうになってしまいました。前がよく見えなくて、目をパチパチとさせると、ひざの上に、ポタポタと、おちました。
「なぐったりけったりすると、お父さんを思い出して、気もちよかったから」
 夕島の家ぞくの人は、みんなだまってしまいました。わたしは、こわくなりました。ゆっくりと、夕島おじさんを見上げました。
「そうか」
 夕島おじさんが、言いました。体がびくっとなりました。おこった目でした。
「なぐられれば、いたいよ。けられれば、いたいよ。ものをつかってなぐったら、もっと、いたいよ。体もいたいし、心も、いたくなるんだ。ゆうなも、それは、知っているよね」
 むねが、ぎゅうっとしました。なぐられるんだ、と思いました。お父さんの代わりに、夕島おじさんが、わたしをなぐるんだと思いました。
「これから、あやまりに行こう。日野さんと、木場さんに。お父さんも、お母さんも、ゆう馬も、ついていくから。ちゃんと、あやまりに行こう」
「ごめんなさい」
 わたしは、ふるえていました。なぐられるのが、こわかったです。なぐられるのが、かなしかったのです。わたしには、もう、あたたかいごはんはなくなってしまうのだと思って、さみしかったのです。
「おこらないで。いい子になるから。なぐらないで。けらないで。いたいの知ってる。日野さんと、木場さんも、いたかったの、知ってる。ごめんなさい。あやまりに行くから。一人でも行くから。おこらないで。なぐらないで。ごめんなさい」
 夕島おじさんは、わたしを見ています。おこったような目でした。でも、かなしそうな目でした。おこることと、かなしむことは、全ぜんちがうのに、わたしは、夕島おじさんの目が、どっちの目なのか、わかりませんでした。
「ゆうな」
 夕島おじさんは、とつぜん、わたしの頭を、なでました。わらっていました。かなしそうな顔でした。でも、やさしそうな顔でした。
「なぐられたら、いたいんだ。体も、心も。でも、いたいのは、なぐられた人だけじゃない。なぐった人の、体も、心も、いたいんだ。ゆうなは、きっと、それがわかったんじゃないかな」
 いたかった。わたしは、いたかったです。
じゃあ、お父さんも、いたかった? わたしをなぐった時、いたかった?
 でも、お父さんは、もう、いなくなっちゃったから、わかりませんでした。
 だって、お父さんは、もう、いないからです。
「お父さんはね、おこってるよ。当たり前だ。友達に、いたい思いをさせたんだ。それに、ゆうなは、ゆうなにも、いたい思いをさせたんだ。でも、お父さんは、ゆうなのことがきらいだから、おこってるんじゃないんだよ」
 わたしは、夕島おじさんの言ってることが、わかりませんでした。お父さんがおこる時は、いつも、わたしのことをきらっているように、おこるからです。なので、わたしは、夕島おばさんと、ゆう馬お兄ちゃんの顔を見ました。夕島おじさんと同じ、かなしそうで、やさしそうで、なきそうな顔でわらって、まるで、わたしを安心させるみたいに、うなずきました。
「お父さんが、おこるのはね、ゆうなが大切だから、おこるんだよ。家ぞくが家ぞくにおこる時は、大切な家ぞくだから、おこるんだよ。どうでもいい人に、おこったりしない。お父さんはね、ゆうなだから、おこるんだ。だって、ゆうなは、家ぞくだから」
 わたしは、おどろいてしまいました。「え」なのか「へ」なのか、わからない声が、出てしまいました。
 家ぞく? わたしは、家ぞく?
「きのう、学校で先生たちと話した時、日野友子ちゃんと、木場千夏ちゃんも、来てたんだ。二人はね、なきながら、言ってたよ。ゆうながおこって手を出したのは、お父さんとお母さんは本当の家ぞくじゃないって言ったからだって。ゆうなは、おこって、ないちゃって、手を出したんだって。……二人とも、お父さんとお母さんに、ごめんなさい、ってあやまってくれたよ」
 日野さんと木場さんに、わる口を言われた時、わたしがないちゃったのは、かなしかったからです。さみしかったからです。だって、わたしは、夕島のお父さんと、お母さんと、ゆう馬お兄ちゃんと、家ぞくになりたかったからです。やさしくて、あたたかい朝ごはんを、わたしも、食べていいんだって、思いたかったからです。れいぞうこをかってに開けて、食パンを食べる朝ごはんじゃなくて、みんなで、ほかほかした、きらきらした朝ごはんを、食べたかったからです。
「だからね、ゆうなが、手を出したのは、気もちよかったからとか、そんなことじゃないんだって、お父さんは思うんだ。ゆうなが、そう思いこんじゃったか、そうじゃなければ、ゆうなの、うそなんだよ」
 うそ? わたしは、うそをついてた? うそを本当だと思ってた?
「だってね」
 夕島のお父さんは、しずかに言いました。
「くせが、同じなんだ。お父さんも、お母さんも、ゆう馬も、うそをつく時、目がパチパチってうごくんだ。それで、ゆうなも、目をパチパチってさせるから。ああ、同じだって」
「同じ? わたしは、同じ?」
「ああ。同じだよ。ゆう馬と、ゆうな。同じ、お父さんとお母さんの子どもだ。だから、うそをつくときのくせも、同じなんだ」
 本当は、ずっと、家ぞくになりたかったです。でも、本当の家ぞくが何か、わかりませんでした。わたしは、おこられたらなぐられて、たたみの上でねて、名前をよんでくれなくて、家ぞくは、むかしのお父さんしか、知りませんでした。家ぞくの本当を、知りませんでした。
「わたしは、本当の家ぞく? 本当の家ぞくになってもいいの?」
 今のお父さんも、今のお母さんも、ゆう馬お兄ちゃんも、わらっていました。うれしそうに、わらっていました。
「ゆうな?」
「あらあら、ゆうなったら」
「ほら、ゆうな。ティッシュ」
 わたしは、ないていました。うれしくてなく時は、目があつくなって、つぎにほっぺたがあつくなって、体も心もあたたかくなるんだなあ、と思いました。ないているのに、なぐさめてくれなくて、ないているのに、まわりの人は、えがおになるんだなあ、と思いました。

          3

 今日は、土曜日です。わたしは、小学校のグラウンドにいます。高いネットが後ろにあって、ホームベースを置いて、わたしは、バットをかまえます。
「フルスイングだぞ!」
「ゆうな、がんばれー」
 お父さんと、お母さんの声が、聞こえます。お父さんとお母さんは、ネットの後ろで、わたしをおうえんしてくれます。
お兄ちゃんが、ピッチャーマウンドにいます。一るいベースも、二るいベースも、三るいベースも、おいてあります。グラウンドには、わたしの家ぞくしかいません。でも、グラウンドは、わたしにとっての、小さなきゅう場です。
「いくぞ、ゆうな」
 お兄ちゃんが、足を高く上げました。
 わたしは、バットをぎゅうっとにぎりました。ボールがまっすぐにとんできます。わたしは、小さく足を上げて、思いきりバットをふりました。目をつむってしまったけど、パコン、と大きな音が聞こえました。
「ゆうな、走れ!」
 ボールは、お兄ちゃんの頭の上をとんで、二るいベースの方に、ころがっていきます。
 わたしは、バットをおいて走り出しました。一るいベースをふんだ時、ボールが、二るいベースをこえて、ころころと、ころがっていくのが、見えました。ボールをおいかける人は、だれもいません。お兄ちゃんも、お父さんとお母さんといっしょに、おうえんしてくれています。
 二るいベースをふみました。いきが、くるしくなってきました。野きゅうのグラウンドは、思ったよりも、ずっと広かったです。わたしは、一人きりで走ります。でも、一人ぼっちではありません。お父さんの声も、お母さんの声も、お兄ちゃんの声も、聞こえてくるからです。
 三るいベースをふみました。ホームベースを目ざして走ります。わたしの走っていく先に、お父さんがまっています。お母さんがまっています。お兄ちゃんがまっています。わたしの家ぞくが、声を出して、わたしのことを、まってくれています。
 いきが、本当に、くるしいです。ずっと、くるしかったです。かなしかったです。さみしかったです。でも、ホームベースが近くなって、体は、ぽかぽかとあたたかいです。だから、しんぞうのところも、あたたかいです。
「おかえり、ゆうな」
 わたしは、長い長いグラウンドを一しゅうして、今、やっと、ホームに帰ってきました。

うそつきホームラン【原稿用紙50枚程度】 ©加宮

執筆の狙い

小学三年生の女の子が書いた作文風の物語に挑戦してみようと思って書きました。漢字も、小学三年生程度で習う漢字しか使っていません。
ひらがなばかりで読みづらいかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
テーマとしては、「本当の家族を取り戻す」という感じです。
子供の文体が物語にちゃんとマッチしているか、テーマがちゃんと伝わっているかを見ていただきたいです。
また、他の箇所でも感想をいただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。

加宮

180.199.89.116

感想と意見

ささき

 初めまして。

>子供の文体が物語にちゃんとマッチしているか

 マッチしていました。

>テーマがちゃんと伝わっているかを見ていただきたいです。

 しっかり伝わってきました。

 以下その他の感想になりますが。
 出来事と、それに伴う主人公の女の子の心情が無理なく自然に描かれていると思いました。
 その分、読んでいるこちら側までがつらくて痛くて苦しくなってくるのですが、最後が、希望を感じさせる終わり方でほっとしました。
 とてもよかったです。
 欲をいえば、希望が出てきた部分をもっと分量的に増やして厚みのあるものにしてほしかったかなと思います。あるいは、新しい家族とのそういう絡みの場面がもう一つくらいあれば、それまでの苦しかった部分がリアルなだけに、さらに強く感情を揺さぶられたかもしれません。
 全体に主人公の女の子の心情が痛いほど伝わってきましたので、最後がしみじみと良かったなあ……という感慨がありました。

2017-09-11 00:55

125.13.228.244

解けかけの氷

小学校3年生の作文を意識してということで、ひらがなを多用している本作品。

ひらがなが多いのに、子供向けに作られた柔らかい作風ではなく、むしろ暴力という世の中に蔓延るシビアな部分を全面に押し出したというギャップが一つの魅力的なアクセントとなっています。

バットで殴る程ではないにしろ、家内暴力、または学内暴力などは世間に溢れています。誰もがその現場を目の当たりにしたり、実害を被ったり、犯したりもするのではないでしょうか。

そういった観点からでも、皆が目を背けたくなるような世の中の闇とも呼べる部分を、敢えて子供の視点で描くことで、その残虐さを緩和させて物語チックに描写しているように思えます。

更に、暴力によって人の精神に与える影響を表現されているという点も、精神学的に評価される点ではないでしょうか。

また個人的には、幼少期の大人に叱られるかもしれないという恐怖心を久々に思いだし、懐かしい気持ちにもなりました。そういった、成熟していくに連れて薄れていく感情が表現されているのも本作の魅力に感じました。


で、こっからは下手くそからのいちゃもんです。適当に読み流して下さい。

うろ覚えなので、本当にそうだったかは自信がないのですが。

・ふ思ぎと不しぎという表記のブレ
・やけどを火けどと表記しているのに違和感

(見直すと、具体的な箇所が見つけられなかったので気のせいかもしれません。ワードで検索でもかけて下さい)


あと、全体的にもそうですが、完結を急ぐような印象があり、特に終盤は無理やり風呂敷に畳んでいる印象を個人的に感じました。

話が進むにつれて、文章量や描写の丁寧さが徐々に失われていっている気がするのです。

特に、終盤で説明が不足していると感じたのが、彼女が夕島家の家族であると心を開くというクライマックスのシーンです。

語り部のゆうなは、以前のシーンで夕島家の居心地の悪さについて疎外感を理由に挙げていました。

そして、このシーンでは、心の底では夕島家を本当の家族と認めたいと願っていたのに、彼女は同級生にそうではないとそそのかされたから泣いていたと心情を語っています。

それから、彼女は夕島おじさんから口頭で自分達は血の繋がりを感じるほどの家族であると説得されて、自分達は確かに家族であると心を開きます。めでたし、めでたし。

しかし、そもそもゆうなが疎外感を感じていたのは実の両親の存在があってからであり、その辺の折り合いはどう彼女の中で着いたのか。そこが無視されていることが気持ち悪さを感じました。

単純に彼女は子供なので、心から安心できる居心地の良い環境を見つけて飛び込んだだけという解釈もできますが。しかし、この作品には孤児の精神に関わる深いメッセージ性が含まれており、この違和感はそのメッセージ性を踏み潰し得ないかなとも個人的には感じます。
(私がその描写を見落としていたなら御免なさい)

何はともあれ、作品としては素晴らしいとものだと思います。これからも執筆頑張って下さい。

2017-09-11 08:57

49.98.160.240

加宮

ささき様

読んでくださりありがとうございます。
文体とテーマについても、大丈夫だと言ってもらえて嬉しいです。書いてる時は不安だらけだったので、ほっとしています。ありがとうございます。

>出来事と、それに伴う主人公の女の子の心情が無理なく自然に描かれていると思いました。

ありがとうございます。小学生の作文なので、気持ちをどの程度書き込めばいいのか悩みながら書いていたので、そう評価していただけて、良かったです。小学生の作文って、「〇〇をしました。楽しかったです」みたいなものや「〇〇をして、△△をして、□□をして遊びました」みたいに、感情や心の動きが見えにくいものが多いと思います(私の偏見かもしれませんが)。自分の気持ちをうまく言語化できないというか……。だから、なるべく、それに沿う形で書こうと思ったのですが、それだと読んでいる人にちゃんと気持ちが伝わらない……と。でも、自然で無理なくと言ってくださって、安心しました。ありがとうございます!

>欲をいえば、希望が出てきた部分をもっと分量的に増やして厚みのあるものにしてほしかったかなと思います。あるいは、新しい家族とのそういう絡みの場面がもう一つくらいあれば、それまでの苦しかった部分がリアルなだけに、さらに強く感情を揺さぶられたかもしれません。
確かに、こうして振り返ってみると、かなり少ないですね。小学校のグラウンドに行って野球をするシーンの前に、その日の朝ごはんのシーンとか、家族そろって小学校まで歩いていくシーンとかを追加するべきったかも、とご指摘いただいてから思いました。マイナスの場面がずっと続いていたからこそ、それに見合うだけのプラスの場面もしっかり描かなければいけませんでした。ご指摘、ありがとうございます。

>全体に主人公の女の子の心情が痛いほど伝わってきましたので、最後がしみじみと良かったなあ……という感慨がありました。

本当に嬉しいです。ありがとうございます! これを励みにまたこの作品を書き直し、次の作品も書いていきたいと思います。

ありがとうございました!

2017-09-11 18:24

180.199.89.116

加宮

解けかけの氷様

読んでくださりありがとうございます。
全然関係ありませんが、解けかけの氷というお名前が詩的でとても素敵だなと思いました。ごめんなさい、関係なかったですね。

>ひらがなが多いのに、子供向けに作られた柔らかい作風ではなく、むしろ暴力という世の中に蔓延るシビアな部分を全面に押し出したというギャップが一つの魅力的なアクセントとなっています。
>敢えて子供の視点で描くことで、その残虐さを緩和させて物語チックに描写しているように思えます。

このような効果をもたらしていたんですね。お恥ずかしいですが、自分で書いていて、その観点には気づいていませんでした。確かに、子供の文体で子供っぽい話を書いても、よっぽど内容のあるものでなければ「それで?」という風になってしまうかもしれませんね。ちゃんと読み込んでくださったんだなと思って、本当に嬉しいです。感激しています。

>更に、暴力によって人の精神に与える影響を表現されているという点も、精神学的に評価される点ではないでしょうか。

そんな、恐れ多いです。精神学はほとんど無知ですので……。ちゃんと勉強してみたら、もっといいものが書けるようになるかもしれませんね。ありがとうございます!

>こっからは下手くそからのいちゃもんです。適当に読み流して下さい。

いえ、ご指摘いただいた部分は、全部その通りだなと思いました。しっかり受け止めさせてください。

表記のブレについては、読み直してみて、かなり見つかりました。推敲はしたんですが、まだまだ甘かったです。表記ブレがあるものを載せてしまって申し訳ないです。読みづらかったことと思います。すみませんでした。

>全体的にもそうですが、完結を急ぐような印象があり、特に終盤は無理やり風呂敷に畳んでいる印象を個人的に感じました。
>話が進むにつれて、文章量や描写の丁寧さが徐々に失われていっている気がするのです。

これもその通りだなと思いました。さっき自分で読んでみて0のパートの部分が一番丁寧なように感じました。後の方になるにつれて、説明不足、描写不足が目立っているように思いました。書いてる時、推敲の時は、そう感じられなかったのですが……やはり、甘かったです。ありがとうございます。

>特に、終盤で説明が不足していると感じたのが、彼女が夕島家の家族であると心を開くというクライマックスのシーンです。
>しかし、そもそもゆうなが疎外感を感じていたのは実の両親の存在があってからであり、その辺の折り合いはどう彼女の中で着いたのか。そこが無視されていることが気持ち悪さを感じました。

前の部分とも重複するかもしれませんが、私は書いている時に「無駄なシーン・描写は省く」ということに気を付けて書いています。書いているとつい余計なことまで書きたくなってしまうので、それを自制しようと思い、この注意事項を自分に言い聞かせているのですが、それが、本当は必要なシーンも省いてしまっていることにつながっているのかもしれません(決して言い訳のつもりではないのですが……)。
確かに、前の両親(虐待していた父親、生まれてすぐ亡くなった母親)のことに関して、ほとんど記述がなく、それでは本当に解決したことにはなっていないと思います。今の家族が本当の家族と思えることで、前の両親のことを克服した、と捉えることもできますが、そんなに単純なことではなかったはずでした。トラウマになるほど、前の父親の虐待のことを引きずっているわけですし……。絶対に書かねばならない主人公の気持ちだったと思います。ご指摘ありがとうございます。

>何はともあれ、作品としては素晴らしいとものだと思います。これからも執筆頑張って下さい。

この作品の書き直し、そして次の作品も頑張って書いていこうと思っています!
本当にありがとうございました。

2017-09-11 18:55

180.199.89.116

こんばんは、水と申します。
漢字を開くのがめちゃくちゃ大変だっただろうなあ……と思いつつ読んでいました。
タイトルと文章の試みに変わったセンスを感じます。話の展開については、無垢な主人公が暴力に染まっていくかと思わせて、最後におじさんの言葉に救われる、という流れが凄くいいと思いました。

とても印象に残る作品でした。執筆お疲れ間でした。

2017-09-11 21:54

180.197.154.245

加宮

水様

読んでいただきありがとうございます。

>漢字を開くのがめちゃくちゃ大変だっただろうなあ……と思いつつ読んでいました。

……はい、正直、大変でした。一つひとつこの漢字は何年生で習うんだろうって調べながらでしたから……。読んでいる方は、そんなところにも心を配ってくださるのですね。何だか、きっと水様は優しい方なんだろうなと、勝手に想像で思ってしまいました。

>タイトルと文章の試みに変わったセンスを感じます。

ありがとうございます。タイトルをつけるのは苦手でいつも悩み悩み決めています。そう言っていただけて嬉しいです。この文体にチャレンジしたことも無駄じゃなかったと思えました。励みになります。ありがとうございます!

>話の展開については、無垢な主人公が暴力に染まっていくかと思わせて、最後におじさんの言葉に救われる、という流れが凄くいいと思いました。

暗い話のまま終わるのは絶対に嫌だったですし、主人公の女の子にも絶対に最後は報われる展開、ハッピーエンドにしようと、これを書こうと思った最初から決めてました。ちょっと救われる展開の部分が足りなかったなと反省していますが、そのような感想をいただけて、嬉しいです。

>とても印象に残る作品でした。

本当にありがとうございます。労いの言葉までいただいてしまって、本当に感謝です。

ありがとうございました!

2017-09-11 22:31

180.199.89.116

加宮

水様

追記ですみません。
二面に水様の作品があったので、スケジュールの都合でかなりお時間かかってしまうと思いますが、作品を読んで、感想を書かせていただきますね。
ボートにはちょっと縁があって、普通の人よりは知っているので、どんな内容なのかちゃんと読むのが楽しみです。
よろしくお願いいたします。

2017-09-11 22:35

180.199.89.116

古河 渚

加宮様

はじめまして、拝読しました。
最近、こちらでいろいろな作品を読ませていただいて刺激を受けている者です。
本作品も、とてもよい作品で大いに刺激を受けました。涙腺が緩みそうになったのも事実です。

不幸な生い立ちから、学校でのできごと、新しい家族との関係などが
とても細やかに表現(描写)されていて、また、全体構成もよく考えられているなと勉強になりました。
秀逸だったのは、怪獣になるシーンですね。とてもよかったです。

いくつか気になった点ですが
(1)>おこるお母さんの人を見たことがある>で詰まりました。
    おこる女の人を見たことがある。こういう人がお母さんなのかなって思いました。みたいな感がいいような気がしました。
(2)>クラスのみんなの体が、すごく白くて、きらきらしていました。>
    これは良く分かりませんでした。風呂に入っていないみたいな感じでしょうか?
    例えば、みんな水泳が得意なのに、わたしだけ泳げません(都市部では水泳教室に行く子が多いです)みたいな感じはどうでしょう。
(3)>近じょの、ほいくえんみたいなたてもの>
    保育園も幼稚園も行ったことがないのであれば、小さな小学校みたいな建物のほうがいいような気がします。

(4)良く知らないのですが、有島の家に引き取られる経緯が、早いような気がしました。
   血縁の里子であれば早そうですが、調べると本人と3親等が条件みたいです。そのあたりを説明したほうがいいような気がします。
   例えば、会ったことのないお母さんの弟(叔父さん)であるとかです。

とてもすばらしい作品でした。
次の作品も読ませてください。
ありがとうございました。

2017-09-11 22:38

27.92.117.133

加宮

古河 渚様

読んでいただいてありがとうございます。

>最近、こちらでいろいろな作品を読ませていただいて刺激を受けている者です。

私も、ここで読ませていただいた作品、作品への感想に刺激を受けています。皆さん本当に鋭いところを突っ込んでくださるので、とても勉強になっています。

>本作品も、とてもよい作品で大いに刺激を受けました。涙腺が緩みそうになったのも事実です。

いえ、本当に恐れ多いです。でも、ありがとうございます。嬉しいです。

>不幸な生い立ちから、学校でのできごと、新しい家族との関係などが
 とても細やかに表現(描写)されていて、また、全体構成もよく考えられているなと勉強になりました。

小学生の作文風という文体だったので、どのくらいの匙加減で描写すればいいのか、本当に悩まされました。一応、プロットは作っているのですが、構成については全然自信がなく、どう組み立てればいいのか、全然つかめてないなと感じることが多いです。
でも、古川渚様にそう言っていただけて、少し自信になりました。ありがとうございます!

>秀逸だったのは、怪獣になるシーンですね。とてもよかったです。

ありがとうございます。あそこは、何回も何回も書き直して、ようやく書けたところでした。ある意味で怪獣みたいに狂ってしまった主人公の主観的描写で、客観的にどこまで伝わる表現にできるか、かなり不安で、書き終わった後も不安でしたが、古川渚様にそう言っていただけて、肩の荷が下りたような気持ちです。ありがとうございます。

>(1)
確かにお母さんに会ったことがないはずの主人公がそう思うのは不自然ですね。
>こういう人がお母さんなのかなって思いました。みたいな感がいいような気がしました。
この表現の方が的確ですね。私の表現では、かなり安直でした……。
>(2)
ここは、自分の体は虐待で傷だらけ、青あざだらけなのに、同級生の体は傷一つなくて白くてきらきらしている、ということを表現したかったです。
ちゃんと伝わるように書けていなかったです。推敲の余地あり、ですね。やっぱり、書くのって難しいです……。ありがとうございます。

>例えば、みんな水泳が得意なのに、わたしだけ泳げません(都市部では水泳教室に行く子が多いです)みたいな感じはどうでしょう。

確かに他の子に比べて絶対に泳ぎは苦手なはずですもんね。ろくなものを食べてなくて体も弱い、幼稚園などでプールの経験もない、ですから。体の傷だけでなく、そこでも同級生との対比ができたかもしれません。ありがとうございます!

>(3)
>保育園も幼稚園も行ったことがないのであれば、小さな小学校みたいな建物のほうがいいような気がします。

その通りですね……。ここも(1)と同じで、保育園には行ったことがないはずなのに、そういう表現がでるのはおかしいですもんね。
細かいところにまで神経がいっていない証拠ですね。ご指摘いただけないと気が付かなかったところでした。ありがとうございます。

>(4)
どこの人に引き取られるのが一般的で自然なんだろうと、私もいろいろと調べてみたのですが、結局、小学生の一人称視点ですし、明確にするより曖昧なままの方がいいのかなと思って書きました。小学生って、親戚関係とかちゃんと把握していないことの方が多いのかなと。今回の主人公の家庭も、親戚づきあいなど全くといっていいほどない家庭なので、主人公は親戚関係など知らないんだろうなと思っていました。
>そのあたりを説明したほうがいいような気がします。例えば、会ったことのないお母さんの弟(叔父さん)であるとかです。
やはりちゃんとした説明があった方が、読んでる方としては、もやもや感がなく、すっきり読めるのかもしれませんね。どう書けばいいのでしょう……。悩みどころです。

>とてもすばらしい作品でした。
 次の作品も読ませてください。
 ありがとうございました。

こちらこそ、素敵な感想を本当に、ありがとうございました。
また見かけましたらよろしくお願いいたします。私も、古川渚様を見かけましたら読ませていただきますね。

ありがとうございました!

2017-09-11 23:12

180.199.89.116

赤沢佳明

拝読いたしました。

文 体:多分、だいたい良いと思います。
テーマ:「本当の家族を取り戻す」をそのまま受け取ると、壊れた家庭が壊れる前よりもっと良くなる、みたいに想像しますが、「普通のあたたかな家庭を知る」という意味だと思いますので、それだと充分に伝わってきました。

 そうですね、この作品そのものがもちろんテーマを告げているのですが、作者様の伝えたいという思いが伝わってきた、という感じです。

 以下は疑問点です。

1:「ゆうなは、家ぞくだから」とか、「私がお母さんでこの人がお父さん、これからそう呼んでね」くらい言ってお互い納得しての養女ではないのかな、と思いましたが、夕島おじさんとか夕島おばさんと呼んでいる以上そうなってないようです。ここは引っ掛かりました。
 それで、夕島家の人達は説明はしたものの理解できていなかった、として読み進めましたが、説明はあった、しかし理解できなかった、という部分を入れておいた方が親切かと思いました。

2:最初の虐待、その後主人公の暴力やトラウマがよく描かれています。それに対して、夕島家に馴染んでいくまでの過程が(上の方も言っておられますが)分量にして少ないようです。できれば、虐待・暴力・トラウマよりも多くあるべきかな、と。すんなり進むのではなく、夕島家の過程に馴染もうとし、上手く行きかけるが過去のせいで上手くいかなくなるみたいなことが二度ほどあって、その後ハッピーになったほうがテーマの分量が多くなり、読み応えも出るかと思いました。結果、80枚を超すと思いますがいかがでしょう?

  以下は好きなところです。

1:私も怪獣のシーンは好きです。あとラスト。
2:>そうすれば、すごくいたいのになあと思いました。でも、それは、すごくいたいので、わたしはいやでした。
  >だから、おちつくんじゃなくて、気もちがいいのだと思います。二人をなぐると気もちがいいです。さい高です。やめられない気がしました。
  2:は、言葉の重複が上手く機能しているように感じたので。
3:その他あちこち:すいませんいい加減で。ちょっと時間がなくなってきました。


 ストーリーとしては既視感があるものの、子供視線と虐待に関わる心理的な描写がよく、また、繰り返しますが作者様のテーマを伝えたいという姿勢が心地良かったです。

 それではありがとう御座いました。

2017-09-12 17:17

219.66.178.190

赤沢佳明

再訪です。

間違い
 夕島家の過程 → 夕島家の家庭

失礼しました。

2017-09-12 20:05

153.183.144.121

加宮

赤沢佳明様

読んでいただいてありがとうございます。

文体について、だいたい良いと言っていただけて良かったです。本当に、これでいいのか不安で不安で仕方なかったので、ほっとしています。

>この作品そのものがもちろんテーマを告げているのですが、作者様の伝えたいという思いが伝わってきた、という感じです。

ありがとうございます! この作品を書いて良かったなと思える一言をいただけたような思いです。面白い作品も好きですが、私は、思いが伝わる作品ってすごくいいな、そういう作品を書きたいなと常に思っているので、本当に、書いて良かったです。書いている時は、思い通りにいかない苦しさや、ゆうなの痛みや苦しみに私も痛くて苦しくなるような思いで書いていました。何だか、報われた気がしました。

>1
>「私がお母さんでこの人がお父さん、これからそう呼んでね」くらい言ってお互い納得しての養女ではないのかな、と思いました
>説明はあった、しかし理解できなかった、という部分を入れておいた方が親切かと思いました。

私の中では、そういう説明があって、でもゆうなは本当の家族とは思えなくて心の中でおじさんおばさんと呼んでいる、というのがあったのですが、確かに違和感を覚える人は多いはずで、絶対に書くべきところでした。本当に、皆さんの感想をいただいて、どれだけ描写不足だったか、思い知らされています。ありがとうございます!

>2
>夕島家の過程に馴染もうとし、上手く行きかけるが過去のせいで上手くいかなくなるみたいなことが二度ほどあって、その後ハッピーになったほうがテーマの分量が多くなり、読み応えも出るかと思いました。

ここも、もっと丁寧に書くべきでした。虐待の描写はある意味では分かりやすく、センセーショナルなので、こう言うと語弊がありますが、書きやすい部分もあるなと私は感じました。もちろん、書いていて、苦しい部分ではあるのですが。逆に、上手くいきかける描写というのは、難しい面もあって、きっと、心のどこかで楽をしてしまったんだと、私は感想を読んだ時に感じました。結末を急ぐあまり楽をしてしまった、と。
もっと丁寧に、上手くいかないこと、上手くいくこと、少しずつの進歩があってから、ラストに向かわせた方が、しみじみとしたいいラストになったはずです。

>結果、80枚を超すと思いますがいかがでしょう?

仰る通りだと思います。確実に80枚を超えるはずです。
私の今の作品では、圧倒的に分量不足なのだなと思いました。大幅に加筆修正する必要がありますね。それに気づけたのは、皆さんの感想のおかげです。本当に、ありがとうございます。

>1:私も怪獣のシーンは好きです。あとラスト。

ありがとうございます。一番力を入れて書いた部分の一つなので、そう言っていただけて嬉しいです。

>2:は、言葉の重複が上手く機能しているように感じたので。

ありがとうございます! 

>3:その他あちこち:すいませんいい加減で。ちょっと時間がなくなってきました。

いえいえ、読んでいただけて、こんな感想までいただけて、本当に感謝しています。ありがとうございます!

>それではありがとう御座いました。

こちらこそ、素敵な感想をありがとうございました!

また見かけましたらよろしくお願いいたします。私も、赤沢様を見かけましたら読ませていただきます!

2017-09-12 23:45

180.199.89.116

今晩屋

 よみました。
 
 すごく良かったです。最後のシーン最高ですね、テケテケ懸命に走る姿を追いかける家族の姿と、ゆうなちゃん視点の両輪が浮かびあがりました。
 限定的な文体でよく練られており読みやすく、起伏があり良い作品です。
 狙いにある本当の家族を取り戻す。よりは、家族を知る。との事ではなかろうかと思います。終盤のやり取りの中で、ゆうなちゃんが家族との言葉を出したあたりから急に大人びた雰囲気がでてます。家族の意味を知らない。が自然だったと思います。
 うそつきホームラン。タイトルを成立させるなら、最終シーンのホームランをこれが彼女の知らない家族である。と作者様に決定打を与えて欲しかったです。前半は言葉で物語を押していなかったんですね。
 
 ともあれ、すごく良かったです。
 次回作も楽しみにしております。

2017-09-13 19:16

119.63.158.224

アトム

初めまして。

こんな小説を書いてくださり、ありがとうございます。久し振りの秀作ですね。

少女の心情が繊細に書かれており、目頭が熱くなりました。

書き出しから、最期まで少女の語りに囚われたまま読まされました。途中、どうか良い方に展開してくれと願いながらです。

少女の中に入り込み、少女視線で書くのはすごく難しいことです。語りの中に大人の存在が見えなかったのが、この小説の優れているところだと思いますね。それが、読者を惹きつけ感動させる要因になっていますし、内容に厚みももたしています。才能のある方だと思います、うなされました。

上で仰っているような瑕疵が、目に止まらず読み終えたのは珍しいことですーー小説にそれだけの力があったからでしょう。

多くの人に読んで欲しい作品です。

ありがとうございました。

2017-09-14 00:26

126.26.146.12

九月が永遠に続けば

タイトルが、内容に全くあっていない。(嵌っていない)

なんか・・このタイトルが先にあって(タイトルありき)で、ラストシーンに向けて「無理矢理辻褄合わせました」の唐突感があって、
ラストシーンが浮く。

(はなはだ予定調和的で、オチが「好きじゃなかった」ってのもあるけども)


全体に嫌いな話なんですが、
一番「いいな」と思ったキャラは秋山さん。(次に青木先生)
“かいじゅうになったゆうな”を、彼女が止め・救出する場面は、物語の山場で【最重要シーン】だと思うんだけど、
肝心なその場面で、ゆうなは、秋山さんの姿を認識してなくて【女の子】って粗略な扱いに。。

すんごい納得がいかなかったし、
暴力事件のシーンは、流し読みになってたせいか、ヴィジュアルがとんと浮かんで来ないし、感情の起伏も「分かりずらい」ので・・

そこでこそ「感情描写を掘り下げる」というか・・
出来事を羅列するんでなしに、ゆうなの心象風景を、読者にダイレクトに響くカタチにまとめあげ「描き出してみせる」って事がたぶん必要で、
それをやると(出来ると)、一気に「小説らしくなる」んだと思った。


本文、「〜思いました」「〜言いました」を頻出させて、淡々淡々と「出来事羅列」で綴っていて、
現状だと、だらだら説明文・出来事の羅列に留まってしまってて。

感情描写は、一見できているようでいて、少女の心象風景が鮮やかに立ち上がっては来ず・・
「彼女自身の言葉が足りない」し、
「彼女目線の視覚描写が絶対的に不足」している。

夕島家の家族に引き合わされた時の「第一印象」とそのヴィジュアル(年格好の説明)、青木先生と秋山さんとのヴィジュアルぐらいは、最低限必要な気がするし・・普通書くんじゃないか? って思う。



漢字・ひらがな混在表記についてですが・・
「庭〜校庭」「筆」「下駄箱」「始業式」「終業式」なんかは、小学校2年生ぐらいで習います。
学校関連の用語は目にする機会が多いのと、「国語の教科書教材で使用されているから」です。

2017-09-14 12:04

219.100.86.89

加宮

今晩屋様

読んでいただきありがとうございます。返信が遅れて申し訳ございません。

>限定的な文体でよく練られており読みやすく、起伏があり良い作品です。

ありがとうございます! ひらがなばかり、幼い語り口で読みにくいかもしれない、作文風なので物語が淡々としてしまわないかと危惧していたので、そう言っていただけて良かったです。

>狙いにある本当の家族を取り戻す。よりは、家族を知る。との事ではなかろうかと思います。

そうですね。ゆうな自身も、本当の家族を知らなかったと言っていますから、そっちの方が正確かもしれません。やはり、当初のねらいとは、書いていくにつれてズレていってしまうのかもしれませんね……。自分の思った通りに書くのって難しいです。

>終盤のやり取りの中で、ゆうなちゃんが家族との言葉を出したあたりから急に大人びた雰囲気がでてます。

そうなんですね。私は自分で書いていて気付かなかったです。やはり、知ることによって成長できた、ということなのでしょうか。

>最終シーンのホームランをこれが彼女の知らない家族である。と作者様に決定打を与えて欲しかったです。

他の箇所でもそうなのですが、あくまで視点はゆうなで、幼い小学三年生(それもまだ一学期のはじめ)、どこまで事実や感情を正確に書けばいいのか、その程度にすごく悩みました。大人が同じ出来事を見れば感じるであろう感情の動きや、そこから読み取れることを、ゆうなの主観的な見方や拙い表現力で、どう書けばいいのか、あるいは書かないのか。私としては、決定打を与えてしまうような書き方は、ゆうなの視点に反するようにも思えるのですが、どうなのでしょうか? その記述は客観的にすぎるというか……。
貴重なご意見をありがとうございます。自分でも考えてみます!

>ともあれ、すごく良かったです。次回作も楽しみにしております。

本当に、ありがとうございます。また見かけましたら、よろしくお願いいたします。

2017-09-14 12:50

180.199.89.116

加宮

アトム様

読んでいただいてありがとうございます。返事が遅れて申し訳ございません。

>こんな小説を書いてくださり、ありがとうございます。久し振りの秀作ですね。
>少女の心情が繊細に書かれており、目頭が熱くなりました。

本当に、私なんかの作品にはもったいないくらいのお言葉です。恐れ多いです。でも、嬉しいです。ありがとうございます。

>途中、どうか良い方に展開してくれと願いながらです。

最初からラストは絶対にいい方向で終わるように決めていましたが、それでも書いていて、途中まで本当に苦しかったです。他の方の感想でも書きましたが、やはり、苦しい部分の比重が大きすぎて、好転していく描写が足りなかったように思います。

>少女の中に入り込み、少女視線で書くのはすごく難しいことです。語りの中に大人の存在が見えなかったのが、この小説の優れているところだと思いますね。

ありがとうございます。本当に難しかったです。まだまだ私が精神的に子供だから、レベルはどうあれ書けたのかもしれません。アトム様の感想で、太宰治の『女性徒』(だったかな? タイトル違ったら恥ずかしいですが……)を思い出しました。女性視点であれほど素晴らしい作品を書くのは、到底、到底無理ですが、幼い女の子だけでなく、中学生、高校生くらいの女性の一人称視点にも挑戦してみたいなと、ぼんやりと考えています。

>才能のある方だと思います、うなされました。
>上で仰っているような瑕疵が、目に止まらず読み終えたのは珍しいことですーー小説にそれだけの力があったからでしょう。

いえいえ、本当に、恐れ多くて、恐縮してしまいます。これを励みに次も頑張りたいと思います。ありがとうございます!

>ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました! 素敵な感想をいただけて、本当に感謝しております。

2017-09-14 13:05

180.199.89.116

加宮

九月が永遠に続けば様

読んでいただいてありがとうございます。

>タイトルが、内容に全くあっていない。(嵌っていない)
>なんか・・このタイトルが先にあって(タイトルありき)で、ラストシーンに向けて「無理矢理辻褄合わせました」の唐突感があって、ラストシーンが浮く。

ご批判ありがとうございます。確かにラストは、初めからゆうなにとっていい方向にしようと決めていて、書き始めました。私のその意図が。、読んでいる方に分かるほど展開が稚拙だった、ということなのかなと、猛烈に反省しております。そのような唐突感、辻褄合わせ感は、絶対に読者を冷めさせてしまいますもんね。もっと、丁寧に展開させて、納得のいくラストを作る努力をしなければならないということを痛感いたしました。ありがとうございます!
私はいつも、タイトルをつけるのが下手くそで、タイトルをつけたくない……どうせセンスのないタイトルになるに決まってると思っているので、タイトルをつけたのは、最後の最後なのですが、やはり、タイトルありき、という感じ方をされてしまうということは、展開に必然性がなかった、ということですよね……。書くのって、本当に、難しいです。

>“かいじゅうになったゆうな”を、彼女が止め・救出する場面は、物語の山場で【最重要シーン】だと思うんだけど、
>肝心なその場面で、ゆうなは、秋山さんの姿を認識してなくて【女の子】って粗略な扱いに。。
>すんごい納得がいかなかったし、

その通りだと思います。秋山さんは、ゆうなにとって、学校で一番の味方というか、夕島家の人と同じくらい重要な人物のはずで、彼女がいなかったら、夕島家に馴染むこともできなかったはずです。その秋山さんを粗略な扱い方をしてしまったのは、私の実力不足でした。家族というテーマを通すために、秋山さんを犠牲にしてしまったように感じています。もっと彼女を生かしつつ、家族との問題にも向き合えるように書かなければならなかったのかもしれません。

>そこでこそ「感情描写を掘り下げる」というか・・ ~ 「彼女目線の視覚描写が絶対的に不足」している。

私の勝手なイメージだったように思いますが、小学生の作文は、出来事の羅列と、圧倒的に足りない気持ちの表現(私は今日、〇〇をしました。次に△△をして、さいごに□□をしました。すごく楽しかったです。……みたいな)で成り立ってることが多い気がしていて、それで文体を選ぶ時にこのような形にしました。こういう表現になるべく沿う形で、どれだけ感情表現や風景描写、出来事などを語っていけばいいのか、明確な感情描写や風景描写はこの文体にそぐわないのではないか、でも、それだと読者に伝わらない……と、悩み悩み書いていました。あくまで可能ならですが、「思いました」「言いました」の羅列、出来事の羅列で、ちゃんと読者に感情を届けられたらそれが理想かもしれない、でも、自分にはそんなことはできない……それで、このような小説の形になりました。でも、もしかしたら、私のその考えが間違っていた可能性もあるな、九月が永遠に続けば様の感想をいただいて思いました。自分なりに、もっと熟慮しなければ……。

>夕島家の家族に引き合わされた時の「第一印象」とそのヴィジュアル(年格好の説明)、青木先生と秋山さんとのヴィジュアルぐらいは、最低限必要な気がするし・・普通書くんじゃないか? って思う。

上のことと重複するかもしれません……、すみません。確かに物語的には必要だったんですけど、小学生が気にするのかな、ましてや他人に傷つけられて育ったゆうなが、人のことを気にするのかな、と思って、そういう描写は排除してしまいました。それが分かりづらさにつながってしまったのかもしれませんね。どう書けばよかったのか……反省しています。

>漢字・ひらがな混在表記についてですが・・「庭〜校庭」「筆」「下駄箱」「始業式」「終業式」なんかは、小学校2年生ぐらいで習います。

そうなんですね。ご指摘ありがとうございます。一応、私も調べて、小学校の学習指導要領に習う漢字が学年別にのっていることが分かって、それを参考にしたのですが……。確か、「業」は小学三年生で習うとあって、でも、ゆうなはまだ三年生の一学期だし、業を使うと一気に子供っぽさがなくなるなと思ったので……。他にも同じ理由で漢字にしたりしなかったりの部分は多少ありますが、私の調べが足りなかったみたいです。ありがとうございます。

ご感想、ご批評、ありがとうございました! また見かけましたら、どうか、よろしくお願いいたします。

2017-09-14 13:34

180.199.89.116

九月が永遠に続けば

「小学校低学年の作文」なんですけども・・
仕事で教えていた時分、わんさと読みました。

低学年でも、書ける女子は書けるし、巧いのです。そういう子の文章は、「目の付け所がいい」んで、単語の持って来方なんかは、大人が思いつけない新鮮さで、目を見張らされます。


それはそれとして、
これははじめから【絶対小学生の作文ではない】じゃん??

いいトシの大人が、それやっても、どこまでもそれは「もどき」にすぎない。
∴「小学生の作文の稚拙再現を目指す」姿勢がまず間違っている。。(ごめんなさいね)


ですから、書くにあたっては、「児童文学なのか、一般小説なのかの二択」でしかなく、(そしてこれは【児童文学ではない】)

「小学生の作文模倣」には意味はないし、現実問題「不可能」なんで、、、

その妙なこだわりは完全に忘れて(捨て去って)、
【小説へと昇華すること】を考えた方がいい(&考えないとイケナイ)と思う。

2017-09-14 14:03

219.100.86.89

ちくわ

こんにちは作品読ませていただきました。

よくもまあこんな感じで50枚書きましたね、漢字の開きとかもそうですけれど、書いてて辛くなる場面が多くてじゃね、さぞや大変だっただろうなと思います。
お疲れさまでした。

大変に面白かったですし、実を言いますと読み終えてから何日か、感想を書かなきゃいけないなって思い続けてたんじゃよね。
ただ、どう書けばいいのか、そこのところが思い浮かばない(笑)
この世界はかなり閉じられててじゃね、つまりほぼ完成しているように思えたからじゃ。
上で赤沢さんが述べられておられるように、まだまだ足りないエピソードやら描写はあるのじゃと思います。
50から80、そしてどうかしたら100頁くらいまで引っ張る余地がありそうじゃね。
量が増すと薄くなるような気がしますよね、確かにそういったお話はあります。
たとえば短編向きの題材を引き延ばしたら薄くなっちゃうでしょう。
けれど多分これはある程度まで量を増やしたほうが却って濃くなりましょう。間違いありません。

今回のお話はわりあい単純なカタチになっています。始まりから終わりまでが一直線ですじゃね。ストーリー的にじゃね。
一人称ですから「わたし」の考えや思ったこと、うまく言葉にできないこと、相手に伝わらないことなどを絡めて、いくらかの「ひねり」を入れれば幅が出てくると思います。
主人公の性格をもう少しだけ表に出して、好きなように喋らせてみると、それだけで厚くなると思います。
幅と厚みを加えたら、土俵を駆け抜ける馬力が出そうじゃ。
誤解されて孤立する場面だとか、それでも理解者がいたりすることで、彼女が感じるだろうなにかを自然に醸し出してほしい。それで彼女の成長みたいな部分を読者に応援してもらえれば最高じゃな。
つまりそういう外連味を期待したいのじゃ。
もしもそうやって書き上げたならばすばらしい作品になると思います。
できれば公募まで持って行って欲しいなあと思いました。

たとえば同じような年齢の女の子が主人公の「円卓」西加奈子などは参考になるかもしれません。(方向性は本作とは違いますけど)
これは映画にもなりましたけれど、一人の女の子が考え付くとても変な世界が、大人である我々の想像も及ばない不思議な味わいを出していました。
よければお手にとってみてください。



個人的にですけど日野さん木場さんの下種っぷりはとてもいいなと思いました。彼女たちに栄光あれじゃ。
いいなあこのキャラ。

ほんと面白かったです。
どうぞ書き続けてください。それでは。

2017-09-14 14:22

114.191.143.197

加宮

九月が永遠に続けば様

コメントありがとうございます。

>これははじめから【絶対小学生の作文ではない】じゃん??
>いいトシの大人が、それやっても、どこまでもそれは「もどき」にすぎない。
>∴「小学生の作文の稚拙再現を目指す」姿勢がまず間違っている。。(ごめんなさいね)

その通りですね……。例えば、書店の文芸コーナーに小学生の作文が書籍化したものが置いてあっても、たぶん買わないでしょうし……。(そういうものを求めている人は別として、一般小説を読もうと思って手に取ったら小学生の作文でした、では、読者は怒って本を閉じてしまいますよね)

>その妙なこだわりは完全に忘れて(捨て去って)、
>【小説へと昇華すること】を考えた方がいい(&考えないとイケナイ)と思う。

小説へと昇華する、それが九月が永遠に続けば様の仰っていた

>出来事を羅列するんでなしに、ゆうなの心象風景を、読者にダイレクトに響くカタチにまとめあげ「描き出してみせる」

ということですよね。

今の私では、この文体で少女の心象風景を描き出すことは、できません。もっともっと批評をいただいて、たくさん書いて、たくさん読んで、他の方の作品に感想を書いて……としていかなければ、私自身の力を向上させていかなければなりませんね。ありがとうございます。

丁寧にもう一度コメントしてくださって、本当にありがとうございました!

また見かけましたら、どうぞ、ご容赦なく批評をいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

2017-09-14 16:09

180.199.89.116

加宮

ちくわ様

読んでいただいてありがとうございます。

>よくもまあこんな感じで50枚書きましたね、漢字の開きとかもそうですけれど、書いてて辛くなる場面が多くてじゃね、さぞや大変だっただろうなと思います。
>お疲れさまでした。

労いのお言葉ありがとうございます。はい……いろいろと大変でした。でも、ちくわ様を含め、皆さんから感想・批評をいただいて、書いてよかったなと思えましたし、悪いところも改善点も見えてきました。書いて、投稿してよかったなと思っています。

>50から80、そしてどうかしたら100頁くらいまで引っ張る余地がありそうじゃね。
>多分これはある程度まで量を増やしたほうが却って濃くなりましょう。間違いありません。

仰る通りだと思いました。本来なら必要であったシーンを追加して70頁、さらに厚みを持たせるために追加して100頁くらいになるのかな、と自分では感じています。追加する際には、ただ量が増えただけで薄くならないように、より密度の濃い作品にするための追加であることを肝に銘じなければなりませんね。ありがとうございます。

>今回のお話はわりあい単純なカタチになっています。始まりから終わりまでが一直線ですじゃね。ストーリー的にじゃね。

本当にその通りですね……。単純すぎて厚みがない、一直線すぎて必要なシーンを飛ばしてしまった、という感じでしょうか。

>一人称ですから「わたし」の考えや思ったこと、うまく言葉にできないこと、相手に伝わらないことなどを絡めて、いくらかの「ひねり」を入れれば幅が出てくると思います。
>主人公の性格をもう少しだけ表に出して、好きなように喋らせてみると、それだけで厚くなると思います。

主人公のゆうなは、木場さんと日野さんに暴力を振るうところ以外、自ら外界に働きかけるシーンがほとんどありません。あと、せめて言うなら、野球をやりたい、と言うところくらいでしょうか……。なので、ゆうなの性格をもっと出して、そうすることによって生じる外界(夕島家、同級生など)との軋轢、葛藤、温かみ、などを描いていくことで幅が生まれる、ということですよね。現在のゆうなの性格からどのようなシーンにすべきか、ちょっと難しいなと尻込みしてしまいそうですが、頑張って考えてみます! ありがとうございます。

>誤解されて孤立する場面だとか、それでも理解者がいたりすることで、彼女が感じるだろうなにかを自然に醸し出してほしい。それで彼女の成長みたいな部分を読者に応援してもらえれば最高じゃな。

理解者が、秋山さんだったり、夕島家の人だったりするのでしょうね。それを自然に醸し出す……うーん、難しいですね。でも、頑張りますよ!

>もしもそうやって書き上げたならばすばらしい作品になると思います。
>できれば公募まで持って行って欲しいなあと思いました。

そうですね。100枚以内で応募のあるところがあると思うので、加筆修正して、自分なりに手応えの感じられる作品にできたら、考えてみたいと思います!

>たとえば同じような年齢の女の子が主人公の「円卓」西加奈子などは参考になるかもしれません。(方向性は本作とは違いますけど)

読んでみます! 具体例をありがとうございます。

>個人的にですけど日野さん木場さんの下種っぷりはとてもいいなと思いました。彼女たちに栄光あれじゃ。いいなあこのキャラ

そうなんですね。私は、書いてて彼女たちが嫌いで仕方なかったです……。確かに、ひどい下種っぷりですもんね……。ありがとうございます。

>ほんと面白かったです。
>どうぞ書き続けてください。それでは。

ありがとうございました! また見かけましたら、よろしくお願いいたします。

2017-09-14 16:30

180.199.89.116

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